JP2010110800A - ダイカスト鋳造型およびダイカスト鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォータジャケットピンの延命が可能なダイカスト鋳造型およびそのダイカスト鋳造方法を提供する。
【解決手段】油圧シリンダ17の駆動により入子6を型抜き方向へ移動させることで、ボアピン8とウォータジャケットピン10とが一体化された入子6が、シリンダブロック1から規定距離だけ引き抜かれる。入子6の引き抜き時には、第1案内面13および第2案内面16により入子6が型抜き方向へ案内される。したがって、入子6をシリンダブロック1から傾くことなく型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことができ、ウォータジャケットピン10の反り返りや疲労亀裂を防止して、ウォータジャケットピン10を大幅に延命させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】油圧シリンダ17の駆動により入子6を型抜き方向へ移動させることで、ボアピン8とウォータジャケットピン10とが一体化された入子6が、シリンダブロック1から規定距離だけ引き抜かれる。入子6の引き抜き時には、第1案内面13および第2案内面16により入子6が型抜き方向へ案内される。したがって、入子6をシリンダブロック1から傾くことなく型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことができ、ウォータジャケットピン10の反り返りや疲労亀裂を防止して、ウォータジャケットピン10を大幅に延命させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイカスト鋳造型およびダイカスト鋳造方法に関するもので、特に、エンジンのシリンダブロックを鋳造するダイカスト鋳造型および該ダイカスト鋳造型を使用するダイカスト鋳造方法に関する。
従来、エンジンのシリンダブロックのボア部分を造形するボアピンとウォータジャケット部分を造形するウォータジャケットピンとを有する入子を含むダイカスト鋳造型が知られている(例えば、特許文献1参照)。周知のように、ウォータジャケットピンは脆薄であることから、押し出しピンによりシリンダブロックを離型させる場合、離型抵抗のばらつきによりウォータジャケットピンの脆弱部位に多大な応力が作用する。これにより、従来、数千〜3万程度の鋳造ショット数で、ウォータジャケットピンに疲労による亀裂が発生していた。したがって、従来のダイカスト鋳造型は、ランニングコスト(型費)が嵩む上、メンテナンスを頻繁に実施する必要があった。
特開2007−313555号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ウォータジャケットピンの延命が可能なダイカスト鋳造型およびそのダイカスト鋳造方法を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のダイカスト鋳造型は、シリンダブロックのボアを造形するボアピンとウォータジャケットを造形するウォータジャケットピンとが一体に構成される入子と、該入子を型抜き方向へ移動可能に支持する支持手段と、前記入子を型抜き方向へ駆動する駆動手段と、を有し、前記駆動手段の駆動により前記入子を型抜き方向へ移動させることにより、鋳造された前記シリンダブロックから、前記入子が規定距離だけ引き抜かれることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のダイカスト鋳造方法は、シリンダブロックのボアを造形するボアピンとウォータジャケットを造形するウォータジャケットピンとが一体に構成された入子を含むダイカスト鋳造型を形成する型形成ステップと、前記ダイカスト鋳造型を型締め後、該ダイカスト鋳造型の内部に形成されたキャビティに溶湯を充填する充填ステップと、前記キャビティ内の溶湯が凝固して鋳造が完了した後、規定の型開き動作により前記ダイカスト鋳造型を型開きする型開きステップと、前記入子を型抜き方向へ案内しつつ移動させて前記シリンダブロックから規定距離だけ引き抜く入子引き抜きステップと、前記入子が規定距離だけ引き抜かれた状態の前記シリンダブロックを型抜きする型抜きステップと、を含むことを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(4)項の各々が、請求項1〜4の各々に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(4)項の各々が、請求項1〜4の各々に相当する。
(1)シリンダブロックのボアを造形するボアピンとウォータジャケットを造形するウォータジャケットピンとが一体に構成される入子と、該入子を型抜き方向へ移動可能に支持する支持手段と、入子を型抜き方向へ駆動する駆動手段と、を有し、駆動手段の駆動により入子を型抜き方向へ移動させることにより、鋳造されたシリンダブロックから、入子が規定距離だけ引き抜かれることを特徴とするダイカスト鋳造型。
本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、駆動手段の駆動により入子を型抜き方向へ移動させることで、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子をシリンダブロックから規定距離だけ引き抜くことができる。本項の態様では、ボアピンがシリンダブロックのボア内周面により案内されるのに加え、支持手段により入子が型抜き方向へ案内されることにより、入子をシリンダブロックから傾くことなく型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことができる。これにより、押し出しピンでシリンダブロックを押し出すだけである従来のダイカスト鋳造型のように、押し出し時にシリンダブロックが型抜き方向に対して傾くことがなく、相対的に剛性が低いウォータジャケットピンの反り返りや疲労亀裂を防止して、ウォータジャケットピンを大幅に延命させることができ、延いては、ランニングコスト(型費)の削減、メンテナンス間隔の延長に伴う工程の合理化に貢献することができる。
本項の態様において、支持手段は、例えば、可動主型に固定されるダイに、入子の基部を収容する入子収容部を形成し、該入子収容部の側面(側壁)に、入子の基部を摺動可能に案内する案内面を設けることで構成することができる。
また、駆動手段は、例えば、可動型に設けられてピストンロッドの先端部が入子に接続された油圧シリンダである。この場合、本項に記載の「規定距離」とは、ピストンロッドのストローク量となる。
さらに、本項の態様において、「ボアピンとウォータジャケットピンとが一体に構成される」とは、ボアピンとウォータジャケットピンとを一体に造型したものは勿論、別個に造型されたボアピンとウォータジャケットピンとを例えばボルトにより結合させたものを含む。
本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、駆動手段の駆動により入子を型抜き方向へ移動させることで、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子をシリンダブロックから規定距離だけ引き抜くことができる。本項の態様では、ボアピンがシリンダブロックのボア内周面により案内されるのに加え、支持手段により入子が型抜き方向へ案内されることにより、入子をシリンダブロックから傾くことなく型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことができる。これにより、押し出しピンでシリンダブロックを押し出すだけである従来のダイカスト鋳造型のように、押し出し時にシリンダブロックが型抜き方向に対して傾くことがなく、相対的に剛性が低いウォータジャケットピンの反り返りや疲労亀裂を防止して、ウォータジャケットピンを大幅に延命させることができ、延いては、ランニングコスト(型費)の削減、メンテナンス間隔の延長に伴う工程の合理化に貢献することができる。
本項の態様において、支持手段は、例えば、可動主型に固定されるダイに、入子の基部を収容する入子収容部を形成し、該入子収容部の側面(側壁)に、入子の基部を摺動可能に案内する案内面を設けることで構成することができる。
また、駆動手段は、例えば、可動型に設けられてピストンロッドの先端部が入子に接続された油圧シリンダである。この場合、本項に記載の「規定距離」とは、ピストンロッドのストローク量となる。
さらに、本項の態様において、「ボアピンとウォータジャケットピンとが一体に構成される」とは、ボアピンとウォータジャケットピンとを一体に造型したものは勿論、別個に造型されたボアピンとウォータジャケットピンとを例えばボルトにより結合させたものを含む。
(2)さらに、鋳造されたシリンダブロックを型抜き方向へ押し出す押し出し手段を有し、入子が規定距離だけ引き抜かれた状態の前記シリンダブロックが、押し出し手段により押し出されて型抜きされる(1)のダイカスト鋳造型。
本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、シリンダブロックを押し出し手段で押し出すことにより、入子を規定距離だけ引き抜いた状態のシリンダブロックを型抜きすることができる。この場合、予め、入子がシリンダブロックから規定距離だけ引き抜かれているので、入子をシリンダブロックから引き抜くことなく押し出しピンで押し出す従来の鋳造型と比較して、各押し出しピンの押し出し力を小さくすることができる。これにより、型抜き時にウォータジャケットピンに作用する応力(負担)が低減され、ウォータジャケットピンを延命させることができる。さらに、小さい能力の押し出しシリンダを採用することが可能となり、押し出しピンを駆動する押し出しシリンダを小型化することができる。
本項の態様において、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子に、押し出しピンを貫通させるための穴を適宜設ける。
本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、シリンダブロックを押し出し手段で押し出すことにより、入子を規定距離だけ引き抜いた状態のシリンダブロックを型抜きすることができる。この場合、予め、入子がシリンダブロックから規定距離だけ引き抜かれているので、入子をシリンダブロックから引き抜くことなく押し出しピンで押し出す従来の鋳造型と比較して、各押し出しピンの押し出し力を小さくすることができる。これにより、型抜き時にウォータジャケットピンに作用する応力(負担)が低減され、ウォータジャケットピンを延命させることができる。さらに、小さい能力の押し出しシリンダを採用することが可能となり、押し出しピンを駆動する押し出しシリンダを小型化することができる。
本項の態様において、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子に、押し出しピンを貫通させるための穴を適宜設ける。
(3)シリンダブロックのボアを造形するボアピンとウォータジャケットを造形するウォータジャケットピンとが一体に構成された入子を含むダイカスト鋳造型を形成する型形成ステップと、ダイカスト鋳造型を型締め後、該ダイカスト鋳造型の内部に形成されたキャビティに溶湯を充填する充填ステップと、キャビティ内の溶湯が凝固して鋳造が完了した後、規定の型開き動作によりダイカスト鋳造型を型開きする型開きステップと、入子を型抜き方向へ案内しつつ移動させてシリンダブロックから規定距離だけ引き抜く入子引き抜きステップと、入子が規定距離だけ引き抜かれた状態のシリンダブロックを型抜きする型抜きステップと、を含むことを特徴とするダイカスト鋳造方法。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、入子引き抜きステップでは、入子を型抜き方向へ移動させることで、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子を鋳造型から規定距離だけ引き抜くことができる。この入子引き抜きステップでは、ボアピンがシリンダブロックのボア内周面により案内されるのに加え、入子を型抜き方向へ案内しつつ移動させるので、入子をシリンダブロックから傾くことなく型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことができる。これにより、押し出しピンでシリンダブロックを押し出すだけである従来のダイカスト鋳造型のように、押し出し時にシリンダブロックが型抜き方向に対して傾くことがなく、相対的に剛性が低いウォータジャケットピンの反り返りや疲労亀裂を防止して、ウォータジャケットピンを大幅に延命させることができ、延いては、ランニングコスト(型費)の削減、メンテナンス間隔の延長に伴う工程の合理化に貢献することができる。
本項の態様において、例えば、可動主型に固定されるダイに、入子の基部を収容する入子収容部を形成し、該入子収容部の側面(側壁)に形成された案内面により入子の基部を摺動可能に支持することで、入子引き抜きステップにおける入子の引き抜き時に、入子を型抜き方向へ案内することができる。
また、入子は、例えば、可動型に設けられてピストンロッドの先端部が入子に接続される油圧シリンダの駆動により型抜き方向へ移動させることができる。この場合、本項に記載の「規定距離」とは、ピストンロッドのストローク量となる。
さらに、本項の態様において、「ボアピンとウォータジャケットピンとが一体に構成される」とは、ボアピンとウォータジャケットピンとを一体に造型したものは勿論、別個に造型されたボアピンとウォータジャケットピンとを例えばボルトにより結合させたものを含む。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、入子引き抜きステップでは、入子を型抜き方向へ移動させることで、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子を鋳造型から規定距離だけ引き抜くことができる。この入子引き抜きステップでは、ボアピンがシリンダブロックのボア内周面により案内されるのに加え、入子を型抜き方向へ案内しつつ移動させるので、入子をシリンダブロックから傾くことなく型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことができる。これにより、押し出しピンでシリンダブロックを押し出すだけである従来のダイカスト鋳造型のように、押し出し時にシリンダブロックが型抜き方向に対して傾くことがなく、相対的に剛性が低いウォータジャケットピンの反り返りや疲労亀裂を防止して、ウォータジャケットピンを大幅に延命させることができ、延いては、ランニングコスト(型費)の削減、メンテナンス間隔の延長に伴う工程の合理化に貢献することができる。
本項の態様において、例えば、可動主型に固定されるダイに、入子の基部を収容する入子収容部を形成し、該入子収容部の側面(側壁)に形成された案内面により入子の基部を摺動可能に支持することで、入子引き抜きステップにおける入子の引き抜き時に、入子を型抜き方向へ案内することができる。
また、入子は、例えば、可動型に設けられてピストンロッドの先端部が入子に接続される油圧シリンダの駆動により型抜き方向へ移動させることができる。この場合、本項に記載の「規定距離」とは、ピストンロッドのストローク量となる。
さらに、本項の態様において、「ボアピンとウォータジャケットピンとが一体に構成される」とは、ボアピンとウォータジャケットピンとを一体に造型したものは勿論、別個に造型されたボアピンとウォータジャケットピンとを例えばボルトにより結合させたものを含む。
(4)型抜きステップは、入子が規定距離だけ引き抜かれた状態のシリンダブロックを押し出しピンにより押し出して型抜きする(3)のダイカスト鋳造方法。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、型抜きステップにおいて、シリンダブロックを押し出しピンで押し出すことにより、入子を規定距離だけ引き抜いた状態のシリンダブロックを型抜きすることができる。この場合、予め、入子がシリンダブロックから規定距離だけ引き抜かれているので、入子をシリンダブロックから引き抜くことなく押し出しピンで押し出す従来の鋳造方法と比較して、各押し出しピンの押し出し力を小さくすることができる。これにより、型抜き時にウォータジャケットピンに作用する応力(負担)が低減され、ウォータジャケットピンを延命させることができる。さらに、小さい能力の押し出しシリンダを採用することが可能となり、押し出しピンを駆動する押し出しシリンダを小型化することができる。
本項の態様において、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子に、押し出しピンを貫通させるための穴を適宜設ける。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、型抜きステップにおいて、シリンダブロックを押し出しピンで押し出すことにより、入子を規定距離だけ引き抜いた状態のシリンダブロックを型抜きすることができる。この場合、予め、入子がシリンダブロックから規定距離だけ引き抜かれているので、入子をシリンダブロックから引き抜くことなく押し出しピンで押し出す従来の鋳造方法と比較して、各押し出しピンの押し出し力を小さくすることができる。これにより、型抜き時にウォータジャケットピンに作用する応力(負担)が低減され、ウォータジャケットピンを延命させることができる。さらに、小さい能力の押し出しシリンダを採用することが可能となり、押し出しピンを駆動する押し出しシリンダを小型化することができる。
本項の態様において、ボアピンとウォータジャケットピンとが一体化された入子に、押し出しピンを貫通させるための穴を適宜設ける。
ウォータジャケットピンの延命が可能なダイカスト鋳造型およびそのダイカスト鋳造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を図1および図2に基いて説明する。なお、本実施形態のダイカスト鋳造型は、アルミニウム合金製のシリンダブロック1を鋳造するダイカスト鋳造型であり、固定型、可動型2、スライド型および入子6を含む。そして、本実施形態のダイカスト鋳造型は、固定型およびスライド型の基本構造は従来技術のダイカスト鋳造型(例えば、上記特許文献1参照)と同一である。したがって、ここでは、入子6に係る部分を中心に説明する。
図1に示されるように、可動型2は、ダイベース3、該ダイベース3に固定される可動主型4および該可動主型4に固定されるダイ5を有する。入子6は、シリンダブロック1のボア7を造形するボアピン8と、ウォータジャケット9を造形するウォータジャケットピン10と、が入子6の造型時に一体に形成される。また、入子6は、直方体に形成される基部11を有する。基部11は、型抜き方向(図1における上下方向)に対して平行な各側面11aが、ダイ5に形成された入子収容部12の相対する各第1案内面13(支持手段)により型抜き方向へ案内される。また、基部11の底面中央には、直方体に形成される底部14が設けられる。底部14は、型抜き方向に対して平行な各側面14aが、相対する各第2案内面16(支持手段)により型抜き方向へ案内される。
なお、第2案内面16は、各入子収容部12の底面12aから可動主型4にかけて設けられた凹部15の内側面(壁面)に形成される。可動主型4の下部には、油圧シリンダ17が設けられる。油圧シリンダ17は、ピストンロッドの先端部が入子6の底部14に固定される。そして、入子6は、図1に示される鋳造型の型開きが完了した状態で、油圧シリンダ17の駆動により型抜き方向(図1における下方向)へ規定距離(本実施形態では、油圧シリンダ17のストローク量)だけ移動することができる。これにより、図2に示されるように、入子6は、基部11の各側面11aおよび底部14の各側面14aが、第1案内面13および第2案内面16に案内されつつ、ダイ5上のシリンダブロック1から規定距離だけ引き抜かれる構造になっている。
なお、油圧シリンダ17は、固定部材18によりダイベース3にも固定される。これにより、入子6の引き抜き時の引き抜き荷重がダイベース3と可動主型4とに分散され、固定部材18を使用しない場合、すなわち、当該引き抜き荷重を可動主型4だけで受ける場合と比較して、剛性を高めることを目的とする可動主型4の大型化を抑制することができる。また、図2に示されるように、入子6がシリンダブロック1から規定距離だけ引き抜かれた状態では、入子6は、基部11が入子収容部12に収容されると共に、底部14が凹部15に収容される。
図1および図2に示されるように、本実施形態のダイカスト鋳造型は、入子6が規定距離だけ引き抜かれた状態のシリンダブロック1を押し出して型抜きする押し出し機構19(押し出し手段)を有する。押し出し機構19は、ダイベース3、可動主型4、ダイ5および入子6の基部11を型抜き方向へ貫通する複数本の押し出しピン20と、各押し出しピン20の基部が固定される押し出し板21と、押し出し板21を型抜き方向へ駆動する押し出しシリンダ22と、を有する。そして、押し出し機構19は、押し出しシリンダ22の駆動により押し出し板21を上昇させ、各押し出しピン20の先端部で、入子6が規定距離だけ引き抜かれた状態のシリンダブロック1を押圧することにより、シリンダブロック1が型抜きされる構造になっている。
次に、上記ダイカスト鋳造型を使用するダイカスト鋳造方法を説明する。
まず、シリンダブロック1のボア7を造形するボアピン8とウォータジャケット9を造形するウォータジャケットピン10とが一体に構成された入子6を含むダイカスト鋳造型を形成する。型締め後、ダイカスト鋳造型の内部に形成されたキャビティに溶湯を充填する(充填ステップ)。そして、キャビティ内の溶湯が凝固してシリンダブロック1の鋳造が完了した後、可動型2ならびにスライド型を型開き方向へ移動させて型開きする(型開きステップ)。
まず、シリンダブロック1のボア7を造形するボアピン8とウォータジャケット9を造形するウォータジャケットピン10とが一体に構成された入子6を含むダイカスト鋳造型を形成する。型締め後、ダイカスト鋳造型の内部に形成されたキャビティに溶湯を充填する(充填ステップ)。そして、キャビティ内の溶湯が凝固してシリンダブロック1の鋳造が完了した後、可動型2ならびにスライド型を型開き方向へ移動させて型開きする(型開きステップ)。
次に、図1に示されるダイカスト鋳造型の型開きが完了した状態で、油圧シリンダ17(駆動手段)の駆動により入子6を型抜き方向(図1における下方向)へ規定距離(本実施形態では、油圧シリンダ17のストローク量)だけ移動させる。これにより、図2に示されるように、入子6は、基部11の各側面11aおよび底部14の各側面14aが、第1案内面13および第2案内面16(支持手段)に案内されつつ、ダイ5上のシリンダブロック1から上記規定距離だけ引き抜かれる(入子引き抜きステップ)。そして、押し出しシリンダ22の駆動により押し出し板21を上昇させ、入子6が規定距離だけ引き抜かれた状態のシリンダブロック1を、各押し出しピン20の先端部で押圧することにより、シリンダブロック1を入子6から型抜きする(型抜きステップ)。これにより、シリンダブロック1を鋳造型から取り出される。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、油圧シリンダ17(駆動手段)の駆動により入子6を型抜き方向へ移動させることにより、ボアピン8とウォータジャケットピン10とが一体化された入子6をシリンダブロック1から規定距離だけ引き抜くことができる。そして、引き抜き時には、基部11の各側面11aが、入子収容部12の相対する各第1案内面13(支持手段)により型抜き方向へ案内されると共に、底部14の各側面14aが、凹部15の相対する各第2案内面16(支持手段)により型抜き方向へ案内される。
したがって、入子6を傾くことなくシリンダブロック1から型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことが可能になり、ウォータジャケットピン10の反り返りや疲労亀裂を防止することができ、その結果、ウォータジャケットピン10を大幅に延命させることができ、延いては、ランニングコスト(型費)の削減、メンテナンス間隔の延長に伴う工程の合理化に貢献することができる。
本実施形態によれば、油圧シリンダ17(駆動手段)の駆動により入子6を型抜き方向へ移動させることにより、ボアピン8とウォータジャケットピン10とが一体化された入子6をシリンダブロック1から規定距離だけ引き抜くことができる。そして、引き抜き時には、基部11の各側面11aが、入子収容部12の相対する各第1案内面13(支持手段)により型抜き方向へ案内されると共に、底部14の各側面14aが、凹部15の相対する各第2案内面16(支持手段)により型抜き方向へ案内される。
したがって、入子6を傾くことなくシリンダブロック1から型抜き方向へ真直ぐに引き抜くことが可能になり、ウォータジャケットピン10の反り返りや疲労亀裂を防止することができ、その結果、ウォータジャケットピン10を大幅に延命させることができ、延いては、ランニングコスト(型費)の削減、メンテナンス間隔の延長に伴う工程の合理化に貢献することができる。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施形態では、ボアピン8とウォータジャケットピン10とを一体に造型したが、例えば、ボアピン8と、ウォータジャケットピン10と、基部11と、を別体に構成し、ボアピン8とウォータジャケットピン10とをボルトにより基部11に結合させることにより、ボアピン8とウォータジャケットピン10とを一体に構成することができる。
入子6の基部11および底部14は直方体でなくてもよく、例えば、円柱状に形成することができる。この場合、相対する第1案内面13および第2案内面16は内円筒面をなす。
駆動手段は、油圧シリンダ17の他、電動モータを使用することができる。この場合、電動モータの回転駆動力を入子の直線運動に変換する機構およびモータコントロールユニットが別途必要となる。この場合、入子引き抜きステップにおける入子6の引き抜き距離(規定距離)を制御することが可能になる。
本実施形態では、ボアピン8とウォータジャケットピン10とを一体に造型したが、例えば、ボアピン8と、ウォータジャケットピン10と、基部11と、を別体に構成し、ボアピン8とウォータジャケットピン10とをボルトにより基部11に結合させることにより、ボアピン8とウォータジャケットピン10とを一体に構成することができる。
入子6の基部11および底部14は直方体でなくてもよく、例えば、円柱状に形成することができる。この場合、相対する第1案内面13および第2案内面16は内円筒面をなす。
駆動手段は、油圧シリンダ17の他、電動モータを使用することができる。この場合、電動モータの回転駆動力を入子の直線運動に変換する機構およびモータコントロールユニットが別途必要となる。この場合、入子引き抜きステップにおける入子6の引き抜き距離(規定距離)を制御することが可能になる。
1 シリンダブロック、6 入子、7 ボア、8 ボアピン、9 ウォータジャケット、10 ウォータジャケットピン、13 第1案内面(支持手段)、16 第2案内面(支持手段)、17 油圧シリンダ(駆動手段)、19 押し出し機構(押し出し手段)
Claims (4)
- シリンダブロックのボアを造形するボアピンとウォータジャケットを造形するウォータジャケットピンとが一体に構成される入子と、
該入子を型抜き方向へ移動可能に支持する支持手段と、
前記入子を型抜き方向へ駆動する駆動手段と、
を有し、
前記駆動手段の駆動により前記入子を型抜き方向へ移動させることにより、鋳造された前記シリンダブロックから、前記入子が規定距離だけ引き抜かれることを特徴とするダイカスト鋳造型。 - さらに、鋳造されたシリンダブロックを型抜き方向へ押し出す押し出し手段を有し、前記入子が規定距離だけ引き抜かれた状態の前記シリンダブロックが、前記押し出し手段により押し出されて前記入子から型抜きされることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造型。
- シリンダブロックのボアを造形するボアピンとウォータジャケットを造形するウォータジャケットピンとが一体に構成された入子を含むダイカスト鋳造型を形成する型形成ステップと、
前記ダイカスト鋳造型を型締め後、該ダイカスト鋳造型の内部に形成されたキャビティに溶湯を充填する充填ステップと、
前記キャビティ内の溶湯が凝固して鋳造が完了した後、規定の型開き動作により前記ダイカスト鋳造型を型開きする型開きステップと、
前記入子を型抜き方向へ案内しつつ移動させて前記シリンダブロックから規定距離だけ引き抜く入子引き抜きステップと、
前記入子が規定距離だけ引き抜かれた状態の前記シリンダブロックを型抜きする型抜きステップと、
を含むことを特徴とするダイカスト鋳造方法。 - 前記型抜きステップは、前記入子が規定距離だけ引き抜かれた状態の前記シリンダブロックを押し出しピンにより押し出して型抜きすることを特徴とする請求項3に記載のダイカスト鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008286771A JP2010110800A (ja) | 2008-11-07 | 2008-11-07 | ダイカスト鋳造型およびダイカスト鋳造方法 |
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