JP6406611B2 - コンクリートの養生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート工事あるいは鉄筋コンクリート工事を行う際に採用されるコンクリートの養生方法に関する。
コンクリート工事あるいは鉄筋コンクリート工事においては、打設されたコンクリートに予定通りの性能を発揮させるべく、コンクリート打設後に適切な養生を施すことが必要不可欠であり、特に、セメントの水和反応に必要な水が乾燥で不足することがないよう、散水、噴霧、養生シートの被覆といった湿潤養生を行うことが重要となる。
一方、コンクリートを打設する際は、打設領域を取り囲むように予め型枠が立て込まれるが、立て込まれた型枠をコンクリートの養生手段としてそのまま長期間保持することは工事の効率上難しく、所定の強度発現後、すみやかに脱型されるのが通例である。
そのため、脱型によって露出したコンクリート面を別途養生する必要が生じるが、養生作業だけのために足場が必要になったり、脱型作業と交錯して作業効率が低下したりといった状況が生じるため、脱型後の養生シートの被覆は煩雑な作業となる。
このような状況下、型枠を構成する堰板の側面のうち、コンクリートが打設される側(以下、単に内面)に養生シートが予め取り付けられた状態でコンクリートを打設し、所定強度が発現した後、該養生シートがコンクリート側に残置されるように型枠を取り外す養生方法が提案されており、かかる構成によれば、脱型後に養生シートをコンクリート面に取り付ける時間や手間を省略できるため、コンクリートの養生作業が遅滞し、ひいてはコンクリートの品質低下を招くといった事態を未然に回避することが可能となる。
特開2014−20069号公報 特開平9−158472号公報
しかしながら、コンクリート打設が終了するまで養生シートが堰板から剥がれないよう、該堰板の内面に確実に取り付けておくことと、脱型時にコンクリート側に確実に残置されるようにすることを同時に満足させることは本来的に困難であり、コンクリート側への残置性を高めようとすると、コンクリートが打設されるまでの間、あるいはコンクリート打設中に養生シートが堰板から剥がれてしまい、接着剤等で堰板内面への取付け強度を高めようとすると、脱型の際、コンクリート側に残置されることなく型枠とともに分離されてしまうという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、コンクリート打設が終了するまでの間、養生シートが堰板内面から剥がれたりずれたりしないように、かつ脱型の際には、コンクリート側に残置されるように、該養生シートを堰板内面に取り付けることが可能なコンクリートの養生方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るコンクリートの養生方法は請求項1に記載したように、コンクリートを養生する養生シートを型枠を構成する堰板の内面に先行配置し、前記型枠が立て込まれた状態で該型枠の内側に拡がる打設領域にコンクリートを打設し、該コンクリートが所定の強度を発現した後、前記養生シートがコンクリート側に残置されるように前記型枠を取り外し、前記コンクリートの養生後、前記養生シートを前記コンクリートから撤去するコンクリートの養生方法において、
前記養生シートが前記堰板の内面に先行配置された状態で前記堰板に設けられた複数の貫通孔を介してかつ該各貫通孔ごとに個別に減圧処理を行うとともに、該減圧状態を少なくともコンクリート打設終了まで維持し、
前記型枠の取外し前に前記減圧状態を解除するものである。
また、本発明に係るコンクリートの養生方法は、前記減圧処理を行う工程を、前記各貫通孔に逆止弁をそれぞれ気密に取り付ける工程と、該各逆止弁に連通接続された真空ポンプを作動させる工程とで構成し、前記減圧状態を解除する工程を、前記各逆止弁を開く工程で構成するものである。
また、本発明に係るコンクリートの養生方法は、前記養生シートを配置する際、該養生シートの周縁が前記堰板内面から剥離しないようにかつ該剥離による空気の侵入によって剥離範囲が拡大しないように、前記周縁を前記型枠に固定するものである。
また、本発明に係るコンクリートの養生方法は、前記養生シートの側面のうち、コンクリートが打設される側に該コンクリートが固化することによる接着力を高めるための凹凸を設け又はコンクリート打設開始までに該養生シートのコンクリート打設側に接着剤を塗布するものである。
発明に係るコンクリートの養生方法においては、コンクリートを養生する養生シートを型枠を構成する堰板の内面に先行配置し、次いで、型枠が立て込まれた状態で該型枠の内側に拡がる打設領域にコンクリートを打設した後、コンクリートが所定の強度を発現してから養生シートがコンクリート側に残置されるように型枠を取り外すが、養生シートを配置するにあたっては、少なくともコンクリート打設開始までに、望ましくは型枠立込み開始までに、養生シートが堰板の内面に先行配置された状態で該堰板に設けられた複数の貫通孔を介してかつ該各貫通孔ごとに個別に減圧処理を行う。
このようにすると、養生シートと堰板内面との間に介在していた空気が上述の貫通孔を介して吸引除去され、養生シートはその背面から作用する大気圧によって堰板内面に密着するので、コンクリートの投入時の衝撃や、場合によっては型枠立込み時の振動が養生シートに加わっても、該養生シートが堰板内面から剥がれるおそれがなくなる。
上述した減圧状態は、少なくともコンクリート打設終了までは維持し、その後、型枠を取り外す前までの適当な時期に解除する。
このようにすると、養生シートと堰板内面との間に空気が入り込み、養生シートは堰板内面から分離しやすくなるので、この状態で型枠を取り外すことにより、養生シートは、コンクリート側に確実に残置する。
参考発明]
また、参考発明に係るコンクリートの養生方法においては、コンクリートを養生する養生シートを型枠を構成する堰板の内面に先行配置し、次いで、型枠が立て込まれた状態で該型枠の内側に拡がる打設領域にコンクリートを打設した後、コンクリートが所定の強度を発現してから養生シートがコンクリート側に残置されるように型枠を取り外すが、養生シートを配置するにあたっては、該養生シートを堰板の内面に引張保持させることが可能な分子間力を有する液体をそれらの間に介在させる。
このようにすると、液体が持つ固有の分子間力によって養生シートが堰板の内面に付着するので、コンクリートの投入時の衝撃や、場合によっては型枠立込み時の振動が養生シートに加わっても、該養生シートが堰板内面から剥がれるおそれがなくなる。
一方、コンクリート打設後は、コンクリートの固化による接着力がコンクリート側から養生シートに作用する。
そのため、この状態で型枠を取り外せば、養生シートは、コンクリートの固化による接着力でコンクリート側に確実に残置する。なお、分子間力による引寄せ力が、コンクリートの固化による接着力に比べて無視できない場合には、脱型の際、型枠をコンクリート面に対して垂直に取り外すのではなく、できるだけ平行になるように取り外せばよい。
上述した所定の液体は、養生シートを堰板の内面に引張保持させることが可能な分子間力を有する限り、どのようなものでもかまわないが、常温下で分子間力が比較的大きなもの、例えば水やグリセリンで構成するのが望ましい。
一方、分子間力はそれほど大きくないが、グリースや潤滑油といった潤滑剤で上述の液体を構成した場合、脱型時に養生シートと堰板内面との剥離性が向上し、ひいてはコンクリート側への残置性を高めることができる。
発明及び参考発明に共通する事項]
養生シートは、コンクリート打設前あるいは打設の際、発明では、堰板内面との間に介在する空気を吸引除去することで該堰板内面に密着させることが可能であり、参考発明では、液体が持つ固有の分子間力によって堰板の内面に付着させておくことが可能であるが、その周縁、特に隅部については堰板内面から剥離するとともに、該剥離による空気の侵入によって剥離範囲がさらに拡大することが懸念される。
かかる場合には、養生シートの周縁を型枠に固定するようにすればよい。
養生シートの型枠への固定は、例えば養生シートの周縁を型枠周縁に巻き付け、その上から所定の固定具で狭着することで可能である。
一方、養生シートは、脱型の際、発明及び参考発明のいずれにおいても、コンクリートの固化による接着力がコンクリート側から別途作用するとともに、発明では、減圧状態の解除によって養生シートと堰板内面との間に空気が入り込むことでいっそう堰板内面から分離しやすくなるが、養生シートの側面のうち、コンクリートが打設される側に凹凸を設け又はコンクリート打設開始までに該養生シートのコンクリート打設側に接着剤を塗布するようにすれば、養生シートをより確実にコンクリート側に残置させることが可能となる。
第1実施形態に係るコンクリートの養生方法の実施手順を示した図であり、(a)は全体鉛直断面図、(b)は詳細鉛直断面図。 引き続き第1実施形態に係るコンクリートの養生方法の実施手順を示した鉛直断面図。 変形例に係るコンクリートの養生方法を示した鉛直断面図。 第2実施形態に係るコンクリートの養生方法の実施手順を示した鉛直断面図。 引き続き第2実施形態に係るコンクリートの養生方法の実施手順を示した鉛直断面図。
以下、本発明に係るコンクリートの養生方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本実施形態に係るコンクリートの養生方法の実施手順を示した鉛直断面図である。これらの図に示すように、本実施形態に係るコンクリートの養生方法においては、まず、図1(a)に示すように堰板1及び該堰板が取り付けられた矩形フレーム2からなる型枠3を準備する。
堰板1には予め貫通孔6を設けておく。貫通孔6は、後述する減圧作用が堰板1のコンクリート側にくまなく及ぶよう、縦横2方向に所定のピッチで設けるようにすればよい。なお、貫通孔6は、セパレータ用の孔を用いることが可能である。
次に、堰板1の側面のうち、コンクリート側となる面4(同図では左側。以下、内面4)にコンクリートを養生する養生シート5を先行配置する。
養生シート5は、市販のものから適宜選択することが可能であり、例えば住友スリーエム株式会社から「コンクリート保水養生テープ」の名称で販売されている養生シートを用いることができる。
次に、同図(b)に示すように、養生シート5が堰板1の内面4に先行配置された状態で、堰板1に設けられた貫通孔6を介して減圧処理を行う。
減圧処理を行うにあたっては、貫通孔6に逆止弁7を気密に取り付け、該逆止弁にホース8を介して連通接続された図示しない真空ポンプを作動させればよい。
このようにすると、養生シート5と堰板1の内面4との間に介在していた空気は、貫通孔6を介して吸引除去され、養生シート5は、その背面から作用する大気圧によって堰板1の内面4に密着する。
逆止弁7は、型枠3を取り外すまで養生シート5と堰板1の内面4との間の減圧状態が維持されるよう、該脱型時まで貫通孔6に取り付けたままとし、減圧の程度が低下するようであれば、必要に応じて真空ポンプを適宜作動させればよい。
次に、図2(a)に示すように、型枠3を所定の位置に立て込み、その内側に拡がる打設領域、同図であれば左側に拡がる領域にコンクリート11を打設する。
ここで、養生シート5は上述したように、堰板1の内面4との間の減圧状態が維持されることによって背面から大気圧が作用するとともに、コンクリート打設後は、それに加えてコンクリート圧が作用するため、堰板1の内面4への密着状態が継続され、型枠3を立て込む際の振動や、コンクリート11の投入時の衝撃が加わっても、堰板1の内面4から剥がれたりずれたりするおそれはない。
コンクリート11が所定の強度を発現したならば、同図(b)に示すように、堰板1の貫通孔6に取り付けてあった逆止弁7を開いて減圧状態を解除し、該貫通孔から取り外す。
このようにすると、養生シート5と堰板1の内面4との間には、貫通孔6を介して空気が流入するため、コンクリート11の固化によって養生シート5のコンクリート側から作用するる接着力とも相俟って、該養生シートは、堰板1の内面4から分離しやすくなるので、この状態で型枠3を取り外せば、養生シート5は、コンクリート11の側に確実に残置する。
養生シート5は、コンクリート11の養生が十分な期間にわたって行われた後、該コンクリートから剥がして撤去する。
以上説明したように、本実施形態に係るコンクリートの養生方法によれば、養生シート5を配置するにあたり、該養生シートが堰板1の内面4に先行配置された状態で該堰板に設けられた貫通孔6を介して減圧処理を行うようにしたので、養生シート5を堰板1の内面4に密着させることが可能となり、かくして型枠3を立て込む際の振動やコンクリート11の投入時の衝撃によって養生シート5が堰板1の内面4から剥がれるのを未然に防止することができるとともに、型枠3を取り外す際には、上述の減圧状態を解除するようにしたので、養生シート5は、堰板1の内面4との間に空気が流入することで該内面から分離しやすくなり、かくして養生シート5をコンクリート側に確実に残置させることが可能となる。
本実施形態では、養生シート5を堰板1と同様の平面形状となるように形成するとともに、該養生シートを減圧による大気圧の押付け作用のみで堰板1の内面4に密着させるようにしたが、これに代えて、養生シート5を堰板1よりも一回り大きく形成し、図3に示すように、養生シート5の周縁5aを型枠3の周縁に巻き付けるとともに、その上から固定具31で型枠3に狭着するようにしてもよい。
かかる構成によれば、養生シート5が、その周縁、特に隅部で堰板1の内面4から剥離するとともに、該剥離による空気の侵入によって養生シート5の剥離範囲がさらに拡大するといったおそれがなくなるため、上述した減圧による作用効果を十分に発揮させることが可能となる。
なお、固定具31は、養生シート5のコンクリート側への残置に支障なきよう、脱型の際には取り外すようにする。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、養生シート5の側面のうち、コンクリートが打設される側に凹凸を設けるようにしたならば、コンクリートが固化することによる接着力がさらに高まり、養生シート5をより確実にコンクリート側に残置させることが可能となる。
なお、上述した凹凸を設ける構成に代えて、養生シート5の側面のうち、同じくコンクリートが打設される側に予め接着剤を塗布し、しかる後、コンクリートを打設するようにしてもよい。
かかる構成によれば、コンクリートの固化による接着力と接着剤による接着力との相乗作用によって、養生シート5をより確実にコンクリート側に残置させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4及び図5は、第2実施形態に係るコンクリートの養生方法の実施手順を示した鉛直断面図である。これらの図に示すように、本実施形態に係るコンクリートの養生方法においては、まず、図4に示すように堰板1a及び該堰板が取り付けられた矩形フレーム2からなる型枠3aを準備する。
堰板1aは、堰板1とは異なり、貫通孔がない通常の堰板で構成すれば足りる。
次に、堰板1aの内面4にコンクリートを養生する養生シート42を先行配置する。
養生シート42は、後述する液体固有の分子間力によって該養生シートを堰板1aの内面4に引張保持させることができる程度の軽量かつ軟質の材料が望ましく、例えば、低密度ポリエチレンからなるフィルムシートで構成することができる。
養生シート42を配置するにあたっては、該養生シートと堰板1aの内面4との間に水44を介在させる。
養生シート42と堰板1aの内面4との間に水44を介在させるには、同図に示すように、巻回された状態の養生シート42を、該養生シートと堰板1aの内面4との間に水44を吹き付けながら、堰板1aの内面4上を転動させ、それらの間に空気が入らないように必要に応じてローラで押さえつつ、堰板1aの内面4に敷設すればよい。
水44は、その分子間力によって養生シート42を堰板1aに引張保持可能な液体として機能する。ここで、分子間力は、空気との界面では表面張力となって顕れる力であって、水の表面張力は、20゜Cで72.75mN/mと、常温で用いることができる液体としては、水銀に次いで高いため(「理科年表」、平成18年机上板、第374頁)、養生シート42を堰板1aに引張保持させる液体としては最適である。
次に、図5(a)に示すように、型枠3aを所定の位置に立て込み、その内側に拡がる打設領域、同図であれば左側に拡がる領域にコンクリート11を打設する。
ここで、養生シート42は上述したように、水44の分子間力によって堰板1aに引張保持されるとともに、コンクリート打設後は、それに加えてコンクリート圧が作用するため、堰板1aの内面4への付着状態が継続され、型枠3aを立て込む際の振動や、コンクリート11の投入時の衝撃が加わっても、堰板1aの内面4から剥がれたりずれたりするおそれはない。
コンクリート11が所定の強度を発現したならば、型枠3aを取り外す。
ここで、養生シート42には、コンクリート11の固化による接着力がコンクリート側から作用しているので、該養生シートは、コンクリート側に確実に残置する。なお、分子間力による引寄せ力が、コンクリート11の固化による接着力に比べて無視できない場合には、脱型の際、型枠3aをコンクリート面に対して垂直に取り外すのではなく、できるだけ平行に、同図であれば上方に移動させるようにして取り外せばよい。
養生シート42は、コンクリート11の養生が十分な期間にわたって行われた後、該コンクリートから剥がして撤去する。
以上説明したように、本実施形態に係るコンクリートの養生方法によれば、養生シート42が水44の分子間力によって堰板1aに引張保持されるため、養生シート42を堰板1aの内面4に付着させることが可能となり、かくして型枠3aを立て込む際の振動やコンクリート11の投入時の衝撃によって養生シート42が堰板1aの内面4から剥がれるのを未然に防止することができるとともに、型枠3aを取り外す際には、コンクリート11の固化による接着力がコンクリート側から作用しているので、養生シート42をコンクリート側に確実に残置させることが可能となる。
本実施形態では、本発明の液体を水44で構成したが、これに代えて、グリセリンを用いるようにしてもよい。
かかる構成であっても、グリセリンの表面張力が63.4mN/mと比較的高いため(同上)、養生シート42を堰板1aに引張保持させる液体として十分に機能する。
一方、分子間力はそれほど大きくないが、グリースや潤滑油といった潤滑剤で上述の液体を構成した場合、脱型時に養生シート42と堰板1aの内面4との剥離性が向上するため、コンクリート側への残置性を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、養生シート42を堰板1aと同様の平面形状となるように形成するとともに、該養生シートを水44の分子間力のみで堰板1aの内面4に付着させるようにしたが、これに代えて、図3で説明した第1実施形態と同様、養生シート42を堰板1aよりも一回り大きく形成し、該養生シートの周縁を型枠3aの周縁に巻き付けるとともに、その上から固定具31で型枠3aに狭着するようにしてもよい。
かかる構成によれば、養生シート42が、その周縁、特に隅部で堰板1aの内面4から剥離するとともに、該剥離による空気の侵入によって養生シート42の剥離範囲がさらに拡大するといったおそれがなくなるため、上述した水44の分子間力による作用効果を十分に発揮させることが可能となる。
なお、固定具31は、養生シート42のコンクリート側への残置に支障なきよう、脱型の際には取り外すようにする。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、養生シート42の側面のうち、コンクリートが打設される側に凹凸を設けるようにしたならば、コンクリートが固化することによる接着力がさらに高まり、養生シート42をより確実にコンクリート側に残置させることが可能となる。
なお、上述した凹凸を設ける構成に代えて、養生シート42の側面のうち、同じくコンクリートが打設される側に予め接着剤を塗布し、しかる後、コンクリートを打設するようにしてもよい。
かかる構成によれば、コンクリートの固化による接着力と接着剤による接着力との相乗作用によって、養生シート42をより確実にコンクリート側に残置させることが可能となる。
1,1a 堰板
3,3a 型枠
4 堰板の内面
5,42 養生シート
5a 養生シートの周縁
6 貫通孔
11 コンクリート

Claims (4)

  1. コンクリートを養生する養生シートを型枠を構成する堰板の内面に先行配置し、前記型枠が立て込まれた状態で該型枠の内側に拡がる打設領域にコンクリートを打設し、該コンクリートが所定の強度を発現した後、前記養生シートがコンクリート側に残置されるように前記型枠を取り外し、前記コンクリートの養生後、前記養生シートを前記コンクリートから撤去するコンクリートの養生方法において、
    前記養生シートが前記堰板の内面に先行配置された状態で前記堰板に設けられた複数の貫通孔を介してかつ該各貫通孔ごとに個別に減圧処理を行うとともに、該減圧状態を少なくともコンクリート打設終了まで維持し、
    前記型枠の取外し前に前記減圧状態を解除することを特徴とするコンクリートの養生方法。
  2. 前記減圧処理を行う工程を、前記各貫通孔に逆止弁をそれぞれ気密に取り付ける工程と、該各逆止弁に連通接続された真空ポンプを作動させる工程とで構成し、前記減圧状態を解除する工程を、前記各逆止弁を開く工程で構成する請求項1記載のコンクリートの養生方法。
  3. 前記養生シートを配置する際、該養生シートの周縁が前記堰板内面から剥離しないようにかつ該剥離による空気の侵入によって剥離範囲が拡大しないように、前記周縁を前記型枠に固定する請求項1又は請求項2記載のコンクリートの養生方法。
  4. 前記養生シートの側面のうち、コンクリートが打設される側に該コンクリートが固化することによる接着力を高めるための凹凸を設け又はコンクリート打設開始までに該養生シートのコンクリート打設側に接着剤を塗布する請求項1又は請求項2記載のコンクリートの養生方法。
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