JP3650308B2 - 崩壊性粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄や濯ぎの過程において水に溶解している塩類濃度の低下によって粒子が崩壊し、皮膚の損傷や痒みのない崩壊性粒子を効率良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粒子を配合した洗い流すタイプの洗顔料、ボディーソープ、固形石鹸等の皮膚洗浄剤、マッサージクリーム等は、物理的洗浄によって、通常の皮膚洗浄剤等では洗い落としが難しい垢(余分な角質)、毛穴に入り込んだ汚れ等が洗い落とせるという特徴を有する。又、肌を洗っているときに粒子で洗っている適度な使用感(スクラブ感)が得られるため、広く根強い需要がある。
従来使用されてきた粒子としては、植物の種子を粉砕したものや、ポリエチレン、ポリスチレン等の炭化水素系高分子からなる50〜1000μm程度の粒子が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの粒子は、物理や洗浄効果やスクラブ感は高いが、肌に対する刺激や肌荒れ等の心配や、使用後の洗い流し性が悪く、粒子が残るといった問題があった。
この様な問題を解決するために、微細な水不溶性高分子粉体をアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロースで造粒した粒子を洗浄料に用いる技術が提案されている(特開平5−221826号公報)。該造粒粒子は、洗浄中に崩壊して微細粒子となり、良好な洗浄効果及びマッサージ効果を有するとされている。
【0004】
しかしながら、この様な造粒粒子の製造においては、所望の硬さ及び崩壊性を有する粒子を得る為に、バインダーとなるアルキルセルロースとヒドロキシアルキルセルロースの配合量の調整が難しい。又、これらのバインダーは水溶性である為、皮膚洗浄剤等に配合し長期間保存した場合、粒子から溶け出し粒子の使用感が低下する。更に、造粒においては、バインダー種の選択以外に、そのバインダーの使用形態、即ち、粉体に添加するバインダー溶液の濃度や粘度が造粒物の崩壊性、硬さ(感触)等に影響を与えると考えられるが、これらのことに関しては言及されていない。
【0005】
本発明の目的は洗浄剤中において安定に存在しており、洗浄初期には高い物理的洗浄効果と適度なスクラブ感を発現し、更に、洗浄過程及び濯ぎ過程において粒子が崩壊することにより、洗い流し性に優れ、且つ、皮膚の損傷や痒みの発生が無い物理的洗浄に好適な崩壊性粒子を、安定に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、一次粒子から物理的洗浄用の粒子を製造するに際し、特定の結合剤溶液で一次粒子を攪拌転動造粒することにより、所望の硬さ、崩壊性を有する粒子が容易にかつ安定して製造できることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、少なくとも一部が水に不溶性である一次粒子を、0.1〜10.0Pa・sの粘度を有する塩感応性結合剤溶液を用いて攪拌転動造粒する崩壊性粒子の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の崩壊性粒子は、少なくとも1種が水不溶性である2種以上の一次粒子を造粒して形成された粒子であり、水溶性塩類含有水溶液中において水溶性塩類濃度の低下によりその造粒物の凝集が崩壊するもの、即ち水溶性塩類濃度が高い場合に比べて低い場合の方が崩壊率の高いものである。
【0009】
本発明の崩壊性粒子を構成する一次粒子は、少なくとも一部が1種以上の水不溶性一次粒子であればよい。例えば水不溶性一次粒子、又は水不溶性一次粒子と水溶性一次粒子の組合わせが挙げられる。崩壊性の点より好ましい態様として、2種以上、更に好ましくは3種以上の水不溶性一次粒子の組合わせ、又はこれらの組合わせと水溶性一次粒子との組合わせが挙げられる。これら一次粒子は有機粒子でも無機粒子でもよい。ここで「水不溶性」とは、25℃において水99重量部に対象粒子1重量部を溶解させたとき、その50重量%未満が溶解すること、「水溶性」とは同条件でのその50重量%以上が溶解することを意味し、水溶液を濾紙(No.2)で濾過し、濾液中の固形分量より判定する。水溶性一次粒子としては、当該溶解性が90重量%以上のものが好ましい。
【0010】
水不溶性一次粒子としては次のものが挙げられる。
有機粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンやポリウレタン又はそれらの架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムやポリ(メタ)アクリル酸エステル又はそれらの架橋体等の他、エチレンゴム、プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴム類又はそれらの架橋体等の合成高分子;セルロース又はその誘導体、キトサン又はその誘導体、澱粉、果実の殻等の天然高分子又はその誘導体が挙げられる。中でも、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース又はその誘導体、澱粉等が好ましく用いられる。ここで「ポリ(メタ)アクリル酸」は「ポリアクリル酸」と「ポリメタアクリル酸」の双方を意味する。
【0011】
無機粒子としては、ベントナイト、タルク、マイカ、カオリン、セピオライト、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、無水珪酸、ヒドロキシ・カルシウム・アパタイト等の他、真珠質が挙げられる。中でも、ベントナイト、タルク、マイカ、カオリン、シリカ等が好ましく用いられる。
【0012】
水溶性一次粒子としては、次のものが挙げられる。
有機粒子としては、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ塩、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合物のアルカリ塩、アクリル酸/マレイン酸共重合物のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン等の合成高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシアルキルセルロース、変性澱粉(ヒドロキシアルキル変性澱粉、リン酸エステル変性澱粉等)、ショ糖、乳糖等の糖類;海藻類、タンパク質等の天然高分子が用いられる。
【0013】
無機粒子としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩が挙げられる。尚、塩化ナトリウムの場合、一般に販売されている食塩、高純度精製塩、天然塩等が使用される。中でも塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム等の無機粒子が好ましい。
【0014】
これらの水溶性及び不溶性の一次粒子は、真球状、略球状及び、粉砕等により異形の形状でも良く、また、中空、多孔質の粒子も用いることができる。又、これらの一次粒子は単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明崩壊性粒子における水不溶性一次粒子と水溶性一次粒子との重量比率は、(水不溶性一次粒子)/(水溶性一次粒子)=1/99〜100/0の範囲が好ましく、50/50〜100/0が更に好ましい。
これらの一次粒子のレーザー回折/散乱法で測定した平均粒径は100μm以下、より好ましくは70μm以下であることが望ましい。一次粒子の平均粒径が100μm以下の場合、被洗浄体の洗浄過程及び濯ぎ過程において崩壊性粒子が崩壊した場合において、皮膚への刺激が特に低く、又、洗い流し性の点で好ましい。
【0015】
本発明における塩感応性結合剤溶液は、該結合剤が、水溶性塩類水溶液中において、該塩類濃度の低下により溶解し、該塩類濃度の上昇により析出するものであれば特に制限されないが、ポリビニルアルコール又はその誘導体(例えばカルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等)、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ塩、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合物のアルカリ塩、アクリル酸/マレイン酸共重合物のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン等の合成品;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、ヒドロキシアルキルセルロース、澱粉誘導体等の半合成高分子;澱粉、海草類、植物粘質物、タンパク質等の天然高分子が用いられる。
中でも、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール及びカルボキシメチルセルロース塩が好ましい。
【0016】
カルボン酸変性ポリビニルアルコールとしては、変性種としてアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸が挙げられ、中でもメタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸が好ましく用いられる。変性率は、塩濃度低下による崩壊性及び使用感の観点より0.1〜8mol%(ポリビニルアルコール組成における変性種を有する単量体の酢酸ビニル及び変性種の合計に対するモル比)が好ましい。重合度としては300〜2500が好ましく、より好ましくは500〜2000である。
【0017】
スルホン酸変性ポリビニルアルコールは、スルホン酸塩含有の重合単量体(例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩)がポリビニルアルコール骨格中に組み込まれたものを意味する。変性率は、塩濃度低下による崩壊性及び使用感の観点より0.1〜8mol%が好ましい。重合度としては300〜2500が好ましく、より好ましくは500〜2000である。
【0018】
カルボキシメチルセルロース塩(塩としてアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が例示される)の場合、エーテル化度(セルロースの無水グルコース単位中3個存在する水酸基のうちカルボキシメチル基で置換されている水酸基の比:0〜3.0の範囲の値をとる)は、塩濃度低下による崩壊性及び使用感の点より0.2〜1.2の範囲が好ましく、0.3〜1.1の範囲がより好ましい。
【0019】
塩感応性結合剤にはカルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース塩以外の結合剤を併用してもよい。
本発明の崩壊性粒子においては、前記一次粒子と、水溶性結合剤とは、同一種の材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
【0020】
塩感応性結合剤は、水に溶解して使用されるが、防腐剤、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤等を加えても良い。
【0021】
本発明は、この様な一次粒子及び塩感応性結合剤溶液を、攪拌羽根を具備した造粒機で攪拌混合して造粒するが、造粒時に添加される塩感応性結合剤溶液の粘度は、0.1〜10.0Pa・s、好ましくは0.5〜8.0Pa・s、特に好ましくは0.5〜5.0Pa・sであることを要する。この粘度範囲にて攪拌転動造粒することにより、造粒制御や、結合剤の均一分散、ハンドリングが容易であり、硬さ、崩壊性等の性状の均一な崩壊性粒子が容易に安定して製造される。
【0022】
造粒時に添加される塩感応性結合剤溶液の粘度は、既溶液濃度及び/又は温度によって調整される。製造した崩壊性粒子の洗浄剤製品中における長期安定性と、水溶性塩類濃度の低下による崩壊性を両立させる為には、一次粒子100重量部に対して、塩感応性結合剤溶液は40〜80重量部、好ましくは45〜60重量部となるように選択するのが好ましい。又、塩感応性結合剤としては0.5〜30重量部となるように選択するのが好ましい。
【0023】
本発明の崩壊性粒子を攪拌転動造粒を行うに先立って、予め一次粒子のみを、攪拌転動造粒機に仕込み、また、ジャケットを具備した造粒機では、ジャケット温度を5〜50℃、より好ましくは10〜35℃、最も好ましくは15〜25℃にコントロールして攪拌混合するのが好ましい。この工程を行うことにより一次粒子はより均一に分散混合され、一次粒子温度も一定になり製造された時期や、バッチの違いによらず安定した性能の崩壊性粒子が得られる。混合は、3〜30分間、特に5〜20分間行うのが一次粒子の組成及び温度の均一性、及び生産性の観点から好ましい。
【0024】
攪拌転動造粒は、造粒機の攪拌羽根の先端速度を、5〜40m/s、特に10〜30m/sとなるように調整して行うのが好ましく、かかる速度で造粒することにより造粒された崩壊性粒子に適度な空隙が生じ圧密化が低減されると同時に、充分な粒子の凝集と整粒が出来て、所期の性能を有する崩壊性粒子が得られる。
【0025】
本発明のこのような攪拌転動造粒は、攪拌羽根を具備し、その攪拌羽根により原料を攪拌転動造粒操作を行うものである。例えば、ハイスピードミキサー、バーティカルグラニュレーター、レディゲミキサー、スパルタンリューザー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、グラル等が用いられる。
【0026】
製造された崩壊性粒子の比重は、洗浄時のスクラブ感、マッサージ感及び崩壊性の点で、嵩比重/真比重の値が0.1〜0.6、特に0.2〜0.6の範囲になる様に調整して製造するのが良い。ここで崩壊性粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱法で測定して100〜800μm、好ましくは125〜600μm、特に150〜360μmであるのが良く、皮膚洗浄剤、マッサージクリーム等の使用時における違和感のないスクラブ感が得られるので好ましい。
【0027】
本発明において攪拌転動造粒して製造された造粒物を、そのまま崩壊性粒子として使用しても良いが、乾燥を行うのが好ましい。この乾燥する工程は、造粒物の品質、特に、結合剤の結晶化に伴う溶解性悪化防止の点から、該崩壊性粒子の温度が100℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下で行うのが好ましい。
乾燥は、静置型、ロータリー型、流動層型、真空乾燥型等の乾燥機を用いることができる。特に、熱風流動層乾燥機は、生産性が高く、造粒した粒子へかかる力が小さい等の利点があり好適に用いられる。
【0028】
次いで、崩壊性粒子の目的に応じた平均粒径及び粒度分布を有する崩壊性粒子に分級するのが好ましい。分級は風力分級によるものや、振動篩によるもの等があるが、振動篩型のものが、篩効率が良く、付属設備も少ないので設備投資を抑えられる。また、振動篩の中でも水平(振動)運動するものは長時間運転しても篩の目詰まりが少なく適している。
【0029】
本発明は、少なくとも一部が水不溶性である一次粒子を0.1〜10.0Pa・sの粘度の塩感応性結合剤水溶液を用いて攪拌転動造粒し、必要により乾燥、次いで分級されるが、この工程の条件は各成分、工程での好ましい条件の組合わせが好ましい。
【0030】
かくして製造された崩壊性粒子を、洗浄剤組成物に配合した場合、該洗浄剤組成物中では崩壊性粒子は崩壊することなく安定に分散しており、洗浄過程及び濯ぎ過程における水溶性塩類濃度の低下とともに粒子は崩壊する。このような洗浄剤組成物への配合を考慮すれば、本発明の崩壊性粒子の崩壊特性は、水溶性塩類濃度が1.0重量%未満、より好ましくは1.5重量%未満の水溶液中で少なくとも一部が崩壊するように結合剤を選択設計するのが好ましく、濯ぎ水による洗い流し性の点から、更に水溶性塩類濃度1.0重量%未満、より好ましくは1.5重量%未満の水溶液中で、洗浄前(すなわち崩壊前)の崩壊性粒子に対し70重量%以上が崩壊するように設計されるのがより好ましい。
【0031】
本発明で製造された崩壊性粒子は、界面活性剤、油剤、増粘剤、溶剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、香料、消炎剤、殺菌剤、紫外線吸収剤等と組合わせて、例えば、洗顔料、全身洗浄料、固形石鹸等の皮膚洗浄料、シャンプー、食器用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、歯磨きなどのほかマッサージクリームのマッサージ剤等にも広く用いることができる。
【0032】
【実施例】
実施例1
コーンスターチ40重量部、セルロースパウダー60重量部、合計300gの粉末を、攪拌造粒機(2Lハイスピードミキサー)に仕込み、アジテーター回転数700rpm、チョッパー回転数800rpmで20分間混合した後、カルボキシメチルセルロース−マグネシウム塩5重量部を精製水95重量部に溶解し、温度30℃の水溶液(粘度:1.7Pa・s)78gを5分間で添加した。添加終了後、3分間攪拌を行い排出し、造粒物293gを得た。これらの操作は連続的に行い、攪拌羽根が回転している間はジャケットに15℃の水道水を通水した。得られた造粒物を設定60℃の電気式棚乾燥機で、一昼夜乾燥させ、乾燥した造粒物223gを得た。125〜300μmの粒子を標準篩により分取し、崩壊性粒子を91g得た。
【0033】
実施例2
セルロースパウダー45重量部、コーンスターチ55重量部、合計3kgの粉末を、攪拌造粒機(20Lヘンシェルミキサー)に仕込み、攪拌羽根(上羽根:Y1型、下羽根:A0型)を回転数1260rpmで20分間混合した。ポリビニルアルコール15重量部を精製水85重量部に溶解した温度60℃の水溶液(粘度:2.2Pa・s)1.54kgを10分で添加した。その後、6分間攪拌を行い排出し造粒物2.93kgを得た。得られた造粒物を熱風乾燥機で、100℃の熱風で30分間乾燥させ、乾燥した造粒物1.64kgを得た。乾燥した造粒物をジャイロ式分級機で分級し、132〜311μmの崩壊性粒子を0.63kg得た。
【0034】
比較例1
セルロースパウダー45重量部、コーンスターチ45重量部、合成雲母10重量部、合計50kgの粉末を、攪拌造粒機(500Lスーパーミキサー)に仕込み、攪拌羽根(上羽根:S型、下羽根:D型)を回転数370rpmで20分間混合した。ポリビニルアルコール10重量部を精製水90重量部に溶解した温度65℃の水溶液(粘度:0.1Pa・s)28kgを12分で添加した。更に6分間攪拌し攪拌造粒を行い排出し造粒物76kgを得た。得られた造粒物をG1lat流動造粒乾燥機に仕込み、120℃の熱風で56分間乾燥し、乾燥した造粒物50kgを得た。乾燥した造粒物をジャイロ式分級機で分級し、132〜311μmの崩壊性粒子を19.8kg得た。
【0035】
実施例3
コーンスターチ60重量部、セルロースパウダー10重量部、蔗糖30重量部、合計300gの粉末を、攪拌造粒機(2Lハイスピードミキサー)に仕込み、アジテーター回転数700rpm、チョッパー回転数800rpmで20分間混合した後、カルボキシメチルセルロース−マグネシウム塩5重量部を精製水95重量部に溶解した温度30℃の水溶液(粘度:1.3Pa・s)72gを10分かけて添加した。添加終了後、6分間攪拌を行い排出し造粒物295gを得た。得られた造粒物を設定60℃の電気式棚乾燥機で、一昼夜乾燥させ、乾燥した造粒物225gを得た。乾燥した造粒物の内、125〜300μmを標準篩により分取し、崩壊性粒子を73g得た。
【0036】
比較例2
セルロースパウダー3kgを、攪拌造粒機(20Lヘンシェルミキサー)に仕込み、攪拌羽根(上羽根:Y1型、下羽根:A0型)を回転数1260rpmで20分間混合した。カルボキシメチルセルロース−マグネシウム塩3重量部を精製水97重量部に溶解した温度25℃の水溶液(粘度:0.4Pa・s)2.46kgを10分で添加した。その後、6分間攪拌を行い排出し、造粒物2.95kgを得た。得られた造粒物を熱風流動乾燥機で、100℃の熱風で30分間乾燥させ、乾燥した造粒物1.64kgを得た。乾燥した造粒物をジャイロ式分級機で分級し、132〜311μmの崩壊性粒子を0.96kg得た。
【0037】
比較例3
セルロースパウダー3kgを、攪拌造粒機である20Lヘンシェルミキサーに仕込み、攪拌羽根回転数1260rpmで20分間混合した。尚、造粒機の攪拌羽根としては、上羽根にY1型、下羽根にA0型を用いた。次に結合液として、25℃の精製水2.46kgを10分で添加した。その後、15分間攪拌を行い排出した。その結果、温度38℃の造粒物2.96kgが得られた。これらの操作は連続的に行い、攪拌羽根が回転している間はジャケットに15℃の水道水を通水し冷却した。得られた造粒物を熱風流動乾燥機で、100℃の熱風で30分間乾燥させ、乾燥した造粒物1.66kgを得た。乾燥した造粒物をジャイロ式分級機で分級し、得られた132〜311μmの粒子1.20kgを崩壊性粒子とした。
【0038】
試験例
実施例及び比較例において製造された崩壊性粒子及び粒子の平均粒径、嵩密度/真密度の値、崩壊率を、次の測定法に従い測定した結果を表1に示す。
【0039】
(1)平均粒径
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所(株)製)を使用して測定し、メジアン径を平均粒径とした。一次粒子の場合は水に、崩壊性粒子の場合はイソプロピルアルコールに分散して測定した。
【0040】
(2)嵩密度/真密度の値
嵩密度の測定方法
JIS K3362記載の「見掛け密度測定器」を水平に置き、漏斗から秤量済みの円筒容器に125〜300μm崩壊粒子を自然落下させる。容器から盛り上がった試料をすり落とし、容器の重さを計る。〔嵩密度(g/L)〕=〔容器中の試料の重さ(g)〕/〔容器の容量(L)〕とした。
真密度の測定方法
125〜300μmの崩壊性粒子1.3gをサンプルカップに入れて秤量した後、マルチボリウムメーター1305 MICROMERITICS INSTRUMENT社製にて、ヘリウムガスを用いて真密度(g/cc)を測定した。
嵩密度/真密度=嵩密度(g/L)÷真密度(g/cc)÷1000(L/cc)
【0041】
(3)崩壊率
0.9%食塩水29.7gにそれぞれの崩壊性粒子を0.3g加え、35℃の恒温槽に15時間保存した。次いでこの試料6gを人工皮革上に計り取り、更にもう1枚の人工皮革で覆い、5g/cm2の荷重をかけ前後に5往復した後、200メッシュ(篩径74μm)の篩で濾過し、残渣の乾燥重量を測定する。このときに崩壊性粒子が200メッシュの篩を通過した量比を重量百分率で表し、0.9%の食塩水崩壊率A(%)とした。
同様の操作を10%食塩水で行い、10%食塩水崩壊率B(%)とした。
尚、0.9%食塩水崩壊率Aを使用時及び洗い流し時の崩壊性の指標に、10%食塩水崩壊率Bを製品中での安定性の指標とした。
【0042】
(4)結合剤水溶液粘度の測定方法
バインダー添加温度での粘度を、B型粘度計(東京計器(株)製)により、JIS Z 8803に準じて測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
表1の結果より、本発明で製造された崩壊粒子はいずれも塩濃度低下に伴い優れた崩壊性を示した。
【0045】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、塩感応性結合剤水溶液粘度を特定範囲内にすることにより、容易に所期の崩壊性粒子を効率良く製造ができ、製造された崩壊性粒子は皮膚洗浄剤等に使用した場合スクラブ感の良好な崩壊性を有する。
Claims (5)
- 少なくとも一部が水不溶性である一次粒子を、予めジャケットを具備した攪拌転動造粒機に仕込み、ジャケット温度を15〜25℃にコントロールして予備攪拌混合した後、0.5〜8.0Pa・sの粘度の塩感応性結合剤溶液を用いて攪拌転動造粒する崩壊性粒子の製造方法。
- 造粒中に添加される塩感応性結合剤溶液の粘度を温度によって調整する、請求項1記載の製造方法。
- 予備攪拌混合時間が5〜20分間である、請求項1又は2記載の製造方法。
- 攪拌転動造粒後に熱風流動層乾燥を行う請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 上記攪拌転動造粒機の攪拌羽根の先端速度が5〜40m/sで攪拌転動造粒を行う、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
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