JP6393556B2 - 排水用側溝の改修方法および改修用蓋ブロック - Google Patents
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Description
高速道路の排水用側溝は断面円形の水路101をもつ円形側溝100が多く用いられている。円形の水路101の真上には細幅の取水溝102が形成されており側溝長手方向に延びている。
側溝100自体はコンクリート製で内部に補強鉄筋103が入っている。この円形側溝100は基礎110の上に設置されている。円形側溝100の上面は路肩部121(図中左側)と車道路面部122(図中右側)の高さに揃えられている。なお、Gはガードレールを示している。
しかるに、この従来技術は、断面U形のU形側溝の改修方法であるので、断面形状が異なる円形側溝の改修にそのまま適用することはできない。
第2発明の排水用側溝の改修方法は、第1発明において、前記縦切り工程の前に、前記導水溝に前記縦切り工程で生じる左右両側の廃棄部の落下を防止する固定金具を取付ける準備工程を実施することを特徴とする。
第3発明の排水用側溝の改修方法は、第1または第2発明において、前記改修ブロック形成工程の実施後に、仮蓋を側壁高さの低い改修ブロックに取付ける仮蓋設置工程を実施し、前記蓋設置工程の実施直前に前記仮蓋を取り除くことを特徴とする。
第4発明の排水用側溝の改修方法は、第1または第2発明において、前記縦切り工程が、縦向きに取付けられた丸のこを備えた縦切り切断機を、前記排水用側溝の長手方向に沿って走行させながら、前記丸のこを回転させつつ前記側溝ブロックに切り込ませることを特徴とする。
第5発明の排水用側溝の改修方法は、第4発明において、前記縦切り工程が、1台の縦切り切断機を用い、前記円形水路における路肩側端部を先に縦切りし、ついで路面側の端部を縦切りすることを特徴とする。
第6発明の排水用側溝の改修方法は、第4発明において、前記縦切り工程が、2台の切断機を用い、前記円形水路における幅方向両端部での縦切りを同時に行うことを特徴とする。
第7発明の排水用側溝の改修方法は、第4、第5または第6発明において、前記縦切り工程における左右両側の縦切りが略垂直に切り込みを入れて実行することを特徴とする。
第8発明の排水用側溝の改修方法は、第4、第5または第6発明において、前記縦切り工程における左右両側の縦切りが、上端が外側に下端が内側に傾斜させた切り込みを入れて実行することを特徴とする。
第9発明の排水用側溝の改修方法は、第1発明において、前記横切り工程が、横向きに取付けられた丸のこを備えた横切り切断機を、前記排水側溝ブロックの長手方向に沿って走行させながら、前記丸のこを回転させつつ前記側壁に切り込ませることを特徴とする。
第10発明の排水用側溝の改修方法は、第9発明において、前記横切り工程が、1台の横切り切断機を用い、前記左右の側壁を順に切断していくことを特徴とする。
第11発明の排水用側溝の改修方法は、第9発明において、前記横切り工程が、2台の横切り切断機を用い、前記左右の側壁を同時に切断していくことを特徴とする。
第12発明の排水用側溝の改修方法は、第10または第11発明において、前記横切り工程が、前記改修ブロック内に取付けたレール上を走行する横切り切断機を用いることを特徴とする。
第2発明によれば、縦切りしたとき水路上方の廃棄部が水路内に落下しようとするが、予め固定金具を取付けておくことで落下を防止できるので、縦切りを最後まで確実に行え、かつ廃棄部を回収する手間を少なくできる。
第3発明によれば、本来の蓋を取付ける前に仮蓋を置くので、工事中に作業員が水路内に足をすべり込ませる等の事故を防止できる。
第4発明によれば、縦切り切断機を用いることで、機械力で縦切り作業を行えるので、能率よく短時間で縦切り工程を実施できる。
第5発明によれば、1台の縦切り切断機のみを用いて2カ所の縦切りを順次行うので、施工費が安価となる。
第6発明によれば、2台の縦切り切断機で同時併行で2カ所の縦切りを行うので、施工が高能率に行える。
第7発明によれば、縦切りを略垂直に行うには、縦切り切断機を略水平な通常の姿勢で走行させればよいので、作業が簡単に行える。
第8発明によれば、縦切りによる切り込みが逆ハ字状の斜めになるので、切断完了しても左右両側の廃棄部が固定金具を取付けている限り、水路内に落下しないので、除去作業が容易に行え、後工程の改修ブロック形成工程に早く移行できる。
第9発明によれば、横切り切断機を用いることで、機械力で横切り作業を行えるので、能率よく短時間で横切り工程を実施できる。
第10発明によれば、1台の横切り切断機のみを用いて2カ所の横切りを順次行うので、施工費が安価となる。
第11発明によれば、2台の横切り切断機で、同時併行で2カ所の横切りを行うので、施工が高能率に行える。
第12発明によれば、レールはU字側溝内に取付けられることで、U字側溝とレールは同心状態になっており、そのレール上を走行する横切り切断機はU字側溝の両側壁に対する間隔を同一寸法に維持できるので、切り残しを生じさせることなく横切り作業を確実に行うことができる。
本発明は、道路に埋設された排水用側溝の改修方法である。とくに、本発明が適用される排水用側溝は、内部に断面円形の円形水路が形成されており、上部に導水溝が形成された円形側溝である。この円形側溝は、円形水路が側溝ブロック内に形成されており、かつ円形水路の上方であって、側溝ブロックの幅方向中央位置に、側溝ブロック長手方向に延びる導水溝が形成されたものである。
本発明は、円形側溝の傷んだ上部を除去し、使用に耐える下部を残し、新たな排水用側溝に補修する改修方法である。
準備工程I
縦切り工程II
除去工程III
仮水路形成工程IV
仮蓋設置工程V
横切り工程VI
改修ブロック形成工程VII
蓋設置工程VIII
以下、工程順に説明する。
準備工程Iは、縦切り工程IIの前に、水路上方の廃棄部の落下を防止する固定金具を取付ける工程である。
図2の(I)に示す改修対象側溝100(この側溝は図15で説明した古い傷んだ円形側溝である)において、円形水路101の上方であって、円形水路101と同じ幅をもつ領域1a,1bが後工程で切除されて廃棄される廃棄部1a、1bである。この廃棄部1a、1bにはハッチングを施している。
最初の準備工程Iでは、左右の廃棄部1a、1bの間の導水溝102内に固定金具2を取付ける。固定金具2は、左右の廃棄部1a、1bが縦切り工程完了の後に円形水路101内に落下しないようにするため用いられる金具である。
この固定金具2は、たとえば、側面視L字形の当て金21を2枚用い、2枚の当て金21,21の間をボルト・ナット式間隔調整具22で突張らせて固定するものなどが用いられる。なお、このような形式にこだわらず、廃棄部1a,1bの落下を防止できるのなら、どのような金具を用いてもよい。
図2のIIに示すように、前記円形水路101の幅方向両端位置で、水路上方の廃棄部1a,1bを切り離すように縦方向に切断する縦切り工程IIを実行する。
この実行には、後述する縦切り切断機3等の丸のこ31を回転させて縦方向に切り込むことによって行う。この縦切りは、丸のこ31の縦の切り込みだけでなく、側溝長手方向への切り込みも併せ行う。そうすることによって、側溝長手方向(図2の紙面に直角な方向)に長く延びる側溝100の廃棄部1a,1bを切断することができる。なお、丸のこ31によってブロック内部の鉄筋103も切断する。この縦切り工程IIの間、左右両側の廃棄部1a,1bは固定金具2で保持されているので、廃棄部1a,1bが勝手に落下することがなく、廃棄部1a,1bが剥がれて脱落することも防止できるので、改修後の側溝に荒れた割れ肌面が残ることもない。
丸のこ31を用いた縦切り切断機の構造にとくに制限はないが、好ましい縦切り切断機の例は後述する。
図3のIIIに示すように、前記縦切り工程IIで切られた水路上方の廃棄部1a,1bを除去する。この際、前もって取付けておいた固定金具2をゆるめるか取り外した後、左右の廃棄部1a,1bをまとめて吊り上げれば、廃棄部1a,1bが水路内に落下することなく、容易に上方に取り出すことができる。
図3のIVに示すように、不要な廃棄部1a,1bを除去すれば、元々は断面円形であった水路は断面U字形の仮水路4となる。仮水路4の両側面、すなわち丸のこ31による切断面は、要すれば、仕上げセメントを塗るとか、含浸系表面保護材などの表面仕上げをするとよい。この工程IVを断面U字形の仮水路4を形成する仮水路形成工程IVという。
前記工程IVで得られた仮水路4は上方空間が空いているので、図3のVに示すように、仮蓋5を設置することがある。仮蓋5は鉄板製等の取扱い容易なものが好ましい。この仮蓋設置工程Vの実施は任意であり、次工程の横切り工程VIの実施までに時間があくような場合に実施すると、作業員が水路内に足をすべり込ませたり、施工用具を落下させることがないので好都合である。
図4のVIに示すように、前記仮水路形成工程Vで得られた改修対象側溝100の左右の側壁6,6の上方部分を横方向に切断する横切り工程を実施する。左右側壁の上方部分6a,6bは廃棄される廃棄部6a,6bであり、この部分にはハッチングを施している。この工程の横切りは後述する横切り切断機7の丸のこ71を用いて切断する。横切り切断機7の詳細は後述する。
図4のVIIに示すように、横切り工程VIで切られた側壁上方の廃棄部6a,6bを除去すると、側壁6の高さが低い改修ブロックBに仮形成することができる。この工程を、改修ブロック形成工程VIIという。
図4のVIIIに示すように、前記改修ブロック形成工程VIIで得られた側壁高さの低い改修ブロックBに蓋ブロックCを載せて固定する蓋設置工程VIIIが実施される。この工程の実施により円形側溝だった改修前側溝100は、断面U字形の水路9を有するU字側溝に改修された排水用側溝Aとなる。蓋ブロックCの詳細は後述する。
((縦切り工程の詳細))
前記縦切り工程IIでは、図5に示す縦切り切断機3を用いるのが好ましい。この縦切り切断機3は、丸のこ31を支持し回転させる回転軸32およびモータ等の駆動源と、丸のこ31の切り込み深さを調整する調整機構と、道路上を走行する車輪33および走行駆動源たる原動機などを備えている。この縦切り切断機3を走行させながら、適宜の切り込み深さで丸のこ31を回転させると、縦切りが行える。
この縦切り切断機3を用いることで、機械力で縦切り作業を行えるので、能率よく短時間で縦切り工程を実施できる。
垂直切り込みは略垂直に切り込みを入れて実行する。図2(II)に示すように、丸のこ31の切り込み角θが側溝ブロック上面に対し90°のものである。このように縦切りを略垂直に行うには、縦切り切断機3を略水平な通常の姿勢で走行させればよいので、作業が簡単に行える。
つぎに、横切り工程VIで用いる横切り切断機7を図9〜図11に基づき説明する。
横切り切断機7は、丸のこ71を備え、この丸のこ71を回転させるモータ等の駆動源と、丸のこ71を水平面内で揺動させる揺動アーム72およびその駆動源と、走行車輪73とその駆動源を機体74に備えている。走行車輪73は後述するレール8の側面に当った状態で転動するサイドローラである。
この横切り切断機7はレール走行型であり、レール8に沿って走行するタイプである。
連結部82の連結構造は任意でよいが、直列連結したときの連結角度を任意に変更できるようにしておけば曲がった改修対象側溝にでも使用できるので好ましい。
図11に示すように、左右の突張り片83,83を間隔調整体84で突張らせると、仮水路4内にレール8を固定できる。そして、レール8に横切り切断機7の走行車輪73を沿わせてセットすると、横切り切断機7はレール8上を走行することができる。
図9および図11に示すように、丸のこ71を回転させながら揺動アーム72を揺動させて切り込み深さを調整し、レール8に沿って走行させると、改修対象側溝100の側壁上部を横切りすることができる。図11は向かって左側の側壁6の上部を切断している状況を示している。揺動アーム72を図示とは反対側に揺動させると向かって右側の側壁6の上部を切断することができる。
上記のように、横切り切断機7を用いれば、機械力で横切り作業を行えるので、能率よく短時間で横切り工程VIを実施できる。
(第1実施形態)
図1(B)に示す蓋ブロックC1は、改修対象の側溝ブロックの改修に使用される蓋ブロックであって、高さが低くなるように側壁上部が切断された改修ブロックBの上面に載せられるブロックである。この蓋ブロックC1は厚さが50〜200mm位の板状体であり、紙面に直角な方向に1〜3m程度延びるコンクリート製のブロックである。また、2枚のブロック体11,11が3ヵ所の連結部12で互いに結合されており、2枚のブロック体11,11の間には導水溝13が形成されている。
各ブロック体11,11の長手方向両端部にはアンカー孔14が形成されている。このアンカー孔14は、改修ブロックB側に植設されたアンカー筋15を通しておいて、モルタル等を注入して固定するための孔である。
図13(B)に示す蓋ブロックC2も、側壁上部が切断された改修ブロックBの上面に載せられるブロックである。この蓋ブロックC2は厚さが50〜200mm位の板状体であり、紙面に直角な方向に1〜3m程度延びるコンクリート製のブロックである。また、2枚のブロック体11,11からなるが、別体のままであり、連結されていない。2枚のブロック体11,11の間は導水溝13となっている。
各ブロック体11,11の長手方向両端部にはアンカー孔16が形成されている。このアンカー孔16は、改修ブロックB側に植設されたアンカーボルト17を通しておいて、ナット等で締め付けるための座付き孔である。
図14(B)に示す蓋ブロックC3も、側壁上部が切断された改修ブロックBの上面に載せられるブロックである。この蓋ブロックC3は、紙面に直角な方向に1〜3m程度延びるコンクリート製のブロックであり、2本のブロック体11,11からなる。2本のブロック体11,11は別体のままであり、連結されておらず、間は導水溝13となっている。
各ブロック体11の断面形状は四角形断面の一角を略円形に切り欠いた形状となっている。このため、図14(A)に示すように、改修ブロックB上に設置したとき、略円形の水路9ができるようになっている。
各ブロック体11,11の長手方向両端部にはアンカー孔16が形成されている。このアンカー孔16は、改修ブロックB側に植設されたアンカーボルト17を通しておいて、ナット等で締め付けるための座付き孔である。
B 改修ブロック
C 蓋ブロック
2 固定金具
3 縦切り切断機
4 仮水路
6 側壁
7 横切り切断機
8 レール
9 改修された水路
31 丸のこ
36 踏み板
71 丸のこ
Claims (12)
- 道路に埋設された排水用側溝の改修方法であって、
前記排水用側溝は、内部に断面円形の円形水路が形成されており、該円形水路の上方であって側溝ブロックの幅方向中央位置に、側溝ブロック長手方向に延びる導水溝が形成されている側溝ブロックであり、
前記円形水路の幅方向両端位置で、水路上方のブロック部を縦方向に切断する縦切り工程と、
前記縦切り工程で切られた水路上方の廃棄部を除去して断面U字形の水路に仮形成する仮水路形成工程と、
前記仮水路形成工程で得られた側溝ブロックの左右の側壁の上方部分を横方向に切断する横切り工程と、
前記横切り工程で切られた側壁上方の廃棄部を除去して側壁高さの低い改修ブロックに仮形成する改修ブロック形成工程と、
前記改修ブロック形成工程で得られた側壁高さの低い改修ブロックに蓋ブロックを載せて固定する蓋設置工程とを順に実行する
ことを特徴とする排水用側溝の改修方法。 - 前記縦切り工程の前に、前記導水溝に前記縦切り工程で生じる左右両側の廃棄部の落下を防止する固定金具を取付ける準備工程を実施する
ことを特徴とする請求項1記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記改修ブロック形成工程の実施後に、仮蓋を側壁高さの低い改修ブロックに取付ける仮蓋設置工程を実施し、前記蓋設置工程の実施直前に前記仮蓋を取り除く
ことを特徴とする請求項1または2記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記縦切り工程が、
縦向きに取付けられた丸のこを備えた縦切り切断機を、前記排水用側溝の長手方向に沿って走行させながら、前記丸のこを回転させつつ前記側溝ブロックに切り込ませる
ことを特徴とする請求項1または2記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記縦切り工程が、1台の縦切り切断機を用い、前記円形水路における路肩側端部を先に縦切りし、ついで路面側の端部を縦切りする
ことを特徴とする請求項4記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記縦切り工程が、2台の切断機を用い、前記円形水路における幅方向両端部での縦切りを同時に行う
ことを特徴とする請求項4記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記縦切り工程における左右両側の縦切りが略垂直に切り込みを入れて実行する
ことを特徴とする請求項4、5または6記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記縦切り工程における左右両側の縦切りが、上端が外側に下端が内側に傾斜させた切り込みを入れて実行する
ことを特徴とする請求項4、5または6記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記横切り工程が、横向きに取付けられた丸のこを備えた横切り切断機を、前記排水側溝ブロックの長手方向に沿って走行させながら、前記丸のこを回転させつつ前記側壁に切り込ませる
ことを特徴とする請求項1記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記横切り工程が、1台の横切り切断機を用い、前記左右の側壁を順に切断していく
ことを特徴とする請求項9記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記横切り工程が、2台の横切り切断機を用い、前記左右の側壁を同時に切断していく
ことを特徴とする請求項9記載の排水用側溝の改修方法。 - 前記横切り工程が、前記U字側溝内に取付けたレール上を走行する横切り切断機を用いる
ことを特徴とする請求項10または11記載の排水用側溝の改修方法。
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