JP6385003B2 - 打撃工具 - Google Patents
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Description
そこで、打撃作業の際にはツールホルダとシリンダとが所望の強度にて一体化するとともに、両者を破損することなく分離させることが可能な構成が、所望されていた。
また、当該打撃工具は、先端工具を保持するとともに、先端工具を先端部から延出するツールホルダと、先端工具を長軸方向に駆動する打撃機構とを有する。この際、ツールホルダは、先端工具を着脱自在に構成することができる。
収容シリンダは、その内周部にピストンを直接的に収容することができる。この場合、ピストンは収容シリンダに対し摺動されることとなる。
ピストンは、駆動モータおよび駆動モータとピストンとの間に構成される駆動機構により駆動される。また、ピストンは、前側に形成された開口部と、後側に形成された壁面部とを有することができる。この場合、ピストンの壁面と、打撃子との間に空気室を形成することができる。
つまり、「先端工具の往復移動」を考慮すると、先端工具が前側に移動する場合に打撃子がツールホルダに対して強い衝撃を与えることとなる。この問題に対応すべく本発明は、後述する通り、収容シリンダに対してツールホルダが前側に移動することを規制する「規制機構」を有する。
ツールホルダの外周部には、収容シリンダに圧入されるツールホルダ圧入領域を形成することができる。また、収容シリンダの内周部には、ツールホルダが圧入される収容シリンダ圧入領域を形成することができる。ツールホルダ圧入領域の外径と、収容シリンダ圧入領域の内径は、概略同一とされる。この際、ツールホルダが挿入される側の開口端部における収容シリンダの内径を、ツールホルダ圧入領域の外径よりも大きく形成することにより、収容シリンダに対するツールホルダの挿入がより容易となる。
また、ツールホルダと収容シリンダの一体化は、ツールホルダ圧入領域と収容シリンダ圧入領域とにおける摩擦力により達成することが可能となる。この際、ツールホルダと収容シリンダとはともに金属により構成されるが、ツールホルダとして所定の可撓性を有する素材を使用することも可能である。この場合、ツールホルダを収容シリンダに収容する場合にはツールホルダが直径を減ずる方向に縮小され、ツールホルダが所定位置まで圧入された場合にはツールホルダの形状が復帰される。この際、ツールホルダは膨張されるため、ツールホルダ圧入領域は収容シリンダ圧入領域に押し付けられる。すなわち、ツールホルダと収容シリンダとはより強固に一体化される。
一方、規制機構を、収容シリンダに対するツールホルダの圧入に係る指標部としないことも可能である。この場合、規制機構は、打撃子の前側への移動に伴い、ツールホルダが前側へ移動してしまうことを抑制する機能を果たす。
さらに、修理などの必要によってツールホルダと収容シリンダとを分離する場合は、ツールホルダに対して、ツールホルダが圧入された側とは反対側へ所定の圧力を加えることにより圧入状態を解除することが可能となる。したがって、分離作業に係るツールホルダと収容シリンダとの破損を抑止することが可能となる。
固定部材の一例として、例えば金属製のリングスプリングを挙げることができる。リングスプリングは、リングスプリングが配置されるべきツールホルダもしくは収容シリンダの所定の領域に設けられた凹溝に配置することができる。
この形態に係る打撃工具によれば、ツールホルダと収容シリンダとが一体化している状態において、ツールホルダがさらに前側に移動することを規制することができる。つまり、ツールホルダの前側への移動は、固定部材による規制部が、停止部に当接することにより防止される。
第2領域は、ツールホルダの外周部において異なる外径を有する領域により構成することが可能となる。すなわち、大きい外径を有する領域と、小さい外径を有する領域を形成するとともに、両者の間に形成される壁面を第2領域とすることが可能となる。より具体的には、ツールホルダの外周部にフランジ部を形成することにより、第2領域を形成することができる。また、ツールホルダの外周部において、大きい外径を有する長軸方向の延在領域と、小さい内径を有する長軸方向の延在領域とを設け、当該二つの延在領域の段差により形成される壁面を第2領域とすることができる。
なお、ツールホルダの第2領域を形成する場合においては、収容シリンダに上述した停止部を設けることができる。この場合、規制機構は、第2領域と停止部とにより構成される。この形態に係る打撃工具によれば、ツールホルダと収容シリンダとが一体化している状態において、ツールホルダがさらに前側に移動することを規制することができる。つまり、ツールホルダの前側への移動は、第2領域が停止部に当接することにより防止される。
なお、打撃工具における所定の回転作業とは、例えば先端工具を回転させることにより被加工材に対し穿孔を行うドリル作業などが上げられる。この形態に係る打撃工具によれば、被加工材に対する打撃作業のみならず、打撃作業と回転作業とを同時に行うことが可能となる。さらに、打撃作業を行わずに、回転作業のみを行うことができる打撃工具を構成することも可能となる。
この場合、打撃子は、ツールホルダに収容されるとともにツールホルダの内周部に接触しながら移動されることとなる。つまり、摺動ガイド部は、ツールホルダの内周部に構成されることとなる。
この形態に係る打撃工具によれば、ツールホルダが直接的に打撃子の摺動をガイドするため、部品点数の削減を図ることが可能となる。
図1に基づき、本発明に係る打撃工具の概要を示す。打撃工具100は、先端工具119を所定の長軸方向に駆動させ、被加工材に対して所定の打撃作業を遂行するように構成されており、先端工具119を保持するツールホルダ159と、打撃機構とを有する。先端工具119が駆動される長軸方向は、打撃工具100を先端工具119に装着した状態における先端工具119の長軸方向と一致する。打撃機構は、ツールホルダ159と一体化される収容シリンダ129と、収容シリンダ129に収容されるピストン127と、打撃子145と、ピストン127と打撃子145とにより形成される空気室127aとを有する。このような構成により、ピストン127の動作に伴う空気室127aの圧力変動により打撃子145が駆動され、打撃子145の打撃力を介して先端工具119が長軸方向に駆動される。
ツールホルダ159は、円筒状の中空構造であり、前側開口端部1591と、後側開口端部1592と、内周部1593とを有する。先端工具119は、前側開口端部1591を通じて内周部1593に対し着脱自在とされる。
一方、当該平滑領域(障害物非形成領域)において、圧入動作の抵抗とならないような構成を設けることは可能である。例えば、収容シリンダ129の内周面や、ツールホルダ159の外周面に凹部を設けることが可能である。なお、このように形成した凹部に、他の構成を配置することも可能である。この場合、当該「他の構成」が、圧入動作の実質的な抵抗とならないように構成する必要がある。
規制機構400は、ツールホルダ159に設けられた規制部410と、収容シリンダ129に設けられた停止部420とにより構成される。なお、収容シリンダ129とツールホルダ159が一体化した状態において、規制部410と停止部420とは当接しており、これによって収容シリンダ129がさらに前方向に移動することが規制される。すなわち、ツールホルダ159を収容シリンダ129に対して圧入した場合におけるツールホルダ159の移動は、規制機構400によって停止される。この意味において、規制機構400を、ツールホルダ159が収容シリンダ129の所定位置に圧入されたことを示す指標部とすることができる。
一方、ツールホルダ159と収容ホルダ129とが「一体化」をしているのであれば、所定位置において、規制部410と停止部420とが当接をしていない構成とすることも可能である。
一方、例えば修理などの必要に応じてツールホルダ159と収容シリンダ129とを分解する場合には、ツールホルダ159と収容シリンダ129とにおける圧入状態を解除することが可能となる。すなわち、ツールホルダ159の前側に対し、収容シリンダ129の前側開口端部1291から後側開口端部1292へと向かう方向に所定の圧力を加えることにより、ツールホルダ159を収容シリンダ129の後側開口端部1292側へと移動させることができる。そして、ツールホルダ159の当該移動を継続することにより、収容シリンダ129の後側開口端部1292から、ツールホルダ159を取り外すことが可能となる。分離された収容シリンダ129およびツールホルダ159は、それぞれ再利用することが可能となる。すなわち、収容シリンダ129とツールホルダ159とを再度一体化することが可能となる。
以下、本発明に係る第1実施形態〜第4実施形態について、図2〜図13に基づき説明する。なお、図1において説明した打撃工具100に係る構成と同様の機能を奏する部品については、同様の部品名称および図面符号を付す場合がある。また、第1実施形態〜第4実施形態において説明した構成において、同様の機能を奏する部品については、同様の部品名称および図面符号を付す場合がある。
また、図2〜6および図8〜13における左側は打撃工具100における前側もしくは先端側を示し、右側は打撃工具100における後側もしくは後端側を示す。また、図2〜7および図11〜13における上側を打撃工具における上側、下側を打撃工具における下側と称する。
以下、本発明の第1実施形態について、図2〜図10を参照して説明する。
(外観に係る基本構成)
まず図2に示される外観図に基づき、第1実施形態に係る打撃工具100の基本構成を説明する。なお、本実施形態においては、打撃工具の一例として手持ち式のハンマドリル100を用いて説明する。このハンマドリル100が、本発明に係る「打撃工具」の一例である。
図2に示すように、ハンマドリル100は、使用者に把持されるハンドグリップ109を有する手持ち式の打撃工具であり、ハンマビット119を当該ハンマビット119の長軸方向に駆動させて被加工材に対してハツリ作業などの打撃作業を行う打撃動作や、ハンマビット119を長軸方向周りに回転駆動させて、被加工材に対して穴あけ作業を行う回転動作を行うために構成される。
ハンマドリル100がハンマビット100を駆動させる長軸方向は、ハンマドリル100の長軸方向を規定する。この長軸方向は、ハンマドリル100にハンマビット119を取付けた場合における、ハンマビット119の長軸方向と一致する。なお、図3などに基づき後述するが、ハンマビット119はツールホルダ159の先端領域に取り付けられる。このため、ハンマビット119は、ツールホルダ159の先端部から延出される。このハンマビット119が、本発明における「先端工具」の一例である。なお、ハンドグリップ109の前側には使用者により操作されるトリガ109aが配置されるとともに、下側にはハンマドリル100に電流を供給するための電源ケーブル109bが配置される。ハンドグリップ109は、ハンマドリル100の外郭を構成する本体ハウジング101に形成される。
図3に示すように、本体ハウジング101の先端領域には、ハンマビット119を着脱可能とするための筒状のツールホルダ159が設けられる。ハンマビット119は、ツールホルダ159の前側開口端部1591に挿入され、ツールホルダ159に対して、長軸方向への相対的な往復駆動が可能であり、長軸方向周りの周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。なお、ツールホルダ159の長軸線は、ハンマビット119の長軸線に一致する。このツールホルダ159が、本発明に係る「ツールホルダ」の一例である。
図3に示すように、モータハウジング103には電動モータ110が取り付けられる。より具体的には、電動モータ110は、ネジ103aなどの固定手段により、バッフルプレート103bを介してモータハウジング103に取り付けられる。電動モータ110は、電動モータ110の出力軸111の延在線が、ハンマビット119の長軸線と平行となるよう、モータハウジング103に収容される。出力軸111は、バッフルプレート103bを貫通して前側に突出しており、当該出力軸111の前側には、出力軸111と一体に回転するモータ冷却ファン112が取り付けられている。出力軸111のファン112よりも前側には、ピニオンギア113が設けられている。ピニオンギア113とファン112の間には、前側ベアリング114が設けられている。また、出力軸111の後端部には、後側ベアリング115が設けられている。これにより、出力軸111は、ベアリング114およびベアリング115によって回転可能に支持されている。なお、前側ベアリング114は、ギアハウジング105の一部であるベアリング支持部107に保持されており、後側ベアリング115は、モータハウジング103に保持されている。したがって、ピニオンギア113が、ギアハウジング105内に突出するように、電動モータ110が保持される。なお、ピニオンギア113は、典型的には、はすば歯車として形成されている。この電動モータ110が、本発明に係る「駆動モータ」の一例である。
なお、後述する通り、打撃要素140が取り付けられる保持部材130が、ベアリング支持部107に対し相対移動が可能となるように連接される。この保持部材130は、第1本体要素101aとされ、ベアリング支持部107は、第2本体要素101bとされる。第1本体要素101aと第2本体要素101bとは、相対移動が可能な構成とされる。
図3に示すように、ギアハウジング105は、ハウジング部106、ベアリング支持部107およびガイド支持部108を主体として構成されている。ギアハウジング105は、ハンマドリル100(本体ハウジング101)の前方側の外郭を形成する。ハウジング部106の先端側には、補助ハンドグリップを装着するための筒状のバレル部106aが設けられている。なお、便宜上、補助ハンドグリップの図示は省略する。
ハウジング部106の内周面には、ベアリング支持部107およびガイド支持部108が固定状に取り付けられている。ベアリング支持部107は、電動モータ110の出力軸111を保持するためのベアリング114を支持するとともに、中間軸116を保持するベアリング118bを支持する。ガイド支持部108は、ハンマドリル100の前後方向に関して、ギアハウジング105の略中間領域に配置され、打撃機構部をガイドするための第1ガイドシャフト170aおよび第2ガイドシャフト170b(図7および図8参照)の前端部を支持する。なお、第1ガイドシャフト170aおよび第2ガイドシャフト170bの後端部は、ベアリング支持部107に支持される。
図4に示すように、ハンマビット119が打撃作業を行うためにハンマビット119を駆動する打撃機構部は、運動変換機構120、打撃要素140、およびツールホルダ159によって構成される。運動変換機構120は、中間軸116の外周部に配置された回転体123と、回転体123に取り付けられた揺動軸125と、揺動軸125の先端部に接続されたジョイントピン126と、連結体126aを介してジョイントピン126に接続されたピストン127と、ツールホルダ159の後部領域を構成するとともに、ピストン127を収容するシリンダ129と、回転体123とシリンダ129を保持する保持部材130を主体として構成されている。保持部材130は、下側に回転体保持部131が、上側にシリンダ保持部132がそれぞれ形成されている。このシリンダ129が、本発明に係る「収容シリンダ」の一例である。
なお、図4は、回転体123が前方に位置しており、回転体123が駆動されていない状態(非駆動状態とも称する)を示す。回転体123が前側にある場合の位置は、保持部材130の上側に形成された壁面部130aが、ガイド支持部108に当接することにより規定される。
すなわち、保持部材130は、回転体123とシリンダ129の距離を一定に保持する。したがって、回転体123と、揺動軸125と、ジョイントピン126と、連結体126aと、ピストン127とが中間軸116に対して中間軸116の軸方向(ハンマドリル100の前後方向)に移動すると、シリンダ129も中間軸116の軸方向に移動する。すなわち、運動変換機構120の各構成要素が保持部材130によって一体状に保持(連結)されるアセンブリ体(運動変換機構アセンブリとも称する)が形成される。
なお、上述した通り本発明に係る「打撃要素」は、本実施形態に係る「打撃要素140」として説明を行ったが、打撃要素140に、回転体123と、揺動軸125と、ジョイントピン126と、連結体126aと、ピストン127とを加えた構成を本発明に係る「打撃要素」とすることも可能である。
打撃機構部と振動抑制機構200および緩衝機構300の関係を、図5〜図8に基づき説明する。図5はハンマドリル100におけるハウジング部106を除去した状態を示す説明図である。図6は、図3におけるI−I線断面図である。図7は、図6におけるII−II線断面図である。図8は、図6におけるIII−III線断面図である。
上記の打撃機構アセンブリは、ギアハウジング105に対して、ハンマドリル100の前後方向(ハンマビット119の長軸方向)に移動可能に保持されている。具体的には、図6〜図8に示すように、ベアリング支持部107およびガイド支持部108には、4本のガイドシャフトが取り付けられている。4本のガイドシャフトは、上側に配置される一対の第1ガイドシャフト170aと、下側に配置される一対の第2ガイドシャフト170bとにより形成される。この第1ガイドシャフト170aおよび第2ガイドシャフト170bは、図7および図8に示すように、ハンマビット119の長軸方向に平行に延在するように配置されている。なお、第1ガイドシャフト170aおよび第2ガイドシャフト170bは円形断面を有する長尺状部材として形成されているが、多角形断面を有する長尺状部材であってもよい。
また、第1ガイドシャフト170aは、保持部材130のシリンダ保持部132に形成されたガイド挿通孔部132aに貫通される。シリンダ保持部132とベアリング支持部107との間には、振動抑制機構200が配置される。
なお、ハンマドリル100の重心を、上述の中央平面100c上に位置させることも可能である。この場合は、ハンマドリル100の重心と、ウェイト部220の重心とが同一平面上に置かれるため、使用者はハンマドリル100を安定して把持することが可能となり、これに伴い、振動抑制機構200がより一層の振動抑制効果を発揮することが可能となる。
また、第2ガイドシャフト170bは、回転体保持部131を貫通して支持する。具体的には、回転体保持部131は、前側部131aと、後側部131cと、前側部131aと後側部131cとの間に延在された中間部131bとを有する。前側部131aにおいて、第2ガイドシャフト170bはベアリング170b1を介してガイド挿通孔部131a1内に配置される。また、後側部131cにおいて、第2ガイドシャフト170bはベアリング170b2を介してガイド挿通孔部131c1内に配置される。
上記の打撃機構部は、クラッチ機構180を介して電動モータ110に駆動される。クラッチ機構180は、動力伝達状態と動力非伝達状態の間を切り替えられるように構成されている。したがって、クラッチ機構180が動力伝達状態の場合に、運動変換機構120が駆動され、打撃要素140がハンマビット119を打撃してハンマ作業が行われる。なお、本発明に係る説明の便宜上、クラッチ機構180に係る説明については省略する。
図4に示すように、回転伝達機構150は、中間軸116と同軸状に配置された第1ギア151と、第1ギア151と係合する第2ギア153等の複数のギアからなるギア減速機構を主体として構成されている。第2ギア153は、シリンダ129に取り付けられており、第1ギア151の回転をシリンダ129に伝達する。シリンダ129が回転されることで、シリンダ129と一体に連結されたツールホルダ159が回転される。これにより、ツールホルダ159に保持されたハンマビット119が回転駆動される。
図9に基づき、規制機構400の詳細な構成を説明する。この規制機構400が、本発明に係る「規制機構」の一例である。インパクトボルト145は、前側に形成された前側部145aと、後側に形成された後側部145cと、当該前側部145aと後側部145cとの間に形成されるとともに、前側部145aと後側部145cよりも大きい直径を有する大径部145bとを有する。ストライカ143が前側に移動された場合、後側部145cがストライカ145に衝突し、インパクトボルト145が前側に移動される。そして、インパクトボルト145が前側に移動された場合、前側部145aがハンマビット119に衝突する。
なお、シリンダ129および停止部420の構成については後述する。
小径部1294にはツールホルダ159が固定される。大径部1295には、ピストン127が摺動可能に配置される。
図9に係るハンマドリル100において、ツールホルダ159とシリンダ129とを一体化するにあたっては、まず、ツールホルダ159の周溝1597にリングスプリング1598を嵌着する。この状態において、ツールホルダ159の小径部1594を、シリンダ129の後側開口端部1292から挿入する。この際、シリンダ129の後側開口端部1292は、シリンダ129の大径部1295に構成されており、シリンダ129の大径部1295における内径はツールホルダ159の小径部1594の外径よりも大きく構成されている。よって、シリンダ129に対するツールホルダ159の挿入初期に係る作業を簡便に行うことが可能となる。
また、ツールホルダ159をシリンダ129に対し圧入することによる両者が接している領域は、ツールホルダ159の外周面と、シリンダ129の内周面が存在するのみとなっている。
よって、一体化されたツールホルダ159とシリンダ129とを分離した場合における、ツールホルダ159とシリンダ129との破壊を抑止することが可能となる。
位置決めリング159aがこのような構成を有することにより、インパクトボルト145が後側へ移動し、大径部145bが後側当接部159a3に当接しても、位置決めリング159aが大きく振動をすることは無い。
作業者が、図5に示す切替ダイアル165を操作することで、第1ギア151が前方位置と後方位置の間で切り替えられる。さらに、切替ダイアル165を操作することで、保持部材130における後方への移動が許容もしくは規制される。
すなわち、切替ダイアル165は、第1ギア151を後方に位置させるとともに、保持部材130の後方への移動を許容する状態を選択することができる。この場合は、駆動モードとしてハンマドリルモードが選択されることとなり、回転伝達機構150および打撃機構部を駆動することが可能となる。
また、切替ダイアル165は、第1ギア151を前方に位置させるとともに、保持部材130の後方への移動を許容する状態を選択することができる。この場合は、駆動モードとしてハンマモードが選択されることとなり、回転伝達機構150を駆動させない一方で、打撃機構部を駆動させることが可能となる。
また、切替ダイアル165は、第1ギア151を後方に位置させるとともに、保持部材130の後方への移動を規制する状態を選択することができる。この場合は、駆動モードとしてドリルモードが選択されることとなり、回転伝達機構150を駆動する一方で、打撃機構部を駆動させないことが可能となる。
使用者が被加工材にハンマビット119を押し当てると、緩衝機構300における第1緩衝弾性部材301と第2緩衝弾性部材302の付勢力に抗して、保持部材130によって一体状に連結された、運動変換機構120、打撃要素140およびツールホルダ159(打撃機構アセンブリ)が後方に移動される。この状態で、使用者がトリガ109aを操作することにより、ハンマビット119が打撃駆動される。
この状態において、打撃要素140が発生した振動は、振動抑制機構200および緩衝機構300により吸収される。特に、振動抑制機構200は動吸振器により構成されており、ウェイト部220が第1弾性部材210aと第2弾性部材210bとの間で往復されることにより、打撃要素140の駆動による振動を効率的に低減させることが可能となる。この結果、打撃要素140が受ける振動が低減されるため、打撃要素140が発揮する打撃力の低減を抑制することが可能となる。また、ベアリング支持部107を経由してハンドグリップ109へ伝達される振動も、振動抑制機構200および緩衝機構300により低減される。よって、使用者に伝達される振動を抑制することが可能となる。
本発明の第2実施形態に係るハンマドリル100を、図11に基づき説明する。第2実施形態に係るハンマドリル100は、第1実施形態に係るハンマドリル100と比して、規制機構400の構成が異なる。
具体的には、シリンダ129の停止部420は、リングスプリング1297により構成される。具体的には、シリンダ129の前側開口端部1291に近接した内周側領域には周溝が形成されており、当該周溝にリングスプリング1297が嵌着されている。このリングスプリング1297は、規制機構400を構成する上において、シリンダ129およびツールホルダ159とは別体の部品である。よってリングスプリング1297は、規制機構400における固定部材420aであるということができる。この固定部材420aが、本発明に係る「固定部材」の一例である。また、ツールホルダ159の規制部410は、小径部1594に壁面部1598を設けることにより形成される。
第2実施形態に係るハンマドリル100は、第1実施形態に係るハンマドリル100と同様に、ツールホルダ159を後側へ移動させることにより、ツールホルダ159とシリンダ129とを分離することが可能となる。
本発明の第3実施形態に係るハンマドリル100を、図12に基づき説明する。第3実施形態に係るハンマドリル100は、第1実施形態に係るハンマドリル100と比して、規制機構400の構成が異なる。
具体的には、ツールホルダ159の規制部410は、大径部1595の外周に形成されたフランジ部1599により構成される。すなわち、大径部1595において、フランジ部1599が形成される領域が第2領域410cであり、フランジ部1599が形成されていない領域が第1領域410bである。
第3実施形態に係るハンマドリル100は、第1実施形態に係るハンマドリル100と同様に、ツールホルダ159を後側へ移動させることにより、ツールホルダ159とシリンダ129とを分離することが可能となる。
本発明の第4実施形態に係るハンマドリル100を、図13に基づき説明する。第4実施形態に係るハンマドリル100は、第1実施形態に係るハンマドリル100と比して、規制機構400の構成が異なる。
具体的には、ツールホルダ159の規制部410は、壁面部15910により構成される。壁面部15910は、小径部1594の外周において、異なる直径を有する領域を形成することにより構成することができる。すなわち、小径部1594の前側に第1領域410bを形成し、小径部1594の後側に第2領域410cを形成する。この第1領域410bと第2領域410cとの境界おいて、第1領域410bから突出する第2領域410cが、壁面部15910を構成する。また、シリンダ129の停止部420は、突出部1299により構成される。突出部1299は、前側開口端部1291の周縁部を、内側方向へ突出させることにより構成される。
第4実施形態に係るハンマドリル100は、第1実施形態に係るハンマドリル100と同様に、ツールホルダ159を後側へ移動させることにより、ツールホルダ159とシリンダ129とを分離することが可能となる。
(態様1)
使用者が先端工具を被加工部に押し当てた場合には、先端工具と、ツールホルダと、収容シリンダとは、後側へ移動するとともに、
使用者が先端工具を被加工部から離間させた場合には、先端工具と、ツールホルダと、収容シリンダとは、前側へ付勢されるように構成される打撃工具。
(態様2)
ツールホルダには、打撃子が前側に移動した場合に、当該打撃子が衝突する領域が形成される打撃工具。
(態様3)
先端工具を所定の長軸方向に駆動させ、被加工材に対して打撃作業を遂行する打撃工具の製造方法であって、
前記先端工具を保持するとともに、先端工具を先端部から延出するツールホルダと、前記先端工具を前記長軸方向に駆動する打撃機構と、を有し、
前記打撃工具の前記長軸方向における前記ツールホルダの前記先端側を前側と規定し、前記前側と対向する側を後側と規定し、
前記打撃機構は、前記ツールホルダと一体化される収容シリンダと、前記収容シリンダに収容されるとともに前記前側と前記後側の間で前記長軸方向に往復移動されるピストンと、打撃子と、前記ピストンと前記打撃子との間に形成される空気室とを有し、前記ピストンの往復移動に伴う前記空気室の圧力変動により前記打撃子が駆動され、前記打撃子の打撃力を介して前記先端工具を前記長軸方向に駆動するよう構成され、
前記収容シリンダは、前記前側に位置する前側開口端部と、前記後側に位置する後側開口端部と、を有し、
前記打撃工具は、さらに規制機構を有し、
前記規制機構は、前記ツールホルダと前記収容シリンダとが一体化している状態において、前記ツールホルダが前記前側へ移動すること規制するように構成されており、
前記ツールホルダと前記収容シリンダとを一体化する工程は、前記ツールホルダを前記後側開口端部から挿入し、所定位置に至るまで前記前側開口端部に向かい圧入することを特徴とする打撃工具の製造方法。
(態様4)
前記規制機構は、前記ツールホルダの外周部に形成された規制部と、前記収容シリンダの内周部に形成された停止部とにより構成され、
前記ツールホルダを前記収容シリンダに圧入した場合に、前記規制部と前記停止部とが当接することを特徴とする打撃工具の製造方法。
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下の通りである。なお、本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものであり、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
ハンマドリル100は、本発明に係る「打撃工具」の一例である。ハンマビット119は、本発明における「先端工具」の一例である。ツールホルダ159は、本発明に係る「ツールホルダ」の一例である。シリンダ129は、本発明に係る「収容シリンダ」の一例である。ピストン127は、本発明に係る「ピストン」の一例である。インパクトボルト145は、本発明に係る「打撃子」の一例である。空気室127aは、本発明に係る「空気室」の一例である。規制機構400は、本発明に係る「規制機構」の一例である。大径部1595は、本発明に係る「摺動ガイド部」の一例である。規制機構400は、本発明に係る「規制機構」の一例である。固定部材410a、420aは、本発明に係る「固定部材」の一例である。第1領域410bは、本発明に係る「第1領域」の一例である。第2領域410cは、本発明に係る「第2領域」の一例である。
100a 中心軸線
100b 延在軸線
100c 中央平面
101 本体ハウジング
101a 第1本体要素
101b 第2本体要素
103 モータハウジング
103a ネジ
103b バッフルプレート
105 ギアハウジング
106 ハウジング部
106a バレル部
107 ベアリング支持部
107a ガイド受け孔部
107b ガイド受け孔部
108 ガイド支持部
108a ガイド受け孔部
108b ガイド受け孔部
109 ハンドグリップ
109a トリガ
109b 電源ケーブル
110 電動モータ
111 出力軸
112 ファン
113 ピニオンギア
114 ベアリング
115 ベアリング
116 中間軸
117 被動ギア
118a ベアリング
118b ベアリング
119 ハンマビット
120 運動変換機構
123 回転体
123a ベアリング
124 コイルスプリング
125 揺動軸
126 ジョイントピン
126a 連結体
127 ピストン
127a 空気室
129 シリンダ(収容シリンダ)
1291 前側開口端部
1292 後側開口端部
1293 内周部
1294 小径部
1295 大径部
1296 壁面部
1297 リングスプリング
1298 壁面部
1299 突出部
129a ベアリング
129b ベアリング
129c ベアリングケース
130 保持部材
130a 壁面部
131 回転体保持部
131a 前側部
131a1 ガイド挿通孔部
131b 中間部
131c 後側部
131c1 ガイド挿通孔部
132 シリンダ保持部
132a ガイド挿通孔部
140 打撃要素
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト(打撃子)
145a 前側部
145b 大径部
145c 後側部
150 回転伝達機構
151 第1ギア
152 スプライン係合部
153 第2ギア
159 ツールホルダ
1591 前側開口端部
1592 後側開口端部
1593 内周部
1594 小径部
1595 大径部(摺動ガイド部)
1596 衝突部
1597 周溝
1598 壁面部
1599 フランジ部
15910 壁面部
159a 位置決めリング
159a1 前側開口端部
159a2 後側開口端部
159a3 後側当接部
159a4 後側ガイド部
159b リングスプリング
159c 弾性部材
165 切替ダイアル
170a 第1ガイドシャフト
170b 第2ガイドシャフト
170b1 ベアリング
170b2 ベアリング
180 クラッチ機構
190 クラッチスリーブ
200 振動抑制機構
210 弾性部材
210a 第1弾性部材
210b 第2弾性部材
220 ウェイト部
221 円筒部
222 連結部
230 ガイド部
300 緩衝機構
301 第1緩衝弾性部材
302 第2緩衝弾性部材
400 規制機構
410 規制部
410a 固定部材
410b 第1領域
410c 第2領域
420 停止部
420a 固定部材
Claims (6)
- 先端工具を所定の長軸方向に駆動させ、被加工材に対して打撃作業を遂行する打撃工具であって、
前記先端工具を保持するとともに、先端工具を先端部から延出するツールホルダと、前記先端工具を前記長軸方向に駆動する打撃機構と、を有し、
前記打撃工具の前記長軸方向における前記ツールホルダの前記先端側を前側と規定し、前記前側と対向する側を後側と規定し、
前記打撃機構は、収容シリンダと、前記収容シリンダに収容されるとともに前記前側と前記後側の間で前記長軸方向に往復移動されるピストンと、打撃子と、前記ピストンと前記打撃子との間に形成される空気室とを有し、前記ピストンの往復移動に伴う前記空気室の圧力変動により前記打撃子が駆動され、前記打撃子の打撃力を介して前記先端工具を前記長軸方向に駆動するよう構成され、
前記収容シリンダは、前記前側に位置する前側開口端部と、前記後側に位置する後側開口端部と、を有し、
前記ツールホルダと前記収容シリンダとは、前記ツールホルダを前記後側開口端部から前記前側開口端部に向かい所定位置に至るまで圧入することにより一体化され、
前記打撃工具は、さらに規制機構を有し、
前記規制機構は、前記ツールホルダと前記収容シリンダとが一体化している状態においては、前記ツールホルダが前記前側へ移動すること規制するとともに、前記ツールホルダと前記収容シリンダの一体化状態を解除する場合においては、前記収容シリンダに対する前記ツールホルダの前記後側への移動を許容するよう構成されていることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1に記載された打撃工具であって、
前記規制機構は、前記ツールホルダおよび前記収容シリンダとは別体の固定部材により構成されることを特徴とする打撃工具。 - 請求項2に記載された打撃工具であって、
前記固定部材は、前記ツールホルダの外周部に配置されることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1に記載された打撃工具であって、
前記ツールホルダの外周部は、第1領域と、前記長軸方向の交差方向において前記第1領域から突出する第2領域とを有し、
前記規制機構は、前記第2領域により構成されることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載された打撃工具であって、
前記一体化された前記ツールホルダと前記収容シリンダは、前記長軸方向周りに回転駆動されるように構成されており、
前記打撃工具は、前記被加工材に対して回転作業を遂行することが可能とされることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載された打撃工具であって、
前記打撃子は、前記ツールホルダの内周部において、前記前側と前記後側の間で前記長軸方向に往復摺動されるよう構成され、
前記ツールホルダは、往復摺動される前記打撃子の摺動ガイド部を有することを特徴とする打撃工具。
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