JP6388561B2 - 飼料調製用添加剤 - Google Patents

飼料調製用添加剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6388561B2
JP6388561B2 JP2015129915A JP2015129915A JP6388561B2 JP 6388561 B2 JP6388561 B2 JP 6388561B2 JP 2015129915 A JP2015129915 A JP 2015129915A JP 2015129915 A JP2015129915 A JP 2015129915A JP 6388561 B2 JP6388561 B2 JP 6388561B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tmr
mustard
feed
temperature
seeds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015129915A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017012033A (ja
Inventor
一希 高浦
一希 高浦
聡一 石田
聡一 石田
リンドン・エフ・キニチョ
北村 亨
亨 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Seed Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Seed Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Seed Co Ltd filed Critical Snow Brand Seed Co Ltd
Priority to JP2015129915A priority Critical patent/JP6388561B2/ja
Publication of JP2017012033A publication Critical patent/JP2017012033A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6388561B2 publication Critical patent/JP6388561B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

本発明は、牛用飼料調製のための添加剤に関する。
牛などの反芻動物の家畜を飼育するにあたっては、飼料効率がしばしば問題とされる。特に、乳牛にあっては、泌乳量を最大限に維持しながら乳牛の健康状態を保つため、青草などの牧草、わらなどの繊維質乾燥飼料、サイレージなどの醗酵飼料、高タンパク質の濃厚配合飼料(濃厚飼料)などを適宜酪農家が組み合わせて供与する。特に、牛に対する栄養効果と生理的機能を最大限発揮するための種々の工夫が行われてきた。さらに、牛の嗜好性を改善し乳量や肉質改善に有効な飼料添加剤も提案されている。
一方、近年反芻動物である乳牛をはじめとする牛の飼料として、前述のような各種飼料を適宜個別に供与するのではなく、あらかじめ必要とする栄養成分や添加成分を計算し、必要なサイレージや乾燥牧草、わらなど粗飼料と濃厚飼料を混合した混合飼料(Total Mixed Ration:以下「TMR」)を給餌する方法が普及しつつある。このTMRのような飼料は、完全混合飼料とも呼ばれ、必要な成分がすべて含まれており、また牛が好みの飼料のみを選び食いできないように混合されている。したがって飼料効率が良く、さらに個々の飼料を個別給餌するよりも作業が簡単であり、また牛にとっても自由採食となるため、必要な時点で自由に食することができるので牛にとってもストレスを与えない。このためTMRは急速に普及している。特に多頭飼育の酪農家にとっては省力化が可能となるため急激に普及している。酪農地帯においては、TMRセンターと呼ばれる飼料成分の混合と密封、配送を行う分業施設が稼動している例もある。
しかし、TMRには特有の問題があることも知られている。TMRには牛のルーメンを好ましい状態に保つためにサイレージを配合することが好ましい。また、サイレージに加えて主として乾燥干草などの粗飼料と濃厚飼料を混合して調製するが、調製後に急激なTMRの温度が上昇し、飼料の品質が低下する。これは、サイレージや、その他の汚染に由来しており、特にサイレージを配合すると、嫌気状態にあるサイレージが飼料を混合する過程で好気状態となるため酵母が増殖し、醗酵熱が発生するためであると考えられている。そして飼料の温度が上昇するために、その結果腐敗菌が増加し、悪臭や腐敗状態となり、牛の食欲低下や体調不良を引き起こしていた。このため温度上昇を抑制するために酢酸やプロピオン酸アンモニウム、プロピオン酸カルシウムなどのプロピオン酸塩をTMR当たり0.5〜1重量%添加するか、水分含量を40%以下にするか、あるいは給餌のつどTMRを調製することで防止していた。非特許文献1にはこのような発熱を抑制するため、4−ギ酸アンモニウムを添加するか、高乾物率の飼料とする技術が記載されている。しかし、必ずしも満足できない場合があった。このため、TMRは、給餌する直前または、一日何回かに分けて調製することが一般的であった。
磯崎良寛他 福岡県農業総合試験場研究報告、18、110−113ページ、1999年
本発明の課題は、TMRにおいて発生する品温上昇を確実に抑制するための新たな飼料添加剤を提供することである。
本発明は、以下の構成からなる。
(1)サイレージ、乾燥牧草、粗飼料、濃厚飼料、カラシ種子の粉砕物又は粉末を少なくとも混合した混合飼料(Total Mixed Ration:以下「TMR」)であって、
カラシ種子の粉砕物又は粉末0.01〜5質量%であることを特徴とする混合飼料(Total Mixed Ration)。
(2)カラシ種子の粉砕物又は粉末が0.05〜0.5質量%であることを特徴とする(1)記載の混合飼料(Total Mixed Ration)。
(3)カラシ種子がカラシナ(Brassica juncea)、シロカラシ(Sinapis alba)、クロカラシ(Brassica nigra)に属するいずれかの植物の種子である(1)又は(2)に記載の混合飼料(Total Mixed Ration)。
本発明により、混合飼料(Total Mixed Ration)の品温上昇が抑制される。このため、TMRをまとめて作り置くことが可能となる。また長時間、TMRの品温が上昇しないため、牛の摂食量が安定化し、健康を維持することができる。また本発明によるTMRを給餌した場合、乳牛にあっては泌乳量が増大するという新たな効果を得ることができる。さらに、作り置くことが可能となるため、調製作業に要する負担が軽減され、さらに機械化などの設備導入がしやすくなる。
さらにカラシ種子は、プロピオン酸などの醗酵調整剤に比して効力が高く、低コストのため酪農家の経営上も有利である。
TMRへの添加による温度上昇抑制効果試験の結果を示す。飼料イネWCSをあらかじめ発熱しやすい状態にした場合の発熱抑制作用を示す温度変化グラフである。 標準的なTMR調製条件での、本発明の温度上昇抑制剤添加による温度上昇抑制効果試験の結果を示す。 本発明の温度上昇抑制剤を調製するに当たってハンマーミルを用いて粉砕した場合のTMR温度上昇抑制効果試験の結果を示す。
本発明は、カラシ種子の粉砕物又は粉末を有効成分とするTMRの温度上昇抑制剤の発明である。また、本発明は、カラシ種子の粉砕物又は粉末を添加することを特徴とするTMRの製造方法に係る発明である。さらにまた、本発明は、カラシ種子の粉砕物又は粉末を含むTMRのための濃厚飼料に係る発明である。
本願明細書においては、所謂「からし(マスタード)」の原料となりうる植物の種子を「カラシ種子」と総称する。本発明に用いられるカラシ種子は一般にからし又はマスタード種子とよばれる。カラシ種子は、カラシナ(Brassica juncea)、シロカラシ(Sinapis alba)、クロカラシ(Brassica nigra)に分類される植物の種子であるが、これらのいずれの種子も利用できる。一般にはカラシナ(Brassica juncea)の種子が多く流通している。カラシ種子は、いわゆるマスタードや和からし、西洋からしの原料として広く利用されている。ヒトにあっては、ハーブとして広く利用されるが、カラシナ(Brassica juncea)、シロカラシ(Sinapis alba)が、カラシ油の原料として利用されている。クロカラシ(Brassica nigra)は、あまり利用されていない。本発明にあっては、生産と流通の実態に即してカラシナ種子が利用しやすいが、シロカラシ、クロカラシの種子も利用可能である。
カラシ種子は粉砕物または粉末が混合などの処理上都合が良い。カラシ種子は、あらかじめ粉砕または粉末化しておく。粉砕物または粉末の粒度は特に制限されるものではない。濃厚飼料に配合する場合には、配合直前に粉砕あるいは粉末化することが好ましい。カラシ種子を粉砕する場合は、通常の粉砕機を用いて粉砕することができる。例えば対をなし向い合って回転するローラーの間隙でカラシ種子を粉砕する市販のロールミル、あるいはボールミル、ハンマーミルなどが使用可能である。食品原料としてカラシ種子を粉砕する場合、しばしばロールミルが用いられる。上記ロールミルを用いる場合、例えば、ローラーの間隙を650〜900μm、好ましくは700〜850μmに設定することで、粒子の直径が500μm以上の粉砕物を得ることができる。粉末化する場合にはこのローラーの間隔を狭めることで粒子径の小さな粉末とすることができる。TMRに配合する場合には、粒子径は500μm以上とするほうが操作上取り扱いやすい。さらに、ボールミルやハンマーミルなどの装置も同様にして条件設定によって粒子の粗い粉砕状態から粉末状態にまで粉砕することもできる。
本発明の効果は、粗い粉砕物であっても粉末であっても発揮される。
また酪農家で粉砕する場合は、市販のカッター式粉砕機を用いて、TMRを調製する際にカラシ種子を粉砕しても良い。
粉砕または粉末化したカラシ種子は、そのままTMR調製の際に添加することができる。また、TMRのための添加剤とする場合には、澱粉やセルロース粉末、あるいはケイ酸カルシウムなどを混合して、必要により造粒操作を行って、取り扱いしやすい形態とすることもできる。
粉砕または粉末化したカラシ種子は、TMR原料を混合する際にTMRあたり0.01〜5質量%含有するようにする。0.01質量%以下の場合、目的とする発熱抑制効果を得ることができない。また5質量%を超えて配合してもその効果は頭打ちとなり、実効的及び経済的にも好ましくない。実効及び経済効果の面からは0.05〜0.5質量%とすることが好ましい。
またTMR用の濃厚飼料に添加する場合には、最終的にTMRとしたとき上記のカラシ種子粉砕物または粉末の含有量が担保されるように配合する。この濃厚飼料をTMRに用いる場合は、カラシ種子の粉砕物または粉末をTMRの発熱防止用として添加する必要はない。乳牛用のTMRの場合、通常20〜30質量%配合されるので、通常0.5〜15質量%になるように配合する。
TMRの原料の配合比率は、通常はサイレージ0〜50質量%、濃厚配合飼料10〜70質量%、乾草5〜40%、食品加工副産物(ビール粕やおからなど)5〜50%、トウモロコシなどの穀類飼料5〜30%などを基本構成として、その他栄養成分を添加し、さらに上記したようにあらかじめ粉砕または粉末としたカラシ種子を0.1〜5質量%添加し、チョッパーを用いて粗繊維性加工飼料や濃厚飼料を牛が、選び食いができなくなるまで細かく裁断しながら混合する。こうして裁断混合したTMRは、そのまま牛に給餌するか、あるいはポリエチレン製の袋に軽度に脱気しながら密封し、一時保管する。また、TMRセンターから酪農家に配送する。具体的な配合比率は、酪農家やTMRセンターが独自に処方する。
かくして得られたTMRは、従来のTMRが調製後24時間経過すると、品温が30℃以上にまで上昇し、場合によっては腐敗臭が発生するのに対して、調製時の温度を保ち、24時間経過しても不快臭も発生せず、牛の食いつきの良いTMRとなる。
また大規模飼育においては常時TMRを給餌し、自由摂取できるようになっており、このような状況下では牛舎においてTMRの変性を防止することができる。
以下、本発明を実施例、試験例によってさらに具体的に説明する。
1.カラシ種子の粉砕(1)
当年度採取した西洋からし菜(Brassica juncea)の種子100g程度を、農業用カッター式粉砕機ワンダーブレンダー-WB1(大阪ケミカル社製)により約1分間粉砕処理を行い、粉砕物を得た。粉砕物に未粉砕の種子が残っていないことを確認し、ポリエチレン製の袋に密封し室温保存した。これをTMR用の温度上昇抑制剤とした。
2.TMRへの添加による温度上昇抑制効果試験(1)
(1)試験方法
表1に示す配合のTMRを調製する際に、上記1.で調製したカラシ種子粉砕物を温度上昇抑制剤として0.1、0.2、0.5質量%になるように飼料混合機(ブレンダー)で混合し、これを10kg単位でポリエチレン製の袋につめたものを2袋ずつ用意した。各袋の内部に温度測定用センサー(温度データロガー:KNラボラトリーズ社製)を入れて、連続的に1分間隔で温度を測定し記録した。また比較例として、TMRの温度上昇抑制効果を有するとして推奨されている粉状プロピオン酸カルシウム(以下PA)を推奨量である0.5質量%添加したTMRを調製し、これを同様に包装して、連続的に温度変化を測定し記録した。
なおこのTMRの配合組成は、サイレージによる発熱効果を確認するために行ったもので、飼料イネWCSを最大限とし、さらに飼料イネWCS配合量のうち18質量%相当量をあらかじめ2日間空気にさらし、発熱しやすい状態にしておいた。なお、飼料イネWCSはイネホールクロップサイレージであり、イネの実と茎葉の全体を醗酵させた飼料である。
(2)結果
21時間経過後にデータロガーを取り出し、品温の変化を記録した。なお品温は2袋の平均値を各試験試料の温度とした。
0、5、15、21時間経過後の温度を表2に、また温度変化の経時的なプロットを図1に示す。
表1に示すように、本発明の温度上昇抑制剤を0.5質量%添加すると、21時間経過後のTMRの品温は開始時から殆ど上昇しなかった。また従来の温度上昇抑制剤であるPAは、21時間経過後には対照に比して約2℃低くなるだけの37.5℃であった。このPAの効果は本発明の温度上昇抑制剤を0.1質量%添加した場合と同じ程度であった。
対照の飼料は21時間経過後、強い蒸れ臭や腐敗臭が感じられたが、本発明の温度上昇抑制剤を添加した各飼料は、いずれもサイレージに由来する醗酵臭と飼料本来の臭気のみであった。
また経時的な温度変化を記録した図1に示すとおり、PAは10時間経過すると急激に温度上昇することが確認された。本発明は低濃度であっても添加することにより、TMRの温度上昇を抑制できることが確認できた。0.2質量%以上添加した例は、無添加に対して全ての時間、温度抑制が確認された。PAに対しては0.5質量%添加では10時間以上経過において大きな抑制効果が確認されている。なお、この試験は前述のように発熱を促進するように調整した試験試料を用いた結果である。
PAを温度上昇抑制剤として添加しても、その効果は半日程度しか持続しないのに対して、本発明は21時間経過しても品温が上昇しないことから、TMRの作り置きのための添加剤として適していることがわかった。また本発明の効果は、サイレージに由来する発熱が発生しやすい条件としてTMRを調製したが、本発明の発熱抑制剤は、このような発熱しやすいサイレージを用いても発熱を抑制することができた。
3.TMRへの添加による温度上昇抑制効果試験(2)
(1)試験方法
サイレージである飼料イネWCSの配合量を試験(1)よりも減らし、濃厚配合飼料の配合量を増量させた表3に示す配合の標準的な組成のTMRを調製した。また発熱防止剤に水添加した場合の効果を試験した。試験(1)と同様に、上記1.で調製したカラシ種子粉砕物を温度上昇抑制剤として0.1、0.5質量%になるように飼料混合機(ブレンダー)で混合し、これを10kg単位でポリエチレン製の袋につめたものを2袋ずつ用意した。また、0.1質量%カラシ種子に相当するカラシ種子粉砕物に予め約100mlの水を添加混合したものを添加したTMR(0.1W)を同様に調製した。各袋の内部に温度測定用センサー(温度データロガー:KNラボラトリーズ社製)を同封して、連続的に5分間隔で温度を測定し記録した。
(2)結果
24時間経過後にデータロガーを取り出し、品温の変化を記録した。なお品温は2袋の平均値を各試験試料の温度とした。
0、4、8、12、16、20、24時間経過後の温度を表4に、また温度変化の経時的なプロットを図2に示す。
表4に示すように、表3の組成のTMRに本発明の温度上昇抑制剤を0.1質量%添加すると24時間経過後品温は24.8℃から28.3℃まで上昇した。一方あらかじめ水と混合してから添加した場合、開始時から殆ど上昇しなかった。
また、図2の温度曲線から、TMRは、調製後12時間経過後から温度上昇が始まるが、本発明の温度上昇抑制剤は16〜18時間まで延長され、さらに水と混合して添加した場合は20時間まで延長されることが明らかとなった。
この試験(2)から、標準的なTMRの場合は、本発明の温度上昇抑制剤を0.1質量%添加することで20時間以上品温が上昇せず、さらに水と混和してから添加すると24時間温度上昇が抑制されることが明らかとなった。特に図1に示すように、TMRの発熱促進条件下の温度上昇抑制効果をあわせて考えると、通常のTMRの発熱条件下では低濃度添加でも十分にTMRの発熱温度の上昇を抑制できることがわかる。
4.カラシ種子の粉砕(2)
1.の粉砕操作と同様に当年度採取した西洋からし菜(Brassica juncea)の種子1,000kgを、大型の工業用ハンマーミルを用いて粉砕処理し、粉砕物を得た。この粉砕物はほぼ粉末状を呈していた。この粉末状粉砕物をポリエチレン製の袋に密封し室温保存した。これを以下の試験に用いるTMR用の温度上昇抑制剤とした。
5.TMRへの添加による温度上昇抑制効果試験(3)
(1)試験方法
温度上昇抑制効果試験(2)と同様に表3の組成に、上記4.で調製したカラシ種子ハンマーミル粉砕物を温度上昇抑制剤として0.1、0.05質量%になるように飼料混合機(ブレンダー)で混合し、これを10kg単位でポリエチレン製の袋につめたものを2袋ずつ用意した(ハンマーミル粉砕0.1%、ハンマーミル粉砕0.05%)。また、0.1質量%カラシ種子に相当するカラシ種子粉砕物に予め約100mlの水を添加混合したものを添加したTMR(ハンマーミル粉砕0.1%+水)を同様に調製した。各袋の内部に温度測定用センサー(温度データロガー:KNラボラトリーズ社製)を同封して、連続的に5分間隔で温度を測定し記録した。
(2)結果
24時間経過後にデータロガーを取り出し、品温の変化を記録した。なお品温は2袋の平均値を各試験試料の温度とした。
0、4、8、12、16、20、24時間経過後の温度を表5に、また温度変化の経時的なプロットを図3に示す。
表5に示すように、表3の組成のTMRに本発明の温度上昇抑制剤(ハンマーミル粉砕物)を0.1質量%添加すると24時間経過後、品温は26.3℃から27.5℃まで上昇した。またあらかじめ水と混合してから添加した場合も、同様の温度上昇が抑制された。これに対して無添加の場合、開始時の品温26.5℃が24時間後36.5℃まで上昇した。
また、図3の温度曲線から、無添加のTMRは、調製後12時間経過後から温度上昇が始まるが、添加した場合は20時間後に温度上昇が始まり、その後の上昇も小さいことが明らかとなった。
粉砕による効果は、ハンマーミルによる粉砕がより温度上昇抑制効果が高いことが明らかとなった。
また24時間経過後の無添加TMR飼料は強い蒸れ臭や腐敗臭が感じられたが、本発明の温度上昇抑制剤を添加した各飼料は、いずれもサイレージに由来する醗酵臭と飼料本来の臭気のみであった。
6.TMRへの添加による飼料効果試験
本発明の温度上昇抑制剤添加による飼料効率及び乳牛の泌乳量に及ぼす影響について試験を行った。
(1)試験方法
搾乳牛6頭を2頭ずつA、B、Cの3群に分けた。この3群間には泌乳量、乳脂肪率・乳蛋白質率、乾物摂取量などに差がないことをあらかじめ確認した上で、3群に分けた。
また試験試料は上記の表3の組成のTMR飼料を基礎飼料として、ハンマーミル粉砕カラシ種子を添加した次の3種とした。
1)対照(CTL):TMR
2)MS50:粉砕カラシ種子50グラム/頭・日給与になるように調製したTMR
3)MS100:粉砕カラシ種子100グラム/頭・日給与になるように調製したTMR
TMRの投与量は、あらかじめ各試験牛の飽食における摂食量を測定しておき、その量を試験期間中投与した。
試験期間は次の表6の投与日程に従った。
すべての試験期間において採食量(乾物摂取量)、乳量、乳成分量を測定し、飼料効率を求めた。
測定解析結果を下記の表7に示す。
表7に示すとおり、本発明のTMR温度上昇抑制剤を添加した群は有意(P<0.05)に乳量が増加することがわかった。またTMR温度上昇抑制剤の添加は牛の摂食量には影響しないことが確認された。

Claims (3)

  1. サイレージ、乾燥牧草、粗飼料、濃厚飼料、カラシ種子の粉砕物又は粉末を少なくとも混合した混合飼料(Total Mixed Ration:以下「TMR」)であって、
    カラシ種子の粉砕物又は粉末0.01〜5質量%であることを特徴とする混合飼料(Total Mixed Ration)。
  2. カラシ種子の粉砕物又は粉末が0.05〜0.5質量%であることを特徴とする請求項1記載の混合飼料(Total Mixed Ration)。
  3. カラシ種子がカラシナ(Brassica juncea)、シロカラシ(Sinapis alba)、クロカラシ(Brassica nigra)に属するいずれかの植物の種子である請求項1又は2に記載の混合飼料(Total Mixed Ration)。
JP2015129915A 2015-06-29 2015-06-29 飼料調製用添加剤 Active JP6388561B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015129915A JP6388561B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 飼料調製用添加剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015129915A JP6388561B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 飼料調製用添加剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017012033A JP2017012033A (ja) 2017-01-19
JP6388561B2 true JP6388561B2 (ja) 2018-09-12

Family

ID=57827332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015129915A Active JP6388561B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 飼料調製用添加剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6388561B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2839862B2 (ja) * 1995-08-25 1998-12-16 雪印種苗株式会社 イソチオシアナートを含有する嗜好性向上用飼料添加組成物及びそれを用いる家畜用飼料の嗜好性向上方法
JP2001198559A (ja) * 2000-01-18 2001-07-24 Sato Masako 食品廃棄物組成物
US20090198048A1 (en) * 2008-02-05 2009-08-06 Lignotech Usa, Inc. Glycerose synthesis

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017012033A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101455270B (zh) 一种植物发酵饲料
CN104431328A (zh) 辣木在饲料中的应用及一种含有辣木的动物饲料
CN106306436A (zh) 一种白山羊育肥阶段全混合日粮及其生产方法
CN103734552B (zh) 一种基于新鲜青绿饲料的奶山羊发酵全混合日粮
CN105995201A (zh) 一种鱼饲料及其制备方法
CN107788232A (zh) 一种桑枝肉牛饲料化加工方法
CN103749960A (zh) 高活性无抗发酵饲料及其生产工艺
CN103118550A (zh) 新型反刍动物饲料
CN104381682B (zh) 一种成年绒山羊全价配合饲料及其应用
RU2715624C2 (ru) Способ повышения эффективности производства молока у молочного скота и кормовой рацион
Prajapati et al. An overview of feeding management practices followed by the dairy farmers in a different state of India
JP6388561B2 (ja) 飼料調製用添加剤
CN105981944A (zh) 一种牛粪为原料制备牛饲料方法
CN104770621A (zh) 一种菊花秆混合青贮饲料及其制备方法
CN109601698A (zh) 一种利用湿基发酵原料制备饲料的方法及制备的饲料
KR20110102172A (ko) 젖소 또는 육우용 혼합-발효사료
KR101104834B1 (ko) 젖떼기용 사료 첨가제 조성물
JP6378648B2 (ja) 乳生産量改善剤
JP2020068666A (ja) 小麦わら成形飼料およびこれを用いた家畜の飼育方法
CN104273346A (zh) 一种高寒地区猪、牛、羊饲料
JP2005124536A (ja) 家畜用飼料添加剤およびその製造方法
CN109601707A (zh) 一种含有甜高粱和苜蓿的青贮饲料及其制备方法
KR102471549B1 (ko) 오미자 조성물을 이용한 돼지 사육방법
KR102446623B1 (ko) 참외를 이용한 완전혼합발효사료의 제조방법
CN108271935A (zh) 一种羊饲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180705

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180814

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6388561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250