JP6405214B2 - 歯磨剤用顆粒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯磨剤用顆粒の製造方法、及び歯磨剤用顆粒に関する。
近年、虫歯や歯周病の原因となる歯垢を効率よく除去し、触知できるような顆粒を配合した歯磨剤が知られている。これらの顆粒は、歯の表面のエナメル質や歯肉等に傷を与えないようするために、実質的に球状凝集粒子とされ、薬剤、酵素剤、研磨剤等の機能性材料を含有させたものや、その視覚的効果を狙ったものがある。
例えば、特許文献1には、ゼオライトを水溶性結合剤である珪酸ナトリウムで結着させ、噴霧乾燥法により、一定の大きさと強度とした歯磨剤用顆粒が開示されている。
特許文献2には、平均粒径が150〜800μmで平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトと、改質ミント油等とを含有する歯磨組成物が開示されており、顆粒ゼオライトとして、無水ケイ酸、酸化チタンを含有し、焼結により顆粒状に調製されたものが開示されている。
特開2013−147431号公報 特開2008−266251号公報
従来、顆粒の結合剤としては、各種の水溶性結合剤や水不溶性結合剤が使われてきた。しかし、水溶性結合剤を用いて調製された顆粒は、乾燥状態で使用する場合には支障がないが、水分が多量に存在する歯磨剤では強度が低下し、歯磨剤製造時の混合過程で顆粒が崩壊したり、顆粒が軟化するため、口腔内では触知しづらく、顆粒の存在感が十分ではなかった。
一方、特許文献1のように、噴霧乾燥法を用いて製造する方法では、特定の生産設備を要し、また、製造コストも高い。特許文献2のように、焼結法により顆粒ゼオライトを製造する場合は、顆粒の崩壊強度の調整が困難である。
本発明は、保存後でも優れた湿式崩壊強度を有する、保存安定性に優れた歯磨剤用顆粒を簡便に製造することができる製造方法、及び該製造方法により得られる歯磨剤用顆粒を提供することを課題とする。
本発明者らは、水不溶性粉末材料(A)と珪酸塩(B)とを、容器回転型造粒機を用いて顆粒化し、得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体とを接触させることにより、保存後でも優れた湿式崩壊強度を有する、保存安定性に優れた歯磨剤用顆粒を簡便に製造しうることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[2]に関する。
[1]下記工程1及び2を有する、歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程1:水不溶性粉末材料(A)を容器回転型造粒機に投入して回転させ、該水不溶性粉末材料(A)に珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種以上の珪酸塩(B)の水溶液を液滴として供給し顆粒化する工程
工程2:工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体とを接触させる工程
[2]前記[1]の製造方法により得られる、歯磨剤用顆粒。
本発明によれば、保存後でも優れた湿式崩壊強度を有する、保存安定性に優れた歯磨剤用として好適な歯磨剤用顆粒を簡便に製造することができる製造方法、及び該製造方法により得られる歯磨剤用顆粒を提供することができる。
[歯磨剤用顆粒の製造方法]
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法は、下記工程1及び2を有する。
工程1:水不溶性粉末材料(A)を容器回転型造粒機に投入して回転させ、該水不溶性粉末材料(A)に珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種以上の珪酸塩(B)の水溶液を液滴として供給し顆粒化する工程
工程2:工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体とを接触させる工程
一般に、容器回転型造粒機を用いた造粒方法によれば、粉体を均一に流動せしめることが可能であり、更に、回転による粒子の持ち上げ及び自重による滑り・落下を伴う混合機構により、粉体に加えられるせん断力が抑制される。そのため、容器回転型造粒機を用いた造粒方法は非圧密な造粒方法ということができる。
ここで、珪酸塩(B)は水溶性無機結合剤であり、歯磨剤は通常水分を含有するため、水系の歯磨剤中に水溶性の珪酸塩(B)を添加して顆粒化しても、通常、歯磨剤中、顆粒の安定性を保持することは困難である。
しかし、本発明で得られる歯磨剤用顆粒は、優れた湿式崩壊強度を有する。これは本発明の歯磨剤用顆粒は、非圧密な製造方法で得られた造粒物であり、多孔質なため、顆粒内部に存在する珪酸塩(B)の水溶液が乾燥し易く、顆粒内部で、珪酸塩(B)の脱水物が、ネットワーク構造をとることで、顆粒が強固になったためと考えられる。更に、工程2で炭酸ガスを含む気体と接触させることで、保存後の湿式崩壊強度が高く、保存安定性に優れた顆粒になると考えられる。当該効果が奏される理由は、必ずしも定かではないが、以下のように推定される。例えば、珪酸塩(B)が珪酸ナトリウムの場合、珪酸ナトリウムから解離した水酸化ナトリウムが炭酸ガスにより中和されて、炭酸ナトリウムと珪酸となり、珪酸のシラノール基の縮合が進むため、ネットワーク構造が発達し易くなったためと考えられる。
以下、本発明の工程1、2に用いられる各成分、製造方法について順次説明する。
<工程1>
工程1は、水不溶性粉末材料(A)を容器回転型造粒機に投入して回転させ、該水不溶性粉末材料(A)に珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種以上の珪酸塩(B)の水溶液を液滴として供給し顆粒化する工程である。
(水不溶性粉末材料(A))
本発明方法に用いられる水不溶性粉末材料(A)としては、歯の研磨剤に通常用いられるものが好ましく、具体的には無機材料が好ましい。ここで、「水不溶性」とは、水100gに対する溶解量(20℃)が1g以下であることを意味する。
水不溶性粉末材料(A)の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び酸化チタン等から選ばれる1種以上が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、顆粒化した際の物性やコストの観点から、水不溶性粉末材料(A)としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びシリカから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びシリカから選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、重質炭酸カルシウム及びシリカから選ばれる1種又は2種を含むことが更に好ましい。
また、水不溶性粉末材料(A)が、重質炭酸カルシウム及びシリカから選ばれる1種又は2種を含む場合、全ての水不溶性粉末材料(A)中、重質炭酸カルシウム及びシリカから選ばれる1種又は2種の含有量は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上、更に好ましくは99.5質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
水不溶性粉末材料(A)の平均粒径は、顆粒崩壊後の歯の汚れ除去の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、より更に好ましくは3μm以上であり、そして、歯磨剤として使用時の異物感を減らす観点から、その上限は、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
平均粒径は、実施例記載の方法により測定することができる。
(珪酸塩(B))
本発明において、水溶性無機結合剤である珪酸塩(B)は、顆粒に適度な湿式崩壊強度を付与するために用いられる。この珪酸塩(B)は、水溶性結合剤であるが、後述するように、必要に応じて顆粒を適宜乾燥することで、顆粒の湿式崩壊強度を適度に高める機能も有する。珪酸塩(B)の種類と、その量を調整することにより、顆粒の湿式崩壊強度を適宜調整することができる。水溶性無機結合剤である珪酸塩(B)とは、水100gに対する溶解量(20℃)が好ましくは30g以上であり、より好ましくは50g以上であることを意味する。
珪酸塩(B)は、湿式崩壊強度の観点から、珪酸ナトリム及び珪酸カリウムから選ばれる1種又は2種を含むことが好ましく、珪酸ナトリウムを含むことがより好ましい。全ての珪酸塩中、前記珪酸塩(B)の含有量は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上、更に好ましくは99.5質量%以上、より更に好ましくは100%である。
珪酸ナトリウムとしては、メタ珪酸ナトリウム(NaSiO)、オルト珪酸ナトリウム(NaSiO)、二珪酸ナトリウム(NaSi)、四珪酸ナトリウム(NaSi)及びそれらの水和物が挙げられる。
珪酸ナトリウムは、一般にNaO・nSiO・mHOの分子式で表される。係数n(NaOに対するSiOの分子比)はモル比と呼ばれ、下記式(1)で表すことができる。
モル比=質量比(SiO質量%/NaO質量%)×NaOの分子量/SiOの分子量=質量比(SiO質量%/NaO質量%)×1.032 (1)
珪酸ナトリウムとしては、通常、JIS K1408に記載の珪酸ソーダ1号、2号、3号の他、種々のモル比の水ガラスを使用することができる。
珪酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、医薬部外品原料規格への適合性、及び得られる顆粒のpHの観点から、前記モル比は、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.4以上、更に好ましくは2.8以上、より更に好ましくは3.0以上であり、そして、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.7以下、更に好ましくは3.5以下、より更に好ましくは3.3以下である。
本発明の製造方法において、液滴として供給する珪酸塩(B)水溶液中の珪酸塩(B)(固形分)は、水溶性無機結合剤として水不溶性粉末材料(A)を顆粒化させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上であり、そして、ハンドリング性及び液滴として供給し、粗大粒子を抑制する観点及び顆粒の湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは58質量%以下である。
なお、珪酸塩(B)水溶液中の珪酸塩(B)(固形分)は、実施例記載の方法により求めることができる。
また、珪酸塩(B)の水溶液には、本発明を阻害しない限り、ポリマーや無機粒子等を含有させることもできるし、また、炭素数1〜3の低級アルコール等を含有させることもできる。
水不溶性粉末材料(A)を顆粒化し、湿式崩壊強度及び保存安定性を高める観点から、水不溶性粉末材料(A)と珪酸塩(B)水溶液とを配合する時、最終的に得られる歯磨剤用顆粒中における水不溶性粉末材料(A)に対する珪酸塩(B)(固形分)の質量比[(B)/(A)]は、好ましくは0.020以上、より好ましくは0.031以上、更に好ましくは0.042以上、より更に好ましくは0.053以上であり、そして、粗大粒子を減少させて、収率を向上させる観点及び歯垢除去効果を高める観点から、該質量比は、好ましくは1.500以下、より好ましくは1.000以下、更に好ましくは0.667以下、より更に好ましくは0.429以下、より更に好ましくは0.250以下、より更に好ましくは0.200以下である。
(容器回転型造粒機)
本発明においては、顆粒製造時に、顆粒に強い剪断を与えて圧密することのないようにするために、容器回転型造粒機を用いる。
容器回転型造粒機としては、ドラム型造粒機及びパン型造粒機が好ましい。ドラム型造粒機としては、ドラム状の円筒が回転して処理を行うものであれば特に限定されない。水平又はわずかに傾斜させたドラム型造粒機も使用可能である。これらの装置は、バッチ式、連続式いずれの方式でもよい。
なお、水不溶性粉末材料(A)を含む粉体と容器回転型造粒機の内壁との間の壁面摩擦係数が小さく、粉体に十分な上昇運動力を加えることが困難な場合は、容器内壁に混合を補助するための複数個の邪魔板(バッフル)を設けることが好ましい。邪魔板を設けることにより、粉体に上昇運動を付与することが可能となり、粉末混合性及び固液混合性が向上する。
容器回転型造粒機の運転条件としては、造粒機内の水不溶性粉末材料(A)をできるだけ均一に流動させ、撹拌できる条件であれば特に制限されない。生産性の観点から、下記式(2)で定義されるフルード数を0.005以上とすることが好ましく、0.01以上とすることがより好ましく、0.05以上とすることが更に好ましく、多孔質で、良好な湿式崩壊強度を有する顆粒を得る観点から、その上限は、1.0以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましく、0.4以下とすることが更に好ましく、0.3以下がより更に好ましい。
フルード数:Fr=V/(R×g) (2)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s
なお、本体胴部の回転によって顆粒化が進行するドラム型造粒機又はパン型造粒機においては、V及びRは本体胴部の値を用い、解砕翼を備えたパン型造粒機においては、V及びRは解砕翼の値を用いることとする。
(ノズル)
本発明においては、多孔質の顆粒を得る観点から、珪酸塩(B)の水溶液を、ノズルを用いて供給することが好ましく、多流体ノズルを用いて供給することがより好ましい。多流体ノズルを用いることにより、その液滴を微細化して分散させることができる。
多流体ノズルとは、液体と噴霧用気体(エアー、窒素等)を独立の流路を通してノズル先端部近傍まで流通させて混合・微粒化するノズルであり、二流体ノズル、三流体ノズル、四流体ノズル等を挙げることができる。また、珪酸塩(B)の水溶液と噴霧用気体の混合部は、ノズル先端部内で混合する内部混合型、又はノズル先端部外で混合する外部混合型のいずれであってもよい。
このような多流体ノズルとしては、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社いけうち製等の内部混合型二流体ノズル、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社アトマックス製等の外部混合型二流体ノズル、藤崎電機株式会社製の外部混合型四流体ノズル等が挙げられる。
また、珪酸塩(B)の水溶液の平均液滴径は、ノズル先端の形状、噴霧パターン、珪酸塩(B)の水溶液の流量と噴霧用気体の流量のバランス等を調整することにより、所望の範囲に調整することができる。すなわち、平均液滴径を小さくする場合は、一定流量の珪酸塩(B)の水溶液に対して、噴霧用気体の流量を増加させればよく、また、一定流量の噴霧気体に対して、珪酸塩(B)の水溶液の流量を低下させればよい。
例えば、二流体ノズルを用いる場合、噴霧用気体の流量の調整は、噴霧用気体の噴霧圧の調整により行うのが容易である。噴霧用気体噴霧圧としては、液分散の観点から0.1MPa以上が好ましく、設備負荷の観点から1.0MPa以下が好ましい。また、珪酸ナトリウムの噴霧圧としては特に制限はないが、設備負荷の観点から、例えば、1.0MPa以下が好ましい。
珪酸塩(B)の水溶液の平均液滴径は、顆粒を多孔質化させ、湿式崩壊強度を高めると共に、歯磨剤用顆粒として好適な粒度の顆粒を収率よく得る観点から、好ましくは210μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下、より更に好ましくは80μm以下であり、そして、生産性の観点から、その下限は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、より更に好ましくは20μm以上、より更に好ましくは40μm以上である。
平均液滴径を小さくするほど珪酸塩(B)の水溶液の流量が低下し生産性が低下するが、例えば、多流体ノズルを複数個使用しノズル一本当たりの流量を低下させることで、液滴の微細化を維持しつつ添加速度を上げることができる。多流体ノズルは1本以上であればよいが、好ましくは1〜20本、より好ましくは1〜10本、更に好ましくは1〜5本用いることもできる。
なお、当該珪酸塩(B)の水溶液の平均液滴径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定される値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
珪酸塩(B)の水溶液を供給する際の珪酸塩(B)の水溶液の温度は、噴霧の安定性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上であり、更に好ましくは15℃以上であり、そして、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下であり、更に好ましくは25℃以下である。
珪酸塩(B)の水溶液の添加速度は、粗大粒子の形成を抑制し、優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、当該水不溶性粉体材料(A)100質量部に対して好ましくは35質量部/min以下、より好ましくは20質量部/min以下、更に好ましくは10質量部/min以下、より更に好ましくは5質量部/minであり、そして、生産性の観点から、好ましくは0.2質量部/min以上、より好ましくは0.5質量部/min以上、より好ましくは1質量部/min以上、更に好ましくは1.5質量部/min以上である。上記の範囲は、JIS K1408に記載の珪酸ソーダ1号、2号又は3号を用いる場合に好適である。
工程1終了後のpHは、結合剤量として十分な珪酸塩(B)を供給する観点から、好ましくは11以上、より好ましくは11.5以上であり、湿式崩壊強度を向上させる観点から、好ましくは13以下、より好ましくは12.5以下、更に好ましくは12以下である。
<工程2>
工程2は、工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体とを接触させる工程である。
(炭酸ガス)
本発明においては、湿式崩壊強度を向上させる観点及び保存安定性の観点から、工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上炭酸ガスを含む気体(20℃)を接触させる。炭酸ガスを含む気体としては、0.1体積%以上炭酸ガスを含む空気が挙げられる。
気体中の炭酸ガス濃度は、湿式崩壊強度を向上させる観点及び保存安定性の観点から、0.1体積%以上であり、好ましくは0.3体積%以上、より好ましくは0.5体積%以上、更に好ましくは0.8体積%以上、より更に好ましくは1体積%以上、より更に好ましくは2体積%以上であり、より更に好ましくは3体積%以上であり、より更に好ましくは4体積%以上である。上限は、特にないが、生産コストの観点から、好ましくは30体積%以下、より好ましくは10体積%以下である。
前記工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体との接触方法は、特に限定されないが、例えば、スプレーノズル、送風機等を用いても炭酸ガスを含む気体を供給し、顆粒と接触させてもよいし、流動層乾燥機などに顆粒を入れておき、送風エアーを、0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体にしてもよい。
0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体の温度は、顆粒を乾燥させる観点及び保存安定性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上である。そして、装置の熱負荷の観点から、その上限は、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは110℃以下である。
工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体との接触時間は、炭酸ガスの濃度により異なるが、保存安定性の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは5分以上であり、より更に好ましくは10分以上であり、そして、生産性の観点から、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下、更に好ましくは2時間以下、より更に好ましくは60分以下、より更に好ましくは30分以下である。
工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体と接触させる際の気体の流量は、乾燥時間やスケールにもよるが、好ましくは1L/sec以上、より好ましくは3L/sec以上であり、そして、好ましくは50L/sec以下、より好ましくは10L/sec以下である。
本発明においては、更に、湿式崩壊強度を向上させる観点から、得られた顆粒を乾燥させることが好ましい。前述の炭酸ガスと顆粒とを接触させる際に、温度を上昇させて、乾燥してもよく、炭酸ガスと顆粒とを接触させた後に、温度を上昇させて乾燥してもよく、その逆であってもよい。
乾燥法については、棚乾燥、流動層乾燥、減圧乾燥、マイクロ波乾燥等が挙げられる。中でも、設備的な観点から、棚乾燥、又は流動層乾燥が好ましい。
乾燥中の顆粒の崩壊を抑制する観点から、強いせん断力をできるだけ与えない乾燥方式が好ましい。例えば、バッチ式では、電気式棚乾燥機や熱風乾燥機で乾燥させる方法、バッチ式流動層で乾燥させる方法等が挙げられ、連続式では、流動層やロータリー乾燥機、スチームチューブドライヤー等が挙げられる。
乾燥温度は、乾燥速度を考慮して適宜決定することができるが、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上である。また、装置の熱負荷の観点から、その上限は、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは110℃以下である。
乾燥時間は、製造に用いた珪酸塩(B)水溶液の有効分や量により異なるが、湿式崩壊強度が本発明の好ましい範囲となるように適宜調整を行う。乾燥時間は、通常、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、より好ましくは5分以上、更に好ましくは10分以上であり、好ましくは24時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは2時間以下である。
得られる顆粒中の水分量は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下であり、より更に好ましくは1質量%以下であり、そして、生産性の観点から、好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは0.2質量%以上である。
工程2終了後のpHは、生産性の観点から、好ましくは7以上、より好ましくは7.5以上、更に好ましくは8以上であり、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは10以下、より好ましくは9.5以下、更に好ましくは9以下、より更に好ましくは8.7以下、より更に好ましくは8.4以下である。
<他の配合成分>
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、必要に応じて、本発明で用いられる水不溶性粉末材料(A)(研磨剤)及び珪酸塩(B)(結合剤)以外に水不溶性無機結合剤、水不溶性有機結合剤、有機繊維、薬用成分、着色剤等を配合することができる。
本発明で用いることができる水不溶性無機結合剤としては、水酸基を有する、ケイ素系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、マグネシウム系化合物等を用いることができる。具体的には、コロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる油脂としては、ワックス、パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる高分子や樹脂としては、(i)キサンタンガム、デキストリン、ゼラチン等の多糖類、及びそれらの誘導体、(ii)ゴム系ラテックス等、(iii)アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、マレイン酸エステル、メチルビニルエーテル、α−オレフィン等の単独重合体、及びそれらの共重合体等が挙げられる。
また、有機繊維としては、例えば、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン等が挙げられ、これらの中では、顆粒の歯垢除去性の点からセルロースが特に好ましい。
薬用成分としては、虫歯予防剤、抗微生物剤、酵素、抗炎症剤等が挙げられ、具体的には、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化錫、モノフルオロリン酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンC、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、塩化ナトリウム等の抗炎症剤;乳酸アルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、β−グリチルレチン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、酢酸dl−トコフェロール、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤;トリポリリン酸ナトリウム、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;亜鉛化合物等の歯垢形成抑制剤;ジヒドコレステロール、クロルヘキシジン、エピジヒドコレステロール、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、ヒノキチオール、アラントイン、トラネキサム酸、プロポリス、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、トリクロサン等の殺菌剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、群青等が挙げられ、これらの着色剤を添加することにより審美的効果を付加することができる。
上記の他の配合成分は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
任意成分である結合剤、有機繊維、薬用成分、着色剤の含有量は、崩壊感触の観点から、水不溶性粉末材料(A)及び珪酸塩(B)の固形分の合計量100質量部に対して好ましくは0質量部以上、そして、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下であり、より更に好ましくは0質量部である。
[歯磨剤用顆粒]
本発明の歯磨剤用顆粒(水分を除く)中、水不溶性粉末材料(A)の含有量は、湿式崩壊強度等と研磨力を高める観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上であり、より更に好ましくは85質量%以上であり、そして、歯に対する損傷を抑制する観点から、その上限は、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
本発明の歯磨剤用顆粒(水分を除く)中、珪酸塩(B)(固形分)の含有量は、湿式崩壊強度を高める観点及び保存安定性の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、そして、生産コストを低減し、収率を高める観点から、その上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。
水不溶性粉末材料(A)に対する珪酸塩(B)(固形分)の質量比[珪酸塩(B)(固形分)/水不溶性粉末材料(A)]は、前述のとおりであり、好ましい範囲も同じである。
本発明において、歯磨剤用顆粒中の各成分の含有量や質量比は、顆粒製造時の配合量から求めた計算値を用いることができる。また、珪酸塩(B)の固形分量は、実施例記載の方法により求めた固形分量である。
<歯磨剤用顆粒の特性>
本発明の歯磨剤用顆粒の実施例記載の方法による湿式崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果を発揮させる観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、より更に好ましくは60%以上であり、そして、異物感をほとんど感じさせない観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
歯磨剤用顆粒の細孔容積は、炭酸ガスが顆粒内部まで容易に進行し保存安定性を高める観点から、直径0.1〜10μmの細孔の容積が、好ましくは0.1cm/g以上、より好ましくは0.2cm/g以上、更に好ましくは0.3cm/g以上、より更に好ましくは0.4cm/g以上であり、そして、生産性の観点から、好ましくは1cm/g以下、より好ましくは0.8cm/g以下、更に好ましくは0.7cm/g以下、より更に好ましくは0.6cm/g以下、より更に好ましくは0.5cm/g以下である。直径0.1〜10μmの細孔の容積は、容器回転型造粒機への液滴径を小さくしたり、容器回転型造粒機のフルード数を小さくすることにより高めることができる。
なお、湿式崩壊強度、細孔容積は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の歯磨剤用顆粒の平均粒径は、十分な研磨力を発揮させる観点から好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上、更に好ましくは100μm以上であって、そして、口腔中での異物感を抑制する観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは300μm以下である。なお、平均粒子径は、実施例に記載の方法で測定することができる。
上記したような平均粒径、湿式崩壊強度等を有する歯磨剤用顆粒は、珪酸塩の種類、配合量、及び製造条件を適宜変化させることによって製造することができる。
<歯磨剤>
本発明の歯磨剤用顆粒は、歯磨剤の一成分として界面活性剤等と共に用いることができる。本発明の歯磨剤用顆粒を界面活性剤と共に用いることにより、良好な泡立ちをもたらすとともに、歯と歯との隙間のような狭小な領域に至るまで歯垢又は汚れの除去作用を十分に及ぼすことができ、界面活性剤と相まって清掃効果を高め、歯磨剤使用後の口腔内において歯面につるつるとした感触を付与して使用感をも高めることができる。
歯磨剤中、前記歯磨剤用顆粒の含有量は、歯垢又は汚れ除去効果を高めるとともにカルシウムを補給又は再石灰化促進の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、歯のエナメル質を傷つけることなく歯垢又は汚れ除去効果を発揮させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び両性イオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。界面活性剤としては、良好な発泡性や使用感をもたらす観点から、アニオン界面活性剤が好ましく、アルキル硫酸塩がより好ましく、ラウリル硫酸ナトリウムが更に好ましい。
歯磨剤には更にカルボキシメチルセルロースナトリウム等の粘結剤、ソルビットやポリエチレングリコール等の湿潤剤の他、研磨剤、賦形剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、殺菌剤、その他一般に使用されている成分を含有させることができる。
以下の実施例及び比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」である。なお、各物性値の測定は、以下の方法により行った。
(1)珪酸塩(B)水溶液の固形分
試料2.5gをスポイトを用いてアルミ製の直径11.5cmの容器上に1滴が直径5〜10mm程度の液滴となるよう(液滴同士が極力重ならないよう)に滴下散布し、その後、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、湿量基準水分測定モードにて温度105℃、Autoの条件(測定値の変化量が、30秒間で0.05%以内になったときを最終測定値とみなして測定を終了)で揮発自由水分量を測定して算出した。
(2)顆粒の水分量
試料2gをアルミ製の直径11.5cmの容器上に均一に散布し、その後、上記(1)の珪酸塩(B)水溶液の固形分の測定と同じ条件で揮発自由水分量を測定し、顆粒の水分量とした。
(3)水不溶性粉末材料(A)の平均粒径の測定方法
水不溶性粉末材料(A)の平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−920)にて、溶媒;イオン交換水、屈折率;1.2、循環速度;4、循環時間;3minの条件で測定した。
(4)珪酸塩(B)の水溶液の平均液滴径
珪酸塩(B)の水溶液の平均液滴径(メジアン径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定した。具体的には、レーザーから30cm離れた場所にスプレーノズル先端を設置し、レーザーに対して垂直且つ噴霧液滴群の中心をレーザーが貫通するように珪酸塩(B)の水溶液を噴霧し30秒間噴霧を継続して測定を行った。
(5)水不溶性粉末材料(A)及び顆粒の平均粒径
JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下質量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒径とした。具体的には、JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該顆粒の質量を測定し、各篩上の当該顆粒の質量割合(%)を算出した。次に、受け皿上に残留した当該顆粒の質量割合と、目開きの小さな篩から順に篩上の当該顆粒の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とした。
(6)顆粒のpHの測定方法
スクリュー管(株式会社マルエム製、No.7)に顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1時間静置した後pHメーター(株式会社堀場製作所製、「F−52」)を用いて測定(25℃)した。
(7)顆粒の保存前の湿式崩壊強度
実施例及び比較例により得られた顆粒を、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、粒度150〜180μmの顆粒を初期サンプルとした。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、初期サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、スクリュー管を1度逆さにして元に戻した。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/minで2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプルを150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温(20℃)に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5にて1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を湿式崩壊強度とした。
湿式崩壊強度(%)=(150μm篩に残留する顆粒質量÷初期サンプル質量)×100
(8)顆粒の保存後の湿式崩壊強度
スクリュー管を1度逆さにして元に戻した後、24時間静置したこと以外は、上記(7)と同様の方法で、顆粒の保存後の湿式崩壊強度を測定した。
(9)保存安定性
上記(7)及び(8)で求めた値を用い、以下の計算式にて算出した値を保存安定性とした。
保存安定性=(顆粒の保存後の湿式崩壊強度)×100/(顆粒の保存前の湿式崩壊強度)
(10)0.1〜10μm細孔容積の測定方法
水銀圧入式ポロシメーター(micromeritics社製、AutoPoreIV 9500)にて、サンプル重量0.16g、低圧時: Evacuation Pressure 50mmHg(6.67kPa)、 Evacuation Time 1min、 Mercury Filling Pressure 0.49psia(3.38kPa)、 Equilibration Time 5sec、 高圧時: Max Pressure 30144psia(207842.88kPa)、 Equilibration Time 5sec、の条件で測定を行った。
(11)二酸化炭素濃度の測定方法
株式会社ガステックの二酸化炭素検知管(2H)により測定(20℃)した。
%は、体積%である。
実施例1〜3
(工程1)
表1に示す配合割合及び条件で、重質炭酸カルシウム(カルファイン株式会社製、商品名:クリストンSS、平均粒径約5μm)を、邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r/min、フルード数0.2、ドラム角度12.6°の条件で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ:NaO・3.2SiO水溶液、モル比:3.2、固形分:55.1%)を外部混合型二流体ノズル1本(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。珪酸ナトリウム水溶液の噴霧時の平均液滴径(メジアン径)は約60μmであった。
珪酸ナトリウム水溶液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から工程1を経た顆粒を排出した。
(工程2)
次に、工程1で得られた顆粒を流動層乾燥機(フロイント株式会社製、商品名:スパイラーフローラボ)に投入し、表1に示す条件で炭酸ガスを0.1体積%以上含む気体を用いて乾燥した後、得られた顆粒の物性評価を行った。
実施例4及び5
重質炭酸カルシウムの代わりにシリカ(PT PQ Sillicas Indonesia社製、商品名:ソーボシル AC77、平均粒径約9μm)を用いた以外は、実施例1〜3と同様の方法で表1に示す組成にて顆粒を得た。得られた顆粒の物性評価を行った。
比較例1
(工程1)
表1に示す配合割合及び条件で、実施例1〜3の工程1と同様の操作を行い顆粒を得た。
(工程2)
次に、工程1で得られた顆粒を流動層乾燥機(フロイント株式会社製、商品名:スパイラーフローラボ)に投入し、表1に示す条件で乾燥した後、得られた顆粒の物性評価を行った。
比較例2
(工程1)
表1に示す配合割合及び条件で、重質炭酸カルシウム(三共精粉株式会社製、商品名:カルシーF#9860、平均粒径約11μm)を2L高速ミキサー(深江パウテック株式会社製、商品名:ハイスピードミキサー)に投入し、アジテーター回転数850r/min/チョッパー回転数1350r/minの条件で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ、NaO・3.2SiO水溶液、モル比:3.2、固形分:55.1%)をスポイトを用いて滴下添加し転動造粒した。珪酸ナトリウム水溶液滴下後、1分間混合を継続した後、2L高速ミキサーから工程1を経た顆粒を排出した。
(工程2)
次に、工程1で得られた顆粒を流動層乾燥機(フロイント株式会社製、商品名:スパイラーフローラボ)に投入し、表1に示す条件で炭酸ガスを3体積%含む気体を用いて乾燥した後、得られた顆粒の物性評価を行った。
比較例3
(工程1)
表1に示す配合割合及び条件で、実施例4及び5の工程1と同様の操作を行い顆粒を得た。
(工程2)
次に、工程1で得られた顆粒を流動層乾燥機(フロイント株式会社製、商品名:スパイラーフローラボ)に投入し、表1に示す条件で乾燥した後、得られた顆粒の物性評価を行った。
表1の結果より、実施例1〜5、並びに比較例1及び3の顆粒を比較すると、実施例の顆粒は、保存後の湿式崩壊強度が高く、保存安定性に優れているのに対し、比較例1及び3の顆粒は、工程2で接触させた気体中の炭酸ガス濃度が低いため、保存安定性が低いことがわかる。
また、比較例2の顆粒は、保存安定性が低いが、これは、顆粒に細孔がほとんど存在していないため、炭酸ガスが顆粒内部に浸透しなかったためと考えられる。

Claims (5)

  1. 下記工程1及び2を有する、歯磨剤用顆粒の製造方法。
    工程1:水不溶性粉末材料(A)を容器回転型造粒機に投入して回転させ、該水不溶性粉末材料(A)に珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種以上の珪酸塩(B)の水溶液を液滴として供給し顆粒化する工程
    工程2:工程1で得られた顆粒と0.1体積%以上の炭酸ガスを含む気体とを接触させる工程
  2. 工程2終了後のpHを7.0〜9.5に調整する、請求項1に記載の歯磨剤量顆粒の製造方法。
  3. 水不溶性粉末材料(A)が、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びシリカから選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  4. 容器回転型造粒機がパン型造粒機又はドラム型造粒機である、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  5. 水不溶性粉末材料(A)に対する珪酸塩(B)(固形分)の質量比[(B)/(A)]が0.020以上1.500以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
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