JP6398077B2 - 実装データ作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品実装に使用される実装データを作成する実装データ作成方法に関するものである。
基板に電子部品を実装する部品実装装置においては、実装ヘッドによって取り出した電子部品を基板に実装する部品実装作業が反復して実行される。部品実装作業は、基板の種類ごとに予め作成された実装データに基づいて部品実装機構を駆動することにより行われる。実装データは部品実装用NCデータであり、基板設計の結果や部品データとしてとして取得されるCADデータに基づいて作成される(例えば特許文献1参照)。
このように実装データはCADデータに基づいて作成されるが、作成者のミスなどの理由により、実装データによって示される位置情報が必ずしもCADデータに正しく合致したものであるとは限らず、実装データに示される電子部品の平面内の位置を示す位置座標や回転角度を示す極性マークの方向が誤って設定されるデータエラーが発生する場合がある。このようなデータエラーの有無を実装作業前に確認するため、従来より基板上に試打ちした実基板を目視で確認して実装データの正誤を判定するか、もしくは、ガーバーデータを読み込んで画像として表示した上で実装データとの差異を確認する目視確認が行われていた。
このような方法の作業負荷を軽減することを目的として、作業者の目視判定に依らずにデータ上で自動的にエラー有無確認を行う方法が用いられるようになっている(特許文献2参照)。この特許文献2に示す先行技術では、NCデータ作成者が実際の部品の極性マーク象限情報を識別してNCデータ作成用のコンピュータに入力し、部品のCADデータに含まれる1番ピン位置情報から算出した極性マーク象限情報と入力された極性マーク象限情報とを比較することにより、実装データにおける部品の装着角度情報の補正の要否を判断する例が示されている。
特開2004−213554号公報 特開2011−082385号公報
しかしながら上述の従来技術による実装データの正誤確認には、次のような問題点があった。まず目視確認による方法では、試打ちのための準備作業やガーバーデータを取得して表示させる作業など、煩雑な作業を行う必要があって作業者への負荷が大きいものであった。さらに目視による判定であるため、データエラーをチェックもれなく確実に検出することが困難であるという検出精度面での難点もあった。
また特許文献2に示す先行技術では、部品の極性マーク象限情報と当該部品の基準姿勢象限情報とを比較した結果に基づいて、当該部品の装着角度情報を基準角度だけ回転させるようにしているが、ここに示す例では象限情報は極性マークが特定位置にある場合に限定して定義されていることから、あくまでも象限をまたいだ回転位置ずれしか補正できず、補正可能な対象範囲が限定されるという難点がある。
このように従来技術による実装データ作成方法には、作成された実装データの実装位置や実装角度の正誤確認に手間と時間を要するとともに、検出精度面においても不十分であり、正誤確認を簡便な方法でチェックもれなく自動化することが可能な実装データ作成方法が望まれていた。
そこで本発明は、作成された実装データの正誤確認を簡便な方法でチェックもれなく自動化することができる実装データ作成方法を提供することを目的とする。
本発明の実装データ作成方法は、部品実装に用いられる実装データに含まれる比較対象部品の極性マーク情報から、前記比較対象部品において前記極性マーク情報に関連づけて定義された第1ピンの仮想位置情報を算出し、前記第1ピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータに含まれる前記比較対象部品の第1ピンの位置情報とを比較し、比較した結果から前記実装データに含まれる前記比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断前記比較対象部品が正規の状態でない場合には、前記実装データに含まれる比較対象部品の極性マーク情報から前記比較対象部品の前記第1ピンとは異なる他のピンの仮想位置情報を算出し、前記他のピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータに含まれる前記比較対象部品の他のピンの位置情報とを比較し、前記第1ピンの比較結果と前記他のピンの比較結果とから、前記第1ピンの位置ずれ量と前記他のピンの位置ずれ量とが一致しているか否かを判断し、前記第1ピンの位置ずれ量と前記他のピンの位置ずれ量とが方向を含めて一致している場合には、前記比較対象部品の実装位置がずれていると判断し、前記位置ずれ量に基づいて前記実装データを修正する
本発明によれば、作成された実装データの正誤確認を簡便な方法でチェックもれなく自動化することができる。
本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて実行される部品実装作業の説明図 本発明の一実施の形態の部品実装システムの制御系の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおけるCADデータの第1ピンの位置情報および実装データの第1ピンの仮想位置情報の説明図 本発明の一実施の形態の実装データ作成方法におけるデータ正誤判定処理のフロー図 本発明の一実施の形態の実装データ作成方法における極性チェックのためのシミュレーションの説明図 本発明の一実施の形態の実装データ作成方法における位置ずれチェックのためのシミュレーションの説明図 本発明の一実施の形態の実装データ作成方法における形状違いチェックのためのシミュレーションの説明図 本発明の一実施の形態の実装データ作成方法における形状違いチェックのためのシミュレーションの説明図
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1を参照して、本実施の形態が適用される部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、基板に電子部品を実装して実装基板を製造する機能を有するものであり、部品接合用の半田が印刷された後の基板に部品を実装する部品実装装置M1,M2,M3を備えている。これら装置は通信ネットワーク2を介して管理装置3に接続されている。本実施の形態においては、管理装置3はライン管理機能と併せて、部品実装装置M1,M2,M3における部品実装作業に用いられる実装データを作成する機能を備えている。
図2は、部品実装装置M1,M2,M3にて実行される部品実装作業の例を示している。ここでは、矩形板状の本体部5aの4辺から複数のリード5b(ピン)が定ピッチで延出した構成のQFP型の部品5を対象とする例を示している。部品実装作業では、部品実装装置M1,M2,M3に備えられた実装ヘッド4の吸着ノズル4aによって部品5の上面を吸着保持し、実装対象の基板6に設定された部品実装位置7に部品5を位置合わせして搭載する。すなわち、本体部5aの中心位置である部品センタ5cを、部品実装位置7に設定された実装点7bに一致させるとともに、基板6に形成された半田接合用の電極7aにリード5bを着地させる。
次に図3を参照して、部品実装システム1の制御系の構成を説明する。図3において、管理装置3は実装データ作成部10、記憶部11、操作・入力部17、表示部15および通信部16を備えており、通信インターフェイスである通信部16および通信ネットワーク2を介して、部品実装システム1を構成する他装置との間での制御信号やデータの授受を行う。これらのデータには、実装基板の生産に使用される実装データ14が含まれている。操作・入力部17は、タッチパネルなどの入力装置であり、当該部品実装装置への操作入力やデータ入力を行う。表示部15は、液晶パネルなどの表示装置であり、操作・入力部17による操作入力時の案内画面や各種の報知画面を表示する。
実装データ14は、記憶部11に記憶されたCADデータ12、部品データ13に基づいて実装データ作成部10によって作成され、作成された実装データ14は記憶部11に基板の種類ごとに記憶される。CADデータ12は基板設計に用いられCADにより作成される設計データであり、個々の基板の種類において実装される部品の種類や実装位置座標、当該部品の第1ピンの位置を示す第1ピンの位置情報(図4(a)参照)などを含んでいる。この第1ピンの位置情報は、当該部品が実装された状態における極性の正否、すなわち部品が正しい部品基準方向に合致しているか否かの確認に用いられる。部品データ13は、実装対象となる部品の種類ごとに作成された情報である。部品データ13には、対象となる部品の部品外形や、サイズ、リード数、リード幅・長さなどを示す部品緒元が含まれている。
実装データ14は部品実装装置M1〜M3における部品実装に用いられる生産用データであり、部品実装作業における動作順序を示す作業シーケンスのほか、実装座標データ14a、極性マーク情報14bが含まれている。実装座標データ14aは、当該基板における部品実装点の位置を示すデータであり、部品実装装置M1〜M3の機械座標系における位置座標を示すNCデータとして記憶されている。極性マーク情報14bは、各部品の部品基準方向と関連づけられた極性マークM(図4参照)の位置を示す情報であり、極性マーク情報14bにより当該部品において極性マークMと関連づけられた第1ピンを特定することができる。
実装データ作成部10は、CADデータ12,部品データ13に基づいて実装データ14を編集・作成する機能とともに、作成された実装データ14を用いてデータ上で実装作業のシミュレーションを行うシミュレーション実行部10aの機能を備えている。本実施の形態では、CADデータ12によって与えられる第1ピンの位置情報と実装データ14によって与えられる第1ピンの仮想位置情報とを比較することにより、実装データ14における比較対象部品の極性の正否、位置ずれ、形状間違いを自動的にチェックするようにしている。
図4(a)は、CADデータ12に含まれる第1ピンの位置情報を示している。すなわち、CADデータ12では、基板6において部品が実装される部品実装位置7を特定する情報として、実装点7b(座標(xi、yi)で特定される)および第1ピンの位置情報が含まれている。第1ピンの位置情報は、当該比較対象部品における極性マークMと関連づけられて規定されており、第1電極7a*(ここでは極性マークMから反時計回りに一番目に位置する電極7a)上に位置して、当該比較対象部品において第1ピンが位置すべき領域Rとして設定されている。すなわちここに示す実施例では、第1ピンの位置情報は、CADデータ12によって与えられる領域Rとして定義されている。
また図4(b)は、実装データ14に含まれる第1ピンの仮想位置情報を示している。第1ピンの仮想位置情報とは、部品データ13に示される部品5が基板6に実装されたと仮想した状態における第1ピン5b*の位置を特定する情報である。ここでは部品5の部品センタ5cを、CADデータ12において基板6の実装点7bに一致させ、さらに各部品の極性を特定する部品基準方向を、CADデータ12によって指定される方向に合わせた状態における第1ピン5b*(同様に極性マークMから反時計回りに一番目に位置するリード5b)の位置を特定する特定点Pが、第1ピンの仮想位置情報として設定される。すなわち第1ピンの仮想位置情報は、実装データ14に含まれる比較対象部品の極性マーク情報14bである極性マークMの配置から、当該比較対象部品において極性マークMの配置に関連づけて算出される。
部品実装装置M1、M2、M3は、通信部20、装置制御部21、記憶部22、機構駆動部23、操作・入力部24および表示部25を備えている。通信部20は通信インターフェイスであり、通信ネットワーク2を介して管理装置3や他装置との間の信号の授受を行う。装置制御部21は管理装置3から伝達されて記憶部22に記憶された実装データ14など部品実装作業の実行に必要なデータに基づき、当該部品実装装置の動作制御を行う。機構駆動部23は装置制御部21によって制御されて、基板搬送機構や部品実装機構を駆動する。操作・入力部24は、タッチパネルなどの入力装置であり、当該部品実装装置への操作入力やデータ入力を行う。表示部25は、液晶パネルなどの表示装置であり、操作・入力部24による操作入力時の案内画面や各種の報知画面を表示する。
なお上述の実施例では、第1ピンの位置情報としてCADデータ12によって与えられる領域Rを用い、実装データ14に含まれる第1ピンの仮想位置情報として特定点Pを用いているが、第1ピンの位置情報として特定点Pを用い、第1ピンの仮想位置情報として領域Rを用いるようにしてもよい。すなわち、このようにして定義された特定点Pがある大きさを以て設定された領域Rに含まれることを以て、両者の「一致」が判定できればよい。
さらに、第1ピンの位置情報、第1ピンの仮想位置情報のいずれをも、領域R、特定点Pの形態で定義するようにしてもよい。この場合には、2つの領域Rが重なる重なり代、2つの特定点Pの相対位置ずれ量について予め閾値を設定しておき、これらの重なり代、相対位置ずれ量をそれぞれの閾値と比較することにより、両者の「一致」が判定される。
また本実施の形態では、上述の実装データ作成およびデータチェックのためのシミュレーション機能を管理装置3に備える例を示したが。本発明はこのような構成例には限定されない。すなわち、実装データ作成部10に必要とされる演算処理能力、記憶部11に記憶されるデータを記憶可能な記憶能力を有する設備であれば、例えば部品実装装置M1〜M3などの有する制御処理装置に、これらの演算処理を実行させるようにしてもよい。
次に図5を参照して、実装データ14におけるデータ正誤判定フローについて説明する。この正誤判定フローは、実装データ作成部10によって実装データ14を作成する実装データ作成方法において、実装データを作成する際、または作成した後に、実装データ14におけるデータエラーの有無を確認するため、シミュレーション実行部10aの機能によって部品の極性、位置ずれ、形状間違いの各項目についてチェックする手順を示している。
まず、実装データ14上の極性マーク情報14bから、第1ピンの仮想位置情報を算出する(ST1)。すなわち、実装データ14に含まれる極性マーク情報14bに基づき、図4(b)に示す特定点Pが、第1ピンの仮想位置情報として算出される。次に算出された第1ピンの仮想位置情報を、CADデータ12上の第1ピンの位置情報と比較する(ST2)。
すなわち、図6に示すように、第1ピンの位置情報(図4(a))と第1ピンの仮想位置情報(図4(b))とをデータ上で重ね合わせ、そして仮想位置情報と第1ピンの位置情報とが一致するか否かを判定する(ST3)。ここでは、部品センタ5c(xi、yi)を実装点7b(xj、yj)に一致させ、部品基準方向(θi)を正しく合わせた状態で、実装データ14における第1ピンの仮想位置情報を示す特定点Pが、CADデータ12における第1ピン位置情報を示す領域Rに含まれるか否かを確認することにより、一致・不一致を判定する。
ここで一致している場合には、実装データ14における第1ピンの位置はCADデータ12における第1ピンの位置と合致しており、比較対象部品の実装データ14は実装位置、極性、部品形状ともに正規であると判断して、処理フローを終了する(ST5)。すなわち、(ST1)、(ST2)、(ST3)に示す処理ステップは、部品実装に用いられる実装データ14に含まれる比較対象部品の極性マーク情報14bから、比較対象部品において極性マーク情報14bに関連づけて定義された第1ピンの仮想位置情報を算出し、第1ピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータ12に含まれる比較対象部品の第1ピンの位置情報とを比較し、比較した結果から実装データ14に含まれる比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断するようにしている。
(ST3)にて一致していないと判定された場合には、まず実装データ14における極性のデータエラーの有無を確認することを目的とするチェックを行う。ここでは、第1ピンの仮想位置情報を90度づつ回転させる(ST4)。この極性チェックについて、図7を参照して説明する。図7(a)は、実装データ14における極性、すなわち部品基準方向がデータ作成ミスのために間違って設定された例を示している。
すなわち極性が正規であれば、図6(b)に示す状態のように、第1ピン5b*上の特定点Pは第1電極7a*上の領域Rに含まれるべきであるが、上述のように極性のデータエラーがある場合には、第1ピン5b*上の特定点Pは第1電極7a*上の領域Rには含まれない。このような場合には、まず図7(b)に示すように、実装データ14における比較対象部品の第1ピンの仮想位置情報を時計回りに90度だけ回転させる。そしてこの状態で、実装データ14上の第1ピンの仮想位置情報とCADデータ12上の第1ピンの位置情報との一致・不一致を判断する。
この極性のデータエラーの有無のチェックでは、実装データ14上の第1ピンの仮想位置情報とCADデータ12上の第1ピンの位置情報との一致が検出されるまで、第1ピンの仮想位置情報の回転が反復して実行される。すなわち、一致が検出されない場合には、図7(c)に示すように、第1ピンの仮想位置情報をさらに90度回転させて180度回転させる。ここで未だ一致が検出されない場合には、図7(d)に示すように、第1ピンの仮想位置情報をさらに90度回転させて270度回転させる。そしてここで、第1ピン5b*上の特定点Pが第1電極7a*上の領域Rに含まれていることが検出されることにより、当該回転角度分(ここでは270度)だけ極性間違いが生じていたことが検出される。
すなわち本実施の形態では、図7に示すように、仮想位置情報を複数回90度づつ回転させて、位置情報(実装データ14上の第1ピンの仮想位置情報とCADデータ12上の第1ピンの位置情報)の一致を判断する。そしていずれかの回転角度で位置情報が一致したか否かを判定し(ST6)、位置情報の一致が確認されたならば極性間違いと判断して、一致した当該回転角度分だけ実装データ14を修正する(ST7)。図7に示す例では、実装データ14を時計回りに270度だけ回転させてデータを修正し、処理フローを終了する(ST8)。
すなわち(ST4)、(ST6)、(ST7)に示す処理ステップは、比較対象部品が正規の状態でない場合には、第1ピンの仮想位置情報を予め定められた回転角度ずつ回転させ、各回転角度において第1ピンの位置情報と比較して比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断し、正規の状態にあると判断された回転角度だけ前記実装データの比較対象部品を回転補正するようにしている。
また(ST6)にていずれの回転角度においても位置情報の一致が確認できない場合には、極性のデータエラー以外の他のエラー項目、すなわち比較対象部品の実装位置が正しくない位置ずれ、比較対象部品の種類がCADデータ12に規定する正規の部品とは異なる形状違い等を対象としたチェックを行う。
ここではまず比較対象部品の実装データ14上において、図4にて示す第1ピン5b*以外の他のピン(ここでは第1ピン5b*の対角に位置するピン)の仮想位置情報を算出する(ST9)。すなわち図8に示すように、第1ピン5b*に対応する仮想位置情報である特定点P(1)と同様に、第1ピン5b*の対角に位置するその他のピンに対応する仮想位置情報である特定点P(2)を設定する。そして上記2つのピンの仮想位置情報とCADデータ上の位置情報とを比較する(ST10)。すなわち、CADデータ12において第1ピンの位置情報である領域R(1)と同様に、対角に位置するその他のピンに対応する位置情報である領域R(2)を設定する。
次いで、第1ピンの位置ずれと上記他のピンの位置ずれ量が一致しているか否かを判断する(ST11)。すなわち、図8に示すように、まず第1のピンについて、領域R(1)に対する特定点P(1)の位置ずれ量D(1)を求める。次いで、他のピンについて領域R(2)に対する特定点P(2)の位置ずれ量D(2)を求める。なお、ここでいう位置ずれ量とは、位置ずれ量の絶対値および位置ずれ方向を含んだ概念である。そしてこのようにして求めた位置ずれ量D(1)、D(2)を比較し、ここで位置ずれ量の絶対値および位置ずれ方向が一致している場合には、比較対象部品の実装位置がずれていると判断して、求められた位置ずれ量に基づいて実装データを修正し(ST12)、処理フローを終了する(ST14)。
これに対し、(ST11)にて位置ずれ量が位置ずれ方向を含めて一致していないと判断された場合には、部品形状違い等、その他のエラーであると判断する。図9は、部品形状違いの場合の位置ずれ量の例を示している。ここでは、CADデータ12に規定された正規部品に対して、実装データ14における比較対象部品のサイズが大きい場合を示している。すなわちこの場合には、第1ピンについて領域R(1)に対する特定点P(1)の位置ずれ量D(1)と、他のピンについて領域R(2)に対する特定点P(2)の位置ずれ量D(2)との位置ずれ方向が反対となっており、求めた位置ずれ量D(1)、D(2)は一致しない。
このような場合には、比較対象部品の実装データ14は、部品形状違い等その他のエラーであると判定し、そのことを管理装置3の表示部15もしくは部品実装装置M1の表示部25に表示してユーザに提示した後に(ST13)、処理フローを終了する(ST14)。
すなわち(ST4)、(ST6)、(ST9)、(ST10)、(ST11)、(ST12)に示す処理ステップでは、比較対象部品が正規の状態でない場合には、実装データ14に含まれる比較対象部品の極性マーク情報14bから比較対象部品の第1ピンとは異なる他のピンの仮想位置情報を算出し、第1ピンの仮想位置情報を予め定められた回転角度(90度)ずつ回転させ、各回転角度において第1ピンの位置情報と比較して比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断し、他のピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータに含まれる比較対象部品の他のピンの位置情報とを比較し、第1ピンの比較結果と他のピンの比較結果とから、比較対象部品の位置ずれの有無を判断するようにしている。
上記説明したように、本実施の形態に示す実装データの作成方法では、部品実装に用いられる実装データ14に含まれる比較対象部品の極性マーク情報14bから、比較対象部品において極性マーク情報14bに関連づけて定義された第1ピンの仮想位置情報を算出し、第1ピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータ12に含まれる比較対象部品の第1ピンの位置情報とを比較し、比較した結果から実装データ14に含まれる比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断するようにしている。
これにより、従来技術において試打ちの結果またはガーバーデータを取得して表示させた画面を目視により判定する実装データの正誤確認における問題点、すなわち、試打ちのための準備作業やガーバーデータを取得して表示させる作業など、作業者に負荷が大きい煩雑な作業が不要となるとともに、目視判定では不可避であったデータエラーのチェックもれを大幅に排除することが可能となっている。
また(特許文献2)に示す先行技術においては、NCデータ作成者が実際の部品の極性マーク象限情報を識別してNCデータ作成用のコンピュータに入力し、部品のCADデータに含まれる1番ピン位置情報から算出した極性マーク象限情報と入力された極性マーク象限情報とを比較するようにしている。このため、装着角度情報の補正の要否判断には、極性マーク象限情報を演算により算出することが必須であるが、本実施の形態に示す例においては、基板設計のCADデータに含まれる第1ピンの位置情報をそのまま用いていることから、演算過程におけるエラー等が介在する可能性がきわめて低く、高い信頼性の判定結果が得られるという利点がある。すなわち本実施の形態に示す実装データ作成方法によれば、作成された実装データの正誤確認を簡便な方法でチェックもれなく自動化することができる。
本発明の実装データ作成方法は、作成された実装データの正誤確認を簡便な方法でチェックもれなく自動化することができるという効果を有し、部品実装作業に使用される実装データを作成する分野において有用である。
1 部品実装システム
4 実装ヘッド
5 部品
5c 部品センタ
5b* 第1ピン
6 基板
7 部品実装位置
7b 実装点
7a* 第1電極
M 極性マーク
R 領域
P 特定点

Claims (2)

  1. 部品実装に用いられる実装データに含まれる比較対象部品の極性マーク情報から、前記比較対象部品において前記極性マーク情報に関連づけて定義された第1ピンの仮想位置情報を算出し、
    前記第1ピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータに含まれる前記比較対象部品の第1ピンの位置情報とを比較し、
    比較した結果から前記実装データに含まれる前記比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断
    前記比較対象部品が正規の状態でない場合には、前記実装データに含まれる比較対象部品の極性マーク情報から前記比較対象部品の前記第1ピンとは異なる他のピンの仮想位置情報を算出し、
    前記他のピンの仮想位置情報と基板設計に用いられるCADデータに含まれる前記比較対象部品の他のピンの位置情報とを比較し、
    前記第1ピンの比較結果と前記他のピンの比較結果とから、前記第1ピンの位置ずれ量と前記他のピンの位置ずれ量とが一致しているか否かを判断し、
    前記第1ピンの位置ずれ量と前記他のピンの位置ずれ量とが方向を含めて一致している場合には、前記比較対象部品の実装位置がずれていると判断し、前記位置ずれ量に基づいて前記実装データを修正する、実装データ作成方法。
  2. 前記比較対象部品が正規の状態でない場合には、前記第1ピンの仮想位置情報を予め定められた回転角度ずつ回転させ、各回転角度において前記第1ピンの位置情報と比較して前記比較対象部品が正規の状態にあるか否かを判断し、
    正規の状態にあると判断された回転角度だけ前記実装データの比較対象部品を回転補正する、請求項1に記載の実装データ作成方法。
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