JP2003121852A - ホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法、ホメオトロピック配向液晶フィルムおよび光学フィルム - Google Patents

ホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法、ホメオトロピック配向液晶フィルムおよび光学フィルム

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JP2003121852A
JP2003121852A JP2001320589A JP2001320589A JP2003121852A JP 2003121852 A JP2003121852 A JP 2003121852A JP 2001320589 A JP2001320589 A JP 2001320589A JP 2001320589 A JP2001320589 A JP 2001320589A JP 2003121852 A JP2003121852 A JP 2003121852A
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JP2001320589A
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Shunsuke Shudo
俊介 首藤
Ikuro Kawamoto
育郎 川本
Hiroshi Nakajima
浩 中嶋
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側鎖型液晶ポリマーを用いて形成されるホメ
オトロピック配向液晶層のホメオトロピック配向性を、
基板の材質に拘わりなく満足させうるホメオトロピック
配向液晶フィルムの製造方法であって、ホメオトロピッ
ク配向液晶フィルムの製造後には、ホメオトロピック配
向液晶フィルムのみを容易に剥離することことができる
製造方法を提供すること。 【解決手段】 垂直配向膜の設けられていない基板であ
って、基板側からバインダー層、次いでアンカーコート
層が形成されている基板の当該アンカーコート層に、ホ
メオトロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリ
マーと光重合性液晶化合物を含有してなるホメオトロピ
ック配向液晶性組成物を塗工し、さらに当該液晶性組成
物を液晶状態においてホメオトロピック配向させ、その
配向状態を維持した状態で固定化した後、光照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホメオトロピック
配向液晶フィルムの製造方法に関する。また本発明は当
該製造方法により得られるホメオトロピック配向液晶フ
ィルム、さらには光学フィルムに関する。さらには上記
光学フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装
置、PDPなどの画像表示装置に関する。ホメオトロピ
ック配向液晶フィルムは単独でまたは他のフィルムと組
み合わせて、位相差板、視角補償フィルム、光学補償フ
ィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムとして使用
できる。
【0002】
【従来の技術】液晶化合物のホメオトロピック配向は、
液晶相の分子長軸が平均して薄膜(液晶相)を形成する
基板に対して実質的に垂直である場合に生じる。自発的
にホメオトロピック配向する物質は非常に僅かしかな
く、従って、かかる配向を生じさせるためには、一般的
に垂直配向剤が用いられる。垂直配向剤によりホメオト
ロピック配向させることができる液晶化合物としては、
たとえば、ネマチック液晶化合物が知られている。かか
る液晶化合物の配向技術にかかわる概説は、例えば、化
学総説44(表面の改質,日本化学会編,156〜16
3頁)に記載されている。
【0003】前記液晶化合物をホメオトロピック配向さ
せうる垂直配向剤としては各種の有機系または無機系配
向剤が知られているが、慣用されている配向剤の多くは
ガラス基板上で有効に作用するようにデザインされてい
る。
【0004】このような慣用の有機系配向剤としては、
たとえば、レシチン、シラン系界面活性剤、n−オクタ
デシルトリエトキシシラン、チタネート系界面活性剤、
ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムハライドまたはクロム錯体などがあ
げられる。これら有機系配向剤は、活性成分が非常に少
量(代表的には1%よりも少ない量)となるように適当
な揮発性溶剤に溶解され、次いで例えばスピンコーティ
ングまたはその他周知の塗工方法によって基板上に塗工
された後、揮発性溶剤を蒸発させることにより、ガラス
基板上に有機配向剤の薄膜として形成される。これら有
機系配向剤は、極性のガラス表面に引き付けられると考
えられる極性末端基とガラス表面に対して垂直に配列す
る無極性の長鎖状アルキル鎖を有することを特徴とする
ものであり、このような表面上において液晶化合物にホ
メオトロピック配向を生じさせる。
【0005】また無機系配向剤としては、例えば、ガラ
ス基板上にSiOX またはIn2 3 /SnO2 を垂直
角度で蒸着させたものが知られており、液晶化合物にホ
メオトロピック配向を生じさせる。その他、アルキル側
鎖付ポリイミド膜も液晶ディスプレイなどのホメオトロ
ピック配向膜として用いられている。
【0006】しかしながら、前記慣用の配向剤は、いず
れもガラス基板上においてのみ液晶化合物にホメオトロ
ピック配向を与えるものであり、プラスチックフィルム
やプラスチックシート等のポリマー物質からなる基板上
での配向にはあまり有効に作用するものではない。ポリ
マー物質からなる基板の表面は前記慣用されている配向
剤の極性末端基に対する親和性に乏しいものと推測さ
れ、それゆえ、一般的には、ホメオトロピック配向を全
然示さないか、またはほんの僅かに配向を示すに留ま
る。また、アルキル側鎖付ポリイミド膜の形成には高温
での熱処理が必要であるが、ポリイミド配向膜を焼成す
るに耐えることができ、光学用途として使用できる透明
プラスチックフィルムはほんの僅かである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これに対し本出願人
は、液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニッ
ト(a)と非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマ
ーユニット(b)を含有する側鎖型液晶ポリマーが、垂
直配向膜を使用することなく基板上でホメオトロピック
配向させることができ、これによりホメオトロピック配
向液晶フィルムを製造できることを見出している(特願
2000−370978)。
【0008】これら側鎖型液晶ポリマーは垂直配向膜を
使用することなく基板上でフィルムを形成しているた
め、液晶フィルムのTgが低く設計されている。これら
液晶フィルムには液晶ディプレイ等の用途として用いう
る耐久性の向上が望まれている。耐久性については、光
重合性液晶化合物を含有してなるホメオトロピック配向
液晶性組成物を、配向させ、固定化した後、紫外線等の
光照射により解決できることを見出している(特願20
01−136848)。
【0009】また、前記ホメオトロピック配向液晶フィ
ルムは、基板の材質と液晶ポリマーや液晶性組成物の組
み合わせによっては、ホメオトロピック配向性が低いも
のが得られる場合があった。かかるホメオトロピック配
向性は、ホメオトロピック配向液晶層を、アンカコート
層を介して基板上に形成することにより解決している
(特願2001−175936)。また、ホメオトロピ
ック配向液晶層とアンカーコート層の厚みを調整するこ
とにより、ホメオトロピック配向液晶層とアンカーコー
ト層の密着性を制御することができることも見出してい
る。しかし、基板の材質と側鎖型液晶ポリマーや液晶組
成物の組み合わせによって、それぞれの密着性が異なる
ため、厚みにより密着性を制御することは難しかった。
特に、ホメオトロピック配向液晶層(フィルム)のみを
取り出す場合には、ホメオトロピック配向液晶層とアン
カーコート層の界面で剥離が生じることが要求され、ア
ンカーコート層と基板との界面では剥離が生じないこと
が要求される。
【0010】本発明は、垂直配向膜を使用することな
く、基板上で、側鎖型液晶ポリマーを用いて形成される
ホメオトロピック配向液晶層、特に側鎖型液晶ポリマー
に光重合性液晶化合物を配合してなるホメオトロピック
配向液晶性組成物から形成されるホメオトロピック配向
液晶層のホメオトロピック配向性を、基板の材質に拘わ
りなく満足させうるホメオトロピック配向液晶フィルム
の製造方法であって、ホメオトロピック配向液晶フィル
ムの製造後には、基板から、ホメオトロピック配向液晶
フィルムのみを容易に剥離することが可能なホメオトロ
ピック配向液晶フィルムの製造方法を提供すること、ま
た前記製造方法により得られたホメオトロピック配向液
晶フィルムを提供することを目的とする。さらには基板
上にホメオトロピツク配向液晶フィルム層を有する光学
フィルム、当該光学フィルムを用いた画像表示装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解消するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す製造方法
により前記目的を達成できることを見出し本発明を完成
するに至った。
【0012】すなわち本発明は、垂直配向膜の設けられ
ていない基板であって、基板側からバインダー層、次い
でアンカーコート層が形成されている基板の当該アンカ
ーコート層に、垂直配向膜の設けられていない基板上で
ホメオトロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポ
リマーを塗工し、さらに当該側鎖型液晶ポリマーを液晶
状態においてホメオトロピック配向させ、その配向状態
を維持した状態で固定化することを特徴とするホメオト
ロピック配向液晶フィルムの製造方法、に関する。
【0013】また本発明は、垂直配向膜の設けられてい
ない基板であって、基板側からバインダー層、次いでア
ンカーコート層が形成されている基板の当該アンカーコ
ート層に、垂直配向膜の設けられていない基板上でホメ
オトロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリマ
ーと光重合性液晶化合物を含有してなるホメオトロピッ
ク配向液晶性組成物を塗工し、さらに当該液晶性組成物
を液晶状態においてホメオトロピック配向させ、その配
向状態を維持した状態で固定化した後、光照射すること
を特徴とするホメオトロピック配向液晶フィルムの製造
方法、に関する。
【0014】前記ホメオトロピック配向液晶フィルムの
製造方法において、バインダー層がカップリング剤によ
り形成されていることが好ましい。カップリング剤とし
てはシランカップリング剤が好ましい。また、前記ホメ
オトロピック配向液晶フィルムの製造方法において、バ
インダー層は、有機系プライマーにより形成されている
ことが好ましい。
【0015】前記本発明の製造方法では、垂直配向膜の
設けられていない基板上にアンカーコート層を形成して
おり、当該アンカーコート層によって基板の強度を向上
させることができ良好なホメオトロピック配向性を確保
できる。また、基板とアンカーコート層の間にバインダ
ー層を設けることにより、基板とアンカーコート層の密
着性を向上させることができる。その結果、アンカーコ
ート層とホメオトロピック配向液晶フィルムの界面で剥
離が生じ易くなり、ホメオトロピック配向液晶フィルム
のみを容易に取り出すことができる。前記バインダー層
の形成には、カップリング剤、有機系プライマーが有効
である。
【0016】また、本発明は、垂直配向膜の設けられて
いない基板であって、基板との密着性を強化する材料を
含有するアンカーコート層が形成されている基板の当該
アンカーコート層に、垂直配向膜の設けられていない基
板上でホメオトロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型
液晶ポリマーを塗工し、さらに当該側鎖型液晶ポリマー
を液晶状態においてホメオトロピック配向させ、その配
向状態を維持した状態で固定化することを特徴とするホ
メオトロピック配向液晶フィルムの製造方法、に関す
る。
【0017】また本発明は、垂直配向膜の設けられてい
ない基板であって、基板との密着性を強化する材料を含
有するアンカーコート層が形成されている基板の当該ア
ンカーコート層に、垂直配向膜の設けられていない基板
上でホメオトロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型液
晶ポリマーと光重合性液晶化合物を含有してなるホメオ
トロピック配向液晶性組成物を塗工し、さらに当該液晶
性組成物を液晶状態においてホメオトロピック配向さ
せ、その配向状態を維持した状態で固定化した後、光照
射することを特徴とするホメオトロピック配向液晶フィ
ルムの製造方法、に関する。
【0018】前記ホメオトロピック配向液晶フィルムの
製造方法において、基板との密着性を強化する材料が、
カップリング剤であることが好ましい。カップリング剤
としてはシランカップリング剤が好ましい。
【0019】上記本発明の製造方法と同様に、アンカー
コート層によって基板の強度を向上させることができ良
好なホメオトロピック配向性を確保できる。また、アン
カーコート層に基板との密着性を強化する材料を含有さ
せることにより、基板とアンカーコート層の密着性を向
上させることができる。その結果、アンカーコート層と
ホメオトロピック配向液晶フィルムの界面で剥離が生じ
易くなり、ホメオトロピック配向液晶フィルムのみを容
易に取り出すことができる。基板との密着性を強化する
材料としては、シランカップリング剤が有効である。
【0020】前記ホメオトロピック配向液晶フィルムの
製造方法において、ホメオトロピック配向液晶層を形成
しうる側鎖型液晶ポリマーが、液晶性フラグメント側鎖
を含有するモノマーユニット(a)と非液晶性フラグメ
ント側鎖を含有するモノマーユニット(b)を含有する
側鎖型液晶ポリマーを好ましく使用できる。本発明の製
造方法において用いられる側鎖型液晶ポリマーは、垂直
配向膜の設けられていない基板上でホメオトロピック配
向液晶層を形成しうるものを特に制限なく使用すること
ができるが、特に、液晶性フラグメント側鎖を含有する
モノマーユニット(a)と非液晶性フラグメント側鎖を
含有するモノマーユニット(b)を含有する側鎖型液晶
ポリマーが好ましい。
【0021】前記ホメオトロピック配向液晶フィルムの
製造方法において、アンカーコート層が透明ガラス質高
分子膜であることが好ましい。アンカーコート層として
は、側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物により形成
される液晶層がホメオトロピック配向性を確保しうるも
のを特に制限なく使用できるが、透明ガラス質高分子膜
が、液晶層のホメオトロピック配向性を確保するうえで
好ましい。
【0022】また前記ホメオトロピック配向液晶フィル
ムの製造方法は、基板の材質が、ポリマー物質である場
合に有効である。基板としては、ポリマー物質、ガラス
基板、金属等の各種材質のものを用いることができる
が、特に基板の材質がポリマー物質の場合には、その材
質により、液晶ポリマーや液晶性組成物の組み合わせに
よっては、アンカーコート層とホメオトロピック配向液
晶フィルムとの界面で剥離しないものがある。このよう
な材質のポリマー物質を基材とする場合に、当該基板と
アンカーコート層の間に前記バインダー層を設けて、ま
たはアンカーコート層に基板との密着性を強化する材料
を含有させて、アンカーコート層と基板との密着性を確
保することのが有効である。
【0023】また本発明は、前記製造方法により得られ
たホメオトロピック配向液晶フィルム、に関する。また
本発明は、前記ホメオトロピック配向液晶フィルムが、
少なくとも1つ用いられていることを特徴とする光学フ
ィルム、に関する。さらには本発明は、前記光学フィル
ムを適用した画像表示装置、に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明においてホメオトロピック
配向液晶層を形成しうる液晶ポリマーとしては、たとえ
ば、液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニッ
ト(a)と非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマ
ーユニット(b)を含有する側鎖型液晶ポリマーがあげ
られる。
【0025】前記側鎖型液晶ポリマーは、垂直配向膜を
用いずに、液晶ポリマーのホメオトロピック配向を実現
することができる。当該側鎖型液晶ポリマーは、通常の
側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性フラグメント側鎖を
含有するモノマーユニット(a)の他に、アルキル鎖等
を有する非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマー
ユニット(b)を有しており、非液晶性フラグメント側
鎖を含有するモノマーユニット(b)の作用により、垂
直配向膜を用いなくても、たとえば熱処理により液晶状
態としネマチック液晶相を発現させ、ホメオトロピック
配向を示すようになったものと推察する。
【0026】前記モノマーユニット(a)はネマチック
液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえば、一
般式(a):
【化1】 (ただし、R1 は水素原子またはメチル基を、aは1〜
6の正の整数を、X1 は−CO2 −基または−OCO−
基を、R2 はシアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
フルオロ基または炭素数1〜6のアルキル基を、bおよ
びcは1または2の整数を示す。)で表されるモノマー
ユニットがあげられる。
【0027】またモノマーユニット(b)は、直鎖状側
鎖を有するものであり、たとえば、一般式(b):
【化2】 (ただし、R3 は水素原子またはメチル基を、R4 は炭
素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のフルオロ
アルキル基、または一般式(b1):
【化3】 ただし、dは1〜6の正の整数を、R5 は炭素数1〜6
のアルキル基を示す。)で表されるモノマーユニットが
あげられる。
【0028】また、モノマーユニット(a)とモノマー
ユニット(b)の割合は、特に制限されるものではな
く、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノ
マーユニット(b)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリ
マーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、
(b)/{(a)+(b)}=0.01〜0.8(モル
比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.5とするの
がより好ましい。
【0029】またホメオトロピック配向液晶層を形成し
うる液晶ポリマーとしては、前記液晶性フラグメント側
鎖を含有するモノマーユニット(a)と脂環族環状構造
を有する液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユ
ニット(c)を含有する側鎖型液晶ポリマーがあげられ
る。
【0030】前記側鎖型液晶ポリマーによれば、垂直配
向膜を用いずに、液晶ポリマーのホメオトロピック配向
を実現することができる。当該側鎖型液晶ポリマーは、
通常の側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性フラグメント
側鎖を含有するモノマーユニット(a)の他に、脂環族
環状構造を有する液晶性フラグメント側鎖を含有するモ
ノマーユニット(c)を有しており、当該モノマーユニ
ット(c)の作用により垂直配向膜を用いなくても、た
とえば熱処理により液晶状態としネマチック液晶相を発
現させ、ホメオトロピック配向を示すようになったもの
と推察する。
【0031】前記モノマーユニット(c)はネマチック
液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえば、一
般式(c):
【化4】 (ただし、R6 水素原子またはメチル基を、hは1〜6
の正の整数を、X2 は−CO2 −基または−OCO−基
を、eとgは1または2の整数を、fは0〜2の整数
を、R7 はシアノ基、炭素数1〜12のアルキル基を示
す。)で表されるモノマーユニットがあげられる。
【0032】また、モノマーユニット(a)とモノマー
ユニット(c)の割合は、特に制限されるものではな
く、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノ
マーユニット(c)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリ
マーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、
(c)/{(a)+(c)}=0.01〜0.8(モル
比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.6とするの
がより好ましい。
【0033】ホメオトロピック配向液晶層を形成しうる
液晶ポリマーは、前記例示のモノマーユニットを有する
ものに限られず、また前記例示モノマーユニットは適宜
に組み合わせることができる。
【0034】前記側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子量
は、2千〜10万であるのが好ましい。重量平均分子量
をかかる範囲に調整することにより液晶ポリマーとして
の性能を発揮する。側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子
量が過少では配向層の成膜性に乏しくなる傾向があるた
め、重量平均分子量は2.5千以上とするのがより好ま
しい。一方、重量平均分子量が過多では液晶としての配
向性に乏しくなって均一な配向状態を形成しにくくなる
傾向があるため、重量平均分子量は5万以下とするのが
より好ましい。
【0035】なお、前記例示の側鎖型液晶ポリマーは、
前記モノマーユニット(a)、モノマーユニット
(b)、モノマーユニット(c)に対応するアクリル系
モノマーまたはメタクリル系モノマーを共重合すること
により調製できる。なお、モノマーユニット(a)、モ
ノマーユニット(b)、モノマーユニット(c)に対応
するモノマーは公知の方法により合成できる。共重合体
の調製は、例えばラジカル重合方式、カチオン重合方
式、アニオン重合方式などの通例のアクリル系モノマー
等の重合方式に準じて行うことができる。なお、ラジカ
ル重合方式を適用する場合、各種の重合開始剤を用いう
るが、そのうちアゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベ
ンゾイルなどの分解温度が高くもなく、かつ低くもない
中間的温度で分解するものが好ましく用いられる。
【0036】前記側鎖型液晶ポリマーには、光重合性液
晶化合物を配合して液晶性組成物とすることができる。
光重合性液晶化合物は、光重合性官能基として、たとえ
ば、アクリロイル基またはメタクリロイル基等の不飽和
二重結合を少なくとも1つ有する液晶性化合物であり、
ネマチック液晶性のものが賞用される。かかる光重合性
液晶化合物としては、前記モノマーユニット(a)とな
るアクリレートやメタクリレートを例示できる。光重合
性液晶化合物として、耐久性を向上させるには、光重合
性官能基を2つ以上有するものが好ましい。このような
光重合性液晶化合物として、たとえば、下記化5:
【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、AおよびDは
それぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4−
シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−COO
−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4−フ
ェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4’−
ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン基
を、mおよびnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示
す。)で表される架橋型ネマチック性液晶モノマー等を
例示できる。また、光重合性液晶化合物としては、前記
化5における末端の「H2 C=CR−CO2 −」を、ビ
ニルエーテル基またはエポキシ基に置換した化合物や、
「−(CH2m −」および/または「−(CH2n
−」を「−(CH23 −C* H(CH3 )−(C
22 −」または「−(CH22 −C* H(CH
3 )−(CH23 −」に置換した化合物を例示でき
る。
【0037】上記光重合性液晶化合物は、熱処理により
液晶状態として、たとえば、ネマチック液晶層を発現さ
せて側鎖型液晶ポリマーとともにホメオトロピック配向
させることができ、その後に光重合性液晶化合物を重合
または架橋させることによりホメオトロピック配向液晶
フィルムの耐久性を向上させることができる。
【0038】液晶性組成物中の光重合性液晶化合物と側
鎖型液晶ポリマーの比率は、特に制限されず、得られる
ホメオトロピック配向液晶フィルムの耐久性等を考慮し
て適宜に決定されるが、通常、光重合性液晶化合物:側
鎖型液晶ポリマー(重量比)=0.1:1〜30:1程
度が好ましく、特に0.5:1〜20:1が好ましく、
さらには1:1〜10:1が好ましい。
【0039】前記液晶性組成物中には、通常、光重合開
始剤を含有する。光重合開始剤は各種のものを特に制限
なく使用できる。光重合開始剤としては、たとえば、チ
バスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア(Ir
gacure)907,同184、同651、同369
などを例示できる。光重合開始剤の添加量は、光重合液
晶化合物の種類、液晶性組成物の配合比等を考慮して、
液晶性組成物のホメオトロピック配向性を乱さない程度
に加えられる。通常、光重合性液晶化合物100重量部
に対して、0.5〜30重量部程度が好ましい。特に3
重量部以上が好ましい。
【0040】前記側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成
物を塗工する基板は、ガラス基板、金属箔、プラスチッ
クシートまたはプラスチックフィルムのいずれの形状で
もよい。基板の厚さは、通常、10〜1000μm程度
である。
【0041】プラスチックフィルムは配向させる温度で
変化しないものであれば特に制限はなく、たとえば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、
トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポ
リカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート
等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィ
ルムがあげられる。またポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造
を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合
体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、
ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の
透明ポリマーからなるフィルムもあげられる。さらにイ
ミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルス
ルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリ
マー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルア
ルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニ
ルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリ
オキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記
ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィル
ムなどもあげられる。これらのなかでも水素結合性が高
く、光学フィルムとして用いられるトリアセチルセルロ
ース、ポリカーボネート、ノルボルネンポリオレフィン
等のプラスチックフィルムが賞用される。
【0042】また金属フィルムとしては、例えばアルミ
ニウムなどから形成される当該フィルムが挙げられる。
【0043】プラスチックフィルムとしては、特にゼオ
ノア(商品名,日本ゼオン(株)製)、ゼオネックス
(商品名,日本ゼオン(株)製)、アートン(商品名,
JSR(株)製)などのノルボルネン構造を有するポリ
マー物質からなるプラスチックフィルムが光学的にも優
れた特性を有する。これらポリマー物質(プラスチック
フィルム)は光学異方性が非常に小さいため、プラスチ
ックフィルム上に形成された前記液晶性ポリマーまたは
組成物の配向液晶フィルム層は、当該配向液晶フィルム
層を別のプラスチックフィルムヘ転写することなく、そ
のままホメオトロピック配向位相差板として液晶ディス
プレイの光学補償用途等の光学フィルムに用いることが
できる。また、光学異方性を有するプラスチックフィル
ムやアルミホイルなどの金属フィルム上に形成した配向
液晶フィルム層に関しては、前記液晶性ポリマーまたは
組成物を配向液晶フィルム化した後、ノルボルネン構造
を有するフィルムやセルローストリアセテートなどの透
明で光学異方性の小さいプラスチックフィルム上に直接
または粘着剤もしくは接着剤を介して転写することによ
り、光学補償フィルム等の光学フィルムに利用すること
ができる。
【0044】上記基板には、前記基板側からバインダー
層、次いでアンカーコート層が設けられるか、または基
板との密着性を強化する材料を含有するアンカーコート
層が設けられる。
【0045】バインダー材料は、基板(特にポリマー物
質)とアンカーコート層(透明ガラス質高分子膜)との
密着性を向上できるものを特に制限なく使用することが
できる。バインダー材料としては、たとえば、カップリ
ング剤があげられる。カップリング剤は、基板(特にポ
リマー物質)とアンカーコート層(透明ガラス質高分子
膜)の両者と結合し易い官能基を有するものであり、た
とえば、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、ジルコニウムカップリング剤等を例示できる。これ
らのなかでもシランカップリング剤が密着性の向上効果
が大きい。
【0046】カップリング剤は、特に制限されず、たと
えば、一般式:Y−R8 −M(X)n (R93-n 、で
表わされる。前記一般式中のMはSi、TiまたはZr
等であり、Siの場合が好適である。nは1〜3の整数
である。Xは加水分解性基であり、たとえば、MがSi
の場合には加水分解されて、シラノール基(SiOH)
となるものである。Xの具体例としては、たとえば、ク
ロル基、アルコキシ基(アルキル基としてメチル基、エ
チル基等の有機基を含む)、アセトキシ基、アミノ基等
があげられる。これらのなかでもアルコキシ基が好まし
い。R9 はメチル基、エチル基等のアルキル基を示す。
Yはビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミ
ノ基、メルカプト基等の有機系材料と反応しうる官能基
である。また、R8 は単結合または炭素数1〜3程度の
アルキレン基等を含む有機基である。
【0047】またバインダー材料としては、有機系プラ
イマーが用いられる。有機系プライマーとしては、基板
とアンカーコート層との密着を向上できる各種の材料を
使用できるが、水酸基、カルボキシル基等のアンカーコ
ート層との間に結合を作ることができる官能基を有する
材料が好ましい。水酸基を有する高分子材料としては、
ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリビニルアルコール
等があげられ、カルボキシル基を有する高分子材料とし
ては、ポリアクリル酸等があげられる。また水酸基、カ
ルボキシル基等の官能基を有する高分子材料としては、
前記の他、カルボキル基含有含有モノマーおよび/また
は水酸基含有モノマーをモノマー成分として含有するア
クリル系ポリマー、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂等があげられる。
【0048】これらバインダー材料は、それらの特徴か
ら基板とアンカーコート層を密接に結びつける。バイン
ダー層は基板とアンカーコート層の間に設けられ、その
機能を発揮する。バインダー層の厚みは0.005〜
0.2μm程度が好ましく、0.01〜0.05μm程
度がより好ましい。
【0049】上記バインダー材料は適宜に溶媒で希釈し
たものを基板上に塗工する。塗工方法としては、例えば
ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、
バーコート法などを採用することができる。塗工後、溶
媒を除去し、加熱によりや反応を促進する方法として
は、通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、ホットプレ
ート上での加熱などを利用される。
【0050】アンカーコート材料としては、金属アルコ
キシド、特に金属シリコンアルコキシドゾルが賞用され
る。金属アルコキシドは、通常アルコール系の溶液とし
て用いられる。アンカーコート層は、均一で、かつ柔軟
性のある膜が必要なため、アンカーコート層の厚みは
0.04〜2μm程度が好ましく、0.05〜0.2μ
m程度がより好ましい。
【0051】また、アンカーコート層に基板との密着性
を強化する材料を含有させる場合には、バインダー層は
特に必要ではない。基板との密着性を強化する材料とし
ては、前記カップリング剤を用いることができる。当該
カップリング剤としてもシランカップリング剤が好適で
ある。アンカーコート材料中にカップリング剤を含有さ
せることにより、カップリング剤は基板とアンカーコー
ト層の間でバインダーの役割を果たすと考えられる。当
該カップリング剤の使用量は、特に制限されないが、ア
ンカーコート材料(金属シリコンアルコキシドゾル溶
液)に対して、固形分比で0.5〜10重量%程度、さ
らには1〜5重量%とするのが好適である。
【0052】上記のアンカーコート材料(金属シリコン
アルコキシドゾル溶液)を、基板上またはバインダー層
上に塗工する方法としては、例えばロールコート法、グ
ラビアコート法、スピンコート法、バーコート法などを
採用することができる。前記溶液は、塗工後、溶媒を除
去し、加熱によりゾルゲル反応を促進させることで、透
明ガラス質高分子膜を形成する。金属シリコンアルコキ
シドゾルからは金属シリコンアルコキシドゲル層が形成
される。溶媒除去や反応を促進する方法としては、通
常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、ホットプレート上
での加熱などを利用される。
【0053】前記側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成
物を基板(アンカーコート層)に塗工する方法は、当該
側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物を溶媒に溶解し
た溶液を用いる溶液塗工方法または当該液晶ポリマーま
たは液晶性組成物を溶融して溶融塗工する方法が挙げら
れるが、この中でも溶液塗工方法にて支持基板上に側鎖
型液晶ポリマーまたは液晶性組成物の溶液を塗工する方
法が好ましい。
【0054】前記溶液を調製する際に用いられる溶媒と
しては、側鎖型液晶ポリマー、光重合性液晶化合物や基
板の種類により異なり一概には言えないが、通常、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラク
ロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェ
ノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,
2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類、その
他、アセトン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコー
ル、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレング
リコール、エチレンブリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソル
ブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−
2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチ
ロニトリル、二硫化炭素、シクロヘキサノンなどを用い
ることができる。溶液の濃度は、用いる側鎖型液晶ポリ
マーまたは液晶性組成物の溶解性や最終的に目的とする
配向液晶フィルムの膜厚に依存するため一概には言えな
いが、通常3〜50重量%、好ましくは7〜30重量%
の範囲である。
【0055】塗工された前記側鎖型液晶ポリマーまたは
液晶性組成物からなるホメオトロピック配向液晶フィル
ム層の厚みは1〜10μm程度とするのが好ましい。な
お、特にホメオトロピック配向液晶フィルムの膜厚を精
密に制御する必要がある場合には、膜厚が基板に塗工す
る段階でほぼ決まるため、溶液の濃度、塗工膜の膜厚な
どの制御は特に注意を払う必要がある。
【0056】上記の溶媒を用いて所望の濃度に調整した
側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物の溶液を、基板
上のアンカーコート層に塗工する方法としては、例え
ば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート
法、バーコート法などを採用することができる。塗工
後、溶媒を除去し、基板上に液晶ポリマー層または液晶
性組成物層を形成させる。溶媒の除去条件は、特に限定
されず、溶媒をおおむね除去でき、液晶ポリマー層また
は液晶性組成物層が流動したり、流れ落ちたりさえしな
ければ良い。通常、室温での乾燥、乾燥炉ての乾燥、ホ
ットプレート上での加熱などを利用して溶媒を除去す
る。
【0057】次いで、支持基板上に形成された側鎖型液
晶ポリマー層または液晶性組成物層を液晶状態とし、ホ
メオトロピック配向させる。たとえば、側鎖型液晶ポリ
マーまたは液晶性組成物が液晶温度範囲になるように熱
処理を行い、液晶状態においてホメオトロピック配向さ
せる。熱処理方法としては、上記の乾燥方法と同様の方
法で行うことができる。熱処理温度は、使用する側鎖型
液晶ポリマーまたは液晶性組成物と支持基板の種類によ
り異なるため一概には言えないが、通常60〜300
℃、好ましくは70〜200℃の範囲において行う。ま
た熱処理時間は、熱処理温度および使用する側鎖型液晶
ポリマーまたは液晶性組成物や基板の種類によって異な
るため一概には言えないが、通常10秒〜2時間、好ま
しくは20秒〜30分の範囲で選択される。10秒より
短い場合、ホメオトロピック配向形成が十分に進行しな
いおそれがある。
【0058】熱処理終了後、冷却操作を行う。冷却操作
としては、熱処理後のホメオトロピック配向液晶フィル
ムを、熱処理操作における加熱雰囲気中から、室温中に
出すことによって行うことができる。また空冷、水冷な
どの強制冷却を行ってもよい。前記側鎖型液晶ポリマー
のホメオトロピック配向層は、側鎖型液晶ポリマーのガ
ラス転移温度以下に冷却することにより配向が固定化さ
れる。
【0059】液晶性組成物の場合には、このように固定
化されたホメオトロピック液晶配向層に対して、光照射
を行い光重合性液晶化合物を重合または架橋させて光重
合性液晶化合物を固定化して、耐久性を向上したホメオ
トロピック配向液晶フィルムを得る。光照射は、たとえ
ば、紫外線照射により行う。紫外線照射条件は、十分に
反応を促進するために、不活性気体雰囲気中とすること
が好ましい。通常、約80〜160mW/cm2 の照度
を有する高圧水銀紫外ランプが代表的に用いられる。メ
タハライドUVランプや白熱管などの別種ランプを使用
することもできる。なお、紫外線照射時の液晶層表面温
度が液晶温度範囲内になるように、コールドミラー、水
冷その他の冷却処理あるいはライン速度を速くするなど
して適宜に調整する。
【0060】このようにして、側鎖型液晶ポリマーまた
は液晶性組成物の薄膜が生成され、配向性を維持したま
ま固定化することにより、ホメオトロピック配向した配
向液晶フィルムが得られる。当該配向液晶層は同一の方
向で配向された分子を有する。従ってこの配向液晶層の
配向ベクトルの凍結または安定化およびその異方性物性
の保存が達成されることは周知であり、このような薄膜
はそれらの光学的性質が確認され、各種の用途で使用さ
れる。前記配向液晶層は一軸性の正の複屈折率を有する
薄膜である。
【0061】以上のようにして得られるホメオトロピッ
ク配向液晶層の配向は、当該液晶層の光学位相差を垂直
入射から傾けた角度で測定することによって量化するこ
とができる。ホメオトロピック配向液晶フィルムの場
合、この位相差値は垂直入射について対称的である。光
学位相差の測定には数種の方法を利用することができ、
例えば自動複屈折測定装置(オーク製)および偏光顕微
鏡(オリンパス製)を利用することができる。このホメ
オトロピック配向液晶フィルムはクロスニコル偏光子間
で黒色に見える。このようにしてホメオトロピック配向
性を評価した。
【0062】こうして得られたホメオトロピック配向液
晶フィルムは、光学フィルムとして用いられる。前記配
向液晶フィルムは基板から容易に剥離して用いることが
できる。例えば、一軸配向した位相差板を基板としてホ
メオトロピック配向液晶フィルムを作製すると、広視野
角の位相差板が得られ、これをSTN型液晶表示装置に
適用することにより、液晶表示装置の表示特性、特に視
野角特性を著しく向上させることができる。
【0063】液晶表示装置等の画像表示装置に適用され
る光学フィルムには偏光板が用いられる。偏光板は、通
常、偏光子の片側または両側に保護フィルムを有するも
のである。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使
用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアル
コール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコ
ール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分
ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や
二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したも
の、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニ
ルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげ
られる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィ
ルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向
したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限
されないが、5〜80μm程度が一般的である。
【0064】ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素
で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニル
アルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染
色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することが
できる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水
溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色
の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して
水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水
洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚
れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほか
に、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させること
で染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸
はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら
延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色しても
よい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中
でも延伸することができる。
【0065】前記偏光子の片側または両側に設けられて
いる保護フィルムには、透明性、機械的強度、熱安定
性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。
前記保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチ
ルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンや
アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等の
スチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなど
があげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、
シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフ
ィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフ
ィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳
香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマ
ー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリ
マー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフ
ェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポ
リマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール
系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレ
ン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリ
マーのブレンド物などが保護フィルムを形成するポリマ
ーの例としてあげられる。その他、アクリル系やウレタ
ン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系
等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化
したものなどがあげられる。保護フィルムの厚さは、一
般には500μm以下であり、1〜300μmが好まし
い。特に5〜200μmとするのが好ましい。
【0066】保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性
などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース
系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフ
ィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィル
ムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる
保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等か
らなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護
フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着してい
る。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着
剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポ
リウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
【0067】前記保護フィルムとしては、ハードコート
層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないし
アンチグレアを目的とした処理を施したものを用いるこ
とができる。
【0068】ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防
止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル
系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による
硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護フィルムの表
面に付加する方式などにて形成することができる。反射
防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施さ
れるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成に
より達成することができる。また、スティッキング防止
処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
【0069】またアンチグレア処理は偏光板の表面で外
光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止
等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト
方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子
の配合方式などの適宜な方式にて保護フィルムの表面に
微細凹凸構造を付与することにより形成することができ
る。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子と
しては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジ
ウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電
性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマ
ー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられ
る。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量
は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部
に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25
重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を
拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機
能など)を兼ねるものであってもよい。
【0070】なお、前記反射防止層、スティッキング防
止層、拡散層やアンチグレア層等は、保護フィルムその
ものに設けることができるほか、別途光学層として透明
保護層とは別体のものとして設けることもできる。
【0071】前記偏光板は、位相差板を積層された楕円
偏光板または円偏光板として用いることができる。前記
楕円偏光板または円偏光板について説明する。これらは
位相差板により直線偏光を楕円偏光または円偏光に変え
たり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あ
るいは直線偏光の偏光方向を変える。特に、直線偏光を
円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板
としては、いわゆる1/4 波長板(λ/4 板とも言う)
が用いられる。1/2 波長板(λ/2 板とも言う)は、
通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
【0072】楕円偏光板はスパーツイストネマチック
(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じ
た着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のな
い白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三
次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を
斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー
表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場
合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。
【0073】位相差板には、例えば各種波長板や液晶層
の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものな
どを使用することができ、また使用目的に応じた適宜な
位相差を有する2種以上の位相差板を積層して位相差等
の光学特性を制御することができる。位相差板として
は、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリア
リレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフ
ィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリ
マーなどの液晶材料からなる配向フィルム、液晶材料の
配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。
前記ホメオトロピック配向液晶フィルムはかかる位相差
板として用いることができる。
【0074】また前記ホメオトロピック配向液晶フィル
ムは、前述の通り、視角補償フィルムとして偏光板に積
層して広視野角偏光板として用いられる。視角補償フィ
ルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや
斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえ
るように視野角を広げるためのフィルムである。
【0075】このような視角補償位相差板としては、他
に二軸延伸処理や直交する二方向に延伸処理等された複
屈折を有するフィルム、傾斜配向フィルムのような二方
向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムと
しては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接
着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィル
ムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリ
マーを斜め配向させたものなどが挙げられる。視角補償
フィルムは、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変
化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目
的として適宜に組み合わせることができる。
【0076】また、良視認の広い視野角を達成する点な
どより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック
液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をト
リアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位
相差板が好ましく用いうる。
【0077】前記のほか実用に際して積層される光学層
については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板
などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光
学層を1層または2層以上用いることができる。特に、
楕円偏光板または円偏光板に、更に反射板または半透過
反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏
光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層さ
れてなる偏光板があげられる。
【0078】反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けた
もので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表
示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもの
であり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶
表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反
射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して
偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式な
どの適宜な方式にて行うことができる。
【0079】反射型偏光板の具体例としては、必要に応
じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム
等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を
形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルム
に微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に
微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。
前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射によ
り拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明
暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含
有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透
過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点な
ども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反
映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸
着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方
式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を
透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うこ
とができる。
【0080】反射板は前記の偏光板の保護フィルムに直
接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適
宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとし
て用いることもできる。なお反射層は、通常、金属から
なるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆
された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防
止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別
途付設の回避の点などより好ましい。
【0081】なお、半透過型偏光板は、上記において反
射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲
気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節
約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用い
て使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用で
ある。
【0082】偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた
偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用
される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバッ
クライトや裏側からの反射などにより自然光が入射する
と所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射
し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィ
ルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光
源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると
共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射され
る。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後
ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フ
ィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態
の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の
増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給
して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図る
ことにより輝度を向上させうるものである。すなわち、
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液
晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合に
は、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する
光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透
過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によって
も異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてし
まい、その分、液晶画像表示当に利用しうる光量が減少
し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸
収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させ
ずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側
に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィ
ルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反
射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るよ
うな偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは
透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの
光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画
面を明るくすることができる。
【0083】前記の輝度向上フィルムとしては、例えば
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム
基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいず
れか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示
すものなどの適宜なものを用いうる。
【0084】従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を
透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光
をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化し
て偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相
差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を
直線偏光に変換することができる。
【0085】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡
色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他
の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板とし
て機能する位相差層とを重畳する方式などにより得るこ
とができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に
配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層から
なるものであってよい。
【0086】なお、コレステリック液晶層についても、
反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3
層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域
等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることが
でき、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得る
ことができる。
【0087】また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板
の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層し
たものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏
光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型
楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
【0088】上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、
偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積
層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)
偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表
示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成
することができるが、予め積層して楕円偏光板等の光学
フィルムとしたのものは、品質の安定性や積層作業性等
に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利
点がある。
【0089】本発明の光学フィルムには、粘着層を設け
ることもできる。粘着剤層は、液晶セルへの貼着に用い
ることができる他、光学層の積層に用いられる。前記光
学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする
位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることがで
きる。
【0090】粘着層を形成する粘着剤は特に制限されな
いが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマ
ー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエ
ーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリ
マーとするものを適宜に選択して用いることができる。
特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適
度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候
性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
【0091】また上記に加えて、吸湿による発泡現象や
剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や
液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる
液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐
熱性に優れる粘着層が好ましい。
【0092】粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂
類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されること
の添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して
光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
【0093】光学フィルムの片面又は両面への粘着層の
付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例え
ばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混
合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を
溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液
を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方
式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方
式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成し
てそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式
などがあげられる。
【0094】粘着層は、異なる組成又は種類等のものの
重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設
けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や
光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等
の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目
的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜
500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に1
0〜100μmが好ましい。
【0095】粘着層の露出面に対しては、実用に供する
までの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着さ
れてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着
層に接触することを防止できる。セパレータとしては、
上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴ
ムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属
箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に
応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モ
リブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなど
の、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0096】なお本発明において、上記した偏光板を形
成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、ま
た粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系
化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯
塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式
により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよ
い。
【0097】本発明の光学フィルムは液晶表示装置等の
各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液
晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち
液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学フィルム、及び
必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立
てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本
発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を
除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルにつ
いても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタ
イプのものを用いうる。
【0098】液晶セルの片側又は両側に前記光学フィル
ムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックラ
イトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示
装置を形成することができる。その場合、本発明による
光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置すること
ができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは
同じものであってもよいし、異なるものであってもよ
い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡
散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズム
アレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライト
などの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置
することができる。
【0099】次いで有機エレクトロルミネセンス装置
(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機
EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と
金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミ
ネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層
は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニ
ルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン
等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あ
るいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電
子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入
層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み
合わせをもった構成が知られている。
【0100】有機EL表示装置は、透明電極と金属電極
とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と
電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によっ
て生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍
光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原
理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般
のダイオードと同様であり、このことからも予想できる
ように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴
う強い非線形性を示す。
【0101】有機EL表示装置においては、有機発光層
での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透
明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(IT
O)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として
用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上
げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが
重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を
用いている。
【0102】このような構成の有機EL表示装置におい
て、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜
で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と
同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に
透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを
透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面
側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示
装置の表示面が鏡面のように見える。
【0103】電圧の印加によって発光する有機発光層の
表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面
側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス
発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表
面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光
板との間に位相差板を設けることができる。
【0104】位相差板および偏光板は、外部から入射し
て金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するた
め、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視
認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4
波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向の
なす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に
遮蔽することができる。
【0105】すなわち、この有機EL表示装置に入射す
る外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過す
る。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光とな
るが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と
位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏
光となる。
【0106】この円偏光は、透明基板、透明電極、有機
薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透
明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光
となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と
直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、
金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0107】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明の一態様につい
て説明するが、本発明は実施例に限定されないことはい
うまでもない。得られたホメオトロピック配向液晶フィ
ルムについては、配向性、密着性の評価を行った。結果
を表1に示す。
【0108】実施例1 ポリエチレンテレフタレートをポリマー材料とするプラ
スチックフィルム(東レ(株)製,厚さ50μm)に、
バインダー層として、エポキシ系シランカップリング剤
(商品名KBM503,大日本インキ化学工業(株)
製)のイソプロピルアルコール2%溶液を、バーコーテ
ィングにより塗工し、120℃で3分間加熱して、バイ
ンダー層(約0.05μm)を形成した。次いで、アン
カーコート用のゾル溶液としてエチルシリケートのブタ
ノール、イソプロピルアルコール2%溶液(商品名コル
コート N−103X,コルコート(株)製)を、バイ
ンダー層上にバーコーティングにより塗工した。次い
で、120℃で1分間加熱し、透明ガラス質高分子膜
(0.1μm)を形成した。
【0109】
【化6】 上記の化6(式中の数字はモノマーユニットのモル%を
示し、便宜的にブロック体で表示している、重量平均分
子量5000)に示される側鎖型液晶ポリマー5重量
部、ネマチック液晶層を示す光重合性液晶化合物(BA
SF社製,PaliocolorLC242)20重量
部および光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ
社製,イルガキュア907)5重量%(対光重合性液晶
化合物)をシクロヘキサノン75重量部に溶解した溶液
を、フィルム基材に設けたアンカーコート層上に、スピ
ンコーティングにより塗工した。次いで、80℃で2分
間加熱し、その後室温まで一気に冷却することにより、
前記液晶層をホメオトロピック配向させ、かつ配向を維
持したままガラス化しホメオトロピック配向液晶層
(2.5μm)を固定化した。さらに、固定化したホメ
オトロピック配向液晶層に紫外線を照射することにより
ホメオトロピック配向液晶フィルムを作製した。
【0110】(ホメオトロピック配向性)サンプル(基
板付きホメオトロピック配向液晶フィルム)をクロスニ
コルさせた偏光顕微鏡により、当該フィルム表面に対し
垂直な方向からサンプルを観察したところ、正面からは
何も見えなかった。これによりホメオトロピック配向を
確認した。すなわち光学位相差が発生していないことが
わかった。このフィルムを傾けて斜めから光を入射し、
同様にクロスニコルで観察したところ、光の透過が観測
された。
【0111】また、同フィルムの光学位相差を自動複屈
折測定装置により測定した。測定光をサンプル表面に対
して垂直あるいは斜めから入射して、その光学位相差と
測定光の入射角度のチャートから、ホメオトロピック配
向を確認した。ホメオトロピック配向では、サンプル表
面に対して垂直方向での位相差(正面位相差)がほぼゼ
ロである。このサンプルに関しては、液晶層の遅相軸方
向に斜めから位相差を測定したところ、測定光の入射角
度の増加に伴い、位相差値が増加したことからホメオト
ロピック配向が得られていると判断できた。以上から、
ホメオトロピック配向性は良好であると判断した。
【0112】(密着性試験)アンカコート層と基板との
密着性を調べた。まず予め、基板そのものと、アンカコ
ート層を設けた基板表面(アンカーコート層)につい
て、水との接触角を測定しておく。得られたホメオトロ
ピック配向液晶フィルムを、アクリル系粘着剤を介して
ガラス基板上に転写した後に剥離し、剥離後の基板の水
との接触角を測定する。そして、予め測定しておいた、
基板そのもの、またはアンカコート層表面についての水
との接触角と、剥離後の基板上の水との接触角を比較す
ることにより、基板にアンカーコート層が密着している
か否かを確認した。なお、水との接触角の測定は、接触
角計CA−X(協和界面科学(株)製)を用いて液滴法
により行った。結果を表1に示す。
【0113】実施例2 実施例1において、シランカップリング剤の代わりに、
有機系プライマー(商品名コルコート TP622,コ
ルコート(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同
様にしてホメオトロピック配向液晶フィルムを作製し
た。得られたホメオトロピック配向液晶フィルムについ
て、実施例1と同様にして評価した。ホメオトロピック
配向性は良好であった。密着性試験の結果を表1に示
す。
【0114】実施例3 実施例1において、バインダー層を形成せずに、アンカ
ーコート層用のゾル溶液に、エポキシ系シランカップリ
ング剤(商品名KBM503,大日本インキ化学工業
(株)製)を1重量%(固形分)となるように添加した
溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてホメオ
トロピック配向液晶フィルムを作製した。得られたホメ
オトロピック配向液晶フィルムについて、実施例1と同
様にして評価した。ホメオトロピック配向性は良好であ
った。密着性試験の結果を表1に示す。
【0115】参考例1 実施例1において、バインダー層を形成しないこと以外
は、実施例1と同様にしてホメオトロピック配向液晶フ
ィルムを作製した。得られたホメオトロピック配向液晶
フィルムについて、実施例1と同様にして評価した。ホ
メオトロピック配向性は良好であった。密着性試験の結
果を表1に示す。
【0116】
【表1】 実施例では、アンカーコート層表面の水との接触角と、
ホメオトロピック配向液晶フィルムを剥離後の基板表面
の水との接触角が殆ど同じであり、基材とアンカーコー
ト層との密着性がよく、ホメオトロピック配向液晶フィ
ルムがアンカーコート層との界面で剥離されていると認
められる。一方、比較例1では、基材そのものの水との
接触角と、ホメオトロピック配向液晶フィルムを剥離後
の基材表面の水との接触角が殆ど同じであり、基材とア
ンカーコート層との密着性が弱く、ホメオトロピック配
向液晶フィルムとともにアンカーコート層が剥離され、
基材とアンカーコート層との界面で剥離が生じていると
認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 浩 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB13Y HB17Y HC05 JB03 LA06 LA08 LA09 MA01 MB14

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直配向膜の設けられていない基板であ
    って、基板側からバインダー層、次いでアンカーコート
    層が形成されている基板の当該アンカーコート層に、垂
    直配向膜の設けられていない基板上でホメオトロピック
    配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリマーを塗工し、
    さらに当該側鎖型液晶ポリマーを液晶状態においてホメ
    オトロピック配向させ、その配向状態を維持した状態で
    固定化することを特徴とするホメオトロピック配向液晶
    フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 垂直配向膜の設けられていない基板であ
    って、基板側からバインダー層、次いでアンカーコート
    層が形成されている基板の当該アンカーコート層に、垂
    直配向膜の設けられていない基板上でホメオトロピック
    配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリマーと光重合性
    液晶化合物を含有してなるホメオトロピック配向液晶性
    組成物を塗工し、さらに当該液晶性組成物を液晶状態に
    おいてホメオトロピック配向させ、その配向状態を維持
    した状態で固定化した後、光照射することを特徴とする
    ホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 バインダー層が、カップリング剤により
    形成されていることを特徴とする請求項1または2記載
    のホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 カップリング剤が、シランカップリング
    剤であることを特徴とする請求項3記載のホメオトロピ
    ック配向液晶フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 バインダー層が、有機系プライマーによ
    り形成されていることを特徴とする請求項1または2記
    載のホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 垂直配向膜の設けられていない基板であ
    って、基板との密着性を強化する材料を含有するアンカ
    ーコート層が形成されている基板の当該アンカーコート
    層に、垂直配向膜の設けられていない基板上でホメオト
    ロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリマーを
    塗工し、さらに当該側鎖型液晶ポリマーを液晶状態にお
    いてホメオトロピック配向させ、その配向状態を維持し
    た状態で固定化することを特徴とするホメオトロピック
    配向液晶フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 垂直配向膜の設けられていない基板であ
    って、基板との密着性を強化する材料を含有するアンカ
    ーコート層が形成されている基板の当該アンカーコート
    層に、垂直配向膜の設けられていない基板上でホメオト
    ロピック配向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリマーと
    光重合性液晶化合物を含有してなるホメオトロピック配
    向液晶性組成物を塗工し、さらに当該液晶性組成物を液
    晶状態においてホメオトロピック配向させ、その配向状
    態を維持した状態で固定化した後、光照射することを特
    徴とするホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 基板との密着性を強化する材料が、カッ
    プリング剤であることを特徴とする請求項6または7記
    載のホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 カップリング剤が、シランカップリング
    剤であることを特徴とする請求項8記載のホメオトロピ
    ック配向液晶フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 ホメオトロピック配向液晶層を形成し
    うる側鎖型液晶ポリマーが、液晶性フラグメント側鎖を
    含有するモノマーユニット(a)と非液晶性フラグメン
    ト側鎖を含有するモノマーユニット(b)を含有する側
    鎖型液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1〜9
    のいずれかに記載のホメオトロピック配向液晶フィルム
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 アンカーコート層が、透明ガラス質高
    分子膜であることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    かに記載のホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 基板の材質が、ポリマー物質であるこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のホメ
    オトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の製
    造方法により得られたホメオトロピック配向液晶フィル
    ム。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のホメオトロピック配
    向液晶フィルムが、少なくとも1つ用いられていること
    を特徴とする光学フィルム。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の光学フィルムを適用
    した画像表示装置。
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