JP6391419B2 - 覆工コンクリートの施工方法、及び覆工用セントル - Google Patents

覆工コンクリートの施工方法、及び覆工用セントル Download PDF

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Description

本発明は、トンネルの内周面に覆工用のコンクリートを施工する覆工コンクリートの施工方法、及び覆工用セントルに関する。
覆工コンクリートはトンネル掘削坑の内周面に施工される。覆工コンクリートの施工を行う際には、例えば、ガントリ等で支持された馬蹄形の型枠が内周面に設置(押圧・保持)される。この状態でトンネル掘削坑と型枠(フォーム群)との間である打設空間にコンクリートが打設され、その後、コンクリートが乾燥、硬化するまで、所定時間保護(「養生」ともいう)され、その後、フォーム群は脱型されて、ガントリと共に移動する(特許文献1参照)。
打設空間にコンクリートを打設する場合、打設されたコンクリートの重量によってフォーム群に荷重が作用し、トンネルの天端部に配置した天端部フォームが下方に変位したり、側フォームや下端のインバートフォームが内側に変位したりする場合がある。これに対し、例えば、特許文献2には、予想される変位量の分だけフォーム群を予め変位させて設置する、いわゆる「上げ越し」や「広げ越し」を行うことが記載されている(特許文献2参照)。
特開2013−87514号公報 特開2010−163829号公報
上述の通り、覆工コンクリートの打設時にコンクリートの重量により天端部フォームが下方に変位したり、サイドフォームが内側に変位したりすることに対し、例えば、「上げ越し」や「広げ越し」等で対応したとしても、実際には、天端部における荷重が特にインバートフォームを支保する支保部材に集中してしまい、その結果、インバートフォームが接する部分の覆工コンクリートに悪影響を与える可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、覆工コンクリートの打設時においてインバートフォームを支保する支保部材の影響で覆工コンクリートの品質低下が生じるのを防止する覆工コンクリートの施工方法、及び覆工用セントルを提供することを目的とする。
本発明は、縮径及び展開可能なフォーム群を備える覆工用セントルを用い、トンネルの内周面に覆工用のコンクリートを施工する覆工コンクリートの施工方法であって、展開したフォーム群と内周面との間に打設空間を形成するようにフォーム群を設置すると共に、複数の支保部材によってトンネルの中心側からフォーム群を支保する設置工程と、複数の支保部材でフォーム群を支保した状態で、打設空間の下端部から天端部にかけてコンクリートを打設する打設工程と、を含み、フォーム群は、最下部に配置されたインバートフォームを備え、複数の支保部材のうち、インバートフォームを支保するインバート支保部材は、水平方向より下向き方向にインバートフォームを支保しており、打設工程では、インバート支保部材による支保長さを縮長する、ことを特徴とする。
インバート支保部材は、水平方向より下向き方向にインバートフォームを支保しているので、打設空間の下端部から天端部にかけてコンクリートを打設する打設工程では、天端部の荷重を受け、インバートフォームには内方に向けた力が作用する。本発明では、天端部の荷重がインバート支保部材に集中的にかかったとしても、インバート支保部材による支保長さを縮長するので、インバート支保部材にかかった過負荷を逃がすことができる。その結果、過負荷に起因して生じるインバート支保部材からインバートフォームへの過度の押圧が抑えられ、従って、インバートフォームが接する覆工コンクリートの品質低下を防止できる。
また、覆工用セントルは、複数の支保部材を有すると共に、フォーム群に対して合体及び分離可能なガントリを更に備え、打設工程の後で、フォーム群を設置した状態のまま、ガントリをフォーム群から分離させて、複数の支保部材を離脱させると共に、打設空間に打設された覆工コンクリートを保護する保護工程を実施すると好適である。ガントリをフォーム群から分離できると、フォーム群による覆工コンクリートの保護(養生)を維持した状態で、別のフォーム群にガントリを合体させて設置工程・打設工程をできるので、工期の短縮・品質の確保の点で有利となる。特に、上記構成では、打設工程においてインバート支保部材にかかる過負荷が支保長さの縮長によって逃がされているので、インバートフォームへの過度の押圧はなく、従って、ガントリを分離させた際にインバートフォームと覆工コンクリートとの間に隙間が生じて品質低下を招来することを回避できる。
また、本発明に係る覆工用セントルは、縮径及び展開可能であり、最下部にインバートフォームを有するフォーム群と、トンネルの内周面とフォーム群との間に打設空間を形成するように展開されたフォーム群を、トンネルの中心側から支保する複数の支保部材と、複数の支保部材のうち、インバートフォームを水平方向より下向き方向に支保しているインバート支保部材による支保長さを縮長させる縮長機構と、を備えていることを特徴とする。
この覆工用セントルを用いて覆工コンクリートを施工する場合、複数の支保部材でフォーム群を支保した状態で、打設空間の下端部から天端部にかけてコンクリートを打設する打設工程を行う。この打設工程において、天端部の荷重がインバート支保部材に集中的にかかったとしても、インバート支保部材による支保長さが縮長することでインバート支保部材にかかった過負荷が逃げる。その結果、過負荷に起因して生じるインバート支保部材からインバートフォームへの過度の押圧が抑えられ、従って、インバートフォームが接する覆工コンクリートの品質低下を防止できる。
更に、この覆工用セントルは、複数の支保部材を有すると共に、フォーム群に対して合体及び分離可能なガントリを備えると好適である。ガントリをフォーム群から分離できると、フォーム群による覆工コンクリートの保護(養生)を維持した状態で、別のフォーム群にガントリを合体させて設置工程・打設工程をできるので、工期の短縮・品質の確保の点で有利となる。
また、縮長機構は、インバート支保部材に連結された可動部を有する油圧ジャッキを備え、この縮長機構は、油圧ジャッキの可動部を後退させて支保長さを縮長させると好適である。インバート支保部材とは別に油圧ジャッキを設けることで、支保長さの縮長機能をインバート支保部材から独立させることができる。その結果、インバート支保部材の着脱や取り回しが容易となり、ガントリとインバートフォームとの合体及び分離作業が楽になって、作業性を向上することが可能となる。
更に、インバート支保部材は機械式ジャッキであると、インバート支保部材とインバートフォームとを連結した際の支保長さの微調整が容易になり、作業性が更に向上する。
本発明によれば、覆工コンクリートの打設時においてインバートフォームを支保する支保部材の影響で覆工コンクリートの品質低下が生じるのを防止できる。
実施形態に係る覆工用セントルを示す正面図である。 覆工セントルの縮長機構及びインバートフォーム支保部材の拡大図である。 インバートフォームをトンネルの内方側(中心側)から見た概略側面図である。 油圧ジャッキの構成を示すブロック図である。 実施形態に係る覆工コンクリートの施工方法の説明図であり、(a)は設置工程及び打設工程を、(b)は保護工程を、(c)は脱型工程を示す説明図である。 実施形態に係る覆工用セントル及び覆工コンクリートの作用及び効果を説明する説明図であり、(a),(b)は従来例を、(c),(d)は実施形態の例を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1及び図2に示される本実施形態に係る覆工用セントル1は、コンクリートの吹き付けが完了したトンネルTの内周面Taに覆工用のコンクリート(以下「覆工コンクリート」)Cを施工する際に使用される。具体的には、内周面Taに沿ってフォーム群2を設置し、設置したフォーム群2と内周面Taとの間に形成される打設空間Aに覆工コンクリートCを打設し、その状態を所定時間維持することで覆工コンクリートCの保護(「養生」ともいう)を行う。なお、トンネルTの軸方向(長さ方向)D(図3参照)は、便宜上、妻型枠等を設置して、覆工コンクリートCを打設する領域を閉鎖領域としている。
覆工用セントル1は、トンネルTの内周面Taに沿うように設置されるフォーム群2と、フォーム群2をトンネルTの中心側から支持すると共に、フォーム群2に対して合体及び分離可能に接続されるガントリ3と、を備えている。
図3に示されるように、フォーム群2は、トンネルTの長さ方向Dに所定幅(1.5m幅)を有するアーチ状のフォームユニット2aをトンネルTの長さ方向Dに複数(例えば、7個)互いに連結し、これを1スパン(例えば、10.5mや12m)として形成されている。なお、フォームユニット2aの幅はこれに限られず、また、フォーム群2の1スパン当たりのフォームユニット2aの個数はこれに限られない。
図1及び図2に示されるように、フォーム群2は、天端フォーム21、側フォーム22、及びインバートフォーム23を備えている。フォーム群2は逆U字状(馬蹄状)で下方が開放されており、トンネルTの天井部分に天端フォーム21が配置され、天端フォーム21の左右の下端に一対の側フォーム22が接合され、各側フォーム22の最下部にそれぞれインバートフォーム23が接合されている。側フォーム22とインバートフォーム23との接続部には、トンネルTの長さ方向Dに沿った複数個所(例えば、6ヶ所や7カ所)にヒンジ構造5が設けられている。
このヒンジ構造5により、インバートフォーム23は側フォーム22に対して揺動可能であり、内側に折り畳むことができる。ここで、インバートフォーム23が開いて側フォーム22に連なっている状態をインバートフォーム23の展開状態といい、逆に折り畳まれている状態をインバートフォーム23の縮径状態という。
インバートフォーム23は、自重にて展開状態をある程度維持可能であり、逆に縮径させる際には別の開閉手段によってインバートフォーム23を引っ張り上げる必要がある。本実施形態では開閉手段として側フォーム22とインバートフォーム23とを接続する油圧ジャッキ6を例示するが、開閉手段としては他にも様々な態様を想定でき、例えば、ワイヤをつないで引っ張り上げるクレーン機構やチェーンブロックなどであってもよい。
ガントリ3は、門形の移動式構台であり、トンネルT内にはガントリ3を案内するレール3aがトンネルTの長さ方向Dに沿って敷設されている。つまり、ガントリ3は、トンネルTの長さ方向(軸方向)Dに移動可能である。ガントリ3は、フォーム群2をトンネルTの中心側から押圧して支保する複数の支保部材4を有している。
支保部材4は、天端フォーム21、側フォーム22、及びインバートフォーム23の各々を支保する天端支保部材41、側支保部材42、及びインバート支保部材43を備えている。天端支保部材41、側支保部材42、及びインバート支保部材43の各々は、左右対称に配置されている。天端支保部材41、側支保部材42、及びインバート支保部材43は、例えば機械式の棒ジャッキであり、基端がガントリ3に連結されると共に、先端が各フォーム群2に連結されている。
天端支保部材41は、鉛直方向に延在しており、一対の側支保部材42は、水平方向に延在している。インバート支保部材43は、ガントリ3からインバートフォーム23側へ向かうに従って鉛直下側へ向かうように、ガントリ3から鉛直下方へ傾斜して延在している。なお、インバート支保部材43は、水平方向より下向き方向にインバートフォーム23を支保していればよく、例えば鉛直下向き方向に延在していてもよい。これら支保部材4は、トンネルTの長さ方向Dに間隔を空けて複数配置されており、例えば1つのフォームユニット2aに1つずつ配されている。なお、1つのフォームユニット2a当たりの支保部材4の個数はこれに限られない。
フォーム群2を設置する際には、ガントリ3がフォーム群2に合体し、支保部材4によってトンネルTの中心側からフォーム群2を支保する。一方、覆工コンクリートCの保護を行う際には、ガントリ3がフォーム群2から分離し、フォーム群2から支保部材4が離脱される。このように、ガントリ3はフォーム群2に対して支保部材4を介して合体し、フォーム群2を支持することが可能であり、覆工コンクリートCの打設時には、コンクリートの重量を支保する機能を担う。
なお、ガントリ3は、支保部材4が直接にフォーム群2に連結されていてもよいし、また、ウォールを介して間接に連結されていてもよい。ウォールとは、フォーム群2の内周面Taの形状に倣い、フォーム群2のトンネルTの中心側に重なるように配置される押圧部材である。ウォールを備えた形態の場合、ガントリ3はウォールによるフォーム群2の押圧を解除することで、フォーム群2から分離可能となる。
図2及び図3に示されるように、ガントリ3は、トンネルTの長さ方向Dに沿って延在する梁部31を有しており、この梁部31に側支保部材42及びインバート支保部材43が連結されている。また、ガントリ3は、インバート支保部材43による支保長さLを縮長させる縮長機構44を有している。本実施形態では、縮長機構44は、油圧ジャッキ45と、リンクバー49とを備えて構成されている。
図2に示されるように、油圧ジャッキ45は、油圧シリンダ51(後述する図4参照)を収容する筒状の本体部46と、本体部46の一端側に設けられたブラケット部47と、本体部46の他端側に進退自在に設けられたピストンロッド(可動部)48と、を有している。油圧ジャッキ45は、例えば、ブラケット部47が設けられた一端側がトンネルTの中心側に配置され、ピストンロッド48が設けられた他端側がトンネルTの内周面Ta側を向くように横設されている。なお、油圧ジャッキ45は、ピストンロッド48がトンネルTの中心側を向くように設けられてもよい。
具体的に説明すると、ブラケット部47は、梁部31に軸支され、ピストンロッド48の先端は、リンクバー49の下端(一端)49aで軸支されており、リンクバー49の上端(他端)49bは、梁部31に軸支されている。リンクバー49は、ピストンロッド48の進退に連動して揺動自在である。
インバート支保部材43の基端には基端側ブラケット43aが接続されており、先端には先端側ブラケット43bが接続されている。基端側ブラケット43aはピストンロッド48に軸支されたユニバーサルブラケットである。また、先端側ブラケット43bはインバートフォーム23のリブに軸支されている。インバート支保部材43は、先端側ブラケット43bがインバートフォーム23に連結された状態において、先端側ブラケット43bを中心として回転可能であり、インバート支保部材43がインバートフォーム23から取り外された状態においては(図5(b)参照)、基端側ブラケット43aを支点として、インバート支保部材43を適宜折りたたむことができる。
上述のリンク機構を有する縮長機構44では、ピストンロッド48を後退させてインバート支保部材43による支保長さLを縮長させることが可能となっている。ここで、支保長さLとは、図2に示されるように、ピストンロッド48の基端に位置する点P1から、インバート支保部材43とインバートフォーム23との連結点P2までの長さである。
本実施形態では、ピストンロッド48の進退方向が水平方向と沿うように油圧ジャッキ45を配置し、ピストンロッド48を内周面Taに向けて前進及び後退自在としている。この状態からピストンロッド48を後退させると、インバート支保部材43の基端側ブラケット43aが引っ張られて後退し、トンネルTの内方側へ変位する(後述する図6(c)参照)。これにより、インバート支保部材43の支保長さLを縮長させることができる。
次に、図4を参照して油圧ジャッキ45の構成を説明する。図4は、油圧ジャッキ45を説明するための油圧回路の一例であるが、油圧ジャッキ45の構成はこの油圧回路に限定されず、様々な態様で実現できる。油圧ジャッキ45は、油圧シリンダ51を有している。油圧シリンダ51の内部は、作動油で満たされており、ピストンロッド48に接続されたピストン52によって第1油室53と第2油室54とに区画されている。ピストンロッド48を進退させる際には、モータ55の動力によって油圧ポンプ56を作動させ、圧力が高められた油圧ポンプ56内の作動油を、方向切替バルブ58を通過させて第1油室53又は第2油室54のいずれか一方に供給する。そして、第1油室53と第2油室54との間の圧力差によってピストンロッド48を進退させる。
本実施形態の油圧ジャッキ45では、ピストンロッド48に所定の大きさ以上の大きさの後退方向への負荷が作用した場合に、ピストンロッド48を後退させて支保長さLを縮長させ、過負荷を逃がすための荷重リリーフ部59が設けられている。荷重リリーフ部59は、逆止弁60と、圧力計61と、電磁比例式のパイロットバルブ62と、パワー増幅器63と、ボリューム部64と、を有している。
この油圧ジャッキ45では、方向切替バルブ58と第1油室53とを接続する流路上に逆止弁60が設けられており、油圧ポンプ56から第1油室53への作動油の供給のみが許容され、第2油室54への供給は規制されている。つまり、通常時にはピストンロッド48の後退方向への移動は規制されており、前進方向への移動のみが許容されている。
この状態でピストンロッド48に後退方向への負荷が作用すると、ピストン52が押圧されて第1油室53と第2油室54との間の圧力差が大きくなる。圧力計61は、この圧力差を計測しており、パイロットバルブ62は、圧力計61が計測した圧力差に従ってバルブ開度を変化させ、第1油室53側から第2油室54側へ流入する作動油の量を変化させる。これにより、第1油室53側から第2油室54側へ作動油が流入した分だけ容積が発生してピストンロッド48が後退する。
圧力差とバルブ開度との対応関係は、パイロットバルブ62にパワー増幅器63を介して接続されているボリューム部64で変更することができる。例えば、第1油室53側から第2油室54側への作動油の流入を開始する圧力差の閾値の大きさ等を変更できる。
この閾値の大きさは、例えば、後述する打設工程においてインバート支保部材43に過負荷がかかったときの圧力差の値とすることができる。これにより、インバート支保部材43に過負荷がかかった場合に、支保長さLを縮長させて過負荷を逃がすことが可能となる。また、圧力差とバルブ開度との対応関係としては、特に限定するものではないが、例えば、上記閾値と現在の圧力差との差分に対してバルブ開度を比例的に増加させてもよい。これにより、連結部50に作用する過負荷の大きさに応じてインバート支保部材43を縮長させることが可能となる。
次に、上述の覆工用セントル1を用いた覆工コンクリートCの施工方法について説明する。図5は、覆工コンクリートCの施工時におけるガントリ3の作動状態を模式的に示している。ここで、トンネル覆工進行方向とは、トンネルTの長さ方向Dに一致するものである。
まず、トンネルT内の所定位置において内周面Taにフォーム群2を設置する設置工程を実施する(図5(a)参照)。トンネルT内の所定位置とは、例えば既に覆工コンクリートCの打設が完了している領域に対して、トンネル覆工進行方向に続く次の領域を意図している。ガントリ3は、この所定位置までフォーム群2を搬送し、既に打設された覆工コンクリートCに連続するようにフォーム群2を内周面Taに対向させて配置すると共に、支保部材4によってトンネルTの中心側からフォーム群2を支保する。これにより、フォーム群2と内周面Taとの間に打設空間Aが形成される。
設置工程が完了した後、打設空間A内に覆工コンクリートCを打設する打設工程を実施する。打設工程では、支保部材4によってフォーム群2を支保した状態で覆工コンクリートCを打設する。打設工程では、打設空間Aの下端部から天端部にかけて覆工コンクリートCを打設する。
打設工程が完了した後、打設空間Aに打設された覆工コンクリートCを保護する保護工程を実施する(図5(b)参照)。保護工程では、フォーム群2を設置した状態のまま、ガントリ3をフォーム群2から分離させて支保部材4を離脱させると共に、打設された覆工コンクリートCが硬化するまで所定時間、覆工コンクリートCを保護する(養生する)。
フォーム群2から分離されたガントリ3は、トンネル覆工進行方向に対して逆方向に移動し、一つ前の施工において保護工程まで完了した覆工コンクリートCの位置まで戻る。ここで、ガントリ3は、覆工コンクリートCの保護のために設置されていた別のフォーム群2に合体され、フォーム群2を覆工コンクリートCから脱型させる脱型工程を実施する(図5(c)参照)。
一般に、このような施工方法では、覆工コンクリートの打設時において打設した覆工コンクリートの重量が支保部材にかかる。この荷重は特に最下部のインバート支保部材に集中し易いため、インバート支保部材に過負荷がかかってしまう場合がある。この荷重をそのまま受け、インバート支保部材でインバートフォームを突っ張ると、インバート支保部材によってインバートフォームが過度に押圧された状態となり、インバートフォームが接する覆工コンクリートの品質低下を引き起こす可能性がある。特に、保護工程でインバート支保部材を離脱させた際に、インバートフォームが設置工程で設置された位置よりもトンネルの内方側へ変位し、インバートフォームが接する覆工コンクリートとインバートフォームとの間に僅かながら隙間が生じてしまう可能性がある。その結果、インバートフォームが接する部分の覆工コンクリートに悪影響が及ぼされる可能性が高くなる。
これに対し、本実施形態では、上述した縮長機構44を備えており、覆工コンクリートCの打設時においてインバート支保部材43に過負荷がかかった場合に、その過負荷の大きさに応じてピストンロッド48を後退させてインバート支保部材43の支保長さLを縮長させる。これにより、インバート支保部材43にかかる過負荷を逃がすことができ、その結果、過負荷に起因して生じるインバート支保部材43からインバートフォーム23への過度の押圧が抑えられ、インバートフォーム23が接する覆工コンクリートCの品質低下を効果的に防止できる。
また、トンネルTの底面は、掘削時に均して平坦にした地盤面であり、比較的強度が弱い。このため、例えば、図6(a)に示されるように、覆工コンクリートCの打設重量の増加に起因して、ガントリが下方へ沈むように変位する場合がある。この場合、インバート支保部材143の基端部143aの連結位置が下方へ変位することで、インバート支保部材143の先端部143bはインバートフォーム123を内周面Ta側へ押圧する。図6(a)では、変位前のガントリ本体側の梁部131及びインバート支保部材143の位置が破線で示されている。この点は後述する図6(c)についても同様である。
覆工コンクリートCの打設重量の増加によってインバート支保部材143に過負荷がかかった場合、図6(a)に示されるように、インバートフォーム123が設置工程で設置された位置よりも内周面Ta側へ僅かながら変位してしまうおそれがある。この場合、図6(b)に示されるように、保護工程でインバート支保部材143を離脱させてインバートフォーム123が本来の設置位置に戻った際に、打設した覆工コンクリートCとインバートフォーム123との間に隙間Sが生じてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上述した縮長機構44を備えており、覆工コンクリートCの打設時においてインバート支保部材43に過負荷がかかった場合に、図6(c)に示されるように、ピストンロッド48を後退させてインバート支保部材43の支保長さLを縮長させる。これにより、インバート支保部材43にかかる過負荷を逃がすことができる。その結果、過負荷に起因して生じるインバート支保部材43からインバートフォーム23への過度の押圧が抑えられ、インバートフォーム23が接する覆工コンクリートCの品質低下を防止できる。なお、図6では、理解を容易にするためにガントリ3の変位量や隙間Sの大きさ、ピストンロッド48の後退量を誇張して示しているが、隙間Sの大きさは例えば数mm〜数cm程度と極めて小さく、ピストンロッド48の後退量も例えば数mm〜数cm程度と極めて小さい。
なお、フォーム群2を離脱させたガントリ3は、トンネル覆工進行方向に移動し、保護工程を実施しているフォーム群2の下方を抜けて次の打設予定位置まで移動し、この位置において、再び設置工程、打設工程、保護工程を実施する。その後、ガントリ3は、先ほど、通り抜けた一つ前の施工位置まで戻り、保護工程が完了したフォーム群2と合体し、上述同様に、脱型工程を実施する。その後、トンネル覆工進行方向に移動して上述の各工程を繰り返し実施する。
上述の施工方法は、テレスコピック方式と称することができる。テレスコピンク方式では、覆工コンクリートCをユニットごとに順番に施工する場合に、一つ前のユニットの保護工程を実施している間に、次のユニット施工の設置工程、及び打設工程を実施でき、覆工コンクリートCの施工時の施工効率化を実現できる。また、一方のユニットの保護工程の間に、他方の設置工程、及び打設工程を実施するので、保護工程、つまり打設された覆工コンクリートCの保護(養生)の継続時間を十分にとることができ、覆工コンクリートCの高品質化に有利である。
なお、本実施形態に係る覆工用セントル1を用いた覆工コンクリートCの施工方法としては、上述のテレスコピック方式ではなく、ノンテレスッコピック方式、つまり、一つのユニットにおいて設置工程、打設工程、保護工程、及び脱型工程を実施した後に、次のユニットの設置工程、打設工程、保護工程、及び脱型工程を実施するような施工方法であってもよい。
以上説明したように、インバート支保部材43は、水平方向より下向き方向にインバートフォーム23を支保しているので、打設空間Aの下端部から天端部にかけて覆工コンクリートCを打設する打設工程では、天端部の荷重を受け、インバートフォーム23にはトンネルTの内方に向けた力が作用する。本実施形態の覆工用セントル1、及び覆工コンクリートCの施工方法によれば、打設工程において、特にトンネルTの天端部における覆工コンクリートCの荷重がインバート支保部材43に集中的にかかったとしても、インバート支保部材43による支保長さLを縮長するので、インバート支保部材43にかかった過負荷を逃がすことができる。その結果、過負荷に起因して生じるインバート支保部材43からインバートフォーム23への過度の押圧が抑えられ、従って、インバートフォーム23が接する覆工コンクリートCの品質低下を防止できる。
また、覆工用セントル1は、複数の支保部材4を有すると共に、フォーム群2に対して支保部材4を介して合体及び分離可能なガントリ3を更に備えている。ガントリ3をフォーム群2から分離できると、フォーム群2による覆工コンクリートCの保護(養生)を維持した状態で、別のフォーム群2にガントリ3を合体させて設置工程・打設工程をできるので、工期の短縮・品質の確保の点で有利となる。特に、本実施形態では、打設工程においてインバート支保部材43にかかる過負荷が支保長さLの縮長によって逃がされているので、インバートフォーム23への過度の押圧はなく、従って、ガントリ3を分離させた際にインバートフォーム23と覆工コンクリートCとの間に隙間が生じて品質低下を招来することを回避できる。
また、縮長機構44は、インバート支保部材43に連結されたピストンロッド48を有する油圧ジャッキ45を備え、この縮長機構44は、油圧ジャッキ45のピストンロッド48を後退させて支保長さLを縮長させる。インバート支保部材43とは別に油圧ジャッキ45を設けることで、支保長さLの縮長機能をインバート支保部材43から独立させることができる。その結果、インバート支保部材43の着脱や取り回しが容易となり、ガントリ3とインバートフォーム23との合体及び分離作業が楽になって、作業性を向上することが可能となる。
また、インバート支保部材43が機械式ジャッキであることから、インバート支保部材43とインバートフォーム23とを連結した際の支保長さLの微調整が容易になり、作業性が更に向上している。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記実施形態では、油圧ジャッキ45のピストンロッド48を後退させることで支保長さLを縮長させる例を説明したが、例えばインバート支保部材43自身の長さを縮長させることで支保長さLを縮長させてもよい。この場合、縮長機構44を省略して部品点数を削減することができる。
1…覆工用セントル、2…フォーム群、3…ガントリ、4…支保部材、23…インバートフォーム、43…インバート支保部材、44…縮長機構、45…油圧ジャッキ、48…ピストンロッド(可動部)、A…打設空間、C…覆工コンクリート、L…支保長さ、T…トンネル、Ta…内周面。

Claims (6)

  1. 縮径及び展開可能なフォーム群を備える覆工用セントルを用い、トンネルの内周面に覆工用のコンクリートを施工する覆工コンクリートの施工方法であって、
    展開した前記フォーム群と前記内周面との間に打設空間を形成するように前記フォーム群を設置すると共に、複数の支保部材によって前記トンネルの中心側から前記フォーム群を支保する設置工程と、
    前記複数の支保部材で前記フォーム群を支保した状態で、前記打設空間の下端部から天端部にかけて前記コンクリートを打設する打設工程と、を含み、
    前記フォーム群は、最下部に配置されたインバートフォームを備え、
    前記複数の支保部材のうち、前記インバートフォームを支保するインバート支保部材は、水平方向より下向き方向に前記インバートフォームを支保しており、
    前記打設工程では、前記インバート支保部材による支保長さを縮長する、ことを特徴とする覆工コンクリートの施工方法。
  2. 前記覆工用セントルは、前記複数の支保部材を有すると共に、前記フォーム群に対して合体及び分離可能なガントリを更に備え、
    前記打設工程の後で、前記フォーム群を設置した状態のまま、前記ガントリを前記フォーム群から分離させて、前記複数の支保部材を離脱させると共に、前記打設空間に打設された前記覆工コンクリートを保護する保護工程を実施することを特徴とする請求項1記載の覆工コンクリートの施工方法。
  3. 縮径及び展開可能であり、最下部にインバートフォームを有するフォーム群と、
    トンネルの内周面と前記フォーム群との間に打設空間を形成するように展開された前記フォーム群を、前記トンネルの中心側から支保する複数の支保部材と、
    前記複数の支保部材のうち、前記インバートフォームを水平方向より下向き方向に支保しているインバート支保部材による支保長さを縮長させる縮長機構と、を備え、
    前記縮長機構は、前記インバート支保部材に連結された可動部を有する油圧ジャッキを備え、前記油圧ジャッキの可動部を後退させて前記支保長さを縮長させることを特徴とする覆工用セントル。
  4. 前記複数の支保部材を有すると共に、前記フォーム群に対して合体及び分離可能なガントリを更に備えることを特徴とする請求項3記載の覆工用セントル。
  5. 前記インバート支保部材は機械式ジャッキであることを特徴とする請求項3又は4記載の覆工用セントル。
  6. 縮径及び展開可能であり、最下部にインバートフォームを有するフォーム群と、
    トンネルの内周面と前記フォーム群との間に打設空間を形成するように展開された前記フォーム群を、前記トンネルの中心側から支保する複数の支保部材と、
    前記複数の支保部材のうち、前記インバートフォームを水平方向より下向き方向に支保しているインバート支保部材による支保長さを縮長させる縮長機構と、を備え、
    前記縮長機構は、前記インバート支保部材に所定の大きさ以上の大きさの後退方向への負荷が作用した場合に、前記支保長さを縮長させることを特徴とする覆工用セントル。
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