JP2015139970A - 型締装置及び成形装置 - Google Patents

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和裕 山尾
Kazuhiro Yamao
和裕 山尾
勇 大沼
Isamu Onuma
勇 大沼
幸夫 黒川
Yukio Kurokawa
幸夫 黒川
文博 及川
Fumihiro Oikawa
文博 及川
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Abstract

【課題】比較的小形のシリンダユニットによってタイバーを引抜くことができるタイバー引抜機構を備えた型締装置を提供する。
【解決手段】型締装置10のタイバー引抜機構70は、ロッド72を備えたシリンダユニット71と、ロッド72によって第1の位置と第2の位置とに移動する移動体73と、移動体73に設けられた係合部材74とを備えている。移動ダイプレート13の移動方向に延びる複数のタイバーのうちの少なくとも1つは、移動ダイプレート13に対し挿入位置と引抜位置とにわたって移動可能な引抜タイバー33である。引抜タイバー33に複数の嵌合部85,86が設けられている。係合部材74は嵌合部85,86に嵌合することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばダイカストマシン等の型締装置に係り、特にタイバー引抜機構を備えた型締装置及びその型締装置を備えた成形装置に関する。
成形装置の一例であるダイカストマシンは、固定型を取付ける固定ダイプレートと、移動型を取付ける移動ダイプレートと、型締機構などを有した型締装置と、射出装置とを備えている。型締機構の一例は、複数(例えば4本)のタイバーと、移動ダイプレートをタイバーに沿って移動させる型締シリンダなどを含んでいる。金型(固定型および移動型)を交換すれば、1台のダイカストマシンを用いて様々なダイカスト製品を製造することができる。このため必要に応じて金型の交換が行なわれている。
金型を交換する際には、金型の形状や大きさによっては金型がタイバーと干渉するため、少なくとも1本のタイバーを金型交換の邪魔にならない位置に移動させる必要がある。例えば特許文献1に記載されているように、タイバーを所定量引抜くためのタイバー引抜機構を備えた型締装置が知られている。この型締装置では、金型交換時に型開閉用のシリンダユニットによってタイバーを所定位置まで引抜いている。
特開2005−144802号公報
シリンダユニットによってタイバーを引抜く構造の従来例の場合、シリンダユニットのロッドの伸縮ストロークによってタイバーを引抜くことができる距離が左右される。すなわちタイバーの引抜量を大きくするには、長さの大きな(ストロークの長い)シリンダユニットを使用する必要がある。このためシリンダユニットが大形化するとともに重量も大きくなり、シリンダユニットを設置するためのスペース上の制約も大きくなる。またストロークの長いシリンダユニットを得るために、複数の油圧シリンダを直列に組合わせることもあり、その場合には構造が複雑化するという問題が生じる。
従って本発明の目的は、比較的小形のシリンダユニットによってタイバーを引抜くことができるタイバー引抜機構を備えた型締装置及びその型締装置を備えた成形装置を提供することにある。
本発明の1つの実施形態に係る型締装置は、固定ダイプレートと、前記固定ダイプレートに対し接離する方向に移動可能な移動ダイプレートと、前記移動ダイプレートの移動方向に延びる複数のタイバーのうちの少なくとも1つで、前記移動ダイプレートに対し挿入位置と引抜位置とにわたって移動可能な引抜タイバーと、前記移動ダイプレート側に配置され前記引抜タイバーに沿って伸縮するロッドを有したシリンダユニットと、前記ロッドが伸縮することによって第1の位置と第2の位置とにわたって往復移動する移動体と、前記移動体に設けられ前記引抜タイバーに向けて突出する係合部材と、前記係合部材を上下させる駆動部と、前記引抜タイバーに設けられ該引抜タイバーの軸線方向に延びる延長部材と、前記延長部材に形成され前記係合部材が嵌合可能な複数の嵌合部とを具備している。
1つの実施形態では、前記シリンダユニットの前記ロッドと平行に設けられ前記移動体と共に移動するスライド部材と、該スライド部材を支持するガイド部材とを具備していてもよい。また前記嵌合部間の距離が前記シリンダユニットのロッドの伸縮ストロークと対応していてもよい。また、本発明の1つの実施形態に係る成形装置は、前記型締装置を備えていてもよい。
本発明に係るタイバー引抜機構を備えた型締装置及びその型締装置を備えた成形装置によれば、タイバーを引抜く際に、シリンダユニットのロッドが伸縮を繰返すことにより、タイバーを挿入位置から引抜位置まで移動させることができる。引抜位置に移動したタイバーを挿入位置に戻す際も同様に、シリンダユニットのロッドが伸縮を繰返すことにより、引抜タイバーを挿入位置へ移動させることができる。本発明によれば、シリンダユニットの伸縮ストロークよりも大きなストロークで引抜タイバーを引抜くことができる。また、従来よりストロークの短いシリンダユニットで良く、また、シリンダユニットの動作範囲も短くなるため、シリンダユニットの小形化、シリンダユニットを備えた型締装置あるいは成形装置の作業エリアの省スペース化を図ることができる。
1つの実施形態に係るタイバー引抜機構を備えた型締装置の正面図。 図1中のF2−F2線に沿う型締装置の断面図。 図2に示された型締装置のシリンダユニットのロッドが伸び側に移動することにより、引抜タイバーが中間位置に移動した状態の断面図。 前記シリンダユニットのロッドが図3の状態から縮み側に移動した状態の断面図。 前記シリンダユニットのロッドが図4の状態から伸び側に移動することにより、引抜タイバーが引抜位置に移動した状態の断面図。
以下に本発明の1つの実施形態に係るタイバー引抜機構を備えた型締装置と、その型締装置を備えた成形装置について、図1から図5を参照して説明する。成形装置の一例であるダイカストマシンは、型締装置10と、射出装置(図示せず)とを備えている。射出装置については、ダイカストマシンにおける公知の射出装置と同様であるため説明を省略する。
図1は型締装置10の正面図、図2は図1中のF2−F2線に沿う断面図である。型締装置10は、例えば、ベースフレーム11と、ベースフレーム11上に配置された固定ダイプレート12と、移動ダイプレート13と、型締機構14とを有している。型締機構14は、移動ダイプレート13を固定ダイプレート12に対して接離する方向に移動させるための型移動用シリンダ15を含んでいる。移動ダイプレート13は、ベースフレーム11上に設けられたガイドレール16に沿って固定ダイプレート12に対して接離する方向に移動する。
固定ダイプレート12には、固定型20aが取付けられる。移動ダイプレート13には、移動型20bが取付けられる。固定型20aと移動型20bとが互いに接することにより、固定型20aと移動型20bとの間にキャビティが形成される。固定型20aと移動型20bとはダイカスト製品(成形品)のための金型20をなしている。
この型締装置10は、例えば、下側の一対のタイバー31,32と、上側の一対のタイバー33,34とを備えている。タイバー31,32,33,34は、移動ダイプレート13の移動を案内する機能を担っている。
下側のタイバー31,32の一端31a(図2から図5に一方のタイバー31を示す)は、タイバーナット等を備えたタイバー固定部40によって、固定ダイプレート12に固定されている。下側のタイバー31,32の他端31b(図2に一方のタイバー31を示す)は、割ナット(ハーフナット)41を備えたチャック機構42によって保持することができるようになっている。
チャック機構42の割ナット41は、移動ダイプレート13側に設けられたハウジング43に収容され、チャック駆動シリンダ44(図1に示す)によって開方向および閉方向に移動する。また移動ダイプレート13の下部に型締ピストン45が組込まれている。型締ピストン45はハウジング43に当接し、油圧室46に圧油が供給されたときに、移動ダイプレート13を型締方向(固定ダイプレート12に接近する方向)に移動させるように構成されている。
下側のタイバー31,32の軸線方向の一部にそれぞれ噛合部48が形成されている。噛合部48は、タイバー31,32の軸線方向に一定ピッチで形成された多数の環状溝からなり、移動ダイプレート13が型移動用シリンダ15によって図2中の矢印A方向(型締方向)に所定量移動した状態において、移動ダイプレート13の位置に応じて、割ナット41が噛合部48に噛合うことができるようになっている。
上側のタイバー33,34の一端33a(図2に一方のタイバー33を示す)は、開閉可能な割ナット50を備えたタイバー固定部51によって、固定ダイプレート12に固定されている。タイバー33の他端33bは、割ナット(ハーフナット)55を有するチャック機構56によって保持することができる。
チャック機構56の割ナット55は、移動ダイプレート13側に設けられたハウジング57に収容され、チャック駆動シリンダ58(図1に示す)によって開方向および閉方向に移動する。また移動ダイプレート13の上部に型締ピストン60が組込まれている。型締ピストン60はハウジング57に当接し、油圧室61に圧油が供給されたときに、移動ダイプレート13を型締方向に移動させるように構成されている。
本実施形態の場合、上側のタイバー33,34のうちの一方のタイバー33は、引抜きが行なわれるタイバーである。このため引抜タイバー33と呼ぶ。引抜タイバー33は、移動ダイプレート13に形成された孔65に挿入され、図2に示す挿入位置と、図5に示す引抜位置とにわたって、軸線X方向(固定ダイプレート12に対して接離する方向)に移動することができる。
引抜タイバー33の軸線X方向の一部に噛合部66が形成されている。噛合部66は、引抜タイバー33の軸線X方向に所定ピッチで形成された多数の環状溝からなり、移動ダイプレート13が型移動用シリンダ15によって図2中の矢印A方向(型締方向)に所定量移動した状態において、移動ダイプレート13の位置に応じて、割ナット55が噛合部66に噛合うことができるようになっている。
この型締装置10はタイバー引抜機構70を備えている。タイバー引抜機構70は、例えば、シリンダユニット71と、シリンダユニット71のロッド72によって水平方向に移動する移動体73と、移動体73に設けられた係合部材74と、係合部材74を上下方向に移動させる駆動部としてのアクチュエータ75と、水平方向に延びるロッド状のスライド部材76と、スライド部材76を支持する筒形のガイド部材77などを含んでいる。スライド部材76はガイド部材77に挿入されている。このスライド部材76はシリンダユニット71と平行に配置され、引抜タイバー33の軸線Xと平行をなす方向に延びている。係合部材74の下端74aは引抜タイバー33に向かって突出している。
シリンダユニット71は、例えば、油圧等の液圧が供給されるシリンダボディ71aと、シリンダボディ71aの軸線方向に移動するロッド72とを備えている。シリンダボディ71aは、移動ダイプレート13側に設けられたハウジング57の上面に固定されている。シリンダボディ71aに圧油が供給されると、ロッド72は、図2に示す縮み側の位置と、図3に示す伸び側の位置とにわたって、引抜タイバー33の軸線X方向に伸縮する。ロッド72の先端に設けられた移動体73は、ロッド72が縮み側に移動したときに第1の位置(図2に示す)に向かって後退し(固定ダイプレート12に対して接近する方向、すなわち型締方向に移動し)、ロッド72が伸び側に移動したときに第2の位置(図3に示す)に向かって前進する(固定ダイプレート12に対して離間する方向、すなわち型開方向に移動する)。
引抜タイバー33の本体33cに延長部材80が設けられている。延長部材80は、引抜タイバー33の本体33cから軸線X方向(固定ダイプレート12に対し接離する方向)に延びている。引抜タイバー33の本体33cの軸線方向の一部には、噛合部66とは異なる位置に、割ナット55を閉方向に移動させたときに挟み付けることが可能な外径の円柱部82が形成されている。
延長部材80に、例えば凹部からなる第1の嵌合部85と第2の嵌合部86とが形成されている。第1の嵌合部85と第2の嵌合部86とは、図2に示すように引抜タイバー33の軸線X方向に距離L分だけ間隔をあけた位置に形成されている。第1の嵌合部85から第2の嵌合部86までの距離Lは、シリンダユニット71のロッド72が伸縮するストロークと対応している。
第1の嵌合部85は、例えば引抜タイバー33が図2に示す挿入位置にあり、かつ移動体73が第1の位置に停止している状態において、係合部材74の下端74aを嵌合させることができる位置に形成されている。第1の嵌合部85に係合部材74が嵌合した状態において、シリンダユニット71のロッド72が伸び側に移動し、移動体73が第2の位置に移動すると、引抜タイバー33が図3に示す中間位置に移動する。
第2の嵌合部86は、例えば引抜タイバー33が図4に示す中間位置にあり、かつ移動体73が第1の位置に停止している状態において、係合部材74の下端74aを嵌合させることができる位置に形成されている。第2の嵌合部86に係合部材74が嵌合した状態において、シリンダユニット71のロッド72が伸び側に移動し、移動体73が第2の位置に移動すると、引抜タイバー33が図5に示す引抜位置に移動する。
移動体73に設けられた係合部材74は、例えば第1の嵌合部85または第2の嵌合部86に嵌合する下降位置と、第1の嵌合部85または第2の嵌合部86から離脱する上昇位置とにわたって、アクチュエータ75によって昇降動作をなす。アクチュエータ75の一例はエアシリンダであるが、電動モータや電磁ソレノイドを利用したものであってもよい。
次に、本実施形態のタイバー引抜機構70を備えた型締装置10の動作について、図2から図5を参照して説明する。
図2に示されるように引抜タイバー33が挿入位置にあるとき、引抜タイバー33の一端33aはタイバー固定部51の割ナット50によって固定ダイプレート12に固定されている。図2において下側に位置するタイバー31の一端31aは、タイバー固定部40によって固定ダイプレート12に固定されている。
ダイカスト製品(成形品)を成形する際には、固定型20aと移動型20bとを互いに閉じることにより、金型20の内部にキャビティが形成される。固定型20aに向かって移動型20bを移動させる際、チャック機構42,56の割ナット41,55がチャック駆動シリンダ44,58によって解除位置に駆動される。このためタイバー31,33は、チャック機構42,56によって拘束されない解除状態となる。他方のタイバー32,34も同様に解除状態となる。
この解除状態のもとで、型移動用シリンダ15によって、移動ダイプレート13が図2に矢印Aで示す方向(固定ダイプレート12に対して接近する方向)に移動することにより、固定型20aと移動型20bとが互いに接して、金型20が閉じられる。またチャック機構42,56の割ナット41,55が、チャック駆動シリンダ44,58によって閉じることにより、割ナット41,55がタイバー31,33の噛合部48,66に噛合う。
この噛合状態のもとで、移動ダイプレート13の油圧室46,61に圧油が導入されることにより、ハウジング43,57によって支持されている型締ピストン45,60に対して移動ダイプレート13が固定ダイプレート12に向けて移動する。この油圧力により、固定型20aと移動型20bとが互いに強力に締結される。その後、射出装置(図示せず)等により、金型20内のキャビティに溶湯が供給され、冷却工程を経てダイカスト製品(成形品)が成形される。
金型を交換する際には、クレーンなどを用いて、金型20を固定ダイプレート12側で図3に示すような固定型20aと移動型20bとを接触させた状態にした上で、移動ダイプレート13を図2に示すように型移動用シリンダ15によって固定ダイプレート12から十分離れた位置に移動させる。その後、クレーンなどにより、金型20を型締装置10の外側に出す。この時、金型20が大きい金型である等の要因によって、タイバー33,34と金型20とが干渉し、金型20を型締装置10の外側に出すことができない場合がある。それを防ぐため、図2に示すような移動ダイプレート13が固定ダイプレート12から十分離れた位置にあるときに、引抜タイバー33を一旦引抜く(固定ダイプレート12から一旦引抜く)。これにより、タイバー33,34と金型20とが干渉してしまうことを防ぎ、金型20を型締装置10の外側に出すことができるようにする。
引抜タイバー33の引抜きが行なわれる際、引抜タイバー33の一端33a側では例えば空気によって割ナット50が開方向に移動することにより、タイバー固定部51による引抜タイバー33の固定が解除され、固定ダイプレート12に対する引抜タイバー33の固定が解除される。同様に、引抜タイバー33の他端33b側ではチャック駆動シリンダ58によって割ナット55を開方向に移動させることにより、チャック機構56による引抜タイバー33の固定が解除される。係合部材74の下端74aは、図2に示すように延長部材80の第1の嵌合部85に嵌合している。
図2に示すように係合部材74が第1の嵌合部85に嵌合している状態のもとで、シリンダユニット71のロッド72が伸び側に移動することにより、移動体73が図3に矢印Bで示す方向に移動する。この動作により、引抜タイバー33が図3に示す中間位置まで移動する。ロッド72が伸び側に移動する際、スライド部材76が移動体73と共にガイド部材77に沿って移動するため、ロッド72や移動体73の重さによってロッド72が曲がってしまうことを抑制でき、ロッド72を円滑に移動させることができる。
引抜タイバー33が図3に示す中間位置に移動したのち、チャック駆動シリンダ58によって割ナット55を閉方向に移動させることにより、引抜タイバー33の円柱部82が挟まれる。これにより、引抜タイバー33の仮止めがなされる。そののち、係合部材74をアクチュエータ75によって上昇させ、係合部材74の下端74aを第1の嵌合部85から離脱させる。このとき、チャック機構56の割ナット55によって引抜タイバー33の仮止めがなされているため、引抜タイバー33が不用意に移動してしまうことを回避できる。
チャック機構56によって引抜タイバー33の仮止めがなされ、かつ、係合部材74の下端74aが第1の嵌合部85から外れた状態において、ロッド72を縮み側(図3に矢印Cで示す方向)に作動させることによって、図4に示すように移動体73を第1の位置に復帰させる。これにより、係合部材74の下端74aが第2の嵌合部86の真上に位置する。そののち係合部材74をアクチュエータ75によって降下させると、係合部材74の下端74aが第2の嵌合部86に嵌合する。
係合部材74の下端74aが第2の嵌合部86に嵌合したのち、チャック駆動シリンダ58によって割ナット55を開方向に移動させることにより、チャック機構56による引抜タイバー33の仮止めを解除する。その後、シリンダユニット71のロッド72を伸び側(図5に矢印Bで示す方向)に作動させることにより、移動体73が第2の位置に向かって移動する。この動作により、引抜タイバー33が図5に示す引抜位置まで移動する。
このようにシリンダユニット71のロッド72が伸縮を2回繰返すことにより、ロッド72の伸縮ストロークの2倍に相当する距離を引抜タイバー33が移動し、引抜タイバー33が図5の引抜位置に達することにより、金型20の交換時に金型20が引抜タイバー33と干渉することが回避される。
引抜位置に移動した引抜タイバー33を元の挿入位置に押込む動作は、引抜きとは逆の順序となる。すなわち、引抜タイバー33が図5に示す引抜位置にあるときに、シリンダユニット71のロッド72を縮み側(矢印Cで示す方向)に移動させることにより、引抜タイバー33が図4に示す中間位置まで挿入される。そしてチャック機構56の割ナット55によって引抜タイバー33の円柱部82を挟むことにより、引抜タイバー33の仮止めがなされる。
そののち係合部材74をアクチュエータ75によって上昇させ、係合部材74の下端74aを第2の嵌合部86から離脱させる。このときチャック機構56の割ナット55によって引抜タイバー33の仮止めがなされているため、引抜タイバー33が不用意に移動してしまうことが防止される。
このように係合部材74を上昇させた状態で、シリンダユニット71のロッド72を伸び側に移動させることにより、係合部材74の下端74aが延長部材80の第1の嵌合部85の真上に位置する。この状態で係合部材74がアクチュエータ75によって降下すると、図3に示すように係合部材74の下端74aが第1の嵌合部85に嵌合する。
そののち、チャック駆動シリンダ58によって割ナット55を開方向に移動させることにより、チャック機構56による引抜きタイバー33の仮止めを解除する。その後、シリンダユニット71のロッド72を縮み側に作動させることにより、引抜タイバー33が図2に示す挿入位置に挿入される。引抜タイバー33が挿入位置まで挿入されると、タイバー固定部51の割ナット50が例えば空気によって閉方向に移動することにより、引抜タイバー33の一端33aが固定ダイプレート12に固定される。同様に、引抜タイバー33の他端33b側では、チャック駆動シリンダ58によって割ナット55を閉方向に移動させることにより、チャック機構56によって引抜きタイバー33の固定がなされる。
以上説明したように本実施形態によれば、シリンダユニット71のロッド72が2回伸縮を繰返すことにより、引抜タイバー33をロッド72の伸縮ストロークの2倍分の距離を移動させることができる。言い換えると、引抜タイバー33を引抜く量の半分のストロークで伸縮するコンパクトなシリンダユニット71によって引抜タイバー33の引抜きと、挿入を行なうことができる。
また、引抜タイバー33が図3と図4に示す中間位置に移動した状態において、チャック機構56によって引抜タイバー33が仮止めされる。このため係合部材74が第1の嵌合部85と第2の嵌合部86との間を移動する際に、引抜タイバー33が何らかの原因によって不用意に移動してしまうことが防止され、安全であるとともに、係合部材74の下端74aを第1の嵌合部85あるいは第2の嵌合部86の真上に確実に位置させることができるものである。
しかも引抜タイバー33と平行な方向に延びるスライド部材76が、ガイド部材77によって保持されている。このため、シリンダユニット71のロッド72が伸び側に移動した状態において、重さによってロッド72が下に曲がってしまうことを抑制でき、引抜タイバー33の引抜動作と挿入動作を円滑に行なうことができる。
以上説明したタイバー引抜機構70は、上側のタイバー33,34のうちの一方のタイバー33のみに配置されているが、タイバー引抜機構70が他方のタイバー34に配置されてもよいし、両方のタイバー33,34に配置されてもよい。あるいは下側のタイバー31,32のいずれか一方にタイバー引抜機構70が配置されてもよい。また、本実施形態では、シリンダユニット71のロッド72の長さを引抜タイバー33の半分の長さとしたが、本発明はこれに限らない。本発明では、延長部材80の嵌合部を増やし、シリンダユニット71のロッド72の伸縮動作を3回以上の複数回行なうようにすることも可能である。これにより、シリンダユニット71のロッド72の長さをさらに短くすることができ、さらにシリンダユニット71の小形化を図ることができる。例えば、延長部材80の嵌合部を増やし、伸縮可能であるシリンダユニット71のロッド72の長さを延長部材80の嵌合部同士の長さ(嵌合部間の長さ,嵌合部間の距離)と対応させ、さらに、嵌合部の数に応じて、金型交換の際のシリンダユニット71のロッド72の伸縮動作の回数を増やすことで、シリンダユニット71のロッド72の長さをさらに短くすることができ、さらにシリンダユニット71の小形化を図ることができる。また本発明に係る型締装置は、ダイカストマシン以外に、例えば射出成形機等の成形装置に適用することも可能である。また成形装置やタイバー引抜機構を構成する要素の具体的な態様を必要に応じて変更して実施できることは言うまでもない。
10…型締装置、12…固定ダイプレート、13…移動ダイプレート、14…型締機構、20…金型、20a…固定型、20b…移動型、33…タイバー(引抜タイバー)、55…割ナット、56…チャック機構、66…噛合部、70…タイバー引抜機構、71…シリンダユニット、72…ロッド、73…移動体、74…係合部材、75…アクチュエータ(駆動部)、76…スライド部材、77…ガイド部材、80…延長部材、82…円柱部、85…第1の嵌合部、86…第2の嵌合部。

Claims (4)

  1. 固定ダイプレートと、
    前記固定ダイプレートに対し接離する方向に移動可能な移動ダイプレートと、
    前記移動ダイプレートの移動方向に延びる複数のタイバーのうちの少なくとも1つで、前記移動ダイプレートに対し挿入位置と引抜位置とにわたって移動可能な引抜タイバーと、
    前記移動ダイプレート側に配置され前記引抜タイバーに沿って伸縮するロッドを有したシリンダユニットと、
    前記ロッドが伸縮することによって第1の位置と第2の位置とにわたって往復移動する移動体と、
    前記移動体に設けられ前記引抜タイバーに向けて突出する係合部材と、
    前記係合部材を上下させる駆動部と、
    前記引抜タイバーに設けられ、該引抜タイバーの軸線方向に延びる延長部材と、
    前記延長部材に形成され、前記係合部材が嵌合可能な複数の嵌合部と、
    を具備したことを特徴とする型締装置。
  2. 前記シリンダユニットの前記ロッドと平行に設けられ前記移動体と共に移動するスライド部材と、該スライド部材を支持するガイド部材とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の型締装置。
  3. 前記嵌合部間の距離が前記シリンダユニットのロッドの伸縮ストロークと対応していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の型締装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の型締装置を備えたことを特徴とする成形装置。
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