JP6400999B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本開示は車両用シートに関し、例えば片側にリクライニング装置を備える車両用シートに適用可能である。
例えば、特開2011−88553号公報(特許文献1)の段落[0017]には、「同図に示すシートフレーム1は、四輪自動車等の車両のシートの内部に設けられ、シートの骨格をなすものである。シートフレーム1は、シートの座部の骨格をなすシートクッションフレーム2と、背もたれ部の骨格をなすシートバックフレーム3と、シートクッションフレーム2およびシートバックフレーム3を連結し、シートバックフレーム3の傾斜角度を調整するリクライニング装置4と、シートバックフレーム3に取り付けられ、背もたれの上方に位置するヘッドレストの骨格をなすヘッドレストフレーム5と、を備える。」と記載されている。また、同段落[0019]には、「シートクッションフレーム2は、シートの座部の左右側方下部をそれぞれ支持し、互いに他と鏡像対称な形状をなすクッションサイドフレーム21R、21Lと、クッションサイドフレーム21R、21Lの前方端部同士を連結するクッションフロントフレーム22とを有する。」と記載されている。
特開2011−88553号公報
特許文献1のように左右のクッションサイドフレームを互いに他と鏡像対称の形状であるということは、左右のクッションサイドフレームの板厚が同じであるということである。また、大きな応力が発生する箇所を基準として板厚を決定するのが一般的である。しかし、例えば左側のクッションサイドフレームが比較的小さい応力しか発生しない場合も、比較的大きな応力が発生する右側のクッションサイドフレームと同じ板厚にされるため、必要以上の強度と剛性になることに加え、クッションサイドフレームの質量が増加してしまう。
本開示の課題は、より軽量な車両用シートを提供することである。
その他の課題と新規な特徴は、本開示の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、車両用シートは、左右のクッションサイドフレームの強度と剛性を変えるようにされる。例えば、左右のクッションサイドフレームの板厚を変えるのが好ましい。
上記の車両用シートによれば、軽量化することができる。
リクライニング装置を両側に備えるシートフレームの右前方からの斜視図である。 リクライニング装置を両側に備えるシートフレームの左前方からの斜視図である。 リクライニング装置を片側に備えるシートフレームに荷重が入力される前の斜視図である。 リクライニング装置を片側に備えるシートフレームに荷重が入力されている時の斜視図である。 図4の要部の拡大図である。 リクライニング装置を片側に備えるシートフレームに荷重が入力されている時の右側面図である。 リクライニング装置を片側に備えるシートフレームに荷重が入力されている時の左側面図である。 実施の形態に係る車両用シートのシートフレーム(ライザあり)の斜視図である。 実施の形態に係る車両用シートのシートフレーム(ライザなし)の斜視図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
<比較例1に係るシートフレーム>
まず、リクライニング装置を両側に備えるシートフレーム(比較例1に係るシートフレーム)について図1および図2を用いて説明する。
図1は比較例1に係るシートフレームの右前方からの斜視図である。図2は比較例1に係るシートフレームの左前方からの斜視図である。
図1および図2に示すように、車両用シートを構成するシートフレーム1Aは、シートクッションを構成するシートクッションフレーム10Aと、シートバックを構成するシートバックフレーム20Aと、を備える。シートクッションフレーム10Aは、右側クッションサイドフレーム11ARと、左側クッションサイドフレーム11ALと、を備える。シートフレーム1Aは両側にリクライニング装置30AR,30ALを備える。右側クッションサイドフレーム11ARと左側クッションサイドフレーム11ALとは、鏡像対称構造であり、重量(形状および板厚)が同じになるよう構成される。
<比較例2に係るシートフレーム>
次に、リクライニング装置を片側に備えるシートフレーム(比較例2に係るシートフレーム)について図3から図7を用いて説明する。
図3は比較例2に係るシートフレームに荷重が入力される前の斜視図である。図4は比較例2に係るシートフレームに荷重が入力されている時の斜視図である。図5は図4の要部の拡大図である。図6は比較例2に係るシートフレームに荷重が入力されている時の右側面図である。図7は比較例2に係るシートフレームに荷重が入力されている時の左側面図である。
図3に示すように、車両用シートを構成するシートフレーム1Bはシートクッションを構成するシートクッションフレーム10Bとシートバックを構成するシートバックフレーム20Bとを備える。シートクッションフレーム10Bは、右側クッションサイドフレーム11BRと、左側クッションサイドフレーム11BLと、を備える。シートフレーム10Bは右片側にリクライニング装置30BRを備える。右側クッションサイドフレーム11BRと左側クッションサイドフレーム11BLとは、比較例1とは異なり鏡像対称ではなく、形状が異なるが、板厚は同じになるよう構成される。左側クッションサイドフレーム11BLの側面視の面積は、右側クッションサイドフレーム11BRの側面視の面積よりも小さい。
図4に示すように、シートバック上部に対し前方から荷重Fを入力すると、図5に示すように、右側クッションサイドフレーム11BRにねじれや曲げ応力が発生する。図6に示すように、右側クッションサイドフレーム11BRのうち矢印SR部分が一番大きい応力が発生し、4%のひずみが確認された。一方、図7に示すように、左側クッションサイドフレーム11BLのうち矢印SL部分が一番大きい応力が発生し、1%のひずみが確認された。また、シートバック上部に対し後方から荷重を入力した場合は、左側クッションサイドフレーム11BLに発生する歪は右側クッションサイドフレーム11BRに発生する歪の1/4であった。すなわち、右側クッションサイドフレーム11BRと左側クッションサイドフレーム11BLとで応力がことなり、左側クッションサイドフレーム11BL側(リクライニング装置を備えていない側)の応力が小さくなる。
<実施形態>
次に、実施形態に係る車両用シートのシートフレームについて図8および図9を用いて説明する。
図8は実施の形態に係る車両用シートのシートフレーム(ライザなし)の斜視図である。図9は実施の形態に係る車両用シートのシートフレーム(ライザあり)の斜視図である。
図8に示すように、車両用シートの骨格をなすシートフレーム1はシートの座部(シートクッション)の骨格をなすシートクッションフレーム10と背もたれ部(シートバック)の骨格をなすシートバックフレーム20とを備える。シートクッションフレーム10は、右側クッションサイドフレーム11Rと、左側クッションサイドフレーム11Lと、を備える。シートフレーム1は、シートクッションフレーム10およびシートバックフレーム20を連結し、シートバックフレーム20の傾斜角度を調整するリクライニング装置30Rを右片側に備える。右側クッションサイドフレーム11Rと左側クッションサイドフレーム11Lとは、比較例1とは異なり鏡像対称ではなく、重量(形状および板厚)が異なるになるよう構成される。
比較例2で上述したように、片側にリクライニング装置を備えた場合は、リクライニング装置を備えていない側のクッションサイドフレームに発生する応力は小さいので、左側クッションサイドフレーム11Lの板厚を右側クッションサイドフレーム11Rの板厚よりも薄くする。左側クッションサイドフレーム11Lの側面視の面積は、右側クッションサイドフレーム11Rの側面視の面積よりも小さくする。したがって、左側クッションサイドフレーム11Lの強度または剛性は、右側クッションサイドフレーム11Rの強度または剛性よりも小さくなる。また、左側クッションサイドフレーム11Lの重量は、右側クッションサイドフレーム11Rの重量よりも小さくなる。
図9に示すように、シートフレーム1は、さらに右側クッションサイドフレーム11Rを支える右側アッパライザブラケット13Rと、左側クッションサイドフレーム11Lを支える左側アッパライザブラケット13Lと、を備える。右側アッパライザブラケット13Rと左側アッパライザブラケット13Lとは、鏡像対称ではなく、重量(形状および板厚)が異なるになるよう構成される。左側アッパライザブラケット13Lの板厚を右側アッパライザブラケット13Rの板厚よりも薄くする。左側アッパライザブラケット13Lの側面視の面積は、右側クッションサイドフレームアッパライザブラケット13Rの側面視の面積よりも小さくする。すなわち、左側アッパライザブラケット13Lの強度または剛性は、右側クッションサイドフレームアッパライザブラケット13Rの強度または剛性よりも小さくなる。また、左側アッパライザブラケット13Lの重量は、右側クッションサイドフレームアッパライザブラケット13Rの重量よりも小さくなる。
シートフレーム10の右側は車両の外側(ドア側)であり、リクライニング装置30Rを備える側を外側という。したがって、右側クッションサイドフレーム11Rを外側クッションサイドフレームと、右側アッパライザブラケット13Rを外側アッパライザブラケットともいう。また、左側クッションサイドフレーム11Lを内側クッションサイドフレームと、左側アッパライザブラケット13Lを内側アッパライザブラケットもいう。なお、シートフレーム1は車両の右側に載置される車両シートを構成するが、車両の左側に載置される車両用シートを構成するシートフレームではリクライニング装置を左片側(外側)に備える。したがって、右側クッションサイドフレームを内側クッションサイドフレームと、右側アッパライザブラケットを内側アッパライザブラケットともいう。また、左側クッションサイドフレームを外側クッションサイドフレームと、左側アッパライザブラケットを外側アッパライザブラケットともいう。
右側クッションサイドフレーム11Rおよび左側クッションサイドフレーム11Lは、それぞれ1枚の鋼板をプレス加工して製作される。右側クッションサイドフレーム11Rおよび左側クッションサイドフレーム11Lの材質は、例えばSPFC590であり、板厚はそれぞれ1.4mm、1.2mmであり、重量はそれぞれ590g、275gである。リクライニング装置を右片側に備える場合は、右側クッションサイドフレームおよび左側クッションサイドフレームの板厚はそれぞれ1.2mm、1.4mmである。
右側アッパライザブラケット13Rおよび左側アッパライザブラケット13Lは、それぞれ1枚の鋼板をプレス加工して製作される。右側アッパライザブラケット13Rおよび左側アッパライザブラケット13Lの材質は、例えばJSC980Yであり、板厚はそれぞれ1.8mm、1.6mmであり、重量はそれぞれ524g、351gである。リクライニング装置を右片側に備える場合は、右側アッパライザブラケットおよび左側アッパライザブラケットの板厚はそれぞれ1.6mm、1.8mmである。
SPFCやJSCは自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板で、熱延鋼板(高温下で圧力をかけてロールで延ばされた鋼板)を、さらに冷間圧延(常温で圧延)した材料である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
本実施の形態では、片側にリクライニング装置を載置するシートフレームについて説明したが、これに限定されるものではなく、シートフレームの左右で発生する応力が異なる車両用シートに適用することができる。また、本実施の形態では、左右の形状および板厚を異なるようにしたが、これに限定されるものではなく、板厚のみを異なるようにしてもよい。さらに、本実施例では、左右の材質を同じにしたが、これに限定されるものではなく、材質を異なるようにしてもよい。
1・・・シートフレーム
10・・・シートクッションフレーム
11R・・・右側クッションサイドフレーム
11L・・・左側クッションサイドフレーム
13R・・・右側アッパライザブラケット
13L・・・左側アッパライザブラケット
20・・・シートバックフレーム
30R・・・右側リクライニング装置

Claims (6)

  1. 車両用シートは、
    シートの座部の骨格をなすシートクッションフレームと、
    背もたれ部の骨格をなすシートバックフレームと、
    前記シートクッションフレームおよび前記シートバックフレームを連結し、前記シートバックフレームの傾斜角度を調整するリクライニング装置と、
    を備え、
    前記シートクッションフレームは、シートの座部の左右側方下部をそれぞれ支持する左側クッションサイドフレームと右側クッションサイドフレームとを有し、
    前記左側クッションサイドフレームおよび前記右側クッションサイドフレームはそれぞれ1枚の鋼板で形成され、
    前記左側クッションサイドフレームと前記右側クッションサイドフレームとは互いに他と同じ材質であり、
    前記左側クッションサイドフレームと前記右側クッションサイドフレームとは互いに他と板厚がなる
  2. 請求項1の車両用シートにおいて、
    前記左側クッションサイドフレームと前記右側クッションサイドフレームとは互いに他と側面視の面積が異なる。
  3. 請求項1の車両用シートにおいて、
    左側または右側のいずれか一方に前記リクライニング装置を備え、
    前記リクライニング装置を備えない側のクッションサイドフレームの板厚を、前記リクライニング装置を備える側のクッションサイドフレームの板厚よりも薄くする。
  4. 請求項1の車両用シートにおいて、さらに、
    前記左側クッションサイドフレームを支える左側アッパライザブラケットと、
    前記右側クッションサイドフレームを支える右側アッパライザブラケットと、
    を備え、
    前記左側アッパライザブラケットおよび前記右側アッパライザブラケットはそれぞれ1枚の鋼板で形成され、
    前記左側アッパライザブラケットと前記右側アッパライザブラケットとは互いに他と同じ材質であり、
    前記左側アッパライザブラケットと前記右側アッパライザブラケットとは互いに他と板厚がなる
  5. 請求項の車両用シートにおいて、
    前記左側アッパライザブラケットと前記右側アッパライザブラケットとは互いに他と側面視の面積が異なる。
  6. 請求項の車両用シートにおいて、
    左側または右側のいずれか一方に前記リクライニング装置を備え、
    前記リクライニング装置を備えない側のアッパライザブラケットの板厚を、前記リクライニング装置を備える側のアッパライザブラケットの板厚よりも薄くする。
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