JPH0777869B2 - 自動車のステアリング装置 - Google Patents
自動車のステアリング装置Info
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- JPH0777869B2 JPH0777869B2 JP16161485A JP16161485A JPH0777869B2 JP H0777869 B2 JPH0777869 B2 JP H0777869B2 JP 16161485 A JP16161485 A JP 16161485A JP 16161485 A JP16161485 A JP 16161485A JP H0777869 B2 JPH0777869 B2 JP H0777869B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車のハンドル舵角に対する車輪舵角の伝
達比(減速比)を変化させ得るようにしたステアリング
装置に関するものである。
達比(減速比)を変化させ得るようにしたステアリング
装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、自動車のステアリング装置は、ステアリングハ
ンドルの回転運動をラックアンドピニオン等のステアリ
ングギヤ装置を介してタイロッドの横方向の変位運動に
変換し、該タイロッドの両端部に連結された左右の操舵
車輪の向きを変化させるものであるが、上記ステアリン
グハンドルの回転量(ハンドル舵角)と車輪のきれ角
(車輪舵角)とは通常、常に一定の対応関係に保持され
ている。しかし、例えば自動車の高速走行時には上記ハ
ンドル舵角に対する車輪舵角の伝達比を大きくして一定
ハンドル舵角に対する車輪舵角の大きさを小さくするこ
とが走行安定性を確保する上で望ましく、一方、低速走
行時には、自動車の挙動を俊敏化させて良好な運転フィ
ーリングを得たり、あるいは車庫入れを容易化する等の
見地から、上記伝達比を逆に小さくして一定ハンドル舵
角に対する車輪舵角を大きくすることが望ましい。
ンドルの回転運動をラックアンドピニオン等のステアリ
ングギヤ装置を介してタイロッドの横方向の変位運動に
変換し、該タイロッドの両端部に連結された左右の操舵
車輪の向きを変化させるものであるが、上記ステアリン
グハンドルの回転量(ハンドル舵角)と車輪のきれ角
(車輪舵角)とは通常、常に一定の対応関係に保持され
ている。しかし、例えば自動車の高速走行時には上記ハ
ンドル舵角に対する車輪舵角の伝達比を大きくして一定
ハンドル舵角に対する車輪舵角の大きさを小さくするこ
とが走行安定性を確保する上で望ましく、一方、低速走
行時には、自動車の挙動を俊敏化させて良好な運転フィ
ーリングを得たり、あるいは車庫入れを容易化する等の
見地から、上記伝達比を逆に小さくして一定ハンドル舵
角に対する車輪舵角を大きくすることが望ましい。
そこで、かかる要求を満たすために、従来、例えば特開
昭58−224852号公報に開示されているように、自動車の
車速に応じて上記のハンドル舵角に対する車輪舵角の伝
達比を変化させるようにした速度感応型のステアリング
装置が提案されている。これは、ステアリングハンドル
とステアリングコラムとの間に、対向する一対の可変ピ
ッチプーリと両プーリ間に巻き掛けられたVベルトとか
らなる変速機構を設けるとともに、被駆動側のプーリの
ピッチ径を車速が上昇するほど大きくなるようにステッ
ピングモータにより制御するようにしたものである。こ
れによれば、ハンドルからステアリングコラムへの回転
伝達比が車速の高速時ほど大きくなり、その結果、一定
のハンドル舵角に対する車輪の転舵角が高速時には小さ
く、低速時には大きくなり、車速に対応した良好なステ
アリング特性が得られることになる。
昭58−224852号公報に開示されているように、自動車の
車速に応じて上記のハンドル舵角に対する車輪舵角の伝
達比を変化させるようにした速度感応型のステアリング
装置が提案されている。これは、ステアリングハンドル
とステアリングコラムとの間に、対向する一対の可変ピ
ッチプーリと両プーリ間に巻き掛けられたVベルトとか
らなる変速機構を設けるとともに、被駆動側のプーリの
ピッチ径を車速が上昇するほど大きくなるようにステッ
ピングモータにより制御するようにしたものである。こ
れによれば、ハンドルからステアリングコラムへの回転
伝達比が車速の高速時ほど大きくなり、その結果、一定
のハンドル舵角に対する車輪の転舵角が高速時には小さ
く、低速時には大きくなり、車速に対応した良好なステ
アリング特性が得られることになる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、例えば自動車の走行中、前方の障害物等を避
けようとして運転者が急激にハンドルを操舵した際、そ
れに応じて車輪舵角を大きく変化させること等ができる
ようにするために、上記ハンドル舵角に対する車輪舵角
の伝達比を車速以外にハンドルの操舵速度に応じても可
変制御するようにすることか考えられる。
けようとして運転者が急激にハンドルを操舵した際、そ
れに応じて車輪舵角を大きく変化させること等ができる
ようにするために、上記ハンドル舵角に対する車輪舵角
の伝達比を車速以外にハンドルの操舵速度に応じても可
変制御するようにすることか考えられる。
しかし、上記のようにハンドル舵角に対する車輪舵角の
伝達比を車速や操舵速度に応じて可変制御する場合、ハ
ンドルの切り時と戻し時とで車速や操舵速度が変化する
と、それに応じてステッピングモータの作動量も変化す
るので、戻し時の伝達比が切り時と異なってハンドルが
元の位置に正確に戻らなくなり、車輪の転舵角が零とな
るハンドル位置が不安定になるという問題が生じる。
伝達比を車速や操舵速度に応じて可変制御する場合、ハ
ンドルの切り時と戻し時とで車速や操舵速度が変化する
と、それに応じてステッピングモータの作動量も変化す
るので、戻し時の伝達比が切り時と異なってハンドルが
元の位置に正確に戻らなくなり、車輪の転舵角が零とな
るハンドル位置が不安定になるという問題が生じる。
本発明は以上の諸点に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、上記のハンドル舵角に対する車輪舵角
の伝達比特性をハンドルの切り時と戻し時とで同じに制
御するようにすることにより、ハンドルの切り時と戻し
時とで車速や操舵速度が変化しても車輪舵角が零となる
ハンドル位置を常に一定に保ち得るようにすることにあ
る。
とするところは、上記のハンドル舵角に対する車輪舵角
の伝達比特性をハンドルの切り時と戻し時とで同じに制
御するようにすることにより、ハンドルの切り時と戻し
時とで車速や操舵速度が変化しても車輪舵角が零となる
ハンドル位置を常に一定に保ち得るようにすることにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明の解決手段は、ステ
アリングハンドルの伝達力をステアリングギヤ装置を介
して車輪に伝達する操舵力伝達経路中に、ハンドル舵輪
に対する車輪舵角の伝達比を変化させる伝達比可変手段
を設けるとともに、この伝達比可変手段を作動制御する
コントローラを設ける。上記伝達比可変手段は例えば遊
星歯車機構や差動歯車機構等と、その歯車機構を作動制
御するステッピングモータ等のアクチュエータとで構成
される。そして、上記コントローラにハンドル操舵時に
おける伝達比可変手段の伝達比を記憶する記憶部を設け
て、コントローラにより上記記憶部からの信号に基づい
てハンドルの戻し時における伝達比可変手段の伝達比特
性をハンドルの切り時の同特性に対応させるように制御
する構成とする。
アリングハンドルの伝達力をステアリングギヤ装置を介
して車輪に伝達する操舵力伝達経路中に、ハンドル舵輪
に対する車輪舵角の伝達比を変化させる伝達比可変手段
を設けるとともに、この伝達比可変手段を作動制御する
コントローラを設ける。上記伝達比可変手段は例えば遊
星歯車機構や差動歯車機構等と、その歯車機構を作動制
御するステッピングモータ等のアクチュエータとで構成
される。そして、上記コントローラにハンドル操舵時に
おける伝達比可変手段の伝達比を記憶する記憶部を設け
て、コントローラにより上記記憶部からの信号に基づい
てハンドルの戻し時における伝達比可変手段の伝達比特
性をハンドルの切り時の同特性に対応させるように制御
する構成とする。
(作用) したがって、本発明では、上記の構成により、自動車の
走行中、コントローラにより伝達比可変手段が作動制御
されて、ハンドル舵角に対する車輪舵角の伝達比がハン
ドルの操舵速度や車速に応じて可変制御される。そし
て、このハンドルの操舵時における伝達比可変手段の伝
達比がコントローラの記憶部により記憶され、この記憶
部の記憶データに基づいてハンドル戻し時の伝達比特性
が切り時と対応するように制御される。このため、ハン
ドルの戻し時の操舵速度や車速がハンドル切り時と異な
っていても両状態でのギヤ比特性は一致し、車輪舵角が
零となるハンドル位置を常に一定に保つことができるこ
とになる。
走行中、コントローラにより伝達比可変手段が作動制御
されて、ハンドル舵角に対する車輪舵角の伝達比がハン
ドルの操舵速度や車速に応じて可変制御される。そし
て、このハンドルの操舵時における伝達比可変手段の伝
達比がコントローラの記憶部により記憶され、この記憶
部の記憶データに基づいてハンドル戻し時の伝達比特性
が切り時と対応するように制御される。このため、ハン
ドルの戻し時の操舵速度や車速がハンドル切り時と異な
っていても両状態でのギヤ比特性は一致し、車輪舵角が
零となるハンドル位置を常に一定に保つことができるこ
とになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例の全体構成を示し、1は中心に
ハンドル軸2の一端が固着されたステアリングハンド
ル、3は、上記ハンドル軸2の他端に中間軸4を介して
連結されるとともに、ピットアンアーム5,タイロッド6
等よりなるリンク機構7を介して左右の操舵車輪8,8に
連結されたステアリングギヤ装置であって、上記ハンド
ル1とステアリングギヤ装置3との間の操舵力伝達経路
の途中にはハンドル舵角θHに対する車輪舵角θWの伝
達比Rを変化させる伝達比可変手段9が設けられてい
る。
ハンドル軸2の一端が固着されたステアリングハンド
ル、3は、上記ハンドル軸2の他端に中間軸4を介して
連結されるとともに、ピットアンアーム5,タイロッド6
等よりなるリンク機構7を介して左右の操舵車輪8,8に
連結されたステアリングギヤ装置であって、上記ハンド
ル1とステアリングギヤ装置3との間の操舵力伝達経路
の途中にはハンドル舵角θHに対する車輪舵角θWの伝
達比Rを変化させる伝達比可変手段9が設けられてい
る。
上記伝達比可変手段9は、第2図ないし第4図に拡大詳
示するように、上記中間軸4と同一軸線上に対向配置さ
れかつ中間軸4と反対側の端部において上記ハンドル軸
2に対し互いに噛み合う入力ギヤ10,11を介して駆動連
結された入力軸12と、該入力軸12と中間軸4との間に配
設された遊星歯車機構13とを備えている。上記遊星歯車
機構13は上記入力軸12に固着されたサンギヤ14と、上記
中間軸4に固着されたリングギヤ15と、該両ギヤ14,15
間に両ギヤ14,15とそれぞれ噛み合うように等角度間隔
で配置された例えば3個のプラネタリピニオン16,16,…
と、該ピニオン16,16,…をピニオン軸17,17,…を介して
担持しかつ上記入力軸12上に回転自在に外嵌合されたピ
ニオンキャリア18とからなる。また、上記ピニオンキャ
リア18にはセクタギヤ19が形成され、該セクタギヤ19に
はステッピングモータ20の回転軸20aに固着したピニオ
ン21が噛み合わされており、ステッピングモータ20の回
転によりピニオンキャリア18を入力軸12回りに回転させ
て該キャリア18に担持されたプラネタリピニオン16,16,
…をサンギヤ14とリンクギヤ15との間で転動させ、この
ピニオン16,16,…の転動によりハンドル軸2ないしサン
ギヤ14からリンクギヤ15および中間軸4に至る回転量を
増減制御することにより、ハンドル舵角θHに対する車
輪舵角θWの伝達比Rを変化させるように構成されてい
る。
示するように、上記中間軸4と同一軸線上に対向配置さ
れかつ中間軸4と反対側の端部において上記ハンドル軸
2に対し互いに噛み合う入力ギヤ10,11を介して駆動連
結された入力軸12と、該入力軸12と中間軸4との間に配
設された遊星歯車機構13とを備えている。上記遊星歯車
機構13は上記入力軸12に固着されたサンギヤ14と、上記
中間軸4に固着されたリングギヤ15と、該両ギヤ14,15
間に両ギヤ14,15とそれぞれ噛み合うように等角度間隔
で配置された例えば3個のプラネタリピニオン16,16,…
と、該ピニオン16,16,…をピニオン軸17,17,…を介して
担持しかつ上記入力軸12上に回転自在に外嵌合されたピ
ニオンキャリア18とからなる。また、上記ピニオンキャ
リア18にはセクタギヤ19が形成され、該セクタギヤ19に
はステッピングモータ20の回転軸20aに固着したピニオ
ン21が噛み合わされており、ステッピングモータ20の回
転によりピニオンキャリア18を入力軸12回りに回転させ
て該キャリア18に担持されたプラネタリピニオン16,16,
…をサンギヤ14とリンクギヤ15との間で転動させ、この
ピニオン16,16,…の転動によりハンドル軸2ないしサン
ギヤ14からリンクギヤ15および中間軸4に至る回転量を
増減制御することにより、ハンドル舵角θHに対する車
輪舵角θWの伝達比Rを変化させるように構成されてい
る。
一方、33は上記伝達比可変手段9に制御信号を出力して
そのステッピングモータ20を作動制御するコンピュータ
よりなるコントローラであって、該コントローラ33には
上記ステアリングハンドル1のハンドル舵角θHを検出
するハンドル舵角センサ30の出力信号が入力されてい
る。上記コントローラ33は、第5図に詳示するように、
上記ハンドル舵角センサ30により検出されたハンドル舵
角θHを一定時間毎に時間微分してハンドル1の操舵速
度Hを検出する操舵速度検出手段としての操舵速度検
出回路34と、該検出回路34および上記舵角センサ30から
の各出力信号を入力し、ハンドル1の操舵速度Hおよ
びハンドル舵角θHを予め特性記憶部35に記憶されてい
る特性マップに照合比較して伝達比可変手段9で制御す
べき目標伝達比Rを演算する目標伝達比演算部37と、該
演算部37で演算された目標伝達比R、つまりハンドル操
舵時における伝達比可変手段9の伝達比を記憶する伝達
比記憶部36と、上記目標伝達比演算部37の出力信号に基
づいてステッピングモータ20を、モータ回転角センサ
(図示せず)により検出されたステッピングモータ20の
実際の回転角が上記演算された目標伝達比Rに対応する
回転角に一致するように駆動するモータ駆動部38とから
なる。そして、上記特性マップは、ハンドル舵角θHに
対す車輪舵角θWの伝達比Rが、ハンドル舵角θHに対
し一定でかつ操舵速度Hが速くなるほど小さくなるよ
うに設定されている。
そのステッピングモータ20を作動制御するコンピュータ
よりなるコントローラであって、該コントローラ33には
上記ステアリングハンドル1のハンドル舵角θHを検出
するハンドル舵角センサ30の出力信号が入力されてい
る。上記コントローラ33は、第5図に詳示するように、
上記ハンドル舵角センサ30により検出されたハンドル舵
角θHを一定時間毎に時間微分してハンドル1の操舵速
度Hを検出する操舵速度検出手段としての操舵速度検
出回路34と、該検出回路34および上記舵角センサ30から
の各出力信号を入力し、ハンドル1の操舵速度Hおよ
びハンドル舵角θHを予め特性記憶部35に記憶されてい
る特性マップに照合比較して伝達比可変手段9で制御す
べき目標伝達比Rを演算する目標伝達比演算部37と、該
演算部37で演算された目標伝達比R、つまりハンドル操
舵時における伝達比可変手段9の伝達比を記憶する伝達
比記憶部36と、上記目標伝達比演算部37の出力信号に基
づいてステッピングモータ20を、モータ回転角センサ
(図示せず)により検出されたステッピングモータ20の
実際の回転角が上記演算された目標伝達比Rに対応する
回転角に一致するように駆動するモータ駆動部38とから
なる。そして、上記特性マップは、ハンドル舵角θHに
対す車輪舵角θWの伝達比Rが、ハンドル舵角θHに対
し一定でかつ操舵速度Hが速くなるほど小さくなるよ
うに設定されている。
ここで、さらに、上記コントローラ33において行われる
信号処理の手順を第6図に示すフローチャートによって
説明する。先ず、最初のステップS1で上記ハンドル舵角
センサ30の出力信号によりハンドル舵角θHを読み込
み、次のステップS2でハンドル1の舵角変化量ΔθHを
演算する。その際、上記ハンドル舵角θHおよび舵角変
化量ΔθHは、例えば第7図に示すようにハンドル1が
右方向(時計回り方向)に操舵されたときの正の値で、
左方向(反時計回り方向)に操舵されたときに負の値で
それぞれ表される。この後、ステップS3に進み、上記求
められたハンドル舵角θHおよび舵角変化量ΔθHの各
値に基づいてハンドル1の操舵が「切り側」か「戻し
側」かを判定する。この判定は、上記舵角変化量ΔθH
の正負号をハンドル舵角θHの正負号と比較して、両者
が同じであれば「切り側」に、逆であれば「戻し側」に
それぞれ判定する。具体例を示すと、ハンドル1が右方
向に90゜操舵されて舵角θHがθH=90゜である場合
に、舵角変化量ΔθHがΔθH=45゜であると、ハンド
ルの切り操舵(詳しくは切り増し操舵)が行われてθH
=135゜となり、ΔθH=−45゜であれば戻し操舵が行
われてθH=45゜になったと判定する。
信号処理の手順を第6図に示すフローチャートによって
説明する。先ず、最初のステップS1で上記ハンドル舵角
センサ30の出力信号によりハンドル舵角θHを読み込
み、次のステップS2でハンドル1の舵角変化量ΔθHを
演算する。その際、上記ハンドル舵角θHおよび舵角変
化量ΔθHは、例えば第7図に示すようにハンドル1が
右方向(時計回り方向)に操舵されたときの正の値で、
左方向(反時計回り方向)に操舵されたときに負の値で
それぞれ表される。この後、ステップS3に進み、上記求
められたハンドル舵角θHおよび舵角変化量ΔθHの各
値に基づいてハンドル1の操舵が「切り側」か「戻し
側」かを判定する。この判定は、上記舵角変化量ΔθH
の正負号をハンドル舵角θHの正負号と比較して、両者
が同じであれば「切り側」に、逆であれば「戻し側」に
それぞれ判定する。具体例を示すと、ハンドル1が右方
向に90゜操舵されて舵角θHがθH=90゜である場合
に、舵角変化量ΔθHがΔθH=45゜であると、ハンド
ルの切り操舵(詳しくは切り増し操舵)が行われてθH
=135゜となり、ΔθH=−45゜であれば戻し操舵が行
われてθH=45゜になったと判定する。
そして、上記ステップS3での判定が「切り側」のときに
はステップS4に進んで、上記操舵速度検出回路34により
算出された操舵速度Hを特性記憶部35の特性マップと
比較して目標伝達比R(ギヤレシオ)を演算により決定
するとともに、その目標伝達比Rを伝達比記憶部36に記
憶させ、しかる後、ステップS6において伝達比可変手段
9の伝達比が上記目標伝達比Rになるようにそのモータ
20(アクチュエータ)を駆動制御する。
はステップS4に進んで、上記操舵速度検出回路34により
算出された操舵速度Hを特性記憶部35の特性マップと
比較して目標伝達比R(ギヤレシオ)を演算により決定
するとともに、その目標伝達比Rを伝達比記憶部36に記
憶させ、しかる後、ステップS6において伝達比可変手段
9の伝達比が上記目標伝達比Rになるようにそのモータ
20(アクチュエータ)を駆動制御する。
一方、ステップS3での判定が「戻し側」のときにはステ
ップS6に進んで、上記伝達比記憶部36に記憶された切り
時の目標伝達比Rの中からハンドル舵角θHに対応する
値の信号をコントローラ33から出力させ、しかる後、上
記ステップS6において伝達比可変手段9の伝達比が上記
切り時の目標伝達比Rになるようにモータ20を制御す
る。
ップS6に進んで、上記伝達比記憶部36に記憶された切り
時の目標伝達比Rの中からハンドル舵角θHに対応する
値の信号をコントローラ33から出力させ、しかる後、上
記ステップS6において伝達比可変手段9の伝達比が上記
切り時の目標伝達比Rになるようにモータ20を制御す
る。
よって、コントローラ33は、その伝達比記憶部36からの
信号に基づいてハンドル1の戻し時における伝達比可変
手段9の伝達比特性をハンドル1の切り時に対応させて
制御するように構成される。
信号に基づいてハンドル1の戻し時における伝達比可変
手段9の伝達比特性をハンドル1の切り時に対応させて
制御するように構成される。
したがって、上記実施例においては、自動車の走行中、
ステアリングハンドル1を操舵すると、その動きはハン
ドル軸2を介して伝達比可変手段9における入力軸12に
伝達されて遊星歯車機構13のサンギヤ14が回転する。ま
た、上記ハンドル1の操舵に伴って変化するハンドル舵
角θHがハンドル舵角センサ30により検出されるととも
に、その舵角速度Hが操舵速度検出回路34によって検
出され、上記操舵速度検出回路34の出力信号を受けたコ
ントローラ33から上記伝達比可変手段9のステッピング
モータ20に制御信号が出力されて該モータ20が回転制御
され、このモータ20の回転によりピニオン21およびセク
タギヤ19を介して遊星歯車機構13におけるピニオンキャ
リア18が回転駆動される。すなわち、上記伝達比可変手
段9では、サンギヤ14がハンドル1の舵角θHに比例し
た角度だけ回転すると同時に、ピニオンキャリア18がコ
ントローラ33により制御されるステッピングモータ20の
回転角に応じて回転されるようになる。このため、伝達
比可変手段9のリングギヤ15およびそれと一体の中間軸
4は上記ハンドル舵角θHに対してピニオンキャリア18
の回転角を増減した角度だけ回転することになり、この
中間軸4の回転により車輪8,8が転舵され、このことに
よってハンドル舵角θHに対する車輪舵角θWの伝達比
Rが可変制御される。
ステアリングハンドル1を操舵すると、その動きはハン
ドル軸2を介して伝達比可変手段9における入力軸12に
伝達されて遊星歯車機構13のサンギヤ14が回転する。ま
た、上記ハンドル1の操舵に伴って変化するハンドル舵
角θHがハンドル舵角センサ30により検出されるととも
に、その舵角速度Hが操舵速度検出回路34によって検
出され、上記操舵速度検出回路34の出力信号を受けたコ
ントローラ33から上記伝達比可変手段9のステッピング
モータ20に制御信号が出力されて該モータ20が回転制御
され、このモータ20の回転によりピニオン21およびセク
タギヤ19を介して遊星歯車機構13におけるピニオンキャ
リア18が回転駆動される。すなわち、上記伝達比可変手
段9では、サンギヤ14がハンドル1の舵角θHに比例し
た角度だけ回転すると同時に、ピニオンキャリア18がコ
ントローラ33により制御されるステッピングモータ20の
回転角に応じて回転されるようになる。このため、伝達
比可変手段9のリングギヤ15およびそれと一体の中間軸
4は上記ハンドル舵角θHに対してピニオンキャリア18
の回転角を増減した角度だけ回転することになり、この
中間軸4の回転により車輪8,8が転舵され、このことに
よってハンドル舵角θHに対する車輪舵角θWの伝達比
Rが可変制御される。
その場合、上記伝達比Rは上記コントローラ33の演算部
37によりハンドル1の操舵速度Hが上昇するほど小さ
くなるように決定されるので、運転者がハンドル1を急
速に操舵したときには、それに応じて車輪舵角θWを素
速く変化させることができて、ステアリング装置の特性
を運転者の意志に適正にマッチした特性とすることがで
き、特に危険回避時に有効である。
37によりハンドル1の操舵速度Hが上昇するほど小さ
くなるように決定されるので、運転者がハンドル1を急
速に操舵したときには、それに応じて車輪舵角θWを素
速く変化させることができて、ステアリング装置の特性
を運転者の意志に適正にマッチした特性とすることがで
き、特に危険回避時に有効である。
また。上記ハンドル1の操舵に際しその切り時と戻し時
とが判定され、ハンドル1の切り時には、コントローラ
33の演算部37で演算された伝達比Rが伝達比記憶部36に
記憶される一方、戻し時には、上記記憶された伝達比R
に基づいて伝達比可変手段9が制御される。このため、
第8図に示すように、切り時と戻し時のハンドル1の操
舵速度Hが異なっていても戻し時の伝達比特性が切り
時と同じに制御されることになり、よって車輪舵角θW
が零(θW=0)となるハンドル1の位置を常に一定に
保つことができる。
とが判定され、ハンドル1の切り時には、コントローラ
33の演算部37で演算された伝達比Rが伝達比記憶部36に
記憶される一方、戻し時には、上記記憶された伝達比R
に基づいて伝達比可変手段9が制御される。このため、
第8図に示すように、切り時と戻し時のハンドル1の操
舵速度Hが異なっていても戻し時の伝達比特性が切り
時と同じに制御されることになり、よって車輪舵角θW
が零(θW=0)となるハンドル1の位置を常に一定に
保つことができる。
尚、上記実施例は、ハンドル舵角θHに対する車輪舵角
θWの伝達比Rをハンドル1の操舵速度Hに応じて可
変制御するようにしたステアリング装置に適用したもの
であるが、本発明は、上記伝達比Rを自動車の車速に応
じて可変制御するようにしたステアリング装置にも適用
できるのは勿論である。
θWの伝達比Rをハンドル1の操舵速度Hに応じて可
変制御するようにしたステアリング装置に適用したもの
であるが、本発明は、上記伝達比Rを自動車の車速に応
じて可変制御するようにしたステアリング装置にも適用
できるのは勿論である。
(発明の効果) 以上の如く、本発明によれば、ハンドル舵角に対する車
輪舵角の伝達比を伝達比可変手段によって変化させるよ
うにした自動車のステアリング装置において、ハンドル
の操舵時における伝達比可変手段の伝達比を記憶させ
て、ハンドルの戻し時の伝達比特性を切り時に対応させ
るようにしたことにより、切り操舵した後のハンドルを
元の位置に正確に戻すことができ、車輪舵角が零となる
ハンドル位置を常に一定に保つことができて、運転者に
安心感を与えることができる。
輪舵角の伝達比を伝達比可変手段によって変化させるよ
うにした自動車のステアリング装置において、ハンドル
の操舵時における伝達比可変手段の伝達比を記憶させ
て、ハンドルの戻し時の伝達比特性を切り時に対応させ
るようにしたことにより、切り操舵した後のハンドルを
元の位置に正確に戻すことができ、車輪舵角が零となる
ハンドル位置を常に一定に保つことができて、運転者に
安心感を与えることができる。
図面は本発明の実施例を示し、第1図はステアリング装
置の全体構成を示す斜視図、第2図は伝達比可変手段の
構成を示す断面図、第3図および第4図はそれぞれ第2
図のIII−III線およびIV−IV線断面図、第5図はコント
ローラの構成を示すブロック図、第6図はコントローラ
で処理されるルーチンを示すフローチャート図、第7図
はハンドルの切り時および戻し時を判定するための概念
を示す図、第8図はコントローラで演算される伝達比特
性の説明図である。 1……ステアリングハンドル、3……ステアリングギヤ
装置、8……車輪、9……伝達比可変手段、13……遊星
歯車機構、20……ステッピングモータ、30……ハンドル
舵角センサ、33……コントローラ、34……操舵速度検出
回路、36……伝達比記憶部。
置の全体構成を示す斜視図、第2図は伝達比可変手段の
構成を示す断面図、第3図および第4図はそれぞれ第2
図のIII−III線およびIV−IV線断面図、第5図はコント
ローラの構成を示すブロック図、第6図はコントローラ
で処理されるルーチンを示すフローチャート図、第7図
はハンドルの切り時および戻し時を判定するための概念
を示す図、第8図はコントローラで演算される伝達比特
性の説明図である。 1……ステアリングハンドル、3……ステアリングギヤ
装置、8……車輪、9……伝達比可変手段、13……遊星
歯車機構、20……ステッピングモータ、30……ハンドル
舵角センサ、33……コントローラ、34……操舵速度検出
回路、36……伝達比記憶部。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 真樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 田中 建 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−47657(JP,A) 特開 昭59−209966(JP,A) 特開 昭50−64927(JP,A) 特開 昭61−184171(JP,A) 特開 昭58−16958(JP,A) 特開 昭60−12376(JP,A) 実開 昭60−148170(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】ステアリングハンドルの操舵力をステアリ
ングギヤ装置を介して車輪に伝達する操舵力伝達経路中
に設けられた伝達比可変手段により、ハンドル舵角に対
する車輪舵角の伝達比を変化させるようにした自動車の
ステアリング装置であって、上記伝達比可変手段を作動
制御するコントローラが設けられ、該コントローラは、
操舵時の伝達比可変手段の伝達比を記憶する記憶部を備
えていて、該記憶部からの信号に基づいてハンドルの戻
し時における伝達比可変手段の伝達比特性をハンドルの
切り時に対応させて制御するように構成されていること
を特徴とする自動車のステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16161485A JPH0777869B2 (ja) | 1985-07-22 | 1985-07-22 | 自動車のステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16161485A JPH0777869B2 (ja) | 1985-07-22 | 1985-07-22 | 自動車のステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6220755A JPS6220755A (ja) | 1987-01-29 |
JPH0777869B2 true JPH0777869B2 (ja) | 1995-08-23 |
Family
ID=15738513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16161485A Expired - Fee Related JPH0777869B2 (ja) | 1985-07-22 | 1985-07-22 | 自動車のステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0777869B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6164150A (en) * | 1997-05-23 | 2000-12-26 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle steering apparatus |
JP3531712B2 (ja) | 1997-06-04 | 2004-05-31 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用操舵装置 |
JP6390393B2 (ja) * | 2014-12-08 | 2018-09-19 | 株式会社ジェイテクト | 車両用操舵装置 |
-
1985
- 1985-07-22 JP JP16161485A patent/JPH0777869B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6220755A (ja) | 1987-01-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |