JP6380203B2 - センサー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性体で構成されるキャリアとトナーとが混合された二成分現像剤のトナー濃度を検出する技術に関するものである。
二成分現像剤においてキャリアに対するトナーの割合が変化すると、検知コイルを含むLC共振回路の共振周波数が変化することを利用して、トナー濃度を検出するトナー濃度センサーが知られている。例えば、特許文献1には、LC共振回路の共振周波数が変化すると、LC共振回路から出力されるパルス信号のパルス数が変化するので、このパルス数をカウントすることで、トナー濃度を検出するトナー濃度センサーが開示されている。
特開平8―271481号公報
ところで、トナー濃度に応じたLC共振回路の共振周波数の変動幅は、共振周波数に対して数%程度と非常に小さい。そのため、共振周波数の変化の検出感度は非常に低く、共振周波数の変化からトナー濃度を正確に検出することは容易ではない。特許文献1では、共振周波数の変化の検出感度の低さに対する対策が何ら講じられていないので、トナー濃度を正確に検出できないという問題がある。
本発明の目的は、共振周波数の変化の検出感度を高め、トナー濃度を正確に検出できるセンサー装置を提供することである。
本発明の一態様によるセンサー装置は、現像装置に収納され、磁性体からなるキャリア及びトナーを含む二成分現像剤のトナー濃度を検出するセンサー装置であって、検知コイル及びコンデンサーを含み、前記トナー濃度に応じた周波数を持つパルス信号を出力するLC共振回路と、前記LC共振回路から出力されたパルス信号を逓倍する逓倍部と、前記逓倍部により逓倍されたパルス信号のパルス数から複数のサンプリング期間のそれぞれにおいて所定のオフセットパルス数を間引き、前記間引いた結果得られる差分パルス数に基づいて、前記トナー濃度を検出する濃度検出部とを備える。
この構成によれば、LC共振回路から出力されるパルス信号は、逓倍部により逓倍されると同時に各サンプリング期間において所定のオフセットパルス数が間引かれる。そのため、サンプリング期間に含まれる全パルス数に対する共振周波数の変動幅を示すパルス数の割合が増大する。これにより、共振周波数の変化の検出感度が高められ、トナー濃度を正確に検出できる。
また、上記センサー装置において、前記逓倍部は、カスケード接続された複数の逓倍回路で構成されていてもよい。
この構成によれば、カスケード接続された逓倍回路の接続数を変更することで、希望する逓倍数のパルス信号を濃度検出部に入力できる。
また、上記センサー装置において、前記逓倍回路は、入力されたパルス信号のエッジを検出するエッジ検出回路で構成されていてもよい。
この構成によれば、入力されたパルス信号のエッジが検出されるため、当該パルス信号を2逓倍することができる。
また、上記センサー装置において、前記サンプリング周期において、前記LC共振回路から出力されたパルス信号は、前記トナー濃度に応じて変化しない固定パルス数成分を含み、前記オフセットパルス数は、前記固定パルス数成分に基づいて設定されていてもよい。
この構成によれば、トナー濃度に応じて変化しない固定パルス数成分に基づいてオフセットパルス数が設定されているので、トナー濃度の変化を示すパルス数に影響を与えることなく、サンプリング期間においてオフセットパルス数を間引くことができる。
また、上記センサー装置において、前記濃度検出部は、各サンプリング期間において、入力されるパルス信号のパルス数をカウントするm(mは2以上の整数)ビットのカウンタと、各サンプリング期間において、前記カウントされたカウント値から最上位ビットであるmビット目の値から「1」を減算する減算器とをを備え、前記逓倍部は、前記カウント値のmビット目が「1」、残りのビットが「0」となるビット列が、トナー濃度に応じて変動しない成分となるように前記LC発振回路から出力されたパルス信号を逓倍してもよい。
この構成によれば、カウント値のmビット目が「1」、残りのビットが「0」となるビット列がトナー濃度に応じて変動しない成分となるように逓倍数が調整されている。そのため、減算器はカウンタによるカウント値からmビット目の値を「1」から「0」にするだけで、オフセットパルス数を減じる処理を行うことができる。そのため、別途、オフセットパルス数を記憶させるメモリを設ける必要がなくなると同時に、減算処理を簡略化できる。
本発明によれば、共振周波数の変化の検出感度を高め、トナー濃度を正確に検出できる。
本発明の実施の形態におけるセンサー装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態におけるLC共振回路の平面図である。 本発明の実施の形態におけるLC共振回路の回路図である。 本発明の実施の形態における現像装置の内部構造を示す側断面図である。 図1に示す逓倍回路の回路図である。 EXOR回路への入力信号と出力信号とを示した波形図である。 本発明の実施の形態において、パルス信号S1〜S3の波形図である。 PLL回路の回路図である。 本実施形態に係るセンサー装置1が搭載された画像形成装置の構成を示すブロック図である。
<センサー装置の説明>
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるセンサー装置1の全体構成を示すブロック図である。センサー装置1は、LC共振回路110、逓倍部120、及び濃度検出部140を備える。センサー装置1は、磁性体からなるキャリアと樹脂からなるトナーとが混合された二成分現像剤のトナー濃度を検出する。
LC共振回路110は、検知コイル及びコンデンサー等を含み、トナー濃度に応じた周波数を持つパルス信号S1を出力する。逓倍部120は、LC共振回路110から出力されたパルス信号S1の周波数を逓倍する。逓倍部120は、カスケード接続された複数の逓倍回路130を備える。図1の例では、逓倍部120は、カスケード接続された3個の逓倍回路131,132,133を備えているが、これは一例であり、M(Mは1以上の整数)個の逓倍回路130で構成されてもよい。
逓倍回路130は、例えば、2逓倍回路で構成されている。但し、これは一例であり、n(nは2以上の整数)逓倍回路で構成されてもよい。逓倍回路131は、LC共振回路110から出力されたパルス信号S1を2逓倍する。逓倍回路132は、逓倍回路131から出力されたパルス信号S2を2逓倍する。逓倍回路133は、逓倍回路132から出力されたパルス信号S3を2逓倍する。
よって、パルス信号S2の周波数はパルス信号S1の2倍となる。また、パルス信号S3の周波数はパルス信号S1の4倍となる。また、逓倍回路133から出力されたパルス信号S4の周波数はパルス信号S1の8倍となる。
濃度検出部140は、逓倍部120により逓倍されたパルス信号S4のサンプリング期間のそれぞれにおいて所定のオフセットパルス数を間引き、間引いたパルス数に基づいて、トナー濃度を検出する。
具体的には、濃度検出部140は、カウンタ141、減算器142、オフセットパルス記憶部143、濃度算出部144、及びテーブル記憶部145を備える。
カウンタ141は、各サンプリング期間において、パルス信号S4のパルス数をカウントする。減算器142は、各サンプリング期間において、カウンタ141がカウントしたパルス信号S4のパルス数からオフセットパルス数を減算する。以下、減算器142が減算したパルス数を「差分パルス数」と呼ぶ。オフセットパルス記憶部143は、例えば、不揮発性の記憶装置で構成され、オフセットパルス数を予め記憶する。
ここで、LC共振回路110から出力されたパルス信号S1において、トナー濃度に応じて変化しないサンプリング期間のパルス数を固定パルス数成分、トナー濃度の変動幅に応じて変化するサンプリング期間のパルス数を変動パルス数成分と規定する。
この場合、オフセットパルス数は、固定パルス数成分に基づいて設定される。具体的にはオフセットパルス数は、固定パルス数成分を逓倍部120で逓倍したパルス数が採用できる。図1の例では、逓倍部120の逓倍数は8なので、オフセットパルス数は、固定パルス数成分の8倍のパルス数が採用される。
但し、本発明はこれに限定されない。例えば、サンプリング期間における全パルス数のうち、変動パルス数成分の占める割合が、例えば5%であり、残り95%が固定パルス数成分の占める割合であると仮定する。この場合、濃度検出部140に入力されるサンプリング期間の全パルス数に対して、95%のパルス数以下の所定個数のパルス数がオフセットパルス数として採用できる。
濃度算出部144は、減算器142により算出された差分パルス数に対応するトナー濃度をテーブル記憶部145に記憶された対応テーブルを参照してトナー濃度を算出する。テーブル記憶部145は、例えば、不揮発性の記憶装置で構成され、差分パルス数と、差分パルス数に対応するトナー濃度との関係が予め対応付けられた対応テーブルを記憶する。
図2は、本発明の実施の形態におけるLC共振回路110の平面図である。LC共振回路110は、基板11、検知コイルL、コンデンサーC1、コンデンサーC2、インバータINV1、インバータINV2、及び抵抗Rを備える。図3は、本発明の実施の形態におけるLC共振回路110の回路図である。
図3を参照して、検知コイルL、コンデンサーC1、及び、コンデンサーC2によって、LC共振部17が構成される。LC共振部17として、CLCタイプで説明するが、このタイプに限定されない。例えば、LCタイプでもよい。LCタイプとは、一つの検知コイルと一つのコンデンサーとにより構成されるLC共振部17である。
検知コイルLの一端とコンデンサーC1の一端とが接続され、コンデンサーC1の他端が接地されている。検知コイルLの他端とコンデンサーC2の一端とが接続され、コンデンサーC2の他端が接地されている。
インバータINV1,INV2は、例えば、CMOSインバータである。インバータINV1の出力は、インバータINV2の入力と接続されている。インバータINV2の出力は、センサー装置1の出力となる。
インバータINV1の入力は、検知コイルLの一端と接続されている。インバータINV1の出力及びインバータINV2の入力は、抵抗Rを介して、検知コイルLの他端と接続されている。
LC共振部17が共振することによって発生したパルスは、2段のインバータINV1,INV2によって増幅されて、センサー装置1からパルス信号S1として出力される。
センサー装置1の動作を説明する。二成分現像剤は、トナーと、磁性体からなるキャリアとにより構成される。例えば、検知コイルL付近において、キャリアに対するトナーの割合が増大すれば、二成分現像剤の透磁率が低下して検知コイルLのインダクタンスが低下する。ここで、LC共振回路110における共振周波数fcは、1/2π(L・C)1/2で表される。これにより、検知コイルLのインダクタンスが低下すると、共振周波数fcが増大し、LC共振回路110から一定時間内に出力されるパルス数が増大する。
一方、検知コイルL付近において、キャリアに対するトナーの割合が減少すれば、二成分現像剤の透磁率が増大して検知コイルLのインダクタンスが増大する。これにより、共振周波数fcが減少し、LC共振回路110から一定時間内に出力されるパルス数が減少する。
ここで、二成分現像剤においては、通常、トナーだけが消費され、キャリアは回収されるので、キャリアの量は一定と考えることができる。よって、キャリアに対するトナーの割合が増大すれば、トナー濃度が増大し、キャリアに対するトナーの割合が減少すれば、トナー濃度が減少する。
したがって、逓倍部120から一定期間内に出力されるパルス信号S4のパルス数が多くなるにつれて、トナー濃度が増大するので、濃度検出部140は、パルス信号S4のパルス数からトナー濃度を検出できる。
図2を参照して、基板11は、絶縁性基板であり、基板11の主表面上に、検知コイルL及び配線19がパターニングによって形成されている。コンデンサーC1、コンデンサーC2、抵抗R、インバータINV1及びインバータINV2は、基板11の主表面上に外付けされている。検知コイルL、コンデンサーC1、コンデンサーC2、抵抗R、インバータINV1及びインバータINV2は、配線19によって接続され、図3に示すLC共振回路110を構成する。
図2を参照して、LC共振回路110は、さらに、基板11の側部に設けられた、電源端子Vcc、接地端子GND1、接地端子GND2、及び、出力端子OPを備える。電源端子Vccを介して、LC共振回路110に電力が供給される。接地端子GND1を介して、コンデンサーC1が接地される。接地端子GND2を介して、コンデンサーC2が接地される。出力端子OPを介して、インバータINV2から出力されたパルス信号が、逓倍部120に出力される。
<現像装置の説明>
図4は、本発明の実施の形態における現像装置117の内部構造を示す側断面図である。現像装置117は、現像ローラー21の軸方向に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング210を備える。
現像ハウジング210の内部空間220には、現像ローラー21、第1攪拌スクリュー23、及び第2攪拌スクリュー24が配設されている。内部空間220には、二成分現像剤が収容される。二成分現像剤は、内部空間220内において攪拌及び搬送される。
現像ローラー21は、現像ハウジング210の長尺方向の両端に設けられた一対の壁部の間において、現像ハウジング210に対して回転可能に支持され、表面にトナーを担持する。現像ローラー21は、円筒形状を持ち、現像ハウジング210の長尺方向に延設されている。現像ローラー21は、回転駆動される円筒形状のスリーブ21Sと、スリーブ21Sの内部に、軸方向に沿って固定配置される円柱形状のマグネット21Mとを備える。スリーブ21Sは、不図示の駆動手段によって、図3の矢印D31方向に回転駆動され、周面にトナーを担持する。マグネット21Mは、スリーブ21Sの内部に、スリーブ21Sの周方向に複数の磁極を有する固定磁石である。
現像ハウジング210の内部空間220は、軸方向に延びる仕切り板22によって、軸方向に長尺の第1搬送路221と第2搬送路222とに区画されている。第1搬送路221は、現像ハウジング210に現像ローラー21と間隔をおいて配置される。第2搬送路222は、現像ローラー21と第1搬送路221との間に配置される。仕切り板22は、第1搬送路221と第2搬送路222とをそれぞれ連通させる第1連通路(図略)及び第2連通路(図略)を備える。これにより、内部空間220には、第1搬送路221、第1連通路(図略)、第2搬送路222、及び第2連通路(図略)に至る現像剤搬送路が形成される。
第1攪拌スクリュー23は、第1搬送路221に配設されている。第1攪拌スクリュー23は、回転軸と、こ回転軸の周上にスパイラル状に突設されたスクリュー羽根とを含む。第1攪拌スクリュー23は、不図示の駆動手段によって矢印D33の方向に回転し、紙面と直交する方向にトナーを搬送する。
第2攪拌スクリュー24は、第2搬送路222に配設されている。第2攪拌スクリュー24は、回転軸と、この回転軸の周上にスパイラル状に突設されたスクリュー羽根とを含む。第2攪拌スクリュー24は、不図示の駆動手段によって矢印D32に示す方向に回転し、紙面と直交する方向にトナーを搬送する。
現像装置117は、更に、層規制部材60と、磁石プレート70と、を備える。層規制部材60は、現像ローラー21よりも、前方かつ上方の位置に配置され、第2攪拌スクリュー24からスリーブ21S上に汲み上げられたトナーの層厚を規制する。
磁石プレート70は、層規制部材60の前側に、層規制部材60に沿って配置され、スリーブ21Sとの間に磁界を発生させ、トナーの層厚を薄膜化する。
センサー装置1は、第1搬送路221を画定する現像ハウジング210aの底壁の外面に設けられている。ここで、現像ハウジング210aは、下に凸の半円等形状を持つ。センサー装置1は、現像ハウジング210aの最下部に貼り付けられている。これにより、第1攪拌スクリュー23による二成分現像剤の攪拌によって、二成分現像剤はセンサー装置1に近づいたり離れたりを周期的に繰り返す。なお、センサー装置1は、第2搬送路222に対応する現像ハウジング210の底壁の外面に設けられていてもよい。
(逓倍回路)
図5は、図1に示す逓倍回路130の回路図である。逓倍回路130は、入力ポート801、抵抗802、コンデンサー803、及びEXOR回路804を含む。EXOR回路804の入力ポートAには、入力ポート801が接続され、EXOR回路804の入力ポートBには、抵抗802を介して入力ポート801が接続されている。また、入力ポートBは、コンデンサー803を介して接地されている。
なお、入力ポート801は図1に示すLC共振回路110或いは前段に接続された逓倍回路130の出力ポートCが接続され、出力ポートCは後段に接続された逓倍回路130或いは濃度検出部140が接続される。
図6は、EXOR回路804への入力信号と出力信号とを示した波形図である。図6において、上段は入力ポートAに入力される信号Sig_Aを示し、中段は入力ポートBに入力される信号Sig_Bを示し、下段は出力ポートCから出力される信号Sig_Cを示している。
入力ポートAには、入力ポート801から入力された信号Sig_Aが入力される。抵抗802及びコンデンサー803からなるCR回路は、入力ポート801から入力された信号を遅延させる。したがって、入力ポートBには、Sig_Aに対して所定時間遅延した信号Sig_Bが入力される。
出力ポートCからは、信号Sig_A、信号Sig_Bの論理が一致していない期間にハイレベルの信号が出力され、信号Sig_A、信号Sig_Bの論理が一致している期間にローレベルの信号が出力される。これにより、信号Sig_Cは、信号Sig_Aの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとでパルスを持つことになり、Sig_Aを2逓倍した信号となる。
図7は、本発明の実施の形態において、LC共振回路110から出力されるパルス信号S1、逓倍回路131から出力されるパルス信号S2、及び逓倍回路131から出力されるパルス信号S3の波形図である。上段はパルス信号S1、中段はパルス信号S2、下段はパルス信号S3を示す。
サンプリング期間は、濃度検出部140がパルス信号S4のパルス数をカウントする際の基本期間であり、予め定めれた一定の値を持つ。濃度検出部140はサンプリング期間毎に、パルス信号S4のパルス数をカウントする。
パルス信号S1は、逓倍回路131により立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとが検出されて2逓倍される。これにより、パルス信号S1に対して周波数が2倍のパルス信号S2が得られる。また、パルス信号S2は逓倍回路132により立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとが検出されて2逓倍される。これにより、パルス信号S1に対して周波数が4倍のパルス信号S3が得られる。
以上により、サンプリング期間におけるパルス数が5つしかなかったパルス信号S1が4逓倍され、サンプリング期間におけるパルス数が20個のパルス信号S3が得られる。なお、本実施の形態では、逓倍部120は、パルス信号S1を8逓倍するので、濃度検出部140に入力されるサンプリング期間のパルス数は、図7の例では、40個となる。
濃度検出部140には、パルス信号S1が8逓倍されたパルス信号S4が入力される。濃度検出部140は、各サンプリング期間において、入力されたパルス信号S4のパルス数からオフセットパルス数を間引く。そのため、サンプリング期間に含まれる全パルス数に対する共振周波数の変動幅を示すパルス数の割合が増大し、共振周波数の変化の検出感度が増大する。
ここで、現像装置117内に収容された二成分現像剤は攪拌されるので、センサー装置1に近づいたり離れたりを周期的に繰り返す。そのため、トナー濃度は一定であっても1の攪拌周期において共振周波数fcが変化する。そこで、濃度検出部140は、複数のサンプリング期間において検出したトナー濃度の平均値を最終的に求めるトナー濃度として算出すればよい。平均値の算出対象となる複数のサンプリング期間の個数としては、例えば、1の攪拌周期を構成するサンプリング期間の個数が採用されてもよいし、2以上の所定個数の攪拌周期を構成するサンプリング期間の個数が採用されてもよい。
なお、図1では、逓倍部120は、カスケード接続された複数の逓倍回路130で構成したが、例えば、PLL(Phase Locked Loop)回路で構成してもよい。図8はPLL回路の回路図である。PLL回路1000は、EXOR回路1001、ローパスフィルタ(LPF)1002、電圧制御発振器(VCO)1003、及びn分周器1004を備える。
なお、入力ポートDは図1に示すLC共振回路110が接続され、出力ポートEは図1に示す濃度検出部140が接続される。
EXOR回路1001には、一方の入力ポートに入力ポートDからの信号Sig_Dが入力され、他方の入力ポートにn分周器1004から信号Sig_Eの周波数fをn分周した周波数f/nの信号が入力される。EXOR回路1001は、信号Sig_Dとn分周された信号Sig_Eとの位相差を示す信号をLPF1002に出力する。LPF1002は、位相差を示す信号を直流信号に変換し、VCO1003に出力する。VCO1003は、直流信号が0になるように信号Sig_Eを生成する。ここで、信号Sig_Eは、周波数fが信号Sig_Dのn倍なので、出力ポートEから信号Sig_Dをn逓倍した信号Sig_Eが出力される。
なお、PLL回路1000を使用した場合、n分周器1004の分周比を可変にすることで、信号Sig_Eの逓倍数を変更できる。したがって、逓倍部120は、図1に示す設定値に応じてn分周器1004の分周比を変更すればよい。
(画像形成装置)
本実施形態に係るセンサー装置1は、画像形成装置に搭載することができる。図9は、本実施形態に係るセンサー装置1が搭載された画像形成装置5の構成を示すブロック図である。
画像形成装置5として、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機を例に説明する。画像形成装置5は、画像を印刷する機能を有する装置であればよく、デジタル複合機に限定されない。例えば、プリンターを画像形成装置5としてもよい。画像形成装置5は、印刷部100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500、通信部600、及び、トナー用コンテナー700を備える。
原稿給送部300は、原稿給送部300に設けられた原稿載置部に1枚の原稿が置かれている場合、その原稿を原稿読取部200に送り、原稿載置部に複数枚の原稿が置かれている場合、複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送る。
原稿読取部200は、原稿台に載置された原稿や、原稿給送部300から給送された原稿を読み取り、その原稿の画像データを出力する。
印刷部100は、用紙貯留部101、画像形成部103、及び、定着部105を備える。用紙貯留部101は、用紙の束を貯留することができる。この貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラー(不図示)の駆動により、用紙搬送路(不図示)へ向けて送出される。用紙は用紙搬送路を通って、画像形成部103へ搬送される。
画像形成部103は搬送されてきた用紙にトナー像を形成する。画像形成部103は感光体ドラム113、露光部115、現像装置117、及び、転写部119を備える。露光部115は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応して変調された光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム113の周面に照射する。これにより、感光体ドラム113の周面には画像データに対応する静電潜像が描画される。この状態で感光体ドラム113の周面に現像装置117からトナーを供給することにより、周面には画像データに対応するトナー像が形成される。このトナー像は、転写部119によって先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。
トナー像が転写された用紙は定着部105に送られる。定着部105において、トナー像と用紙に熱と圧力が加えられて、トナー像は用紙に定着される。用紙は排紙トレイ(不図示)に排紙される。
現像装置117の現像ハウジング210には、二成分現像剤が収容されている。現像ハウジング210の底壁の外面には、図1に示すセンサー装置1が取り付けられている。センサー装置1は、現像ハウジング210に収容された二成分現像剤中のトナー濃度を検出する。
現像ハウジング210のトナーが消費され、センサー装置1が、二成分現像剤中のトナー濃度が低下したことを検出したとき、制御部500は、トナー用コンテナー700に設けられたトナー供給機構を作動させる。これにより、トナー用コンテナー700から現像ハウジング210にトナーが補給される。
操作部400は、操作キー部401と表示部403を備える。表示部403は、タッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは、画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
操作キー部401には、ハードキーからなる操作キーが設けられている。操作キーは、例えば、スタートキー、テンキー、リセットキー、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリを切り換えるための機能切換キーである。
制御部500は、CPU、ROM、及び、RAMを備える。CPUは、画像形成装置5を動作させるために必要な制御を、画像形成装置5の上記構成要素(例えば、印刷部100)に対して実行する。ROMは、画像形成装置5の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMは、ソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
通信部600は、ファクシミリ通信部601及びネットワークI/F部603を備える。ファクシミリ通信部601は、相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリ通信部601は、電話回線605に接続される。
ネットワークI/F部603は、LAN(Local Area Network)607に接続される。ネットワークI/F部603は、LAN607に接続されたパソコンとの間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
(センサー装置の効果)
(1)LC共振回路110から出力されるパルス信号は、逓倍部120により逓倍されると同時に各サンプリング期間において所定のオフセットパルス数が間引かれる。そのため、サンプリング期間に含まれる全パルス数に対する共振周波数の変動幅を示すパルス数の割合が増大する。これにより、共振周波数の変化の検出感度が高められ、トナー濃度を正確に検出できる。
(2)逓倍部120はカスケード接続された複数の逓倍回路130で構成されているので、逓倍回路130の接続数を変更することで、希望する逓倍数のパルス信号を濃度検出部140に出力できる。
(3)逓倍回路130は、入力されたパルス信号のエッジを検出するため、入力されたパルス信号を2逓倍することができる。
(4)トナー濃度に応じて変化しない固定パルス数成分に基づいてオフセットパルス数が設定されているので、トナー濃度の変化を示すパルス数に影響を与えることなく、サンプリング期間においてオフセットパルス数を間引くことができる。
(変形例)
減算器142は、カウンタ141がカウントするカウント値の最上位ビットの値から「1」を減じることで、パルス信号S4からオフセットパルス数を減算してもよい。この場合、例えば、パルス信号S4のビット数をm(mは2以上の整数)ビットとすると、1ビット目からm−1ビット目までをトナー濃度に応じて変動する成分、mビット目が「1」、残りm−1のビットが全て0となる記号列を、トナー濃度に応じて変動しない成分となるように、予め逓倍回路130の接続個数を調節しておけばよい。この場合、オフセットパルス記憶部143が不要となると同時に、減算処理を簡略化できる。
例えば、m=5の場合、「1,0,0,0,0」がトナー濃度に応じて変動しない成分となるように、逓倍回路130の接続個数が調節される。例えば、パルス信号S1において、トナー濃度に応じて変動しない成分のビット列が「0,0,1,0,0」で表されたとする。これは、検知コイルLのインダクタンスやコンデンサーC1,C2のキャパシタンスやサンプリング期間を調整することで実現できる。この場合、「0,0,1,0,0」を4倍すれば、トナー濃度に応じて変動しない成分のビット列を「1,0,0,0,0」にできる。よって、この場合、逓倍回路130の個数を2つにすればよい。
1 センサー装置
110 LC共振回路
117 現像装置
120 逓倍部
130,131,132,133 逓倍回路
140 濃度検出部

Claims (5)

  1. 現像装置に収納され、磁性体からなるキャリア及びトナーを含む二成分現像剤のトナー濃度を検出するセンサー装置であって、
    検知コイル及びコンデンサーを含み、前記トナー濃度に応じた周波数を持つパルス信号を出力するLC共振回路と、
    前記LC共振回路から出力されたパルス信号を逓倍する逓倍部と、
    前記逓倍部により逓倍されたパルス信号のパルス数から複数のサンプリング期間のそれぞれにおいて所定のオフセットパルス数を間引き、前記間引いた結果得られる差分パルス数に基づいて、前記トナー濃度を検出する濃度検出部とを備えるセンサー装置。
  2. 前記逓倍部は、カスケード接続された複数の逓倍回路で構成されている請求項1記載のセンサー装置。
  3. 前記逓倍回路は、入力されたパルス信号のエッジを検出するエッジ検出回路で構成されている請求項2記載のセンサー装置。
  4. 前記サンプリング周期において、前記LC共振回路から出力されたパルス信号は、前記トナー濃度に応じて変化しない固定パルス数成分を含み、
    前記オフセットパルス数は、前記固定パルス数成分に基づいて設定されている請求項1〜3のいずれか1に記載のセンサー装置。
  5. 前記濃度検出部は、各サンプリング期間において、入力されるパルス信号のパルス数をカウントするm(mは2以上の整数)ビットのカウンタと、各サンプリング期間において、前記カウントされたカウント値から最上位ビットであるmビット目の値から「1」を減算する減算器とをを備え、
    前記逓倍部は、前記カウント値のmビット目が「1」、残りのビットが「0」となるビット列が、トナー濃度に応じて変動しない成分となるように前記LC発振回路から出力されたパルス信号を逓倍する請求項1〜4のいずれか1に記載のセンサー装置。
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