<第1の実施形態>
この実施形態の臨床検査装置の一例として、自動分析装置について各図を参照して説明する。
[自動分析装置]
自動分析装置10は、分注された被検試料(以下「検体」という場合がある)と試薬とを混合して反応させ、その混合液を分析することにより、混合液の成分を測定する装置である。
自動分析装置10の構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、自動分析装置10の機能的構成を示すブロック図である。図2は、分析部24の詳細構成を示す斜視図である。
[自動分析装置の機能的構成]
図1に示すように、自動分析装置10は、分析部24と、分析制御部25と、データ処理部30と、識別部40と、記憶部50と、検出部60と、システム制御部70と、操作部80と、出力部90とを備える。また、自動分析装置10には記憶手段200が接続されている。
[分析制御部]
分析制御部25は、機構部26と、制御部27とを有する。分析部24は分析制御部25により制御される。機構部26は、モータやギア等を含んで構成され、駆動力を発生して分析部24の各ユニットに伝達させることで、分析部24の各ユニットを駆動させる。
[分析部]
分析部24は、検体及び試薬の各液体を含む混合液を生成し、その混合液の成分を測定する。以下に分析部24の構成の詳細について説明する。
[分析部の構成]
図2は、分析部24の構成の詳細及び制御構成を示す図である。図2を参照して分析部24の構成の詳細に説明する。
分析部24は、検体と試薬との混合液を吸光度測定して、測定データを出力する。測定データは、例えば、吸光度データである。測定データは、検体データの他に、予備測定データが挙げられる。予備測定データは、キャリブレーションデータ、精度コントロールデータ、検体ブランクデータ、試薬ブランクデータ等が挙げられる。検体データは、上記の吸光度測定において、検体を被検者の血液、血漿等としたデータである。
制御部27は、機構部26に指示することで、分析部24が有する各ユニットの駆動を制御する。各ユニットは、第1試薬庫2、第2試薬庫3、反応庫5、ディスクサンプラ6、及び、アーム14(試料分注プローブ7、第1試薬分注プローブ8、第2試薬分注プローブ9の各アーム)を含む。
〔試料容器〕
検体(試料)は、試料容器61に収納されている。試料容器61は、回転可能な円形状のディスクサンプラ6及び/又はラックサンプラ65上に載置されたラック63に載置される。ディスクサンプラ6及びラックサンプラ65は、所望の検体を試料分注プローブ7による吸引位置へ搬送する。
試料容器61には、試料容器61を識別するための試料容器IDが付されている。試料容器IDが、被検者IDと対応付けられることで、識別部40は、試料容器61内の検体が、どの被検者から採取されたものなのかを識別することができる。IDは、例えば、UID(Unique ID)が挙げられる。
試料容器61の搬送について、まず、試料容器61がディスクサンプラ6に載置されている場合について説明する。記憶部50には、試料容器と載置位置との対応情報が予め記憶されている。試料容器と載置位置との対応情報とは、試料容器IDと、この試料容器IDに対応する試料容器61が載置されたディスクサンプラ6の位置との対応情報である。ディスクサンプラ6には、例えば、載置位置を特定するための載置位置番号が付されている。このとき、試料容器とディスクサンプラ6における載置位置との対応情報は、例えば、試料容器IDと載置位置番号とが対応付けられた情報となる。
また、ディスクサンプラ6に載置された試料容器61を識別して、試料容器61の識別情報を取得し、この情報に基づいて試料容器と載置位置との対応情報を生成することもできる。試料容器と載置位置との対応情報は、同様に記憶部50に記憶される。この場合、試料容器と載置位置との対応情報は、例えば、以下に示すようにして生成される。
分析部24には、試料容器識別子読取部62である、第1読取部62A及び第2読取部62Bが備えられている。試料容器61には、試料容器IDを識別するための試料容器識別子が備えられている。第1読取部62Aは、試料容器61がディスクサンプラ6に載置されている場合、その試料容器61に備えられた試料容器識別子を読み取る。この試料容器識別子は、例えば、ラベルである。このラベルには、例えば、バーコード、ICチップ等が備えられている。
第1読取部62Aで読み取られた試料容器61の識別情報は、後述する対応付け部43により、この試料容器61が載置されたディスクサンプラ6の位置情報に対応付けられる。この対応情報は、試料容器と載置位置との対応情報として記憶部50に記憶される。
次に、試料容器61がラックサンプラ65に載置されている場合について説明する。ラックサンプラ65は、搬送路64を備える。この搬送路64上には、試料容器61を複数備えたラック63が複数載置されている。ラック63には、例えば、試料容器61が一列に並べられて載置されている。ラック63は、搬送路64上を移動することができる。ラック63の移動方向は、例えば、試料容器61が並べられた方向と直交する方向である。
ラックサンプラ65に備えられたラック63は、搬送路64上を移動することで、分析部24の試料分注プローブ7の近傍まで搬送される。試料分注プローブ7の近傍まで搬送されたラック63は、例えば、試料容器61が並べられた方向にピッチ移動する。このピッチ移動により、所望の検体を試料分注プローブ7による吸引位置へ搬送することができる。
ラックサンプラ65が試料分注プローブ7の近傍まで搬送されると、第2読取部62Bは、試料容器61に付された試料容器識別子を読み取る。第2読取部62Bで読み取られた試料容器61の識別情報は、後述する対応付け部43により、この試料容器61が載置されたラックサンプラ65の位置情報に対応付けられる。この対応情報は、試料容器と載置位置との対応情報として記憶部50に記憶される。ラックサンプラ65の位置情報には、ラック63における試料容器61の情報、ラックサンプラ65におけるラック63の情報が含まれる。ラックサンプラ65は、試料容器識別子を読み取り可能に構成されている。また、ラックサンプラ65には、例えば、ラック識別子が付されている。例えば、ラックサンプラ65に載置されている試料容器61に収納された検体を、全て同一被検者のものとする場合、ラック識別子は、試料容器識別子として扱うことができる。つまり、ラック識別子は、ラックサンプラに載置された試料容器61の試料容器識別子となる。
〔試薬容器〕
試薬容器4は、第1試薬庫2及び第2試薬庫3に載置される。試薬容器4には、検体の測定項目に対し選択的に反応する各種の第1試薬又は第1試薬と対の各種の第2試薬が収納される。
第1試薬が収容された試薬容器4は、第1試薬庫2に載置され、第2試薬が収納された試薬容器4は、第2試薬庫3に載置される。第1試薬庫2及び第2試薬庫3には、回動可能な円形状の試薬ラック1が収納されている。各試薬容器4は、この試薬ラック1に環状に並んで収納されている。
〔反応容器〕
反応容器51は、反応庫5に載置される。反応容器51には、検体及び試薬が分注される。反応容器51は、回動可能な円形状のカセット部材(図示省略)に環状に並んで載置される。反応容器51には、反応容器51を識別するための反応容器IDが付されている。
また、記憶部50には、反応容器IDと、この反応容器IDに対応する反応容器51の位置情報とが対応付けられた反応容器対応情報が予め記憶されている。反応容器51の位置情報は、反応容器51が載置された反応庫5の位置情報である。
反応庫5の近傍には、反応容器識別子読取部52が備えられている。反応容器51には、反応容器IDを識別するための反応容器識別子を備えている。この反応容器識別子は、例えば、ラベルである。このラベルには、例えば、バーコード、ICチップ等が備えられている。
反応庫5には、反応容器識別子を識別可能な窓部(図示省略)を有しており、反応容器識別子読取部52はこの窓部を介して反応容器識別子を読み取ることができる。反応庫5が回転することで反応容器51が反応容器識別子読取部52の位置に搬送されると、反応容器識別子読取部52は、この反応容器51に付された反応容器識別子を読み取る。
読み取った反応容器51の情報は、後述する対応付け部43により、この反応容器51が載置された反応庫5の位置に対応付けられる。この対応情報は反応容器情報として記憶部50に記憶される。反応容器識別子読取部52による読取りは、反応庫5に載置された全ての反応容器51について行われる。
また、反応容器51への検体及び試薬の分注は、試料分注プローブ7、第1試薬分注プローブ8、及び、第2試薬分注プローブ9を用いることにより行われる。
〔試料分注プローブ〕
試料分注プローブ7は、ディスクサンプラ6の回動又はラックサンプラ65によるラック63の移動により規定の吸引位置に搬送された試料容器61から検体を吸引する。試料分注プローブ7は、規定の吐出位置に搬送された反応容器51内に吸引した検体を吐出する。このとき、対応付け部43は、この検体を識別する検体IDと、この検体が吐出された反応容器51を識別するための反応容器IDとを対応付ける。この対応付けにより、例えば、図8に示すような特定検体と反応容器との対応情報を示す表が作成される。
〔第1試薬分注プローブ〕
第1試薬分注プローブ8は、第1試薬庫2の試薬ラック1の回動により規定の吸引位置に搬送された試薬容器4から第1試薬を吸引する。第1試薬分注プローブ8は、規定の吐出位置に搬送された反応容器51内に吸引した第1試薬を吐出する。
〔第2試薬分注プローブ〕
第2試薬分注プローブ9は、第2試薬庫3の試薬ラック1の回動により規定の吸引位置に搬送された試薬容器4から第2試薬を吸引する。第2試薬分注プローブ9は、規定の吐出位置に搬送された反応容器51内に吸引した第2試薬を吐出する。
反応庫5の外周には、更に、撹拌ユニット11、測光ユニット12、及び、洗浄ユニット13が設けられている。検体及び試薬が分注された反応容器51は、カセット部材(図示省略)の回動により順に撹拌ユニット11、測光ユニット12、及び、洗浄ユニット13の攪拌、測定、及び洗浄位置に搬送される。
〔撹拌ユニット〕
撹拌ユニット11は、1サイクル毎に、攪拌位置に停止した反応容器51内における検体及び試薬(第1試薬、第2試薬)の混合液を攪拌する撹拌部である。
〔洗浄ユニット〕
洗浄ユニット13は、洗浄・乾燥位置に停止した反応容器51内の測定を終えた混合液を吸引するとともに、反応容器51内を洗浄・乾燥する。
〔測光ユニット〕
測光ユニット12は、反応容器51に収容された混合液を測光位置において吸光度測定する測定部である。測光ユニット12は、この混合液の吸光度を測定した後、この測定データをデータ処理部30に出力する。データ処理部30は、吸光度から検量線に基づいて混合液の濃度を求める。それにより、混合液の成分を測定することが可能となる。
[データ処理部]
データ処理部30は、演算部31とデータ記憶部32を備える。データ処理部30は、分析部24から出力された混合液の成分の測定結果を受けて、混合液中の特定物質の濃度を算出処理する。データ処理部30は、この算出処理により、分析データ、検量データ等を作成処理し、必要に応じてこれらデータを記憶部50等に記憶させる。
特定物質が複数種類に亘る場合、自動分析装置10は、特定物質ごとに測定項目を設定し、複数の測定項目で測定を行う。さらに、データ処理部30は、それぞれの測定項目において特定物質の濃度を算出処理して分析データ等を作成処理する。この分析データを含む測定データが出力される。
〔演算部〕
演算部31は、分析部24の測光ユニット12から出力された標準データや検体データを処理して各測定項目の検量データ、分析データ等を作成処理する。
〔データ記憶部〕
データ記憶部32は、演算部31で作成処理された検量データ、分析データ等を必要に応じて記憶する。
また、データ処理部30は、図示しないグラフ作成部を備えていてもよい。グラフ作成部は、演算部31で作成処理された各データ、データ記憶部32に記憶された各データ等に基づいてグラフを作成する。作成されるグラフは、例えば、混合液の反応過程を示す反応タイムコースである。
[記憶部]
記憶部50は、各種の情報を記憶している。記憶部50は、例えば、検体情報、対応情報、特定の検体(以下、特定検体ともいう)の情報等を予め記憶している。つまり、記憶部50は、検体情報記憶部、被検者情報記憶部、対応情報記憶部の機能を少なくとも備えている。また、記憶部50は、システム制御部70からの指示に基づいて、記憶部50に記憶された情報を各部に出力する。
検体情報は、検体を識別するための情報である。検体情報は、例えば、検体ID、患者名等が挙げられる。検体IDは、例えば、検体に付された検体UIDが挙げられる。例えば、識別部40は、この検体UIDに基づいて特定検体の識別をする。検体IDは、自動分析装置10によって測定される全ての検体に予め付されている。
記憶部50は、自動分析装置10による測定動作が開始される前に、特定検体の情報を予め記憶している。自動分析装置10による測定動作の開始前とは、例えば、試料容器識別子読取部62によって試料容器61に付された試料容器識別子の読取りが開始される前をいう。
特定検体とは、通常の検体と区別された検体をいう。特定検体は、自動分析装置10の測定動作中において操作者等に対する報知が必要な検体である。測定動作中とは、例えば、検体測定の開始時、検体測定の終了時等が挙げられる。また、特定検体は、自動分析装置10の測定動作中において操作者等による監視、追跡等が必要な検体である。このような検体としては、例えば、測定結果に異常が生じる蓋然性が高い検体、早急に測定結果を確認したい検体等が挙げられる。これら検体は、他の検体と区別するために特定検体となる。操作者等は、自動分析装置10を操作する操作者、自動分析装置10の近くにいる者等を含む。
この実施形態において、特定検体は、自動分析装置10の操作者等によって識別される。特定検体は、例えば、その特定検体が特定情報を有するか否かによって識別される。特定情報とは、特定検体を識別するための情報である。特定情報は、例えば、分析部24(例えば、測光ユニット12)による測定において異常測定の原因となりうる情報である。特定情報は、例えば、特定検体に対応する被検者の個人情報が挙げられる。被検者の個人情報は、例えば、年齢、特定の既往症の情報、特定の羅患情報、特定の投薬情報等が挙げられる。
また、記憶部50は、自動分析装置10又は、その他の分析装置によって新たに取得された検査情報を記憶することができる。また、特定情報を、この検査情報に含まれる情報の中から適宜設定することもできる。
操作者等は、記憶部50等に記憶された検体に対応する検体情報を参照し、その検体情報の中に、予め設定された特定情報を含むか否かを判断する。検体情報に特定情報が含まれる場合、操作者は、その検体を特定検体と判断する。操作者等は、特定検体と判断した検体を識別する検体IDを、操作部80等から入力する。この検体IDの入力は、自動分析装置10の測定動作の開始前に、操作者等によって行われる。この検体IDの入力は、例えば、自動分析装置10によってこの検体が測定される日よりも前の日において行われる。この検体IDの入力は、例えば、検体の測定予定日ごとに一括して行われる。この検体IDの入力は、例えば、自動分析装置10の操作者以外の者も行うことができる。自動分析装置10の操作者以外の者とは、例えば、検査技師、医師等である。例えば、検査技師は、図示しない外部端末を用いて、自動分析装置10で測定される検体に対応する検体情報を参照する。検査技師は、この検体情報に基づいて特定検体に該当する検体を特定する。検査技師は、さらに、特定検体として特定した検体を識別する検体IDを外部端末から入力する。入力された情報は、図示しないネットワークを介して記憶部50、後述する記憶手段200等に記憶される。
操作者等によって特定検体として特定された検体を識別する検体ID(以下、特定検体の検体IDという)が、操作者等による操作によって自動分析装置10に入力されると、記憶部50は、その検体IDを特定検体の情報として記憶する。図3は、特定検体の情報の一例を示す表である。図3に示すように、この表には、操作者等によって入力された特定検体の検体IDの情報が示されている。
自動分析装置10には、記憶手段200が接続されている。記憶手段200は、例えば、多くの医用情報が統合された情報システムである。
情報システムは、例えば、臨床検査情報システム(Laboratory Information System; LIS)、病院情報システム(Hospital Information System; HIS)等が挙げられる。LISには、例えば、患者の治療実施情報、患者の投薬情報等が保管されている。HISには、例えば、患者のカルテ情報等が保管されている。特定情報は、これらに挙げた情報の中から適宜設定することもできる。自動分析装置10に記憶手段200が接続されている場合、記憶手段200は、記憶部50の機能を代替することができる。
対応情報は、例えば、検体と試料容器との対応情報、反応容器と載置位置との対応情報等が挙げられる。検体と試料容器との対応情報は、例えば、検体が収容された試料容器61の試料容器IDと、その検体の検体IDとが対応付けられることで構成されている。図4は、検体と試料容器との対応情報の一例を示す表である。
図4に示すように、この表には、検体IDと試料容器IDとの対応関係が示されている。この試料容器IDに対応する試料容器61には、この検体IDに対応する検体が収容されている。これにより、試料容器61とその試料容器61に収納された検体との対応関係を知ることができる。検体と試料容器との対応情報は、記憶部50に予め記憶されている。
図5は、特定検体と試料容器との対応情報の一例を示す表である。記憶部50には、例えば、自動分析装置10による測定前において、図5に示すような、特定検体と試料容器との対応情報が記憶されている。この対応情報は、特定検体の情報とその特定検体が収容された試料容器の情報との対応付けを示した情報である。この対応情報により、特定検体が収容された試料容器を特定することができる。この対応情報は、特定検体の情報が入力された後に、この特定検体の情報と、検体と試料容器との対応情報とに基づいて後述する対応付け部43によって作成される。
図6は、反応容器と載置位置との対応情報の一例を示す表である。この表は、反応容器51の情報と載置部5aにおける反応容器51の位置との対応情報を示している。図6に示すように、この表には、反応容器IDと反応庫5における載置位置番号との対応関係が示されている。
反応容器と載置位置との対応情報は、反応容器51の反応庫5における位置情報である。反応庫5における反応容器51の載置部5aには、例えば、特定位置を基準(例えば、0)として順番に番号(1〜n)が付されている。反応容器と載置位置との対応情報は、載置部5aに付された番号と、反応容器51の反応容器IDとが対応付けられた対応情報である。反応容器51は、反応容器と載置位置との対応情報に基づいて載置部5aに載置される。
[識別部]
識別部40は、読取部41と、識別処理部42、対応付け部43とを備える。識別部40は、反応容器に分注された検体に対応する被検者を識別する。
〔読取部〕
読取部41は、識別子を読み取って、その読取情報を識別処理部42に送信する。識別子の読取りは、例えば、非接触で行われる。読取部41は、前述した試料容器識別子読取部62及び反応容器識別子読取部52を含む。
読取部41は、例えば、図示しない光照射装置を備える。光照射装置は、識別子に対して赤外光または可視光を照射して識別子からの反射光を受信する。受信した反射光の情報は識別処理部42に出力される。
また、読取部41は、例えば、図示しない撮影装置を備える。撮影装置は識別子を撮影して画像情報を得る。この撮影情報は識別処理部42に送信される。
読取部41が光照射装置又は撮影装置の構成を備える場合、識別子は、例えば、バーコードを用いることができる。この場合、読取部41は、前記の構成を備えるバーコードリーダを備える。また、このときの識別子であるバーコードは、1次元バーコードであっても、2次元バーコードであってもよい。
また、読取部41は、例えば、図示しない読取装置を備える。読取装置は識別子の情報を非接触で読み取って識別情報を得る。この識別情報は、識別処理部42に送信される。読取部41が読取装置の構成を有する場合、識別子は、例えば、読取部41と非接触で情報のやりとりが可能なICチップを備える。このICチップは、読取部41からキャリアを送信して電磁誘導によりICチップに電力を供給する。さらに、キャリアの変調により読取部41とICチップとの間で通信を行う。
〔識別処理部〕
識別処理部42は、読取部41から受信した読取情報を処理することにより、識別子の情報を取得する。識別処理部42は、さらに、この識別子の情報を検出部60に出力する。識別処理部42は、例えば、試料容器識別子読取部62により取得された試料容器識別子の情報から試料容器IDを取得し、この試料容器IDを検出部60に出力する。
また、識別処理部42は、取得した識別子の情報から、この識別子に対応する検体情報を取得する。識別処理部42は、さらに、この検体情報を検出部60に出力する。識別処理部42は、例えば、試料容器識別子から取得された試料容器IDと、図4に示す検体と試料容器との対応情報とに基づいて、この試料容器IDに対応する試料容器に収容された検体の検体IDを取得する。識別処理部42は、取得した検体IDを検出部60に出力する。
読取部41が、例えば、光照射装置である場合、識別処理部42は、受信した反射光の情報を解析処理することによって、識別子の情報を取得する。
また、読取部41が、例えば、撮影装置である場合、識別処理部42は、受信した画像情報を解析処理することによって、識別子の情報を取得する。
〔対応付け部〕
対応付け部43は、分析部24による測定動作が開始され、反応容器51に検体が分注されると、反応容器51の識別情報と、この反応容器51に分注された検体を収納する試料容器61の識別情報とを対応付ける。具体的には、対応付け部43は、検体が分注された反応容器51の反応容器IDと、分注された検体を収納している試料容器61の試料容器IDとを対応付ける。対応付け部43は、さらに、識別処理部42から、この試料容器IDに対応する検体IDを取得して、検体と反応容器51との対応情報を作成する。
[検出部]
検出部60は、記憶部50に予め記憶された特定検体の検体IDに基づいて、分析部24において測定が行われる検体から特定検体を検出する。この検出の一例として、識別処理部42から検体IDを受け、この検体IDに基づいて特定検体を検出する場合を以下に示す。
検出部60は、識別処理部42から受けた検体IDを受けて、この検体IDと、記憶部50に予め記憶された特定検体の検体IDとを照合する。
この照合の結果、識別処理部42から受けた検体IDが、特定検体の検体IDと一致した場合、検出部60は、この検体IDに対応する検体が特定検体と判定する。検出部60は、さらに、検体と試料容器との対応情報から特定検体と判定された検体が収納された試料容器61を特定する。
検出の他の一例として、識別処理部42から試料容器IDを受け、この検体IDに基づいて特定検体を検出する場合を以下に示す。
検出部60は、識別処理部42から試料容器IDを受けると、記憶部50に記憶された検体と試料容器との対応情報に基づいて、この試料容器IDに対応する検体IDを取得する。
検出部60は、取得した検体IDと、記憶部50に予め記憶されている特定検体の検体IDとを照合する。
この照合の結果、取得した検体IDが、特定検体の検体IDと一致した場合、検出部60は、取得した検体IDに対応する検体を特定検体と判定する。
検出部60において特定検体が検出された場合、検出部60は、例えば、この検出情報を、この特定検体の関連情報とともに出力部90に出力する。また、検出部60は、例えば、この検出情報を、この特定検体の関連情報とともに記憶部50に記憶させてもよい。特定検体の関連情報とは、この特定検体に対応する患者の情報である。この情報としては、例えば、患者ID、患者名等が挙げられる。この情報は、例えば、検出された特定検体の測定中に表示部91に備えられた表示画面に表示される。
[システム制御部]
システム制御部70は、分析制御部25と、データ処理部30と、識別部40と、検出部60と、出力部90とを統括して制御する。操作部80は、システム制御部70に対して各種コマンド信号の入力操作等を行う。
[操作部]
操作部80は、例えば、マウス、キーボード等の独立した操作入力機能を有するものが挙げられる。また、タッチパネル等の操作入力機能と表示機能とが組み合わされたものであってもよい。
操作部80によってなされた操作入力は、例えば、システム制御部70に命令として入力される。この操作入力は、操作部80を構成する操作機器から直接的に入力されたものであってもよいし、表示部91に表示されたボタン等のオブジェクトをマウス等によって選択する等の間接的に入力されたものであってもよい。
[出力部]
出力部90は、表示部91、印刷部92、報知部93を備える。出力部90は、データ処理部30、操作部80、検出部60等から受けた情報を、システム制御部70の制御に基づいて外部に出力する。この出力は表示部91による表示出力、印刷部92による印刷出力、報知部93による報知出力等が挙げられる。
[自動分析装置の動作]
次に、この自動分析装置10の動作について説明する。図7は、この自動分析装置10の動作の一例を示すフローチャートである。この説明においては、図1〜図6及び図8〜図10を適宜参照する。
この自動分析装置10は、記憶部50に予め登録された特定検体に該当する検体の吸光度測定が開始された時に、この測定の開始を外部に報知するように動作する。さらに、特定検体の測定が終了する時に、測定の終了があったことを外部へ報知するように動作する。さらに、特定検体の測定終了後にその測定結果を表示画面に表示するように動作する。
まず、自動分析装置10の操作者は、自動分析装置10による検体の測定前準備を行う(ステップS001)。この測定前の準備において、操作者は測定がされる検体から特定検体に該当する検体を特定する(ステップS002)。特定検体は、検体に対応する検体情報に特定情報が含まれているか否かによって識別される。
操作者は、特定検体と特定した検体の検体IDを自動分析装置10に入力する(ステップS003)。入力された検体IDは、特定検体の検体IDとして記憶部50に記憶される。操作者は、特定検体の検体IDを、逐次記憶部50に記憶させることで、例えば、図3に示すような特定検体の情報を作成する(ステップS004)。
次に、自動分析装置10による検体の測定を開始する(ステップS005)。検体の測定が開始されると、検出部60は、測定に用いられる検体を収容した試料容器61の情報から、特定検体を検出する(ステップS006)。検出部60による特定検体の検出は、例えば、以下のようにして行われる。
自動分析装置10が測定動作を開始すると、ラックサンプラ65は、複数のラック63を試料分注プローブ7の規定の吸引位置に搬送するように動作する。ラック63には、検体がそれぞれ収納された複数の試料容器61が載置されている。
複数の試料容器61にはそれぞれ試料容器識別子であるラベルが付されている。ラベルには試料容器IDの情報を含む試料容器バーコードが表示されている。試料容器識別子読取部62であるバーコードリーダは、この試料容器バーコードを読み取り、その読取情報を識別処理部42に出力する。識別処理部42は、この読取情報を受けて試料容器61を識別する情報である試料容器IDを取得する。試料容器61の識別方法は、例えば、以下に挙げるような方法がある。
試料容器61の識別方法の第1の例として、試料分注プローブ7の規定の吸引位置において試料容器61の識別子を読取り、この読取情報に基づいて試料容器61を識別する方法が挙げられる。試料容器61は、ラックサンプラ65により試料分注プローブ7の規定の吸引位置に搬送される。バーコードリーダは、この規定の吸引位置において、試料容器バーコードの読取りが可能なように構成されている。バーコードリーダは、例えば、この規定の吸引位置において、試料容器バーコードの読取りが可能な位置に設けられている。
この規定の吸引位置に試料容器61が搬送されると、バーコードリーダは、この試料容器61に付された試料容器バーコードを読取り、試料容器バーコード読取情報を取得する。バーコードリーダによる試料容器バーコードの読取りは、試料容器61が試料分注プローブ7の規定の吸引位置にあれば、どのようなタイミングで行われてもよい。バーコードリーダは、例えば、試料分注プローブ7により試料容器61内の検体が吸引される前に、試料容器バーコードを読取ることができる。バーコードリーダは、取得した試料容器バーコード読取情報を識別処理部42に出力する。
識別処理部42は、試料容器バーコード読取情報を受けて、試料容器バーコード読取情報から試料容器IDを取得し、これを検出部60に出力する。検出部60は、試料容器IDを受けて、記憶部50に予め記憶された検体と試料容器との対応情報に基づいて検体IDを取得する。検体と試料容器との対応情報は、例えば、図4に示したものが用いられる。
検出部60は、さらに、記憶部50に記憶された特定検体の情報と、取得した検体IDとを照合する。具体的に、特定検体の情報に登録された特定検体の検体IDと、取得した検体の検体IDとを照合する。この照合の結果、特定検体の情報に登録された特定検体の検体IDと合致する検体があれば、その検体が特定検体として検出される。
また、試料容器61の識別方法の第2の例として、ラックサンプラ65における試料容器61の位置情報を、予め記憶部50に記憶させておく方法が挙げられる。この位置情報から、試料分注プローブ7により検体の吸引が行われた試料容器61を特定することができる。これは、ラックサンプラ65における各ラック63の位置を特定した後に、ラック63における各試料容器61の位置を特定することで行われる。
ラック63には、識別子であるラベルが付されており、このラベルにはラックIDの情報を含むラックバーコードが表示されている。このラックバーコードは、図示しないラック識別子読取部であるバーコードリーダによって読み取られる。読み取られた情報は、そのラック63のラックサンプラ65における位置情報と対応付けられて記憶部50に記憶される。これにより、ラックサンプラ65における各ラック63の位置を特定することができる。
試料容器バーコードは、試料容器識別子読取部62であるバーコードリーダによって読み取られる。読み取られた情報は、その試料容器61のラック63における位置情報と対応付けられて記憶部50に記憶される。これにより、ラック63における各試料容器61の位置が特定される。バーコードリーダは、試料容器61に付されたラベルに表示された試料容器バーコードを読み取り可能な場所に設けられていれば、どのような場所に設けられていてもよい。
上述した処理により、ラックサンプラ65における試料容器61の位置が特定され、試料容器IDと位置情報とが対応付けられた対応情報が記憶部50に記憶される。この対応情報と分析制御部25の制御情報とに基づいて、例えば、識別部40は試料分注プローブ7によって検体が吸引された試料容器61を特定することができる。さらに、特定された試料容器61の試料容器IDに基づいて、検出部60は、前記と同様にして特定検体を検出する。
次に、試料容器61から反応容器51へ検体を分注する(ステップS007)。この分注は、試料分注プローブ7によって行われる。
このとき、検出部60は、反応容器51に分注された検体が、特定検体に該当するかを判定する(ステップS008)。検出部60に備えられた図示しない判定部は、分注元の試料容器61に収容された検体が特定検体であるか否かの判定をする。検出部60は、図5に示す特定検体と試料容器との対応情報に基づいてこの判定を行う。
反応容器51に分注された検体が、特定検体に該当すると検出部60が判定した場合(ステップS008:YES)、検出部60は、この判定の情報を対応付け部43に出力する。この判定の情報を受けた対応付け部43は、この特定検体に対応する検体IDと分注がされた反応容器IDとを対応付ける(ステップS009)。この対応情報は、記憶部50に記憶される。この対応情報は、特定検体が反応容器51に分注される度に、対応付け部43によって作成され、併せて記憶部50に出力される。その結果、記憶部50には、図8に示すような特定検体と反応容器との対応情報を示す表が作成される。特定検体と反応容器との対応情報を示す表には、反応容器51を識別する反応容器IDと、特定検体である検体を識別する検体IDとが対応付けられて示されている。
一方で、反応容器51に分注された検体が、検出部60において検出された特定検体に該当しないと検出部60が判定した場合(ステップS008:NO)、つまり通常検体の場合には、前述の対応付け処理は行わずに通常の測定処理を行う(ステップS010)。通常の測定処理は、例えば、以下に示すようにして行われる。試薬分注プローブは、反応容器51に収容された通常検体に試薬をさらに分注して反応させ混合液を調製する。測光ユニット12は、この混合液の成分を測定して、その測定結果を出力部90に出力する。この出力が行われると、自動分析装置10は、その検体における測定動作を終了する。
また、ステップS008における判定の処理は、ステップS006における試料容器61の識別処理に対応して行われる。
ステップS006において、例えば、上述した試料容器61の識別方法の第1の例に基づいて試料容器61を識別する場合、検出部60は、ステップS006における処理に続けてステップS008の処理を行う。その理由は、この例において、試料容器バーコードの読取りと、試料分注プローブ7による分注とがほぼ同時に行われるからである。
ステップS006において、例えば、上記した試料容器61の識別方法の第2の例に基づいて試料容器61を識別する場合、検出部60は、まず、記憶部50に記憶された試料容器の位置情報を参照して試料容器61を特定する。検出部60は、次に、この試料容器61に収容された検体を特定した後に、ステップS008における処理を行う。この例において、試料分注プローブ7によって分注される試料容器61の順番が既知である場合、ステップS008の処理をするタイミングを事前に設定しておくことができる。
また、ステップS008の処理においては、特定検体が分注される反応容器51を特定する必要がある。反応容器51の特定は、例えば以下に示す処理によって行うことができる。
反応容器51の特定の第1の例として、試料分注プローブ7によって反応容器51に検体が分注された時に、この検体が分注された反応容器51を特定することが挙げられる。
反応容器識別子読取部52は、試料分注プローブ7によって反応容器51に検体が分注された時に、この反応容器51に付された反応容器識別子を読み取る。反応容器識別子読取部52は、この読取情報を識別処理部42に出力するこの読取り情報を受けた識別処理部42は、この読取上方に対応する反応容器IDを取得し、これを記憶部50に出力する。記憶部50は、この反応容器IDを記憶する。この場合、反応容器識別子は、例えば、反応容器バーコードである。反応容器識別子読取部52は、例えば、バーコードリーダである。
反応容器51の特定の第2の例として、自動分析装置10による検体の測定前準備において、反応容器と載置位置との対応情報を予め作成することが挙げられる。
反応容器と載置位置との対応情報は、例えば、以下に示すようにして作成される。まず、反応容器識別子読取部52は、載置部5aに載置された反応容器51に付された反応容器識別子を読取る。反応容器識別子読取部52は、任意の位置に載置された反応容器51に付された反応容器識別子を読取った後に、反応庫5が回転する方向に隣り合う反応容器51に付された反応容器識別子を読取る。反応容器識別子読取部52による反応容器識別子を読取りは、反応庫5が回転する方向に順に行われ、最終的に載置部5aに載置された全ての反応容器51について行われる。次に、図示しない載置位置番号付与部は、反応容器識別子を読取った順に載置位置番号を付与する。この処理により、図6に示すような反応容器と載置位置との対応情報が生成される。生成された対応情報により、検出部60は、所望の反応容器51が、載置部5aのどの位置にあるのかを判断することができる。これにより、検出部60は、反応容器51の動きを分析制御部25による制御情報から追跡することができる。
分注先の反応容器51の特定の第3の例として、自動分析装置10による検体の測定前準備において、載置部5aの所定の載置位置と載置位置番号と対応を予め設定しておき、この載置位置対応情報を記憶部50に記憶しておくことが挙げられる。この場合、載置位置対応情報は、ステップS009において、分注元の試料容器61に収容された検体の検体IDと、分注先の反応容器51が載置された載置位置番号とが対応付けられた情報となる。これにより、検出部60は、この載置位置番号に対応する位置に載置された反応容器51の動きを分析制御部25による制御情報から追跡することができる。また、この場合、検出部60は、反応容器51の動きの追跡に反応容器IDを使用しないので、反応容器識別子読取部52を設ける必要がなくなる。
このように、検出部60は、特定検体が収容された試料容器61を特定し、この試料容器61から特定検体を分注した反応容器51を特定することで、特定検体の追跡を行う。
特定検体が収容された反応容器51に、第1試薬、第2試薬等の試薬を分注して混合液を調製する(ステップS011)。この試薬の分注は、第1試薬分注プローブ8及び/又は第2試薬分注プローブ9によって行われる。
次に、測光ユニット12は、特定検体を含む混合液の吸光度測定を開始する(ステップS012)。このとき、検出部60は、特定検体を含む混合液の吸光度測定が開始されたことを検出し、この検出の情報をシステム制御部70に出力する。この検出の情報を受けたシステム制御部70は、報知部93を制御する。システム制御部70からの制御を受けた報知部93は、特定検体を含む混合液の吸光度測定開始を外部に報知する(ステップS013)。この検出は、例えば、図8に示す特定検体と反応容器との対応情報と、システム制御部70による反応容器51の制御情報から行うことができる。
この場合、報知部93は、例えば、ブザーを鳴らすことで特定検体の測定開始を外部に報知する。また、この場合、システム制御部70は、表示部91を制御する。システム制御部70からの制御を受けた表示部91は、測定が開始された混合液に含まれる特定検体の検体情報を表示画面に表示する(ステップS014)。特定検体の検体情報は、例えば、この検体に対応する患者の患者ID、患者名、性別、年齢等である。これにより、自動分析装置10の操作者は、測定が開始された特定検体に対応する患者等の情報を知ることができる。
図9は、吸光度測定が開始された特定検体の検体情報が表示された表示画面510の一例を示す。図9に示すように、表示画面510には、特定検体測定開始測定情報として、測定開始の時刻と、測定が開始された特定検体の検体情報が示されている。特定検体の検体情報は、特定検体に対応する被検者の情報として後述するものから適宜選択できる。特定検体の検体情報は、例えば、検体ID、患者名、性別、年齢等、診療科、病棟等が挙げられる。
ステップS013において、検出部60は、特定検体を含む混合液の吸光度測定が開始したことを、例えば、以下の例に示すようにして検出する。
第1の例として、上述した反応容器51の特定の第1の例に基づいて、特定検体が分注された反応容器51の特定を行う。具体的に、検出部60は、特定検体が収容された反応容器に対応する反応容器IDと、収容した検体に対し吸光度測定が開始された反応容器51に対応する反応容器IDとを照合する。この照合において反応容器IDが一致する場合、検出部60は、特定検体の測定が開始されたことを検出する。この場合、収容した検体に対し吸光度測定が開始された反応容器51を識別するために、測光ユニット12の近傍に、図示しない別の反応容器識別子読取部が設けられる。
第2の例として、上記した反応容器51の特定の第2の例に基づいて、特定検体が分注された反応容器51の特定を行う。具体的に、検出部60は、図6に示す反応容器と載置位置との対応情報と、分析制御部25による反応容器51の制御情報とに基づいて、特定検体が分注された反応容器51の位置を検出することができる。また、収容した検体に対し測光ユニット12で吸光度測定が開始された反応容器51の、反応庫5における位置は既知である。そうすると、検出部60は、反応容器と載置位置との対応情報と、分析制御部25による反応容器51の制御情報とに基づいて、測光位置に停止した反応容器51を特定することができる。
第3の例として、上記した反応容器51の特定の第3の例に基づいて、特定検体が分注された反応容器51の特定を行う。具体的に、検出部60は、載置位置番号と、分析制御部25による反応容器51の制御情報とに基づいて、特定検体が分注された反応容器51の位置を検出する。また、収容した検体に対し測光ユニット12で吸光度測定が開始された反応容器51の、反応庫5における位置は既知である。そうすると、検出部60は、分析制御部25による反応容器51の制御情報に基づいて、測光位置に停止した載置部5aの載置位置番号を取得する。これにより、測光位置に停止した反応容器51を特定することができる。
上述した第1の例、第2の例においては、図8に示すような特定検体の検体IDと反応容器IDとが対応付けされた特定検体と反応容器との対応情報が作成される。また、第3の例においては、特定検体の検体IDと反応容器51の載置位置番号とが対応付けされた特定検体と反応容器との対応情報が作成される。
測光ユニット12による、特定検体を含む混合液の吸光度測定が終了する(ステップS015)と、検出部60は、特定検体を含む混合液の吸光度測定が終了したことを検出する。検出部60は、この検出の情報をシステム制御部に70に出力する。システム制御部70は、報知部93を制御する。システム制御部70からの制御を受けた報知部93は、特定検体を含む混合液の吸光度測定が終了したことを外部に報知する(ステップS016)。この場合、報知部93は、例えば、ブザーを鳴らすことで特定検体の測定終了を外部に報知する。
さらに、システム制御部70からの制御を受けた表示部91は、測定が終了した特定検体の測定結果を表示画面に表示する(ステップS017)。特定検体の測定結果は、通常検体の測定結果とは区別されて表示画面に表示される。特定検体の測定結果と、通常検体の測定結果とが同じ表示画面に表示される場合、例えば、それぞれ別のウィンドウで表示される。また、表示部91の表示画面が複数ある場合、特定検体の測定結果と、通常検体の測定結果とが、それぞれ別の表示画面に表示される。このとき表示部91の表示画面に表示される情報は、検出された特定検体の検体情報を含んでいてもよい。
特定検体の測定結果を表示画面に表示するタイミングは、例えば、特定検体を含む、複数の検体の測定が全て終了した後が挙げられる。このタイミングにおいて、システム制御部70は表示部91を制御して、検出された特定検体の測定結果を表示画面に一括で表示させる。また、このタイミングは、例えば、特定検体を含む、複数の検体が逐次測定されている場合に、特定検体の測定が終了したときが挙げられる。このタイミングにおいて、システム制御部70は表示部91を制御して、測定が終了した特定検体の測定結果を表示画面に逐次表示させる。
図10は、特定検体の測定結果が表示された表示画面210の一例を示した図である。この表示画面210には、特定検体の測定終了後に特定検体の測定結果が表示される。表示画面210には、特定検体の測定結果として、特定検体の吸光度測定の測定結果、吸光度の時系列変化である反応タイムコースを示すグラフ211、測定が終了した測定項目の一覧212等が示される。
反応タイムコースを示すグラフ211は、測定対象となる物質の濃度時系列変化を示す反応曲線を示す。反応タイムコースを示すグラフ211は、データ処理部30内に設けられた図示しないグラフ作成部により作成される。グラフ作成部は、分析部24から出力された測定結果に基づいて反応タイムコースのグラフデータを作成処理する。
また、測定項目の一覧212は、所望の測定項目を選択することで、その測定項目における、測定結果、反応タイムコースを示すグラフ211等が切り替わって表示される。操作者は、例えば、表示部91の表示画面において、所望の測定項目が表示された部分をマウス等でクリックすることで、所望の測定項目の選択を行う。
また、図10は、特定検体の測定項目Aにおける測定結果を示している。また、測定項目の一覧212において、注意すべき測定項目が強調表示される。これにより、操作者は、その特定検体において注意すべき測定項目を容易に把握することができる。この強調表示は、例えば、測定項目の一覧212における特定の項目が表示された部分に特定の色がつくこと等により他の項目と区別して示される。
図11は、この自動分析装置10の動作の他の一例を示すフローチャートである。この自動分析装置10は、記憶部50に予め登録された特定検体に該当する検体の吸光度測定が開始された時に、この測定の開始を外部に報知するように動作する。さらに、特定検体の測定を終了する時に、測定の終了があったことを外部へ報知するように動作する。また、特定検体の測定の開始後に、表示部においてその測定結果をリアルタイムに表示可能とするとともに、特定検体の測定終了後にその測定結果を表示部に表示するように動作する。
このフローチャートにおけるステップS020〜S033までの処理は、図7に示したフローチャートのステップS001〜S014までの処理と同様である。この処理によって、特定検体の吸光度測定が開始されたことを操作者が把握する。
特定検体の吸光度測定が開始され、この吸光度測定の測定中に測定状況の表示が要求される(ステップS034:YES)と、システム制御部70は、表示部91を制御する。システム制御部70に制御された表示部91は、表示画面に特定検体に対する吸光度測定の測定状況を含む情報を表示する(ステップS035)。このとき、表示部91に表示される情報は、この特定検体の検体情報を含んでいてもよい。また、この吸光度測定の測定中に測定状況の表示が要求されなければステップS036に進む(ステップS034:NO、ステップS036)。
ステップS034において、測定状況の表示の要求は、例えば、以下に示すようにして行われる。特定検体の吸光度測定が開始すると、ステップS020〜S033における処理により、表示部91の表示画面に、吸光度測定が開始された特定検体の検体情報が表示される。この特定検体の検体情報には、測定状況の詳細を表示するリンクが設けられている。操作者は、このリンクをマウス等で選択することにより、測定状況の表示の要求をすることができる。
図12は、特定検体の測定状況を示す表示画面310の一例を示した図である。特定検体の吸光度が測定されている場合、表示画面310には、測定進捗バー311と、サンプリング時間と、測定終了予想時刻と、測定項目一覧312と、反応タイムコースを示すグラフ313とが少なくとも表示される。
サンプリング時間は、測光ユニット12で、この特定検体に対する吸光度測定が行われる時間である。測光ユニット12における、吸光度測定の回数、吸光度測定の時間間隔は、検体、測定項目等に応じて予め設定されている。この設定は、例えば、記憶部50に記憶されている。
測定終了予想時刻は、図示しない測定終了予想時刻算出手段により算出される。測定終了時刻算出手段は、予め設定された吸光度測定の回数と、現時点で測定が完了した吸光度測定の回数との差分をとる。次に、測定終了時刻算出手段は、この差分に吸光度測定の時間間隔を掛け合わせることで、残りの時間を算出する。次に、測定終了時刻算出手段は、残りの時間と現在時刻から測定終了予想時刻を算出する。
測定進捗バー311は、追跡している特定検体における測定の進捗状況を示している。測定進捗バー311は、可動部311aを有する。可動部311aは、測定進捗バー311の左端から右端へ移動可能に構成される。測定進捗バー311における可動部311aの位置は、特定検体に対する自動分析装置10の測定が、どれだけ進んだかを示している。この位置は、例えば、測光ユニット12によるサンプリングの回数に対応している。
例えば、可動部311aが測定進捗バー311の左端にある場合、測光ユニット12によるサンプリングが1回行われたことを示す。可動部311aは、測光ユニット12でサンプリングが行われる毎に測定進捗バー311上を右に移動する。測光ユニット12によるサンプリングの回数が規定のサンプリング回数となると、可動部311aは測定進捗バー311の右端に位置することとなる。このように、測定進捗バー311上の可動部311aの位置により、測光ユニット12による吸光度測定の進捗状況を知ることができる。
測定項目一覧312及び反応タイムコースを示すグラフ313は、図10において前述した測定項目の一覧212及び反応タイムコースを示すグラフ211と同様な構成を有する。グラフ313は、図示しないグラフ作成部で作成される。このグラフ作成部は、分析部24から出力された測定結果をリアルタイムに取得する。このグラフ作成部は、取得した測定結果に基づいて反応タイムコースのグラフデータをリアルタイムに作成処理する。また、反応タイムコースを示すグラフ313が表示画面に表示されている場合、分析部24から新たな測定結果が出力されると、このグラフ作成部は、この新たな測定結果に基づいて反応タイムコースのグラフデータを更新することができる。
測光ユニット12による、特定検体を含む混合液の吸光度測定が終了する(ステップS036)と、検出部60は、特定検体を含む混合液の吸光度測定が終了したことを検出する。検出部60は、この検出の情報を、システム制御部に70に出力する。この検出の情報を受けたシステム制御部70は、報知部93を制御する。システム制御部70に制御された報知部93は、特定検体を含む混合液の吸光度測定が終了したことを外部に報知する(ステップS037)。
さらに、この検出の情報を受けたシステム制御部70は、表示部91を制御する。システム制御部70に制御された表示部91は、測定が終了した混合液に含まれる特定検体の測定結果を表示画面に表示する(ステップS038)。表示部91は、例えば、図10に示したものと同様な測定結果を、表示画面に表示する。
次に、この実施形態の自動分析装置10の実施例について説明する。この実施例は図11に示すフローチャートに対応している。
患者Aは、骨折のしたため外科病棟に入院している。患者Aは持病があり、入院している病院とは別の病院から飲み薬(薬剤)が処方されている。
この薬剤は、血液中に入ると、自動分析装置による測定結果が異常となる場合がある。例えば、自動分析装置による血液検査の測定項目Aにおいて、測定結果の値が通常の値よりも高い値を示す傾向がある。一方、自動分析装置による血液検査の測定項目Bの測定結果の値は通常の値よりも低い値を示す傾向がある。患者Aは、この薬剤を飲んでいることを医師等に伝えており、医師等もこのことを把握している。
患者Aは、骨折の治療に関連して血液検査をすることとなった。この血液検査は自動分析装置で行われる。自動分析装置の操作に慣れた熟練者である検査技師Bは、患者Aが薬剤を飲んでいることを把握している。
検査技師Bは、自動分析装置による測定において、患者Aに対応する検体の監視、追跡が必要であると判断した。そこで、検査技師Bは、この血液検体の自動分析装置による測定前の準備において、患者Aの血液検体Dを特定検体として予め登録することとした。
検査技師Bは、この血液検体を測定する自動分析装置の表示画面に、図13に示すような追跡検体登録の入力画面Mを表示させた。検査技師Bは、入力画面Mを参照して、患者Aの情報、血液検体Dの情報などを操作部から入力した。この情報は、特定検体情報021番として記憶部に記憶される(ステップS020〜S023に対応)。
追跡検体登録の入力画面Mは、「検体ID」、「患者名」、「性別」、「年齢」、「診療科」、「病棟」及び「測定項目」の情報の入力が可能な入力ボックスを有する。
検査技師Bは、入力ボックスに患者Aに対応する「検体ID」、「患者名」、「性別」、「年齢」、「診療科」、「病棟」及び「測定項目」を入力する。検査技師Bは、「測定項目」の入力ボックスに、吸光度測定において特に注意が必要な、血液検査の測定項目A及び測定項目Bを入力する。
血液検体Dを自動分析装置で実際に測定する検査技師Cは、自動分析装置の操作に不慣れな初心者である。検査技師Cは、自動分析装置を正しく使うことに注力している。検査技師Cは、血液検体Dの測定について注意が必要であることは把握していた。しかしながら、自動分析装置は、例えば、1日に数百検体を測定する。そのため、検査技師Cに、試料容器を1本1本完全にチェックして血液検体Dを確認する余裕はない。
血液検体Dを収容した試料容器Eが、自動分析装置が設置されている検査室に運ばれてきた。しかしながら、そのことを検査技師Cは把握していない。試料容器Eに血液検体Dが収容されているという情報は、検体と試料容器との対応情報としてLISに保管されている。また、試料容器EはラックFに載置されている。さらに、ラックFは、自動分析装置の搬送手段であるラックサンプラに載置されている。
ラックFは、ラックサンプラにより、自動分析装置に備えられた試料分注プローブの近傍である試料分注位置に送られた。この試料分注プローブが試料容器Eに収容された血液検体Dに対する分注動作を開始した。これにより、血液検体Dに対する自動分析装置の測定動作が開始された(ステップS024に対応)。
試料容器Eの側面にはラベルが貼付されており、このラベルにはバーコードが印刷されている。このバーコードには、試料容器IDの情報が含まれている。
ラックFは、試料分注位置に移動すると一旦停止した。ラックFが停止する位置の近傍には、バーコードリーダが備えられている。バーコードリーダは、ラックの移動を妨げなく、かつ、ラベルに印刷されたバーコードを読み取り可能な位置に備えられている。
ラックFが一旦停止すると、バーコードリーダは、試料容器Eに貼付されたラベルに印刷されたバーコードを読み取った。
読み取ったバーコードの情報には、試料容器Eを識別する試料容器IDの情報が含まれている。自動分析装置は、この試料容器IDの情報と、LISに予め保管されている検体と試料容器との対応情報とから、試料容器Eに収容された検体に対応する検体IDを取得した。この検体IDは、血液検体Dを識別する検体IDである。
自動分析装置は、血液検体Dを識別する検体IDと、特定検体として登録された検体IDとを照合した。
特定検体として登録された検体IDの一覧には、血液検体Dを識別する検体IDが含まれている。このように、試料容器Eに収容された血液検体Dを識別する検体IDは、特定検体として登録された検体IDと一致する。そのため、自動分析装置は、血液検体Dを特定検体として検出した(ステップS025に対応)。
試料分注プローブは、試料容器Eから、反応容器Gへ血液検体Dを分注した(ステップS026に対応)。自動分析装置は、血液検体Dが特定検体であることを把握している(ステップS027:YESに対応)。自動分析装置は、血液検体Dを識別する検体IDと、反応容器Gを識別する反応容器IDとを対応付けた。自動分析装置は、反応容器Gの載置位置情報と、LISに予め保管されている反応容器と載置位置との対応情報とから、反応容器IDを特定し、この反応容器IDと、血液検体Dを識別する検体IDとを対応付けた(ステップS028に対応)。
反応容器Gに、第1試薬及び第2試薬が添加されることで、血液検体Dを含む混合液が調製された(ステップS030に対応)。
自動分析装置に備えられた反応庫が回転することにより反応容器Gが測光位置に移動し、自動分析装置に備えられた測光ユニットにより吸光度測定が開始された(ステップS031に対応)。このとき、自動分析装置は、特定検体を含む混合液の測定開始されたことを検知した。自動分析装置は、この検出と同時に、特定検体の吸光度測定が開始したこと外部に報知するブザーを鳴らした(ステップS032に対応)。
検査技師Cは、このブザーを聞いて特定検体の吸光度測定が開始されたことを認識した。表示画面には、血液検体Dの検体情報である患者Aの名前、患者Aの患者ID、患者Aの投薬情報等が表示されていた(ステップS033に対応)。そこで、検査技師Cは患者Aの血液検体Dが、吸光度測定中であることを認識した。また、この表示画面には、血液検体Dの測定状況を示す画面へのリンクが表示されている。検査技師Cは、このリンクを選択し(ステップS034に対応)、血液検体Dの測定状況を示す画面を表示した(ステップS035に対応)が、測定が進んでいないので有用な情報は得られなかった。
検査技師Cは、血液検体Dの測定がある程度進む時間まで待ち、再度、血液検体Dの測定状況を示す情報を表示画面に表示させた。検査技師Cは、さらに、表示画面に表示された測定項目一覧に示されている12の項目のうち、強調表示されている測定項目Aを選択する。この選択操作により、測定項目Aに対応する反応タイムコースを表示画面に表示された。表示画面はタッチパネルとなっている。そのため、表示画面のうち、測定項目Aが表示されている部分に触れると、表示画面には測定項目Aに対応するタイムコースが表示される。この表示画面に表示された測定項目Aに対応するタイムコースは、第1試薬の添加後第2試薬の添加前までの吸光度の時系列変化を示していた。測定項目Aのタイムコースに示された血液検体Dに含まれる物質の吸光度の時系列変化は、第1試薬の添加後の反応にふらつきが出ていることを示している。
検査技師Cは、さらに所定時間待ってから、同様に強調表示されている測定項目Bを選択して、測定項目Bに対応する反応タイムコースを表示画面に表示させた。測定項目Bは測定の最中であったので、表示画面には反応タイムコースの途中までが表示された。この測定項目Bのタイムコースに示された血液検体Dに含まれる物質の吸光度の初期値は、正常値の初期値と比較して全体的に低い値を示していた。検査技師Cは、これら情報から、患者Aが血液採取前に薬剤を飲んだのではないかと考えたが、自動分析装置による血液検体Dの測定終了までこの考えによる判断を保留した。
自動分析装置は、血液検体Dの全ての測定項目における測定が終了したことを受けて、自動分析装置は血液検体Dの測定終了を検出した(ステップS036に対応)。続いて、自動分析装置は特定検体の測定終了を意味するブザーを鳴らした(ステップS037に対応)。さらに、自動分析装置は、測定結果を示す情報を表示画面に表示した(ステップS038に対応)。
検査技師Cは、表示画面に表示された測定結果の情報から、血液検体Dに関する全ての測定項目に対応するタイムコースを確認した。この時点では、血液検体Dの測定結果は外部のサーバ(LIS、HIS等)に送信されていない。
表示画面に表示された測定結果の情報に含まれる測定12項目のうち、測定項目A及び測定項目Bを除く10項目の結果にはエラーフラグが付かなかった。このことから、検査技師Cは、この10項目における測定結果には特に問題は無いと判断した。
一方、測定項目Aの測定結果に対応する反応タイムコースは、第2試薬添加後も前述した吸光度の値のふらつきは安定しておらず、最終的な測定結果の値は通常の値よりも高かった。この最終的な測定結果の値は正しい反応ではない。そのため、検査技師Cは、この測定結果を、血液検体Dの測定項目Aの測定結果として報告はできない。
また、測定項目Bの測定結果に対応する反応タイムコースは、一見正常な反応過程を経ているように見えるが、正常値と比較して吸光度の値が全体として低値傾向であった。検査技師Cは、これら情報から、測定項目Aの測定及び測定項目Bの測定において、これら測定結果が薬剤による影響を受けていると判断した。
このため、検査技師Cは、前記の10項目において取得された測定結果をそのまま報告すると判断した。また、検査技師Cは、測定項目Aにおいて取得された測定結果を測定不可として報告せず、測定不可の情報に薬剤影響のフラグを追加して報告すると判断した。また、検査技師Cは、測定項目Bにおいて取得された測定結果を、薬剤の影響有りのフラグを追加し参考値として報告することとした。
検査技師Cは、血液検体Dの全測定項目の測定の結果をサーバーに送信することで、前述の報告を行った。これら測定結果は、医師等が使用する端末の表示画面において表示することができる。また、これら測定結果は、印刷することもできる。また、これら測定結果は、外部コンピュータにも伝送される。これらのことにより医師等は、自動分析装置による測定結果が異常を示すものであっても、追加されたフラグ等からその原因を把握する事が可能となる。
[自動分析装置の作用、効果]
この実施形態の自動分析装置10は、予め設定された特定検体に対する吸光度測定が開始されると、その測定の開始を外部に報知し、特定検体に対する吸光度測定が終了すると、その測定の終了を外部へ報知する。さらに、表示部91は、特定検体に対する吸光度測定の開始後から、表示画面にその吸光度測定の過程をリアルタイムに表示する。また、表示部91は、特定検体の測定終了後にその吸光度測定の最終的な結果を表示画面に表示する。自動分析装置10は、このような構成を有するので、測光ユニット12で行われる特定検体に対する吸光度測定の状況を簡易に監視可能となる。
また、この実施形態の自動分析装置10は、特定検体の吸光度の測定終了時に、その測定の終了があったことを外部へ報知するので、特定検体の吸光度の測定結果を素早く確認することができる。
例えば、特定検体が、自動分析装置による測定が急がれる検体である場合、この特定検体の測定結果を、優先的に医師等に報告する必要がある。このとき、医師等にこの測定結果を報告前に、検査技師等がその測定結果が正常であるか確認することがある。
この実施形態の自動分析装置10は、特定検体の吸光度の測定終了と同時に、その測定の終了を外部に報知するとともに、測定結果を表示画面に自動的に表示する。このとき、表示画面において、特定検体の測定結果は通常検体の測定結果とは独立して表示される。これにより、検査技師等は、特定検体の測定結果を検索することなく、その場で特定検体の測定結果を確認することができる。その結果、自動分析装置による測定結果の確度を保ちつつも、従来よりも素早く医師等に測定結果の報告をすることができる。
また、特定検体が、例えば、検査の結果が異常となる恐れのあるような検体である場合、検査技師等は、吸光度の測定結果を全測定項目に亘って詳しくチェックする必要がある。
自動分析装置10は、表示画面に表示された特定検体の測定結果から、所定の操作をすることで全測定項目に亘る測定結果を詳細に表示することができる。これにより、吸光度測定の結果が異常となる恐れのある特定の測定項目を、吸光度測定の終了した直後にチェックすることができる。その結果、検査結果を素早く医師等に報告できるとともに、誤った検査結果を医師等に報告することを少なくすることができる。
また、特定検体が、例えば、自動分析装置による測定結果が異常となる恐れのあるような検体である場合、自動分析装置による再測定(再検査)をなるべく早く行いたい。
自動分析装置10は、特定検体の吸光度測定開始後から、表示部91においてその吸光度測定の過程をリアルタイムに表示できる。そのため、検査技師等は、このリアルタイム表示に基づいて、特定検体の吸光度の測定中に測定異常を判断することができる。さらに、検査技師等が、測定異常を判断した時点で、この特定検体の再検査の準備をすることができる。つまり、検査技師等は、特定検体の吸光度測定の終了を待たずに、この特定検体の再測定の準備をすることができる。その結果、自動分析装置による測定結果に異常が認められる特定検体の再検査を素早くすることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る自動分析装置10について図面を参照して説明する。
[自動分析装置]
この実施形態の自動分析装置10は、予め設定された情報から特定検体に該当する検体を識別する。さらに、この自動分析装置10に備えられた報知部93は、特定検体の吸光度の測定が開始されると、その測定の開始を外部に報知し、特定検体の吸光度の測定が終了すると、その測定の終了を外部へ報知する。また、この自動分析装置10に備えられた表示部91は、特定検体の吸光度の測定の開始後から、表示画面にその測定結果をリアルタイムに表示するとともに、特定検体の吸光度の測定終了後にその測定結果を表示画面に表示する。
[自動分析装置の機能的構成]
この実施形態の自動分析装置10の機能的構成は、下記に示す構成以外は第1の実施形態と同様な構成を有する。
[記憶部]
記憶部50には、被検者情報が記憶されている。記憶部50は、被検者情報記憶部の機能を備えている。また、記憶部50には、検体と被検者との対応情報、被検者と被検者情報との対応情報、及び特定情報と注目する測定項目との対応情報が記憶されている。
特定情報は、前述したように、分析部24における検体測定において異常測定の原因となりうる情報である。特定情報は、例えば、年齢、特定の既往症の情報、特定の羅患情報等が挙げられる。特定情報は、例えば、記憶部50に予め記憶されている。この特定情報は、検出部60において、検体の識別情報に対応する被検者の個人情報と照合される。このとき、被検者の個人情報に特定情報を有する場合には、その検体が特定検体として検出される。
検体と被検者との対応情報は、検体と、その検体が採取された被検者との対応情報である。検体と被検者との対応情報は、例えば、検体IDと、その検体IDに対応する検体が採取された被検者の被検者IDとが対応付けられたものが挙げられる。また、被検者と被検者情報との対応情報は、例えば、被検者IDと、被検者の情報とが対応付けられたものが挙げられる。
図14は、検体と被検者との対応情報の一例を示す表である。この表は、検体の情報と被検者との対応情報を示している。図14に示すように、この表には、検体IDと被検者IDとが対応付けられて示されている。
図15は、特定情報と注目する測定項目との対応情報の一例を示す表である。図15に示すように、特定情報と注目する測定項目との対応情報は、特定情報と、その特定情報において特に注目すべき測定項目の番号とが対応付けられて示されている。
また、記憶部50には、特定検体の情報として、特定の被検者の情報が予め記憶されている。特定の被検者とは、通常の被検者と区別された被検者をいう。特定の被験者は、例えば、採取された検体の測定結果に異常が生じる蓋然性が高い被検者、採取された検体の測定結果を早急に確認する必要のある被検者等が挙げられる。これらに挙げた被検者は、他の被検者と区別するために特定の被検者となる。
採取された検体の測定結果に異常が生じる蓋然性が高い被検者は、例えば、特定の病歴を持つ患者、特定の持病がある被検者、特定のアレルギーがある被検者、薬剤の処方がされている被検者、乳幼児等が挙げられる。
採取された検体の測定結果を早急に確認する必要のある被検者は、例えば、緊急搬送され早急に処置が必要な被検者、採取された検体が再検査となった被検者等が挙げられる。
特定の被検者の情報は、例えば、操作者等による操作部80からの入力により検体測定前に予め入力される。検出部60は、例えば、検体の吸光度の測定時に、特定の被検者の情報を取得することができる。
被検者は、例えば、健康診断の受診者、患者等である。被検者の情報は、例えば、被検者IDを含む。被検者IDは、被検者に付された被検者UIDである。被検者UIDは、例えば、患者ID(患者UID)、受診者ID(受診者UID)等が挙げられる。検出部60は、この被検者UIDに基づいて特定の被検者を識別する。
また、被検者の情報は、例えば、被検者の個人情報を含む。被検者の個人情報は、例えば、氏名、年齢、身体情報、既往症の情報、通院歴の情報等が挙げられる。身体情報は、例えば、身体における一般的な情報、羅患情報等が挙げられる。
身体における一般的な情報は、例えば、身長、体重、血圧、アレルギー情報、個人的な特性等の情報等が挙げられる。また、個人的な特性としては、例えば、遺伝的な要因によるもの等が挙げられる。
羅患情報は、例えば、現在罹患している病気の情報、現在の治療実施状況等が挙げられる。既往症の情報は、例えば、病歴の情報、持病の情報等が挙げられる。病歴は、例えば、過去に羅患した病気の情報等が挙げられる。また、病気の情報は、例えば、病名、この病気に関する過去の治療実施情報、カルテ情報、投薬情報等が挙げられる。
記憶部50には、特定検体の情報、特定の被検者の情報、特定情報のうちの少なくとも1つが記憶されている。
また、自動分析装置10に記憶手段200が接続される場合、前述した記憶部50に記憶される情報の一部若しくは全部が記憶手段200に記憶されるようにしてもよい。
[検出部]
検出部60は、記憶部50に記憶された特定の被検者の情報に基づいて特定検体の情報を取得する。検出部60は、さらに第1の実施形態と同様にして、試料容器61に収容されたこの特定検体を検出する。
つまり、検出部60は、検体IDを受けて、検体IDと、検体IDと被検者の情報との対応情報とから、検体IDに対応する被検者の情報を取得する。検出部60は、さらに、この被検者の情報と、特定の被検者の情報とを照合することで特定検体が収容された試料容器61を検出する。
検体IDと被検者の情報との対応情報の一例として、検体と被検者との対応情報が挙げられる。検出部60は、検体と被検者との対応情報から、特定の被検者に対応する検体を取得する。検出部60は、この検体を、特定検体として取得する。
また、検出部60は、以下に示すようにして、特定情報から特定検体の情報を取得する。まず、試料容器識別子読取部62と識別処理部42にとより、試料容器61の試料容器IDを取得する。検出部60は、取得した試料容器IDに対応する検体IDを、記憶部50に記憶された検体と試料容器との対応情報に基づいて取得する。
次に、検出部60は、取得した検体IDに対応する被検者IDを、記憶部50に予め記憶された検体と被検者との対応情報に基づいて取得する。
次に、検出部60は、取得した被検者IDに対応する被検者情報を記憶部50に予め記憶された被検者と被検者情報との対応情報に基づいて取得する。
次に、検出部60は、取得した被検者情報と、記憶部50に記憶された特定情報とを照合する。被検者情報に特定情報と合致する情報がある場合、検出部60は、この被検者IDに対応する検体を特定検体として検出する。
また、検出部60は、特定情報と注目する測定項目との対応情報に基づいて、合致した特定情報から注目すべき測定項目を取得する。検出部60は、この特定検体を含む混合液の吸光度の測定結果を表示部91の表示画面に表示する。この表示画面には、例えば、この特定検体に対応する注目すべき測定項目の測定結果が強調されて表示される。
[自動分析装置の使用形態]
次に、この自動分析装置10の動作について説明する。この実施形態の自動分析装置10の使用形態は、下記に示すこと以外は第1の実施形態と同様である。
図16は、この自動分析装置10の動作の一例を示すフローチャートである。この自動分析装置10は、予め設定された特定検体の情報に基づいて特定検体を取得するように動作する。この場合、特定検体の情報は特定の被検者の情報である。自動分析装置10は、特定検体に該当する検体を特定した後、第1の実施形態と同様に、特定検体に該当する検体の吸光度測定が開始された時に、この測定の開始を外部に報知するように動作する。さらに、特定検体の測定が終了する時に、測定の終了があったことを外部へ報知するように動作する。さらに、特定検体の測定終了後にその測定結果を表示画面に表示するように動作する。
まず、自動分析装置10の操作者は、自動分析装置10による検体の測定前準備を行う(ステップS040)。操作者は、特定の被検者に対応する被検者IDを操作部80から入力する(ステップS041)。
操作部80から入力された被検者IDは、検出部60に入力される。この被検者IDを受けた検出部60は、記憶部50に予め記憶された検体と被検者との対応情報とから、この被検者IDに対応する検体IDを取得する(ステップS042)。検出部60は、検体と被検者との対応情報として、例えば、図12に示したものを用いる。検出部60は、さらにこの特定検体の検体IDを記憶部50に特定検体の検体IDとして記憶させる(ステップS043)。このとき、検出部60は、特定検体の検体IDが記憶部50に記憶されたことを把握する。
その後の処理は、特定検体の検体IDを用いて、図7に示したフローチャートのステップS002〜S017と同様な処理を行うことができる(ステップS044〜S059)。具体的に、特定検体の測定開始と測定終了とを外部に報知し、特定検体の測定結果等を表示部91の表示画面に表示する。また、その後の処理は、特定検体の検体IDを用いて、図11に示したフローチャートのステップS021〜S038と同様な処理を行ってもよい。これにより、特定検体の吸光度測定の開始後に、表示画面においてその測定過程がリアルタイムに表示され、特定検体の吸光度の測定終了後にその測定結果が表示画面に表示される。
また、操作部80から入力される情報は、特定の被検者の情報に加えて、測定項目等の別の情報を含んでいてもよい。
被検者IDに加えて、測定項目を操作部80から入力する例として、例えば、自動分析装置による測定において一部の測定項目が再検査となった検体の、測定結果を確認したい場合が挙げられる。また、例えば、自動分析装置による特定の測定項目の測定において、その測定結果に異常が生じる蓋然性が高い場合が挙げられる。その理由は、いずれの場合においても、特定の被検者から採取された検体の測定状況を、特定の測定項目において追跡する必要があり、測定前に特定の被検者の情報と、特定の測定項目の情報とを特定しておく必要があるからである。
また、図16のフローチャートに示す処理において、検出部60が試料容器IDに対応する検体IDを取得するタイミングを、試料容器識別子読取部62が、その試料容器61の試料容器識別子を読み取ったときとしてもよい。
図17は、この自動分析装置10の動作の他の一例を示すフローチャートである。この自動分析装置10は、予め設定された特定情報と、検体に対応する被検者の被検者情報とを照合し、この被検者情報に特定情報が含まれる場合、その検体を特定検体として取得するように動作する。この場合、特定情報は、例えば、年齢、特定の既往症の情報、特定の羅患情報等である。また、特定情報は、被検者の個人情報として前記に挙げたものから適宜選択することができる。
まず、自動分析装置10の操作者は、自動分析装置10による検体の測定前準備を行う(ステップS070)。操作者は、特定検体を特定するための特定情報を、操作部80から入力する(ステップS071)。
操作部80から入力された特定情報は、例えば、記憶部50に入力され、検出部60は、この特定情報を記憶部50に出力する。記憶部50は、この特定情報を記憶する(ステップS072)。このとき、検出部60は、記憶部50に特定情報が記憶されていることを把握する。
次に、検出部60は、試料容器61に収納された検体の検体IDを取得する(ステップS073)。試料容器61に収納された検体の検体IDの取得は、例えば、以下に示すようにして行われる。まず、試料容器識別子読取部62は、試料容器61に付された試料容器識別子読み取ることによって読取情報を取得する。試料容器識別子読取部62は、取得した読取情報を識別処理部42に出力する。識別処理部42は、この読取情報から試料容器IDを取得し、この試料容器IDを検出部60に出力する。この試料容器IDを受けた検出部60は、記憶部50に記憶された検体と試料容器との対応情報に基づいて検体IDを取得する。
次に、検出部60は、取得した検体IDに対応する被検者IDを取得する(ステップS074)。被検者IDは、記憶部50に予め記憶された検体と被検者との対応情報に基づいて取得される。
検出部60は、さらに、取得した被検者IDに対応する被検者の被検者情報を取得する(ステップS075)。被検者情報は、記憶部50に予め記憶された被検者と被検者情報との対応情報に基づいて取得される。
検出部60は、取得した被検者情報と特定情報とを照合し、取得した被検者情報の中に特定情報と合致する情報がないか判定する(ステップS076)。特定情報は、前述したように記憶部50に予め記憶されている。
この判定において、被検者情報の中に特定情報と合致する情報がある場合(ステップS076:YES)、検出部60は、この被検者情報に対応する被検者IDを取得する。検出部60は、さらに、この被験者IDに対応する検体IDを検体と被験者との対応情報に基づいて取得する(ステップS077)。検出部60は、取得した検体IDを特定検体の検体IDとして記憶部50に記憶する(ステップS078)。このとき、検出部60は、特定検体の検体IDが記憶部50に記憶されたことを把握する。また、この判定において、被検者情報の中に特定情報と合致する情報がない場合には、ステップS079に進む(ステップS076:NO、ステップS079)。
その後の処理は、図7に示したフローチャートのステップS007〜S017と同様な処理を行うことができる(ステップS079〜S089)。また、その後の処理は、図11に示したフローチャートのステップS026〜S038と同様な処理を行うようにしてもよい。これにより、表示部91は、特定検体に対する吸光度測定の開始後から、表示画面にその吸光度測定の過程をリアルタイムに表示する。また、表示部91は、特定検体の測定終了後にその吸光度測定の最終的な結果を表示画面に表示する。
[自動分析装置の作用、効果]
この実施形態の自動分析装置10は、第1の実施形態と同様な構成を有するので、第1の実施形態と同様な作用、効果を有する。
さらに、検出部60は、特定の被検者の情報から、自動的に特定検体を特定する。これにより、特定検体の検体IDは把握していないが、特定の被検者の氏名は把握している場合に、例えば、その被検者の氏名を予め登録しておくことで、自動分析装置による検体の測定時に、その特定の被検者に対応する検体を追跡することができる。このことにより、自動分析装置による検体の測定において特定の被検者から採取された検体の測定を追跡したい場合、その検体に対応する検体IDを調べなくてもその検体の追跡が可能となる。
また、例えば、特定の被検者の検体が複数ある場合に、特定の被検者に対応する被検者IDを登録することにより、その被検者の検体を一括で登録することができる。これにより、該当する被検者に対応する検体IDを全て把握していなくても漏れなく登録することができる。さらに、検体IDを逐一登録設定する手間を軽減することができる。
加えて、検出部60において、特定の被検者の情報から、自動的に特定検体を特定するようにした。これにより、特定の情報から特定検体を取得することができる。つまり、検体に対応する被検者の情報を把握していなくても、例えば、特定の薬剤が処方されている被検者という特定情報を予め登録しておくことで、該当する被検者の検体を全て特定検体として取得することができる。
検出部60は、特定情報に該当する被検者の検体を自動的に検出するので、被検者の情報を逐一把握していなくとも、例えば、測定結果に異常が生じる蓋然性が高い検体、早急に測定結果を確認したい検体等が自動的に特定検体として設定される。そのため、自動分析装置による検体の測定において、これら特定検体の測定の開始等を知ることができる。また、自動分析装置の測定前の準備において、事前に検体IDや被検者IDを入力する手間を軽減することができる。
上記実施形態において説明した構成は、自動分析装置以外の臨床検査装置にも適用することができる。
臨床検査装置としては、例えば、自動分析装置や血液ガス分析装置や電気泳動装置や液体クロマトグラフィー装置などの臨床化学分析機器、ラジオイムノアッセイ装置などの核医学機器、ラテックス凝集反応測定装置やネフェロメータなどの免疫血清検査機器、自動血球計数装置、血液凝固測定装置などの血液検査機器、微生物分類同定装置や血液培養検査装置やDNA・RNA測定装置などの細菌検査機器、尿分析装置や便潜血測定装置などの尿検査機器、自動組織細胞染色装置などの病理検査機器、生理機能検査機器、マイクロピペットや洗浄装置分注装置や遠心分離装置などのその他の臨床検査機器等が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。