JP6390393B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置に関するものである。
従来、車両用操舵装置には、伝達比可変装置を備えたものがある。伝達比可変装置は、ステアリング操作に基づく転舵輪の舵角(転舵角)にモータ駆動に基づく転舵輪の舵角(ACT角という)を上乗せすることにより、ステアリングの舵角(操舵角)と転舵角との間の伝達比、すなわちステアリングギヤ比を可変させる。このような車両用操舵装置には、ステアリング中立近傍において、ステアリングギヤ比がよりクイックな値となるように、操舵角に応じて伝達比可変制御を行なうものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車両用操舵装置は、切り込み操舵時のステアリングギヤ比をステアリング中立近傍においてよりクイックな値とし、切り戻し操舵時のステアリングギヤ比が切り戻し時点の値で一定となるように伝達比可変装置の作動を制御する。このため、ステアリング中立近傍において、切り戻し操舵時のステアリングギヤ比は、その切り込み操舵時のステアリングギヤ比よりもスローな値となり、切り戻し操舵時に違和感を生じさせることがない。
特開2012−228988号公報
通常、上記のような伝達比可変装置は、車両走行中の車速やステアリング操作による操舵角に応じてステアリングギヤ比を変えることにより、低速時のステアリングの良好な取り廻しや中高速時でのステアリング操作の安定感が得られる。このため、ステアリングギヤ比の値は、低速時に大きく、高速時に小さく、またステアリング中立位置から左右のステアリングエンド位置に向かうにしたがって、すなわち操舵角が左右方向に増加するにつれて、例えばステアリングギヤ比が大きくなるように設定されている。
しかしながら、ステアリングエンド近傍からステアリング中立位置方向に切り戻すステアリング操作を行なう際には、操舵角が減少するにつれてステアリングギヤ比が減少していくため、運転者にステアリングが戻り難く感じさせる場合がある。その結果、切り戻し操舵時において運転者に違和感(もたつき感)を生じさせ、操舵フィーリングを低下させるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ステアリングの操舵角または操舵速度に応じてステアリングギヤ比を変化させ、切り戻し操舵時に違和感を生じさせることなく操舵フィーリングを向上できる車両用操舵装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両用操舵装置において、ステアリングギヤ比を変更可能に操舵系の途中に設けられた伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、左右のステアリングエンド近傍において前記ステアリングギヤ比がステアリング中立近傍よりも大きな値となるように、操舵角に基づいて前記伝達比可変装置の作動を制御する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、操舵状態を判定し、前記操舵状態が切り戻し操舵である場合には、前記操舵状態が切り込み操舵である場合より、前記ステアリングギヤ比を大きくするように、前記伝達比可変装置の作動を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、左右のステアリングエンド近傍のステアリングギヤ比がクイックな値に設定されている場合、切り戻し操舵の場合のステアリングギヤ比は切り込み操舵の場合のステアリングギヤ比に比較して大きな値に設定される。このため、切り戻し操舵において運転者に違和感を生じさせることなく、円滑にステアリング中立位置に復帰させることができる。これにより、切り戻し操舵時において操舵フィーリングを向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用操舵装置において、前記制御手段は、切り込み操舵時から切り戻し操舵に移行した場合、または切り戻し操舵時から切り込み操舵に移行した場合には、前記ステアリングギヤ比を変化させないことを要旨とする。
上記構成によれば、切り込み操舵時から切り戻し操舵へ操舵状態が移行した場合、または切り戻し操舵時から切り込み操舵へ操舵状態が移行した場合、移行した時のステアリングギヤ比はその直前の値が維持される。このため、切り戻し操舵、または切り込み操舵に移行した時にステアリングギヤ比が急変するのを抑制することができる。これにより、切り込み操舵、および切り戻し操舵へ移行した時の操舵フィーリングを向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用操舵装置において、前記制御手段は、前記操舵角に基づいて操舵速度を演算する操舵速度演算手段を備え、前記操舵速度が速い場合には、前記操舵速度が遅い場合に比較して、前記ステアリングギヤ比を大きくするように、前記伝達比可変装置の作動を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、操舵角に応じたステアリングギヤ比は、操舵角に基づく操舵速度に応じても変化し、操舵速度が速いほど大きな値に設定される。このため、操舵速度が速い場合でもステアリングギヤ比をクイックにすることにより運転者に違和感を生じさせることなく、円滑にステアリング中立位置に復帰させることができる。これにより、切り込み操舵時、および切り戻し操舵時において操舵フィーリングを向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の車両用操舵装置において、車速を検出する車速検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記ステアリングギヤ比を前記車速に応じて変化させ、前記車速が遅い場合には、前記車速が速い場合に比較して、前記ステアリングギヤ比を大きくするように、前記伝達比可変装置の作動を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、ステアリングギヤ比は、車速と操舵速度とに応じて変化し、車速毎に操舵角に応じたステアリングギヤ比が設定される。車速が遅いほど同じ操舵角に対するステアリングギヤ比は大きくなる。このため、車速が遅い場合でもステアリングギヤ比をクイックにすることにより運転者に違和感を生じさせることなく、円滑にステアリング中立位置に復帰させることができる。これにより、切り込み操舵時、および切り戻し操舵時において操舵フィーリングを向上させることができる。
本発明によれば、ステアリングの操舵角または操舵速度に応じてステアリングギヤ比を変化させ、切り戻し操舵時に違和感を生じさせることなく操舵フィーリングを向上できる車両用操舵装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図。 本発明の第1の実施形態に係る切り込み操舵、および切り戻し操舵におけるステアリングギヤ比の変化を示す図。 切り込み操舵から切り戻し操舵へ、または切り戻し操舵から切り込み操舵へ移行した時のステアリングギヤ比の変化を示す図。 図3のステアリングギヤ比可変制御の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る操舵速度に応じたステアリングギヤ比の変化を示す図。 図5のステアリングギヤ比可変制御の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係る車速、および操舵速度に応じたステアリングギヤ比の変化を示す図。 図7のステアリングギヤ比可変制御の処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、この車両用操舵装置1では、ステアリングホイール(ハンドル)2が運転者により操作されると、ステアリングホイール2に付与された操舵力に基づきステアリングシャフト3が回転する。ステアリングシャフト3は、コラムシャフト4、インターミディエイトシャフト5、およびピニオンシャフト6をそれぞれ連結して構成されている。このうち、ピニオンシャフト6の下端部には、ステアリングシャフト3の回転をラック軸10の軸方向の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構(ギヤボックス)9が連結されている。
そして、ラック軸10の軸方向の直線運動がその両端に連結されたタイロッド11を介してナックル(図示せず)に伝達されることにより、転舵輪12の舵角(以下、転舵角という)、すなわち車両の進行方向が変更されるようになっている。このように、本実施形態では、ステアリングホイール2の回転運動を転舵輪12に伝達する操舵伝達系が、ステアリングシャフト3、ラックアンドピニオン機構9、ラック軸10、およびタイロッド11により構成されている。
一方、この車両用操舵装置1には、ステアリングホイール2の操作量や車両の状態量を検出するための各種センサが設けられている。例えば、コラムシャフト4には、ステアリングホイール2の操作にともないその回転角、すなわちステアリングホイール2の舵角(以下、操舵角という)θsを検出する操舵角センサ14が設けられている。さらに、車両には、車両の速度(以下、車速という)Vを検出する車速センサ(車速検出手段)15が設けられている。
また、本実施形態の車両用操舵装置1は、操舵系の途中のインターミディエイトシャフト5に、ステアリングホイール2の操作量に対する転舵輪12の転舵角の変化量を可変とする伝達比可変装置16が設けられている。本実施形態では、インターミディエイトシャフト5が、コラムシャフト4に連結される第1シャフト7と、ピニオンシャフト6に連結される第2シャフト8とから構成されており、これら第1シャフト7と第2シャフト8との間に伝達比可変装置16が設けられている。この伝達比可変装置16は、第1シャフト7と第2シャフト8とを連結する周知の波動歯車機構からなる差動機構18と、この差動機構18を駆動するモータ17とを備えて構成されている。そして、これら差動機構18およびモータ17からなるアクチュエータが、略有底円筒状に形成されたハウジングの内部に収容される構造を有している。モータ17は、3相のブラシレスモータが使用されている。
伝達比可変装置16は、ステアリングホイール2の操作にともなう第1シャフト7の回転にモータ回転に基づく回転を上乗せして第2シャフト8に伝達する。そして、ラックアンドピニオン機構9に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速または減速することにより、ステアリングホイール2と転舵輪12との間の伝達比を変更可能としている。
操舵角センサ14および車速センサ15の出力は、車載ネットワークを介して伝達比可変装置16の作動を統括的に制御する制御装置(制御手段、以下、ECUという)13に取り込まれている。このECU13は、これらのセンサ14,15の出力に基づいてモータ17の駆動を制御する。すなわち、ECU13は、操舵角センサ14を通じて検出される操舵角θs、および車速センサ15を通じて検出される車速Vに基づいて、第1シャフト7の回転に上乗せする回転量の目標値であるACT指令角を演算する。
また、ECU13は、回転角センサ(図示せず)を通じて検出されるモータ17の回転軸の回転角に基づいて、実際に第1シャフト7に上乗せされている回転量である実ACT角を演算する。そして、ECU13は、実ACT角をACT指令角に追従させるべく、モータ17に流されている電流をフィードバック制御する。これにより、第1シャフト7の回転にモータ17の回転軸の回転が上乗せされて第2シャフト8に伝達され、第1シャフト7と第2シャフト8との間の伝達比、すなわち操舵角θsと転舵角との間の伝達比であるステアリングギヤ比が変更される。
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態に係る車両用操舵装置1によるステアリングギヤ比Rsを設定する処理について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る切り込み操舵、および切り戻し操舵におけるステアリングギヤ比Rsの変化を示す図、図3は、切り込み操舵から切り戻し操舵へ、または切り戻し操舵から切り込み操舵へ移行した時のステアリングギヤ比Rsの変化を示す図である。
図2に示すように、ステアリング中立位置(θs=0)から左右いずれかの方向へ切り込み操舵を行なった場合、切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfは、軌跡L0で示されるようにスローな値から操舵角θsの増加に応じて徐々に増加する。そして、ステアリングエンド近傍においてはクイックな値へと変化する。一方、左右のステアリングエンド位置からステアリング中立近傍へ切り戻し操舵を行なった場合、切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbは、軌跡L1で示されるように切り込み操舵時よりも大きな値で変化してステアリング中立位置を通過する。
また、図3に示すように、切り込み操舵から点P1において切り戻し操舵に移行した場合、ステアリングギヤ比Rsは、軌跡L2(図中、一点鎖線で示す)で示されるようにその直前の値、すなわち切り戻し時点P1で一定となり直線的に移行する。また、切り戻し操舵から点P2において切り込み操舵に移行した場合には、切り込み時点P2の値で一定となり直線的に移行する。
例えば、点P1において切り戻し操舵に移行した場合、本来ステアリングギヤ比Rsは、切り込み操舵時のステアリングギヤ比Rf(軌跡L0)よりも大きな値である切り戻し操舵時のステアリングギヤ比Rb(軌跡L1)へと大きく変化する。このため、ステアリングギヤ比Rsは、操舵角θsが点P2に向かって減少していく場合において一定の値とされている。これにより、ステアリングエンド近傍でクイックとなる場合に、操舵速度ωs(図5参照)に関わらず違和感(もたつき、抵抗感)なく円滑にステアリング中立位置に復帰させることができる。
次に、本実施形態におけるステアリングギヤ比可変制御について説明する。
図4は、図3のステアリングギヤ比可変制御の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す制御ブロック(ステップS401〜S411)は、ECU13のCPU(マイコン、図示せず)が実行するプログラムにより実現され、所定の周期毎に各演算処理が繰り返し実行されることにより伝達比可変装置16のアクチュエータが駆動される。
まず、CPUは現在のステアリングギヤ比Rc、および操舵角θsを読み込む(ステップS401)。
次に、現在のステアリングギヤ比Rcおよび操舵角θsに基づいて切り込み制御か、切り戻し操舵かの判別を行ない、切り込み/切り戻しフラグFsを設定する(ステップS402、切り込み時Fs=1、切り戻し時Fs=0)。
そして、切り込み/切り戻しフラグFsに基づいて切り込み操舵か否かを判定する(ステップS403)。切り込み/切り戻しフラグFsが切り込み操舵でなかった場合(ステップS403:NO、Fs=0)、ステップS408に移行する。
切り込み/切り戻しフラグFsが切り込み操舵であった場合(ステップS403:YES、Fs=1)、切り込み操舵マップ(軌跡L0)に基づいて操舵角θsに対応する切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfを取得する(ステップS404)。
続いて、切り込み操舵時のステアリングギヤ比Rfが現在のステアリングギヤ比Rcより大きいか否かを判定する(ステップS405)。
ステアリングギヤ比Rfが現在のステアリングギヤ比Rcより大きい場合(ステップS405:YES)、通常の切り込み操舵と判断し、ステアリングギヤ比Rsが切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfとなるようにアクチュエータを駆動させ(ステップS406)、フローを抜ける。
一方、ステアリングギヤ比Rfが現在のステアリングギヤ比Rc以下であった場合(ステップS405:NO)、切り戻し操舵から切り込み操舵に移行したと判断し、現在のステアリングギヤ比Rcのままで一定となるようにアクチュエータを駆動させて(ステップS407)、フローを抜ける。
切り込み/切り戻しフラグFsが切り戻し操舵であった場合(ステップS403:NO、Fs=0)、切り戻し操舵マップ(軌跡L1)に基づいて操舵角θsに対応する切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbを取得する(ステップS408)。
続いて、切り戻し操舵時のステアリングギヤ比Rbが現在のステアリングギヤ比Rcより大きいか否かを判定する(ステップS409)。
切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbが現在のステアリングギヤ比Rcより大きい場合(ステップS409:YES)、切り込み操舵から切り戻し操舵に移行したと判断し、現在のステアリングギヤ比Rcのままで一定となるようにアクチュエータを駆動させて(ステップS410)、フローを抜ける。
一方、切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbが現在のステアリングギヤ比Rc以下であった場合(ステップS409:NO)、通常の切り戻し操舵と判断し、ステアリングギヤ比Rsが切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbとなるようにアクチュエータを駆動させて(ステップS411)、フローを抜ける。
以上のように、切り込み操舵から切り戻し操舵へ、または切り戻し操舵から切り込み操舵へと移行した時に直前のステアリングギヤ比Rsの値を維持することによりステアリングギヤ比Rsが大きく変化するのを抑制することができる。
なお、上記の切り込み操舵、および切り戻し操舵時のステアリングギヤ比可変制御において、ステアリングギヤ比Rsの値を車速感応にして設定するようにしてもよい。ステアリングギヤ比Rsの値は、車速Vが速いときに小さく(スロー)、遅いときに大きく(クイック)なる。これにより、例えば減速時に転舵輪12のクイックな動きを抑制することができる。
具体的には(フローチャートは図示せず)、まず、車速Vの変化から車両の加速および減速状態を判断する。切り込み操舵時において、切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfが現在のステアリングギヤ比Rcより大きい場合、通常の加速、減速においてステアリングギヤ比Rsが切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfとなるようにアクチュエータを駆動させる。切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfが現在のステアリングギヤ比Rc以下であった場合には、現在のステアリングギヤ比Rcのままで一定となるようにアクチュエータを駆動させる。切り戻し操舵から移行した後の加速状態であった場合、ステアリングギヤ比Rsを少しずつ小さくする。このため、ステアリングギヤ比Rsを徐々に切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfとなるように変化させることにより、切り戻し操舵時よりもステアリングギヤ比Rsを小さく、転舵輪12の動きをスローにすることができる。
一方、切り戻し操舵時において、切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbが現在のステアリングギヤ比Rcより大きい場合、現在のステアリングギヤ比Rcのままで一定となるようにアクチュエータを駆動させる。切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbが現在のステアリングギヤ比Rc以下であった場合には、通常の加速、減速においてステアリングギヤ比Rsが切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbとなるようにアクチュエータを駆動させる。切り込み操舵から移行した後の減速状態であった場合には、ステアリングギヤ比Rsを少しずつ大きくする。このため、ステアリングギヤ比Rsを徐々に切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbに近づくように変化させることにより、切り込み操舵時よりもステアリングギヤ比Rsを大きく、転舵輪12の動きをスローにすることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用操舵装置1によるステアリングギヤ比Rsを設定する処理について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る操舵速度ωsに応じたステアリングギヤ比Rsの変化を示す図である。
ECU13(図1参照)内に備えられた図示しない演算部(操舵速度演算手段)において、操舵角θsに基づいて操舵速度(角速度)ωsが演算される。図5に示すように、操舵角θsに対するステアリングギヤ比Rsは、操舵速度ωsをパラメータ(矢印実線で示す、例えば、ωs=0〜5rad/s)として変化する。具体的には、ステアリング中立位置(θs=0)から切り込み操舵を行なった場合、ステアリングギヤ比Rsは、スローな値から操舵角θsの増加に応じて徐々に増加してステアリングエンド近傍においてはクイックな値へと変化する。このとき、操舵速度ωsが大きいほどステアリングギヤ比Rsは大きな値となる。ここで、操舵の一例として、切り込み操舵時に操舵速度ωsを徐々に上げていって点P3で切り戻し操舵に移行した後、再び操舵速度ωsを上げていって切り戻し操舵した場合の軌跡を図中、一点鎖線で示す。
次に、本実施形態におけるステアリングギヤ比可変制御について説明する。
図6は、図5のステアリングギヤ比可変制御の処理手順を示すフローチャートである。
なお、以下に示す制御ブロック(ステップS601〜S604)は、ECU13のCPUが実行するプログラムにより実現され、所定の周期毎に各演算処理が繰り返し実行される。
まず、CPUは操舵角θsを読み込む(ステップS601)。
次に、ECU13内の演算部において操舵角θsに基づいて操舵速度ωs(=dθs/dt)を演算する(ステップS602)。
続いて、横軸に操舵角θs、縦軸にステアリングギヤ比RsからなるRs−θs特性マップに基づいて操舵角θsおよびパラメータとしての操舵速度ωsに応じたステアリングギヤ比Rsを取得する(ステップS603)。
そして、所定のステアリングギヤ比Rsとなるようにアクチュエータを駆動させて(ステップS604)、フローを抜ける。
以上のように、操舵速度ωsの値に応じてステアリングギヤ比Rsを変化させ、操舵速度ωsが速いほどステアリングギヤ比Rsを大きくすることにより操舵速度ωsが速い場合においても違和感なく円滑に操舵することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る車両用操舵装置1によるステアリングギヤ比Rsを設定する処理について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る車速V、および操舵速度ωsに応じたステアリングギヤ比Rsの変化を示す図である。
図7に示すように、ステアリングギヤ比Rsの値を車速感応にして、各車速V毎に設定する。操舵角θsに対するステアリングギヤ比Rsは、車速Vに応じて操舵速度ωsをパラメータ(矢印実線で示す)として変化する。具体的には、ステアリング中立位置(θs=0)から切り込み操舵を行なった場合、ステアリングギヤ比Rsは、スローな値から操舵角θsの増加に応じて徐々に増加してステアリングエンド近傍においてはクイックな値へと変化する。このとき、各車速Vにおいて操舵速度ωsが大きいほどステアリングギヤ比Rsは大きな値となる。一方、車速Vが速くなるほど同じ操舵速度ωsにおいてステアリングギヤ比Rsは小さな値となる。例えば、車速Vが10km/hの場合のステアリングギヤ比Rsは、車速Vが0km/hと20km/hとのRs−θsマップから求めたステアリングギヤ比Rsを車速Vの比率で補間して求めることができる。
次に、本実施形態におけるステアリングギヤ比可変制御について説明する。
図8は、図7のステアリングギヤ比可変制御の処理手順を示すフローチャートである。
なお、以下に示す制御ブロック(ステップS801〜S804)は、ECU13のCPUが実行するプログラムにより実現され、所定の周期毎に各演算処理が繰り返し実行される。
まず、CPUは操舵角θsおよび車速Vを読み込む(ステップS801)。
次に、ECU13内の演算部において操舵角θsに基づいて操舵速度ωs(=dθs/dt)を演算する(ステップS802)。
続いて、横軸に操舵角θs、縦軸にステアリングギヤ比RsからなるRs−θs特性マップに基づいて操舵角θs、パラメータとしての操舵速度ωs、および車速Vに応じたステアリングギヤ比Rsを取得する(ステップS803)。
そして、所定のステアリングギヤ比Rsとなるようにアクチュエータを駆動させて(ステップS804)、フローを抜ける。
以上のように、車速Vの値に応じて操舵速度ωsをパラメータとしてステアリングギヤ比Rsを変化させ、車速Vが遅いほどステアリングギヤ比Rsを大きくすることにより車速Vが遅い場合においても違和感なく円滑に操舵することができる。
次に、上記のように構成された本発明の第1〜3の実施形態に係る車両用操舵装置1の作用および効果について説明する。
上記第1の実施形態によれば、左右のステアリングエンド近傍のステアリングギヤ比Rsがクイックな値に設定されている場合、切り戻し操舵の場合の切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rb(軌跡L1)は切り込み操舵の場合の切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rf(軌跡L0)に比較して大きな値に設定される。このため、切り戻し操舵において運転者に違和感を生じさせることなく、円滑にステアリング中立位置(θs=0)に復帰させることができる。これにより、切り戻し操舵時において操舵フィーリングを向上させることができる。
また、切り込み操舵時から切り戻し操舵へ操舵状態が移行した場合、ステアリングギヤ比Rsは、移行した時の切り込み操舵時ステアリングギヤ比Rfの直前の値が維持される。また、切り戻し操舵時から切り込み操舵へ操舵状態が移行した場合には、ステアリングギヤ比Rsは、移行した時の切り戻し操舵時ステアリングギヤ比Rbの直前の値が維持される。このため、切り戻し操舵、または切り込み操舵への移行した時のステアリングギヤ比Rsの急変を抑制することができる。これにより、切り込み操舵、および切り戻し操舵へ移行した時の操舵フィーリングを向上させることができる。
上記第2の実施形態によれば、操舵角θsに応じたステアリングギヤ比Rsは、操舵速度ωsをパラメータとして変化し、操舵速度ωsが速いほど大きな値に設定される。このため、操舵速度ωsが速い場合でもステアリングギヤ比Rsをクイックにすることにより運転者に違和感を生じさせることなく、円滑にステアリング中立位置に復帰させることができる。これにより、切り込み操舵時、および切り戻し操舵時において操舵フィーリングを向上させることができる。
また、第3の実施形態によれば、ステアリングギヤ比Rsは、車速Vと操舵速度ωsとをパラメータとして変化し、車速V毎に操舵角θsに応じたステアリングギヤ比Rsが設定される。車速Vが遅いほど同じ操舵角θsに対するステアリングギヤ比Rsは大きくなる。このため、車速Vが遅い場合でもステアリングギヤ比Rsをクイックにすることにより運転者に違和感を生じさせることなく、円滑にステアリング中立位置に復帰させることができる。これにより、切り込み操舵、および切り戻し操舵時において操舵フィーリングを向上させることができる。
以上のように、本発明の第1〜3の実施形態によれば、ステアリングの操舵角または操舵速度に応じてステアリングギヤ比を変化させ、切り戻し操舵時に違和感を生じさせることなく操舵フィーリングを向上できる車両用操舵装置を提供することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、ステアリングエンド近傍でステアリングギヤ比Rsがクイックな値となる場合について説明したが、これに限らず、ステアリング中立近傍でステアリングギヤ比Rsがクイックな値となる場合に適用してもよい。例えば、操舵角θsに対するステアリングギヤ比Rsが操舵速度ωsに応じて変化する場合、ステアリングギヤ比Rsが最大となるステアリング中立位置(θs=0)から切り込み操舵を行なった場合、ステアリングギヤ比Rsは、クイックな値から操舵角θsの増加に応じて徐々に減少してステアリングエンド近傍においてはスローな値へと変化する。このとき、操舵速度ωsが大きいほどステアリングギヤ比Rsは大きな値となる。
上記実施形態では、横軸を操舵角θs(deg)とし、縦軸をステアリングギヤ比Rs(deg/deg)として表すステアリングギヤ比特性図を用いて転舵角を制御する車両用操舵装置1の特性を説明したが、これに限らず、他の特性図によることもできる。例えば、縦軸を比ストローク(mm/回転、ステアリングホイール2が1回転したときのラック軸10の移動量(mm))として表す比ストローク特性図を用いてもよい。
上記実施形態では、本発明をインタミ搭載タイプ(インターミディエイトシャフト5)の伝達比可変装置16に適用したが、これに限らず、コラム搭載タイプ(コラムシャフト4)やピニオンギヤ一体タイプ(ピニオンシャフト6)の伝達比可変装置に適用してもよい。また、波動歯車タイプの伝達比可変装置16に限らず、ベアリングギヤタイプの伝達比可変装置に適用してもよい。
上記実施形態において、車両用操舵装置1は、伝達比可変装置16に適用したが、これに限らず、ステアリングシャフト3にモータアシスト力を付与する操舵補助機構を備えた電動パワーステアリング装置とともに構成することもできる。ここで、電動パワーステアリング装置は、ギア機構を介してコラムシャフト4に連結されるモータ、およびモータの駆動を制御するEPS制御装置を備えている。また、電動パワーステアリング装置として、ラックアシストタイプやコラムアシストタイプ、ピニオンアシストタイプなどにも適用できる。
1:車両用操舵装置、2:ステアリングホイール、3:ステアリングシャフト、
4:コラムシャフト、5:インターミディエイトシャフト、6:ピニオンシャフト、
7:第1シャフト、8:第2シャフト、9:ラックアンドピニオン機構、
10:ラック軸、11:タイロッド、12:転舵輪、13:ECU、
14:操舵角センサ、15:車速センサ、16:伝達比可変装置、17:モータ、
18:差動機構、
θs:操舵角、ωs:操舵速度、V:車速、Rs:ステアリングギヤ比、
Rf:切り込み操舵時ステアリングギヤ比、Rb:切り戻し操舵時ステアリングギヤ比、Rc:現在のステアリングギヤ比、P1,P2,P3:移行点、
L0,L1,L2:切り込み、切り戻し操舵移行時の軌跡、
Fs:切り込み/切り戻しフラグ

Claims (4)

  1. ステアリングギヤ比を変更可能に操舵系の途中に設けられた伝達比可変装置と、
    前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、左右のステアリングエンド近傍において前記ステアリングギヤ比がステアリング中立近傍よりも大きな値となるように、操舵角に基づいて前記伝達比可変装置の作動を制御する車両用操舵装置であって、
    前記制御手段は、操舵状態を判定し、前記操舵状態が切り戻し操舵である場合には、前記操舵状態が切り込み操舵である場合より、前記ステアリングギヤ比を大きくするように、前記伝達比可変装置の作動を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、切り込み操舵時から切り戻し操舵に移行した場合、または切り戻し操舵時から切り込み操舵に移行した場合には、前記ステアリングギヤ比を変化させないことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記操舵角に基づいて操舵速度を演算する操舵速度演算手段を備え、前記操舵速度が速い場合には、前記操舵速度が遅い場合に比較して、前記ステアリングギヤ比を大きくするように、前記伝達比可変装置の作動を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    車速を検出する車速検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記ステアリングギヤ比を前記車速に応じて変化させ、前記車速が遅い場合には、前記車速が速い場合に比較して、前記ステアリングギヤ比を大きくするように、前記伝達比可変装置の作動を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
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