JP6406524B2 - シリカ系微粒子ゾル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、SiO、LiO、RO(但し、Rはナトリウム原子又はカリウム原子を表わす。)及びAlを含有するシリカ系微粒子が分散されたゾル及びその製造方法に関する。
アルカリ金属珪酸塩水溶液又は第一リン酸の多価金属塩水溶液は、従来から無機系コート剤の主成分として使用されている。ところが、アルカリ金属珪酸塩又は第一リン酸の多価金属塩を主成分とするコート剤は乾燥後の塗膜の耐水性が十分高くないという課題があった。
アルカリ金属珪酸塩水溶液は、通常MO・nSiO(但し、Mはナトリウム原子、カリウム原子又はリチウム原子を表わし、nは通常1〜4である。)で表わされ、SiO/MOモル比1〜4程度の水溶液として市販されている。このモル比の範囲のアルカリ金属珪酸塩水溶液を主成分としたコート剤を塗膜にした場合、熱水に長時間浸漬する等の過酷な条件では、アルカリ金属成分が溶出して塗膜が劣化する。珪酸リチウムは、SiO/MOモル比が3〜7.5の高モル比の水溶液が市販されているが、コート剤の主成分として用いた場合、皮膜性が悪いという欠点がある。
一方、塗膜のアルカリ金属成分の溶出を抑制する対策が講じられている。一手段としてアルカリ金属珪酸塩にシリカゾルを加え、SiO/MOモル比を更に高くして耐水性を向上させる検討が行なわれている。但し、アルカリ金属珪酸塩にシリカゾルを混合する際に凝集物が生成する場合や、混合後の相溶安定性が悪く、可使時間が短過ぎるという問題が存在する。
また、第一リン酸の多価金属塩水溶液は、通常X(HPO又はZ(HPO(Xはカルシウム、マグネシウム等の2価金属原子、Zはアルミニウム、鉄等の3価金属原子)で表わされる成分を含有する水溶液である。中でも特に皮膜性が良好な第一リン酸アルミニウム水溶液が無機系コート剤に使用される場合が多い。
皮膜の耐水性を向上させるために、リン酸と化合物を形成する金属イオン等を添加する方法が多く提案されているが、別な方法としてシリカゾルを加えることにより、リン酸珪素を生成させて耐水性を向上させるという方法がある。この方法においてもシリカゾルの添加量が多くなり過ぎると混合後の可使時間が短過ぎて極端に作業性が悪いという問題が存在する。
無機系コート剤の耐水性を向上させるためには、添加剤として相溶安定性に優れ、コート剤の可使時間が十分に確保できるシリカ系微粒子を開発することが求められてきた。
安定なシリカゾルを作製する方法は以前から報告されている。例えば特許文献1には、粒子径3〜150nmを有する水性シリカゾルとアルカリ金属のアルミン酸塩を混合したゾルはpH5〜12で安定であり、pH5以下では凝集が起こり、またゲル化することが記載されている。
米国特許第2892797号公報
本発明は、無機系コート剤の主成分として使用されるアルカリ金属珪酸塩水溶液又は第一リン酸の多価金属塩水溶液と混合した場合の相溶安定性に優れる、シリカ系微粒子の水性ゾルとその製造方法を提供することにある。
本発明は、第一観点として、3〜50nmの一次粒子径を有し、SiO100質量部に対してLiO0.3〜6質量部、RO1〜15質量部(但し、Rはナトリウム原子又はカリウム原子を表す。)、Al1〜15質量部を含有するシリカ系微粒子の水性ゾルであり、
第二観点として、固形分濃度は4〜40質量%である第一観点に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルであり、
第三観点として、第一観点又は第二観点に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルの分散媒を有機溶媒に置換して得られるシリカ系微粒子の有機溶媒ゾルであり、
第四観点として、下記(a)及び(b)の工程を含む第一観点に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルの製造方法:
(a)SiOとして1〜6質量%を含有する活性珪酸の水溶液に、前記活性珪酸のSiOに対して、水溶性のアルミン酸アルカリ金属塩をAlとして1〜15質量%、水酸化リチウムを、LiOとして0.3〜6質量%を加えて混合する工程、
(b)(a)工程により得られた混合水溶液を80〜250℃で0.5〜20時間加熱する工程、であり、
第五観点として、前記(b)工程で得られたシリカゾルの固形分濃度を4〜40質量%に濃縮する工程を含む第四観点に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルの製造方法、である。
本発明は、3〜50nmの一次粒子径を有し、SiO100質量部に対してLiO0.3〜6質量部、RO(但し、Rはナトリウム原子又はカリウム原子を表わす。)、1〜15質量部、Al1〜15質量部の組成からなるシリカ系微粒子の水性ゾルであり、従来、一般のシリカゾルとの相溶安定性に問題があったアルカリ金属珪酸塩水溶液、又は第一リン酸の多価金属塩水溶液に対して、相溶安定性に優れるという効果を有する。
本発明は、3〜50nmの一次粒子径を有し、SiO100質量部に対してLiO0.3〜6質量部、RO(但し、Rはナトリウム原子又はカリウム原子を表わす。)、1〜15質量部、Al1〜15質量部の組成からなるシリカ系微粒子の水性ゾルである。
シリカ系微粒子の一次粒子径D(nm)は、窒素吸着法により測定される比表面積S(m/g)を用いて、D=2720/Sの式により算出することができる。
本発明においてシリカ系微粒子の一次粒子径が3nm未満の場合、SiO濃度を20質量%以上に濃縮するとゾルの保存安定性が低下し、ゲル化が起きる。
また、前記シリカ系微粒子の一次粒子径が50nmを超える場合には、加熱、濃縮後に、pHが12以上となり、ゾル中の可溶性珪酸濃度が高くなるため、長期保存安定性が低下する。
調製されるシリカ系微粒子の水性ゾルの組成が、SiO100質量部に対して、LiOが0.3質量部未満の場合、又はRO1質量部未満の場合、若しくはAlが1質量部未満の場合は、得られたゾルをアルカリ金属珪酸塩水溶液と混合した場合に凝集物が生成し、相溶安定性が良好ではない。また、得られたゾルを第一リン酸の多価金属塩水溶液と混合した場合には、凝集物は生成しないが、混合後、急激に粘度の上昇が起こり、可使時間が極端に短くなる。
また、SiO100質量部に対して、LiOが6質量部を超える場合、又はROが15質量部を超える場合、若しくはAlが15質量部を超える組成の場合には、シリカ系微粒子の水性ゾルのpHが高くなりすぎるか、又は電解質濃度が高くなりすぎるため、当該ゾルの保存安定性が悪くなる。
本発明のシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO100質量部に対してLiOは0.3〜6質量部であり、好ましくは0.3〜5質量部であり、より好ましくは0.3〜4質量部である。また、SiO100質量部に対してROは、1〜15質量部であり、好ましくは2〜14質量部であり、より好ましくは2〜12質量部である。また、SiO100質量部に対してAlは、1〜15質量部であり、好ましくは2〜14質量部であり、より好ましくは2〜12質量部である。
本発明のシリカ系微粒子の水性ゾルは、その固形分濃度が4〜40質量%であることが好ましい。該固形分濃度が4質量%未満では、製品として輸送する際の効率が悪いだけではなく、他の成分を混合してコート剤組成物としたときの有効成分の濃度が低くなり過ぎるため好ましくない。また、固形分濃度が40質量%を超えるとゾルの長期保存安定性が低下するため好ましくない。
本発明のシリカ系微粒子の水性ゾルは、分散媒である水をメタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、メチルエチルケトン等の有機溶媒に置換することが可能である。溶媒置換は公知の方法により行うことができ、例えば、蒸留置換法や限外ろ過法が挙げられる。
次に本発明のシリカ系微粒子の水性ゾルの製造方法について説明する。本発明では、(a)工程において使用される活性珪酸の水溶液は、アルカリ金属珪酸塩(MO・nSiO(但し、Mはナトリウム原子、カリウム原子又はリチウム原子を表わし、nは1〜4である。)で表わされ、SiO/MOモル比1〜4)の希薄水溶液からアルカリ金属イオンを除去することにより得ることができる。例えば、アルカリ金属珪酸塩のSiO濃度1〜6質量%程度の希薄水溶液を強酸性水素型陽イオン交換樹脂で陽イオン交換処理することにより容易に得られる。活性珪酸の水溶液のSiO濃度は、1〜6質量%が好ましく、2〜5質量%が特に好ましい。
前記(a)工程において活性珪酸の水溶液に添加される水溶性のアルミン酸アルカリ金属塩は、RO/Alモル比(但し、Rはナトリウム原子又はカリウム原子を表す。)が1.2〜2.0の範囲のものを使用することができる。アルミン酸ナトリウム水溶液は工業用として入手が容易であり好ましい。水溶性のアルミン酸アルカリ金属塩は、Al濃度0.5〜5質量%の水溶液として、活性珪酸の水溶液に添加されることが好ましい。
前記(a)工程において水酸化リチウムは、LiO濃度0.5〜3質量%の水溶液として活性珪酸の水溶液に添加されることが好ましい。
前記(a)の混合は、撹拌下で行われることが好ましい。撹拌は通常の工業的手段を用いればよく、特に限定されない。
前記(b)工程は、前記(a)工程で得られた混合水溶液を80〜250℃で0.5〜20時間加熱することによりシリカ系微粒子を生成させる工程である。加熱温度は80〜250℃であり、100〜220℃が特に好ましい。(b)工程の加熱により、固形分濃度1〜6質量%のシリカ系微粒子の水性ゾルが得られる。
前記(b)工程において得られたシリカ系微粒子の水性ゾルは、限外ろ過膜を使用した濃縮、又は減圧下若しくは常圧下での蒸発濃縮により、固形分濃度を4〜40質量%に濃縮することができる。
以下の実施例及び比較例において諸物性は以下の方法により測定した。
・固形分濃度:800℃焼成残分の質量より算出した。
・シリカ系微粒子の一次粒子径D(nm):窒素吸着法により測定される比表面積S(m/g)を用いて、D=2720/Sの式により算出した。
・滴定アルカリ量:0.1N塩酸中和量をNaOに換算した。
・シリカ系微粒子の水性ゾルの組成:ICP発光分光分析により測定した。
〔実施例1〕
JIS3号珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度29.6質量%、NaO濃度8.3質量%、富士化学(株)製)300gに純水を加えて2540gに希釈した後、水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)−120B(オルガノ(株)製))の充填されたカラムに通液することにより、活性珪酸の水溶液(SiO濃度3.5質量%)2500gを得た。また、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al濃度21.5質量%、NaO濃度19.5質量%、住友化学(株)製、商品名:NA−150)12.7gを純水でAl濃度2.9質量%に希釈した水溶液94.2gを調製した。前記活性珪酸の水溶液2500gを撹拌しながら、前記希釈アルミン酸ナトリウム水溶液の全量を添加した。更にLiOH濃度5質量%の水酸化リチウム水溶液25.3g、純水130.9gを前記活性珪酸の水溶液に添加し、60分撹拌を続けた。得られた混合水溶液は、SiO濃度3.2質量%、pH9.4であった。この混合水溶液をSUS316製容量3Lのオートクレーブ容器に仕込み、温度140℃、8時間の加熱を行なった後、冷却した。得られた溶液はコロイド分散液であり、そのpHは10.6であった。このコロイド分散液を分画分子量20万の限外ろ過膜を装着したろ過装置で濃縮し、固形分濃度32質量%のシリカ系微粒子の水性ゾルを得た。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの物性は、比重1.225、pH10.3、粘度9.1mPa・s、一次粒子径8nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.43質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO30.1質量%、LiO0.2質量%(SiO100質量部に対してLiO0.7質量部)、NaO0.7質量%(SiO100質量部に対してNaO2.3質量部)、Al1.0質量%(SiO100質量部に対してAl3.3質量部)であった。この水性ゾルは、60℃の恒温槽で3ヶ月間保管しても物性に変化は見られず、良好な保存安定性を示した。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして得た活性珪酸のコロイド水溶液2500gに、Al濃度2.9質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液188.4gを添加し、更にLiOH濃度5質量%の水酸化リチウム水溶液50.6gと純水11.4gを加え、60分間撹拌後、実施例1と同様の加熱と濃縮を行なった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの物性は、固形分濃度30質量%、比重1.222、pH11.1、粘度4.1mPa・s、一次粒子径12nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.62質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO26.7質量%、LiO0.2質量%(SiO100質量部に対してLiO0.8質量部)、NaO1.3質量%(SiO100質量部に対してNaO4.9質量部)、Al1.8質量%(SiO100質量部に対してAl6.7質量部)であった。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして得た活性珪酸のコロイド水溶液2500gに、Al濃度2.9質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液282.6gを添加し、更にLiOH濃度5質量%の水酸化リチウム水溶液75.9gを加えて、60分撹拌後、実施例1と同様の加熱と濃縮を行なった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの物性は、固形分濃度32質量%、比重1.242、pH11.4、粘度3.3mPa・s、一次粒子径30nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.79質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO26.9質量%、LiO0.3質量%(SiO100質量部に対してLiO1.1質量部)、NaO1.9質量%(SiO100質量部に対してNaO7.1質量部)、Al2.9質量%(SiO100質量部に対してAl10.8質量部)であった。
〔実施例4〕
混合水溶液の加熱工程(b)を100℃で18時間とした以外は実施例1と同様に行った。濃縮後のシリカ系微粒子の水性ゾルの物性は、固形分濃度32質量%、比重1.224、pH10.2、粘度9.8mPa・s、一次粒子径7nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.41質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO30.1質量%、LiO0.2質量%(SiO100質量部に対してLiO0.7質量部)、NaO0.7質量%(SiO100質量部に対してNaO2.3質量部)、Al1.0質量%(SiO100質量部に対してAl3.3質量部)、であった。
〔実施例5〕
混合溶液の加熱工程(b)を220℃、3時間とした以外は実施例1と同様に行なった。濃縮後のコロイド分散液の物性は、固形分濃度31質量%、比重1.223、pH10.5、粘度3.8mPa・s、一次粒子径27nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.45質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO28.2質量%、LiO0.2質量%(SiO100質量部に対してLiO0.7質量部)、NaO0.8質量%(SiO100質量部に対してNaO2.8質量部)、Al1.0質量%(SiO100質量部に対してAl3.5質量部)であった。
〔実施例6〕
濃縮工程を限外ろ過装置でなく、ロータリーエバポレータによる減圧濃縮(30Torr、内温約30℃)で行なった以外は実施例1と同様に行なった。濃縮後のコロイド分散液の物性は、固形分濃度32質量%、比重1.226、pH10.8、粘度6.0mPa・s、一次粒子径8nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.86質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO29.9質量%、LiO0.3質量%(SiO100質量部に対してLiO1.0質量部)、NaO0.8質量%(SiO100質量部に対してNaO2.7質量部)、Al1.0質量%(SiO100質量部に対してAl3.3質量部)であった。
〔実施例7〕
48質量%水酸化カリウム水溶液(関東化学(株)製)717gをSUS316製容器に仕込み、85℃に加熱した。この溶液を撹拌しながら化学用試薬水酸化アルミニウム(純正化学(株)製)367gを10分間かけて添加し、更に90分加熱を行って溶解させた。冷却後1晩放置した後、ICP発光分光分析法で分析を行なったところ、Al22.1質量%、KO26.7質量%であった。この水溶液37.1gを純水でAl濃度2.9質量%に希釈したアルミン酸カリウム水溶液282.4gを調製した。実施例1と同様にして得た活性珪酸の水溶液2500gを撹拌しながら、前記希釈アルミン酸カリウム水溶液の全量を添加し、更にLiOH濃度5質量%の水酸化リチウム水溶液75.9gを加えて、更に60分撹拌後、実施例1と同様の加熱と濃縮を行った。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの物性は、固形分濃度32質量%、比重1.128、pH11.4、粘度8.9mPa・s、一次粒子径8nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.80質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO25.8質量%、LiO0.3質量%(SiO100質量部に対してLiO1.1質量部)、KO2.6質量%(SiO100質量部に対してKO10.1質量部)、Al2.6質量%(SiO100質量部に対してAl9.7質量部)であった。
〔比較例1〕
アルミン酸ナトリウム水溶液を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に行った。加熱、濃縮後のシリカ系微粒子の水性ゾルの物性は、固形分濃度31質量%、比重1.207、pH10.1、粘度7.9mPa・s、一次粒子径11nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.32質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO30.6質量%、LiO0.2質量%(SiO100質量部に対してLiO0.7質量部)、NaO0.1質量%未満(SiO100質量部に対してNaO0.3質量部未満)、Al0.1質量%未満(SiO100質量部に対してAl0.3質量部未満)であった。
〔比較例2〕
LiOHを添加せず、代わりに同モル量のNaOHを用いた以外は実施例1と同様に行なった。加熱、濃縮後の水性ゾルの物性は、固形分濃度31質量%、比重1.221、pH9.8、粘度10.0mPa・s、一次粒子径9nm、滴定アルカリ量(NaO換算)0.33質量%であった。得られたシリカ系微粒子の水性ゾルの組成は、SiO29.1質量%、LiO0.1質量%未満(SiO100質量部に対してLiO0.3質量部未満)、NaO1.0質量%(SiO100質量部に対してNaO3.4質量部)、Al1.0質量%(SiO100質量部に対してAl3.4質量部)であった。
〔実施例8〕
実施例1〜7及び比較例1、2で得られた水性ゾル及び市販の水性シリカゾル〔スノーテックス(登録商標)XS(SiO濃度20質量%、pH9.5、一次粒子径6nm、日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標)S(SiO30質量%、pH9.5、一次粒子径9nm、日産化学工業(株)製)、いずれもLiは含有しない。〕を準備し、純水を用いてSiO濃度20質量%に調整した。これらの水性ゾルの各々50gに対して、撹拌下に市販の珪酸カリウム水溶液〔スノーテックス(登録商標)K2(SiO濃度20質量%、KO8質量%、日産化学工業(株)製)〕50gを5分間かけて添加し、60分の撹拌を行った。撹拌終了後の混合溶液の状態を観察し、その結果を表1に記載した。混合の24時間後も凝集物が発生せずに相溶安定性に優れていたものには〇印を、混合時又は混合後24時間以内に凝集物が発生して濁りが生じ、相溶安定性が悪いものには×印を付した。
Figure 0006406524
〇印のついた混合溶液は、いずれも室温で30日以上相溶安定性を良好に維持した。
〔実施例9〕
実施例1〜7及び比較例1、2で得られた水性ゾル及び市販の水性シリカゾル〔スノーテックス(登録商標)XS(SiO濃度20質量%、pH9.5、一次粒子径6nm、日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標)S(SiO30質量%、pH9.5、一次粒子径9nm、日産化学工業(株)製)、いずれもLiは含有しない。〕を純水を用いてSiO濃度20質量%に調整した。市販の第一リン酸アルミ二ウム水溶液(P33質量%、Al8質量%、商品名:ヨネホスAL−508、米山化学工業(株)製)に純水を加え、P濃度を22質量%に希釈した。この希釈された第一リン酸アルミ二ウム水溶液75gを撹拌した状態で、前記の水性ゾルの各々25gを5分間かけて添加し、10分間撹拌を行なって混合した。混合後、40℃の恒温槽に保管し、ゲル化するまでの日数を観察して比較を行った。結果を表2に記載した。
Figure 0006406524
〔実施例10〕
実施例1で得られた濃縮後のシリカ系微粒子の水性ゾル100gを入れた3Lのナス型フラスコをロータリーエバポレータに取り付け、210℃のオイルバスで加熱しながらエチレングルコール130gを徐々に添加して、常圧下で分散媒の水を除去した。フラスコ内部の液温が200℃となってから更に10分間加熱を続けた後、フラスコをオイルバスから外した。得られたゾルは、固形分濃度20.1質量%のエチレングリコールゾルであった。
〔実施例11〕
実施例1で得られた濃縮後のシリカ系微粒子の水性ゾル100gを固形分濃度5質量%に純水で希釈した後、強酸性水素型イオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)120B(オルガノ(株)製))100gを充填したカラムに通して陽イオン交換を行った。得られた酸性のシリカ系微粒子の水性ゾル620gを3Lのナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレータに取り付けて、50℃のウォーターバスで加熱しながら、0.02MPaの減圧下でメタノール300gを徐々に添加して分散媒の水を除去した。得られたゾルは、固形分濃度20.1質量%のメタノールゾルであった。
本発明のシリカ系微粒子の水性ゾルは、アルカリ金属珪酸塩水溶液、又は第一リン酸の多価金属塩水溶液と混合しても、既存のシリカゾルに比べて相溶安定性が極めて良好であり、塗料、コート剤に用いることができる。また、第一リン酸の多価金属塩水溶液が使用される化成処理剤や電磁鋼板のような金属表面処理剤にも好適である。

Claims (5)

  1. 3〜50nmの一次粒子径を有し、SiO100質量部に対してLiO0.3〜6質量部、RO1〜15質量部(但し、Rはナトリウム原子又はカリウム原子を表す。)、Al1〜15質量部を含有するシリカ系微粒子の水性ゾル。
  2. 固形分濃度は4〜40質量%である請求項1に記載のシリカ系微粒子の水性ゾル。
  3. 請求項1又は2に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルの分散媒を有機溶媒に置換して得られるシリカ系微粒子の有機溶媒ゾル。
  4. 下記(a)及び(b)の工程を含む請求項1に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルの製造方法:
    (a)SiOとして1〜6質量%を含有する活性珪酸の水溶液に、前記活性珪酸のSiOに対して水溶性のアルミン酸アルカリ金属塩をAlとして1〜15質量%、水酸化リチウムを、LiOとして0.3〜6質量%を加えて混合する工程、
    (b)(a)工程により得られた混合水溶液を80〜250℃で0.5〜20時間加熱する工程。
  5. 前記(b)工程で得られたシリカゾルの固形分濃度を4〜40質量%に濃縮する工程を含む請求項4に記載のシリカ系微粒子の水性ゾルの製造方法。
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