JP3822198B2 - 液晶配向フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶ポリマーを用いた液晶配向フィルムの製造方法に関する。本発明製造方法により得られた液晶配向フィルムを少なくとも1つ用い光学フィルムとして用いられる。本発明の液晶配向フィルムは位相差板として使用できる。また本発明の液晶配向フィルムは単独でまたは他のフィルムと組み合わせて、視角補償フィルム、光学補償フィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムとして使用できる。さらに上記光学フィルム液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどの画像表示装置に用いられる。
近年、光学分野および光エレクトロニクス分野などにおいては光の位相を制御する位相差板は重要な光学素子の一つとなっている。従来、位相差板は高分子フィルムを1軸延伸または2軸延伸することにより作製されている。しかし高分子フィルムを用いた位相差板では十分な光学特性を満足できない。また、位相差板としては、配向膜上に形成された液晶配向層が知られている。当該液晶配向層は、配向膜上に液晶モノマーを塗布、硬化させる方法や、液晶ポリマーを塗布、乾燥させる方法により得られる(特許文献1参照)。前記液晶層を、配向膜上に均一な厚みで形成するには、一般的には前記液晶材料をスピンコート法により塗布した後、配向させる方法が一般的に行なわれる。しかし、スピンコート法では、高価な液晶材料(塗布液)の通常90%以上が飛び散ってしまうため、液晶材料の材料歩留まりが悪く、コスト的に高価なものとなってしまう。
位相差板としては、面内に異なる方向の遅相軸または進相軸を複数の領域で形成したものが求められる場合がある。しかしながら、高分子フィルムを延伸配向することにより得られる位相差板は、フィルム状であり、そのフィルム内の全ての領域で均一な遅相軸または進相軸を有するものとなる。したがって、高分子フィルムから得られ位相差板においては、面内に異なる方向の遅相軸または進相軸を複数の領域で形成することは非常に困難である。
また、遅相軸方向または進相軸方向が異なる複数の位相差領域を有する位相差素子が提案されている(特許文献2参照)。当該位相差素子は、光により配向可能な高分子層を偏光で露光して配向させ、その高分子層に接するように液晶層を設けることにより液晶層内に配向軸方向が異なる領域をパターン形成している。しかし、この方法では、光により配向可能な高分子層の作製後に光が照射されると、高分子層の配向が変化して、目的の方向に液晶が配向しなくなるという問題がある。
また、フォトレジストを用いてある領域を形成し、かつその領域ごとに異なる方向にラビング処理を施したポリイミド配向膜を用いて、当該配向膜上に液晶層を塗布などによって形成し、配向させた位相差素子が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この方法では、液晶材料を溶剤に溶解した溶液を塗布する際に、溶剤により配向膜が変化する場合があり、目的の方向に液晶材料が配向しなくなるという問題がある。
特許第2784680号明細書 特開平6−289374号公報 特許第3360787号明細書
本発明は、液晶ポリマーを液晶配向フィルムを歩留りよく製造する方法を提供することを目的とする。
また本発明は、遅相軸方向または進相軸方向が異なる複数の位相差領域を有する液晶配向フィルムを歩留りよく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく、鋭意研究した結果、以下に示す液晶配向フィルムの製造方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、基材フィルム(1)上に液晶ポリマーにより形成されている液晶層(2)を有する液晶フィルム(A)の当該液晶層(2)を、配向基材(3)に、前記液晶ポリマーのガラス転移点以上の温度で熱ラミネーションする工程、
前記液晶ポリマーのガラス転移点以下に冷却してから、基材フィルム(1)を剥離して、前記配向基材(3)に液晶層(2)を転写する工程、
前記液晶ポリマーのガラス転移点以上の温度に再加熱を行って、前記配向基材(3)上で液晶層(2)を配向して、液晶配向層(2′)にする工程、
前記液晶ポリマーのガラス転移点以下の温度に冷却して、液晶配向層(2′)の配向を固定化する工程、
を有することを特徴とする液晶配向フィルムの製造方法。
上記本発明の液晶配向フィルムの製造方法は、図1の概念図に示す通りであり、配向基材上に液晶材料をスピンコートなどの塗布によって液晶層を形成するのではなく、基材フィルム(1)上に予め設けられた液晶層(2)を、配向基材(3)に熱ラミネーションすることにより液晶層(2)を転写し、その後、液晶層(2)を再加熱して液晶配向層(2′)を形成している。このように、基材フィルム(1)に予め形成した液晶層(2)を、配向基材(3)上に転写しているため、スピンコート方式等の塗布法に比べて、液晶材料の歩留まりが非常に良い。また本発明の製造方法によれば、大型の配向基材(3)上に液晶配向層(2′)を形成することが可能である。さらには、本発明の製造方法では、基材フィルム(1)上への液晶層(2)を形成を、グラビアコート法やダイコート法などの塗工液の使用ロスの少ないコーティングを採用すれば、ロールtoロール方法により、配向基材(3)へ連続して熱ラミネーション可能であり、生産性の面でのコスト削減効果も大きい。
また上記本発明の製造方法では、基材フィルム(1)に予め形成した液晶層(2)を、配向基材(3)上に転写しているために、配向基材(3)が溶剤により侵されない。そのため、配向基材(3)の性能が変化しない。配向基材(3)として、領域ごとに異なる方向にラビング処理を施したポリイミド配向膜を用いれば、目的の方向に液晶層を配向させることができ遅相軸方向または進相軸方向が異なる複数の位相差領域を有する液晶配向フィルム(位相差板)を作製することができる。
前記液晶配向フィルムの製造方法において、前記液晶層(2)が、基材フィルム(1)上に液晶ポリマーを塗布、乾燥することより形成したものであることが好ましい。液晶層(2)の形成方法は特に制限されず、基材フィルム(1)に液晶モノマーを塗布、硬化させる方法や、液晶ポリマーを塗布、乾燥させる方法により得られるが、液晶層(2)は、液晶モノマーを塗布、硬化させる場合には再配向時に液晶性を示さないことがあることから、液晶ポリマーを塗布、乾燥させることにより形成するのが好ましい。
前記液晶配向フィルムの製造方法において、前記基材フィルム(1)として配向基材を用い、液晶層(2)を形成する液晶ポリマーを配向して用いることができる。
前記液晶配向フィルムの製造方法において、基材フィルム(1)が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。液晶層(2)を設ける基材フィルム(1)は、液晶層(2)を形成している液晶ポリマーのガラス転移点以上で熱ラミネーションを行うことから耐熱性に優れていることが好ましい。また、コスト面を考慮すると二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが最も適している。
液晶配向フィルムの製造方法において、液晶層(2)を形成する側の、基材フィルム(1)表面の中心線平均粗さ(Ra)が20nm以下であることが好ましい。中心線平均粗さ(Ra)が、20nmよりも大きい基材フィルム(1)を使用した場合には、熱ラミネーション後の液晶層(2)の再加熱により、得られる液晶配向層(2′)表面に、はじきなどの外観欠点が生じやすいために好ましくない。中心線平均粗さ(Ra)は、17nm以下であるのがより好ましい。
なお、中心線平均粗さ(Ra)は、JIS B0601に準じ、触針式表面粗さ測定機として株式会社東京精密製のサーフコム470Aを用いて測定した。なお、測定はダイヤモンドからなる先端部を頂角55度の円錐形とした直径1mmの測定針を介して凹凸面上を一定方向に3mmの長さで走査し、その場合の測定針の上下方向の移動変化を測定することにより行い、それを記録した表面粗さ曲線から算出した。
液晶配向フィルムの製造方法において、前記配向基材(3)として、配向方向が互いに異なる複数の領域を有するものを用いることができる。かかる配向基材(3)を用いることにより、遅相軸方向または進相軸方向が異なる複数の位相差領域を有する液晶配向フィルムを得ることができる。
前記配向基材(3)が、互いに異なる2方向の配向方向を有する場合には、当該2方向の配向方向のなす角が略45°であることが好ましい。2方向の配向方向のなす角は、具体的には43〜45°が好ましい。一方の領域にだけ位相差を発現させる場合(どちらかの配向方向に平行に偏光を入射)においては遅相軸−偏光軸が45°のときが最も位相差の影響が大きく、特に円偏光にするには45°にする必要がある。また位相差をλ/2にすると偏光方向が90°回転することになり、もう1枚偏光板を用いると、ある領域だけ光の透過するところまたは透過しない部分を作ることができる。図2に、配向方向が互いに異なる2方向の領域を有する場合の配向基材(3)の概念図の一例を示す。図2では、配向方向が異なる2つの領域が帯状に交互に形成されており、異なる2方向の配向方向のなす角が45°になっている。
液晶配向フィルムの製造方法において、前記基材フィルム(1)として用いる配向基材の配向方向と、前記配向基材(3)の配向方向とのなす角が45°以下になるように、液晶フィルム(A)と配向基材(3)とを熱ラミネーションすることが好ましい。
基材フィルム(1)が配向基材の場合には、基材フィルム(1)上に形成した液晶層(2)を熱ラミネーションにより配向基材(3)に転写する際に、基材フィルム(1)の配向方向と配向基材(3)の配向方向とのなす角が大きくなるほど加熱による再配向処理時に液晶層(2)が再配向する角度が大きくなる。そのため、再配向に要する時間が長くなり、また液晶配向層(2′)表面のはじき欠点の原因にもなるため好ましくない。このことから、基材フィルム(1)の配向方向と配向基材(3)の配向方向とのなす角度は小さい方が良く、45°以下にするのが好ましい。前記角度が45°以下であれば、角度0°(平行)の時と比べてほとんど配向時間が変わらなくなる。
図3は、配向基材(3)が、互いに異なる2方向の配向方向(3a1 、3a2 )を有する場合の例である。この場合には、基材フィルム(1)の配向方向(1a)と、配向基材(3)の一方の配向方向とのなす角度θ1 ともう一方の配向方向のなす角度θ2 との合計の角度(θ1 +θ2 )が45°以下になるように配置するのが好ましい。
本発明の液晶配向フィルムの製造方法では、基材フィルム(1)上に液晶ポリマーにより形成されている液晶層(2)を有する液晶フィルム(A)が用いられる。
前記液晶層(2)は、たとえば、基材フィルム(1)上に液晶ポリマーを、塗布し、乾燥することにより形成することができる。当該液晶ポリマーは、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチック性示す主鎖型、側鎖型またはこれらの複合型の各種骨格のポリマーを特に制限なく使用できる。液晶ポリマーとしては、液晶状態でネマチック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態となる液晶ポリマーが好ましい。また、前記液晶ポリマーは前記基材フィルム(1)に液晶層(2)を形成可能であり、また配向基材(3)に転写可能であり、さらにはその後配向可能であるものが好ましい。
主鎖型の液晶ポリマーとしては、芳香族単位等からなるメソゲン基を結合した構造を有する縮合系のポリマー、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリエステルイミド系などのポリマーがあげられる。メソゲン基となる前記芳香族単位としては、フェニル系、ビフェニル系、ナフタレン系のものがあげられ、これら芳香族単位は、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。
側鎖型の液晶ポリマーとしては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリシロキサン系、ポリマロネート系の主鎖を骨格とし、側鎖に環状単位等からなるメソゲン基を有するものがあげられる。メソゲン基となる前記環状単位としては、たとえば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があげられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。
また、いずれの液晶ポリマーのメソゲン基も屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していてもよい。スペーサー部としては、ポリメチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等があげられる。スペーサー部を形成する構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造により適宜に決定されるがポリメチレン鎖の繰り返し単位は0〜20、好ましくは2〜12、ポリオキシメチレン鎖の繰り返し単位は0〜10、好ましくは1〜3である。
前記液晶ポリマーの分子量は特に制限されないが重量平均分子量が2千〜10万程度のものが好ましい。液晶ポリマーの重量平均分子量が大きくなると、液晶としての配向性から、液晶ポリマーの重量平均分子量は、5万以下とするのがより好ましい。また、液晶ポリマーの重量平均分子量が小さくなると非流動層としての成膜性に乏しくなる傾向があることから、液晶ポリマーの重量平均分子量は、2.5千以上とするのがより好ましい。
前記液晶ポリマーとしてはポリアクリレート系、ポリメタクリレート系の側鎖型の液晶ポリマーが好ましい。中でもポリアクリレート系のものが好ましい。
具体例としては、たとえば、前記モノマーユニット(a)としては、たとえば、一般式(a):
Figure 0003822198
(ただし、R1 は水素原子またはメチル基を、aは1〜6の正の整数を、X1 は−CO2 −基または−OCO−基を、R2 はシアノ基、アルコキシ基、フルオロ基またはアルキル基を、bおよびcはそれぞれ1または2の整数を示す。)で表されるモノマーユニットを有するものあげられる。
また、前記一般式(a)で表されるモノマーユニットおよび下記一般式(b)で表されるモノマーユニットを有するものがあげられる。前記モノマーユニット(b)としては、たとえば、一般式(b):
Figure 0003822198
(ただし、R3 は水素原子またはメチル基を、X2 は−CO2 −基または−OCO−基、−O−または単結合を、R4 は一般式(c):
Figure 0003822198
で表される置換基を示す。R5 はシアノ基、アルコキシ基、フルオロ基またはアルキル基)で表されるモノマーユニットがあげられる。
また、モノマーユニット(a)とモノマーユニット(b)の割合は、特に制限されるものではなく、モノマーユニットの種類にもよって異なるが、モル比で、(b)/{(a)+(b)}<0.7である。さらには(b)/{(a)+(b)}=0.4〜0.6、さらには0.45〜0.55であるのが好ましい。当該モル比が大きい場合には配向性が低下する傾向があり、一方、小さい場合にははじきやすくなる傾向がある。
前記液晶層(2)は、基材フィルム(1)上に液晶モノマーを、塗布し、硬化することにより得られる液晶ポリマーにより形成することができる。液晶モノマーは、重合後に、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチック性の液晶配向を示す液晶ポリマーになるものが適宜に選択して用いられる。一般に、液晶モノマーは、前記同様の液晶配向を示す各種骨格を有し、かつ末端に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合やエポキシ基等の重合性官能基を少なくとも1つ有する液晶性化合物である。液晶層(2)の耐久性を向上させるためは、液晶モノマーとして重合性官能基を2つ以上有するものを用い、重合とともに架橋させることができる。なお、液晶モノマーとしては、重合後にネマチック配向性を示すものが好ましい。
液晶モノマー中には、通常、重合開始剤を含有する。重合開始剤は、液晶モノマーの重合方法に応じたものが適宜に選択される。液晶モノマーの重合方法としては、たとえば、紫外線重合があげられ、この場合には光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、たとえば、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア(Irgacure)907,同184、同651、同369などを例示できる。光重合開始剤の添加量は、重合性液晶モノマーの種類等を考慮して、配向性を乱さない程度に加えられる。通常、重合性液晶モノマー100重量部に対して、0.5〜30重量部程度が好ましい。特に3重量部以上が好ましい。 基材フィルム(1)としては、液晶層(2)を形成できるもの透明基材を特に制限なく使用できる。たとえば、単層または積層の各種プラスチックフィルムやガラス板、金属等を使用できる。プラスチックフィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムがあげられる。またポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムもあげられる。さらにイミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなどもあげられる。
また基材フィルム(1)は配向基材とすることができる。配向基材としては、従来より知られている各種のものを使用できる。たとえば、前記透明基材上にポリイミドやポリビニルアルコール等からなる薄層の配向膜を形成してそれをラビングする方法により形成したもの、透明基材を延伸処理した延伸フィルム、シンナメート骨格やアゾベンゼン骨格を有するポリマーまたはポリイミドに偏光紫外線を照射したもの等を用いることができる。基材フィルム(1)を配向基材とする場合には、透明基材を延伸処理した延伸フィルムを用いるのが好ましい。特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
なお、液晶層(2)の形成法は、特に制限されない。前記液晶モノマー、液晶ポリマーの塗布は、これらを溶媒に溶解した溶液を用いる溶液塗布、または溶融塗布のいずれの方法を採用することもできる。
前記液晶ポリマー、液晶モノマーの溶液を調製する際に用いられる溶媒は、液晶ポリマー、液晶モノマー等の種類により異なり適宜に決定される。たとえば、通常、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類、その他、アセトン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素、シクロヘキサノンなどを用いることができる。溶液の濃度は、液晶ポリマー、液晶モノマー等の溶解性や液晶層(2)の膜厚に依存し、適宜に決定できる。通常3〜50重量%、好ましくは7〜30重量%の範囲である。
上記の溶媒を用いて所望の濃度に調整した前記の溶液の塗布方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート法などを採用すること好ましい。塗布後、溶媒を除去し、液晶層(2)を形成させる。溶媒の除去条件は、特に限定されず溶媒をおおむね除去でき、液晶層が流動したり、流れ落ちたりさえしなければ良い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、ホットプレート上での加熱などを利用して溶媒を除去する。
液晶層(2)を配向させる場合には、液晶ポリマーまたは液晶モノマーが液晶状態を示す温度において、熱処理により行う。当該熱処理温度は、液晶ポリマーまたは液晶モノマーにより適宜に調整する。熱処理方法としては、上記の乾燥方法と同様の方法で行うことができる。また熱処理時間は、熱処理温度および前記液晶ポリマーまたは液晶モノマーにより異なるため一概には言えないが、通常10秒〜2時間、好ましくは20秒〜30分の範囲で選択される。
なお、液晶層(2)を、液晶モノマーにより形成する場合には、その重合法は液晶モノマーの種類に応じて各種手段を採用できるが、たとえば、光照射による光重合性法を採用できる。光照射は、たとえば、紫外線照射により行う。紫外線照射条件は、十分に反応を促進するために、不活性気体雰囲気中とすることが好ましい。高圧水銀紫外ランプが代表的に用いられる。メタハライドUVランプや白熱管などの別種ランプを使用することもできる。なお、紫外線照射時の液晶層表面温度が液晶温度範囲内になるように、コールドミラー、水冷その他の冷却処理あるいはライン速度を速くするなどして適宜に調整する。
また液晶層(2)の厚さは、特に制限されないが、通常1〜20μm程度、さらには2〜10μmの範囲で調整するのが好ましい。なお、液晶層(2)は1層形成することもでき、さらには多層形成することもできる。
上記のようにして、基材フィルム(1)上に液晶層(2)を設けた液晶フィルム(A)を調製する。次いで当該液晶フィルム(A)は、その液晶層(2)を、配向基材(3)に、熱ラミネーションする。
配向基材(3)は、特に制限されず、従来より用いれているものを特に制限なく使用できる。たとえば、基材フィルム(1)を配向基材とする場合に説明したものと同様のものがあげられる。配向基材(3)としては、前記透明基材上にポリイミドやポリビニルアルコール等からなる薄層の配向膜を形成してそれをラビングする方法により形成したもの、シンナメート骨格やアゾベンゼン骨格を有するポリマーまたはポリイミドに偏光紫外線を照射したもの等を用いるのが好ましい。なお、配向基材(3)への配向方向が互いに異なる2方向の領域の形成は、ガラス基板等の透明基材にフォトマスク等を利用してポリイミド等により形成することができる。
熱ラミネーションは、液晶層(2)を形成している液晶ポリマーのガラス転移点以上の温度で行なう。通常は、液晶ポリマーのガラス転移点よりも、+10〜+70℃程度、さらに+30〜+50℃である。熱ラミネーション時間は、10〜600秒間程度、さらには30〜120秒間程度とするのが好ましい。なお、熱ラミネーションとしては、ロール to ロール、ガラス等に形成された配向膜へはロールを用いてガラス上へ貼り合わせる等の方法を採用できる。
次いで、前記液晶ポリマーのガラス転移点以下に冷却してから、基材フィルム(1)を剥離する。冷却は、ガラス転移点よりも、−10〜−150℃程度、さらに−40〜−80℃になるまで行なうのが好ましい。冷却は、ガラス転移点以下の雰囲気下に放置することにより行なうことができる。また空冷、水冷等の強制冷却をすうこともできる。基材フィルム(1)の剥離によって、配向基材(3)に液晶層(2)が転写される。
次いで、前記液晶ポリマーのガラス転移点以上の温度に再加熱を行って、前記配向基材上(3)で液晶層(2)を配向させ、液晶配向層(2′)にする。
なお、再加熱温度が高くなるとコスト増になること、また高温になりすぎると等方相を有するものがあるため、再加熱は、液晶ポリマーが等方相にならない範囲で行なわれる。再加熱は、通常は、ガラス転移点よりも、+10〜+70℃程度、さらに+30〜+50℃である。再加熱時間は、10〜600秒間程度、さらには30〜300秒間程度とするのが好ましい。
次いで、前記液晶ポリマーのガラス転移点以下の温度に冷却して、液晶配向層(2′)の配向を固定化する。ネマチック液晶ポリマーの場合には、ネマチック構造が固定化される。こうして、配向基材(3)に、配向が固定された液晶配向層(2′)を有する液晶配向フィルムが得られる。
前記液晶配向フィルムは、前記配向基材(3)とともに用いることができ、また配向基材(3)から剥離して、光学フィルムとして用いることができる。さらには別の光学フィルムに転写して用いることもできる。前記液晶配向フィルムは単独でまたは他のフィルムと組み合わせて、位相差板、視角補償フィルム、光学補償フィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムとして使用できる。以下これらについて説明する。
液晶表示装置等の画像表示装置に適用される光学フィルムには偏光板が用いられる。偏光板は、通常、偏光子の片側または両側に保護フィルムを有するものである。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片側または両側に設けられている保護フィルムには、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。前記保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物などが保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。その他、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化したものなどがあげられる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
偏光特性や耐久性などの点より、特に好ましく用いることができる保護フィルムは、表面をアルカリなどでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムである。透明保護層の厚さは、任意であるが一般には偏光板の薄型化などを目的に500μm以下、さらには1〜300μm、特に5〜300μmが好ましい。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合は、その表裏で異なるポリマー等からなる透明保護フィルムを用いるができる。
また、透明保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
前記保護フィルムとしては、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものを用いることができる。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光板は、位相差板を積層された楕円偏光板または円偏光板として用いることができる。前記楕円偏光板または円偏光板について説明する。これらは位相差板により直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4 波長板(λ/4 板とも言う)が用いられる。1/2 波長板(λ/2 板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
位相差板には、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどを使用することができ、また使用目的に応じた適宜な位相差を有する2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御することができる。位相差板としては、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーなどの液晶材料からなる配向フィルム、液晶材料の配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。
また視角補償フィルムとして偏光板に積層して広視野角偏光板として用いられる。視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。
このような視角補償位相差板としては、他に二軸延伸処理や直交する二方向に延伸処理等された複屈折を有するフィルム、傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。視角補償フィルムは、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的として適宜に組み合わせることができる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
前記のほか実用に際して積層される光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、楕円偏光板または円偏光板に、更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板があげられる。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板等は(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成することができるが、予め積層して楕円偏光板等の光学フィルムとしたのものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
本発明の光学フィルムには、粘着層を設けることもできる。粘着剤層は、液晶セルへの貼着に用いることができる他、光学層の積層に用いられる。前記光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗布方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に前記光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4 波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
以下、本発明を実施例等をあげれ説明する。各例で用いた液晶ポリマーは、下記化4に示す通りである。
Figure 0003822198
化4中、括弧外の数値はモル%であり、液晶ポリマーは便宜的にブロック体として表示している。重量平均分子量は4100である。
液晶ポリマーのガラス転移温度:Tg(114℃)、n:ネマティック液晶温度範囲(114から240℃)である。液晶ポリマーのガラス転移温度は通常の顕微鏡で固体が液晶になるときの温度(溶ける温度)を測定した。液晶ポリマーのネマティック液晶温度範囲は、ホットプレート(加熱ステージ)付き偏光顕微鏡観察により測定した値である。測定は、配向膜の配向方位と偏光顕微鏡の偏光軸を合わせて設置し、液晶状態では視野が暗くなることからその温度範囲を測定した。等方相では視野が明るくなる。
実施例1
中心線平均粗さ(Ra)が15nmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、上記化4の液晶ポリマーをシクロペンタノンに溶解し濃度15重量%に調整した溶液をワイヤーバーにより塗布、150℃で4分間乾燥して、厚さ1.1μmの液晶層を形成した液晶フィルムを作製した。
一方、ガラス基板上にフォトマスクを利用して、図2に示すように交互に帯状の微細加工を施したポリイミド配向膜を形成した。ポリイミド配向膜は、交互の隣接帯の配向方向が45°となるように形成した。
上記配向膜上に、液晶フィルムの液晶層側を、150℃の温度で、60秒間、熱ラミネーションした。この際、PETフィルムの配向方向と配向膜の2つの配向方向とのなす角度が図3において、θ1 =0°、θ2 =45°になるように貼り合わせた。その後、室温(23℃)まで冷却した後、PETフィルムを180°ピールしながら剥離し、液晶層をガラス基板上の配向膜に転写した。
次いで、155℃に加熱したステージ付きの偏光顕微鏡(偏光子、検光子はクロスニコル)に、液晶層付きガラス基板の配向方向1(図3の(3a1 ))が偏光軸と平行になるように設置し、液晶層を配向し、液晶配向層とした。その後、顕微鏡の視野内が消光するまでの時間を計測して再配向時間1とした。同様にして配向方向2(図3の(3a2 ))についても再配向時間2を計測した。
上記再加熱による再配向後に、室温(23℃)まで冷却して、液晶配向層のネマチック構造を固定化した。その後、偏光顕微鏡を用いて、再配向したガラス基板上の液晶配向層表面のはじき状態を目視観察した。○:ハジキなし、良好。×:ハジキあり。結果を表1に示す。
実施例2、参考例1、2
実施例1において、PETフィルムの中心線平均粗さ(Ra)、PETフィルムの配向方向と配向膜の2つの配向方向とのなす角度θ1 、θ2 を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、液晶層をガラス基板上の配向膜に転写した。また、実施例1と同様にして、再配向時間1、2を計測した。また、得られた液晶配向層表面はじき状態を目視観察した。結果を表1に示す。
Figure 0003822198
表1より基材フィルム(PETフィルム)の表面粗さが20nmの場合には、得られう液晶配向層のはじき状態が良いことが分かる。また、基材フィルム(PET)の配向方向と、配向膜の配向方向が平行に近いほど再配向時間が短く、またはじき状態も良いことが分かる。実施例、参考例ともに、液晶層の配向工程において、問題は生じず液晶層を歩留りよく配向することができた。
本発明の液晶配向フィルムの製造方法を示す、概念断面図である。 配向基材(3)が、互いに異なる2方向の配向方向を有する場合の一例である。 基材フィルム(1)が配向性を有し、配向基材(3)が互いに異なる2方向の配向方向を有する場合に、これら配向方向がなす角度θ1 、θ2 を示すものである。
符号の説明
1 基材フィルム
2 液晶層
2′ 液晶配向層
3 配向基材

Claims (8)

  1. 基材フィルム(1)上に、液晶ポリマーにより形成されている液晶層(2)を有する液晶フィルム(A)の当該液晶層(2)を、配向基材(3)に、前記液晶ポリマーのガラス転移点以上の温度で熱ラミネーションする工程、
    前記液晶ポリマーのガラス転移点以下に冷却してから、基材フィルム(1)を剥離して、前記配向基材(3)に液晶層(2)を転写する工程、
    前記液晶ポリマーのガラス転移点以上の温度に再加熱を行って、前記配向基材(3)上で液晶層(2)を配向して、液晶配向層(2′)にする工程、
    前記液晶ポリマーのガラス転移点以下の温度に冷却して、液晶配向層(2′)の配向を固定化する工程、
    を有することを特徴とする液晶配向フィルムの製造方法。
  2. 前記液晶層(2)が、基材フィルム(1)上に液晶ポリマーを塗布、乾燥することより形成したものであることを特徴とする請求項1記載の液晶配向フィルムの製造方法。
  3. 前記基材フィルム(1)が配向基材であり、液晶層(2)を形成する液晶ポリマーが配向していることを特徴とする請求項1または2記載の液晶配向フィルムの製造方法。
  4. 前記基材フィルム(1)が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項3記載の液晶配向フィルムの製造方法。
  5. 前記基材フィルム(1)表面の中心線平均粗さ(Ra)が20nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向フィルムの製造方法。
  6. 前記配向基材(3)は、配向方向が互いに異なる複数の領域を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶配向フィルムの製造方法。
  7. 前記配向基材(3)は、互いに異なる2方向の配向方向を有し、当該2方向の配向方向のなす角が略45°であることを特徴とする請求項6記載の液晶配向フィルムの製造方法。
  8. 前記基材フィルム(1)として用いる配向基材の配向方向と、前記配向基材(3)の配向方向とのなす角が45°以下になるように、液晶フィルム(A)と配向基材(3)とを熱ラミネーションすることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の液晶配向フィルムの製造方法。
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