JP6400438B2 - 単結晶製造方法及び単結晶製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単結晶の製造方法及び製造装置に関する。
種々の単結晶のうち酸化物結晶は、半導体の基板やシンチレーターに代表されるような放射線を光に変えるなどのセンサーの役割を果たす材料として多岐にわたる利用がなされている。従来、酸化物単結晶の製造方法には、チョクラルスキー法(CZ法)、キロポーラス法(KY法)、EFG法(Edge−defined Film−fed Growth Method)又はマイクロ引き下げ法などがある。
しかしながら、従来の製造方法では、これら酸化物単結晶の製造に時間が掛かり、生産効率が大変低い問題が有った。大量生産するに当たっては、この問題を解決すべく、多くの装置を使って並列的に製造する必要があり、コストが高くなる要因でもあった。
また、例えばCZ法でa軸方向の結晶を製造した場合、c面が必要な基板を製造するには横方向から切り出す為に大変歩留まりが悪く、およそ30%以下となり、更にコスト高の要因となっていた。
CZ法やKY法によれば、大きな単結晶の作製が可能であるが、製造時間が長く、成長速度も4mm/h以下(サファイア単結晶の場合)と大変遅い。また、EFG法によれば、板形状、パイプ形状、又は棒形状などニアネット(near net)な酸化物単結晶が得られるが、同様に成長速度が遅いという問題があった。
上記に示す方法は、融液上部に結晶を成長させる方法又は融液をそのまま凝固させる一般的な方法であるが、これらの方法では成長速度を上げていくと結晶中に含まれるガス成分が結晶に入り、不良となりやすい。唯一、融液下部から成長させる方法として、マイクロ引き下げ法がある。
マイクロ引き下げ法は融液下部から結晶化させるため、気泡が入りにくいが、良質な結晶を高速で得るために引き下げ速度を上げると、同様に融液中に含まれるガス成分やノズル出口からガスを巻き込み、結晶不良となる問題が有った。また、EFG法と同様にニアネットな結晶を30mm/hの速度で作製させることが出来るが、5mm角程度の小型結晶の製造しか出来ない問題があった。
マイクロ引き下げ法での量産方法に関する技術がある(例えば、特許文献1又は2を参照。)。特許文献1には、単結晶材料からなる融液を引下げることによって単結晶品を育成する方法であって、育成された単結晶体を連続的に下方へと移動させ、この移動しつつある単結晶体を間欠的に切断することで複数の単結晶品を連続的に形成させる単結晶品の連続育成方法の開示がある。また、特許文献1には、単結晶材料からなる融液を収容し、この融液を引き下げて単結晶体を育成する育成装置と、育成された前記単結晶体を連続的に下方へと移動させる移動装置と、この移動しつつある単結晶体を間欠的に切断することで複数の単結晶品を連続的に形成する切断装置とを備えている単結晶品の製造装置の開示がある。
また、特許文献2には、溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを使用し、酸化物単結晶の原料を前記溶融ルツボ内で溶融させ、この原料を、前記溶融ルツボの開口を通して前記単結晶育成ルツボへと連続的に供給し、この単結晶育成ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって前記溶融物を引下げながら前記酸化物単結晶を育成する酸化物単結晶の製造方法の開示がある。また、特許文献2には、ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって前記溶融物を引き下げながら前記酸化物単結晶を育成するための酸化物単結晶の製造装置であって、酸化物単結晶の原料を溶解させるための開口を備えた溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを備えており、前記溶融ルツボ内で一旦溶融した原料を、前記開口を通して前記単結晶育成ルツボへと連続的に供給できるように構成されている酸化物単結晶の製造装置の開示がある。
特許第2966317号公報 特許第3668276号公報
特許文献1及び2の発明は、酸化物単結晶を連続的に製造することが実現可能である。しかし、いずれも製造ロスの時間の短縮化につながる技術であり、単結晶の製造速度自体を速くすることができる発明ではない。また、特許文献1及び2の発明は、単結晶材料の融液の流量を融液の温度制御以外のパラメーターによって制御することはできないため、従来のマイクロ引き下げ法と同様に大型の単結晶を製造することは困難であった。すなわち、結晶製造の速度向上には、マイクロ引き下げ法が最も有利であるが、融液の流量の制御が難しく、ノズルの穴径を大きくし、ノズルの数を多くすると、融液の流量が大き過ぎて欠陥の無い単結晶を作る事が難しい。また、逆にノズル穴径を小さくし、ノズルの数を減らすと融液の流量が小さすぎて高速で引き下げたときに目的の形状が得られない。また、結晶中のガスの巻き込みなどの問題も生じやすくなる。
そこで本発明の目的は、結晶の品質を落とさずに大型単結晶を高速製造することが可能な単結晶製造方法及び単結晶製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、単結晶の品質を落とさずに、製造速度を速めることについて種々検討した結果、単結晶材料からなる融液を引き下げることによって単結晶を育成する方法において、ノズルの中を流れる単位当たりの融液の流量(以降、単に「融液の流量」ということがある。)を、圧力差を利用して高めることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る単結晶製造方法は、溶融坩堝で単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とし、該融液を育成坩堝に移し、該育成坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成するか、又は、溶融坩堝と育成坩堝を兼ねた兼用坩堝で単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とし、該兼用坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する単結晶製造方法において、前記溶融坩堝及び前記育成坩堝の中で溶融している融液の液面に接する又は前記兼用坩堝の中で溶融している融液の液面に接する第1空間と前記ノズルの出口よりも下方の第2空間の両方を大気圧未満として、前記溶融坩堝及び前記育成坩堝の中で溶融している融液又は前記兼用坩堝の中で溶融している融液に含まれる気泡を脱泡する工程と、前記第1空間と、前記第2空間との間に圧力差を設けることによって、前記ノズルを通過する融液の流量を制御する工程と、を有することを特徴とする。第1空間のみならず第2空間も大気圧未満とすることで、前記圧力差をゼロ又はゼロに近づけて、ノズルから融液を流さずに、脱泡だけを効率的に行うことができる。
本発明に係る単結晶製造方法では、前記ノズルを通過する融液の流量を制御する工程において、(1)前記第1空間を加圧することによって前記圧力差を設けて、前記ノズルを通過する融液の流量を、加圧しないときよりも大きくする、(2)前記第1空間を加圧し、かつ、前記第2空間を大気圧未満にすることによって前記圧力差を設けて、前記ノズルを通過する融液の流量を、加圧及び減圧をしないときよりも大きくする、(3)前記第2空間を大気圧未満にすることによって前記圧力差を設けて、前記ノズルを通過する融液の流量を、減圧をしないときよりも大きくする、の少なくともいずれか一つを行ない、かつ、前記(1)〜(3)のいずれにおいても第1空間の圧力から第2空間の圧力を差し引いた圧力差をゼロよりも大きくして、前記ノズルを通過する融液の流量を制御することが好ましい。(1)〜(3)の形態は、いずれも前記圧力差を容易にゼロよりも大きくすることができるため、融液の流量を安定して制御することができる。
本発明に係る単結晶製造方法では、前記ノズルの温度を、ノズルヒーターを用いて前記単結晶材料の融点よりも上の温度に制御することによって、前記ノズルを通過する融液を流す又は前記ノズルの温度を、前記ノズルヒーターを用いて前記単結晶材料の融点よりも下の温度に制御することによって、前記ノズルを通過する融液を止める、の制御を行うことが好ましい。前記圧力差のみならず、ノズルの温度を単独制御することで、ノズルから出る融液の流れのオン−オフの切換えを確実に制御することができる。
本発明に係る単結晶製造方法では、前記ノズルを通過する融液の流量をゼロとしているときに、育成した単結晶の切断を行う工程を有することが好ましい。単結晶の品質を落とさずに、単結晶を順次得ることができる。
本発明に係る単結晶製造方法では、単結晶育成装置のうち、前記融液と接触する部分がイリジウム又はイリジウム合金で形成されており、前記単結晶材料が酸化物単結晶材料である形態を含む。酸化物は1900℃以上の融点を持ち、還元雰囲気にさらされると、酸化物の酸素が還元されてしまうため、適度な酸素が必要である。また、減圧雰囲気とする場合、酸素分圧が低下する場合がある。そこで、酸化雰囲気と還元雰囲気の両方に耐える坩堝材料としては、イリジウム、イリジウム合金が最も適している。
本発明に係る単結晶製造方法では、前記気泡を脱泡する工程は、前記単結晶用原料を前記溶融坩堝で熔解しているとき、及び、前記溶融坩堝から前記育成坩堝に前記融液を移すときに行うことが好ましい。
本発明に係る単結晶製造装置は、単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とするための溶融坩堝と該溶融坩堝から前記融液を受け入れて溶融状態を保持する育成坩堝とを有し、該育成坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する単結晶製造装置において、前記溶融坩堝及び前記育成坩堝の中で溶融している融液の液面に接する第1空間を囲む壁と、前記第1空間と前記ノズルの出口よりも下方の第2空間との間のガスの行き来を阻害する仕切壁と、前記第1空間内にガスを供給して、前記第1空間の圧力を高める第1加圧ガス供給部と、前記第1空間内のガスを排気する第1排気部と、前記第2空間を囲む壁と、前記第2空間内のガスを排気する第2排気部と、を有することを特徴とする。第1加圧ガス供給部によって第1空間の圧力が高められている状態において、第1排気部によって第1空間内のガスを排気することができるので、第1空間の圧力を調整しやすくすることができる。また、坩堝内に溶融している融液に含まれる気泡を脱泡することができる。第2排気部を有することによって、融液の流量をさらに大きくすることが可能である。また、第1排気部と第2排気部の両方を有することで、坩堝内に溶融している融液に含まれる気泡を脱泡することができる。
本発明に係る単結晶製造装置では、前記育成坩堝の容量が前記溶融坩堝の容量よりも大きいことが好ましい。
本発明に係る単結晶製造装置は、単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とし、かつ、該融液の溶融状態を保持する溶融坩堝と育成坩堝を兼ねた兼用坩堝を有し、該兼用坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する単結晶製造装置において、前記兼用坩堝の中で溶融している融液の液面に接する第1空間を囲む壁と、前記第1空間と前記ノズルの出口よりも下方の第2空間との間のガスの行き来を阻害する仕切壁と、前記第1空間内にガスを供給して、前記第1空間の圧力を高める第1加圧ガス供給部と、前記第1空間内のガスを排気する第1排気部と、前記第2空間を囲む壁と、前記第2空間内のガスを排気する第2排気部と、を有することを特徴とする。第1加圧ガス供給部によって第1空間の圧力が高められている状態において、第1排気部によって第1空間内のガスを排気することができるので、第1空間の圧力を調整しやすくすることができる。また、坩堝内に溶融している融液に含まれる気泡を脱泡することができる。第2排気部を有することによって、融液の流量をさらに大きくすることが可能である。また、第1排気部と第2排気部の両方を有することで、坩堝内に溶融している融液に含まれる気泡を脱泡することができる。本発明に係る単結晶製造装置では、前記兼用坩堝の蓋と、前記単結晶用原料を供給する原料投入ボックスと、該原料投入ボックスと前記蓋とをつなぎ、前記単結晶用原料を前記兼用坩堝の中に送り込む原料投入ラインと、をさらに有し、前記第1空間は、前記蓋がされた前記兼用坩堝の内部空間であり、前記第1加圧ガス供給部及び前記第1排気部は、前記蓋につなげられていることが好ましい。
本発明に係る単結晶製造装置では、前記ノズルの温度を制御するノズルヒーターをさらに有することが好ましい。前記圧力差のみならず、ノズルの温度を単独制御することで、ノズルから出る融液の流れのオン−オフの切換えを確実に制御することができる。本発明に係る単結晶製造装置では、前記第2空間内にガスを供給する第2加圧ガス供給部を有することが好ましい。
本発明によれば、結晶の品質を落とさずに大型単結晶を高速製造することが可能な単結晶製造方法及び単結晶製造装置を提供することができる。
単結晶製造装置の第1形態を示す概略図である。 底部にノズルを有する坩堝の斜視図である。 ノズルの概略図であり、(a)は薄板状の孔が1×5列でスリット状に並列に並んだノズル(図2に示したタイプである。)であり、(b)は細円柱状の孔が13×5列で並んだ他形態のノズルであり、(c)は複数の線材が枠体によって束ねられ、線材同士の隙間がノズル孔となる他形態のノズルである。(a‐1)、(b−1)、(c−1)は底面側から見た正面図、(a‐2)、(b−2)、(c−2)は長手方向の側面図、(a‐3)、(b−3)、(c−3)は短手方向の側面図を示す。各側面図において透視した孔の形状を破線で示した。 単結晶製造装置の第2形態を示す概略図である。
以降、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
(単結晶製造装置の第1形態)
まず、図1を参照して、単結晶製造装置の第1形態を説明する。第1形態に係る単結晶製造装置100は、育成坩堝1の底部に設けたノズル4から単結晶材料の融液5を連続的に引き下げて単結晶7を育成する単結晶製造装置において、育成坩堝1内で溶融している融液5の液面8に接する第1空間10を囲む壁11cと、第1空間10とノズル4の出口4aよりも下方の第2空間27との間のガスの行き来を阻害する仕切壁12と、第1空間10内にガスを供給して、第1空間10の圧力を高める第1加圧ガス供給部13と、を有する。
坩堝3は、育成坩堝1と溶融坩堝2を有している。溶融坩堝2は、原料投入ライン28から投入された単結晶用原料を溶融した融液6を作るための坩堝である。坩堝3は、酸化、還元雰囲気に耐える坩堝材料から形成されていることが好ましく、イリジウム又はイリジウム合金が最も好ましい。高融点材料として一般的なタンタルやタングステン、モリブデンなどは還元雰囲気では良いが、酸素が存在すると、即時酸化して揮発減耗や酸化物となり破損してしまうことから使用できない。溶融坩堝2の底には、孔19が設けられている。孔19から融液6が流れ落ち、下方に設置した育成坩堝1に流れ込み、融液5に追加される。単結晶育成装置100は、育成坩堝1内の融液5の液面8の位置を測定する位置測定機構を有することが好ましく、液面8の位置が所定量低下すると、融液6を融液5に追加する。本実施形態では、育成坩堝1と溶融坩堝2を1つの坩堝、すなわち、溶融兼育成坩堝(不図示)としてもよいが、坩堝3を育成坩堝1と溶融坩堝2とに分けることによって、融液5の温度が安定し、温度制御が容易となる。育成坩堝1の容量と溶融坩堝2の容量は、特に限定されないが、育成坩堝1の容量を溶融坩堝2の容量よりも大きくすることが好ましい。融液5の温度が安定し、結晶成長速度を高速化しやすくなる。
坩堝3が育成坩堝1と溶融坩堝2を有する場合には、溶融坩堝2の底面と育成坩堝1の上端開口部とは、隙間を有することが好ましい。融液6が流れ落ちやすくなるとともに、融液5の液面8を第1空間10内のガスによって、加圧することができる。
ノズル4は、育成坩堝1の底面に設けられており、融液5を育成坩堝1の下方に流す出すことを可能とする。ノズル4の下端には出口4aが設けられており、出口4aから流れ出た融液5は、出口4aの下方に設置した種結晶と接触し、種結晶を徐々に引き下げることによって、単結晶7を成長させることができる。ノズル4は、イリジウム又はイリジウム合金のブロック体に複数個の細長状の貫通孔を、間隔を開けて、好ましくは均等間隔で、(a)1列に並べた形状(例えば図1)、(b)m×n列に並べた形状、(c)1列又は2列以上で環状に並べた形状又は(d)同心円状に多環状に並べた形状、にて孔開けしたものが好ましい。(a)の場合には、板状単結晶が得られ、(b)の場合では角柱状単結晶が得られ、(c)の場合では中空管状の単結晶が得られ、(d)の場合には円柱状の単結晶が得られる。貫通孔の内径は直径1mmφ以下とすることが好ましい。また、貫通孔は少なくとも10個以上設けることが好ましい。(b)のm×n列に並べた形状について、具体例を図2及び図3(a)(b)に示す。図2に示すようにノズルは坩堝の底部に一体となって形成されていることが好ましい。あるいは坩堝とノズルを別体に形成し、接合してもよい。ノズルの具体的な形状としては、図3(a)に示したように薄板状の孔が1×5列でスリット状に並列に並んだノズルがある。これは、図2に示したタイプのノズルである。また、他形態として、図3(b)に示したように細円柱状の孔が13×5列で並んだノズルがある。さらに、これらとは全く異なるノズル形態として、貫通孔を有する発砲構造がある。具体的には、イリジウム又はイリジウム合金の粒を焼結して多孔質体を形成し、ノズルの融液排出部を多孔質体とすることでノズル面全体から融液が出る構造とすることがより好ましい。ガスの巻き込みも無く良質な結晶を30mm/h〜120mm/hの高速で製造することが可能である。多孔質体の孔(隙間)の面積は1mm以下であることが好ましい。ノズル4の他の形態としては、網を多層に重ねた構造、パイプを束ねた構造、繊維を束ねた構造としてもよい。図3(c)に繊維を束ねた構造のノズルを示した。複数の線材46が枠体47によって束ねられ、線材46同士の隙間がノズル孔となる。図3(c)ではノズル孔の出口を符号4aで示した。
坩堝3は、チューブ状の断熱材20によって取り囲まれており、さらに坩堝3及び断熱材20は筒形状のチャンバ本体11aによって取り囲まれている。チャンバ本体11aには、蓋11bがかぶせられている。チャンバ本体11aと蓋11bとは上部チャンバ11を形成している。チャンバ本体11aの下には、得られた単結晶を取り囲む下部チャンバ16が配置されている。上部チャンバ11と下部チャンバ16との間には、仕切壁12が配置されている。
上部チャンバ11の壁11cは、上部チャンバ11の下部にある仕切壁12とともに、第1空間10を囲む壁となる。また、下部チャンバ16の壁16aは、仕切壁12とともに、第2空間27を囲む壁となる。第1空間10と第2空間27はいずれも外気に対して気密である。仕切壁12が第1空間10と第2空間27との間のガスの行き来を阻害するため、第1空間10と第2空間27とはノズル4によってのみ連通されている。
坩堝3の加熱は、誘導加熱、抵抗加熱、直接通電のいずれか、若しくはこれらの2つ以上の方法を組み合わせて使用しても良い。図1では、チャンバ本体11aの内側であって断熱材20の周囲には、加熱コイル26が巻かれており、坩堝3を誘導加熱する。加熱コイル26は、溶融坩堝3及び育成坩堝1の各エリアを別個に制御することが好ましい。育成坩堝1の下であって、断熱材20の内側には、チューブ状の断熱材30は配置されており、育成坩堝1を支持している。加熱の別形態としては、誘導加熱を行う代わりに、坩堝3と断熱材20との間に通電による発熱ヒーター(不図示)を配置して加熱してもよい。なお、チャンバ本体11aを石英管で形成する場合には、誘導加熱のための加熱コイル26は、石英管の外側で巻き回すことが好ましい。
蓋11bには、原料投入ライン28が配置されており、原料投入ライン28の下端が溶融坩堝2の開口部に向けられている。
また、上部チャンバ11には、第1加圧ガス供給部13が設置されている。第1加圧ガス供給部13は、例えば、窒素、酸素、アルゴンなどを供給する手段であり、第1空間10を陽圧にすることを可能とする。単結晶製造装置100は、第1空間内のガスを排気する第1排気部14をさらに有することが好ましい。第1排気部14は、例えば、真空ポンプである。第1排気部14は、リークバルブを備えていてもよい。第1加圧ガス供給部13によって第1空間10の圧力が高められている状態において、第1排気部14によって第1空間10内のガスを排気することができるので、第1空間10の圧力を調整しやすくすることができる。なお、ここでの排気はリークを行う場合を含む。また、第1加圧ガス供給部13を作動させずに坩堝3内に溶融している融液5,6に含まれる気泡を脱泡することができる。融液5の液面8は、第1空間10に接しており、第1加圧ガス供給部13、第1排気部14又はその両方によって調整された第1空間のガス圧に応じて、液面8が加圧され又は吸引される。
単結晶製造装置100では、第2空間27内のガスを排気する第2排気部15をさらに有することが好ましい。第2排気部15は、例えば、真空ポンプである。第2排気部15を有することによって、融液5の流量をさらに大きくすることが可能である。また、第1排気部14と第2排気部15の両方を有することで、坩堝3内に溶融している融液5,6に含まれる気泡を脱泡することができる。さらに、下部チャンバ16には、第2加圧ガス供給部31が設置されている。第2加圧ガス供給部31は、例えば、窒素、アルゴンなどを供給する手段であり、第2空間27の雰囲気ガスを調整することを可能とする。なお、第2加圧ガス供給部31から供給されるガスは、酸素を微量含ませてもよい。そのときの酸素濃度は、例えば、0.1〜5mol%である。
単結晶製造装置100は、ノズル4の温度を制御するノズルヒーター18をさらに有することが好ましい。本実施形態に係る単結晶の製造方法は、坩堝3の底部から結晶を引き出す構造のため、融液を流す、止める制御が必要である。単結晶製造装置100は、ノズル4の温度を単独で制御できる機構とし、単結晶材料の融点よりも温度を上げて融液を流し、当該融点よりも下げて融液を止める構造とした。ノズル4の温度を単独制御することで、ノズル4から出る融液5の流れのオン−オフの切換えを確実に制御することができる。ノズルヒーター18は抵抗加熱によってノズル4を加熱する。これによって、坩堝3とノズル4とはそれぞれ独立に温度制御が可能となる。ノズル4の出口4aから下の結晶成長領域(溶融ゾーン)において、4℃/cm〜20℃/cmの温度勾配となるように耐火物構成を作ることも良質な結晶を得る為には重要なファクターである。図1では、ノズルヒーター18は抵抗加熱できる発熱線である。ノズル4は育成坩堝1と一体に形成されている。
単結晶製造装置100は、ノズル4の出口4aと育成された単結晶7の上端との間にある結晶成長領域を目視観察するための観察部25を有することが好ましい。観察部25を用いることで、単結晶成長界面を観察できるので、融液の流量と単結晶の製造速度が制御しやすくなる。
単結晶製造装置100は、育成した単結晶7を下方に引き下ろすための回転クランプ24を有することが好ましい。また、単結晶7の引き下げの位置決め調整機構23を有することが好ましい。位置決め調整機構23は、さらに単結晶の質量を測定するためにロードセルを内蔵していることが好ましい。回転クランプ24は、単結晶に振動を与えず連続的に結晶を保持するために、上側ローラーと下側ローラーの少なくとも2対で保持し、又は、ベルト、網などで挟み、それらをローラーなどの回転体で連続的なクランプを行う。位置決め調整機構23は、坩堝1の底部のノズル4と種結晶の位置関係を調整し、ノズル4の先端面と種結晶の上端面とが平行になるように調整する。また、下部チャンバ16の底には、制震・防震機構22を設けることが好ましい。単結晶製造装置100は、育成した単結晶7を切断する結晶切断機構21を有することが好ましい。結晶切断機構21は、例えばレーザーによる切断装置である。単結晶製造装置100における温度制御は、溶融坩堝2、育成坩堝1、ノズル4及びノズルヒーター18の各温度をイリジウムロジウム熱電対で測定し、制御することが望ましい。
単結晶製造装置100において、溶融坩堝2、育成坩堝1、ノズル4をはじめとする耐熱部材は、イリジウム又はイリジウム合金で形成することが好ましい。イリジウムと合金化される金属は、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、レニウム、タングステンなどである。
(単結晶製造装置の第2形態)
次に図4を参照して第2形態の単結晶製造装置について説明する。図1に示した第1形態の単結晶製造装置と第2形態の単結晶製造装置とでは、主として、坩堝の構造及び第1空間の領域が異なり、相違点を中心に説明する。坩堝44は、溶融坩堝と育成坩堝とを兼ねた坩堝(以後、兼用坩堝ともいう。)である。坩堝44の底には、育成坩堝1と同様に、ノズル4が一体に形成されている。坩堝44には、坩堝の蓋43が被せられており、蓋のされた坩堝によってできる空間が第1空間10となる。坩堝の蓋43には、原料投入ライン42と第1加圧ガス供給部40とが繋げられている。ここで、第1加圧ガス供給部40は第1形態における第1加圧ガス供給部13に相当する。第1加圧ガス供給部40によって、第1空間10内に加圧ガスが供給され、第1空間10を陽圧にすることができる。そして、上部チャンバ11の蓋11bの上方には原料投入ボックス41が配置されており、原料投入ボックス41に入っている単結晶の原料が原料投入ライン42を通じて坩堝44に供給される。坩堝44内には、単結晶原料の融液5があり、加圧ガスによって、融液5の液面8が加圧される。また、第1加圧ガス供給部40と坩堝の蓋43とをつなぐ配管と、第1排気部14と蓋11bとをつなぐ配管とをつなぐバイパス配管45が設けられている。バイパス配管45にはストップバルブがつけられている。第1空間10及び第1空間10を除く上部チャンバ11の内部空間を排気する場合には、バイパス配管45のストップバルブを開、第1加圧ガス供給部40のバルブを閉、としたうえで、第1排気部14を作動(バルブを開とする)する。一方、第1空間10を加圧するとき(このときは第1空間10を除く上部チャンバ11の内部空間は加圧しない)には、バイパス配管45のストップバルブを閉、第1排気部14を非作動(バルブを閉)とする。さらに、坩堝44の下であって、断熱材20の内側には、イリジウム製のIrチューブ29が配置されており、加熱コイル26によってIrチューブ29を誘導加熱する。Irチューブ29が加熱されることよって、その放射熱によってノズル4が加熱される。すなわち、Irチューブ29と加熱コイル26とがノズルヒーターの役割をなしている。加熱コイル26は、Irチューブ29の周りの部分と坩堝44の周りの部分とに分割して、それぞれ独立に温度制御できることが好ましい。Irチューブ29の下には、チューブ状の断熱材30は配置されており、これに囲まれた部分は誘導加熱されない。Irチューブ29とチューブ状の断熱材30とが坩堝44を支持している。なお、第1形態の装置のノズルヒーターを図4の装置に適用してもよい。また、第2形態の装置のノズルヒーターを図1の装置に適用してもよい。また、チャンバ本体11aを石英管で形成する場合には、誘導加熱のための加熱コイル26は、石英管の外側で巻き回すことが好ましい。
第1形態及び第2形態の各装置において、坩堝3、44及びノズル4は、直接通電によって加熱してもよい。さらに、誘導加熱、抵抗加熱、直接通電の2つ以上の手段を組み合わせて使用しても良い。誘導加熱では、加熱コイル位置を上下させて温度制御をすることも可能である。
(単結晶製造方法)
次に図1を参照して本実施形態に係る単結晶製造方法について説明する。なお、図4の第2形態の単結晶製造装置を用いた場合についても、第1空間10の領域が異なるものの、同様に単結晶を製造することができる。本実施形態に係る単結晶製造方法は、坩堝の底部に設けたノズルから単結晶材料の融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する、いわゆるマイクロ引き下げ法である。ここで、育成坩堝1内で溶融している融液5の液面8に接する第1空間10と、ノズル4の出口4aよりも下方の第2空間27との間に圧力差を設けることによって、ノズル4を通過する融液5の流量を制御する。
(作用)
第1空間10の圧力(内圧)から第2空間27の圧力(内圧)を差し引いた圧力差を圧力差Aとする。圧力差Aが大きければ大きいほど、融液5の液面8が陽圧により押されてノズル4を通過する融液5の流量が、圧力差Aがゼロの場合と比較して大きくなる。圧力差Aがゼロの場合の具体例としては、第1空間10と第2空間27のいずれも大気解放されている場合である。一方、圧力差Aが負となると融液5の液面8が陰圧により吸引されてノズル4を通過する融液5の流量が、圧力差Aがゼロの場合と比較して小さくなる。さらに圧力差Aがマイナス方向に大きくなると、融液5の流量がゼロとなり、さらに圧力差Aがマイナス方向に大きくなると、ノズル4を通過する融液が逆流する。なお、本実施形態に係る単結晶製造方法では、融液の逆流は避けるべきである。このように圧力差Aによって、融液5の流量を制御することができる。また、融液は温度によって粘性が変化するので、融液の温度が変われば、圧力差Aがゼロのときの融液5の流量は変化する。しかし、融液の温度が変わっても圧力差Aによって融液5の流量を制御できるので、より精密な流量制御ができる。さらに、融液の温度‐粘度特性は融液の種類によって変化するため、圧力差Aを具体的にどの程度に決定すべきかの判断が難しい場合がある。このようなときには、観察部25を用いれば、単結晶成長界面を観察して最適条件の圧力差Aを決定できるので、融液の流量と単結晶の製造速度を容易に制御することができる。
原料投入ライン28によって、溶融坩堝2の融液6中に、単結晶材料を投入する。単結晶材料としては、酸化物単結晶材料、フッ化物単結晶材料が例示され、例えば、酸化物単結晶材料であればサファイヤ、YAG又は酸化ガリウムを得るための原料である。フッ化物単結晶材料であれば、フッ化カルシウム、フッ化バリウム又はフッ化マグネシウムを得るための原料である。なお、単結晶材料が酸化物単結晶材料である場合には、融液と接触する部分がイリジウム又はイリジウム合金で形成されていることが好ましい。溶融坩堝2の融液6は孔19から育成坩堝1に流れ落ち、融液5に追加される。融液5はノズル4を通って出口4aから流れ出て、種結晶を含む単結晶7の上端面に濡れて結晶成長領域が形成されている。結晶成長領域において、単結晶が結晶成長し、その成長速度に合わせて回転クランプ24にて単結晶7が引き下げられる。適当な長さの単結晶7が得られたところで、結晶切断機構21によって単結晶7を切断する。
圧力差Aを設ける方法としては、次の形態(1)〜(3)のいずれか、またはそれらを組み合わせる工程を有することが好ましい。
(1)第1加圧ガス供給部13から供給された加圧ガスによって、第1空間10の内圧を高める。このようにすることで圧力差Aをプラスの値として、ノズル4を通過する融液5の流量を、第1空間10の加圧をしないときよりも大きくする。
(2)第1加圧ガス供給部13から供給された加圧ガスによって、第1空間10の内圧を高め、かつ、第2排気部15によって第2空間27を大気圧未満にする。このようにすることで圧力差Aをプラスの値として、ノズル4を通過する融液5の流量を、第1空間10の加圧及び第2空間27の減圧をしないときよりも大きくする。
(3)第2排気部15によって第2空間27を大気圧未満にすることによって第2空間27を大気圧未満にする。このようにすることで圧力差Aをプラスの値として、ノズル4を通過する融液の流量を、第2空間27の減圧をしないときよりも大きくする。
(1)〜(3)のいずれにおいても第1空間の圧力から第2空間の圧力を差し引いた圧力差をゼロよりも大きくでき、融液の流量を安定して制御することができる。圧力差Aは、例えば、1×10〜1×10Paであり、好ましくは5×10〜5×10Paである。
なお、本実施形態に係る単結晶製造方法では、第1排気部14によって第1空間10を大気圧未満にすることによって、ノズル4を通過する融液5の流量を、減圧をしないときよりも小さくする工程を有していてもよい。単結晶を切断する場合において、結晶成長を、時間をかけて停止したい場合に有効である。
本実施形態に係る単結晶製造方法では、第1空間10と第2空間27の両方を大気圧未満として、坩堝1,2内に溶融している融液5,6に含まれる気泡を脱泡する工程を有することが好ましい。第1空間を大気圧未満とすることで、融液に含まれる気泡を脱泡することが可能となる。しかし、結晶育成が定常状態となった場合は、ノズル4にも融液5が流れているため、融液の流れは、第2空間27の圧力にも影響を受ける。そこで、第1空間10のみならず第2空間27も大気圧未満とすることで、圧力差Aをゼロ又はゼロに近づけて、ノズル4から融液5を流さずに、脱泡だけを効率的に行うことができる。このときの第1空間10及び第2空間の圧力は、それぞれ1×10〜1×10Paであり、好ましくは10〜1×10Paである。1900℃以上の融点を持つ酸化物は還元雰囲気にさらされると、酸化物の酸素が還元されてしまうため、適度な酸素が必要である。また、酸化物から発生してくるガス成分が融液中に残存することで気泡が結晶中に混入し不良となる。この問題を解決するために、酸化物を溶融後、必要に応じて第1空間10と第2空間27の両方を大気圧未満として、融液を脱泡する。その後にアルゴンガスまたは窒素ガスと共に酸素を微量入れて雰囲気調整を行う。脱泡工程を行うタイミングとしては、例えば、第1空間10を真空引きして単結晶材料を溶融坩堝2又は坩堝44に投入し、単結晶材料をそれらの坩堝内で熔解しているときのタイミング、さらに、育成坩堝1に融液を滴下したときのタイミングにおいて、それぞれ脱泡を行うことが好ましい。
本実施形態に係る単結晶製造方法では、ノズル4の温度を、ノズルヒーター18を用いて単結晶材料の融点を挟んだ上又は下の温度に制御することによって、ノズル4を通過する融液5を流す又は止める、の制御を行うことが好ましい。圧力差Aを負とすることで、融液5の流れを止めることが可能であるが、この操作を行うとともに或いはこの操作を行わなくてもノズル4の温度を単独制御することで、ノズル4から出る融液5の流れのオン−オフの切換えを確実に制御することができる。
本実施形態に係る単結晶製造方法では、ノズル4を通過する融液5の流量をゼロとしているときに、育成した単結晶7の切断を行う工程を有することが好ましい。単結晶の品質を落とさずに、単結晶を順次得ることができる。切断はレーザーによる方法が好ましく、レーザーの波長は、切断する結晶の種類によって適宜選択する。
1 育成坩堝
2 溶融坩堝
3 坩堝
44 坩堝(兼用坩堝)
4 ノズル
4a ノズルの出口
5,6 融液
7 単結晶
8 融液の液面
10 第1空間
11 上部チャンバ
11a チャンバ本体
11b 蓋
11c 第1空間を囲む壁
12 仕切壁
13,40 第1加圧ガス供給部
31 第2加圧ガス供給部
14 第1排気部
15 第2排気部
16 下部チャンバ
16a 下部チャンバの壁
18 ノズルヒーター(抵抗加熱ヒーター)
19 溶融坩堝の底の孔
20,30 断熱材
21 結晶切断機構
22 制震・防震機構
23 位置決め調整機構
24 回転クランプ
25 観察部
26 加熱コイル
27 第2空間
28,42 原料投入ライン
29 Irチューブ
41 原料投入ボックス
43 坩堝の蓋
45 バイパス配管
46 線材
47 枠体
100,200 単結晶製造装置

Claims (12)

  1. 溶融坩堝で単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とし、該融液を育成坩堝に移し、該育成坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成するか、又は、溶融坩堝と育成坩堝を兼ねた兼用坩堝で単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とし、該兼用坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する単結晶製造方法において、
    前記溶融坩堝及び前記育成坩堝の中で溶融している融液の液面に接する又は前記兼用坩堝の中で溶融している融液の液面に接する第1空間と前記ノズルの出口よりも下方の第2空間の両方を大気圧未満として、前記溶融坩堝及び前記育成坩堝の中で溶融している融液又は前記兼用坩堝の中で溶融している融液に含まれる気泡を脱泡する工程と、
    前記第1空間と、前記第2空間との間に圧力差を設けることによって、前記ノズルを通過する融液の流量を制御する工程と、を有することを特徴とする単結晶製造方法。
  2. 前記ノズルを通過する融液の流量を制御する工程において、
    (1)前記第1空間を加圧することによって前記圧力差を設けて、前記ノズルを通過する融液の流量を、加圧しないときよりも大きくする、
    (2)前記第1空間を加圧し、かつ、前記第2空間を大気圧未満にすることによって前記圧力差を設けて、前記ノズルを通過する融液の流量を、加圧及び減圧をしないときよりも大きくする、
    (3)前記第2空間を大気圧未満にすることによって前記圧力差を設けて、前記ノズルを通過する融液の流量を、減圧をしないときよりも大きくする、
    の少なくともいずれか一つを行ない、かつ、前記(1)〜(3)のいずれにおいても第1空間の圧力から第2空間の圧力を差し引いた圧力差をゼロよりも大きくして、前記ノズルを通過する融液の流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造方法。
  3. 前記ノズルの温度を、ノズルヒーターを用いて前記単結晶材料の融点よりも上の温度に制御することによって、前記ノズルを通過する融液を流す又は前記ノズルの温度を、前記ノズルヒーターを用いて前記単結晶材料の融点よりも下の温度に制御することによって、前記ノズルを通過する融液を止める、の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶製造方法。
  4. 前記ノズルを通過する融液の流量をゼロとしているときに、育成した単結晶の切断を行う工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の単結晶製造方法。
  5. 単結晶育成装置のうち、前記融液と接触する部分がイリジウム又はイリジウム合金で形成されており、前記単結晶材料が酸化物単結晶材料であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の単結晶製造方法。
  6. 前記気泡を脱泡する工程は、前記単結晶用原料を前記溶融坩堝で熔解しているとき、及び、前記溶融坩堝から前記育成坩堝に前記融液を移すときに行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の単結晶製造方法。
  7. 単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とするための溶融坩堝と該溶融坩堝から前記融液を受け入れて溶融状態を保持する育成坩堝とを有し、該育成坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する単結晶製造装置において、
    前記溶融坩堝及び前記育成坩堝の中で溶融している融液の液面に接する第1空間を囲む壁と、
    前記第1空間と前記ノズルの出口よりも下方の第2空間との間のガスの行き来を阻害する仕切壁と、
    前記第1空間内にガスを供給して、前記第1空間の圧力を高める第1加圧ガス供給部と、
    前記第1空間内のガスを排気する第1排気部と、
    前記第2空間を囲む壁と、
    前記第2空間内のガスを排気する第2排気部と、を有することを特徴とする単結晶製造装置。
  8. 前記育成坩堝の容量が前記溶融坩堝の容量よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の単結晶製造装置。
  9. 単結晶用原料を溶融して単結晶材料の融液とし、かつ、該融液の溶融状態を保持する溶融坩堝と育成坩堝を兼ねた兼用坩堝を有し、該兼用坩堝の底部に設けたノズルから前記融液を連続的に引き下げて単結晶を育成する単結晶製造装置において、
    前記兼用坩堝の中で溶融している融液の液面に接する第1空間を囲む壁と、
    前記第1空間と前記ノズルの出口よりも下方の第2空間との間のガスの行き来を阻害する仕切壁と、
    前記第1空間内にガスを供給して、前記第1空間の圧力を高める第1加圧ガス供給部と、
    前記第1空間内のガスを排気する第1排気部と、
    前記第2空間を囲む壁と、
    前記第2空間内のガスを排気する第2排気部と、を有することを特徴とする単結晶製造装置。
  10. 前記兼用坩堝の蓋と、
    前記単結晶用原料を供給する原料投入ボックスと、
    該原料投入ボックスと前記蓋とをつなぎ、前記単結晶用原料を前記兼用坩堝の中に送り込む原料投入ラインと、をさらに有し、
    前記第1空間は、前記蓋がされた前記兼用坩堝の内部空間であり、
    前記第1加圧ガス供給部及び前記第1排気部は、前記蓋につなげられていることを特徴とする請求項9に記載の単結晶製造装置。
  11. 前記ノズルの温度を制御するノズルヒーターをさらに有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の単結晶製造装置。
  12. 前記第2空間内にガスを供給する第2加圧ガス供給部を有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一つに記載の単結晶製造装置。
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