JP6380329B2 - 中子造型装置及び中子造型方法 - Google Patents

中子造型装置及び中子造型方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6380329B2
JP6380329B2 JP2015206665A JP2015206665A JP6380329B2 JP 6380329 B2 JP6380329 B2 JP 6380329B2 JP 2015206665 A JP2015206665 A JP 2015206665A JP 2015206665 A JP2015206665 A JP 2015206665A JP 6380329 B2 JP6380329 B2 JP 6380329B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
foundry sand
vibration
sand
blown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015206665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017077572A (ja
Inventor
祐也 福田
祐也 福田
大塚 真
真 大塚
昇一 西
昇一 西
直洋 三浦
直洋 三浦
大剛 岩永
大剛 岩永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2015206665A priority Critical patent/JP6380329B2/ja
Priority to PCT/JP2016/079318 priority patent/WO2017068951A1/ja
Priority to MX2018003448A priority patent/MX2018003448A/es
Priority to CN201680055425.XA priority patent/CN108136488B/zh
Publication of JP2017077572A publication Critical patent/JP2017077572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6380329B2 publication Critical patent/JP6380329B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14778Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the article consisting of a material with particular properties, e.g. porous, brittle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C15/00Moulding machines characterised by the compacting mechanism; Accessories therefor
    • B22C15/23Compacting by gas pressure or vacuum
    • B22C15/24Compacting by gas pressure or vacuum involving blowing devices in which the mould material is supplied in the form of loose particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C15/00Moulding machines characterised by the compacting mechanism; Accessories therefor
    • B22C15/28Compacting by different means acting simultaneously or successively, e.g. preliminary blowing and finally pressing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14336Coating a portion of the article, e.g. the edge of the article

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Casting Devices For Molds (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、中子造型装置及び中子造型方法に関する。
従来より、成形型のキャビティ内に鋳物砂を吹き込み充填して中子を造型する中子造型装置が知られている。特許文献1には、中子を含む鋳型を造型するための鋳型造型装置において、鋳物砂を収容し、下部に該鋳物砂をキャビティに吹き込むブローノズルを有するブローヘッドと、上記鋳物砂の吹き込み時の加圧気体を上記ブローヘッド内に供給する加圧気体供給装置と、上記ブローヘッド内の上記鋳物砂の温度を検出する砂温検出手段と、上記ブローヘッド内の上記鋳物砂の量を検出する砂量検出手段と、上記ブローヘッド内の上記鋳物砂に溶剤を噴霧する溶剤噴霧装置と、上記砂温検出手段で検出した上記ブローヘッド内の上記鋳物砂の温度と上記砂量検出手段で検出した上記鋳物砂の量とに基づき、上記溶剤噴霧装置から噴霧する溶剤の量を制御する噴霧量制御手段と、を備えたものが開示されている。
特許第2008−149352号公報
ところで、近年では、エンジンにおける燃焼室付近の冷却性能を向上させるために、冷却水の高流速化や冷却面積の確保の要請があったり、ヒータ熱量の確保と排気温度の維持との両立の要請があったりして、ウォータジャケットの幅を小さくかつ表面積を広くすることが求められている。このような要請を満たすためには、ウォータジャケットを形成するための中子を薄肉化する必要がある。
一般に、中子を薄肉化させるとき、薄肉化された中子を造型するためのキャビティは、鋳物砂が充填される領域が狭くなるため、キャビティ内に鋳物砂が充填されにくくなる。この結果、キャビティ内の鋳物砂の充填密度が低下し、造型された中子の強度が所望の強度を満たさなくなるおそれがある。特に、キャビティに鋳物砂を吹き込み充填して鋳型を造型する鋳型造型装置では、通常、吹き込みノズルから、鋳物砂と共に加圧気体が吹き込まれる。上記キャビティにおける鋳物砂の充填領域が狭くなっていると、上記キャビティからは、上記加圧気体が抜けにくくなる。これにより、上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂間には、上記加圧気体が残留して、隙間が形成されやすい。この結果、キャビティに鋳物砂が十分に充填されなくなる。
特許文献1に記載の鋳型造型装置では、砂温検出手段で検出したブローヘッド内の鋳物砂の温度と砂量検出手段で検出した鋳物砂の量とに基づき、溶剤噴霧装置から噴霧する溶剤の量を制御することで、粘着剤と混練された鋳物砂を成形型に吹き込む前に、該粘着剤が硬化するのを防止して、粘着剤の硬化による鋳物砂の充填密度の低下を防止している。
しかしながら、上記特許文献1に記載の鋳型造型装置では、鋳物砂間に形成された隙間を埋める手段がなく、薄肉化の要請のある中子の強度を十分に満足できないおそれがある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、中子強度を向上させることで、薄肉化された中子の量産化を実現するとともに、造型された中子の寸法精度を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、鋳物砂を収容するブローヘッドと、該ブローヘッド内に連通するように配設されたブローノズルと、上記ブローヘッド内に加圧気体を供給することで、上記ブローノズルを介して成形型のキャビティ内に上記鋳物砂を吹き込み充填させる加圧気体供給装置と、を備えた中子造型装置を対象として、上記キャビティ内に吹き込まれた上記鋳物砂に振動を加える加振手段と、上記キャビティ内に吹き込まれた上記鋳物砂を、上記キャビティの上面側に引き寄せるように吸引する吸引手段と、上記加圧気体供給装置、上記加振手段及び上記吸引手段の動作を制御可能な制御手段と、をさらに備え、上記制御手段は、上記加圧気体供給装置により上記鋳物砂を吹き込む期間と、上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂に上記加振手段により振動を加える期間と、上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を上記吸引手段により吸引する期間と、が全て重複する期間が存在するように各動作を実行するように構成されており、さらに上記制御手段は、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込みを開始してから第1所定時間が経過した後に、上記加振手段による上記鋳物砂への加振を開始し、上記加振手段による上記鋳物砂への加振を開始してから、第2所定時間が経過した後に、上記吸引手段による上記鋳物砂の吸引を開始し、上記吸引手段による上記鋳物砂の吸引を終了させる時に、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込み及び上記加振手段による上記鋳物砂への加振も終了させるように構成されている、ものとした。
この構成によると、キャビティへの鋳物砂の充填密度を上げて、中子の強度を向上させることができる。
すなわち、加圧気体供給装置によってブローヘッド内に加圧気体を供給し、ブローノズルを介してキャビティ内に鋳物砂を吹き込むと、鋳物砂と共に供給された加圧気体によって、キャビティ内の鋳物砂間に隙間が生じる。この状態で、加振手段によって、このキャビティ内の鋳物砂に振動を加えると、該振動によって鋳物砂が転がる。このとき、鋳物砂は、密度の低い部分である上記隙間の部分へ向かって転がり、隙間に残留していた加圧気体は、上記隙間から解放される。これにより、上記隙間が埋められて、鋳物砂は、自重によってキャビティの底側へ充填される。鋳物砂がキャビティの底側に充填されたことにより、キャビティの上面側には空隙が生じる。そして、該空隙には、ブローノズルから、さらに鋳物砂が吹き込まれる。これにより、上記隙間を鋳物砂によって埋めることができる。
また、吸引手段によって、ブローノズルから吹き込まれた鋳物砂を、キャビティの上面側に引き寄せるように吸引させることができる。これにより、鋳物砂が充填されにくい部分である、キャビティの上部にまで鋳物砂を充填させることができる。
したがって、制御手段によって、加圧気体供給装置により鋳物砂を吹き込む期間と、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂に加振手段により振動を加える期間と、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を吸引手段により吸引する期間と、が全て重複する期間が存在するように各動作を実行することで、ブローノズルからキャビティ内に鋳物砂を吹き込みながら、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、加振手段によって転がしてキャビティの底側に充填させ、さらに、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、吸引手段によってキャビティの上面側に引き寄せて、キャビティの上面側に充填させることができる。これにより、鋳物砂間の隙間を埋めながら、キャビティ内に鋳物砂を充填させることができるため、キャビティ内の鋳物砂の充填密度が高くなり、中子の強度が向上される。この結果、薄肉化された中子の量産化を実現することができる。
また、鋳物砂間の隙間を埋めながら、キャビティ内に鋳物砂を充填させることで、造型された中子の密度が均一になる。これにより、造型された中子を用いて鋳造を行った際の中子の変形(膨張など)が、中子全体で均一になる。この結果、造型された中子の各部分における寸法ばらつきが減少するため、中子の寸法精度を向上させることができる。
上記中子造型装置において、上記制御手段は、上記加振手段による上記鋳物砂への加振を開始してから上記第2所定時間が経過するまでの間は、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込みを一時的に停止させ、上記第2所定時間が経過した後に、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込みを再開させるように構成されていてもよい。
このことによると、キャビティの底側及び上面側に鋳物砂をさらに効率的に充填させることができる。
上記中子造型装置において、鋳物砂は、無機バインダを用いた鋳物砂である、ことが望ましい。
すなわち、無機バインダを用いた鋳物砂で中子を造型することにより、有機バインダを用いるよりも中子の強度をさらに向上させることができる。
また、本発明の別の態様は中子造型方法の発明であり、この発明は、鋳物砂を収容するブローヘッド内に加圧気体を供給することで、上記ブローヘッド内に連通するように配設されたブローノズルを介して、上記鋳物砂を、成形型のキャビティ内に吹き込み充填する吹き込み工程を含む中子造型方法を対象として、上記キャビティ内に吹き込まれた上記鋳物砂に振動を加える加振工程と、上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、上記キャビティの上面側に引き寄せるように吸引する吸引する吸引工程と、をさらに含み、上記吹き込み工程が実行される期間と、上記加振工程が実行される期間と、上記吸引工程が実行される期間と、が全て重複する期間を有し、上記吹き込み工程を開始してから第1所定時間が経過した後に、上記加振工程を開始し、上記加振工程を開始してから第2所定時間が経過した後に、上記吸引工程を開始し、上記吸引工程が終了する時に、上記吹き込み工程及び上記加振工程も終了する、という構成とした。
この構成によると、吹き込み工程が実行されて、ブローヘッド内に加圧気体が供給され、ブローノズルを介してキャビティ内に鋳物砂が吹き込まれる。このとき、鋳物砂と共に供給された加圧気体により鋳物砂間には隙間が生じる。キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂には、加振工程で、振動が加えられる。これにより、振動によって鋳物砂が転がり、上記隙間が埋められるとともに、キャビティの底側に鋳物砂が充填されて、キャビティの上面側に空隙が生じる。また、吸引工程では、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂が、キャビティ内の上面側へ引き寄せられるように吸引される。
したがって、吹き込み工程が実行される期間と、加振工程が実行される期間と、吸引工程が実行される期間と、が全て重複する期間を有することによって、ブローノズルから鋳物砂を吹き込みながら、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、加振によって転がしてキャビティの底側に充填させ、さらに、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、キャビティの上面側に引き寄せるように吸引して、キャビティの上面側に充填させるができる。これにより、鋳物砂間の隙間を埋めながら、キャビティ内に鋳物砂を充填させることができるため、キャビティ内の鋳物砂の充填密度が高くなり、中子の強度が向上される。この結果、薄肉化された中子の量産化を実現することができる。
さらに、鋳物砂間の隙間を埋めながら、キャビティ内に鋳物砂を充填させることで、造型された中子の密度が均一になる。これにより、造型された中子を用いて鋳造を行った際の中子の変形(膨張など)が、中子全体で均一になる。この結果、造型された中子の寸法のばらつきが減少するため、中子の寸法精度を向上させることができる
また、中子の造型では、先ず、吹き込み工程が実行されて、加圧気体供給装置によってブローヘッド内に加圧気体が供給され、ブローノズルを介してキャビティ内に鋳物砂が吹き込まれる。次に、鋳物砂の吹き込みを開始してから第1所定時間経過が経過した後、加振工程が実行されて、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂に振動が加えられる。これにより、振動によって鋳物砂が転がり、鋳物砂間の隙間が埋められるとともに、キャビティの底側に鋳物砂が充填されて、キャビティの上面側に空隙が生じる。そして、鋳物砂への加振を開始してから、第2所定時間経過が経過した後、吸引工程が実行されて、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂がキャビティ内の上面側へ引き寄せられるように吸引される。これにより、鋳物砂が充填されにくい部分である、キャビティの上部にまで鋳物砂が充填される。
このように、吹き込み工程、加振工程及び吸引工程を段階的に開始することにより、キャビティの底側に鋳物砂を充填させてから、キャビティの上面側に鋳物砂を充填させるように、キャビティ内に鋳物砂を段階的に充填させることができる。これにより、キャビティの底側及び上面側に鋳物砂をより効率的に充填させることができる。
吹き込み工程を開始してから第1所定時間が経過した後に、加振工程を開始し、加振工程を開始してから第2所定時間が経過した後に、吸引工程を開始し、吸引工程が終了する時に、吹き込み工程及び加振工程も終了する場合の中子造型方法において、上記加振工程を開始してから上記第2所定時間が経過するまでの間は、上記吹き込み工程を一時的に停止し、上記第2所定時間が経過した後に、上記吹き込み工程を再開する、ようにすることが望ましい。
この構成によると、加振工程を開始してから第2所定時間が経過までの間、吹き込み工程を一時的に停止することで、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、加振によってキャビティの底側に充填させている間は、キャビティ内への鋳物砂の吹き込みが行われないため、鋳物砂及び加圧気体の両方がキャビティ内に供給されない。これにより、吹き込み工程で吹き込まれた鋳物砂を、キャビティの底側に確実に充填させることができる。そして、加振工程を開始してから第2所定時間が経過した後、鋳物砂の吹き込みを再開させるとともに、吹き込まれた鋳物砂の吸引を開始させることで、キャビティの上面側に鋳物砂を充填させることができる。これにより、キャビティの底側及び上面側に鋳物砂をさらに効率的に充填させることができる。
また、第2所定時間の間は、キャビティ内への鋳物砂の吹き込みを実行しないため、ランニングコストを節約することができる。
上記中子造型方法において、上記鋳物砂は、無機バインダを用いた鋳物砂である、ことが望ましい。
上述したように、無機バインダを用いた鋳物砂で中子を造型することにより、有機バインダを用いるよりも中子の強度をさらに向上させることができる。
以上、説明したように、本発明の中子造型装置及び中子造型方法によると、キャビティ内に鋳物砂を吹き込みながら、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂に振動を加えて転がすことで、キャビティの底側に充填させ、さらに、キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、キャビティの上面側に引き寄せるように吸引して、キャビティの上面側に充填させることができる。これにより、鋳物砂間の隙間を埋めながら、キャビティ内に鋳物砂を充填させることができるため、キャビティ内の鋳物砂の充填密度が高くなり、中子強度が向上される。その結果、薄肉化された中子の量産化を実現することができる。
また、鋳物砂間の隙間を埋めながら、キャビティ内に鋳物砂を充填させることで、造型された中子の密度が均一になる。これにより、造型された中子を用いて鋳造を行った際の中子の変形が、中子全体で均一になる。この結果、造型された中子の各部分における寸法ばらつきが減少するため、中子の寸法精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る中子造型装置を示す概略構成図である。 バイブレータによってキャビティ内の鋳物砂に振動を加えている際の、キャビティ内の鋳物砂の動きを示す模式図である。 真空ポンプによってキャビティ内の鋳物砂を吸引している際の、キャビティ内の鋳物砂の動きを示す模式図である。 コントローラによる中子造型時の処理動作を示すフローチャートである。 吹き込み工程、加振工程及び吸引工程を実行した際の、キャビティ内における鋳物砂の充填密度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る中子造型装置50の概略構成図を示す。この中子造型装置50は、鋳物砂41を収容する密閉状の収容部2を有するブローヘッド1を備えている。鋳物砂41は、水ガラス(珪酸ナトリウム)を主体とする無機バインダを用いた鋳物砂であって、砂表面が該無機バインダにより覆われている。尚、図1では、収容部2の上端の一部が開放されたような状態になっているが、実際には、収容部2の上端は後述のシャッター5によって閉じた状態になっている。
鋳物砂41は、収容部2の上側に配設された混練部3で生成されて、収容部2へと供給される。詳しくは、混練部3に、珪砂などの砂と上記無機バインダが投入され、これらが混練部3内に設けられた混練機(図示せず)によって均一に混練されて、砂の表面が無機バインダによって覆われることで、鋳物砂41が生成される。収容部2と混練部3との間には、シャッター駆動機構6によって開閉されるシャッター5が配設されており、シャッター5がシャッター駆動機構6により開かれることで、鋳物砂41が混練部3から自重によって落下して、収容部2に供給される。
上記ブローヘッド1の下端には、ブロープレート7が取り付けられており、該ブロープレート7には、収容部2内に連通するように配設された複数本(図1では3本)のブローノズル8の上端側が装着されている。ブローノズル8の下端側は、ブロープレート7から下方に延びた後、中子造型装置50におけるブロープレート7の下方に配置された成形型35の上型35aに装着される。成形型35内には、キャビティ36が形成されており、上型35aに装着されたブローノズル8の下端側は、キャビティ36内に臨んでいる。すなわち、ブローヘッド1とキャビティ36とは、ブローノズル8によって連通されている。ブローヘッド1の収容部2内に収容された鋳物砂41は、ブローノズル8を介して、キャビティ36内に吹き込み充填され、中子造型装置50により造型される中子の形状となる。中子造型装置50により造型される中子としては、例えば、シリンダヘッドのウォータジャケットを形成するための中子が挙げられる。尚、ブローノズル8は、常開式であっても開閉式であってもよく、複数本のブローノズル8のうち、一部を常開式、残りを開閉式としてもよい。
一方、ブローヘッド1の収容部2を構成する側壁面における上部には、収容部2内に加圧エア(加圧気体)を供給するためのエア供給口2aが設けられている。このエア供給口2aは、電磁弁11を介してエアタンク12と接続されている。エアタンク12内には、工場エアがレギュレータ(図示せず)によって一定圧力(0.2MPa〜1MPa程度)とされた状態で貯蔵されている。鋳物砂41をキャビティ36内に吹き込むときには、電磁弁11が作動して、エアタンク12内の加圧エアがブローヘッド1の収容部2内に供給される。これにより、収容部2内の鋳物砂41が、上記ブローノズル8を介して、キャビティ36内に吹き込み充填される。このことから、電磁弁11及びエアタンク12は、ブローヘッド1内に加圧エアを供給することで、ブローノズル8を介して成形型35のキャビティ36内に鋳物砂41を吹き込み充填させる加圧気体供給装置を構成する。尚、鋳物砂41と共にキャビティ36内に供給された加圧エアは、成形型35の下型35bに複数(図1では4つ)形成された下側エアベント37を介して、キャビティ36外へと抜け出るようになっている。
中子造型装置50は、キャビティ36の外側から、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41に振動を加える加振手段としての2つのバイブレータ20を備えている。2つバイブレータ20は、下型35bの外周部と接触するようにかつ下型35bを挟むように配置されている。バイブレータ20は、所定の振動数の振動を、成形型35の下型35bを介してキャビティ36内に伝達させることで、キャビティ36内の鋳物砂41に振動を加えるものである。このとき、キャビティ36内の鋳物砂41には、水平方向、鉛直方向及び水平方向と鉛直方向との間の斜め方向を含むあらゆる方向の振動が加えられる。詳しくは後述するが、バイブレータ20によって、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41に振動を加えることで、該鋳物砂41がキャビティ36の底側に充填される。尚、バイブレータ20は、下型35bではなく上型35aと接触させるようにしてもよいが、振動を加えることで、鋳物砂41をキャビティ36の底側に充填させるには、キャビティ36の底側を形成する下型35bと接触させるようにする方が望ましい。
上記バイブレータ20からの振動が中子造型装置50全体に伝達されないようにするために、上型35aの上面には、環状の上側防振材52が設けられるとともに、下型35bの下面には、環状の下側防振材53が設けられている。さらに、中子造型装置50における上側防振材52の上側には、上側防振材52の形状に対応するように上側プレート54が設けられ、中子造型装置50における下側防振材52の下側には、下側防振材53の形状に対応するように下側プレート55が設けられている。すなわち、成形型35は、上側及び下側防振材52,53を介して、上側及び下側プレート54,55に挟まれるように配置されている。
中子造型装置50における上側プレート54とブロープレート7との間には、リング状のシール部材56が設けられている。シール部材56が配置されることにより、図1に示すように、ブロープレート7の下面の一部、シール部材56の内側面、上側プレート54の上面の一部、上側プレート54の内周面及び上型35aの上面によって、吸引空間21が形成されている。
吸引空間21は、後述する真空ポンプ24を介してキャビティ36内に充填された鋳物砂41を吸引するため空間である。吸引空間21は、上型35aにおける最も上側に位置する部分である最上部に形成された上側エアベント38を介して、キャビティ36内と連通している。
吸引空間21からは、吸引ノズル22が、シール部材56を貫通して吸引空間21の外に延びている。該吸引ノズル22の一端側は、吸引空間21に臨んだ状態でシール部材56に装着されている一方、吸引ノズル22の他端側は、真空タンク23に装着されている。該真空タンク23には、真空ポンプ24が取り付けられている。
上記真空ポンプ24は、吸引ノズル22を介して吸引空間21内の空気を真空タンク23内へと吸引する。これにより、吸引空間21内の圧力が低下するため、上側エアベント38を介して、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41が、キャビティ36の上面側に引き寄せられる。このことから、吸引空間21、吸引ノズル22、真空タンク23及び真空ポンプ24は、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を、キャビティ36の上面側に引き寄せるように吸引する吸引手段を構成する。尚、真空ポンプ24による吸引の強さは、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41のうちキャビティ36の上面側近傍に位置する鋳物砂41を引き寄せる程度の強さである。
また、中子造型装置50における上型35a及び下型35bには、キャビティ36内の温度を上昇させるためのヒータ39が内蔵されている。詳しくは後述するが、無機バインダを硬化させて、鋳物砂41同士を結合させる際には、キャビティ36内の温度を上昇させて、高温乾燥を行う必要がある。その際に上記ヒータ39が用いられる。
さらに、中子造型装置50におけるブローヘッド1の収容部2内には、収容部2内に供給された鋳物砂41を撹拌する撹拌部材25が設けられている。この撹拌部材25は、鋳物砂41をほぐすものであって、上下方向に延びかつ回転可能に支持された回転軸25aと、この回転軸25aの下端部に固定されかつ水平方向に延びる基板25bと、この基板25b上に設けられた複数本(図1では4本)の撹拌棒25cとから構成されている。上記回転軸25aの上端部は、撹拌部材駆動機構26と連結されている。撹拌部材駆動機構26は、駆動モータ26aと、駆動モータ26aの回転軸と上記回転軸25aとを連結する、例えば曲げ自在なワイヤ等からなる連結部材26bと、駆動モータ26aを駆動するための駆動回路(図示せず)とを有している。
また、中子造型装置50は、電磁弁11、バイブレータ20及び真空ポンプ24の動作を含めて、中子造型装置50全体の作動制御を行う制御手段としてのコントローラ100を備えている。コントローラ100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号を入出力する入出力(I/O)バスとを備えている。
ここで、特に、シリンダヘッドのウォータジャケットを形成するための中子等、薄肉化の要請がある中子を造型するとき、該中子を造型するためのキャビティ36は、鋳物砂41が充填される領域が狭くなるため、キャビティ36内に鋳物砂41が充填されにくくなる。この結果、キャビティ36内の鋳物砂41の充填密度が低下し、造型された中子の強度が所望の強度を満たさなくなることがある。特に、本実施形態のように、キャビティ36内に鋳物砂41を吹き込み充填して中子を造型する中子造型装置50では、上述したように、加圧エアによって鋳物砂41をキャビティ36内に吹き込むため、ブローノズル8からは、鋳物砂41と共に加圧エアが吹き込まれる。このとき、上記キャビティ36は、鋳物砂41が充填される領域が狭くなっているため、上記キャビティ36からは、上記加圧エアが抜けにくくなっている。これにより、上記キャビティ36内における鋳物砂41間には、上記加圧エアが残留して、隙間が形成されやすい。この結果、キャビティ36に鋳物砂41が十分に充填されなくなる。
そこで、本実施形態では、電磁弁11及びエアタンク12により鋳物砂41を吹き込む期間と、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41にバイブレータ20により振動を加える期間と、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を真空ポンプ24等により吸引する期間と、が全て重複する期間が存在するようにして、キャビティ36内の鋳物砂41の充填密度を向上させるようにしている。
具体的には、コントローラ100は、キャビティ36内に鋳物砂41を吹き込み充填する吹き込み工程を開始させてから、第1所定時間が経過した後、キャビティ36に吹き込まれた鋳物砂41に、バイブレータ20によって振動を加える加振工程を開始させる。加振工程を開始させるとき、コントローラ100は、上記吹き込み工程を一時的に停止させる。そして、加振工程を開始してから、第2所定時間が経過した後、コントローラ100は、キャビティ36に吹き込まれた鋳物砂41を、真空ポンプ24等によってキャビティ36の最上部に引き寄せるように吸引する吸引工程を開始させる。吸引工程を開始させるとき、コントローラ100は、上記吹き込み工程を再開させるとともに、上記加振工程を継続させる。そして、上記吸引工程を終了させるときに、上記吹き込み工程及び上記加振工程を終了させる。これにより、吸引工程が実行されている間は、吹き込み工程が実行される期間と、加振工程が実行される期間と、吸引工程が実行される期間と、が全て重複するようになる。尚、第1及び第2所定時間は、例えば1秒程度である。
以下に、図2及び図3を参照しながら、上記加振工程におけるキャビティ36内の鋳物砂41の動き及び上記吸引工程におけるキャビティ36内の鋳物砂41の動きについて詳細に説明する。
図2は、バイブレータ20によってキャビティ36内の鋳物砂41に振動を加えている際の、キャビティ36内の鋳物砂41の動きを示す。バイブレータ20によって、キャビティ36内の鋳物砂41に振動が加えられると、該振動によって、鋳物砂41は、他の鋳物砂41の表面と接触して転がる。このとき、鋳物砂41は、密度の低い部分、すなわち、加圧エアによって形成された隙間の部分へ向かって転がり、該隙間に残留していた加圧エアは、上記隙間から解放される。これにより、鋳物砂41は、上記隙間を埋めるとともに、自重によってキャビティ36の底側に充填されていく。尚、図2では、振動の方向の例として左右方向のみを矢印で示しているが、実際には、紙面に垂直な方向、鉛直方向及びそれらの間の斜め方向を含むあらゆる方向の振動が鋳物砂41に加えられている。
そして、鋳物砂41がキャビティ36の底側に充填されたことにより、キャビティ36の上面側に空隙が生じる。該空隙には、ブローノズル8から鋳物砂41が吹き込み充填される。これにより、鋳物砂41間に形成された隙間が鋳物砂41によって埋められる。
図3は、真空ポンプ24等によってキャビティ36内の鋳物砂41を吸引している際の、キャビティ36内の鋳物砂41の動きを示す。上述したように、真空ポンプ24によって吸引空間21内の圧力が下げられることで、キャビティ36内の鋳物砂41は、吸引空間21と連通する上側エアベント38に向かって引き寄せられる。上側エアベント38は、キャビティ36の最上部に設けられているため、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41は、キャビティ36の最上部に向かって引き寄せられる。これにより、鋳物砂41が充填されにくい部分であるキャビティ36の最上部にまで鋳物砂41が充填される。
加振工程及び吸引工程において、キャビティ36内の鋳物砂41は、上述のような動きをするため、コントローラ100によって、吹き込み工程が実行される期間と、加振工程が実行される期間と、吸引工程が実行される期間と、が全て重複する期間が存在するように制御することで、キャビティ36に吹き込まれた鋳物砂41を、バイブレータ20によって転がして、キャビティ36の底側に充填させ、キャビティ36の上面側に空隙を形成させて、該空隙にブローノズル8から鋳物砂41を吹き込み、上記空隙に吹き込まれた鋳物砂41を、真空ポンプ24等によってキャビティ36の最上部に向かって引き寄せて、キャビティ36の上面側に充填させることができる。これにより、鋳物砂41間に形成された隙間を埋めながら、キャビティ36内に鋳物砂41を充填させることができるため、キャビティ36内の鋳物砂41の充填密度を向上させることができる。
また、上記吹き込み工程を開始させてから、第1所定時間が経過した後、上記加振工程を開始し、上記加振工程を開始してから、第2所定時間が経過した後、上記吸引工程を開始させることで、先ず、キャビティ36に鋳物砂41を吹き込み、吹き込まれた鋳物砂41を、上記加振工程によってキャビティ36の底側に充填させてから、上記吸引工程によってキャビティ36の上面側に鋳物砂41を充填させることができる。これにより、鋳物砂41がキャビティ36内に段階的に充填される。この結果、キャビティ36の底側及び上面側に、鋳物砂41を確実に充填させることができる。
さらに、加振工程を開始してから、第2所定時間が経過するまでの間、鋳物砂41の吹き込みを停止させることによって、キャビティ36内の鋳物砂41をキャビティ36の底側に充填させている間は、鋳物砂41及び加圧エアの両方がキャビティ36内に供給されないため、最初の吹き込み工程で吹き込まれた鋳物砂41を、キャビティ36の底側に確実に充填させることができる。そして、加振工程を開始してから第2所定時間が経過した後、鋳物砂41の吹き込みを再開することによって、キャビティ36の上面側に形成された空隙に、該空隙に鋳物砂41を吹き込むことができる。また、加振工程を開始してから第2所定時間が経過した後には、吸引工程も開始されるため、キャビティ36の上面側に吹き込まれた鋳物砂41が、キャビティ36の上面側における最上部にまで充填される。これにより、キャビティ36の底側及び上面側に、鋳物砂41を効率的に充填させることができる。また、第2所定時間の間は、加圧エアの供給を実行させないため、ランニングコストを節約することができる。
次に、図4に示す、コントローラ100による中子造型時の処理動作を示すフローチャートを参照しながら、中子造型装置50により中子を造型する方法を説明する。以下に説明する方法では、例えば、シリンダヘッドのウォータジャケットを形成するための中子が造型される。
先ず、ステップS101において、コントローラ100は、混練機を駆動させて、混練部3に供給された珪砂などの砂と水ガラスを主体とする無機バインダとを混練させる。これにより、砂の表面が無機バインダによって覆われて鋳物砂41が生成される。
次のステップS102では、コントローラ100は、シャッター駆動機構6を駆動して、混練部3の底部に設けられたシャッター5を開ける。これにより、鋳物砂41が、混練部3からブローヘッド1の収容部2に供給される。収容部2に供給された鋳物砂41は、撹拌部材25によってほぐされる。
続いて、ステップS103では、コントローラ100は、電磁弁11に指令を送り、吹き込み工程を開始して、キャビティ36内に鋳物砂41を吹き込み充填させる。吹き込み工程では、電磁弁11が開放されて、エアタンク12内の加圧エアが収容部2内に供給される。これにより、収容部2内の鋳物砂41が、ブローノズル8を介して、成形型35のキャビティ36内に吹き込み充填される。
次に、ステップS104では、コントローラ100は、上記吹き込み工程が開始されてから、第1所定時間が経過したか否かを判定する。判定の結果、第1所定時間が経過しているYESのときは、ステップS105に進み、第1所定時間が経過していないNOのときには、ステップS103に戻って吹き込み工程を継続させる。
上記ステップS105では、コントローラ100は、上記吹き込み工程を一時的に停止させるとともに、加振工程を開始させて、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41に振動を加える。つまり、このステップS105では、加振工程のみが実行される。加振工程では、バイブレータ20が駆動されて、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41に、キャビティ36の外側から振動が加えられる。これにより、キャビティ36内の鋳物砂41は、上記吹き込み工程において、鋳物砂41と共に供給された加圧エアによって形成された隙間を埋めるとともに、自重によって、キャビティ36の底側に充填される。鋳物砂41がキャビティ36の底側に充填されると、キャビティ36の上面側には空隙が形成される。
次のステップS106では、コントローラ100は、上記加振工程を開始してから、第2所定時間が経過したか否かについて判定する。判定の結果、第2所定時間が経過しているYESのときは、ステップS107に進み、第2所定時間が経過していないNOのときには、ステップS105に戻って、上記吹き込み工程を停止させた状態で、加振工程を継続させる。
上記ステップS107では、コントローラ100は、上記加振工程を継続させた状態で、上記吹き込み工程を再開させるとともに、吸引工程を開始させる。吹き込み工程が再開されることで、加振工程によって、キャビティ36の上面側に形成された空隙に、さらに鋳物砂41が吹き込まれる。また、吸引工程では、コントローラ100は、真空ポンプ24を駆動させ、吸引空間21内の空気を、吸引ノズル22を介して真空タンク23に吸引させることで、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を、キャビティ36の最上部に形成された上側エアベント38に向かって引き寄せる。これにより、鋳物砂41は、キャビティ36の上面側における最上部にまで充填される。そして、フローチャートには示していないが、コントローラ100は、吸引工程を開始してから第3所定時間が経過した後、吸引工程を終了させ、吹き込み工程及び加振工程も終了させる。すなわち、コントローラ100は、吸引工程を実行している間は、吹き込み工程が実行される期間と、加振工程が実行される期間と、吸引工程が実行される期間と、が全て重複するように制御する。尚、第3所定時間は、鋳物砂41がキャビティ36の底側から上面側まで充填されるのに十分な時間である。
次のステップS108では、上型35a及び下型35bに設けられたヒータ39によって、キャビティ36内の温度を上昇させ、鋳物砂41を高温乾燥させる。これにより、水ガラス内の余分な水分が蒸発して水ガラスが硬化し、中子が造型される。
次のステップS109では、成形型35を外して、上記ステップS108で造型された中子を取り出す。以上により、中子の造型が終了する。
図5は、本実施形態に係る中子造型装置50を用いて、上記吹き込み工程、加振工程及び吸引工程を実行した際の、キャビティ36内における鋳物砂41の充填密度の変化を示すグラフである。図5において、縦軸は、鋳物砂41の充填密度を表し、横軸は、鋳物砂41の充填時間を表している。横軸の下側に示す矢印は、コントローラ100によって、吹き込み工程、加振工程及び吸引工程が実行されているか否かを表すものであり、矢印が記載されている部分では、該矢印に対応する工程が実行されていることを表し、矢印が記載されていない部分では、該矢印に対応する工程は実行されていないことを表している。また、図5のグラフ中に示す2本の破線のうち、下側の破線は、吹き込み工程のみでキャビティ36内に鋳物砂41を充填したときの充填密度を表し、上側の破線は、吹き込み工程が実行される期間と、加振工程が実行される期間と、吸引工程が実行される期間と、が全て重複する期間を設けて、キャビティ36内に鋳物砂41を充填したときの充填密度を表す。
図5を参照すると、先ず、吹き込み工程が開始され、鋳物砂41がキャビティ36内に吹き込まれることで、キャビティ36内の充填密度が上昇する。この吹き込み工程によって、充填密度は、吹き込み工程のみでキャビティ36内に鋳物砂41を充填したときの充填密度まで上昇する。尚、グラフには、キャビティ36の底側の充填密度の変化と、キャビティ36の上面側の充填密度の変化とを示しているが、吹き込み工程のみを実行している間は、キャビティ36の底側及び上面側ともに、同程度の割合で充填密度が上昇するため、2つのグラフが重なって見えている。
上述したように、吹き込み工程を開始してから第1所定時間(図5ではt1)が経過した後は、吹き込み工程が一時的に停止されるとともに、加振工程が実行される。加振工程が実行されると、キャビティ36内の鋳物砂41は、キャビティ36の底側に充填されるため、図5に示すように、キャビティ36の底側の充填密度は上昇する。一方、キャビティ36の上面側には、空隙が形成されるため、図5に示すように、キャビティ36の上面側の充填密度は低下する。
そして、上述したように、加振工程が開始されてから、第2所定時間(図5ではt2)が経過した後は、加振工程が実行されたまま、吹き込み工程が再開されるとともに、吸引工程が開始される。これにより、キャビティ36内にさらに吹き込まれた鋳物砂41は、キャビティ36の底側に充填され、キャビティ36の底側の充填密度は上昇する。その後、キャビティ36の底側全体に鋳物砂41が充填されると、キャビティ36の底側には鋳物砂41が充填される領域がなくなるため、キャビティ36の底側の充填密度は飽和する。一方、吹き込み工程及び吸引工程によって、キャビティ36の上面側には、新たに鋳物砂41が充填されるため、キャビティ36の上面側の充填密度は上昇する。吸引工程を開始してから第3所定時間(図5ではt3)が経過すると、キャビティ36の上面側全体にまで鋳物砂41が充填され、キャビティ36の上面側の充填密度は飽和する。このとき、吸引工程によって、キャビティ36の最上部にまで鋳物砂41が充填されるため、キャビティ36の底側の充填密度と上面側の充填密度とは、略同じ値に飽和する。
すなわち、図5に示すように、本実施形態に係る中子造型装置50によって、キャビティ36内の鋳物砂41の充填密度が上昇することがわかる。このように、充填密度が向上されることにより、中子強度が向上されるため、シリンダヘッドのウォータジャケットを形成するための中子等、薄肉化の要請がある中子の量産化を実現することができる。また、キャビティ36内の充填密度が飽和傾向を示すまで鋳物砂41を充填させることにより、造型された中子の密度が均一になるため、造型された中子を用いて鋳造を行った際の中子の変形が、中子全体で均一になる。この結果、造型された中子の寸法のばらつきが減少するため、中子の寸法精度を向上させることができる。
したがって、本実施形態では、鋳物砂41を収容するブローヘッド1と、該ブローヘッド1内に連通するように配設されたブローノズル8と、ブローヘッド1内に加圧エアを供給することで、ブローノズル8を介して成形型35のキャビティ36内に鋳物砂41を吹き込み充填させる電磁弁11及びエアタンク12と、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41に振動を加えるバイブレータ20と、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を、キャビティ36の上面側に引き寄せるように吸引する真空ポンプ24等と、電磁弁11、バイブレータ20及び真空ポンプ24等の動作を制御可能なコントローラ100と、を備え、コントローラ100は、電磁弁11及びエアタンク12により鋳物砂41を吹き込む期間と、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41にバイブレータ20により振動を加える期間と、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を真空ポンプ24等により吸引する期間と、が全て重複する期間が存在するように各動作を実行するように構成されている。
この構成により、ブローノズル8からキャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を、バイブレータ20によって転がして、上記鋳物砂41をキャビティ36の底側に充填させ、さらに、キャビティ36内に吹き込まれた鋳物砂41を、真空ポンプ24等によってキャビティ36の最上部に引き寄せて、上記鋳物砂41をキャビティ36の上面側に充填させることができる。これにより、鋳物砂41間の隙間を埋めながら、キャビティ36内に鋳物砂41を充填させることができるため、キャビティ36内の鋳物砂41の充填密度が高くなり、中子強度が向上される。この結果、薄肉化された中子の量産化を実現することができる。
また、キャビティ36内への鋳物砂41の充填密度が向上することで、造型された中子の密度が均一になる。これにより、造型された中子を用いて鋳造を行った際の中子の変形が、中子全体で均一になる。この結果、造型された中子の寸法のばらつきが減少するため、中子の寸法精度を向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、本実施形態では、砂と水ガラスを主体とする無機バインダとを混練させることで、鋳物砂41を生成しているが、これに限らず、砂と有機バインダとを混練させることで鋳物砂41を生成してもよい。このとき、有機バインダとしては、例えば、フェノール樹脂及びポリイソシアネート化合物を主体とする有機バインダを用いることができる。
また、本実施形態では、加振工程を開始してから第2所定時間が経過するまでの間、吹き込み工程を停止させるようにしているが、これに限らず、第2所定時間の間も吹き込み工程を継続させてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、キャビティ内に鋳物砂を吹き込み充填して中子を造型する中子造型装置及び中子造型方法に有用である。
1 ブローヘッド
8 ブローノズル
11 電磁弁(加圧気体供給装置)
12 エアタンク(加圧気体供給装置)
20 バイブレータ(加振手段)
21 吸引空間(吸引手段)
22 吸引ノズル(吸引手段)
23 真空タンク(吸引手段)
24 真空ポンプ(吸引手段)
35 成形型
36 キャビティ
41 鋳物砂
50 中子造型装置
100 コントローラ(制御手段)

Claims (6)

  1. 鋳物砂を収容するブローヘッドと、該ブローヘッド内に連通するように配設されたブローノズルと、上記ブローヘッド内に加圧気体を供給することで、上記ブローノズルを介して成形型のキャビティ内に上記鋳物砂を吹き込み充填させる加圧気体供給装置と、を備えた中子造型装置であって、
    上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂に振動を加える加振手段と、
    上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、上記キャビティの上面側に引き寄せるように吸引する吸引手段と、
    上記加圧気体供給装置、上記加振手段及び上記吸引手段の動作を制御する制御手段と、をさらに備え、
    上記制御手段は、上記加圧気体供給装置により上記鋳物砂を吹き込む期間と、上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂に上記加振手段により振動を加える期間と、上記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を上記吸引手段により吸引する期間と、が全て重複する期間が存在するように各動作を実行するように構成されており、
    さらに上記制御手段は、
    上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込みを開始してから第1所定時間が経過した後に、上記加振手段による上記鋳物砂への加振を開始し、
    上記加振手段による上記鋳物砂への加振を開始してから、第2所定時間が経過した後に、上記吸引手段による上記鋳物砂の吸引を開始し、
    上記吸引手段による上記鋳物砂の吸引を終了させる時に、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込み及び上記加振手段による上記鋳物砂への加振も終了させるように構成されている
    ことを特徴とする中子造型装置。
  2. 請求項1に記載の中子造型装置において、
    上記制御手段は、上記加振手段による上記鋳物砂への加振を開始してから上記第2所定時間が経過するまでの間は、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込みを一時的に停止させ、上記第2所定時間が経過した後に、上記加圧気体供給装置による上記鋳物砂の吹き込みを再開させるように構成されている
    ことを特徴とする中子造型装置。
  3. 請求項1又は2に記載の中子造型装置において、
    上記鋳物砂は、無機バインダを用いた鋳物砂である
    ことを特徴とする中子造型装置。
  4. 鋳物砂を収容するブローヘッド内に加圧気体を供給することで、上記ブローヘッド内に連通するように配設されたブローノズルを介して、上記鋳物砂を、成形型のキャビティ内に吹き込み充填する吹き込み工程を含む中子造型方法であって、
    上記キャビティ内に吹き込まれた上記鋳物砂に振動を加える加振工程と、
    記キャビティ内に吹き込まれた鋳物砂を、上記キャビティの上面側に引き寄せるように吸引する吸引工程と、をさらに含み、
    上記吹き込み工程が実行される期間と、上記加振工程が実行される期間と、上記吸引工程が実行される期間とが全て重複する期間を有し、
    上記吹き込み工程を開始してから第1所定時間が経過した後に、上記加振工程を開始し、
    上記加振工程を開始してから第2所定時間が経過した後に、上記吸引工程を開始し、
    上記吸引工程が終了する時に、上記吹き込み工程及び上記加振工程も終了する
    ことを特徴とする中子造型方法。
  5. 請求項4に記載の中子造型方法において、
    上記加振工程が開始されてから上記第2所定時間が経過するまでの間は、上記吹き込み工程を一時的に停止し、上記第2所定時間が経過した後に、上記吹き込み工程を再開することを特徴とする中子造型方法。
  6. 請求項4又は5に記載の中子造型方法において、
    上記鋳物砂は、無機バインダを用いた鋳物砂である
    ことを特徴とする中子造型方法。
JP2015206665A 2015-10-20 2015-10-20 中子造型装置及び中子造型方法 Expired - Fee Related JP6380329B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015206665A JP6380329B2 (ja) 2015-10-20 2015-10-20 中子造型装置及び中子造型方法
PCT/JP2016/079318 WO2017068951A1 (ja) 2015-10-20 2016-10-03 中子造型装置及び中子造型方法
MX2018003448A MX2018003448A (es) 2015-10-20 2016-10-03 Dispositivo de moldeo de nucleo y metodo de moldeo de nucleo.
CN201680055425.XA CN108136488B (zh) 2015-10-20 2016-10-03 制芯装置和制芯方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015206665A JP6380329B2 (ja) 2015-10-20 2015-10-20 中子造型装置及び中子造型方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017077572A JP2017077572A (ja) 2017-04-27
JP6380329B2 true JP6380329B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=58557242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015206665A Expired - Fee Related JP6380329B2 (ja) 2015-10-20 2015-10-20 中子造型装置及び中子造型方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6380329B2 (ja)
CN (1) CN108136488B (ja)
MX (1) MX2018003448A (ja)
WO (1) WO2017068951A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020110811A (ja) 2019-01-09 2020-07-27 新東工業株式会社 中子造型方法及び中子造型装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6146043U (ja) * 1984-08-24 1986-03-27 新東工業株式会社 自硬性鋳型の造型装置
JPH07290189A (ja) * 1994-04-28 1995-11-07 Aisin Takaoka Ltd 中子造型装置及び中子造型方法
CN1049377C (zh) * 1997-01-15 2000-02-16 沈阳市铸造材料研究所 无毒吹空气硬化制芯方法
JP3415506B2 (ja) * 1999-09-17 2003-06-09 新東工業株式会社 水平割自硬性鋳型の造型方法及びその装置
WO2012165181A1 (ja) * 2011-06-03 2012-12-06 新東工業株式会社 中子造型機における中子砂充填装置及び中子砂充填方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN108136488A (zh) 2018-06-08
CN108136488B (zh) 2020-08-25
WO2017068951A1 (ja) 2017-04-27
JP2017077572A (ja) 2017-04-27
MX2018003448A (es) 2018-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6380329B2 (ja) 中子造型装置及び中子造型方法
CN110091414A (zh) 一种预制装配式饰面清水混凝土墙板及制作工艺
CN207373404U (zh) 蒸压加气混凝土砌块排气装置
CS371291A3 (en) Moulds for making units for prefabricated buildings
JP6481696B2 (ja) 低圧鋳造方法及び低圧鋳造装置
CN102371338A (zh) V法工艺结合消失模工艺铸造工程桥壳桥包口的工艺方法
KR101582803B1 (ko) 콘크리트 성형 장치
KR100489532B1 (ko) 내화 프리케스트 블럭의 제조장치 및 그 제조방법
JP2000317575A (ja) 消失鋳造方法
KR20090109721A (ko) 로스트 스티렌 폼 주조장치
JP3852026B2 (ja) 真空注型用樹脂注入装置
CN216152652U (zh) 一种混凝土预制构件的模具
JP4540415B2 (ja) 音響整合部材の製造方法
JPH10137135A (ja) 球状焼物自動製造方法及び装置
JP3465819B2 (ja) 鋳造用鋳型における、粒状充填物充填方法ならびに充填装置
JP3170973B2 (ja) ガス硬化鋳型の造型方法
JPH01313130A (ja) 消失模型鋳造方法
JP2659870B2 (ja) 中子製作方法
KR20040092908A (ko) 콘크리트 성형장치
JP2680992B2 (ja) 取鍋の耐火性のライニングを製造又は修復する方法及び該方法の適用に適切な型板
JP2017013103A (ja) ポンプ製造システム及びポンプ製造方法
JPS6113150Y2 (ja)
JP2001191149A (ja) 鋳造用の振動成型方法と該方法に用いる鋳造用の振動成型機及び鋳造用の中子箱
JPS649901B2 (ja)
JPH04339544A (ja) 自硬性鋳型製作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6380329

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees