JP2021080141A - 酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021080141A
JP2021080141A JP2019210732A JP2019210732A JP2021080141A JP 2021080141 A JP2021080141 A JP 2021080141A JP 2019210732 A JP2019210732 A JP 2019210732A JP 2019210732 A JP2019210732 A JP 2019210732A JP 2021080141 A JP2021080141 A JP 2021080141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gallium oxide
crucible
single crystal
melt
oxide single
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019210732A
Other languages
English (en)
Inventor
松下 桂一郎
Keiichiro Matsushita
桂一郎 松下
慎吾 田中
Shingo Tanaka
慎吾 田中
常義 三木
Tsuneyoshi Miki
常義 三木
雅人 倉知
Masahito Kurachi
雅人 倉知
家隆 佐橋
Ietaka Sahashi
家隆 佐橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamajiyu Ceram Kk
YAMAJIYU CERAMICS KK
Original Assignee
Yamajiyu Ceram Kk
YAMAJIYU CERAMICS KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamajiyu Ceram Kk, YAMAJIYU CERAMICS KK filed Critical Yamajiyu Ceram Kk
Priority to JP2019210732A priority Critical patent/JP2021080141A/ja
Publication of JP2021080141A publication Critical patent/JP2021080141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、酸化ガリウム融液の分解を抑制しつつ、効率的に酸化ガリウム単結晶を製造できる製造方法、及び、製造装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る酸化ガリウムの製造方法は、底部11bに貫通孔12aを有する坩堝11に収容された酸化ガリウム融液Mを前記貫通孔12aから連続的に滲出させ、種結晶Sを下方に引き下げながら酸化ガリウム単結晶を成長させる成長工程を有する酸化ガリウム単結晶の製造方法であって、前記成長工程は、前記坩堝11に収容された前記酸化ガリウム融液Mの液面に接する前記坩堝11内の空間を閉鎖空間としながら行うことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置に関する。
酸化ガリウムのバンドギャップは、従来半導体材料として一般的に用いられてきたシリコンのバンドギャップに比べて遥かに大きく、次世代パワーデバイス材料として注目されるシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)のバンドギャップよりもさらに大きい。これにより、絶縁破壊境界強度に優れ、今後のパワーデバイスの高性能化に向けて注目を集めている。
また、酸化ガリウム単結晶は融液成長法により製造できるため、気相成長法等の方法により製造されるSiCに比べ、低コストで製造できる点も大きな魅力である。従来、シリコン、サファイヤ等の融液成長法の一つとして、回転引き上げ法(チョクラルスキー法、Cz法)が広く用いられてきた。Cz法は、坩堝内に溶融させた融液の液面に種結晶を接触させ、種結晶を回転させながら引き上げ、結晶成長させる方法である。
しかしながら、酸化ガリウム融液は、高温で酸素が不足状態となると分解し、分解により生じた異物が液面に浮遊し、異物層を形成してしまう。液面に異物層が形成されると、酸化ガリウム融液と種結晶とが接触できず、正しく結晶成長させることが困難であった。
これに対して、特許文献1、2には、液面よりも高く突出したダイ部を設けることにより結晶成長を可能にしたEdge−defined Film−fed Growth法(EFG法)により酸化ガリウム単結晶を製造することが提案されている。EFG法は、毛細管現象を利用することにより、ダイ部に融液を吸い上げさせ、ダイ部表面で酸化ガリウムを結晶化させる方法である。現在製造される酸化ガリウム単結晶の多くは、EFG法を用いて製造されている。
特開2015−212212号公報 特開2018−076193号公報
しかしながら、EFG法では、毛細管現象により酸化ガリウム融液を吸い上げるにあたり、一定量の酸化ガリウム融液が坩堝内に残液として残ってしまい、製造効率に劣っていた。また、毛細管現象により酸化ガリウム融液を吸い上げるため、製造時間がかかり、単結晶の大径化も困難であった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、酸化ガリウム融液の分解を抑制しつつ、効率的に酸化ガリウム単結晶を製造できる製造方法、及び、製造装置を提供することを課題とする。
そこで、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、坩堝内を閉鎖空間とし、融液を下方に落として結晶成長させることで、酸化ガリウムの分解を抑制しつつ、効率的に酸化ガリウム単結晶を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る酸化ガリウムの製造方法は、
底部に貫通孔を有する坩堝に収容された酸化ガリウム融液を前記貫通孔から連続的に滲出させ、種結晶を下方に引き下げながら酸化ガリウム単結晶を成長させる成長工程を有する酸化ガリウム単結晶の製造方法であって、
前記成長工程は、前記坩堝に収容された前記酸化ガリウム融液の液面に接する前記坩堝内の空間を閉鎖空間としながら行うことを特徴とする。
坩堝を閉鎖空間とすることにより、坩堝内の空間を外部から隔離し、坩堝内のガスの流れを停滞させることができ、酸化ガリウム融液の分解を抑制することができる。また、酸化ガリウム融液の液面からの熱の放出を抑制することができ、酸化ガリウム融液の温度を制御しやすくなる。一方、酸化ガリウム融液を下方に滲出させて結晶成長させることにより、異物層を除いたすべての融液を結晶化することができ、製造効率に優れる。さらに、重力を利用して、酸化ガリウム融液を下方に流すことにより、従来のCz法やEFG法等の引き上げ法に比べて、製造時間を短縮することができる。
第1の実施形態の製造装置を示す断面図である。 第1の実施形態の製造方法を示すフローチャート図である。 第2の実施形態の製造装置を示す断面図である。
(第1の実施形態)
(酸化ガリウム単結晶の製造装置)
以下、本発明の第1の実施形態に係る酸化ガリウム単結晶の製造装置1について、図1を参照して説明する。本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造装置1は、坩堝11を備え、坩堝11内に収容された酸化ガリウム融液Mを連続的に滲出させて酸化ガリウム単結晶を成長させる。
坩堝11は、上方が開口する円筒状の筒部11aと、筒部11aの下方に接続された底部11bとを有し、筒部11aと底部11bは一体に形成されている。底部11bの中央には、複数の貫通孔12aを有するダイ部12が設けられている。底部11bは、外周縁からダイ部12に向かって傾斜する傾斜底面11cを有する。底部11bが傾斜底面11cを有することにより、収容した酸化ガリウム融液Mの全量を排出しやすく、原料のロスを削減することができ、製造効率に優れる。坩堝11及びダイ部12は、酸化ガリウムの溶融温度に耐え得る材料からなり、例えば、イリジウムにより形成することができる。
ダイ部12は、底部11bの一部として一体に形成されてもよいし、別の部材として形成され、底部11bに設けられた貫通孔に接続されてもよい。ダイ部12を別部材とすると、使用によりダイ部12が摩耗した際や、酸化ガリウム単結晶の製造条件を変更する際等に容易に交換することができる。ダイ部12は、その一部又は全部が底部11bの下端よりも下方に突出した凸部を形成することが好ましい。ダイ部12の下方には平坦面12bが形成されており、滲出した酸化ガリウム融液Mは、ダイ部12の下方の平坦面12bに沿って濡れ広がる。ダイ部12が下方に突出すると、ダイ部12の形状や大きさに応じた酸化ガリウム単結晶を製造することができる。
製造される酸化ガリウム単結晶の断面形状や大きさは、ダイ部12の形状や大きさにより決定される。本発明の酸化ガリウム単結晶の製造装置1は、酸化ガリウム単結晶の大径化が容易であり、例えば、種結晶Sに対向するダイ部12の形状は、直径25〜210mmの円形が好ましく、直径77〜103mmの円形がより好ましい。
ダイ部12は、貫通孔12aである細孔を有し、酸化ガリウム融液Mを上方から下方に滲出させる。ダイ部12の貫通孔12aは、酸化ガリウム融液Mが適切な速度で滲出するように、製造条件や酸化ガリウムと坩堝材料との濡れ性等に応じて貫通孔12aの孔径や配置等を適宜決定すればよい。坩堝11をイリジウムにより形成した場合、酸化ガリウムとイリジウムは非常に濡れやすいので貫通孔12aからの出は良く、貫通孔12aは比較的小さめが良い。貫通孔12aの孔径として、例えば、直径0.4〜0.5mmが例示できる。
筒部11aは上部に開口部を有し、開口部には、着脱可能な蓋体13が設けられる。蓋体13を有することにより、酸化ガリウム融液Mに接する坩堝11内の空間が閉鎖空間となる。閉鎖空間とは、完全な密閉状態であることが好ましいが、坩堝11の外部とのガスの流通がある程度制限される状態であれば足りる。蓋体13としては、筒部11aの開口部を閉鎖することのできるものであればよい。蓋体13としては、開口部を密閉できることが好ましい。蓋体13は、例えば、円板状の平板状とすることができる。蓋体13は、坩堝11と同様に、酸化ガリウムの溶融温度に耐え得る材料からなり、例えば、イリジウムにより形成することができる。
本実施形態の坩堝11は、蓋体13を備えることにより、酸化ガリウム融液Mの液面に接する坩堝11内の空間を閉鎖空間とすることができ、外部から隔離することができる。酸化ガリウム融液Mが分解されると、分解された際に発生する分解ガスが坩堝11内の閉鎖空間内に充満し、閉鎖空間内が平衡状態となる。これにより、酸化ガリウム融液Mの分解を抑制することができる。また、坩堝11の外側への熱の放出を抑制することができ、酸化ガリウム融液Mの温度を制御しやすくなる。
従来、融液を下方に落とし、種結晶を引き下げながら結晶成長を行う方法の一つとして、μ引き下げ法(μPD法)が、小規模の試験材料の製造等に用いられてきた。μPD法は、小規模の製造を前提とした方法であり、融液の液面の揮発、分解、放熱等が問題となることはなく、μPD法に一般的に用いられる装置では、坩堝に蓋体を備えていなかった。本発明では、大型化に伴う酸化ガリウム融液Mの温度制御の問題と、酸化ガリウム融液の分解の問題とを、蓋体13を備えることにより、解決することが可能である。
坩堝11の下方には、種結晶台20が設けられる。種結晶台20は、上下方向に移動可能であり、種結晶Sを支持する。種結晶台20は、図示しないモーター等の駆動装置に接続され、酸化ガリウム単結晶の成長に合わせて連続的に引き下げられる。
種結晶台20に支持される種結晶Sは、あらかじめ結晶化された酸化ガリウム単結晶片である。ダイ部12の平坦面12bの面積と同じ断面形状を有する種結晶Sを用いると、円柱状又は角柱状の酸化ガリウム単結晶を製造でき、ダイ部12の平坦面12bの面積よりも小さい断面積を有する種結晶Sを用いると、端部が円錐状又は角錐状の酸化ガリウム単結晶を製造できる。端部が円錐状又は角錐状とすると、種結晶Sを小さくすることができ、コストを削減することができる。
坩堝11の下方には、筒部11aから延出するように、アフターヒーター14が設けられる。アフターヒーター14は、ダイ部12から滲出した酸化ガリウム融液Mが結晶化する結晶化領域を覆い、結晶化領域の温度を適切な範囲に制御する。結晶化領域の温度を適切な範囲に制御することにより、酸化ガリウム単結晶を均一に結晶化させることができる。アフターヒーター14は、坩堝11と同じ材料により形成されることが好ましい。
坩堝11及びアフターヒーター14の周囲には、ジルコニア、アルミナ等のセラミックス製の外装材40を設けることが好ましい。外装材40を設けることにより、坩堝11の内部及びアフターヒーター14の内側の結晶化領域の温度が安定する。また、外装材40を設けることにより、外部への熱の放出を抑制することができ、加熱効率に優れる。また、外装材40には、ガス注入口が設けられ、外装材40の内側の空間を、調整された雰囲気ガスで満たすことができる。
外装材40の外側には、坩堝11及びアフターヒーター14を覆うように、ヒーターである高周波コイル30が設けられる。高周波コイル30は、坩堝11及びアフターヒーター14を高周波により誘電加熱し、坩堝11の内部及びアフターヒーター14の内側の結晶化領域の温度を上昇させる。坩堝11の内部及びアフターヒーター14の内側の結晶化領域の温度は、高周波コイル30の出力、坩堝11又はアフターヒーター14と高周波コイル30との距離等により調節することができる。坩堝11内の温度は、少なくとも酸化ガリウムの溶融温度以上の温度になるように設定すればよい。酸化ガリウムの溶融温度以上とは、例えば、1740℃以上、1830℃以上、1900℃以上を例示することができる。アフターヒーター14の内側の結晶化領域の温度は、酸化ガリウム融液Mの滲出速度や、製造する酸化ガリウム単結晶の径等に応じて、結晶化に適切な温度範囲で適宜設定すればよく、坩堝11内の温度よりも低い温度で適切な温度勾配を有するように設定することが好ましい。アフターヒーター14の内側の結晶化領域の温度勾配は、アフターヒーター14の長さや高周波コイル30とダイ部12の下端面との位置関係により調節することができる。ヒーターとしては、高周波コイル30に代えて、それ自体が熱を発する熱源を用いることもできる。
(酸化ガリウム単結晶の製造方法)
本実施形態に係る酸化ガリウム単結晶の製造方法について、図1、図2を参照して説明する。本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造方法は、酸化ガリウム単結晶の製造装置1を用いることを特徴とし、酸化ガリウム融液Mをダイ部12から連続的に滲出させ、酸化ガリウム単結晶を成長させる成長工程を備える。
本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造方法は、準備段階として、溶融工程を有する。溶融工程は、まず、坩堝11内に、原料となる酸化ガリウム及び必要に応じて添加される公知の添加元素を収容する。その後、坩堝11内を減圧脱気した後、充填気体で満たし、坩堝11内に新たなガスが流入しないように、蓋体13で密閉する。充填気体は、例えば、アルゴン等の不活性ガスに3mol%程度の酸素を混合した混合気体、二酸化炭素等が好ましい。坩堝11の周囲に外装材40を設け、ガス注入口より充填気体を注入し、坩堝11の外側の空間も、充填気体で満たしておくことが好ましい。坩堝11内の空間が完全に密封状態でない場合、坩堝11の外側の空間も充填気体で満たしておくと、蓋体13の隙間から外気が侵入した際にも、坩堝11内の雰囲気を一定に保つことができる。
上記のように蓋体13により坩堝11内の空間を閉鎖空間とした後、充填気体雰囲気下で高周波コイル30により、坩堝11内の温度を酸化ガリウムの溶融温度以上とし、酸化ガリウムを溶融させる坩堝11内の酸化ガリウム融液Mは、熱対流し、略均一に保たれる。
酸化ガリウムが溶融すると、酸化ガリウム融液Mがダイ部12に設けられた貫通孔12aから連続的に滲出する。ダイ部12の下方には、種結晶台20に支持された種結晶Sが配される。種結晶Sは、ダイ部12に当接する位置から、下方に引き下げられ、滲出した酸化ガリウム融液Mは、ダイ部12と種結晶Sとの間を埋めるように、種結晶Sの上面に濡れ広がる。
種結晶Sの上面に濡れ広がった酸化ガリウム融液Mは、冷却され、結晶化する。成長工程では、充填気体と同様の気体を流入させるとともに、ダイ部12より下方側を覆うアフターヒーター14によって加熱されることで、結晶化領域の温度が調節され、酸化ガリウムの結晶成長が進行する。
成長工程は、種結晶台20に支持された種結晶Sを下方に引き下げながら連続的に繰り返される。これにより、種結晶Sの上部に結晶化した酸化ガリウム単結晶が形成される。種結晶Sの引き下げ速度は、滲出速度及び結晶化速度に合わせて設定される。引き下げ速度の下限値の目安としては、生産性の観点から、0.1mm/min以上が好ましく、0.2mm/min以上がより好ましい。引き下げ速度の上限値の目安としては、酸化ガリウム単結晶の品質の観点から、0.5mm/min未満が好ましく、0.4mm/min以下がより好ましい。引き下げ速度が速すぎると、クラックや気泡が発生する場合がある。酸化ガリウム融液Mには重力が作用するため、Cz法やEFG法等の引き上げ法に比べて成長工程を速く行うことができる。
本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造方法によれば、坩堝11が蓋体13を備えることにより、酸化ガリウム融液Mに接する坩堝11内の空間を閉鎖空間とすることができる。すなわち、坩堝11内の空間を外部から隔離し、坩堝11内のガスの流れを停滞させることができる。酸化ガリウム融液Mが分解されると、分解された際に発生する分解ガスが坩堝11内の閉鎖空間内に充満し、閉鎖空間内が平衡状態となる。これにより、酸化ガリウム融液Mの分解を抑制することができる。また、坩堝11の外側への熱の放出を抑制することができ、酸化ガリウム融液Mの温度を制御しやすくなる。
本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造方法では、従来の方法に比べ、酸化ガリウム融液Mの分解を抑制することができるものの、坩堝11内において、酸化ガリウム融液Mの一部は分解し、異物として液面に浮遊する。しかしながら、坩堝11の下部に設けられた貫通孔12aより酸化ガリウム融液Mを滲出させることにより、浮遊する異物層を除いてすべての酸化ガリウム融液Mを滲出、結晶化することができる。従来のEFG法の方法では、酸化ガリウム融液Mを毛細管現象により吸い上げるために、一定量の酸化ガリウム融液Mが坩堝11内に残ってしまう。本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造方法によれば、坩堝11中に残液が残らないため、製造効率に優れる。また、残液が残らないことから、残液へのイリジウムの溶け出し等による酸化ガリウム単結晶の純度の低下を抑制することができる。
さらに、酸化ガリウムに添加元素を加えた場合、従来のEFG法等の方法では、毛細管現象により酸化ガリウム融液Mが吸い上げられる際に、引き上げ速度の違いから、添加元素が分離し、添加元素濃度が不均一になってしまう場合があった。本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造方法では、熱対流により坩堝11内の酸化ガリウム融液Mに添加元素を均一分散させるとともに、坩堝11の下方から酸化ガリウム融液Mを滲出させることにより、添加元素の分離、不均一化を抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る酸化ガリウム単結晶の製造装置について、図3を参照して説明する。なお、先の第1の実施形態と同様の構成は、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造装置10は、蓋体13に代えて、坩堝11の開口部を閉鎖する外蓋130と、酸化ガリウム融液Mの液面を覆う内蓋131とを備える。内蓋131は、略中央部に棒状の内蓋軸132が接続される。内蓋軸132は、外蓋130に設けられた貫通孔に挿通される。外蓋130の貫通孔と内蓋軸132とは、摺動部材等を介して、摺動可能に密着することが好ましい。
内蓋131は、酸化ガリウム融液Mの液面の全体を覆うことが好ましいが、坩堝11の筒部11aとの間に間隙があってもよい。具体的には、内蓋131の外径と、筒部11aの内径との差が、0.1〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造装置10は、外蓋130を備えることにより、酸化ガリウム融液Mに接する坩堝11内の空間を閉鎖空間とすることができる。さらに、内蓋131を備えることにより、坩堝11内の気体と酸化ガリウム融液Mの液面との接触を阻止することができる。これにより、酸化ガリウム融液Mの液面の分解を抑制することができる。また、酸化ガリウム融液Mの液面からの熱の放出を抑制することができ、酸化ガリウム融液Mの温度を制御しやすくなる。
また、本実施形態の酸化ガリウム単結晶の製造装置は10、内蓋軸132を備える。内蓋軸132は、一方の端部が内蓋131に接続され、他端は坩堝11の外側に突出する。内蓋軸132の突出部を図示しない付勢装置に接続することにより、内蓋軸132及び内蓋131を介して、酸化ガリウム融液Mの液面をわずかに加圧することが可能である。酸化ガリウム融液Mを加圧することにより、酸化ガリウム融液Mの滲出速度を制御しやすく、成長工程における結晶化を均一に制御しやすくなる。
外径50mm、高さ50mm、肉厚1.5mmのイリジウム製坩堝を準備した。坩堝の底部には、外径26mmの円板状のイリジウム製ダイ部を設けた。ダイ部の厚さは2mm、細孔は直径0.4mmの貫通孔を7個とした。酸化ガリウム粉末を坩堝内に収容し、坩堝内を10Pa以下に減圧した後、アルゴン:酸素のモル比を96:4に調整した混合気体で充填した。坩堝の上部を、外径52mm、肉厚2mmのイリジウム製蓋体で坩堝内を密閉した。坩堝の下方に外径50mm、高さ30mm、肉厚1.5mmのイリジウム製アフターヒーターを接続した。坩堝及びアフターヒーターの周囲をジルコニア及びアルミナ製の外装材で覆い、その外側に、円筒状の石英管を設け、さらに外側に、高周波コイルを設けた。
上記の装置を炉内に収容し、炉内を10Pa以下に減圧した後、アルゴン:酸素のモル比を96:4に調整した混合気体で充填した。混合気体雰囲気下で、高周波コイルにより坩堝を加熱し、酸化ガリウム粉末を溶融させた。坩堝上部の蓋体表面が1830℃程度となると、ダイ部の細孔から酸化ガリウム融液の滲出が確認された。酸化ガリウム粉末が溶融したのを確認し、6×6×30mm、結晶方位(100)の種結晶を酸化ガリウム融液に当接させ、種結晶上面に酸化ガリウム融液をなじませた。結晶径がφ26mmになるまで、種結晶を0.1mm/min以下の低速で引き下げながら結晶成長させた。その後、種結晶の引き下げ速度を0.1〜0.4mm/minまで、0.1mm/minおきに変えながら結晶成長させた。φ26×50mmの無色透明な酸化ガリウム単結晶を得た。
引き下げ速度0.4mm/minでは、わずかにクラックがみられたが、気泡の発生がなく、許容範囲といえる。引き下げ速度0.1mm/min、0.2mm/min、及び、0.3mm/minでは、クラックも気泡もなく、特に高品質な酸化ガリウム単結晶を得た。
1、10:酸化ガリウム単結晶の製造装置、 11:坩堝、 11a:筒部、 11b:底部、 12:ダイ部、 13:蓋体、 14:アフターヒーター、 20:種結晶台、 30:高周波コイル、 40:外装材、 130:外蓋、 131:内蓋、 132:内蓋軸、 M:融液、 S:種結晶

Claims (6)

  1. 底部に貫通孔を有する坩堝に収容された酸化ガリウム融液を前記貫通孔から連続的に滲出させ、種結晶を下方に引き下げながら酸化ガリウム単結晶を成長させる成長工程を有する酸化ガリウム単結晶の製造方法であって、
    前記成長工程は、前記坩堝に収容された前記酸化ガリウム融液の液面に接する前記坩堝内の空間を閉鎖空間としながら行うことを特徴とする酸化ガリウム単結晶の製造方法。
  2. 前記成長工程は、前記酸化ガリウム融液の前記液面と前記閉鎖空間内の気体との接触を阻止しながら行う請求項1に記載の酸化ガリウム単結晶の製造方法。
  3. 前記底部は、前記貫通孔が設けられたダイ部を有し、前記ダイ部は、前記種結晶に対向する下面の形状が直径25〜210mmの円形である請求項1又は2に記載の酸化ガリウム単結晶の製造方法。
  4. 前記酸化ガリウム融液は、酸化ガリウムと添加元素を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化ガリウム単結晶の製造方法。
  5. 底部に貫通孔を有する坩堝に収容された酸化ガリウム融液を前記貫通孔から連続的に滲出させ、種結晶を下方に引き下げながら酸化ガリウム単結晶を成長させる酸化ガリウム単結晶の製造装置であって、
    上方が開口する前記坩堝と、
    前記坩堝の前記開口を閉鎖する外蓋と、
    前記坩堝に収容された前記酸化ガリウム融液の液面に当接して、前記液面を覆う内蓋と、
    を備えることを特徴とする酸化ガリウム単結晶の製造装置。
  6. 前記底部は、前記貫通孔が設けられたダイ部を有し、前記ダイ部は、前記種結晶に対向する下面の形状が直径25〜210mmの円形である請求項5に記載の酸化ガリウム単結晶の製造装置。
JP2019210732A 2019-11-21 2019-11-21 酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置 Pending JP2021080141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019210732A JP2021080141A (ja) 2019-11-21 2019-11-21 酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019210732A JP2021080141A (ja) 2019-11-21 2019-11-21 酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021080141A true JP2021080141A (ja) 2021-05-27

Family

ID=75964140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019210732A Pending JP2021080141A (ja) 2019-11-21 2019-11-21 酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021080141A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114086249A (zh) * 2021-12-02 2022-02-25 北京镓和半导体有限公司 氧化镓单晶制备中抑制原料分解和铱金坩埚氧化的方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150223A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Tdk Corp 引下げ装置における原材料供給装置
JP2013010664A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Tdk Corp 単結晶製造装置及び製造方法
JP2013237591A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Namiki Precision Jewel Co Ltd 酸化ガリウム融液、酸化ガリウム単結晶、酸化ガリウム基板、および酸化ガリウム単結晶の製造方法
JP2016088820A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 株式会社フルヤ金属 単結晶製造方法及び単結晶製造装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150223A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Tdk Corp 引下げ装置における原材料供給装置
JP2013010664A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Tdk Corp 単結晶製造装置及び製造方法
JP2013237591A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Namiki Precision Jewel Co Ltd 酸化ガリウム融液、酸化ガリウム単結晶、酸化ガリウム基板、および酸化ガリウム単結晶の製造方法
JP2016088820A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 株式会社フルヤ金属 単結晶製造方法及び単結晶製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114086249A (zh) * 2021-12-02 2022-02-25 北京镓和半导体有限公司 氧化镓单晶制备中抑制原料分解和铱金坩埚氧化的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8231727B2 (en) Crystal growth apparatus and method
CN113718337B (zh) 一种液相法生长碳化硅晶体的装置及方法
JP5633732B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法およびサファイア単結晶の製造装置
JP5493092B2 (ja) 酸化ガリウム単結晶の製造方法および酸化ガリウム単結晶
US20080245292A1 (en) Apparatus and methods of growing void-free crystalline ceramic products
JP2008031019A (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP4844428B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP5953884B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法
US8647433B2 (en) Germanium ingots/wafers having low micro-pit density (MPD) as well as systems and methods for manufacturing same
JP2008247706A (ja) コランダム単結晶の育成方法、コランダム単結晶およびコランダム単結晶ウェーハ
JP2021080141A (ja) 酸化ガリウム単結晶の製造方法及び製造装置
JP6990383B2 (ja) 高性能Fe-Ga基合金単結晶製造方法
JP2008207993A (ja) サファイア単結晶の製造方法
KR101983489B1 (ko) SiC 단결정의 제조 방법
JP2013507313A (ja) 結晶成長装置および結晶成長方法
JP2006151745A (ja) 単結晶の製造方法及びそれらを用いた酸化物単結晶
JP2004203687A (ja) 化合物半導体製造装置
JP4549111B2 (ja) GaAs多結晶の製造炉
KR102060188B1 (ko) 실리콘카바이드 단결정의 제조 장치 및 실리콘카바이드 단결정의 제조 방법
JP2014156373A (ja) サファイア単結晶の製造装置
TWI513865B (zh) 微坑密度(mpd)低之鍺鑄錠/晶圓及用於其製造之系統和方法
JP2014162668A (ja) 単結晶製造装置
JPS6369791A (ja) 二重るつぼ
JP2005324993A (ja) 単結晶の製造装置
JP2013018678A (ja) 結晶育成用るつぼ及び結晶の育成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240305