JP6405829B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを搬送する搬送装置に関する。
従来より、シートを搬送する搬送装置が知られている。例えば特許文献1には、搬送路の一部を画定する排紙フレームと、当該搬送路上のシートを搬送向きに搬送するローラ対とを備える搬送装置が開示されている。そして、特許文献1には、シートの搬送向きに排紙フレームをスライドさせることによって、排紙ローラ対の一方を他方に対して接離させると記載されている。
特開2006−89277号公報
しかしながら、上記構成のように搬送路の一部を画定する排紙フレームを移動させる場合において、経年変化、寸法公差、或いは取付誤差等によって搬送路に突出された排紙フレームの先端に、搬送路上を搬送されたシートが引っ掛かる可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送路の一部を画定し且つ移動可能な部材に、当該搬送路上を搬送されるシートが引っ掛かることを抑制した搬送装置を提供することにある。
(1) 本実施形態に係る搬送装置は、搬送向きにシートが搬送される搬送路の一部を画定する第1経路部材と、上記第1経路部材と対向して上記搬送路の一部を画定しており、第1状態及び上記第1状態より上記第1経路部材から離間した第2状態に状態変化可能な第2経路部材と、上記搬送路の一部を画定し且つ第1位置及び上記第1位置より上記搬送向きの上流側の第2位置の間を移動可能であって、上記第1位置において上記第2経路部材を上記第1状態にし、上記第2位置において上記第2経路部材を上記第2状態にするスライダと、上記スライダより上記搬送向きの上流側に設けられており、上記搬送路の一部を画定するガイド部材とを備える。上記ガイド部材は、上記搬送路上のシートを案内するガイドリブと、上記ガイドリブから上記搬送向きに直交する幅方向に張り出す張出部とを有する。そして、上記張出部は、上記第1位置における上記スライダの先端を、上記搬送路に対して覆う。
上記構成によれば、ダレ、寸法公差、或いは取付誤差等によって搬送路に突出されたスライダの先端に、当該搬送路上を搬送されたシートが引っ掛かるのを抑制することができる。
(2) 好ましくは、上記張出部の上記搬送向きの上流側の端部は、上記第1位置における上記スライダの先端より上記搬送向きの上流側に位置し、且つ張出向きに対して上記搬送向きの下流側に傾斜している。
上記構成によれば、スライダの先端及び張出部にシートが引っ掛かることを抑制することができる。
(3) 好ましくは、上記ガイドリブは、上記スライダの上記幅方向の移動を規制する。
上記構成によれば、スライダの位置決め精度が向上する。
(4) 例えば、上記搬送路は、主搬送路と、上記主搬送路から表裏が反転されて再び上記主搬送路に導かれるシートが搬送される反転搬送路とを含む。そして、上記スライダ及びガイド部材は、上記反転搬送路の一部を画定する。
(5) 好ましくは、該搬送装置は、上記スライダと対向して上記反転搬送路を画定する対向部材をさらに備える。そして、上記スライダは、上記第1位置から上記第2位置に向かって、上記対向部材に近づく向きに移動する。
上記構成によれば、反転搬送路の空間を利用してスライダが移動可能となるので、搬送装置をコンパクト化することができる。
(6) 好ましくは、該搬送装置は、上記第2経路部材、上記スライダ、及び上記ガイド部材を支持する金属製の支持フレームをさらに備える。そして、上記第1位置及び上記第2位置の間を移動する上記スライダは、上記支持フレームに摺接する。
上記構成によれば、支持フレームを基準として第2経路部材、スライダ、及びガイド部材を適切に位置決めできると共に、第2経路部材をスムーズに状態変化させることができる。
(7) 好ましくは、上記第1経路部材は、駆動源によって駆動される搬送ローラを有する。また、上記第2経路部材は、上記搬送ローラに当接する上記第1状態、及び上記搬送ローラから離間する上記第2状態に状態変化可能な従動ローラと、上記従動ローラを回転可能で且つ状態変化可能に支持するローラホルダと、上記従動ローラを上記第1状態に向けて付勢する付勢部材とを有する。さらに、上記支持フレームは、上記ローラホルダ及び上記付勢部材を支持する。そして、上記スライダは、上記第1位置から上記第2位置に移動する過程で上記ローラホルダと当接し、上記従動ローラを上記付勢部材の付勢力に抗して上記第1状態から上記第2状態に状態変化させる。
上記構成によれば、支持フレームを基準としてローラホルダ及び付勢部材を位置決めできるので、各状態において適切な位置に従動ローラを移動させることができる。
本発明によれば、経年変化、寸法公差、或いは取付誤差等によって搬送路に突出されたスライダの先端に、当該搬送路上を搬送されたシートが引っ掛かるのを抑制できる。
図1は、複合機10の斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を示す縦断面図である。 図3は、ベース部材70と、サイドフレーム71、72、第1支持フレーム73、及び第2支持フレーム76との分解斜視図である。 図4は、記録部24、プラテン42、及びガイドレール43、44等が搭載されたベース部材70の斜視図である。 図5は、リリースロッド80、第1支持フレーム73、スライダ90、及びガイド部材100の分解斜視図である。 図6は、第1位置のスライダ90とガイド部材100との斜視図である。 図7は、第2位置のスライダ90とガイド部材100との斜視図である。 図8は、スライダ90周辺の内部構造を示すプリンタ部11の縦断面図であって、(A)はスライダ90が第1位置の状態を示し、(B)はスライダ90が第2位置の状態を示す。 図9は、第2支持フレーム76の係合部77と、リリースロッド80の被係合部85とを示す側面図であって、(A)はリリースロッド80が第3位置の状態を示し、(B)はリリースロッド80が第4位置の状態を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。さらに、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
複合機10は、図1に示されるように、概ね直方体に形成されている。複合機10は、下部にインクジェット記録方式で用紙12(シートの一例であって、図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を有している。また、プリンタ部11は、不図示のメディアトレイに支持されたCD−ROMやDVD−ROM等の記録メディアに画像を記録することができる。なお、メディアトレイの厚みは、用紙12より厚い。また、複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。複合機10は、搬送装置の一例である。
[筐体14]
プリンタ部11は、図1に示されるように、前面に開口13が形成された筐体14を有している。筐体14の内部には、後述する主搬送路65及び反転搬送路66(図2参照)が形成されている。筐体14は、例えば、プリンタ部11の各構成要素を、その内部空間に収容する外装カバーである。
[給送トレイ20、排出トレイ21]
プリンタ部11は、図1及び図2に示されるように、給送トレイ20及び排出トレイ21を有する。給送トレイ20及び排出トレイ21は、プリンタ部11の正面に形成された開口13を通じて前後方向8に挿抜される。給送トレイ20は、積層された複数枚の用紙12を支持する。排出トレイ21は、給送トレイ20の上側に配置されている。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって排出された用紙12を支持する。
[給送部15]
プリンタ部11は、図2に示されるように、給送トレイ20に支持された用紙12を主搬送路65に給送する給送部15を有する。給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端側に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、不図示のモータ(駆動源の一例)の駆動力が伝達されて、給送トレイ20に支持された用紙12を主搬送向き16Aに搬送する正回転が可能である。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20側へ回動付勢されている。
[主搬送路65、反転搬送路66]
主搬送路65及び反転搬送路66は、用紙12が通過可能な空間であって、後述する複数の経路部材によって画定される。主搬送路65は、給送トレイ20の後端から搬送ローラ部54、記録部24、排出ローラ部55、及び反転ローラ部56を経て排出トレイ21に至る経路である。本実施形態に係る主搬送路65は、湾曲された湾曲搬送路と、直線的に延びる直線搬送路とで構成されている。湾曲搬送路は、プリンタ部11の後方側において下方から上方に延びつつUターンして搬送ローラ部54に至る経路である。直線搬送路は、搬送ローラ部54から記録部24、排出ローラ部55、及び反転ローラ部56を経て排出トレイ21に至る経路である。主搬送路65内における用紙12の主搬送向き16A及び逆搬送向き16Bは、図2に一点鎖線の矢印で示されている。
反転搬送路66は、主搬送路65上の用紙12の表裏を反転させるために、当該用紙12が反転搬送向き16Cに搬送されて再び主搬送路65に導かれる経路である。本実施形態に係る反転搬送路66は、排出ローラ部55及び反転ローラ部56の間の分岐位置66Aにおいて主搬送路65から分岐し、搬送ローラ部54より主搬送向き16Aの上流側の合流位置66Bにおいて主搬送路65と合流する経路である。反転搬送路66は、分岐位置66Aから主搬送路65の下方を通って合流位置66Bに至る。なお、反転搬送路66内における用紙12の反転搬送向き16Cは、図2に二点鎖線の矢印で示されている。
[ベース部材70]
プリンタ部11は、図3及び図4に示されるように、ベース部材70を有する。ベース部材70は、例えば、樹脂材料によって一体成形されている。また、ベース部材70は、複合機10の載置面を構成する。また、ベース部材70は、給送トレイ20及び排出トレイ21を収容する空間を有すると共に、後述するプリンタ部11の各構成要素を支持する。さらに、ベース部材70は、主搬送路65及び反転搬送路66の一部を画定する経路部材として機能する。
[サイドフレーム71、72、第1支持フレーム73、第2支持フレーム76]
プリンタ部11は、図3に示されるように、一対のサイドフレーム71、72と、第1支持フレーム73と、第2支持フレーム76とを有する。一対のサイドフレーム71、72、第1支持フレーム73、及び第2支持フレーム76は、例えば、金属材料によって形成されている。また、本実施形態では、第1支持フレーム73及び第2支持フレーム76を別体とした例を説明するが、第1支持フレーム73及び第2支持フレーム76は一体であってもよい。
一対のサイドフレーム71、72は、主搬送路65を挟んで左右方向9(幅方向の一例)に対向して配置されている。サイドフレーム71、72は、ベース部材70に支持されている。また、サイドフレーム71、72は、第1支持フレーム73、第2支持フレーム76、後述する排出ローラ62の軸62A、プラテン42、反転ローラ45の軸45A、及びガイドレール43、44等を支持する。
第1支持フレーム73は、一対のサイドフレーム71、72の間において、サイドフレーム71、72に支持されている。第1支持フレーム73は、後述するローラホルダ50、スライダ90、及びガイド部材100を支持する。また、第1支持フレーム73には、左右方向9に離間した複数の位置において厚み方向に貫通する複数の貫通孔74が設けられている。さらに、第1支持フレーム73には、左右方向9の中央部において厚み方向に貫通し且つ前後方向8に延びる貫通孔75(開口の一例)が設けられている。
第2支持フレーム76は、第1支持フレーム73の前方において、サイドフレーム71、72に支持されている。第2支持フレーム76は、一対のリリースロッド80A、80B及び不図示の制御基板を支持する。また、第2支持フレーム76は、係合部77(図9参照)を有する。係合部77は、後述するリリースロッド80に設けられた突部86と係合することによって、リリースロッド80の第4位置から第3位置への移動を規制する。係合部77は、一対のリリースロッド80それぞれの移動経路上において、突部86と係合し得る位置に設けられている。すなわち、係合部77は、第2支持フレーム76の2箇所に設けられている。
[リリースロッド80]
プリンタ部11は、図5に示されるように、一対のリリースロッド(可動部材の一例)80A、80B(これらを総称して「リリースロッド80」と表記することがある。)を有する。リリースロッド80は、前後方向8に長い長板形状の部材である。一対のリリースロッド80A、80Bは、主搬送路65を挟んで左右方向9に対向して配置されている。一対のリリースロッド80A、80Bは、第3位置(図9(A)参照)及び第4位置(図9(B)参照)に独立して移動可能に構成されている。第3位置及び第4位置は、前後方向8において異なる位置である。より詳細には、第4位置は、第3位置より前方の位置である。リリースロッド80は、対応するサイドフレーム71、72及び第2支持フレーム76に摺接しながら前後方向8に移動する。
リリースロッド80は、図5に示されるように、スライダ支持部(第1支持部の一例)81と、プラテン支持部82と、排出ローラ支持部83と、反転ローラ支持部84とを有する。本実施形態では、プリンタ部11に取り付けられた状態のリリースロッド80の後方側から前方側に向かって、スライダ支持部81、プラテン支持部82、排出ローラ支持部83、及び反転ローラ支持部84の順に配置されている。
スライダ支持部81は、後述するスライダ90の第1被支持部95を支持する。スライダ支持部81は、第1被支持部95を下側から支持する底壁81Aと、前後方向8において第1被支持部95と対向する一対の立壁81B、81Cとで構成される。一方、スライダ支持部81の左右方向9の端部は、開放されている。スライダ支持部81は、前後方向8において第1被支持部95を係止し、左右方向9における第1被支持部95の移動を許容する。
プラテン支持部82は、リリースロッド80の第3位置においてプラテン42を支持する上段面82Aと、リリースロッド80の第4位置においてプラテン42を支持する下段面82Bとを有する。排出ローラ支持部83は、リリースロッド80の第3位置において排出ローラ62の軸62Aを支持する上段面83Aと、リリースロッド80の第4位置において軸62Aを支持する下段面83Bとを有する。反転ローラ支持部84は、リリースロッド80の第3位置において反転ローラ45の軸45Aを支持する上段面84Aと、リリースロッド80の第4位置において軸45Aを支持する下段面84Bとを有する。
また、リリースロッド80は、突部86と変形部87とで構成される被係合部85を有する。変形部87は、一端(図5の例では、前端)がリリースロッド80に接続されて前後方向8に延設された薄板形状の部材である。変形部87は、例えば、リリースロッド80との接続端を基点として上下方向7に弾性変形が可能である。突部86は、変形部87の他端(すなわち、変形部87の突出端或いは変形部87の後端)において上方に突設されている。
これにより、突部86は、リリースロッド80が第3位置及び第4位置の間を移動する過程で第2支持フレーム76の係合部77に係合する。そして、リリースロッド80を前後方向8に移動させる力がさらに加えられると、変形部87が下方に弾性変形して係合部77に対する突部86の係合が解除される。第2支持フレーム76の係合部77とリリースロッド80の被係合部85とは、リリースロッド80の第4位置から第3位置への移動を規制する規制部の一例を構成する。
さらに、リリースロッド80は、ユーザによって把持される把持部88を有する。把持部88は、プリンタ部11の前面に形成された開口13を通じてユーザに把持される。把持部88を把持したユーザがリリースロッド80を前方に引くことによって、リリースロッド80が第3位置から第4位置に移動する。また、把持部88を把持したユーザがリリースロッド80を後方に押すことによって、リリースロッド80が第4位置から第3位置に移動する。
[搬送ローラ部54、排出ローラ部55、反転ローラ部56、再搬送ローラ部57]
プリンタ部11は、図2に示されるように、用紙12を挟持して搬送する搬送ローラ部54、排出ローラ部55、反転ローラ部56、及び再搬送ローラ部57を有する。搬送ローラ部54、排出ローラ部55、反転ローラ部56、及び再搬送ローラ部57それぞれは、対向する一対のローラによって構成されている。搬送ローラ部54、排出ローラ部55、及び反転ローラ部56は、主搬送路65に設けられている。一方、再搬送ローラ部57は、反転搬送路66に設けられている。
搬送ローラ部54は、図2に示されるように、主搬送向き16Aにおける合流位置66B及び記録部24の間に配置されている。搬送ローラ部54は、モータの駆動力が伝達されて回転する搬送ローラ60と、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る複数のピンチローラ61(従動ローラの一例)とを有する。搬送ローラ60は、用紙12を主搬送向き16Aに搬送する正回転と、正回転と逆向きの逆回転とが可能である。複数のピンチローラ61は、図3に示されるように、左右方向9において互いに隣接し且つ各々が搬送ローラ60と対向して配置されている。また、複数のピンチローラ61は、複数のローラホルダ50によって分割して支持されている。
ピンチローラ61は、搬送ローラ60に当接した第1状態(図8(A)参照)と、搬送ローラ60から離間した第2状態(図8(B)参照)とに状態変化が可能に構成されている。ピンチローラ61が第1状態のときの搬送ローラ部54は、用紙12を挟持して搬送することができる。一方、ピンチローラ61が第2状態のときの搬送ローラ部54は、メディアトレイを挟持して搬送することができる。なお、第1状態は、搬送ローラ60とピンチローラ61との距離が第2状態より短ければ、搬送ローラ60とピンチローラ61とが当接していなくてもよい。また、第2状態は、搬送ローラ60とピンチローラ61との距離が第1状態より長ければよい。後述する他の経路部材についても同様である。
複数のローラホルダ50は、左右方向9に隣接した位置において、第1支持フレーム73に支持されている。各ローラホルダ50は、1つ又は複数のピンチローラ61を回転可能で且つ状態変化可能に支持する。ローラホルダ50は、図8に示されるように、係合部51を有する。係合部51は、第1支持フレーム73の貫通孔74に挿通されて、スライダ90に係合する。ローラホルダ50は、コイルバネ(付勢部材の一例)52によって、ピンチローラ61を第1状態にする向きに付勢されている。搬送ローラ60は、主搬送路65の一部を画定する第1経路部材の一例である。ピンチローラ61、ローラホルダ50、及びコイルバネ52は、搬送ローラ60と対向して主搬送路65の一部を画定する第2経路部材の一例である。
排出ローラ部55は、図2に示されるように、主搬送向き16Aにおける記録部24及び分岐位置66Aの間に配置されている。排出ローラ部55は、モータの駆動力が伝達されて回転する排出ローラ62と、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る複数の拍車63とを有する。排出ローラ62は、搬送ローラ60と同様に、正回転及び逆回転が可能である。また、複数の拍車63は、左右方向9において互いに隣接し且つ各々が排出ローラ62と対向して配置されている。そして、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63は、主搬送路65の一部を構成する経路部材として機能する。さらに、排出ローラ62の軸62Aは、一対のサイドフレーム71、72及び一対のリリースロッド80A、80Bの排出ローラ支持部83に支持されている。
排出ローラ62は、リリースロッド80の移動に伴って、拍車63に当接する第1状態と、拍車63から離間した第2状態とに状態変化が可能に構成されている。第3位置のリリースロッド80は、排出ローラ支持部83の上段面83Aで排出ローラ62の軸62Aを支持することによって、排出ローラ62を第1状態にする。このときの排出ローラ部55は、用紙12を挟持して搬送することができる。一方、第4位置のリリースロッド80は、排出ローラ支持部83の下段面83Bで排出ローラ62の軸62Aを支持することによって、排出ローラ62を第2状態にする。このとき、排出ローラ部55の位置における主搬送路65をメディアトレイが通過可能となる。
反転ローラ部56は、図2に示されるように、分岐位置66Aより主搬送向き16Aの下流側に配置されている。反転ローラ部56は、モータの駆動力が伝達されて回転する反転ローラ45と、反転ローラ45の回転に伴って連れ回る複数の拍車46とを有する。反転ローラ45は、搬送ローラ60と同様に、正回転及び逆回転が可能である。また、複数の拍車46は、左右方向9において互いに隣接し且つ各々が反転ローラ45と対向して配置されている。そして、互いに対向する反転ローラ45及び拍車46は、主搬送路65の一部を構成する経路部材として機能する。さらに、反転ローラ45の軸45Aは、一対のサイドフレーム71、72及び一対のリリースロッド80A、80Bの反転ローラ支持部84に支持されている。
反転ローラ45は、リリースロッド80の移動に伴って、拍車46に当接する第1状態と、拍車46から離間した第2状態とに状態変化が可能に構成されている。第3位置のリリースロッド80は、反転ローラ支持部84の上段面84Aで反転ローラ45の軸45Aを支持することによって、反転ローラ45を第1状態にする。このときの反転ローラ部56は、用紙12を挟持して搬送することができる。一方、第4位置のリリースロッド80は、反転ローラ支持部84の下段面84Bで反転ローラ45の軸45Aを支持することによって、反転ローラ45を第2状態にする。このとき、反転ローラ部56の位置における主搬送路65をメディアトレイが通過可能となる。
再搬送ローラ部57は、図2に示されるように、分岐位置66A及び合流位置66Bの間の反転搬送路66に配置されている。再搬送ローラ部57は、モータの駆動力が伝達されて回転する再搬送ローラ68と、再搬送ローラ68の回転に伴って連れ回る従動ローラ69とを有する。再搬送ローラ部57は、挟持した用紙12を反転搬送向き16Cに搬送する正回転が可能である。また、互いに対向する再搬送ローラ68及び従動ローラ69は、反転搬送路66の一部を構成する経路部材として機能する。
プリンタ部11は、不図示の駆動力伝達機構を有する。駆動力伝達機構は、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、反転ローラ45、及び再搬送ローラ68に、モータの駆動力を伝達する。駆動力伝達機構は、歯車、プーリ、無端環状のベルト、遊星歯車機構(振子ギヤ機構)、及びワンウェイクラッチ等の全部又は一部を組み合わせて構成される。なお、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、反転ローラ45、及び再搬送ローラ68は、共通のモータによって駆動されてもよいし、複数のモータによって個別に駆動されてもよい。
[記録部24]
記録部24は、図2に示されるように、主搬送向き16Aにおける搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。また、記録部24は、上下方向7においてプラテン42に対向している。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39とを備えている。互いに対向する記録部24及びプラテン42は、主搬送路65の一部を構成する経路部材として機能する。
キャリッジ23は、図2及び図4に示されるように、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、一対のサイドフレーム71、72に支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。そして、モータの駆動力が伝達されて周運動するベルト機構に連結されたキャリッジ23は、左右方向9に沿う主走査方向へ往復移動することができる。
記録ヘッド39は、図2に示されるように、キャリッジ23に搭載されている。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル(不図示)が形成されている。記録ヘッド39は、ノズルからインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が左右方向9に移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に対して記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
[プラテン42]
プラテン42は、図2に示されるように、主搬送向き16Aにおける搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向している。プラテン42は、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下側から支持する。プラテン42は、一対のサイドフレーム71、72及び一対のリリースロッド80A、80Bのプラテン支持部82に支持されている。
プラテン42は、リリースロッド80の移動に伴って、所定の間隔を隔てて記録部24と対向する第1状態と、第1状態より記録部24から離間した第2状態とに状態変化が可能に構成されている。第3位置のリリースロッド80は、プラテン支持部82の上段面82Aでプラテン42を支持することによって、プラテン42を第1状態にする。このとき、プラテン42上の用紙12と記録部24とが画像記録に適した間隔を隔てて対向される。一方、第4位置のリリースロッド80は、プラテン支持部82の下段面82Bでプラテン42を支持することによって、プラテン42を第2状態にする。このとき、記録部24及びプラテン42の位置における主搬送路65をメディアトレイが通過可能となる。
[フラップ35、対向部材36]
プリンタ部11は、図2に示されるように、主搬送向き16Aにおける排出ローラ部55及び反転ローラ部56の間に、上下方向7において互いに対向するフラップ35及び対向部材36を備える。互いに対向するフラップ35及び対向部材36は、主搬送路65の一部を構成する経路部材として機能する。
フラップ35は、第1回動位置、第2回動位置、及び第3回動位置に回動可能にプラテン42に支持されている。フラップ35は、用紙12に当接されることによって、第1回動位置から第2回動位置に回動する。また、フラップ35は、リリースロッド80の第3位置から第4位置への移動に伴って、第1回動位置から第3回動位置に回動する。また、フラップ35は、コイルバネ37等の付勢部材によって第1回動位置に向けて付勢されている。
第1回動位置のフラップ35は、図2に示されるように、対向部材36に当接して主搬送路65を閉塞すると共に、反転ローラ部56によって逆搬送向き16Bに搬送される用紙12を反転搬送路66に案内する。第2回動位置のフラップ35は、対向部材36から離間されて用紙12が主搬送路65を通過するのを許容する。第3回動位置のフラップ35は、第2回動位置よりさらに対向部材36から離間されて、メディアトレイが主搬送路65を通過するのを許容する。
[スライダ90、ガイド部材100]
プリンタ部11は、図5に示されるように、スライダ90及びガイド部材100を有する。スライダ90及びガイド部材100は、上下方向7における主搬送路65及び反転搬送路66の間に配置されている。また、スライダ90及びガイド部材100は、左右方向9における一対のリリースロッド80A、80Bの間に配置されている。換言すれば、一対のリリースロッド80A、80Bは、左右方向9におけるスライダ90及びガイド部材100の両側に配置されている。スライダ90及びガイド部材100は、ベース部材70(対向部材の一例)と対向して反転搬送路66の一部を画定する経路部材として機能する。より具体的には、スライダ90及びガイド部材100は、反転搬送路66の上端の一部を画定する。
スライダ90は、図6及び図7に示されるように、薄板形状の板状部91と、板状部91の下面に設けられた複数のリブ92とで構成されている。複数のリブ92は、左右方向9に離間した位置に設けられている。また、各リブ92は、板状部91の下面から下方に突出し且つ前後方向8に延設されている。各リブ92の突出量は、反転搬送向き16Cの下流側ほど大きくなっている。各リブ92は、反転搬送路66を搬送される用紙12をその突出先端で案内する。
スライダ90には、複数の貫通孔93と、複数の傾斜面94とが形成されている。貫通孔93は、隣接するリブ92の間において板状部91を厚み方向に貫通し且つ前後方向8に延びている。傾斜面94は、板状部91の下面において各貫通孔93の左右方向9の両端に設けられている。また、傾斜面94は、前後方向8に延設されており且つ上下方向7に傾斜している。ローラホルダ50の係合部51は、図8に示されるように、貫通孔74、93に挿通されて、当該貫通孔93に隣接する傾斜面94に当接される。
スライダ90は、第1支持フレーム73及び一対のリリースロッド80A、80Bのスライダ支持部81によって、第1位置(図8(A)参照)及び第2位置(図8(B)参照)の間を移動可能に支持されている。第1位置及び第2位置は、前後方向8(スライド方向の一例)において異なる位置である。より詳細には、第2位置は、第1位置より前方の位置である。スライダ90は、図5に示されるように、一対のリリースロッド80A、80Bそれぞれによって支持される一対の第1被支持部95と、第1支持フレーム73によって支持される第2被支持部96とを有する。
第1被支持部95は、板状部91の左右方向9の両端部において、左右方向9の外向きに突設されている。一対の第1被支持部95それぞれは、左右方向9において対向するリリースロッド80A、80Bのスライダ支持部81に支持される。第1被支持部95は、前後方向8に移動するリリースロッド80のスライダ支持部81に係止されて、スライダ90を前後方向8に移動させる。また、第1被支持部95は、スライダ支持部81に対して左右方向9に移動することが許容される。
第2被支持部96は、左右方向9におけるスライダ90の中央部に設けられている。第2被支持部96は、板状部91の上面に突設された突出部97と、突出部97の先端(すなわち、上端)に設けられた係止部98とで構成されている。突出部97は、第1支持フレーム73の貫通孔75に挿通される。係止部98は、第1支持フレーム73の上面において、当該貫通孔75の周縁(第2支持部の一例)に支持される。突出部97は、概ね円柱形状である。突出部97の直径は、貫通孔75の左右方向9の幅より小さい。一方、係止部98の左右方向9の幅は、貫通孔75の左右方向9の幅より大きい。そして、第2被支持部96は、貫通孔75の後端に設けられた幅広部を通じて、当該貫通孔75に挿入される。
第2被支持部96は、スライダ90の前後方向8の移動に伴って、貫通孔75内を前後方向8に移動することができる。すなわち、第1支持フレーム73は、スライダ90を前後方向8に移動可能に支持する。また、第2被支持部96は、前後方向8及び左右方向9を含む平面(典型的には、水平面)上において、貫通孔75に挿通された状態で回動することができる。すなわち、第1支持フレーム73は、スライダ90を回動可能に支持する。
ガイド部材100は、第1支持フレーム73に支持されている。また、ガイド部材100は、スライダ90より反転搬送向き16Cの上流側に配置されている。さらに、ガイド部材100は、図6及び図7に示されるように、上下方向7においてスライダ90と重ねられている。ガイド部材100は、薄板形状の板状部101と、板状部101の下面に設けられた複数のガイドリブ102と、ガイドリブ102の先端から左右方向9に張り出した張出部103とで構成されている。
複数のガイドリブ102は、左右方向9に離間した位置に設けられている。また、各ガイドリブ102は、板状部101の下面から下方に突出し且つ前後方向8に延設されている。各ガイドリブ102の突出量は、反転搬送向き16Cの下流側ほど大きくなっている。各ガイドリブ102は、反転搬送路66を搬送される用紙12をその突出先端で案内する。
張出部103は、ガイドリブ102の突出先端(すなわち、下端)から左右方向9に張り出している。なお、ガイド部材100の左右方向9の中央部に設けられたガイドリブ102からは、左右方向9の両側に張出部103が張り出している。一方、それ以外のガイドリブ102からは、左右方向9の一方側に張出部103が張り出している。また、板状部101と各張出部103とは、上下方向7において離間している。そして、スライダ90は、板状部101及び各張出部103の間に配置される。
張出部103の先端(「反転搬送向き16Cの上流側の端部」を指す。)104は、張出向きに対して反転搬送向き16Cの下流側に傾斜している。換言すれば、張出部103の先端104は、張出部103の張出量が反転搬送向き16Cの上流側ほど小さく且つ反転搬送向き16Cの下流側ほど大きくなるように、傾斜している。なお、張出向きとは、左右方向9におけるガイドリブ102から遠ざかる向きを指す。
[リリースロッド80の移動]
以下、図6〜図9を参照して、一対のリリースロッド80A、80Bを連動して移動させたことに伴うローラホルダ50、スライダ90、ガイド部材100、及び規制部(係合部77及び被係合部85)の位置関係を説明する。なお、リリースロッド80の移動に伴う排出ローラ62、反転ローラ45、及びプラテン42の状態変化については既に説明したので、再度の詳しい説明は省略する。
一対のリリースロッド80A、80Bがいずれも第3位置に位置するとき、スライダ90は第1位置(図8(A)参照)に位置する。このとき、ローラホルダ50の係合部51は、図8(A)に示されるように、傾斜面94と非接触である。その結果、ローラホルダ50は、コイルバネ52の付勢力によってピンチローラ61を第1状態にする。また、前述したように、排出ローラ62、反転ローラ45、及びプラテン42も第1状態となる。さらに、スライダ90が第1位置に配置されたときの反転搬送路66には、用紙12が通過するのに必要な空間が確保されている。
また、第1位置のスライダ90は、図6に示されるように、ガイド部材100と重なる面積が最も小さい状態となる。このとき、スライダ90の先端(「反転搬送向き16Cの上流側の端部」を指す。)は、ガイド部材100の板状部101及び張出部103の間で且つ張出部103の先端104より反転搬送向き16Cの下流側に位置している。すなわち、張出部103は、第1位置のスライダ90の先端を、反転搬送路66に対して覆っている。また、スライダ90の先端とガイドリブ102とは、左右方向9に離間している。さらに、一対のリリースロッド80A、80Bが第3位置に位置するとき、図9(A)に示されるように、被係合部85は係合部77より後方側に位置する。
この状態において、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、及び反転ローラ45を正回転させると、給送トレイ20に支持された用紙12が主搬送路65を主搬送向き16Aに搬送される。次に、記録部24によって表面に画像が記録された用紙12の先端(「主搬送向き16Aの下流側の端部」を指す。)に押されたフラップ35は、弾性部材の付勢力に抗して第1回動位置から第2回動位置に回動する。次に、用紙12の後端(「主搬送向き16Aの上流側の端部」を指す。)がフラップ35の位置を通過することによって、フラップ35は第2回動位置から第1回動位置に復帰する。
次に、反転ローラ45を逆回転させると、反転ローラ部56に挟持されて逆搬送向き16Bに搬送される用紙12は、主搬送向き16Aの上流側の端部を先頭にして、第1回動位置のフラップ35によって反転搬送路66に案内され、再搬送ローラ部57に到達する。次に、再搬送ローラ68を正回転させると、再搬送ローラ部57に挟持された用紙12は、反転搬送路66を反転搬送向き16Cに搬送され、合流位置66Bから主搬送路65を経由して搬送ローラ部54に到達する。そして、搬送ローラ60、排出ローラ62、及び反転ローラ45を再び正回転させ且つ記録部24に画像を記録させると、表裏が反転された用紙12の裏面に画像が記録されて、排出トレイ21に排出される。
一方、リリースロッド80が第4位置に位置するとき、スライダ90は、第2位置に位置する。このとき、ローラホルダ50の係合部51は、図8(B)に示されるように、傾斜面94の下端部に当接して、コイルバネ52の付勢力に抗してローラホルダ50を下方に移動させる。その結果、ローラホルダ50は、ピンチローラ61を第2状態にする。また、前述したように、排出ローラ62、反転ローラ45、及びプラテン42も第2状態となる。さらに、第2位置のスライダ90は、第1位置のときよりベース部材70に近づいている。換言すれば、第1位置から第2位置に向かうスライダ90は、ベース部材70に近づく向きに移動する。その結果、図8(B)に示される反転搬送路66は、図8(A)に示される反転搬送路66より狭くなっている。
また、第2位置のスライダ90は、図7に示されるように、ガイド部材100と重なる面積が第1位置のときより大きい状態となる。このとき、スライダ90の先端は、張出部103の先端104より反転搬送向き16Cの上流側に位置している。さらに、一対のリリースロッド80A、80Bが第4位置に位置するとき、図9(B)に示されるように、被係合部85は係合部77より前方側に位置する。
この状態において、開口13を通じて主搬送路65に挿入されたメディアトレイは、反転ローラ部56、排出ローラ部55、記録部24及びプラテン42の位置を通過して搬送ローラ部54に挟持される。そして、搬送ローラ60を正回転又は逆回転させてメディアトレイを所定の位置に搬送し、記録部24にインクを吐出させることによって、当該メディアトレイに支持された記録メディアに画像が記録される。
なお、把持部88を把持したユーザによってリリースロッド80が第3位置から第4位置へ移動されると、スライダ支持部81の立壁81Bが第1被支持部95を前方に押す。これにより、第3位置から第4位置に移動するリリースロッド80は、スライダ90を第1位置から第2位置に移動させ、ピンチローラ61、排出ローラ62、反転ローラ45、及びプラテン42を第1状態から第2状態に状態変化させる。さらに、リリースロッド80が第3位置から第4位置に移動する過程において、突部86が前後方向8の後方側から係合部77に当接し、変形部87の弾性変形によって突部86が係合部77を前方側に乗り越える。
一方、把持部88を把持したユーザによってリリースロッド80が第4位置から第3位置へ移動されると、スライダ支持部81の立壁81Cが第1被支持部95を後方に押す。これにより、第4位置から第3位置に移動するリリースロッド80は、スライダ90を第2位置から第1位置に移動させ、ピンチローラ61、排出ローラ62、反転ローラ45、及びプラテン42を第2状態から第1状態に状態変化させる。さらに、リリースロッド80が第4位置から第3位置に移動する過程において、突部86が前後方向8の前方側から係合部77に当接し、変形部87の弾性変形によって突部86が係合部77を後方側に乗り越える。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態に係るスライダ90は、一対の第1被支持部95及び第2被支持部96の3箇所で支持されている。また、プリンタ部11の高さを低くするために、スライダ90の板状部91は薄肉であることが望ましい。そこで、当該スライダ90の先端をガイド部材100の張出部103で覆うことによって、経年変化によってスライダ90の先端が垂れ下がってしまっても、反転搬送路66に突出されることを抑制できる。その結果、反転搬送路66上における用紙12の搬送が妨げられることを抑制できる。
但し、本実施形態の構成が有効となるのは、スライダ90及びガイド部材100が反転搬送路66の上端の一部を画定する場合に限定されない。例えば、スライダ90及びガイド部材100が反転搬送路66の下端の一部を画定する場合であっても、寸法公差或いは取付誤差等によってスライダ90の先端が反転搬送路66に突出されることを抑制できる。また、上記の構成は、スライダ90及びガイド部材100が主搬送路65の一部を画定する場合にも適用できる。
また、本実施形態によれば、第1位置のスライダ90とガイドリブ102とが左右方向9に離間しているので、スライダ90の回動がガイド部材100によって阻害されるのを抑制することができる。一方、スライダ90が左右方向9に大きく移動されることは、ガイドリブ102によって規制される。また、本実施形態によれば、スライダ90及びガイド部材100の両方が第1支持フレーム73に支持されるので、スライダ90及びガイド部材100の位置決め精度が向上する。さらに、本実施形態によれば、反転搬送路66の空間を利用してスライダ90が移動可能となるので、プリンタ部11をコンパクト化することができる。
また、本実施形態によれば、第1位置におけるスライダ90とローラホルダ50とを非接触とすることにより、第1状態のピンチローラ61を、搬送ローラ60を基準として位置決めすることができる。その結果、搬送ローラ60及びピンチローラ61で挟持した用紙12の搬送精度の低下を抑制することができる。さらに、上記の実施形態によれば、第1支持フレーム73を基準としてローラホルダ50及びコイルバネ52を位置決めできるので、各状態において適切な位置にピンチローラ61を移動させることができる。
また、本実施形態では、搬送ローラ60を第1経路部材の一例とし、ピンチローラ61及びコイルバネ52を支持したローラホルダ50を第2経路部材の一例としたが、第1経路部材及び第2経路部材の具体例はこれに限定されない。一例として、拍車63を第1経路部材とし、排出ローラ62を第2経路部材としてもよい。他の例として、記録部24を第1経路部材とし、プラテン42を第2経路部材としてもよい。さらに他の例として、拍車46を第1経路部材とし、反転ローラ45を第2経路部材としてもよい。すなわち、スライダ90によって排出ローラ62、プラテン42、或いは反転ローラ45を第1状態及び第2状態に状態変化させてもよい。
さらに本実施形態では、排出ローラ部55より主搬送向き16Aの下流側の分岐位置66Aで主搬送路65から分岐し、搬送ローラ部54より主搬送向き16Aの上流側の合流位置66Bで主搬送路65に合流する反転搬送路66の例を説明した。しかしながら、主搬送路65及び反転搬送路66の位置関係は、これに限定されない。変形例に係る反転搬送路は、例えば、搬送ローラ部54より主搬送向き16Aの上流側の分岐位置で主搬送路65から分岐し、搬送ローラ部54より主搬送向き16Aの上流側の合流位置で主搬送路65に合流してもよい。この場合、表面に画像が記録された用紙12を逆搬送向き16Bに搬送し、当該用紙12の後端を先頭として記録部24の下方及び搬送ローラ部54を通過させ、分岐位置を通じて反転搬送路に進入させ、合流位置を通じて再び搬送ローラ部54に到達させてもよい。
10・・・複合機(搬送装置)
12・・・用紙(シート)
50・・・ローラホルダ(第2経路部材)
52・・・コイルバネ(第2経路部材)
60・・・搬送ローラ(第1経路部材)
61・・・ピンチローラ(第2経路部材)
65・・・主搬送路
66・・・反転搬送路
73・・・第1支持フレーム
75・・・貫通孔
80・・・リリースロッド(可動部材)
90・・・スライダ
100・・・ガイド部材
102・・・ガイドリブ
103・・・張出部

Claims (6)

  1. 搬送向きにシートが搬送される搬送路の一部を画定する第1経路部材と、
    上記第1経路部材と対向して上記搬送路の一部を画定しており、第1状態及び上記第1状態より上記第1経路部材から離間した第2状態に状態変化可能な第2経路部材と、
    上記搬送路の一部を画定し且つ第1位置及び上記第1位置より上記搬送向きの上流側の第2位置の間を移動可能であって、上記第1位置において上記第2経路部材を上記第1状態にし、上記第2位置において上記第2経路部材を上記第2状態にするスライダと、
    上記スライダより上記搬送向きの上流側に設けられており、上記搬送路の一部を画定するガイド部材と、を備えており、
    上記ガイド部材は、
    上記搬送路上のシートを案内するガイドリブと、
    上記ガイドリブから上記搬送向きに直交する幅方向に張り出す張出部と、を有し、
    上記張出部は、上記第1位置における上記スライダの先端を、上記搬送路に対して覆っており、
    上記搬送路は、主搬送路と、上記主搬送路から表裏が反転されて再び上記主搬送路に導かれるシートが搬送される反転搬送路と、を含み、
    上記スライダ及びガイド部材は、上記反転搬送路の一部を画定する搬送装置。
  2. 上記張出部の上記搬送向きの上流側の端部は、上記第1位置における上記スライダの先端より上記搬送向きの上流側に位置し、且つ張出向きに対して上記搬送向きの下流側に傾斜している請求項1に記載の搬送装置。
  3. 上記ガイドリブは、上記スライダの上記幅方向の移動を規制する請求項1又は2に記載の搬送装置。
  4. 上記スライダと対向して上記反転搬送路を画定する対向部材をさらに備えており、
    上記スライダは、上記第1位置から上記第2位置に向かって、上記対向部材に近づく向きに移動する請求項に記載の搬送装置。
  5. 上記第2経路部材、上記スライダ、及び上記ガイド部材を支持する金属製の支持フレームをさらに備えており、
    上記第1位置及び上記第2位置の間を移動する上記スライダは、上記支持フレームに摺接する請求項1からのいずれかに記載の搬送装置。
  6. 上記第1経路部材は、駆動源によって駆動される搬送ローラを有しており、
    上記第2経路部材は、
    上記搬送ローラに当接する上記第1状態、及び上記搬送ローラから離間する上記第2状態に状態変化可能な従動ローラと、
    上記従動ローラを回転可能で且つ状態変化可能に支持するローラホルダと、
    上記従動ローラを上記第1状態に向けて付勢する付勢部材と、を有しており、
    上記支持フレームは、上記ローラホルダ及び上記付勢部材を支持しており、
    上記スライダは、上記第1位置から上記第2位置に移動する過程で上記ローラホルダと当接し、上記従動ローラを上記付勢部材の付勢力に抗して上記第1状態から上記第2状態に状態変化させる請求項に記載の搬送装置。
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