JP6321958B2 - 歯磨剤用顆粒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯磨剤用顆粒の製造方法、及び歯磨剤用顆粒に関する。
近年、虫歯や歯周病の原因となる歯垢を効率よく除去し、触知できるような顆粒を配合した歯磨剤が知られている。
例えば、特許文献1には、水不溶性粉末材料を水不溶性無機結合剤で結着させ、噴霧乾燥法により、一定の大きさで適度な強度を有する顆粒を含有する歯磨剤が開示されている。
特許文献2には、平均粒径が150〜800μmで平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトと、改質ミント油等とを含有する歯磨組成物が開示されており、顆粒ゼオライトとして、無水ケイ酸、酸化チタンを含有し、焼結により顆粒状に調製されたものが開示されている。
特開平1−299211号公報 特開2008−266251号公報
従来、歯磨剤用顆粒の結合剤としては、各種の水溶性結合剤や水不溶性結合剤が使われてきた。しかし、水溶性結合剤を用いて調製された顆粒は、乾燥状態で使用する場合には支障がないが、水分が多量に存在する歯磨剤では強度が低下し、歯磨剤製造時の混合過程で顆粒が崩壊したり、顆粒が軟化するため、口腔内では触知しづらく、顆粒の存在感が十分ではなかった。
一方、特許文献1のように、水不溶性無機結合剤を用いて調製された顆粒は、比較的容易に粒子強度を高めることができるが、水不溶性無機結合剤は高価である。
特許文献2のように、焼結法により顆粒ゼオライトを製造する場合は、顆粒の崩壊強度の調整が困難である。
本発明は、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を有する歯磨剤用顆粒を、簡便に製造しうる歯磨剤用顆粒の製造方法、及びその方法により得られる歯磨剤用顆粒を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の水不溶性粉末材料と水硬性粉体とを、容器回転型造粒機を用いて顆粒化することにより、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を有する歯磨剤用顆粒を簡便に製造しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕又は〔2〕に関する。
〔1〕軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種以上の水不溶性粉末材料(A)と、水硬性粉体(B)とを、容器回転型造粒機を用いて混合し、噴霧ノズルを用いて、水を液滴として供給して顆粒化する、歯磨剤用顆粒の製造方法。
〔2〕前記〔1〕の方法で得られる歯磨剤用顆粒。
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法によれば、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度(以下、両者を合わせて「崩壊強度等」ともいう)を有し、歯磨剤用として好適な顆粒を簡便に製造することができる。
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種以上の水不溶性粉末材料(A)と、水硬性粉体(B)とを、容器回転型造粒機を用いて混合し、噴霧ノズルを用いて、水を液滴として供給して顆粒化する工程を有することを特徴とする。
一般に、容器回転型造粒機を用いた造粒方法によれば、粉体を均一に流動せしめることが可能であり、更に、回転による粒子の持ち上げ及び自重による滑り・落下を伴う混合機構により、粉体に加えられるせん断力が抑制される。そのため、容器回転型造粒機を用いた造粒方法は非圧密な造粒方法ということができる。
これにより、本発明で得られる歯磨剤用顆粒は、圧密されないため、適度な崩壊強度を有するため顆粒感に優れると共に、水硬性粉体を結合剤として用いているため、湿式崩壊強度に優れる。
また、水硬性粉体(B)が、水和反応により硬化するため、本発明で得られる歯磨剤用顆粒の製造方法は、実質的に乾燥工程が不要となり、エネルギーコスト削減の観点から優れており、簡便な装置で製造することができる。
以下、本発明方法に用いられる各成分、製造方法について順次説明する。
<水不溶性粉末材料(A)>
水不溶性粉末材料(A)は、歯磨剤用顆粒の崩壊強度等を高める観点から、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種以上である。これらは歯の研磨剤に通常用いられるものである。
ここで、「水不溶性」とは、水100gに対する溶解量(20℃)が1g以下であることを意味する。
これらの中でも、湿式崩壊強度を高める観点及び製造コストの観点から、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びシリカから選ばれる1種以上が好ましく、軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムから選ばれる1種がより好ましく、重質炭酸カルシウムが更に好ましい。
水不溶性粉末材料(A)の平均粒子径は、顆粒崩壊後の歯の汚れ除去の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは0.8μm以上、より更に好ましくは1.0μm以上であり、歯磨剤使用時における口腔内での異物感を減らす観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは10μm以下、更に好ましくは7μm以下、より更に好ましくは5μm以下である。
平均粒子径は、実施例記載の方法により測定することができる。
<水硬性粉体(B)>
水硬性粉体(B)は、歯磨剤用顆粒に優れた湿式崩壊強度を付与するために用いられる。
水硬性粉体(B)は、水硬性化合物を、ボールミル等の汎用の粉砕機を用いて粉砕して得られるものである。
水硬性化合物とは、水と反応して硬化する性質をもつ物質、及び単一物質では硬化性を有しないが2種以上を組み合わせると水を介して相互作用により水和物を形成し硬化する化合物をいう。したがって、水硬性粉体(B)は、水和反応により硬化する物性を有する粉体を意味し、セメント等が挙げられる。
例えば、セメントは、アルカリ土類金属の酸化物とSiO2、Al23、Fe23、TiO2、P25、ZnO等の酸化物が常温又は水熱条件下で水和物を形成することを利用したものであり、クリンカー成分としてケイ酸三カルシウム:3CaO・SiO2(C3S:エーライト)、ケイ酸二カルシウム:2CaO・SiO2(C2S:ビーライト)、カルシウムアルミネート:3CaO・Al23(C3A:アルミネート)、カルシウムアルミノフェライト:4CaO・Al23・Fe23(C4AF:フェライト)等を含んでいる。
水硬性化合物としては、例えば、セメントに含有される鉱物(C3S、C2S、C3A、C4AF)、スラグ、フライアッシュ、石灰石、鉄さい、石膏(CaSO4)、アルミナ、焼却灰、生石灰(CaO)、消石灰、リン酸カルシウム等が挙げられる。
水硬性化合物は、顆粒に適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、ケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、CaO及びCaSO4から選ばれる1種以上を含んでいることが好ましく、前述のケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、カルシウムアルミネート、及びカルシウムアルミノフェライトから選ばれる1種以上を含んでいることがより好ましい。
従って、水硬性粉体(B)としては、顆粒に適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、セメントが好ましく、ポルトランドセメントがより好ましい。ポルトランドセメントとしては、JIS R 5210で規定される普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、及び白色ポルトランドセメントから選ばれる1種以上が挙げられるが、好ましくは普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントから選ばれる1種以上であり、より好ましくは普通ポルトランドセメントである。
ポルトランドセメントは、石灰石、粘土、鉄さい等の原料を焼成して得られた水硬性化合物である前記クリンカー成分(セメントクリンカーともいい、石膏が入っている場合もある。)を予備粉砕し、適量の石膏を加え、仕上粉砕することによって製造される。ポルトランドセメントには、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加されていてもよい。
水硬性粉体(B)の平均粒子径は、湿式崩壊強度を高め及び水和反応を促進する観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、より更に好ましくは5μm以上であり、適度な崩壊強度を付与する観点、及び歯磨剤に配合された際の異物感を減らす観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは25μm以下である。
水硬性粉体(B)の平均粒子径は、実施例記載の方法により測定することができる。
水不溶性粉末材料(A)に対する水硬性粉体(B)の配合質量比[(B)/(A)]は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、適度な崩壊強度を付与し、歯に対する損傷を抑制する観点から、好ましくは3.5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下である。
<水>
本発明においては、水硬性粉体(B)を水和反応により硬化させ、顆粒強度を高める観点から水を液滴として供給する。
水硬性粉体(B)に対する水(C)の配合質量比[(C)/(B)]は、崩壊強度を適度に高める観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.15以上であり、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下である。
<他の配合成分>
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、必要に応じて、本発明方法で用いられる水不溶性粉末材料(A)(研磨剤)及び水硬性粉体(B)(結合剤)以外に水不溶性無機結合剤、水不溶性有機結合剤、有機繊維、薬用成分、着色剤等を配合することができる。
本発明方法で用いることができる水不溶性無機結合剤としては、水酸基を有する、ケイ素系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、マグネシウム系化合物等を用いることができる。具体的には、コロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる油脂としては、ワックス、パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる高分子や樹脂としては、(i)キサンタンガム、デキストリン、ゼラチン等の多糖類、及びそれらの誘導体、(ii)ゴム系ラテックス等、(iii)アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、マレイン酸エステル、メチルビニルエーテル、α−オレフィン等の単独重合体、及びそれらの共重合体等が挙げられる。
また、有機繊維としては、例えばセルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン等が挙げられ、これらの中では、顆粒の歯垢除去性の点からセルロースが特に好ましい。
薬用成分としては、虫歯予防剤、抗微生物剤、酵素、抗炎症剤等が挙げられ、具体的には、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化錫、モノフルオロリン酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンC、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、塩化ナトリウム等の抗炎症剤;乳酸アルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、β−グリチルレチン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、酢酸dl−トコフェロール、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤;トリポリリン酸ナトリウム、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;亜鉛化合物等の歯垢形成抑制剤;ジヒドコレステロール、クロルヘキシジン、エピジヒドコレステロール、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、ヒノキチオール、アラントイン、トラネキサム酸、プロポリス、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、トリクロサン等の殺菌剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、群青等が挙げられ、これらの着色剤を添加することにより審美的効果を付加することができる。
上記の他の配合成分は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
[歯磨剤用顆粒の製造方法]
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種以上の水不溶性粉末材料(A)と、水硬性粉体(B)とを、容器回転型造粒機を用いて混合し、噴霧ノズルを用いて、水を液滴として供給して顆粒化する方法である。
(容器回転型造粒機)
本発明においては、顆粒製造時に、顆粒に強い剪断を与えて圧密することのないようにするために、容器回転型造粒機を用いる。容器回転型造粒機は、粉体を均一に流動せしめることが可能であり、回転による粒子の持ち上げ及び自重による滑り・落下を伴う混合機構により、粉体に加えられるせん断力が抑制されるため、非圧密に造粒することができる。
容器回転型造粒機としては、ドラム型造粒機及びパン型造粒機が好ましく、圧密を抑制し、適度な崩壊強度を付与する観点から、ドラム型造粒機がより好ましい。ドラム型造粒機としては、ドラム状の円筒が回転して処理を行うものであれば特に限定されない。水平又はわずかに傾斜させたドラム型造粒機も使用可能である。これらの装置は、バッチ式、連続式いずれの方式でもよい。
なお、水不溶性粉末材料を含む粉体と容器回転型造粒機の内壁との間の壁面摩擦係数が小さく、粉体に十分な上昇運動力を加えることが困難な場合は、容器内壁に混合を補助するための複数個の邪魔板(バッフル)を設けることが好ましい。邪魔板を設けることにより、粉体に上昇運動を付与することが可能となり、粉末混合性及び固液混合性が向上する。
容器回転型造粒機の運転条件としては、造粒機内の水不溶性粉末材料(A)をできるだけ均一に流動させ、撹拌できる条件であれば特に制限されない。
良好な崩壊強度等を有する顆粒を得る観点から、容器回転型造粒機の容器回転数は、好ましくは10r/min以上、より好ましくは20r/min以上、更に好ましくは25r/min以上であり、そして、好ましくは60r/min以下、より好ましくは50r/min以下、更に好ましくは40r/min以下である。
容器回転型造粒機による混合時間は、好ましくは3分間以上、より好ましくは5分間以上、更に好ましくは7分間以上であり、そして、好ましくは40分間以下、より好ましくは30分間以下、更に好ましくは20分間以下である。
また、湿式崩壊強度を高める観点から、下記式(1)で定義されるフルード数を0.005以上とすることが好ましく、0.01以上とすることがより好ましく、0.05以上とすることが更に好ましく、0.1以上とすることがより更に好ましく、非圧密の顆粒を得、崩壊強度を適度にする観点から、1.0以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましく、0.4以下とすることが更に好ましく、0.3以下がより更に好ましい。
フルード数:Fr=V2/(R×g) (1)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2
なお、本体胴部の回転によって顆粒化が進行するドラム型造粒機又はパン型造粒機においては、V及びRは本体胴部の値を用い、解砕翼を備えたパン型造粒機においては、V及びRは解砕翼の値を用いることとする。
<噴霧ノズル>
本発明においては、噴霧ノズルを用いて、水を液滴として供給して顆粒化することで、水を水不溶性粉末材料(A)と水硬性粉体(B)からなる混合物に均一に添加させることができ、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を有する歯磨剤用顆粒を製造することができる。
噴霧ノズルとしては、一流体ノズルでも多流体ノズルでもよいが、液滴を微細化して分散させ、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、多流体ノズルがより好ましい。
(一流体ノズル)
一流体ノズルとしては、噴霧ノズルの液噴霧口のオリフィス径を0.3mm以上、2.5mm以下としたものが好ましい。
噴霧ノズルの噴霧パターンとしては、フルコーン、ホローコーン(空円錐)、フラット(扇形)、ソリッド(直進)等が挙げられる。噴霧ノズルの噴霧角度は、好ましくは60°以上、より好ましくは90°以上であり、そして、好ましくは145°以下、より好ましくは140°以下である。これらの中では、良好な噴霧状態を形成する観点から、噴霧角度が大きいホローコーン(空円錐)、又はフラット(扇形)の噴霧パターンを有する噴霧ノズルを用いることが好ましい。
(多流体ノズル)
多流体ノズルとは、液体と微粒化用気体(エアー、窒素等)を独立の流路を通してノズル先端部近傍まで流通させて混合・微粒化するノズルであり、二流体ノズル、三流体ノズル、四流体ノズル等を挙げることができる。また、珪酸塩水溶液と微粒化用気体の混合部は、ノズル先端部内で混合する内部混合型、又はノズル先端部外で混合する外部混合型のいずれであってもよい。
このような多流体ノズルとしては、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社いけうち製等の内部混合型二流体ノズル、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社アトマックス製等の外部混合型二流体ノズル、藤崎電機株式会社製の外部混合型四流体ノズル等が挙げられる。
(水の平均液滴径)
水の平均液滴径は、水の流量、ノズル先端の形状・噴霧パターン、水の流量と噴霧用気体の流量のバランス等を調整することにより、所望の範囲に調整することができる。すなわち、水の流量と噴霧用気体の流量のバランスを調整して平均液滴径を小さくする場合は、一定流量の水に対して、噴霧用気体の流量を増加させればよく、また、一定流量の噴霧気体に対して、水の流量を低下させればよい。
例えば、二流体ノズルを用いる場合、微粒化用気体の流量の調整は、微粒化用気体の噴霧圧の調整により行うのが容易である。微粒化用気体噴霧圧としては、液分散の観点から0.1MPa以上が好ましく、設備負荷の観点から1.0MPa以下が好ましい。また、珪酸ナトリウムの噴霧圧としては特に制限はないが、設備負荷の観点から、例えば1.0MPa以下が好ましい。
水の平均液滴径は、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を付与する観点、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下、より更に好ましくは60μm以下であり、生産性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、より更に好ましくは20μm以上である。
滴径を小さくするほど水の添加流量が低下し生産性が低下するが、例えば多流体ノズルを複数個使用し、ノズル一本当たりの流量を低下させることで、液滴の微細化を維持しつつ添加速度を上げることができる。多流体ノズルは1本以上であればよいが、好ましくは1〜20本、より好ましくは1〜10本、更に好ましくは1〜5本用いることができる。
なお、ノズル噴霧水の平均液滴径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定される値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
噴霧ノズルを用いて供給する水の供給温度は、噴霧の安定性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上であり、そして、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下である。
水の供給速度は、粗大粒子の形成を抑制し、適度な崩壊強度、優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、(A)水不溶性粉末材料と水硬性粉体(B)との合計100質量部に対して、好ましくは35質量部/分以下、より好ましくは20質量部/分以下、更に好ましくは10質量部/分以下、より更に好ましくは5質量部/分以下、より更に好ましくは3質量部/分以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.1質量部/分以上、より好ましくは0.5質量部/分以上、更に好ましくは1質量部/分以上である。
(乾燥)
本発明においては、水硬性粉体(B)を水和反応により硬化させることで、崩壊強度を適度に高め、乾燥工程が実質的に不要とすることができる特徴を有するが、得られた顆粒を乾燥してもよい。乾燥法については、棚乾燥、流動層乾燥、減圧乾燥、マイクロ波乾燥等が挙げられる。中でも、設備的な観点から、棚乾燥、流動層乾燥が好ましい。
乾燥中の顆粒の崩壊を抑制する観点から、強いせん断力をできるだけ与えない乾燥方式が好ましい。例えば、バッチ式では、電気式棚乾燥機や熱風乾燥機で乾燥させる方法、バッチ式流動層で乾燥させる方法等が挙げられ、連続式では、流動層やロータリー乾燥機、スチームチューブドライヤー等が挙げられる。
乾燥温度は、乾燥速度を考慮して適宜決定することができるが、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。また、熱負荷の観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、120℃以下が更に好ましい。
乾燥時間は、用いた水不溶性粉末材料(A)や水硬性粉体(B)の種類や量により異なるが、湿式崩壊強度が所望の範囲となるように適宜調整することができ、通常10分以上、好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上であり、そして、通常24時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは5時間である。
[歯磨剤用顆粒]
本発明の歯磨剤用顆粒は、前記の製造方法で得られるものである。
本発明の歯磨剤用顆粒中の水分量は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.1質量%以上である。
顆粒中の水分量は、実施例記載の方法により求めることができる。
本発明の歯磨剤用顆粒中の水不溶性粉末材料(A)の配合量は、崩壊強度等と研磨力を高める観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、歯に対する損傷を抑制する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下である。
本発明において、歯磨剤用顆粒中の各成分の配合量や配合質量比は、顆粒製造時の配合量から求めた計算値を用いることができる。
本発明の歯磨剤用顆粒製造時の水硬性粉体(B)の配合量は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、生産コストを低減し、適度な崩壊強度を付与する観点から、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下である。
本発明の歯磨剤用顆粒中の水不溶性粉末材料(A)に対する水硬性粉体(B)の配合質量比[(B)/(A)]は、前記のとおりであり、好ましい範囲も同じである。
なお、本発明の製造方法では、水を添加するが、添加された水の大部分は水硬性粉体(B)の水和物となるが、上記の配合量に添加する水の量は含まれない。
任意成分である結合剤、有機繊維、薬用成分、着色剤の配合量は、崩壊感触の観点から、水不溶性粉末材料(A)及び水硬性粉体(B)の固形分の合計配合量100質量部に対して、好ましくは0質量部以上であり、そして、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下であり、0質量部が更に好ましい。
(歯磨剤用顆粒の特性)
本発明の歯磨剤用顆粒の崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果を発揮させる観点から、好ましくは3g重以上/個(顆粒1個あたり3gの荷重で崩壊)、好ましくは5g重以上/個、より好ましくは8g重以上/個であり、そして、歯磨剤中に配合された場合、ブラッシング時の崩壊により、歯垢除去効果を発揮する観点から、好ましくは40g重以下/個、より好ましくは30g重以下/個、更に好ましくは20g重以下/個である。崩壊強度は、水硬性粉体(B)の量やその種類を適宜選択したり、水和する水の添加量を調整することにより、調整することができる。
本発明の歯磨剤用顆粒の湿式崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯磨剤中での顆粒の安定性の観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、より更に好ましくは60%以上であり、そして、異物感をほとんど感じさせない観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。湿式崩壊強度は、水硬性粉体(B)の配合量を増加させたり、顆粒中の水分量を減らしたり、水不溶性粉末材料(A)の種類を適宜選択することにより、高めることができる。
本発明の歯磨剤用顆粒の平均粒子径は、十分な研磨力を発揮させる観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上、更に好ましくは100μm以上であり、口腔中での異物感を抑制する観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは900μm以下、更に好ましくは800μm以下である。
なお、崩壊強度、湿式崩壊強度、平均粒子径は、実施例に記載の方法によい測定することができる。
(歯磨剤)
本発明の歯磨剤用顆粒は、歯磨剤の一成分として界面活性剤等と共に用いることができる。本発明の歯磨剤用顆粒を界面活性剤と共に用いることにより、良好な泡立ちをもたらすとともに、歯と歯の隙間のような狭小な領域に至るまで歯垢又は汚れの除去作用を十分に及ぼすことができ、界面活性剤と相まって清掃効果を高め、歯磨剤使用後の口腔内において歯面につるつるとした感触を付与して使用感をも高めることができる。
歯磨剤中、前記歯磨剤用顆粒の含有量は、歯垢又は汚れ除去効果を高める観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、使用感の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び両性イオン界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることができる。界面活性剤としては、良好な発泡性や使用感をもたらす観点から、アニオン界面活性剤が好ましく、アルキル硫酸塩がより好ましく、ラウリル硫酸ナトリウムが更に好ましい。
歯磨剤には更にカルボキシメチルセルロースナトリウム等の粘結剤、ソルビットやポリエチレングリコール等の湿潤剤の他、研磨剤、賦形剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、殺菌剤、その他一般に使用されている成分を配合させることができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の歯磨剤用顆粒の製造方法、及びその方法により得られる歯磨剤用顆粒を開示する。
<1> 軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種以上の水不溶性粉末材料(A)と、水硬性粉体(B)とを、容器回転型造粒機を用いて混合し、噴霧ノズルを用いて、水を液滴として供給して顆粒化する、歯磨剤用顆粒の製造方法。
<2> 水硬性粉体(B)がポルトランドセメントである、前記<1>に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<3> 水の平均液滴径が、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下、より更に好ましくは60μm以下であり、そして、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、より更に好ましくは20μm以上である、前記<1>又は<2>に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<4> 水不溶性粉末材料(A)の平均粒子径が、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは0.8μm以上、より更に好ましくは1.0μm以上であり、そして、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは10μm以下、より更に好ましくは7μm以下、より更に好ましくは5μm以下である、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<5> 水硬性粉体(B)の平均粒子径が、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、より更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは25μm以下である、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<6> 水不溶性粉末材料(A)に対する水硬性粉体(B)の配合質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、そして、好ましくは3.5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<7> 水硬性粉体(B)に対する水(C)の質量比[(C)/(B)]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.15以上であり、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下である、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<8> 水の供給速度が、水不溶性粉末材料(A)と水硬性粉体(B)との合計100質量部に対して、好ましくは35質量部/分以下、より好ましくは20質量部/分以下、更に好ましくは10質量部/分以下、より更に好ましくは5質量部/分以下、より更に好ましくは3質量部/分以下であり、そして、好ましくは0.1質量部/分以上、より好ましくは0.5質量部/分以上、更に好ましくは1質量部/分以上である、前記<1>〜<7>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<9> 水の供給温度が、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上であり、そして、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下である、前記<1>〜<8>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<10> 容器回転型造粒機が、パン型造粒機又はドラム型造粒機である、前記<1>〜<9>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<11> 容器回転型造粒機の運転条件として、下記式(1)で定義されるフルード数が好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.05以上、より更に好ましくは0.1以上であり、そして、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.6以下しく、更に好ましくは0.4以下、より更に好ましくは0.3以下である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
フルード数:Fr=V2/(R×g) (1)
V:周速[m/s]、R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2
<12> 容器回転型造粒機の容器回転数が、好ましくは10r/min以上、より好ましくは20r/min以上、更に好ましくは25r/min以上であり、そして、好ましくは60r/min以下、より好ましくは50r/min以下、更に好ましくは40r/min以下である、前記<1>〜<11>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<13> 前記<1>〜<12>のいずれかに記載の方法で得られる歯磨剤用顆粒。
<14> 歯磨剤用顆粒中の水分量が、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下であり、そして、好ましくは0.1質量%以上である、前記<13>に記載の歯磨用顆粒。
<15> 歯磨剤用顆粒中の水不溶性粉末材料(A)の配合量が、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下である、前記<13>又は<14>に記載の歯磨剤用顆粒。
<16> 歯磨剤用顆粒中の水硬性粉体(B)の配合量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下である、前記<13>〜<15>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
<17> 歯磨剤用顆粒の崩壊強度が、好ましくは3g重以上/個(顆粒1個あたり3gの荷重で崩壊)、より好ましくは5g重以上/個、より好ましくは8g重以上/個であり、そして、好ましくは40g重以下/個、より好ましくは30g重以下/個、更に好ましくは20g重以下/個である、前記<13>〜<16>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
<18> 歯磨剤用顆粒の湿式崩壊強度が、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、より更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である、前記<13>〜<17>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
<19> 歯磨剤用顆粒の平均粒子径が、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上、更に好ましくは100μm以上であり、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは900μm以下、更に好ましくは800μm以下である、前記<13>〜<18>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
以下の実施例及び比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」である。なお、各物性値の測定は、以下の方法により行った。
(1)顆粒の水分量
試料2gを、アルミ製の直径11.5cmの容器上に均一に散布し、その後、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、湿量基準水分測定モードにて温度105℃、Autoの条件(測定値の変化量が、30秒間で0.05%以内になったときを最終測定値とみなして測定を終了)で揮発自由水分量を測定し、顆粒の水分量とした。
(2)ノズル噴霧水の平均液滴径
水の平均液滴径(メジアン径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定した。具体的には、レーザーから30cm離れた場所にスプレーノズル先端を設置し、レーザーに対して垂直且つ噴霧液滴群の中心をレーザーが貫通するように水を噴霧し30秒間噴霧を継続して測定を行った。
(3)水不溶性粉末、水硬性粉体の平均粒子径の測定方法
水不溶性粉末の平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−920)にて、溶媒:イオン交換水、屈折率:1.2、循環速度4、循環時間3minの条件で測定した。
(4)顆粒の平均粒子径
JIS Z 8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下質量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒子径とした。具体的には、JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該顆粒の質量を測定し、各篩上の当該顆粒の質量割合(%)を算出した。次に、受け皿上に残留した当該顆粒の質量割合と、目開きの小さな篩から順に篩上の当該顆粒の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とした。
(5)顆粒の崩壊強度
微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:MCTM−500)を用いて平均粒子径付近の乾燥状態の顆粒を10個測定し、数平均値で表した。
(6)顆粒の湿式崩壊強度
まず、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、粒度150〜180μmの顆粒をサンプルとした。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、スクリュー管を、1度逆さにした。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/minで2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプルを150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温(20℃)に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5、1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を湿式崩壊強度とした。
湿式崩壊強度(%)=(150μm篩に残留する顆粒質量÷初期サンプル質量)×100
実施例1〜2
表1に示す配合割合で、重質炭酸カルシウム(株式会社カルファイン製、商品名:ACE−25、平均粒子径約3μm)と普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、商品名:普通ポルトランドセメント、平均粒子径約17μm)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r/min、フルード数0.2、ドラム角度12.6°の条件で10分間混合した。
次に、上記ドラム型造粒機で混合しながら、イオン交換水を、外部混合型二流体ノズル1本(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加した。なお、バッチサイズは8kgである。また、水は供給速度100g/minで、20℃で添加した。水の平均液滴径は35μmであった。
水を噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、25℃で1週間静置後、顆粒の物性評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
表1に示す配合割合で、実施例1で用いたものと同じ重質炭酸カルシウム(商品名:ACE−25)と普通ポルトランドセメント(商品名:普通ポルトランドセメント)を2L高速ミキサー(深江パウテック株式会社製、商品名:ハイスピードミキサーLFS−2)に投入し、アジテーター回転数850r/min(フルード数69)、チョッパー回転数1350r/minの条件で混合しながらイオン交換水を配管を用いて滴下添加し転動造粒した。なお、バッチサイズは0.4kgである。
水は噴霧速度15g/minで添加した。水の平均液滴径は約1000μmであった。水を20℃で滴下後、1分間混合を継続した後、2L高速ミキサーから排出し、25℃で1週間静置後、顆粒の物性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006321958
表1から、本発明方法により得られた顆粒は、湿式崩壊強度においても良好な強度を有しており、歯磨剤中においても良好な強度を維持することがわかる。また、適度な崩壊強度を有するため、歯磨き剤に配合した場合に、ブラッシング時に顆粒が崩壊し、優れた歯垢除去性能が得られる。
比較例1のように高速ミキサーを用いると、顆粒が圧密化してしまい、崩壊強度が高くなりすぎるため、歯磨剤に配合した場合、ブラッシング時に顆粒が崩壊しにくいので、歯垢除去効果が期待されず、また、使用感がよくない。
試験例:使用感の評価
実施例1〜2及び比較例1で得られた顆粒を用い、表2に示す処方にしたがって各成分を混合し、歯磨剤を調製した。得られた歯磨剤1gを、歯ブラシ(チェック、花王株式会社製)に塗布し、ブラッシングし、熟練評価者により顆粒感触の評価を行った。
結果を表3に示す。
Figure 0006321958
Figure 0006321958
表3の結果より、実施例1〜2の顆粒を用いた歯磨剤は、比較例1の顆粒を用いた歯磨剤に比して、優れた顆粒感触をもたらすことがわかる。
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法によれば、適度な崩壊強度と優れた湿式崩壊強度を有し、歯磨剤用として好適な顆粒を収率よく製造することができる。

Claims (8)

  1. 軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種以上の水不溶性粉末材料(A)と、水硬性粉体(B)とを、容器回転型造粒機を用いて混合し、噴霧ノズルを用いて、水を液滴として供給して顆粒化する、歯磨剤用顆粒の製造方法であって、
    水不溶性粉末材料(A)に対する水硬性粉体(B)の質量比[(B)/(A)]が、0.2以上、3.5以下であり、
    容器回転型造粒機が、ドラム型造粒機又はパン型造粒機であり、
    水の平均液滴径が200μm以下である、
    歯磨剤用顆粒の製造方法。
  2. 水硬性粉体(B)が、ケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、CaO及びCaSO4から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  3. 水硬性粉体(B)に対する水(C)の配合質量比[(C)/(B)]が、0.01以上、1以下である、請求項1又は2に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  4. 水の供給速度が、水不溶性粉末材料(A)と水硬性粉体(B)との合計100質量部に対して、35質量部/分以下、0.1質量部/分以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  5. 容器回転型造粒機がドラム型造粒機である、請求項1〜4のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  6. 容器回転型造粒機のフルード数が1.0以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  7. 噴霧ノズルが多流体ノズルである、請求項1〜6のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
  8. 水の供給温度が5℃以上、50℃以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
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