JP2011042546A - カチオン化シリカゾルの製造方法 - Google Patents

カチオン化シリカゾルの製造方法 Download PDF

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広泰 西田
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Abstract

【課題】優れた安定性を示すカチオン化シリカゾルを製造する。
【解決手段】平均粒子径3〜20nmのシリカ微粒子がシリカ濃度1〜40質量%で分散してなるシリカゾルを、温度0〜15℃の範囲に維持し、攪拌又は循環させながら、カチオン性水和金属化合物を添加することにより、該シリカゾルのpHを2.0〜4.0の範囲に調整してカチオン化シリカゾルを製造する方法であって、原料シリカゾル100質量部(シリカ換算)に対して、カチオン性水和金属化合物を、100〜500質量部(金属酸化物換算)/分の添加速度で添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、カチオン化処理されたシリカ微粒子が分散媒に分散してなるカチオン化シリカゾルの製造方法に関する。
カチオン化処理されたシリカ微粒子が溶媒に分散してなるカチオン化シリカゾルは、インク受容層の成分、帯電防止剤を含むハードコート用組成物の充填材、セラミクス前駆体組成物の充填材などとして好適に使用することができるものである。カチオン化シリカゾルの製造方法として、次の製造方法が知られている。
特開平2−172812号公報[特許文献1]には、充分に安定なカチオン化コロイダルシリカを容易に得る方法として、中性または酸性で安定な水性コロイダルシリカと、組成式Al2(OH)XCl6-X(式中、Xは4.5〜5.5である)で表される塩基性塩化アルミニウムの水溶液を、特定の条件下で反応させた後、限外源過による濃縮により生成物中の塩素イオン1モルに対してアルミニウム4モル以上となる割合に、塩素イオンを減少させることを特徴とするコロイダルシリカの製造方法が開示されている。
同公報には、水性コロイダルシリカと塩基性塩化アルミニウム水溶液の混合方法は特に限定されないが、温度は好ましくは50℃以下で行なうことが良く、混合時の温度が50℃を超えると、カチオン性コロイダルシリカの安定性が低下する傾向にあり、余り好ましくないこと、また、温度が低い場合には、反応水溶液が凍結しない程度であれば可能であるが、好ましくは5℃以上で行なう方が効率的である旨の記載がある。
特開2003−224092号公報[特許文献2]には、カチオン化シリカゾルとして、コロイドシリカゾルの水性の酸性懸濁液であって、SiO2粒子の表面が正に帯電しているものを含んでなるカチオン変成ゾルについて記載がある。また、このようなカチオン化変成ゾルは、未変成シリカゾルと可溶性の3価あるいは4価の金属酸化物、金属オキシ塩化物、金属オキシ水和物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属オキシ硫酸塩及び/または金属シュウ酸塩とを反応させることにより製造可能である旨が記載されている。
特開2005−187284号公報[特許文献3]には、カチオン化シリカゾルとして、シリカ系粒子の表面に、化学式[M2(OH)n(2a-n)/bm(式中、Mは1種または2種以上の3価および/または4価の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1≦n≦7、n<2aであり、1≦m≦20である。)で表される塩基性金属化合物が結合してなる改質シリカ系ゾルが開示されている。
同公報には、このようなカチオン化シリカゾルの製造方法として、シリカ系ゾルと塩基性金属化合物水溶液とを混合する際に、塩基性金属化合物水溶液にシリカ系ゾルを添加する方法が好ましく、これとは逆に、シリカ系ゾルに塩基性金属化合物水溶液を添加すると、得られるゾルの安定性が低く、凝集粒子が生成することがあるとの記載がある。さらに、混合時の混合液の温度が概ね10〜90℃、さらには20〜50℃の範囲にあることが好ましく、10℃未満の場合は、シリカ系粒子への塩基性金属化合物の結合あるいは吸着が不充分となり、所望の安定性、性能を有した改質シリカ系ゾルが得られない場合があり、90℃を越えると塩基性金属化合物が単独で加水分解・重合、さらには微粒子化し、所望の改質シリカ系ゾルが得られないとの記載がある。
特開平2−172812号公報 特開2003−224092号公報 特開2005−187284号公報
前記従来の製造方法により、カチオン化シリカゾルを製造することはできるものの、得られるカチオン化シリカゾルの安定性については、一層の改善が求められていた。
本発明は、平均粒子径3〜20nmのシリカ微粒子がシリカ濃度1〜40質量%で分散してなるシリカゾルを、温度0〜15℃の範囲に維持し、攪拌又は循環させながら、カチオン性水和金属化合物を添加することにより、該シリカゾルのpHを2.0〜4.0の範囲に調整してカチオン化シリカゾルを製造する方法であって、原料シリカゾル100質量部(シリカ換算)に対して、カチオン性水和金属化合物を、100〜500質量部(金属酸化物換算)/分の添加速度で添加することを特徴とするものである。
前記原料シリカ微粒子の単位表面積当たりのカチオン性水和金属化合物の添加量(金属酸化物換算)が、0.0001〜0.0009g/m2の範囲にあることが好ましい。
前記原料シリカゾルが、陽イオン交換処理及び/又は陰イオン交換処理されたものであることが好ましい。
前記カチオン性水和金属化合物が、下記式(1)で表されるものであることが好ましい。
[M2(OH)n(2a-n)/bm・・・(1)
(式中、Mは3価または4価の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1<n<5、n<2aであり、1≦mである。)
前記金属カチオンが、Al3+、Zr4+、Ti4+又はGa4+から選ばれるものであり、前記アニオンが塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、硫酸イオン、硝酸イオン又は有機アニオンから選ばれるものであることが好ましい。
前記カチオン性水和金属化合物として、カチオン性水和金属化合物の水溶液を使用することが好ましい。
前記シリカ微粒子の平均粒子径が3〜8nmの範囲にあることが好ましい。
前記カチオン性水和金属化合物が、ポリ塩化アルミニウムであることが好ましい。
本発明に係る製造方法により得られたカチオン化シリカゾルは、その調製直後(初期)においても、また経時においても優れた安定性を示すものである。
カチオン化シリカゾル
本発明の製造方法で得られるカチオン化シリカゾルとは、カチオン化処理されたシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルのことである。具体的には、表面にカチオン性水和金属化合物を担持したシリカ微粒子が、分散媒に分散してなるシリカゾルを意味する。このようなカチオン化シリカゾルは、ゼータ電位が、正の値であり、通常は+60mV以下、好適には+5〜+55mVの範囲にある。
シリカ微粒子のゼータ電位が負の場合は、例えば、該シリカ微粒子を含有する染料系インクの定着性が不充分となり、印字などに滲みが生じたり、印刷後の耐水性が不充分となることがある。一方、シリカ微粒子のゼータ電位が60mVを超えた酸化物粒子は得ることが困難である。
カチオン化シリカゾルの製造方法
本発明に係るカチオン化シリカゾルの製造方法は、平均粒子径3〜20nmのシリカ微粒子がシリカ濃度1〜40質量%で分散してなるシリカゾルを、温度0〜15℃の範囲に維持し、攪拌又は循環させながら、カチオン性水和金属化合物を添加することにより、該シリカゾルのpHを2.0〜4.0の範囲に調整してカチオン化シリカゾルを製造する方法であって、原料シリカゾル100質量部(シリカ換算)に対して、カチオン性水和金属化合物を、100〜500質量部(金属酸化物換算)/分の添加速度で添加することを特徴とするものである。
前記シリカゾルとしては、平均粒子径3〜20nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルが使用される。シリカ系粒子の平均粒子径が3nm未満の場合は、低濃度での安定性しか得られないという実用使用に問題があり、シリカ微粒子の平均粒子径が20nmを超える場合は、安定であるが、透明性が悪く、バインダー力が小さい等の問題がある。
前記シリカゾルの平均粒子径は、好適には4〜15nmの範囲が推奨される。本発明におけるシリカ微粒子の平均粒子径は、窒素吸着法により測定された比表面積から換算された平均粒子径を意味する。
前記シリカゾルのシリカ濃度は、通常1〜40質量%の範囲が好ましい。シリカ濃度が1質量%未満の場合は、カチオン化シリカゾルを調製する上で効率が低く、実用的とは言えない。シリカ濃度が40質量%を超える場合は、凝集し易いため望ましくない。前記シリカゾルの好適なシリカ濃度範囲としては、3〜30質量%の範囲が推奨される。
前記シリカゾルは、不純物が存在するとカチオン化処理が充分にできない場合があるため、任意に陽イオン交換処理及び/又は陰イオン交換処理を経たものを使用することが望ましい。
前記カチオン性水和金属化合物としては、下記式(1)で表される化合物が好適である。
[M2(OH)n(2a-n)/bm・・・(1)
(式中、Mは3価または4価の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1<n<5、n<2aであり、1≦mである。)
また、式(1)においてmは1以上の値をとり、1〜10の範囲の値が好ましい。
金属カチオンは、Al3+、Zr4+、Ti4+又はGa4+から選ばれるものが好ましい。金属カチオンがAl3+であると、安定なカチオン性水和金属化合物の溶液が得られるので特に好ましい。また、染料系インクの安定性を向上させることができる。
アニオンとしては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、有機アニオン等が挙げられるが、特に塩素イオンが好ましい。
このようなカチオン性水和金属化合物は、公知の方法によって製造することが可能であり、例えば水酸化アルミニウムを塩酸に加圧下または溶解助剤を加えて溶解して、塩化アルミニウムとして製造することができる。また、これを硫酸などの重合促進剤の存在下で熟成することによって、ポリ塩化アルミニウム[Al2(OH)3Cl3mを得ることができる。
カチオン性水和金属化合物は、通常はカチオン性水和金属化合物の水溶液として使用される。この場合、カチオン性水和金属化合物の濃度は、好適には0.1〜20質量%の範囲で使用される。0.1質量%未満では、pHが高くなり、沈殿発生のおそれがある。また、20質量%を超える場合は、凝集の恐れがある。
本発明の製造方法では、原料シリカゾルに前記カチオン性水和金属化合物を添加して、カチオン化シリカゾルを調製する際、次の条件を満たすことが必要となる。
(1)添加順序と温度、pH条件
シリカゾルにカチオン性水和金属化合物を添加する際には、シリカゾルを攪拌又は循環させながら温度を0〜15℃の範囲に保持することが必要となる。温度が0℃未満の場合は、シリカゾルが凍結して凝集する等の問題がある。温度が15℃を超える場合は、生成するカチオン化シリカゾルの粘度が、調製直後から比較的高く、経時でゲル化し易くなる。前記温度範囲として、更に好適には2〜9℃の範囲が推奨される。
また、カチオン性水和金属化合物添加後のシリカゾルのpHを2.0〜4.0の範囲とすることが必要である。pHが2.0未満の場合は、シリカゾルの負電位が小さくなり、カチオン水和金属化合物との反応性が悪くなる等の問題がある。同じくpHが4.0を超える場合は、カチオン性水和金属化合物が沈殿する等の問題がある。
(2)カチオン性水和金属化合物の添加速度
原料シリカゾル100質量部(シリカ換算)に対して、カチオン性水和金属化合物を、100〜500質量部(金属酸化物換算)/分の添加速度で添加することが必要である。
添加速度が100質量部/分未満の場合は、シリカ粒子の負電位とカチオン性金属化合物がお互いに独立した形で共存して凝集等の問題がある。前記添加速度が500質量部/分を超える場合は、シリカゾルの表面とカチオン性金属化合物との反応が早すぎて、凝集が起こり易いなどの問題があり、望ましくない。前記添加速度のより好適な範囲としては、110〜300質量部/分の範囲が推奨される。
本発明の製造方法は、前記(1)及び(2)の条件でカチオン化シリカゾルを調製することにより、性状の安定した平均粒子径3〜20nmのカチオン化シリカゾルを得ることを可能としたものである。特に(2)の条件を満たしてカチオン化シリカゾルを調製することにより、従来は、ゲル化し易かった小粒子径のカチオン化シリカゾルであっても、安定に調製することが可能となった。
本発明によるこのような効果は、負電位であるシリカゾルと正電位であるカチオン水和金属化合物との反応において、特にゲル化しやすい小粒子の場合は、低温にすることによりで静電結合の反応速度を遅くさせることで、凝集を抑制し、凝集する前に粒子表面がカチオン化されることによるものと推察される。
(3)カチオン性水和金属化合物の添加量
本発明の製造方法では、前記原料シリカ微粒子の単位表面積当たりのカチオン性水和金属化合物の添加量(金属酸化物換算)を、0.0001〜0.0009g/m2の範囲とすることが好ましい。
添加量が0.0001g/m2未満の場合は、負電位を完全に正電位とすることが出来ないために凝集する等の問題がある。一方、 0.0009g/m2を超える場合は、生成するカチオン化シリカゾルの粘度が、調製直後から比較的高く、経時でゲル化し易くなる。更に好適な添加量範囲は、0.0002〜0.0007g/m2である。
[測定方法および評価方法]
本発明の実施例その他で使用された測定方法および評価方法を以下に示す。
(1)窒素吸着法による比表面積測定及び平均粒子径算定
シリカゾル50mlをHNO3でpH3.5に調整し、1−プロパノール40mlを加え、110℃で16時間乾燥した試料について、乳鉢で粉砕後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成し、測定用試料とした。そして、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、型番マルチソーブ12)を用いて窒素吸着法(BET法)を用いて、窒素の吸着量から、BET1点法により比表面積を算出した。
具体的には、試料0.5gを測定セルに取り、窒素30v%/ヘリウム70v%混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、シリカゾルの比表面積SAを算出した。
また、平均粒子径D(nm)は、次式から求める。
D=6000/(ρ×SA)
ここで、ρは試料の密度を表し、シリカの場合2.2とした。
(2)pH測定
シリカゾルのpH測定については、測定用サンプル約50gをポリエチレン製のサンプル瓶に採取し、これを25℃の恒温槽に30分以上浸漬した後、pH4、7および9の標準液で更正が完了した株式会社堀場製作所製のpHメータF22のガラス電極を挿入して実施した。
(3)電気伝導度測定
伝導度計(TOA Electronics社製:CM-14P)を使用して、電気伝導度(ms/cm)を測定した。
(4)粘度測定
カチオン化シリカゾルの固形分濃度を9質量%に調整し、粘度計(東機産業株式会社製、TV−10)にて、室温で粘度測定を行った。粘度については、粘度計のローターの回転数60rpmにて測定した。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI550」、平均粒子径5nm[窒素吸着法により測定された比表面積550m2/gから換算]、電気伝導度2.51ms/cm[測定温度21.1℃]、pH10.72、シリカ濃度10質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.99、電導度0.497ms/cm[測定温度21.7℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.82、電気伝導度112ms/cm[測定温度22.0℃]に調整した。
次にこのシリカゾル572g(シリカ含有量54.34g)を3時間20分間、冷蔵庫内に保持し、温度を6.5℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)44.6gを5秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は232質量部/分に相当する。ついで、温度を6.5℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
得られたシリカゾルの安定性については、粘度を測定して評価した。また、70℃で保管してエージングにて加速することで、シリカゾルの安定性を評価した。また、以下に示す実施例および比較例についても、同様にシリカゾルの安定性を評価した。安定性評価時の固形分濃度は、固形分濃度9質量%に合わせて行った。
カチオン化シリカゾルの製造条件とその測定結果を表1に記す。
[実施例2]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI350」、平均粒子径7nm[窒素吸着法により測定された比表面積350m2/gから換算]、電気伝導度2.54ms/cm[測定温度21.1℃]、pH10.69、シリカ濃度10質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.99、電導度0.497ms/cm[測定温度21.7℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.81、電気伝導度109.9ms/cm[測定温度20.2℃]に調整した。
次にこのシリカゾル560g(シリカ含有量51.5g)を3時間30分間、冷蔵庫内に保持し、温度を7℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)28.3gを5秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は155質量部/分に相当する。ついで、温度を7℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
[実施例3]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI350」、平均粒子径7nm[窒素吸着法により測定された比表面積350m2/gから換算]、電気伝導度4.30ms/cm[測定温度20.5℃]、pH10.69、シリカ濃度20質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.89、電導度1.345ms/cm[測定温度20.8℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.60、電気伝導度0.358ms/cm[測定温度21.5℃]に調整した。
次にこのシリカゾル600g(シリカ含有量114g)を3時間30分間、冷蔵庫内に保持し、温度を7℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)47.8gを5秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は1119質量部/分に相当する。ついで、温度を7℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
[実施例4]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI350」、平均粒子径7nm[窒素吸着法により測定された比表面積350m2/gから換算]、電気伝導度2.54ms/cm[測定温度21.1℃]、pH10.69、シリカ濃度10質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.90、電導度1.351ms/cm[測定温度20.6℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.58、電気伝導度0.358ms/cm[測定温度21.5℃]に調整した。
次にこのシリカゾル600g(シリカ含有量114g)を3時間30分間、冷蔵庫内に保持し、温度を2.0℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)47.8gを5秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は155質量部/分に相当する。ついで、温度を2.0℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
[実施例5]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド特殊品」、平均粒子径4nm[窒素吸着法により測定された比表面積350m2/gから換算]、電気伝導度2.86ms/cm[測定温度20.3℃]、pH10.8、シリカ濃度10質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.95、電導度1.563ms/cm[測定温度20.5℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.45、電気伝導度0.405ms/cm[測定温度20.9℃]に調整した。
次にこのシリカゾル600g(シリカ含有量57g)を3時間30分間、冷蔵庫内に保持し、温度を7.0℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)30.1gを5秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は149質量部/分に相当する。ついで、温度を7.0℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
[比較例1]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI550」、平均粒子径5nm[窒素吸着法により測定された比表面積550m2/gから換算]、電気伝導度4.55ms/cm[測定温度19.6℃]、pH10.63、シリカ濃度20質量%)の300gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.64、電導度0.933ms/cm[測定温度20.7℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.68、電気伝導度148.8ms/cm[測定温度20.7℃]に調整した。
次にこのシリカゾル259g(シリカ含有量49.7g)を3時間30分間、冷蔵庫内に保持し、温度を5.0℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)41.8gを30秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は40質量部/分に相当する。ついで、温度を5℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
[比較例2]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI550」、平均粒子径5nm[窒素吸着法により測定された比表面積550m2/gから換算]、電気伝導度2.51ms/cm[測定温度21.1℃]、pH10.72、シリカ濃度10質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.99、電導度0.497ms/cm[測定温度21.7℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.82、電気伝導度112ms/cm[測定温度22.0℃]に調整した。
次にこのシリカゾル572g(シリカ含有量54.34g)を3時間20分間、冷蔵庫内に保持し、温度を25℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)44.6gを30秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は39質量部/分に相当する。ついで、温度を25℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
[比較例3]
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製「カタロイド−SI550」、平均粒子径5nm[窒素吸着法により測定された比表面積550m2/gから換算]、電気伝導度2.51ms/cm[測定温度21.1℃]、pH10.72、シリカ濃度10質量%)の600gをあらかじめ希硫酸でH+ 型にした陽イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH2.99、電導度0.497ms/cm[測定温度21.7℃]のシリカゾルとした。そしてさらにこのシリカゾルを、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中に通して、pH3.82、電気伝導度112ms/cm[測定温度22.0℃]に調整した。
次にこのシリカゾル572g(シリカ含有量54.34g)を3時間20分間、冷蔵庫内に保持し、温度を6.5℃とし、そこにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬株式会社製、Al2(OH)3Cl3、アルミナ濃度23.56質量%)100gを5秒で添加した。シリカ100質量部に対するアルミナの添加速度は520質量部/分に相当する。ついで、温度を6.5℃に維持しながら30分間攪拌を行った。
Figure 2011042546
本発明に係る製造方法で得られたシリカゾルは、カチオン化されたシリカゾルが求められる各種用途で使用することができる。具体的には、インク受容層の成分、帯電防止剤を含むハードコート用組成物の充填材、セラミクス前駆体組成物の充填材などとして好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 平均粒子径3〜20nmのシリカ微粒子がシリカ濃度1〜40質量%で分散してなるシリカゾルを、温度0〜15℃の範囲に維持し、攪拌又は循環させながら、カチオン性水和金属化合物を添加することにより、該シリカゾルのpHを2.0〜4.0の範囲に調整してカチオン化シリカゾルを製造する方法であって、原料シリカゾル100質量部(シリカ換算)に対して、カチオン性水和金属化合物を、100〜500質量部(金属酸化物換算)/分の添加速度で添加することを特徴とするカチオン化シリカゾルの製造方法。
  2. 前記原料シリカ微粒子の単位表面積当たりのカチオン性水和金属化合物の添加量(金属酸化物換算)が、0.0001〜0.0009g/m2の範囲にある請求項1記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
  3. 前記原料シリカゾルが、陽イオン交換処理及び/又は陰イオン交換処理されたものである請求項1又は請求項2記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
  4. 前記カチオン性水和金属化合物が、下記式(1)で表されるものである請求項1〜請求項3の何れかに記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
    [M2(OH)n(2a-n)/bm・・・(1)
    (式中、Mは3価または4価の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1<n<5、n<2aであり、1≦mである。)
  5. 前記金属カチオンが、Al3+、Zr4+、Ti4+又はGa4+から選ばれるものであり、前記アニオンが塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、硫酸イオン、硝酸イオン又は有機アニオンから選ばれるものである請求項1〜請求項4の何れかに記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
  6. 前記カチオン性水和金属化合物として、カチオン性水和金属化合物の水溶液を使用する請求項1〜請求項5の何れかに記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
  7. 前記シリカ微粒子の平均粒子径が3〜8nmの範囲にある請求項1〜請求項6の何れかに記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
  8. 前記カチオン性水和金属化合物が、ポリ塩化アルミニウムである請求項1〜請求項7の何れかに記載のカチオン化シリカゾルの製造方法。
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