JP6404683B2 - 衝撃センサおよび部品実装装置 - Google Patents
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<第1実施形態の構成>
次に、本発明の第1実施形態のワッシャ型センサ400の構成を図1〜図4を参照し説明する。なお、ワッシャ型センサ400は、後述する他の実施形態による部品実装装置に組み込んで好適なものである。
図1は、ワッシャ型センサ400の主要部の分解斜視図である。ワッシャ型センサ400は、板ばねプレート401と、圧電膜プレート410とを主要な構成要素としている。板ばねプレート401は、平板円環状の金属板を周回方向に沿って120°周期のサインカーブを描くように湾曲させて成るものであり、これによって周回方向に沿って120°間隔で凸部401aおよび凹部401bが形成されている。これにより、板ばねプレート401は、板厚方向に力を受けると、平板に近づくように撓む板ばね構造を有している。
以上のように、本実施形態によるワッシャ型センサ400は、弾性部材を板状に形成して成る板ばねプレート(401)と、前記板ばねプレート(401)に接合される圧電膜プレート(410)であって、圧電膜(402)と、前記圧電膜(402)の第1の面(上面)に配置された第1の電極(403)と、前記第1の面(上面)に配置され、前記第1の電極(403)には接しない第2の電極(404)と、前記圧電膜(402)の第2の面(下面)に、前記第1の電極(403)に対向して配置された第3の電極(405)と、前記圧電膜(402)の前記第2の面(下面)に、前記第2の電極(404)に対向して配置された第4の電極(406)とを有する圧電膜プレート(410)とを有し、前記板ばねプレート(401)に衝撃が加わると、前記第1および第4の電極(403,406)が正電位または負電位のうち一方の電位(正電位)に帯電し、前記第2および第3の電極(404,405)が他方の電位(負電位)に帯電するものである。
<第2実施形態の構成>
次に、本発明の第2実施形態のワッシャ型センサについて説明する。本実施形態のワッシャ型センサは、第1実施形態のものと同様に、圧電膜プレートと、板ばねプレートとを接合して構成される。このうち、板ばねプレートは、第1実施形態に示した板ばねプレート401と同様であるため、説明を省略し、圧電膜プレートについて詳細を説明する。
以上のように、本実施形態よるワッシャ型センサは、圧電膜(422)には貫通孔(422a)が形成されており、第2の面(下面)に配置された第3および第4の電極(425,426)の一部(425a,426a)は前記貫通孔(422a)を経由することで第1の面(上面)に露出することを特徴とするものである。
次に、本発明の第3実施形態のワッシャ型センサについて説明する。
図7(a)は本実施形態によるワッシャ型センサ900の平面図、図7(b)はその側面図であり、図7(c)は図7(a)におけるF−F’断面図である。図7(a)において、板ばねプレート401は、第1実施形態のものと同様に形成されており、その上面には、圧電膜プレート910が接合されている。圧電膜プレート910は、第1実施形態における圧電膜プレート410(図2参照)と同様に構成されている。すなわち、圧電膜プレート910は、平板円環状の圧電膜902と、その上面に形成された電極層903,904と、下面に形成された電極層905,906(図7(c)参照)とから構成されている。
<第4実施形態の構成>
次に、本発明の第4実施形態による部品実装装置の構成を図8を参照し説明する。なお、本実施形態は、第1〜第3実施形態による何れかのワッシャ型センサを、部品実装装置に適用したものである。
図8において、吸着ノズル1100は、基板1005に実装すべき電子部品を保持するものであり、吸着搬送装置1001は、吸着ノズル1100をz方向に移動させるものである。なお、吸着搬送装置1001は、ヘッドアクチュエータと称呼される場合もある。xビーム1002は、吸着搬送装置1001をx方向に移動させるものであり、yビーム1003は、吸着搬送装置1001をy方向に移動させるものである。処理部1004は、後述するプログラムに基づいて、吸着ノズル1100、吸着搬送装置1001、xビーム1002、yビーム1003等を制御する。
図9において、リニアアクチュエータ1401は、吸着ノズル1100(図8参照)が装着されるシャフト1102を上下方向に駆動するものであり、シャフト1102の現在位置を検出するエンコーダも内蔵している。また、詳細は後述するが、吸着ノズル1100には、第1〜第3実施形態による何れかのワッシャ型センサが装着されている。センサ信号処理部1405は、上記リニアアクチュエータのエンコーダや、吸着ノズル1100内のワッシャ型センサ等の出力信号に基づいて、リニアアクチュエータ1401、流体制御機器1402、サーボコントローラ1406等に各種コマンドを出力する。
図10(a)に示すように、シャフト1102は略円筒状に形成されている。そして、図10(b)に示すように、その途中部分は、吸着ノズル1100を装着するために、内径が大きくなっており、装着溝1102aが形成されている。
次に、本実施形態の動作を図11を参照しつつ説明する。なお、同図はセンサ信号処理部1405(図9参照)において実行されるプログラムのフローチャートである。
図11のプログラムが動作する前に、処理部1004(図8参照)の制御により、吸着ノズル1100には電子部品が吸着され、リニアアクチュエータ1401は基板1005のランドの上方に位置決めされる。なお、「ランド」とは、基板1005上で電子部品を実装すべき部分を指す。より具体的には、当該部分には電極が形成されるとともに、その電極上にソルダーペーストが塗布されている。
図12(a)において、時刻t1以前の期間では、吸着ノズル1100の速度は速度V1になっている。これは、図11においてステップ1502,1503のループが繰り返されている期間に相当する。また、時刻t1〜t2の期間においては、吸着ノズル1100の速度が減速され、速度V2になっているが、これは、図11のステップ1504において減速が開始された後、ステップ1505にて「No」と判定されるループが繰り返されている期間に相当する。
以上のように本実施形態によれば、ワッシャ型センサ1103によって微小な衝撃力を検知できるから、微小な部品の破損を未然に防止することができる。また、センサ1103はコンパクトに構成できるため、装置の大型化を抑制でき、さらにセンサ1103は軽量に構成できるため、吸着ノズル1100の位置決め精度を高くでき、外乱に対してロバストな制御系を構成できるという効果を奏する。また、吸着ノズル1100は消耗品であり、シャフト1102に対して簡単に着脱可能にすることが元々望まれている部材である。本実施形態によれば、センサ1103は、その吸着ノズル1100の装着箇所に組み込める小さなサイズと軽い質量を実現できるため、高いメンテナンス性も実現することができる。
<第5実施形態の構成>
次に、本発明の第5実施形態による部品実装装置の構成について説明する。
本実施形態においては、第4実施形態に適用されていた吸着ノズル1100に代えて、図13に示す吸着ノズル100が適用される。但し、それ以外のハードウエア構成は第4実施形態のものと同様である。そこで、吸着ノズル100の構成を図13を参照し説明する。
図14(a)に示す状態では、シリンダ1101の内部は負圧になっており、先端部1105の先端部分には、電子部品104が吸着されている。そして、電子部品104は、吸着ノズル100とともに、ランド105の上方に位置している。この状態で吸着ノズル100を降下してゆくと、電子部品104がランド105に衝合する。その状態を図14(b)に示す。
吸着ノズル100を降下させてゆくと、図15(a)に示すように電子部品104がランド105に接触するが、そのタイミングにおける吸着ノズル100の凡その高さは、予め推定することができる。そのランド接触高さの推定値を「H1」という。次に、吸着ノズル100をさらに降下させると、緩衝バネ1106が縮んでゆくが、最大限縮んだ際の縮み量を「L1(図示せず)」という。
次に、本実施形態の動作を図16を参照し説明する。
図16はセンサ信号処理部1405(図9参照)において実行されるプログラムのフローチャートである。第4実施形態の処理(図11参照)と同様に、図16のプログラムが動作する前に、処理部1004(図8参照)の制御により、吸着ノズル100には電子部品104が吸着され、リニアアクチュエータ1401は基板1005のランド105の上方に位置決めされる。
図17(a)において、時刻t11以前の期間にて、既に速度は速度V2’に減速されていることとする。時刻t12に至るまで、ワッシャ型センサ1103の出力信号はゼロになっているが、時刻t12においてインパルス状に立ち上がっている。この時刻t12は、電子部品104がランド105に衝合したタイミングであり、図16のステップ1805にて「Yes」と判定されるタイミングである。
次に、本実施形態と比較するための比較例について説明する。この比較例のハードウエア構成は、ワッシャ型センサ1103を「用いない」点を除いて、第5実施形態と同様であることとする。従って、本比較例においても、緩衝バネ1106を内蔵した吸着ノズル100が適用される。
以上のように、本実施形態による部品実装装置は、部品(104)を搬送する搬送部材(100)と、前記搬送部材(100)に設けられ、前記部品(104)の搬送先(105)に前記部品(104)が衝合した際にパルス状の第1の信号を出力する検知装置(1103)と、前記第1の信号に基づいて前記搬送部材(100,1100)を制御する処理部(1405)と、を有し、前記検知装置(1103)は、第1〜第3実施形態の何れかのワッシャ型センサを有するものである。
次に、本発明の第6実施形態による部品実装装置の構成について図20を参照し説明する。なお、図20は本実施形態の要部の外観を示す図である。
本実施形態においては、第5実施形態に適用されていたシャフト1102に代えて、図20に示すシャフト1202が適用される。シャフト1202は、吸着ノズル着脱部1107と嵌合する装着溝1202aが形成されている点等において第5実施形態のシャフト1102と同様に形成されている。但し、シャフト1202は、その下端近傍に半径方向に突出する一対の小突起1207,1208が形成されている点でシャフト1102とは異なる。
センサフォルダ1302は、平板円環状の底板1313と、底板1313の外周から上方向に突出する円筒状の側壁部1314とを有している。図21(a)において、側壁部1314の内壁には、上述の小突起1207,1208と遊嵌する一対の凹部1311,1312が形成されている。すなわち、センサフォルダ1302は、凹部1311,1312を小突起1207,1208に遊嵌させつつ、上下方向に若干移動することが可能になっている。これにより、ワッシャ型センサ1103の撓み量が変化した場合であっても、吸着ノズル100と、センサフォルダ1302と、ワッシャ型センサ1103と、シャフト1202との密着状態を確保することができる。
次に、本発明の第7実施形態による部品実装装置の構成について図22を参照し説明する。本実施形態の部品実装装置は、第6実施形態に適用された吸着搬送装置1001(図8,図9参照)に代えて、図22に示す吸着搬送装置1901が適用される。その他のハードウエア構成は、第6実施形態と同様である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)上記各実施形態において、ワッシャ型センサ400,900等は円環状に形成されたが、ワッシャ型センサの形状は円環状に限定されるものではなく、四角形、その他の多角形など任意の形状のものを用いてよい。
(2)上記各実施形態の板ばねプレート401は、凸部401aおよび凹部401bを、各々3箇所形成したが、凸部401a,凹部401bの数は適宜増減してもよい。さらに、板ばねプレート401に代えて、凹部,凸部を有しない平板状の板ばねプレートを用いてもよい。この場合は、板ばねプレートを挟む部材(図20の例においては、シャフト1202およびセンサフォルダ1302)に、相互に噛み合うような凹凸を形成しておくと、板ばねプレートに圧力が加わった際に板ばねプレートが波状に撓むため、上記各実施形態と同様に、圧電膜プレートの出力信号から衝撃を検出することができる。
(4)上記各実施形態においては、板ばねプレート401として金属板を適用したが、弾性部材を板状に形成して成るものであれば、板ばねプレート401は金属でなくてもよい。板ばねプレート401として絶縁物を用いれば、板ばねプレート401と圧電膜プレート410,910,920との絶縁を確保する必要はなくなる。
すなわち、本変形例によるワッシャ型センサは、第2の面(下面)に配置された第3および第4の電極(425,426)の一部(425a,426a)は圧電膜(422)の端部を経由することで第1の面(上面)に露出することを特徴とするものである。
(1)上記実施形態において搬送・実装の対象となる「部品」とは「電子部品」を指していたが、本発明における「部品」は「電子部品」に限られるものではなく、食品や医薬品、生体試料等も含む。また、部品の「実装」も、ランドへの埋め込みなどを伴うことは必須ではなく、単純に「所定の位置に配置する」という動作も「実装」の概念に含まれる。
104 電子部品(部品)
105 ランド(搬送先)
400 センサ
400,900 ワッシャ型センサ(検知装置)
401 板ばねプレート(板ばねプレート)
401a 凹部
401b 凸部
402 圧電膜
403 電極層(第1の電極)
404 電極層(第2の電極)
405 電極層(第3の電極)
406 電極層(第4の電極)
408 接着層
410,910,920 圧電膜プレート
420 圧電膜プレート
422a スルーホール(貫通孔)
423 電極層(第1の電極)
424 電極層(第2の電極)
425 電極層(第3の電極)
426 電極層(第4の電極)
602〜605 リード線
801〜804 リード線
902 圧電膜
903〜906 電極層
912 圧電膜
913〜916 電極層
1001 吸着搬送装置
1002 xビーム
1003 yビーム
1004 処理部
1005 基板
1101 シリンダ
1102 シャフト
1103 ワッシャ型センサ(検知装置)
1104 フランジ部
1105 先端部
1106 緩衝バネ(弾性体)
1401 リニアアクチュエータ
1402 流体制御機器
1403 レギュレータ
1404 真空ポンプ
1405 センサ信号処理部(処理部)
Claims (7)
- 弾性部材を板状に形成して成る板ばねプレートと、
前記板ばねプレートに接合される圧電膜プレートであって、圧電膜と、前記圧電膜の第1の面に配置された第1の電極と、前記第1の面に配置され、前記第1の電極には接しない第2の電極と、前記圧電膜の第2の面に、前記第1の電極に対向して配置された第3の電極と、前記圧電膜の前記第2の面に、前記第2の電極に対向して配置された第4の電極とを有する圧電膜プレートと
を有し、前記板ばねプレートに衝撃が加わると、前記第1および第4の電極が正電位または負電位のうち一方の電位に帯電し、前記第2および第3の電極が他方の電位に帯電する衝撃センサにおいて、
前記板ばねプレートは、前記第1の面から突出する側に撓んだ凸部と、前記第1の面から凹む側に撓んだ凹部とを有することを特徴とする衝撃センサ。 - 前記第1および第3の電極が前記凸部に対向し、前記第2および第4の電極が前記凹部に対向する
ことを特徴とする請求項1に記載の衝撃センサ。 - 前記圧電膜には貫通孔が形成されており、
前記第2の面に配置された前記第3および第4の電極の一部は前記貫通孔を経由することで前記第1の面に露出する
ことを特徴とする請求項2に記載の衝撃センサ。 - 前記第2の面に配置された前記第3および第4の電極の一部は前記圧電膜の端部を経由することで前記第1の面に露出する
ことを特徴とする請求項2に記載の衝撃センサ。 - 部品を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に設けられ、前記部品の搬送先に前記部品が衝合した際にパルス状の第1の信号を出力する検知装置と、
前記第1の信号に基づいて前記搬送部材を制御する処理部と、
を有し、前記検知装置は、請求項1ないし4の何れか一項に記載の衝撃センサを有することを特徴とする部品実装装置。 - 前記搬送部材は、前記部品の搬送方向に伸縮する弾性体を有し、前記搬送先に前記部品が衝合すると、衝合による衝撃が前記弾性体を介して前記検知装置に伝達される
ことを特徴とする請求項5に記載の部品実装装置。 - 前記処理部は、前記弾性体が縮んだ後に前記検知装置からパルス状の第2の信号が出力されると、前記搬送部材の速度を変更する
ことを特徴とする請求項6に記載の部品実装装置。
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