JP6409484B2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1においては、一次コイル、二次コイル、中心コア、外周コア及びイグナイタがケース内に配置され、ケース内の隙間が絶縁固定用樹脂によって充填された点火コイルについて記載されている。また、この点火コイルにおいては、イグナイタにおける、放熱板が設けられた一方側面を、外周コアの外面に対面させて配置することが記載されている。
また、エンジンの加熱・冷却サイクルを受けて、点火コイル内の各構成部品が膨張・収縮を繰り返すときには、例えばイグナイタの角部等の応力が集中しやすい部位を起点にして絶縁固定用樹脂にクラックが生じるおそれがある。このクラックは、場合によっては、絶縁固定用樹脂だけに留まらず、ケースにまで進展するおそれがある。このクラックの進展は、イグナイタが、ケースに設けられた収納部に収納されている場合においても同様に起こり得る。
また、イグナイタの端子を溶接等によって電気接続する場合にも、イグナイタの位置決めを行うための治具等が必要となることもある。
上記一次コイル及び上記二次コイルの内周に配置された中心コアと、
上記一次コイル及び上記二次コイルの回りを囲む環状の外周コアと、
該外周コアの周囲を覆って該外周コアの外殻を形成する樹脂製のコアモールドと、
上記一次コイルへの通電及び該通電の遮断を行うスイッチング回路を形成するイグナイタと、
上記一次コイル、上記二次コイル、上記中心コア、上記外周コア、上記コアモールド及び上記イグナイタを収容するケースと、
該ケース内の隙間を充填する充填樹脂と、を備え、
上記コアモールドの外側面には、上記イグナイタを配置するためのイグナイタポケットが形成されており、
上記コアモールドの外側面における、上記イグナイタポケットと対向する部位には、上記外周コアの外側面の一部を露出させる切欠部が形成されており、
上記イグナイタは、上記切欠部を介して上記外周コアの上記外側面の一部と対面して上記イグナイタポケットに配置されていることを特徴とする内燃機関用点火コイルにある。
また、イグナイタが、外周コアと一体化されたコアモールドに配置されることにより、イグナイタを、一次コイル、二次コイル、中心コア、外周コア及びコアモールドと一体的に組み付けることができる。そして、この組付体をケース内に配置することにより、イグナイタの組付及び電気的接続を容易にすることができる。
また、イグナイタと充填樹脂との間にコアモールドが配置されることにより、充填樹脂の応力が緩和され、充填樹脂にクラックを生じにくくすることができ、あるいは充填樹脂に発生したクラックを、充填樹脂において進展しにくくすることができる。
(実施例)
本例の内燃機関用点火コイル1(以下、単に点火コイル1という。)は、図1に示すように、一次コイル21、二次コイル22、中心コア5、外周コア6、コアモールド7、イグナイタ4、ケース11及び充填樹脂13を備えている。一次コイル21及び二次コイル22は、内外周に互いに位置して同心状に配置されている。中心コア5は、一次コイル21及び二次コイル22の内周に配置されている。外周コア6は、一次コイル21及び二次コイル22の回りを囲む環状に形成されている。コアモールド7は、熱可塑性又は熱硬化性のエラストマーから構成されており、外周コア6の周囲を覆って外周コア6の外殻を形成するとともに充填樹脂13からの応力を緩和する。
図1に示すように、点火コイル1は、エンジンの各シリンダーに配置され、各シリンダーのプラグホールに配置された点火プラグからスパークを発生させるために用いられる。本例の点火コイル1における一次コイル21、二次コイル22、中心コア5、外周コア6、コアモールド7、イグナイタ4、ケース11等はプラグホールの外部に配置される。また、点火コイル1には、プラグホール内に配置されて、点火プラグに接続されるジョイント部12が設けられている。
また、イグナイタポケット72は、コアモールド7の外側面701において、貫通方向Lにおける片側に、イグナイタ4を挿入するための開口部721を有している。なお、このイグナイタポケット72の開口部721は貫通方向Lにおける両側に形成し、イグナイタポケット72を貫通状態で形成することもできる。
また、図4に示すように、イグナイタポケット72の角部722、及びイグナイタポケット72とコアモールド7との境界部723は、曲面状に形成することもできる。この場合には、イグナイタポケット72がコアモールド7の外側面701から突出する部分の全体が、クラック発生の起点を形成しないよう、なだらかに形成される。これにより、充填樹脂13におけるクラックの発生を効果的に抑制することができる。
また、コアモールド7の内側面702における、中心コア5を配置するための切欠部73Bには、中心コア5の位置決めをするための突起部77を形成することができる。
また、イグナイタ4と充填樹脂13との間にコアモールド7が配置されることにより、充填樹脂13の応力が緩和され、充填樹脂13にクラックを生じにくくすることができ、あるいは充填樹脂13に発生したクラックを、充填樹脂13において進展しにくくすることができる。
11 ケース
13 充填樹脂
21 一次コイル
22 二次コイル
4 イグナイタ
5 中心コア
6 外周コア
61 外側面
7 コアモールド
71 外側面
72 イグナイタポケット
Claims (4)
- 内外周に同心状に配置された一次コイル(21)及び二次コイル(22)と、
上記一次コイル(21)及び上記二次コイル(22)の内周に配置された中心コア(5)と、
上記一次コイル(21)及び上記二次コイル(22)の回りを囲む環状の外周コア(6)と、
該外周コア(6)の周囲を覆って該外周コア(6)の外殻を形成する樹脂製のコアモールド(7)と、
上記一次コイル(21)への通電及び該通電の遮断を行うスイッチング回路を形成するイグナイタ(4)と、
上記一次コイル(21)、上記二次コイル(22)、上記中心コア(5)、上記外周コア(6)、上記コアモールド(7)及び上記イグナイタ(4)を収容するケース(11)と、
該ケース(11)内の隙間を充填する充填樹脂(13)と、を備え、
上記コアモールド(7)の外側面(701)には、上記イグナイタ(4)を配置するためのイグナイタポケット(72)が形成されており、
上記コアモールド(7)の外側面(701)における、上記イグナイタポケット(72)と対向する部位には、上記外周コア(6)の外側面(61)の一部を露出させる切欠部(73A)が形成されており、
上記イグナイタ(4)は、上記切欠部(73A)を介して上記外周コア(6)の上記外側面(61)の一部と対面して上記イグナイタポケット(72)に配置されていることを特徴とする内燃機関用点火コイル(1)。 - 上記外周コア(6)及び上記コアモールド(7)は、四角環形状に形成されており、該外周コア(6)及び該コアモールド(7)の貫通方向(L)は、上記ケース(11)の開口部(111)が形成された開口方向に向けられており、
上記イグナイタポケット(72)は、上記コアモールド(7)の上記外側面(701)において、上記貫通方向(L)における少なくとも片側に開口部(721)を有していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル(1)。 - 上記イグナイタポケット(72)の角部(722)、及び該イグナイタポケット(72)と上記コアモールド(7)との境界部(723)は、曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用点火コイル(1)。
- 上記外周コア(6)の上記外側面(61)の一部には、上記イグナイタ(4)が嵌り込むコア切欠部(63)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用点火コイル(1)。
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