JP6401650B2 - Oled表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、散乱による色相不均一性を解消し、均一な色相発現が可能なOLED表示装置及びその製造方法に関するものである。
有機発光ダイオード(OLED:Organic Light−Emitting Diode)表示装置は、CRT(cathode ray tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)と比べて、軽量化及び薄型化が可能であるだけでなく、広い視野角、速い応答速度、低消費電力などの複数の長所があり、次世代表示デバイスとして注目されている。
このOLED表示装置は、携帯電話、TV、デジタルカメラ、カムコーダー(登録商標)、パソコン、ナビゲーションシステムなど、さまざまな分野で使用されている。
OLED表示装置を構成するOLEDパネルは、陽極および陰極の電極を備えている。一般的に、外部から光がOLEDパネルに入射すると、OLEDパネルの内部にある有機発光ダイオードの電極部により、光が反射される。人がOLED表示装置を眺めた場合、この反射光が原因となり、眩しいと感じたり、色が変化したり、コントラストが低下する等の問題が発生する。これは人の目に入る反射光の強度が増加して、視認性が低下するからである。
特に、全面発光OLEDの場合、画像を表示する画像定義膜又は画像定義膜の下部に成膜されて位置する反射電極によって、表示装置自体の反射率が高くなり、この問題はさらに深刻になる。
そこで、外部光の反射防止のため、OLEDパネルの構造を変更したり新しい層を導入したりするなどの多様な方法が提案されている。
特許文献1は、陽極上に反射防止膜を形成しており、反射防止膜の材料は、選択的透過性を持つガラスや樹脂フィルムを採用している。
特許文献2は、OLEDパネルと、このパネルをシールするための封止基板の間に外部光を波長帯域ごとに選択的に吸収する物質を導入する方法を提案している。
特許文献3は、OLEDパネルの内部において、突出している複数の光散乱スペーサと、散乱キャッピング層とを設置して、反射される外部光を散乱させ、外部光の反射を抑制する方法を提案している。物質の拡散による透過率の劣化の割合は、ヘイズ値を用いて表すことができ、ヘイズ値が大きいほど、拡散透過光の割合が高く、濁った材料となる。同公報では、キャッピング層のヘイズ値(Haze)は5〜30%であるとしている。
特許文献4は、屈曲された画像定義膜により反射される外部光を散乱させ、外部光の反射を抑制する方法を開示している。
これらの方法は、外部光の反射を十分に抑制できないことがあった。特に散乱を利用して外部光の反射を抑制する方法の場合、上記の散乱によって「ムラ」という色相不均一の現象が発生する。不均一性は、画面の特性が不均一な状態を総称として言い、特に色が不均一な場合は色相不均一と言う。色相不均一はパネルをモノクロで表示した場合、全体の画面が均一な色相を示さず、場所ごとに色の差が見えてくる現象である。例えば、白を画面全体に表示したときに、画面全体が完全に同じ白を表現できない現象を意味する。このような色相不均一現象は、製造工程上の問題やパネルを構成する素材の種類などの多様な原因によって発生し、この原因の分析は、非常に難しい。
外部光の反射を抑制するために、散乱を利用する方法では、色相不均一現象が発生する原因の特定と解決が難しいことが多い。一方、散乱を利用する方法は、OLED表示装置の光効率を高めるために、パネルの内部に、光散乱層を導入する手法や光散乱物質を含有させる手法に用いられることがある。
特許文献5は、可視光を透過する光透過性基板内に、可視光を散乱する光散乱部と、可視光を透過する光透過性の開口部とを備える基板を、有機電界発光素子の光抽出基板として使用する表示装置を開示している。
特許文献6は、有機発光層から放出される光を散乱させる散乱パターンを有し、隣接する絶縁膜の屈折率が異なる複数の絶縁膜を備えるOLED表示装置を提案している。
韓国公開特許第2007−0003159号公報 韓国公開特許第2011−0011420号公報 米国特許出願公開2010/0171106号公報 韓国登録特許第10−0742374号公報 韓国公開特許第2005−0013918号公報 韓国公開特許第2013−0016937号公報
しかしながら、上述の先行技術において、光効率を高めるために採用される散乱を利用する方法は、外部光の反射による色相不均一現象をもっと深刻に発生させる要因になりうる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、色相不均一性を解消可能なOLED表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記の課題を解決するために多角的に研究を行った結果、OLEDパネル内部の構造を変更する方式ではなく、上記のパネルの表面に反射光を除去するために、偏光フィルムと位相差フィルムを貼り付ける方法が好適である旨を発見した。この方法は、パネルの内部構造を変更するよりも、簡便に色相不均一現象を低減可能である。特に、偏光フィルムが積層されたOLEDパネルにおいて、各構成要素に対する散乱に関連する特定のパラメーターを選定して、この選定したパラメーターを客観的に数値化して制御することにより、色相不均一性を解消することができる。
第1のOLED表示装置は、OLEDパネルと、前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、を備え、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が1.2%以下であることを特徴とする。
第2のOLED表示装置は、前記OLEDパネルと前記λ/4位相差フィルムとの間に介在する第1の粘着剤と、前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムとの間に介在する第2の粘着剤とを備えることを特徴とする。
第3のOLED表示装置においては、前記第1の粘着剤及び前記第2の粘着剤は、共にアクリル樹脂を含むことを特徴とする。
第4のOLED表示装置は、OLEDパネルと、前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、を備え、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率RSCEと、偏光フィルム側からSCI(Specular Component Included)モードで測定された反射率RSCIとの比率RSCE/RSCIは、以下の関係式:0%<RSCE/RSCI≦20%を満たすことを特徴とする。
第5のOLED表示装置は、OLEDパネルと、前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、を備えたOLED表示装置であって、前記OLED表示装置から前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムを取り除き、前記OLEDパネルの光出射側の表面からSCEモードで測定された反射率rSCEと、この表面側からSCIモードで測定された反射率rSCIとの比率rSCE/rSCIは、以下の関係式:0%<rSCE/rSCI≦70%を満たすことを特徴とする。
第6のOLED表示装置の製造方法は、OLEDパネルと、前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、を備え、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が1.2%以下であるOLED表示装置の製造方法であって、OLEDパネル上にλ/4位相差フィルムを貼り付ける工程と、前記λ/4位相差フィルム上に偏光フィルムを貼り付ける工程と、を備えることを特徴とする。
第7のOLED表示装置の製造方法は、OLEDパネルと、前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、を備え、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が1.2%以下である、OLED表示装置の製造方法であって、偏光フィルム上にλ/4位相差フィルムを貼り付けて、円偏光板を作製する工程と、OLEDパネル上に前記円偏光板を貼り付ける工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のOLED表示装置によれば、散乱による色相不均一性を解消し、均一な色相の発現が可能である。
OLED表示装置の縦断面図である。 OLEDの層構造とその駆動回路の図である。 検証用のOLED表示装置のサンプルの縦断面図である。 サンプルNo.1〜No.5の写真の図である。 サンプルNo.1〜No.5のデータを示す図表である。 サンプルNo.6〜No.11のデータを示す図表である。 サンプルNo.12〜No.15のデータを示す図表である。
以下、実施の形態に係るOLED(Organic Light−Emitting Diode)表示装置について説明する。なお、同一要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、OLED表示装置の縦断面図である。
OLED表示装置10は、OLEDパネル1と、OLEDパネル1上に第1の粘着剤11を介して接着されたλ/4位相差フィルム3と、λ/4位相差フィルム3上に第2の粘着剤12を介して接着された偏光フィルム5とを備えている。
OLEDパネル1は、ガラスなどからなる支持基板1aと、支持基板1aの表面の外縁に沿って設けられた枠体スペーサ1bと、支持基板1aと共に枠体スペーサ1bを挟む封止基板1eとを備えており、これらの基板間の空間は密閉され、当該空間内に複数の発光素子が配置されている。
支持基板1a上には、複数の薄膜トランジスタQがマトリックス状に設けられており、薄膜トランジスタQを被覆する被覆層1cを介して、画素毎に、有機発光ダイオードR,G,Bが配置されている。有機発光ダイオードR,G,Bは、有機発光層を備える発光ダイオードであり、層構造に応じて、様々な波長の発光を行うことができる。本例では、有機発光ダイオードR,G,Bと封止基板1eとの間に、赤色、緑色、青色のカラーフィルタFを備えているが、これらのフィルタは無くてもよい。
被覆層1cと封止基板1eとの間には、気体が封入された空間1dが存在するが、この空間1d内は樹脂などで充填してもよい。
封止基板1e上には、第1の粘着剤11が塗布又は積層されており、第1の粘着剤はλ/4位相差フィルム3を封止基板1eの表面に接着している。λ/4位相差フィルム3上には、第2の粘着剤12が塗布又は積層されており、第2の粘着剤12は偏光フィルム5をλ/4位相差フィルム3の表面に接着している。
偏光フィルム5は、偏光子5bと、偏光子5bの両側に設けられた第1透明保護フィルム5a及び第2透明保護フィルム5cからなる。偏光子5bは、二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコール系樹脂から構成される。第1透明保護フィルム5a、第2透明保護フィルム5cは、保護機能がある材料であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースからなる。
有機発光ダイオードR,G,Bが、発光すると、その光は、フィルタF、封止基板1e、第1の粘着剤11、λ/4位相差フィルム3、第2の粘着剤12、偏光フィルム5を順次介して、外部に出力される。
また、外部からの光は、OLED表示装置内の様々な箇所で反射して外部に反射される。特に、有機発光ダイオードR,G,Bの表面に位置する電極は、反射率が高いため、これによる反射の影響が大きい。
図2は、有機発光ダイオードの層構造と、その駆動回路の図である。上述の有機発光ダイオードR,G,Bの1つを代表して、符号10’で示す。
OLED10’は、カソード電極Ecと、カソード電極Ec上に形成された電子輸送層10aと、発光層10bと、正孔輸送層10cと、アノード電極Eaとを備えている。薄膜トランジスタQをONにすると、電源電位Vcとグランドとの間の順方向バイアス電圧がOLED10’に印加される。カソード電極Ecとアノード電極Eaとの間に順方向バイアス電圧を印加すると、これに電流が流れ、カソード電極Ecから電子が、アノード電極Eaから正孔が、発光層10b内に流れ込み、発光層10b内において、電子と正孔が再結合して発光する。正孔輸送層10cとしては、芳香族アミン化合物等を用いることができ、電子注入材料10aとしては金属錯体系材料(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)、オキサジアゾール系材料(PBD:2−(4−Biphenylyl)−5−phenyl−4−t−butulphenyl)−1,3,4−oxadiazole)、トリアゾール系材料(TAZ)を用いることができる。発光層10bとしては、π共役系ポリマー、色素含有ポリマーなどを用いることができる。なお、OLED10’の構成材料としては、様々なものがあり、本発明は、これらに限定されるものではない。
以上、説明したように、OLED表示装置10はOLEDパネル1上に偏光フィルム5が位置し、これらの間にλ/4位相差フィルム3が位置する構造を有している。OLEDパネル1は、ここで開示されるものに限定されず、従来から知られているものを適用することができる。また、OLEDパネル1は、基板上に陽極と陰極とが積層され、上記の陰極と陽極の間に少なくとも1つの有機薄膜層を利用した構造を有している。これらの構造は、本技術分野でよく知られているので、これについての詳しい説明を省略する。
なお、アノード電極Eaは、例えば、ITO、IZO、IGZO、錫の酸化物、亜鉛の酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物、およびチタニウムナイトライドなどの金属酸化物や金属ナイトライド;金、プラチナ、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉛、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブなどの金属;これらの金属の合金または銅のヨウ素化合物の合金;ポリアニリン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、及びポリ(3−メチルチオフェン)などの導電性ポリマー材料の少なくともいずれかの種類を含んでいる。アノード電極は、前述の成分のいずれかの種類のみで形成されるか、または複数の材料の混合物で形成されることもできる。また、同じ組成または異なる組成の複数の層で構成される多層構造が形成されることもできる。
カソード電極Ecは、本技術分野で知られていた材料を使用することができ、制限はなく、LiFを電子注入層として使用し、Al、Ca、Mg、Agなどの仕事関数が低い金属の陰極に使用することができ、好ましくはAlが望ましい。
アノード電極Eaとカソード電極Ecとの間に位置する有機薄膜層は、赤色、緑色、青色の発光を実現するため、発光層10bを含んでいるが、これに加えて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層を少なくとも1つを含んでいる。例えば、アノード電極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、及びカソード電極からなる積層構造を有することができる。
上記の発光層10bは、主たる材料であるホスト材料に加えて、ドーパント材料を使用することができる。ホスト材料及びドーパント材料としては、様々な種類のものが知られており、本発明は、これに限定されるものではない。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層も、様々な種類のものが知られており、本発明は、これに限定されるものではない。
また、OLEDパネル1の駆動方式として、パッシブ(PM)型とアクティブ(AM)型があるが、いずれも適用可能である。
アノード電極Ea及びカソード電極Ecの材料は、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属を用いることができる。例えば、アノード電極Eaとしてアルミニウムを用いた場合、アノード電極Eaは、外部からの光を反射する鏡としても機能する。カソード電極Ecも同様である。図1における封止基板1eの裏面(粘着剤層11が形成された面の反対側の面)に、アルミニウムなどの金属膜を蒸着して鏡を形成し、その光学特性を調べれば、外部光の反射に関しては、OLED表示装置における場合と略同一の挙動を示すものと考えられる。したがって、本願発明者らは、このような検証用のOLED表示装置を作製して、光学特性について鋭意検討を行った。
図3は、検証用のOLED表示装置のサンプルの縦断面図である。
検証用のOLED表示装置は、OLEDパネル1の代わりに、検証用のOLEDパネル1Dを備えている。図1における封止基板1eの裏面(粘着剤層11が形成された面の反対側の面)に、アルミニウムなどの金属膜を蒸着し、これを仮想的にアノード電極Eaおよびカソード電極Ec(図3では、Ez)として取り扱い、検証用のOLEDパネル1Dにおいては、OLEDパネル1の残りの要素は省略したものである。
なお、説明では、以下の3つの(式1)〜(式3)を引用することがある。
(式1):RSCE≦1.2%
(式2):0%<RSCE/RSCI≦20%
(式3):0%<rSCE/rSCI≦70%
(式1)は、上述のOLEDパネル1と、OLEDパネル1上に貼り付けられたλ/4位相差フィルム3と、λ/4位相差フィルム3上に貼り付けられた偏光フィルム5とを備え、偏光フィルム5側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率RSCEが1.2%以下であることを示している。
(式2)は、上述のOLEDパネル1と、OLEDパネル1上に貼り付けられたλ/4位相差フィルム3と、λ/4位相差フィルム3上に貼り付けられた偏光フィルム5とを備え、偏光フィルム5側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率RSCEと、偏光フィルム5側からSCI(Specular Component Included)モードで測定された反射率RSCIとの比率RSCE/RSCIの満たす関係式である。
一方、(式3)は、この状態から、λ/4位相差フィルム3と偏光フィルム5を取り除き、OLEDパネル1(1D)の光出射側の表面(外部光の入射面)からSCEモードで測定された反射率rSCEと、この表面側からSCIモードで測定された反射率rSCIとの比率rSCE/rSCIの満たす関係式である。これらの(式1)〜(式3)の関係式のいずれか1つ又は2又は全てが満たされることにより、色相不均一性(色ムラ現象)は改善される。これらの(式1)〜(式3)の関係式のうちの(式1)が満たされることが好ましく、(式1)が満たされ、且つ、(式2)、(式3)または(式2)と(式3)の両方が満たされることがより好ましい。
色相の不均一性を支配する要因には、(A)偏光フィルム5、(B)λ/4位相差フィルム3、(C)第1の粘着剤11及び第2の粘着剤12、(D)支持基板1e、(E)アノード電極Eaとしての金属膜又は金属シートがある。
以下、上述の(式1)〜(式3)と色相不均一性との関係について、各要素(A)〜(E)と共に説明する。
(A)偏光フィルム5
(A−1)偏光フィルムの特性
偏光フィルム5は外部から入射する自然光(外部光)を直線偏光に変換し、OLEDパネルからの反射光を遮断して外部光の反射を抑制する役割を担う。偏光フィルム5の光学的特徴と関連するパラメーターは、単体透過率(Ty)、平行透過率(Tp)、直交透過率(Tc)、偏光度、a、bなどがある。
上記の偏光フィルム5は、上記の役割と共にOLEDパネル1の上に積層されるので、OLEDパネル1からの光の出射効率を鑑みて単体透過率(Ty)を考慮する必要があり、OLED表示装置10が、鮮明な青色を発現できるようにb値を考慮して調整する必要がある。
(A−2)単体透過率(Ty)
偏光フィルム5の単体透過率(Ty)%は、理論値では50%であり、上記の(式2)を満たすには、以下の関係式を満たすことが好ましい。
40%≦Ty≦44.95%
もしも、このTyの数値範囲が、前述の関係式の範囲の下限値より小さいと、一定水準以上の輝度を得るためにOLEDパネル1の出力を上げる必要があり、その結果、OLED表示装置の発光寿命が減少する。また、Tyの数値範囲が、前述の関係式の範囲の上限値より大きい場合、外部光を直線偏光に十分変換することができず、外部光の反射率が高くなるという問題がある。
(A−3)b
値は、負の数値を持つほど、青色を示し、正の数値を持つほど黄色を示す。偏光フィルム5のb値は、直交b値を用いることが好ましい。好ましくは本発明の偏光フィルム5は、(式2)を満たすために、直交b値が−15以上0以下であることが望ましい。すなわち、以下の関係式である。
−15≦b≦0
値が0より大きい値の場合には(例えば+5)、鮮明な青色の実現が困難であり、−15よりも小さい値の場合は、外部光の反射率が高くなる問題が生じるため、上記の範囲を満足するように調節する。
偏光フィルム5においては、単体透過率(Ty)の好適な範囲と、直交b値の好適な範囲が存在するが、少なくともいずれか一方の好適な範囲を満たすことが好ましく、双方の好適な範囲を満たすことがより好ましい。
偏光フィルム5は、通常偏光子とその両側の透明保護フィルムによって構成される。
(A−4)偏光フィルム内の偏光子
偏光フィルム内の偏光子の材料としては、以下のものを用いることができる。
上述のように、偏光フィルムを構成する偏光子は、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。これらのポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、たとえばアルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなども使用し得る。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の適宜の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されるものではないが、たとえば10〜150μm程度である。通常、ロール状で供給され、厚みが20〜100μmの範囲内、好ましくは30〜80μmの範囲内であり、また、工業的に実用的な幅が1500〜6000mmの範囲内である。
市販のポリビニルアルコール系フィルム(ビニロンVF−PS#7500、クラレ製/OPLフィルム M−7500、日本合成製)の原反厚みは75μm、(ビニロンVF−PS#6000、クラレ製、ビニロンVF−PE#6000、クラレ製)の原反厚みは60μmなどがある。
偏光フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色して二色性色素を吸着させる工程(染色処理工程)、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程(ホウ酸処理工程)、ならびに、このホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程(水洗処理工程)を経て、製造される。
また、偏光フィルムの製造に際し、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは一軸延伸されるが、この一軸延伸は、染色処理工程の前に行ってもよいし、染色処理工程中に行ってもよいし、染色処理工程の後に行ってもよい。一軸延伸を染色処理工程の後に行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理工程の前に行ってもよいし、ホウ酸処理工程中に行ってもよい。勿論、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。
染色処理工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬することによって行われる。二色性色素としては、たとえばヨウ素、二色性染料などが用いられる。二色性染料には、たとえば、C.I.DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性染料、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性染料が包含される。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃であり、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1800秒である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10−4〜10重量部、好ましくは1×10−3〜1重量部であり、特に好ましくは1×10−3〜1×10−2重量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。二色性色素として二色性染料を用いる場合、染色に用いる染料水溶液の温度は、通常20〜80℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1800秒である。
ホウ酸処理工程は、二色性色素により染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。上述した染色処理工程における二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸処理工程に用いるホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。この場合、ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60〜1200秒、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常40℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは55〜75℃である。
続く水洗処理工程では、上述したホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、たとえば水に浸漬することによって水洗処理する。水洗処理における水の温度は、通常4〜40℃であり、浸漬時間は、通常1〜120秒である。水洗処理後は、通常乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、たとえば熱風乾燥機、遠赤外線ヒータなどを好適に用いて行われる。乾燥処理の温度は通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒、好ましくは120〜600秒である。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理および水洗処理を施して、偏光フィルムが得られる。この偏光フィルムの厚みは、通常、5〜50μmの範囲内である。
(A−5)偏光フィルム内の透明保護フィルム
透明保護フィルムは、偏光子が機械的に弱いため、これを保護するために用いられる。透明保護フィルムを形成する樹脂の種類によって透湿度が異なり、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性および等方性に応じて選択して使用することができる。上記の透明保護フィルムを形成する材料としては、制限されず、この分野で公知の材料であればいずれも使用可能である。
上記の透明保護フィルムの厚さは、限定されないが、あまりにも薄い場合は、強度と加工性が低下し、あまりにも厚いと透明度が低下する問題がある。これらの透明保護フィルムの厚さは、5〜200μm以下、好ましくは10〜150μm以下、より好ましくは20〜100μm以下であればよい。
上記の偏光子の透明保護フィルムとして、接着剤や粘着剤を使用することができる。接着剤としては、たとえば溶媒型接着剤、エマルジョン型接着剤、感圧接着剤、無溶剤型接着剤、フィルム状の接着剤、ホットメルト型接着剤などがある。好ましい接着剤の一つとして水系接着剤、すなわち接着剤の原料が水に溶解または分散されていることがある。水系接着剤は、偏光子と透明保護フィルムを十分に接合でき、光学的透過率が優秀であり、黄色に着色するなどの変化がない限り、その種類に特別な制限はない。たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂または親水基を持つウレタン係樹脂がある。水系接着剤は接着剤の原料に配合されている追加の添加剤とともに水と混合して調製することができる。水系接着剤の市販ポリビニルアルコール係樹脂では(株)クラレで販売されているカルボキシル酸変性ポリビニルアルコールの「KL−318」(商号)などがある。
透明保護フィルムとして用いる粘着剤は、アクリル系、シリコーン系、ゴム系、ウレタン系、ポリエステル系またはエポキシ系共重合体などを使用することができ、好ましくは、アクリル系共重合体、さらに好ましくは感圧性のアクリル系粘着剤が好ましい。
透明保護フィルムの偏光子への接合は、この分野で通常知られている方法を使用することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法または噴霧法等により偏光子、透明保護フィルム、または両方の接合面に接着剤や粘着剤を塗布し、これらを接合する方法がある。
また、透明保護フィルムと接合される偏光子との密着力を上げるため、透明保護フィルムの表面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、鹸化処理などの表面処理を適切に行うことができる。
(B)λ/4位相差フィルム3
(B−1)λ/4位相差フィルムの機能と性能
上記の偏光フィルム5と共にOLEDパネル1に積層されるλ/4位相差フィルム3は、偏光フィルム5からの直線偏光を位相差によって、円偏光(右円偏光あるいは左円偏光)に変換し、OLEDパネル1で反射された円偏光(左円偏光あるいは右円偏光)を再度直線偏光(その時の直線偏光の振動方向は偏光フィルムの吸収軸に一致する)に変換する機能を有している。
なお、OLED表示装置の製造方法は、OLEDパネル1と、OLEDパネル1上に貼り付けられたλ/4位相差フィルム3と、λ/4位相差フィルム3上に貼り付けられた偏光フィルム5と、を備え、偏光フィルム5側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が1.2%以下であるOLED表示装置の製造方法であって、OLEDパネル1上にλ/4位相差フィルム3を貼り付ける工程と、λ/4位相差フィルム3上に偏光フィルム5を貼り付ける工程と、を備えることができる。
また、OLED表示装置の製造方法は、OLEDパネル1と、OLEDパネル1上に貼り付けられたλ/4位相差フィルム3と、λ/4位相差フィルム3上に貼り付けられた偏光フィルム5とを備え、偏光フィルム5側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が1.2%以下であるOLED表示装置の製造方法であって、偏光フィルム5上にλ/4位相差フィルム3を貼り付けて、円偏光板を作製する工程と、OLEDパネル1上にこの円偏光板を貼り付ける工程とを備えることができる。
λ/4位相差フィルム3の光学的特徴と関連するパラメーターは面内位相差の値(Ro)があり、OLED表示装置の反射防止のために面内位相差の値(Ro)を考慮する必要がある。
λ/4位相差フィルム3の550nmの測定の位相差の値(Ro)の範囲は、130nm〜155nmであり、好ましくは135〜150nmである。上記の面内位相差の値(Ro)の範囲外の場合は、OLED表示装置の反射率が高くなり、反射防止効果が低下する。
波長λ=550nmの光を入射した場合に、面内において、発生する位相差のずれ量が、上述の範囲であることが好ましい。すなわち、λ/4位相差フィルム3の膜厚均一性が高く、面内の位相差値が入射波長550nmの4分の1である137nmの近傍である場合には、反射ムラが生じるような反射率の増加は生じないと考えられる。
(B−2)λ/4位相差フィルムの材料
λ/4位相差フィルム3としては、液晶コーティングによるλ/4液晶コーティング層またはフィルムの延伸によるλ/4延伸位相差フィルムが挙げられる。液晶コーティングによるλ/4液晶コーティング層を形成する材料としては、例えば、熱又は光により架橋可能な重合性基を有する重合性液晶を用いることが可能である。重合性液晶から形成されたλ/4液晶コーティング層の光学特性は重合性液晶の配向状態により調節することができる。
重合性液晶としては、棒状の重合性液晶および円盤状の重合性液晶が挙げられる。
棒状の重合性液晶が基材に対して水平配向または垂直配向した場合は、該重合性液晶の光軸は、該重合性液晶の長軸方向と一致する。
円盤状の重合性液晶が配向した場合は、該重合性液晶の光軸は、該重合性液晶の円盤面に対して直交する方向に存在する。
重合性液晶を重合させることにより形成される層が面内位相差を発現するためには、重合性液晶を適した方向に配向させればよい。重合性液晶が棒状の場合は、該重合性液晶の光軸を基材平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現する、この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。重合性液晶が円盤状の場合は、該重合性液晶の光軸を基材平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現する、この場合、光軸と遅相軸とは直交する。重合性液晶の配向状態は、配向膜と重合性液晶との組み合わせにより調整することができる。
<重合性液晶>
重合性液晶とは、重合性基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶が有する液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でも良く、サーモトロピック液晶を秩序度で分類すると、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でも良い。
重合性液晶の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、特開2002−267838号公報、特開2005−208415号公報、特開2005−208416号公報、特開2005−208414号公報、特開2006−052001号公報、特開2010−270108号公報、特開2010−31223号公報、特開2011−6360号公報、特開2011−207765号公報、特表2010−522893号公報、特表2011−207765号公報、米国特許第6,139,771号明細書、米国特許第6,203,724号明細書、米国特許第5,567,349号公報に記載の重合性液晶が挙げられる。
<液晶コーティング層形成用組成物>
重合性液晶を重合させることにより形成される層(液晶コーティング層)は、通常、1以上の重合性液晶を含有する組成物(以下、液晶コーティング層形成用組成物ということがある。)を、基材、配向膜、又は保護層の上に塗布し、得られた塗膜中の重合性液晶を重合させることにより形成される。
液晶コーティング層形成用組成物は、通常溶剤を含み、溶剤としては、重合性液晶を溶解し得る溶剤であって、且つ、重合性液晶の重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。
液晶コーティング層形成用組成物における溶剤の含有量は、通常、固形分100質量部に対して、10質量部〜10000質量部が好ましく、より好ましくは50質量部〜5000質量部である。固形分とは、液晶コーティング層形成用組成物から溶剤を除いた成分の合計を意味する。
液晶コーティング層形成用組成物の塗布は、通常、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法などの塗布法や、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法によって行われる。塗布後、通常、得られた塗布膜中に含まれる重合性液晶が重合しない条件で溶剤を除去することにより、乾燥被膜が形成される。乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法が挙げられる。
<基材>
前記基材は通常透明基材である。透明基材とは、光、特に可視光を透過し得る透明性を有する基材を意味し、透明性とは、波長380〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。具体的な透明基材としては、透光性樹脂基材が挙げられる。透光性樹脂基材を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ノルボルネン系ポリマーなどの環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィドおよびポリフェニレンオキシドが挙げられる。入手のしやすさや透明性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸エステル、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネートが好ましい。
<配向膜>
本発明における配向膜とは、重合性液晶を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有するものである。
配向膜としては、液晶コーティング層形成用組成物の塗布などにより溶解しない溶剤耐性を有し、また、溶剤の除去や重合性液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。かかる配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜及び光配向膜等が挙げられ、配向性ポリマー形成用組成物又は光配向膜形成用組成物を基材に塗布して得ることができる。
配向性ポリマー形成用組成物又は光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法などの塗布法、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法が挙げられる。本光学フィルムを、後述するRoll to Roll形式の連続的製造方法により製造する場合、当該塗布方法には通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法又はフレキソ法などの印刷法が採用される。
配向膜の厚さは、通常10nm〜10000nmの範囲であり、好ましくは10nm〜1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10nm〜500nmの範囲である。
液晶コーティング層形成用組成物は、反応性添加剤を含んでもよい。
反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、グリシジル基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。反応性添加剤が有する、炭素−炭素不飽和結合及び活性水素反応性基の個数は、通常、それぞれ1〜20個であり、好ましくはそれぞれ1〜10個である。
液晶コーティング層形成用組成物は、1種以上のレベリング剤を含有することが好ましい。レベリング剤は、液晶コーティング層形成用組成物の流動性を調整し、液晶コーティング層形成用組成物を塗布することにより得られる塗布膜をより平坦にする機能を有し、具体的には、界面活性剤が挙げられる。レベリング剤としては、ポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤およびフッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
液晶コーティング層形成用組成物がレベリング剤を含有する場合、その含有量は、重合性液晶100質量部に対して、0.05質量部以上5質量部以下が好ましく、0.05質量部以上3質量部以下がより好ましい。レベリング剤の含有量が前記の範囲内であると、重合性液晶を水平配向させることが容易であり、かつ、得られるλ/4液晶コーティング層がより平滑となる傾向がある。
液晶コーティング層形成用組成物は、1種以上の重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、重合性液晶の重合反応を開始し得る化合物であり、より低温条件下で、重合反応を開始できる点で、光重合開始剤が好ましい。具体的には、光の作用により活性ラジカルまたは酸を発生できる光重合開始剤が挙げられ、中でも、光の作用によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
液晶コーティング層形成用組成物が重合開始剤を含有する場合、その含有量は、該組成物に含有される重合性液晶の種類およびその量に応じて適宜調節できるが、重合性液晶100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。重合性開始剤の含有量が、この範囲内であれば、重合性液晶の配向を乱すことなく重合させることができる。
液晶コーティング層形成用組成物が光重合開始剤を含有する場合、該組成物は光増感剤をさらに含有していてもよい。光増感剤としては、キサントン、チオキサントンなどのキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなど);アントラセン、アルコキシ基含有アントラセン(例えば、ジブトキシアントラセンなど)などのアントラセン化合物;フェノチアジンおよびルブレンが挙げられる。
液晶コーティング層形成用組成物が光重合開始剤および光増感剤を含有する場合、該組成物に含有される重合性液晶の重合反応をより促進することができる。光増感剤の使用量は、光重合開始剤および重合性液晶の種類およびその量に応じて適宜調節できるが、重合性液晶100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
重合性液晶の重合反応をより安定的に進行させるために、液晶コーティング層形成用組成物は適量の重合禁止剤を含有してもよく、これにより、重合性液晶の重合反応の進行度合いを制御しやすくなる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、アルコキシ基含有ハイドロキノン、アルコキシ基含有カテコール(例えば、ブチルカテコールなど)、ピロガロール、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカルなどのラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類が挙げられる。
液晶コーティング層形成用組成物が重合禁止剤を含有する場合、その含有量は、重合性液晶の種類およびその量、並びに光増感剤の使用量などに応じて適宜調節できるが、重合性液晶100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。重合禁止剤の含有量が、この範囲内であれば、重合性液晶の配向を乱すことなく重合させることができる。
重合性液晶の重合は、重合性基を有する化合物を重合させる公知の方法により行うことができる。具体的には、熱重合および光重合が挙げられ、重合の容易さの観点から、光重合が好ましい。光重合により重合性液晶を重合させる場合、光重合開始剤を含有した重合性液晶組成物を塗布し、乾燥して得られる乾燥被膜中の重合性液晶を液晶相状態にした後、該液晶状態を保持したまま、光重合させることが好ましい。
λ/4延伸位相差フィルム3の形成は、溶液膜法または押出成形法としてフィルムを製造し、これを延伸することが望ましい。λ/4延伸位相差フィルムは機械流れ方向に延伸する終一軸延伸;機械フローの方向に直交する方向に延伸する横一軸延伸;縦および横を同時に実行する二軸延伸などで製造することができ、好ましくは斜め延伸されたフィルムを適用することがよい。
この時点で、延伸法で使用される材料は、限定されるわけではなく、具体的には、固有複屈折値が正、負、またはこれらの組合せの原料を使用して製造することができる。上記の「固有複屈折値が正である材料」は分子が一軸性の秩序を持って配向された場合に、光学的に正の一軸性を示す材料を意味する。例えば、正の原料樹脂の場合、分子の配向方向の屈折率が上記の配向方向に直交する方向の光の屈折率よりも大きくなることを意味する。
上記の「固有複屈折値が負である材料」は分子が一軸性の秩序を持って配向された場合に、光学的に負の一軸性を示す材料を意味する。
例えば、負の原料樹脂の場合、分子の配向方向の屈折率が上記の配向方向に直交する方向の光の屈折率よりも小さくなることを意味する。
具体的には、延伸法で使用される材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ノルボルネン系ポリマーなどの環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィドおよびポリフェニレンオキシドが挙げられる。
λ/4位相差フィルムの厚さは、λ/4液晶コーティング層の場合は、通常10μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上5μm以下である。λ/4延伸位相差フィルムの場合は、通常100μm以下であり、好ましくは60μm以下であり、より好ましくは5μm以上50μm以下である。
(C)第1の粘着剤11及び第2の粘着剤12
OLED表示装置10を構成するOLEDパネル1に積層されるλ/4位相差フィルム3および偏光フィルム5は、粘着剤により貼り合わせることが可能である。第1の粘着剤11及び第2の粘着剤12は、光学的透明性が優れ、適切な凝集性、接着性などを含む粘着特性を示すことが好ましく、特に耐久性が優れていることが好ましい。これらの第1および第2粘着剤を形成するための最適な粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ゴム系、ウレタン系、ポリエステル系または共重合体などが挙げられ、好ましくは、アクリル系共重合体、さらに好ましくは感圧性のアクリル系粘着剤である。第2の粘着剤に代えて接着剤を用いることもできる。
粘着剤には、この他に、様々な添加剤を配合してもよい。具体的な添加物としては、シランカップリング剤または帯電防止剤が挙げられる。シランカップリング剤は、ガラスとの接着性向上に有効であり、帯電防止剤は、静電気の発生を減少または抑制するために利用できる。第1および第2粘着剤を偏光フィルムに積層する方法においても、当分野で通常的に使用される方法であれば、特に制限されない。例えば、偏光フィルム5の表面に粘着剤層形成用コーティング剤を塗布し、乾燥し、積層することができる。また、シリコーンコーティングされた剥離フィルム上に、上記と同じ塗布方法として粘着剤層を形成して粘着シートを製造した後、これらのロールの圧着装置を使用して、積層することができる。上記の第1および第2粘着剤の厚さは、粘着性に応じて調整することができ、通常3μm以上100μm以下であることが多く、より好ましくは3μm以上20μm以下であることが好ましい。
第1の粘着剤としては、国際公開WO2012/173066号に記載の粘着剤が挙げられる。具体的には、アクリル樹脂と球状微粒子を含有し;アクリル樹脂と球状微粒子との屈折率差が0.01を超え0.09未満の範囲にあり;アクリル樹脂は、重量平均分子量が50万〜200万の範囲にある高分子量アクリル樹脂と、重量平均分子量が千〜15万の範囲にある低分子量アクリル樹脂との混合物であり;アクリル樹脂は、該アクリル樹脂の不揮発分全量を基準として、その低分子量アクリル樹脂を5〜33重量%含有し;球状微粒子の平均粒径が5〜15μmの範囲にあり;球状微粒子を上記アクリル樹脂の不揮発分100重量部に対して20〜50重量部含有する粘着剤である。
また、前記高分子量アクリル樹脂中の、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の含有量が70〜99.8重量%であり、かつ、架橋可能な極性官能基を有する(メタ)アクリル酸系化合物に由来する構造単位の含有量が0.2〜10重量%である前記粘着剤が好ましい。
また、前記低分子量アクリル樹脂中の、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の含有量が80〜100重量%であり、かつ、架橋可能な極性官能基を有する(メタ)アクリル酸系化合物に由来する構造単位の含有量が0〜10重量%である前記粘着剤が好ましく、さらに、光拡散性粘着剤は、イソシアネート系架橋剤を含有することができる。
(D)支持基板1e
支持基板1eは、ガラス基板からなるが、プラスチック基板であってもよい。裏面側の反射膜となる金属膜を蒸着で貼り付けるためには、ガラス基板が好ましい。
(E)アノード電極Eaとしての金属膜又は金属シート
反射率のムラは、アノード電極Eaとしての金属膜が均一に形成されることが好ましい。蒸着により形成されるアノード電極Eaとしての金属膜の厚みは、500nm以下であることが好ましい。
上記の構成より、偏光フィルムに付着したOLED表示装置において、偏光フィルム5とOLEDパネル1の間にλ/4位相差フィルム3を含有して散乱によるOLED表示装置10の色相不均一性を制御する。
以上、説明したように、本実施形態のOLED表示装置においては、反射体を有しているが、均一な色相を実現することができる。OLEDパネル1上に、λ/4位相差フィルム3と偏光フィルム5が接着されたOLED表示装置においては、外部光が入ると、パネルの表面又は内部で反射する光によって、散乱が発生する。上記の散乱によって反射光の色相が変化する。また、反射光の偏光状態が変化して反射光が均一な色相を持たなくなり、位置によって色相の差異が示す色相不均一性(chrominance non−uniformity、または、ムラと言う)が発生する。反射防止の場合、λ/4位相差フィルム、偏光フィルムの付着によってある程度の抑制が可能になる。
色相を測定するための装置は、分光色差計があり、通常の分光色差計は380〜780nmの可視光領域での色相をCIE(Commission Internationale de l’Eclairageまたは国際照明委員会)の標準観測条件に準拠して、XYZ、Yxy、L、L、ΔE ab、波長別反射率などのパラメーターを測定することができる。Lは明度指数、a は、クロマティクネス指数である。これらのパラメーターの中、反射によって引き起こす色相不均一性と関する数値として、CIE1931標準観測者に対する視感反射率(または物体の三刺激値Y)を選択し、上記の視感反射率を測定するための測定モードを適用して新しい関係式を定立した。視感反射率の測定は、CIE、ISO、ASTM、DIN、及びJISなどの国際標準を基にして測定した。
具体的にはd/8:iとd/8:eで表される観測条件で測定した。またd/8:i測定条件はSCI(Specular Component Included)モードを、d/8:e測定条件はSCE(Specular Component Excluded)モードを表す。このSCIモードおよびSCEモードは正反射光成分(Specular Component)の包含有無によって異なる方式で測定することができる。
正反射成分が高い物体の場合は、非常に明るいので人の目では物体の色相を認識できない。散乱反射成分は、正反射成分に比べて暗いので目で物体の色相を認識しやすい。これは物体の表面条件が変化すれば、物体の色相は異なるように見えるが、物体の色相は変化していない。正反射量と散乱反射量は、物体の表面条件の影響を受けるが、均一な色相を有する物体なら、全体反射量は変化しない。これで、SCEモードは正反射成分を除く、散乱反射光のみを測定し、SCIモードは正反射光および散乱反射光を測定する。すなわち、SCEモードは観測者が物体の色相を見る観点で色相を評価する。SCIモードを利用すると、表面の状態による影響を抑制して、色相を評価できるようになる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、実施例は本発明を例示するものである。
<実験例>
(1)散乱反射体の作製
まず、ガラス基板の裏面にアルミニウムからなる金属膜を蒸着した鏡を用意する。なお、アルミニウムの代わりに、銀などの金属を蒸着して金属膜を作製することも可能である。ガラス基板は、厚み3mm、サイズが295mm×295mmの四角形である。実施例では、ガラス基板上の金属膜が形成された面とは反対側の面上に、散乱粒子を含む粘着剤(光拡散性粘着剤、住友化学社製)を25μm以下の厚さで塗布し、散乱反射体を作製した(反射体No.1、No.2、No.3)。なお、光拡散性粘着剤は、透過光を散乱し、拡散する。この光拡散性粘着剤は、国際公開WO2012/173066号に記載の光拡散性粘着剤(組成物)を参考にして、各ヘイズ値を有する粘着剤を用いることができる。
別の実施例として、散乱がない反射体を用いるために、上記と同様に、ガラス基板上にアルミニウム薄膜を蒸着してなる鏡を用意し、蒸着面とは反対側の面上に、散乱粒子を含まない通常の粘着剤(住友化学社製)を25μm以下の厚さで塗布して、反射体を作製した(反射体No.4、No.8、No.9、No.10、No.11、No.14、No.15)。
さらに、サンドブラスト処理により一方の面を適宜粗くしたソーダ石灰ガラスの基板の粗い面上に、アルミニウムからなる金属膜を蒸着し、金属膜蒸着面とは反対側の面上に、散乱粒子を含まない通常の粘着剤を塗布して、散乱反射体を作製した(反射体No.5、No.6、No.7、No.12、No.13)。
上記反射体No.1、No.2、No.3の製作に使用した光拡散性粘着剤のヘイズ値(Haze)を測定した。ヘイズ値の測定には、HM−150(村上色彩社製のヘイズメータ)を用いた。ヘイズ値(Haze)=Td/Ttは、全体透過光(Tt)の中、散乱透過光(Td)の割合である。なお、この拡散性粘着剤のヘイズ値は、JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘイズの求め方」に準拠して求めている。なお、全ての実験において、測定時の温度は25℃、湿度は60%である。
以上の結果を纏めると以下の通りである。
(No.1)
基板の材料:ガラス
金属薄膜の材料:アルミニウム
粘着剤の種類:光拡散性粘着剤(1)
粘着剤のヘイズ値:27%
(No.2)
基板の材料:ガラス
金属薄膜の材料:アルミニウム
粘着剤の種類:光拡散性粘着剤(2)
粘着剤のヘイズ値:34%
(No.3)
基板の材料:ガラス
金属薄膜の材料:アルミニウム
粘着剤の種類:光拡散性粘着剤(3)
粘着剤のヘイズ値:52%
(No.4)、(No.8)、(No.9)、(No.10)、(No.11)、(No.14)、(No.15)
基板の材料:ガラス
金属薄膜の材料:アルミニウム
粘着剤の種類:通常の粘着剤(4)
粘着剤のヘイズ値:0.1%
(No.5)、(No.6)、(No.7)、(No.12)、(No.13)
基板の材料:ソーダ石灰ガラス
金属シートの材料:アルミニウム
粘着剤の種類:通常の粘着剤(5)
粘着剤のヘイズ値:0.1%
(2)色相不均一性評価
上記の散乱反射体上に、λ/4位相差フィルムと、偏光フィルムとを、この順序で貼付けた。サンプル番号は、それぞれの散乱反射体のサンプル番号と同じとする。すなわち、散乱反射体は、表面に上述の粘着剤(第1の粘着剤とする)を備えているので、この上にλ/4位相差フィルムを貼り付け、λ/4位相差フィルム上に更に粘着剤(第2の粘着剤とする)を塗布し、この粘着剤上に偏光フィルムを貼り付けた。なお、粘着剤を塗る側の部材は、これらの場合とは逆の部材であってもよい。以上のようにして、本例では、OLEDパネル上にλ/4位相差フィルムを貼り付ける工程と、λ/4位相差フィルム上に偏光フィルムを貼り付ける工程とを備えており、反射光がλ/4位相差フィルムを往復することにより、偏光フィルムで遮蔽され、反射光の出射が抑制される。
第2の粘着剤は、散乱粒子を含まない通常の粘着剤(住友化学社製)であり、上述の通常の粘着剤(4)と同一である。
しかる後、色相不均一性の視認性を、暗室で蛍光灯の下で目視観察した。色相均一の写真を得るために、暗室で蛍光灯の下で、CCDカメラ(Risa−Color(Hi−Land社))で写真を撮った。図4に、No.1〜No.5のサンプルを用いて表面を撮影した写真の図を示す。
No.1のサンプルの場合、目視で観察した色相不均一性は、「GOOD」であった。No.2のサンプルの場合、目視で観察した色相不均一性は、「GOOD」であった。No.3のサンプルの場合、目視で観察した色相不均一性は、「NOT BAD」であった。No.4のサンプルの場合、目視で観察した色相不均一性は、「VERY GOOD」であった。No.5のサンプルの場合、目視で観察した色相不均一性は、「BAD」であった。結果の纏めは、図5に示した。
なお、目視観察した色相不均一性の指標は、以下のような基準とした。
「VERY GOOD」:目視でムラが完全に見えない。
「GOOD」:目視でムラが見えない。
「NOT BAD」:目視でムラが若干見える。
「BAD」:目視でムラがよく見える
(3)反射体の関連パラメーター選定
λ/4位相差フィルムと偏光フィルムを取りつける前における散乱反射体のSCEのモードでの反射率rSCE、SCIモードでの反射率rSCIを測定した。この視感反射率は分光測色計(CM3700D:コニカミノルタ社製)を使用して、D65標準光や2度観測者の条件で測定した。各サンプルのSCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)を示す。結果の纏めは、図5〜図7に示した。
(SCE/SCI測定結果)
No.1のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「33%」であった。
No.2のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「44%」であった。
No.3のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「61%」であった。
No.4のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
No.5のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「88%」であった。
No.6のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「56%」であった。
No.7のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「52%」であった。
No.8のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
No.9のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
No.10のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
No.11のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
No.12のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「67.87%」であった。
No.13のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「70%」であった。
No.14のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
No.15のサンプルの場合、SCEモード反射率/SCIモード反射率(rSCE/rSCI)は、「0%」であった。
結果の纏めは、図5〜図7に示した。
(4)OLED表示装置の関連パラメーター選定
λ/4位相差フィルムと偏光フィルムを取りつけた後における散乱反射体のSCEのモードでの反射率、SCIモードでの反射率を測定した。この視感反射率は分光測色計(CM3700D:コニカミノルタ社製)を使用して、D65標準光や2度観測者の条件で測定した。各サンプルのSCE/SCIを示す。
(SCE/SCI測定結果)
No.1のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.54%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は「9%」であった。
No.2のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.66%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「11%」であった。
No.3のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.90%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「15%」であった。
No.4のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」」であった。
No.5のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「1.34%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は「22%」であった。
No.6のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「1.0%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は「17%」であった。
No.7のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.89%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「15%」であった。
No.8のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」であった。
No.9のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」であった。
No.10のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」であった。
No.11のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」であった。
No.12のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「1.1%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「18.32%」であった。
No.13のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「1.16%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「19.09%」であった。
No.14のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」であった。
No.15のサンプルの場合、SCEモードでの反射率RSCEは「0.03%」、SCEモード反射率/SCIモード反射率(RSCE/RSCI)は、「1%」であった。
すなわち、色相不均一性として、「GOOD」又は「VERY GOOD」が得られるのは、サンプルNo.1、No.2、No.4、No.8〜No.11、No.14、No.15であり、「NOT BAD」が得られるのは、サンプルNo.3、No.6、No.7.No.12、No.13であった。
上述の実験例(実施例・比較例)で用いた各要素の材料について、説明する。
なお、散乱反射体を構成する各要素の詳細な材料は、以下の通りである。
(1)ガラス基板
ガラス基板は、ケイ砂(SiO)、酸化ホウ素(B2O3)、 酸化アルミニウム (Al2O3)を混合して融解することにより得られる。ここでは、市販のガラス基板(屈折率:1.50)を用いた。
(2)金属膜(アルミニウム)
蒸着により形成した金属膜の膜厚は500nmであった。金属膜が形成されたガラス基板の反射率は88.5%であった。
(3)光拡散性粘着剤
国際公開WO2012/173066号に準じて作製した、
(3−1)上述の光拡散性粘着剤(1)の詳細:
上述の実験例で用いた材料は、具体的には、アクリル樹脂(屈折率:1.42)の不揮発分100重量部に対して球状微粒子(屈折率:1.49、平均直径:5μm) 23重量部含有する。拡散接着剤の厚みは15μmである。
(3−2)上述の光拡散性粘着剤(2)の詳細:
上述の実験例で用いた材料は、具体的には、アクリル樹脂(屈折率:1.42)の不揮発分100重量部に対して球状微粒子(屈折率:1.49、平均直径:5μm) 28重量部含有する。拡散接着剤の厚みは15μmである。
(3−3)上述の光拡散性粘着剤(3)の詳細:
上述の実験例で用いた材料は、具体的には、アクリル樹脂(屈折率:1.42)の不揮発分100重量部に対して球状微粒子(屈折率:1.49、平均直径:5μm) 41重量部含有する。拡散接着剤の厚みは15μmである。
(4)通常の粘着剤の詳細
上述の実験例で用いた通常の粘着剤(4)の材料は、具体的には、光拡散性粘着剤(1)から、球状微粒子を除いたものであり、この材料は、上述の通常の粘着剤(5)と同一である。なお、球状微粒子を上記アクリル樹脂の不揮発分100重量部に対して3重量部以下であれば、ほぼ同様の効果があると考えられる。
(5)ソーダ石灰ガラス基板
ソーダ石灰ガラスは、ケイ砂(SiO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カルシウム CaCO)を混合して融解することにより得られる。具体的には、屈折率が1.52であり、一方の面にサンドブラスト処理し、金属膜500nm蒸着の場合、SCE反射率が70.07%となるものである。
(7)λ/4位相差フィルム
なお、上記のλ/4位相差フィルムを、AXOSCAN(Axometrics)で測定した結果、550nmでの面内位相差値(Ro)が144nmであった。λ/4位相差フィルムについては、その波長分散特性(Re(440nm)/Re(550nm))が、0.8以上1.0以下を満足している。すなわち、波長λ=550nmの場合の光がλ/4位相差フィルムを透過する場合の実効的な位相差に対して、波長λ=440nmの場合の光がλ/4位相差フィルムを透過する場合の実効的な位相差は、0.8以上1.0以下の範囲にある。
(8)偏光フィルム
上述の実験例で用いた偏光フィルムは、厚さ100μmのものを用いたが、26μm以上220μm以下のものを用いることもできる。上記の偏光フィルムをV7100 UV−VIS分光器(Jasco社製)で測定した結果、単体透過率(Ty)が44.65%であり、直交bが−9.19であった。偏光フィルムは単体透過率(Ty)が40%以上44.95%以下であり、直交bが‐15以上0以下であることが好ましい。(結果と解析)
まず、OLED表示装置が、OLEDパネルと、OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムとを備えた場合、λ/4位相差フィルムによる偏光変換機能と、偏光フィルムによる光の遮断機能により、原理的に、反射率は低く抑えられるようになる。
次に、OLED表示装置において、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が1.2%以下であることが望ましい。なぜならば、上述の実験により、当該反射率が1.2%以下の場合には、実験サンプルNo.1などのデータで証明されるように、反射ムラの評価が改善している。したがって、上記の(式1):RSCE≦1.2%により、反射ムラが改善することが分かる。
具体的には、サンプルNo.1のSCEモード反射率RSCEは0.54%、サンプルNo.2のSCEモード反射率RSCEは0.66%、サンプルNo.3のSCEモード反射率RSCEは0.90%、サンプルNo.4のSCEモード反射率RSCEは0.03%、サンプルNo.5のSCEモード反射率RSCEは1.34%、サンプルNo.6のSCEモード反射率RSCEは1.0%、サンプルNo.7のSCEモード反射率RSCEは0.89%、サンプルNo.8のSCEモード反射率RSCEは0.03%、サンプルNo.9のSCEモード反射率RSCEは0.03%、サンプルNo.10のSCEモード反射率RSCEは0.03%、サンプルNo.11のSCEモード反射率RSCEは0.03%、サンプルNo.12のSCEモード反射率RSCEは1.1%、サンプルNo.13のSCEモード反射率RSCEは1.16%、サンプルNo.14のSCEモード反射率RSCEは0.03%、サンプルNo.15のSCEモード反射率RSCEは0.03%である。
したがって、実験サンプルNo.1〜No.4、実験サンプルNo.6〜No.15は、RSCE≦1.2%を満たしている、また、実験サンプルNo.14は、RSCEが1.16%であり、小数点以下2桁目を四捨五入すると、RSCE=1.2%となる。なお、実験例では、RSCEの下限は、0.03%である。
次に、(式2):0%<RSCE/RSCI≦20%の場合に、実験サンプルNo.1〜No.4、No.6〜No.15のデータで証明されるように、上記の反射ムラの評価が改善している。なお、実施サンプルNo.13では、RSCE/RSCI=19.09%であるため、小数点以下2桁目を四捨五入すると、RSCE/RSCI≦19.1%であることが好ましい。したがって、(式2)の場合に、反射ムラが改善することが分かる。より好ましい範囲は、サンプルNo.1〜No.4、No.8〜No.11、No.14、No.15に示されるように、0%<RSCE/RSCI<15%である。なお、実験例では、RSCE/RSCIの下限は、1%である。
同様に、(式3):0%<rSCE/rSCI≦70%の場合に、実験サンプルNo.1、No.2、No.3、No.6、No.7、No.12,No.13のデータで証明されるように、上記の反射ムラの評価が改善している。したがって、(式3)の場合に、反射ムラが改善することが分かる。より好ましい範囲は、実験サンプルNo.1、No.2、No.6、No.7に示すように、0%<rSCE/rSCI<60%である。なお、実験例では、rSCE/rSCIの下限は、33%である。
また、OLEDパネル1はパネルの表面で測定されたSCEモードで測定された反射率が61%以下(例:サンプルNo.6であることが好ましい。この場合、上記の反射ムラの評価が改善している。
また、偏光フィルムは単体透過率(Ty)が40%〜44.95%で、直交b値が0〜−15であることが好ましい。
上述のとおり、OLEDパネル1上に、λ/4位相差フィルム3と偏光フィルム5を積層したOLED表示装置において、上記OLED表示装置の表面からSCEモードで測定された反射率が1.2%以下であることを満足するように散乱によるOLED表示装置の色相不均一性を調整している。
1…OLEDパネル、3…λ/4位相差フィルム、5…偏光フィルム、5a…偏光子、5b、5c…透明保護フィルム、10…OLED表示装置、11、12…粘着剤(層)。

Claims (5)

  1. OLEDパネルと、
    前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、
    前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、
    前記OLEDパネルと前記λ/4位相差フィルムとの間に介在する第1の粘着剤と、
    前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムとの間に介在する第2の粘着剤と、
    を備え、この状態で、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が0.66%以下であり、前記反射率に関して、前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムを取り除き、前記OLEDパネルの光出射側の表面からSCEモードで測定された反射率rSCEと、この表面側からSCIモードで測定された反射率rSCIとの比率rSCE/rSCIは、
    以下の関係式:
    33%≦SCE/rSCI ≦44%、
    を満たす、
    ことを特徴とするOLED表示装置。
  2. 前記第1の粘着剤及び前記第2の粘着剤は、共にアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のOLED表示装置。
  3. OLEDパネルと、
    前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、
    前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、
    前記OLEDパネルと前記λ/4位相差フィルムとの間に介在する第1の粘着剤と、
    前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムとの間に介在する第2の粘着剤と、
    を備え、
    この状態で、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率RSCEと、偏光フィルム側からSCI(Specular Component Included)モードで測定された反射率RSCIとの比率RSCE/RSCIは、以下の関係式:
    0%<RSCE/RSCI11%
    を満たし、前記反射率に関して、前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムを取り除き、前記OLEDパネルの光出射側の表面からSCEモードで測定された反射率rSCEと、この表面側からSCIモードで測定された反射率rSCIとの比率rSCE/rSCIは、
    以下の関係式:
    33%≦SCE/rSCI ≦44%、
    を満たす、
    ことを特徴とするOLED表示装置。
  4. OLEDパネルと、
    前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、
    前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、
    前記OLEDパネルと前記λ/4位相差フィルムとの間に介在する第1の粘着剤と、
    前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムとの間に介在する第2の粘着剤と、
    を備え、
    この状態で、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が0.66%以下であり、前記反射率に関して、前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムを取り除き、前記OLEDパネルの光出射側の表面からSCEモードで測定された反射率rSCEと、この表面側からSCIモードで測定された反射率rSCIとの比率rSCE/rSCIは、
    以下の関係式:
    33%≦SCE/rSCI ≦44%、
    を満たすOLED表示装置の製造方法であって、
    OLEDパネル上にλ/4位相差フィルムを貼り付ける工程と、
    前記λ/4位相差フィルム上に偏光フィルムを貼り付ける工程と、
    を備えることを特徴とするOLED表示装置の製造方法。
  5. OLEDパネルと、
    前記OLEDパネル上に貼り付けられたλ/4位相差フィルムと、
    前記λ/4位相差フィルム上に貼り付けられた偏光フィルムと、
    前記OLEDパネルと前記λ/4位相差フィルムとの間に介在する第1の粘着剤と、
    前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムとの間に介在する第2の粘着剤と、
    を備え、
    この状態で、偏光フィルム側からSCE(Specular Component Excluded)モードで測定された反射率が0.66%以下であり、前記反射率に関して、前記λ/4位相差フィルムと前記偏光フィルムを取り除き、前記OLEDパネルの光出射側の表面からSCEモードで測定された反射率rSCEと、この表面側からSCIモードで測定された反射率rSCIとの比率rSCE/rSCIは、
    以下の関係式:
    33%≦SCE/rSCI ≦44%、
    を満たすOLED表示装置の製造方法であって、
    偏光フィルム上にλ/4位相差フィルムを貼り付けて、円偏光板を作製する工程と、
    OLEDパネル上に前記円偏光板を貼り付ける工程と、
    を備えることを特徴とするOLED表示装置の製造方法。
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