JP6404413B1 - マスク用耳ゴム及びマスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
マスク本体部1の左右に備えられる耳ゴム200であって、複数のゴム紐201が編み込まれてなる。また、複数のゴム紐201が束ねられて形成された組211が、耳ゴム200の長さ方向に対して斜めに配置されるように複数編み込まれ、複数のゴム紐201が、耳ゴム200の長さ方向に対して斜めに配置されていることが望ましい。
【選択図】図4
Description
耳掛け部に用いるゴム(以下「耳ゴム」という。)としては、マスク本体部の顔面への密着性を高めるためには張力の強いゴムを使用することが望ましいが、張力の強いゴムを使用すると、これが耳に食い込むように当たり、着用者が痛みを感じることとなる。一方、着用者の痛みを和らげるために張力の弱いゴムを使用すると、マスク本体部の顔面への密着性が低下してしまう。
そこで、耳への負担を軽減するために、耳ゴムの途中にゴムの長さや強さを調整するための調整部を設けたマスク(例えば、特許文献1参照)や、耳ゴムに弾性部材を取り付けたマスク(例えば、特許文献2参照)が存在している。
マスク本体部の左右に備えられるマスク用耳ゴムであって、
複数のゴム紐が編み込まれてなり、
前記ゴム紐の周囲を個々に巻回するように繊維状部材が巻かれていることを特徴とする。
本発明によれば、着用者の耳への負担を軽減できるマスク用耳ゴムを提供することができる。
請求項2に記載の発明は、
マスク本体部の左右に備えられるマスク用耳ゴムであって、
複数のゴム紐が束ねられて形成された組が、複数編み込まれてなることを特徴とする。
本発明によれば、着用者の耳への負担を軽減できるマスク用耳ゴムを提供することができる。
前記繊維状部材は、捲縮された繊維からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のマスク用耳ゴムにおいて、
前記組を形成する複数のゴム紐が捻られてまとめられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク用耳ゴムにおいて、
複数のゴム紐が、前記マスク用耳ゴムの長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込まれてなることを特徴とする。
本発明によれば、着用者の耳への負担を軽減できるマスク用耳ゴムを提供することができる。
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマスク用耳ゴムを備えたマスクである。
本発明によれば、着用者の耳への負担を軽減できるマスクを提供することができる。
なお、以下においては、図1に示すように、マスクの着用者を基準として、前後、左右及び上下を定めて説明する。
(全体構成)
マスク100は、図1及び図2に示すように、着用者の顔面の鼻、口、顎等を覆うマスク本体部1と、マスク本体部1を着用者の右耳に係止するための右耳掛け部2と、マスク本体部1を着用者の左耳に係止するための左耳掛け部3と、を備えている。なお、マスク100は、マスク本体部1の後面側を着用者の顔面に向けて着用される。
マスク本体部1は、図2に示すように、3枚以上の複数のシート材によって形成されたシート部11と、シート部11の上端部付近に取り付けられた鼻部補強部材12と、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられた口部補強部材13と、を備える。
シート部11は、図2に示すように正面視略矩形状に形成されたシート状の部材であり、複数のシート材を積層して形成されている。
シート部11は、左右方向120mmから210mm、好ましくは145mmから175mm、上下方向70mmから100mm、好ましくは80mmから90mmに形成される。
最も好適には、外面側不繊布111としてポリプロピレンスパンボンドが用いられ、着用者側不繊布113として保湿剤を塗布したナイロンスパンボンドが用いられ、これらの間に挟み込むフィルター112としてポリプロピレンメルトブローが用いられる。
鼻部補強部材周辺接続部11eは、正面視において鼻部補強部材12の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、鼻部補強部材12の周囲に若干の間隙が存在し、鼻部補強部材12を動かすことが可能であってもよい。
口部補強部材周辺接続部11fは、正面視において口部補強部材13の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、口部補強部材13の周囲に若干の間隙が存在し、口部補強部材13を動かすことが可能であってもよい。
また、これらの接続部は、前後にシート材が接続されていればよく、必ずしも熱・超音波等による溶着によって形成されている必要はない。
また、図1及び図2においてはこれらの接続部が実線状に形成された場合につき図示したが、これに限られず、接続部は例えば破線状に形成されていてもよい。
シート部11は、図3に示すように上下方向に折り返されており、これによって、前面側に、図1から図3に示すように、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h、11hとが形成されている。マスク100の着用時には、これらを上下方向に展開することによって、シート部11が外側に膨出する山型の立体形状となって、着用者の顔面の鼻、口、顎等が覆われるようになっている。
なお、プリーツの配置間隔には、上部プリーツ11gとマスク上端縁との間隔及び下部プリーツ11h,11hのうち下方に形成されたものとマスク下端縁との間隔を含むものとする。
鼻部補強部材12は、マスク本体部1の上部が着用者の鼻付近の形状に沿って、隙間が生じないようにするためのものであり、図2に示すように、シート部11の上端縁に沿って備えられている。
鼻部補強部材12は、左右方向に長い可塑性を有する部材であり、シート部11の横幅よりも短く、左右方向に80〜135mm、好ましくは90mm〜120mmの長さを有し、上下方向に幅3mm〜5mm、前後方向に厚み0.5mm〜1.0mmとなるように形成されている。
例えば、後述の口部補強部材13と同様に、外面側不繊布111は溶着されないようにして鼻部補強部材周辺接続部11eを形成し、鼻部補強部材12をシート部11に取り付けてもよい。また、例えば、鼻部補強部材12は、外面側不繊布111と、フィルター112との間に配置されていてもよい。
口部補強部材13は、マスク本体部1の着用者の口元付近の形状を維持するためのものであり、図2及び図3に示すように、シート部11の、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h,11hのうち上方に形成されたものとの間の位置の、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられている。
なお、口部補強部材13の取り付け位置としては、シート部11の上下方向中央部から5mmから10mm程度下方にずれた位置に取り付けられていることが望ましいが、マスク本体部1の着用者の口元付近の形状を維持することができればよく、このような配置位置には限られない。
これによって、口部補強部材13が、フィルター112と、着用者側不繊布113とに対して固定され、フィルター112、着用者側不繊布113及び口部補強部材13が、着用者の口元付近において固定されるが、外面側不繊布111については、シート部11の四辺の端部付近以外においては、他の部材に固定されていないこととなる。
右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、いずれも耳ゴム200をマスク本体部1に取り付けることによって形成されている。
具体的には、図1及び2に示すように、右耳掛け部2はマスク本体部1の右側において、耳ゴム200の一方の端部をシート部11の右端部の上部に熱・超音波等によって溶着させ、他方の端部をシート部11の右端部の下部に熱・超音波等によって溶着させることによって形成されている。また左耳掛け部3はマスク本体部1の左側において、耳ゴム200の一方の端部をシート部11の左端部の上部に熱・超音波等によって溶着させ、他方の端部をシート部11の左端部の下部に熱・超音波等によって溶着させることによって形成されている。
耳ゴム200は、図4に示すように複数のゴム紐201…によって形成された組211…を編み込むことによって形成されている。
ゴム紐201…は、伸縮性の材料によって形成された細い紐状の部材である。ゴム紐201…の材料としては、例えば、天然ゴムの場合にはラテックス等が、合成ゴムの場合にはポリウレタン等が用いられる。なお、ゴム紐201…としては、全て同じ太さのものを用いてもよいし、異なる太さの複数種類のものを混合して用いてもよい。
所定数のゴム紐201…を束ねることによって、図4に示すように組211…が形成される。組211としては、複数のゴム紐201…を束ねたのみでもよいし、これを捻る等してまとめてあってもよい。図4においては3本のゴム紐201…によって組211…が形成された場合につき図示したが、組211…を形成するゴム紐201…の数はこれに限られない。各組211…を形成するゴム紐201…は、全て同じ太さであってもよいし、異なる太さの複数種類のゴム紐201…が混合されていてもよい。
また、耳ゴム200は、幅5〜7mm程度の扁平な帯状に形成されることが望ましい。
(1) 例えば、被服用の紐を製造する製紐器のボビンに糸の代わりにゴム紐201を巻き、それを編み込むことで耳ゴム200を形成する。
(2) 肌から最も遠い面から順に、外面側不繊布111、フィルター112、着用者側不繊布113の順でシート材を重ね、フィルター112と、着用者側不繊布113との間の所定の位置に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を配置する。
(3) 外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、鼻部補強部材12の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、鼻部補強部材周辺接続部11eを形成する。また、フィルター112と着用者側不繊布113とを、口部補強部材13の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、口部補強部材周辺接続部11fを形成する。
(4) 重ねられたシート材を、上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h、11hが形成されるように折り畳む。
(5) 折り畳まれたシート材の上下及び左右の端部付近を、熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、上端部接続部11a、下端部接続部11b、右端部接続部11c及び左端部接続部11dを形成する。
(6) 耳ゴム200の両端部を、シート材の右端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ右耳掛け部2を形成し、耳ゴム200の両端部を、シート材の左端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ左耳掛け部3を形成する。
本実施形態に係るマスク100によれば、右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、複数のゴム紐201…が、長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込まれた耳ゴム200によって形成されている。これによって図4に示すように、各ゴム紐201…の張力が掛かる方向Aと、マスク100の装着時に耳ゴム200が伸縮する方向Bが異なるため、力が分散され、右耳掛け部2及び左耳掛け部3による耳への負担を軽減させることができる。
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を3本束ねることによって組211を形成し、このような組211を6組編み込むことによって形成された耳ゴム200である。
(実施例2)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を4本束ねることによって組211を形成し、このような組211を6組編み込むことによって形成された耳ゴム200である。
(実施例3)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を5本束ねることによって組211を形成し、このような組211を6組編み込むことによって形成された耳ゴム200である。
(比較例1)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を直線状に18本束ねることによって形成された耳ゴムである。
(比較例2)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を直線状に24本束ねることによって形成された耳ゴムである。
(比較例3)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を直線状に30本束ねることによって形成された耳ゴムである。
実施例及び比較例の耳ゴムにつき、チャック間距離50mm、速度300mm/分で、耳ゴムを長さ方向に200%(100mm)伸ばした時の強度を測定した。なお、引張試験機としては、AND社のTENSILON RTG-1210を用いた。
実施例及び比較例の耳ゴムにつき、マスク本体部1に取り付けて、5人の評価者が実際に3時間着用し、着け心地、ずれ難さ及び長時間着用の可否について評価した。
具体的には、外面側不繊布111として秤量17gsmのポリプロピレンスパンボンド、フィルター112として秤量20gsmのポリプロピレンメルトブロー、着用者側不繊布113として秤量20gsmのナイロンスパンボンドを用い、左右方向175mm、上下方向90mmに形成されたシート部11に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を備えたマスク本体部1を用い、その左右に、長さ160mmの耳ゴムを取り付けて右耳掛け部2及び左耳掛け部3を形成し、実使用評価に用いるマスクを作成した。
なお、試験結果は、比較例1(△)を基準として、とても優れていた場合は◎、優れていた場合は○、劣っていた場合は×とした。
実施例1と比較例1との比較、実施例2と比較例2との比較及び実施例3と比較例3との比較により、同じ本数のゴム紐を用いても、これを耳ゴムの長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込むことにより、耳ゴムの長さ方向の引張強度が弱まり、ひいては耳ゴムによる締め付けが軽減され、耳への負担を軽減することができることが分かる。
したがって、長さ方向の引張強度が同一であっても、長さ方向に対して斜めに配置されるようにゴム紐を編み込むことにより形成された耳ゴムの方が、着け心地、ずれ難さ及び長時間使用の可否の点で優れていることが分かる。
1 マスク本体部
200 耳ゴム(マスク用耳ゴム)
201 ゴム紐
202 繊維状部材
211 組
Claims (6)
- マスク本体部の左右に備えられるマスク用耳ゴムであって、
複数のゴム紐が編み込まれてなり、
前記ゴム紐の周囲を個々に巻回するように繊維状部材が巻かれていることを特徴とするマスク用耳ゴム。 - マスク本体部の左右に備えられるマスク用耳ゴムであって、
複数のゴム紐が束ねられて形成された組が、複数編み込まれてなることを特徴とするマスク用耳ゴム。 - 前記繊維状部材は、捲縮された繊維からなることを特徴とする請求項1に記載のマスク用耳ゴム。
- 前記組を形成する複数のゴム紐が捻られてまとめられていることを特徴とする請求項2に記載のマスク用耳ゴム。
- 複数のゴム紐が、前記マスク用耳ゴムの長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込まれてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク用耳ゴム。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のマスク用耳ゴムを備えたマスク。
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