JP6407055B2 - 樹脂発泡シート及び繊維強化複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物からなる発泡層を有する樹脂発泡シート、及び、樹脂発泡成形体を有し、該樹脂発泡成形体の表面に積層された繊維強化樹脂層を有する繊維強化複合体に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)などの結晶性を有するポリエステル系樹脂は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などに比べて剛性が高く形状安定性に優れていることから各種成形品の原料樹脂として広く用いられている。
このようなポリエステル系樹脂を原料樹脂として用いた製品に関し、例えば、下記特許文献1には、PETを含む樹脂組成物によって樹脂発泡シートを形成させることが記載されている。
特開平11−116722号公報
前記のような樹脂発泡シートは、ポリエステル系樹脂を含んだ樹脂組成物からなる発泡層を有することで軽量性と強度とに優れ、そのままシート状の成形体として利用可能であるばかりでなく、熱成形を施すなどして3次元的な形状を有する成形体へと成形加工することができる。
近年、各種の樹脂発泡成形体を芯材とし、該芯材の表面に繊維強化樹脂シート(以下、「FRP」ともいう)などによって繊維強化樹脂層を備えさせた繊維強化複合体が優れた強度と軽量性とを有することから用途を拡大させつつある。
前記のようにPETを含む樹脂発泡シートは、強度と軽量性とに優れる点においてこのような繊維強化複合体の構成材として適したものであると言える。
ところで、PETを含む樹脂発泡シートは、前記のように軽量性と強度とに優れるものの高剛性を有することで熱成形などによって所望の形状を付与することが難しい場合があり、従来、成形性を改善することが要望されている。
しかしながら、このような樹脂発泡シートの成形性を改善するための手法は確立されておらず上記要望を満足することは困難となっている。
また、そのようなことから軽量性と強度とにおいて特に優れた繊維強化複合体を得るべくその構成材に前記樹脂発泡シートを利用した場合、当該繊維強化複合体の製造に要する手間を増大させたり、繊維強化複合体に所望の形状を付与することが難しくなったりするおそれがある。
本発明は、上記要望を満足させることを課題としており、ポリエステル系樹脂を含んだ樹脂組成物からなる発泡層を有するとともに成形性に優れた樹脂発泡シートを提供し、ひいては軽量性と強度とに優れた繊維強化複合体の製造を容易にさせることを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、結晶性のポリエステル系樹脂を含む発泡層を有する樹脂発泡シートの成形においてはポリエステル系樹脂の結晶が発泡層の変形を阻害する要因となっており、結晶化速度が比較的遅いポリエステル系樹脂によって発泡層を形成し、当該発泡層におけるポリエステル系樹脂の結晶化が過度に進行していない状態とすることが樹脂発泡シートを成形性に優れたものとする上において有利であることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための樹脂発泡シートに係る本発明は、樹脂組成物からなる発泡層を有し、該樹脂組成物が結晶性を有するポリエステル系樹脂を含む樹脂発泡シートであって、30℃から290℃まで昇温速度10℃/分で前記発泡層を加熱した際に得られるDSC曲線において結晶化熱量が20mJ/mg以上の結晶化ピークが現れ、且つ、該発泡層を形成する前記樹脂組成物の120℃における半結晶化時間が30秒以上350秒以下である。
また、上記課題を解決するための繊維強化複合体に係る本発明は、上記のような樹脂発泡シートが用いられてなる樹脂発泡成形体を有し、該樹脂発泡成形体の表面に積層された繊維強化樹脂層を有するものである。
本発明に係る樹脂発泡シートは、発泡層を加熱した際に一定以上の結晶化を生じ、しかも、その結晶化の挙動が比較的緩やかである。
言い換えれば、本発明に係る樹脂発泡シートは、良好な成形性を発揮させるのに不利な要因となるポリエステル系樹脂の結晶が発泡層に多く存在しておらず、しかも、熱成形前の予熱などによって結晶化が進行し難いものとなっている。
即ち、本発明に係る樹脂発泡シートは、従来の樹脂発泡シートに比べて成形性に優れたものとなっている。
従って、本発明によれば、このような樹脂発泡シートを利用して得られる繊維強化複合体を製造容易なものとすることができる。
図1は、発泡層の結晶化熱量の算出方法を説明するための図である。 図2は、発泡層を構成する樹脂組成物の半結晶化時間の測定方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について樹脂発泡シートが発泡層単層である場合を主たる例として説明する。
本実施形態の樹脂発泡シートは、ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物(以下、「ポリエステル系樹脂組成物」ともいう)によって形成された発泡層を有している。
前記発泡層に含有させるポリエステル系樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂として市販されているものを採用することができる。
発泡層に含有させる前記ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、「PTT」ともいう)、ポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」ともいう)、ポリエチレンナフタレート(以下、「PEN」ともいう)、及び、ポリブチレンナフタレート(以下、「PBN」ともいう)、ポリ乳酸(以下、「PLA」ともいう)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(以下、「PCT」ともいう)からなる群より選ばれる1種又は2種以上とすることができる。
なお、PET、PTT、PBT、PEN、PBN、PLA、及び、PCTは、第3成分を含む共重合体であってもよい。
即ち、PETは、テレフタル酸やエチレングリコールと縮合反応を示すものであれば、これら以外に、2以上のカルボキシル基を有するモノマー、2以上の水酸基を有するモノマー及び1以上のカルボキシル基と1以上の水酸基とを有するモノマーの何れかを第3成分として含むものであってもよい。
なお、PTT、PBT、PEN、及び、PBNなどについても上記例示の第3成分を含んでいてもよい。
前記発泡層は、30℃から290℃まで昇温速度10℃/分で前記発泡層を加熱した際に得られるDSC曲線において結晶化熱量が20mJ/mg以上の結晶化ピークが現れ、且つ、該発泡層を形成する前記ポリエステル系樹脂組成物の120℃における半結晶化時間が30秒以上350秒以下となっていることが樹脂発泡シートに優れた成形性を発揮させる上において重要である。
従って、ポリエステル系樹脂組成物は、前記のようなポリエステル系樹脂の中でも適度な結晶性を有するものが主成分となっていることが好ましく、PETが主成分であることが好ましい。
具体的には、発泡層は、75質量%以上がPETであることが好ましく、90質量%以上がPETであることがより好ましく、95質量%以上がPETであることが特に好ましい。
また、発泡層に含有させるPETは、その一部、又は、全部が前記のような第3成分を含むPETであることが好ましい。
第3成分を含むPETは、テレフタル酸及びエチレングリコール以外のモノマーの含有量が0モル%を超え15モル%未満であることが好ましい。
該第3成分として好ましいモノマーは、例えば、シクロヘキサンジメタノール、ジメチルテレフタレートなどが挙げられる。
なお、前記ポリエステル系樹脂組成物は、他ポリマーや各種添加剤を含有していても良く、該添加剤としては、ポリエステル系樹脂を架橋させるための架橋剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、顔料、滑材、すべり性の付与又はアンチブロッキング性の付与を目的とした界面活性剤、可塑剤、無機充填剤、並びに無機充填剤の分散性を向上させる分散性向上剤等が挙げられる。
該分散性向上剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
前記発泡層の結晶化熱量、及び、該発泡層を形成する樹脂組成物の半結晶化時間は、示差走査熱量計(DSC)によって求めることができる。
具体的には、発泡層の結晶化熱量は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」、JIS K7122:1987「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている熱流束示差走査熱量測定法に基づいて求めることができ、樹脂発泡シートの発泡層から採取した試料を窒素ガス流量20mL/分の条件下にて30℃で2分間に亘って保持した後、該試料を昇温速度10℃/分で30℃から290℃まで加熱した際に得られるDSC曲線において現れる結晶化ピークの面積から求めることができる。
また、樹脂組成物の半結晶化時間は、DSCを用い、発泡層から採取した試料を30℃/分の昇温速度で30℃から290℃まで加熱し、290℃にて10分間に亘って保持した後、試料をDSCの加熱炉から取り出して25℃の空気中の環境下で30℃まで放冷させ、その後、試料を再び前記加熱炉に戻して35℃/分の昇温速度で30℃から120℃まで加熱し、120℃で30分間に亘って保持した時の結晶化による発熱量を測定し、得られたDSC曲線において、発熱を開始した点と、発熱が終了した点(DSC曲線がピークトップ点以降にベースラインに戻る最も早い点)と、DSC曲線のピークトップ点とを特定し、発熱を開始した点からピークトップ点に至るまでに経過した時間である。
なお、発泡層の結晶化熱量、及び、発泡層を形成する樹脂組成物の半結晶化時間の求め方については、後段の実施例においてさらに詳細に説明する。
前記発泡層に含まれるポリエステル系樹脂は、結晶化していない方が、前記樹脂発泡シートに良好なる成形性を発揮させる上において有利である。
このようなことから、前記結晶化熱量は、25mJ/mg以上であることが好ましく、27mJ/mg以上であることがより好ましい。
一方で、成形後の樹脂発泡成形体に高い強度を付与すべく樹脂発泡シートの熱成形時間を長時間確保することや熱成形後の樹脂発泡成形体に追加加熱を行うことを考えると発泡層は、ポリエステル系樹脂をある程度結晶化させていることが好ましい。
このようなことから、前記結晶化熱量は、35mJ/mg以下であることが好ましく、32mJ/mg以下であることがより好ましい。
また、発泡層を形成する樹脂組成物の120℃における半結晶化時間は、50秒以上300秒以下であることが好ましく、100秒以上200秒以下であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂発泡シートは、上述した発泡層を備えているので、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、プレス成形などといった熱成形に際して成形型への追従性に優れ、良好な成形性を発揮する。
従って、このような樹脂発泡シートに所定形状が付与されてなる樹脂発泡成形体を芯材に用いることで、繊維強化複合体を製造容易なものとすることができる。
また、樹脂発泡成形体は、繊維強化複合体の製造に際して結晶化度を十分に向上させることができるため樹脂発泡成形体に優れた耐熱性と機械的強度とを発揮させ得る。
前記樹脂発泡シートは、特にその厚みや坪量が特に限定されるわけではないが、前記のような熱成形において良好なる成形性を発揮させる上においては、厚みが0.1mm〜5.0mm程度であることが好ましく、坪量が75g/m〜2000g/m程度であることが好ましい。
このような樹脂発泡シートは、発泡剤や気泡調製剤を含有させたポリエステル系樹脂組成物を押出機で溶融混練し、得られた溶融混練物を押出機の先端に装着したダイからシート状に押出して発泡させる、いわゆる“押出発泡法”によって作製することができる。
前記発泡剤としては、物理発泡剤や化学発泡剤を採用することができ、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの有機ガス;二酸化炭素、窒素ガスなどの気体状の無機化合物;水などの液体状の無機化合物;重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物など固体状の発泡剤などが挙げられる。
前記気泡調製剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズなどの無機化合物;ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物が挙げられる。
なお、本実施形態においては、樹脂発泡シートが発泡層単層である場合を例示しているが、樹脂発泡シートは、例えば、前記ポリエステル系樹脂組成物と同じか又は異なる樹脂組成物を共押出しすることによって得られる2層以上の積層構造を有するものであってもよい。
即ち、樹脂発泡シートは、2以上の発泡層を有するものであっても、1以上の発泡層と1以上の非発泡層とを有するものであってもよい。
樹脂発泡シートを押出発泡によって作製する場合、円環状の吐出孔を備えたサーキュラーダイを単軸押出機に装着した設備を利用することで、当該押出発泡において高い吐出量を確保し易く、押出された樹脂発泡シートを素早く冷却することができるため発泡層を所望の結晶化度となるように調製し易いという利点を有する。
また、本実施形態の樹脂発泡シートは、後述するように前記発泡層が炭化水素系発泡剤によって発泡されたもので該炭化水素系発泡剤を2質量%以上含有することが好ましい。
そして、本実施形態の樹脂発泡シートは、140℃の温度となるように加熱した際に、加熱開始後100秒以内に前記発泡層の厚みが30%増大する2次発泡性を有していることが好ましい。
言い換えれば、本実施形態の樹脂発泡シートは、140℃の温度で100秒加熱した際に30%以上厚みを増大させるものであることが好ましい。
樹脂発泡シートに発泡剤を残存させ易く、2次発泡性に優れた樹脂発泡シートを得ることが容易である点においても本実施形態の樹脂発泡シートは、上記のような押出発泡によって作製されることが好ましい。
なお、発泡層中の発泡剤含有量、及び、加熱による厚みの増大の程度は下記の方法で測定されるもので、樹脂発泡シートが押出発泡によって作製されるものの場合、発泡剤含有量は、通常、最大でも10質量%であり、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜3.0質量%であることがより好ましい。
140℃に加熱した際に厚みを30%増大させるのに要する時間は、通常、最短でも5秒であり、樹脂発泡シートは、当該時間が5秒〜100秒であることが好ましく、5秒〜60秒であることがより好ましい。
(発泡剤含有量)
先ず、発泡層から採取した試料の質量W1を測定する。
次に、発泡層に含まれる発泡剤の質量W2を測定する。
発泡剤の質量(W2)は、ガスクロマトグラフを用いて測定することができ、具体的には、下記要領にて測定することができる。
樹脂発泡シートの発泡層から10〜30mgの試料を採取し、20mLバイアル瓶に入れて精秤し、バイアル瓶を密閉してオートサンプラー付ガスクロマトグラフにセットし、バイアル瓶を210℃で20分間に亘って加熱した後、バイアル瓶の上部空間の気体をMHE(Multiple Headspace Extraction)法にて定量分析し、発泡層に含まれる発泡剤の質量W2を測定する。
ここでいうMHE法とは、気固平衡にある気相ガスの放出を繰り返すことで得られるピーク面積の減衰を利用する定量方法である。
〔GC測定条件〕
測定装置:ガスクロマトグラフ Clarus500(Perkin−Elmer社製)
カラム:DB−1(1.0μm×0.25mmφ×60m:J&W社製)
検出器:FID
GCオーブン昇温条件:初期温度50℃(6分)
昇温速度:40℃/分(250℃まで)
最終温度:250℃(1.5分)
キャリアーガス(He),注入口温度:230℃,検出温度:310℃
レンジ:20
ベントガス 30mL/分(He)、追加ガス 5mL/分(He)
ガス圧力:初期圧力18psi(10分),昇圧速度:0.5psi/min(24psiまで)
〔HS測定条件〕
測定装置:HSオートサンプラー TurboMatrix HS40(Perkin−Elmer社製)
加熱温度:210℃,加熱時間:20分,加圧ガス圧:25psi,加圧時間:1分,
ニードル温度:210℃,トランスファーライン温度:210℃,試料導入時間:0.08分
〔算出条件〕
(ブタン)
検量線用標準ガス:混合ガス(ジーエルサイエンス社製)
混合ガス含有量:i−ブタン 約1質量%,n−ブタン 約1質量%,バランス 窒素
算出方法:MHE法により試料中の発泡剤量を算出する。結果は全てi−ブタン換算量とする。
(ペンタン)
検量線用標準ガス:混合ガス(ジーエルサイエンス社製)
混合ガス含有量:i−ペンタン 約1質量%,n−ペンタン 約1質量%,バランス 窒素
算出方法:MHE法により試料中の発泡剤量を算出する。結果は全てi−ペンタン換算量とする。
発泡層中における発泡剤含有量は下記式に基づいて算出することできる。

発泡層中における発泡剤含有量(質量%)=100×W2/W1
(加熱による厚みの増大割合の求め方)
樹脂発泡シートから一辺が15cmの平面正方形状の試験片を切り出す。
試験片の厚みを任意の9箇所において測定し、その相加平均値を加熱前厚みT1とする。
次に、試験片をその表面温度が140℃となるように加熱し、その後140℃の温度を所定時間維持させた後
、25℃にて60分間放置する。
しかる後、試験片の厚みを任意の9箇所において測定し、その相加平均値を加熱後厚みT2とする。
加熱前厚みT1及び加熱後厚みT2に基づいて下記式により試験片の加熱厚み増大率を算出する。

140℃での加熱厚み増大率(%)=100×(T2−T1)/T1

そして、加熱時間を異ならせて複数回の測定を実施し、厚みが当初の1.3倍となる時間、即ち、厚みが30%増大する時間(以下「30%膨張時間」ともいう)を求める。
なお、発泡層が加熱によってその厚みを増大させる割合は、当該発泡層に含まれる発泡剤の量や当該発泡層の結晶化度を調整することによって制御することができる。
即ち、発泡層に含まれている発泡剤量を多くすることによって発泡層の加熱厚み増大率を高くすることができる。
又、発泡層の結晶化度を低くすることによって発泡層の加熱厚み増大率を高くすることができる。
また、樹脂発泡シートを作製するにあたっては、ポリエステル系樹脂が結晶化することを抑制するために押出直後に樹脂発泡シートに対して急冷を行うことが好ましい。
具体的には、樹脂発泡シートを作製するにあたっては、押出機の先端に装着したサーキュラーダイから押出方向に一定の距離を隔てた位置にエアリングを設け、サーキュラーダイから樹脂発泡シートを円筒状に押出発泡して円筒状体を製造し、該円筒状体の表面に前記エアリングやサーキュラーダイに付随の冷却装置から気体を吹きつけて冷却する方法や、前記円筒状体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルの外周面に摺接させて冷却する方法によってポリエステル系樹脂の結晶化を制御することが好ましく、これらの方法を併用することがより好ましい。
冷却マンドレルを用いる際は、5〜10℃程度の冷却水を循環させることで、樹脂発泡シートに含まれるポリエステル系樹脂の結晶化を抑制することが出来る。
本実施形態の樹脂発泡シートは、発泡層が完全に結晶化されていないため、前記のように熱成形が容易であるばかりでなく、該発泡層とFRPなどとを貼り合わせるのに際して良好な接着性が発揮される点において繊維強化複合体の構成材として好適である。
即ち、本実施形態の繊維強化複合体は、例えば、樹脂と繊維とを含む繊維強化樹脂シートを前記樹脂発泡シートの片面、又は、両面に積層して得た積層体(予備成形シート)を熱成形して当該繊維強化複合体を作製する際に樹脂発泡シートの発泡層が十分に結晶化していないことによって前記繊維強化樹脂シートによって形成される繊維強化樹脂層と該繊維強化樹脂層に接する前記発泡層との間に優れた熱融着性を発揮させることができる。
このとき炭化水素系発泡剤が2質量%以上含有されて、優れた2次発泡性を示す樹脂発泡シートは、当該2次発泡による膨張力を繊維強化樹脂シートとの間の接触圧力として利用することができるため、樹脂発泡成形体と繊維強化樹脂層との接着強度に優れた繊維強化複合体の製造を容易にさせる効果を有する。
なお、本実施形態の繊維強化複合体は、樹脂発泡シートが成形加工されてなる樹脂発泡成形体の表面に樹脂と繊維とを含む繊維強化樹脂層が積層されたものであるが、この樹脂発泡成形体は、2次元的なシートであっても3次元的な立体成形品であってもよい。
該樹脂発泡成形体とともに繊維強化複合体を形成する繊維強化樹脂層には、前記繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維及び金属繊維等を含有させることができる。
これらの繊維の中で前記繊維強化樹脂層に含有させる繊維は、炭素繊維、ガラス繊維又はアラミド繊維であることが好ましく、炭素繊維であることがより好ましい。
該繊維は、連続繊維を経糸や緯糸などに採用した繊維織物、連続繊維を一方向に引き揃えたシート、短繊維をシート状に押し固めたマット、或いは、分散状態の短繊維として繊維強化樹脂層に含有させることができる。
該繊維とともに繊維強化樹脂層を形成する樹脂は、熱硬化性樹脂であっても熱可塑性樹脂であってもよい。
この内、熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、並びにマレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂を予備重合させた樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂の中で前記繊維強化樹脂層に含有させる樹脂としては、耐熱性、弾性率及び耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂かビニルエステル樹脂かの何れかであることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂の中で前記繊維強化樹脂層に含有させる樹脂としては、発泡層との接着性や繊維との接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。
なお、該繊維強化樹脂層には、前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、滑材、すべり性の付与又はアンチブロッキング性の付与を目的とした界面活性剤、可塑剤、無機充填剤、並びに無機充填剤の分散性を向上させる分散性向上剤等をさらに含有させても良い。
さらに本実施形態の繊維強化複合体は、繊維強化樹脂層の表面に化粧フィルムを貼り付けるなどして意匠性を付与してもよい。
本実施形態の繊維強化複合体は、芯材となる樹脂発泡成形体を構成する樹脂発泡シートが成形性に優れることから当該繊維強化複合体としても製造容易なものとなる。
該繊維強化複合体は、高い耐熱性及び高い機械的強度が求められる様々な用途に用いることができる。
繊維強化複合体は、なかでも輸送機器構成用部材に特に好適に用いられる。
該輸送機器構成部材とは、自動車、電車、機関車等の車両;飛行機、ヘリコプター、ロケット等の航空機;プレジャーボートや貨物船等の船舶;などといった輸送機器の一部を構成する部材である。
本実施形態の繊維強化複合体は、軽量性と強度とに優れることから、車両、航空機、船舶のボディーを構成すべく用いられることが好ましい。
なお、トレーラーヘッドによって牽引される台車や、台車によって搬送されるコンテナなど、トレーラーヘッドと一体となって貨物自動車を構成するものも輸送機器の一部である。
ここではこれ以上に詳細な説明を繰り返すことはしないが、本実施形態の繊維強化複合体は、その用途が前記例示のものに限定されるものではなく、本実施形態の樹脂発泡シートはその用途が繊維強化複合体に限定されるものではない。
そして、本発明の樹脂発泡シートや繊維強化複合体は、上記例示の態様に各種の変更が加えられたものであって良いことは、詳述するまでもなく当然の事柄である。
以下に実施例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明するが本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例においては、下記のPET及びPENを用いて繊維強化複合体の芯材となる樹脂発泡シートを作製した。
<PET>
三井化学社製、商品名「SA135」、ガラス転移温度Tg:78℃、融点:241.2℃

<m−PET>
イーストマン社製、商品名「EN099」(第3成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを15mol%未満の割合で含むポリエチレンテレフタレート)、ガラス転移温度:80℃、融点:238.5℃

<r−PET>
よのペット社製 リサイクルPET I V 値: 0 . 6 7

<PEN>
帝人社製、商品名「テオネックス TN8050SC」、ガラス転移温度Tg:120℃、融点:264.2℃、IV値:0.51
(実施例1〜8、比較例1〜3)
下記表1に示す割合でポリエステル系樹脂を含み、ポリエステル系樹脂100質量部に対してタルク0.72質量部と無水ピロメリット酸0.2質量部とを含むポリエステル系樹脂組成物を口径が65mmで且つL/D比が35の単軸押出機に供給して290℃にて溶融混練し、該押出機の途中において、発泡剤として混合ブタン(混合比=イソブタン35質量%/ノルマルブタン65質量%)を圧入し、該発泡剤をポリエステル系樹脂100質量部に対して1.1質量部となる割合で圧入して、溶融状態のポリエステル系樹脂中に均一に分散させた。
しかる後、押出機の前端部において、溶融状態のポリエステル系樹脂組成物を220℃に冷却した後、押出機の前端に取り付けたサーキュラーダイから円筒状に押出発泡させて円筒状発泡体を製造し、所定の厚みとなるような速度にて、この円筒状発泡体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して冷却した後、円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによって樹脂発泡シートを製造した。
次いで、樹脂発泡シートを一辺350mmの平面正方形状に切り出した。
これに対し繊維強化樹脂材として、炭素繊維からなる綾織の織物に樹脂含浸されているシート(三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523−395GMP」、目付:200g/m、厚み:0.23mm、大きさ:一辺250mmの正方形)を2枚用意した。
なお、シートには、熱硬化性樹脂として未硬化のエポキシ樹脂が40質量%含有されていた。
2枚のシートをそれらの経糸の長さ方向が互いに90°の角度をなすように重ね合わせ、シートに含まれているエポキシ樹脂によってこれらを一体化させて多層シートを作製した。
この多層シートを2枚用意し、樹脂発泡シートの中央部を2枚の多層シートで挟んで周囲に樹脂発泡シートがはみ出した状態の積層体を作製し、圧着用器具(石崎電機製作所社製 商品名「シェアーショットアイロン SI−39S」、器具質量860g)を用いて該積層体を厚み方向に加圧し、圧着用器具の圧着面温度が18±3℃、圧着用器具のみの質量で圧着1.4gf/cm(860/(25))して多層シートに含まれているエポキシ樹脂によって仮接着した。
次に、仮接着した積層体の周囲において多層シートよりも外側にはみ出している樹脂発泡シートをその対向する二辺の縁部においてクランプを用いて把持した。
なお、クランプは、多層シートにかからないようにセットした。
しかる後、積層体を145℃に5秒間に亘って加熱して多層シートに含まれている未硬化のエポキシ樹脂を軟化させ、該エポキシ樹脂の硬化を進行させないようにして流動性を示す状態にした。
なお、この状態においては、積層体の仮接着は解除され、繊維織物が樹脂発泡シート上を移動可能な状態となっていた。
続いて、上記積層体を雌雄金型間に配設し、雌雄金型を型締めすることによってプレス成形し、立体的な形状を有する樹脂発泡成形体へと前記樹脂発泡シートを成形加工するとともに前記多層シートを樹脂発泡成形体の表面に熱接着させることによって繊維強化樹脂層を形成させて繊維強化複合体を作製した。
なお、プレス成形時には、積層体が145℃となるように保持し、多層シートに含まれているエポキシ樹脂が硬化することなく流動性を保持するように制御した。
また、プレス成形時には、樹脂発泡シートを厚み方向に膨張させるとともに樹脂発泡シートを構成しているポリエステル系樹脂の結晶化度を上昇させた。
そして、繊維強化複合体は、積層体を145℃で5分間加熱し、多層シートに含有されている未硬化のエポキシ樹脂を硬化させて作製した。
得られた繊維強化複合体は、硬化した熱硬化性樹脂によって繊維どうしが結着され且つ雌雄金型に沿って所望形状に成形された繊維強化樹脂層が樹脂発泡成形体の表面に沿って全面的に密着した状態となって積層一体化されていた。
なお、樹脂発泡シートは、押出後、室温25±5℃に48時間保管したものを使用し、予め見掛け密度、30%膨張時間(at140℃)、発泡剤含有量、結晶化熱量、半結晶化時間(at120℃)などについて下記のような評価を実施した。
<樹脂発泡シートの見掛け密度>
樹脂発泡シートの見掛け密度は、JIS K7222:1999「発泡プラスチックおよびゴム−見掛け密度の測定」に記載される方法により測定した。
<樹脂発泡シートの発泡剤含有量及び30%膨張時間>
樹脂発泡シートに残存する発泡剤(ノルマルブタン及びイソブタン)の量を前記に示したように定量し、発泡剤含有量を求めた。
また、樹脂発泡シートについて、140℃の温度で加熱した際に、加熱開始後何秒間でその厚みが初期の1.3倍(30%増大)となるかを測定した。
<樹脂発泡シートの結晶化ピーク及び融解ピークの有無、並びに、樹脂発泡シートの結晶化熱量及び結晶化温度>
繊維強化複合体の形成に用いた樹脂発泡シートの結晶化ピークの有無、結晶化熱量、及び、結晶化温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」、JIS K7122:1987「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法で測定した。
測定装置は、示差走査熱量計装置(エスアイアイナノテクノロジー社製「DSC6220型」)を用いた。
樹脂発泡シートから採取した約6mgの試料をアルミニウム製の測定容器の底に隙間ができないように充填し、この試料を充填した測定容器を窒素ガス流量20mL/分の条件下にて30℃で2分間に亘って保持した後、昇温速度10℃/分で30℃から290℃まで昇温させてDSC曲線を得た。
なお、測定においては、試料を充填した測定容器とは別にアルミナを充填した測定容器を用意し、これをリファレンスに用いた。
図1のように得られたDSC曲線において、結晶化ピークのピークトップ点と融解ピークのピークトップ点とをそれぞれ点a、点bとする。点aと点bとの中点を通りかつ点aと点bとを結ぶ直線に直交する直線と、DSC曲線との交点を点cとする。
ベースラインからDSC曲線が離れる点を点dとする。
点cと点dとを結ぶ直線と、DSC曲線の結晶化ピークとで囲まれる部分の面積から、結晶化熱量(mJ/mg)を算出し、結晶化ピークトップの温度を結晶化温度とした。
<樹脂発泡シートを形成する樹脂組成物の半結晶化時間>
樹脂発泡シートを形成する樹脂組成物の半結晶化時間は、測定装置として、示差走査熱量計装置(エスアイアイナノテクノロジー社製「DSC6220型」)を用い測定した。
樹脂発泡シートから採取した約6mgの試料をアルミニウム製の測定容器の底に隙間ができないように充填し、この試料を充填した測定容器を窒素ガス流量20mL/分の条件下にて30℃で2分間に亘って保持した後、昇温速度30℃/分で30℃から290℃まで昇温させ、290℃の温度にて10分間に亘って保持した後、測定容器をDSCの加熱炉から取り出して25℃の空気中の環境下にて30℃まで放冷させた。
この熱処理の後、試料の入った測定容器を再びDSCの加熱炉に戻し、30℃から120℃まで加熱炉の最大能力の昇温速度(およそ35℃/分)で昇温させ、120℃で30分間に亘って保持した時の樹脂組成物の結晶化による発熱量を測定した。
通常、このような測定によれば、図2に示したような横軸を時間としたDSC曲線が得られる。
該DSC曲線において、発熱を開始した点aと、発熱が終了した点b(DSC曲線がピークトップ点c以降にベースラインに戻る最も早い点)と、DSC曲線のピークトップ点cとを特定する。
なお、点aとはベースライン(発熱ピーク直後の直線部分)の延長線とDSC曲線との交点である。
ここで、上記点aから点cに至るまでに経過した時間Tを「樹脂組成物の半結晶化時間」とする。
なお、半結晶化時間の測定においては、試料を2回分用意し、それぞれの試料について半結晶化時間を求め、樹脂組成物の半結晶化時間は、これらの相加平均値とする。
また、得られた繊維強化複合体については、以下のような評価を行った。
<繊維強化複合体の成形性に係る評価>
[樹脂発泡シートの賦形性]
凹凸状に賦形された繊維強化複合体は、この凹凸形成部において樹脂発泡成形体の連続気泡率が他の部位に比べて高くなっている場合がある。
これは、樹脂発泡成形体の形成に用いる樹脂発泡シートが結晶化の進行した状態で当該樹脂発泡シートが無理に変形される結果として当該変形部位において内部気泡膜の破れが生じることを主たる要因としている。
そこで、樹脂発泡シートの賦形性については、凹凸部を有する繊維強化複合体の芯材から採取した試料の連続気泡率を測定することにより評価した。
なお、該試料の連続気泡率は、下記に示す樹脂発泡シートの連続気泡率の測定方法に従って求めることができる。

(連続気泡率の測定方法)
樹脂発泡シートの連続気泡率は、ASTM D−2856に記載の測定方法に準拠して下記の要領で測定される。
まず、樹脂発泡シートの見掛け上の体積を測って見掛け体積V(cm)とする。
次に、樹脂発泡シートの実際試料体積V(cm)を体積測定空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定する。
なお、体積測定空気比較式比重計は、例えば、東京サイエンス社から商品名「1000型」にて市販されているものを用いることができる。
そして、樹脂発泡シートの見掛け体積V(cm)と、樹脂発泡シートの実際試料体積V(cm)に基づいて下記式により樹脂発泡シートの連続気泡率を算出することができる。

連続気泡率(%)=100×(V−V)/V

なお、連続気泡率の測定結果に基づいて樹脂発泡シートの賦形性については以下の基準で判定を行った。

(判定基準)
○:連続気泡率が20%未満
△:連続気泡率が20%以上40%未満
×:連続気泡率が40%以上
[繊維強化材表面材]
繊維強化複合体の両方の繊維強化樹脂層表面を全面的に目視観察し、直径0.1mm以上の大きさの凹部の数を数えた。
得られた凹部の数に基づいて10cm当たりに存在する凹部の数を算出し、下記基準に基づいて評価した。

○:凹部が3個未満であった。
△:凹部が3個以上で且つ8個未満であった。
×:凹部が8個以上であった。
以上の評価結果を下記の表に示す。
Figure 0006407055
上記からも、本発明によれば、ポリエステル系樹脂を含んだ樹脂組成物からなる発泡層を有するとともに成形性に優れた樹脂発泡シートが提供され、軽量性と強度とに優れた繊維強化複合体の製造が容易になることがわかる。

Claims (3)

  1. 樹脂組成物からなる発泡層を有し、該樹脂組成物が結晶性を有するポリエステル系樹脂を含む樹脂発泡シートであって、30℃から290℃まで昇温速度10℃/分で前記発泡層を加熱した際に得られるDSC曲線において結晶化熱量が20mJ/mg以上の結晶化ピークが現れ、且つ、該発泡層を形成する前記樹脂組成物の120℃における半結晶化時間が30秒以上350秒以下であり、前記発泡層には0.1質量%以上5質量%以下の割合で発泡剤である飽和脂肪族炭化水素が含まれている樹脂発泡シート。
  2. 140℃に加熱した際に、加熱開始後100秒以内に前記発泡層の厚みが30%増大する請求項1記載の樹脂発泡シート。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂発泡シートが用いられてなる樹脂発泡成形体を有し、該樹脂発泡成形体の表面に積層された繊維強化樹脂層を有する繊維強化複合体。
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