以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<機械的構成>
図1に示されるように、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。
本体ケーシング2の一方側壁には、カートリッジ着脱口3が形成され、このカートリッジ着脱口3を開閉するフロントカバー4が設けられている。
なお、以下の説明において、フロントカバー4が設けられている側をレーザプリンタ1の前側とする。レーザプリンタ1の上下左右に関しては、レーザプリンタ1を前側から見たときを基準とする。
本体ケーシング2内の中央より少し前側の位置には、プロセスカートリッジ5が装着されている。プロセスカートリッジ5は、フロントカバー4を開いた状態で、カートリッジ着脱口3を介して、本体ケーシング2内に装着され、また、本体ケーシング2内から離脱される。
プロセスカートリッジ5は、ドラムカートリッジ6と、そのドラムカートリッジ6に着脱可能に装着される現像ユニット7とからなる。
ドラムカートリッジ6は、ドラムフレーム8を備えている。ドラムフレーム8の後端部には、感光体の一例としての感光ドラム9が回転可能に保持されている。また、ドラムフレーム8には、帯電器10および転写ローラ11が保持されている。帯電器10および転写ローラ11は、それぞれ感光ドラム9の上方および下方に配置されている。
ドラムフレーム8における感光ドラム9よりも前側の部分は、現像カートリッジ装着部12として形成されている。現像カートリッジ装着部12には、現像ユニット7が装着される。
現像ユニット7は、現像剤の一例としてのトナーを収容する現像剤収容部の一例としての筐体13を備えている。トナーは、たとえば、非磁性一成分トナーである。筐体13の内部には、互いに連通するトナー収容室14および現像室15が前後に隣接して形成されている。
トナー収容室14には、帯電動作部および攪拌部材の一例としてのアジテータ16が左右方向に延びるアジテータ回転軸17を中心に回転可能に設けられている。アジテータ16の回転により、トナー収容室14内に収容されているトナーが攪拌されつつ、トナー収容室14から現像室15へ送られる。
現像室15には、現像部の一例としての現像ローラ18が左右方向に延びる現像ローラ軸19を中心に回転可能に設けられている。現像ローラ18は、その周面の一部が筐体13の後端部から露出するように配置されている。現像ユニット7は、現像ローラ18の周面が感光ドラム9の周面と接触するように、ドラムカートリッジ6に装着される。
また、現像室15には、帯電動作部の一例としての供給ローラ20が左右方向に延びる供給ローラ軸21を中心に回転可能に設けられている。供給ローラ20は、その周面が現像ローラ18の周面に対して前下方から接触するように配置されている。供給ローラ20の回転により、トナーは、現像ローラ18の周面と供給ローラ20の周面との間に進入し、それらの間で摩擦により正極性に帯電する。正極性に帯電したトナーは、現像ローラ18の周面上に薄層の状態で担持される。
本体ケーシング2内には、プロセスカートリッジ5の上方に、レーザなどを備える露光器22が配置されている。
画像形成時には、感光ドラム9が左側から見て時計回りに一定速度で回転される。感光ドラム9の回転に伴って、感光ドラム9の周面(表面)は、帯電器10からの放電により、一様に帯電される。一方、レーザプリンタ1に接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)から受信する画像データに基づいて、露光器22からレーザビームが出射される。レーザビームは、帯電器10と現像ユニット7との間を通り、一様に正帯電された感光ドラム9の周面に照射され、感光ドラム9の周面を選択的に露光する。これにより、感光ドラム9の露光された部分から電荷が選択的に除去され、感光ドラム9の周面に静電潜像が形成される。感光ドラム9の回転により、静電潜像が現像ローラ18に対向すると、現像ローラ18から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム9の周面にトナー像が形成される。
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット23が配置されている。給紙カセット23の上方には、給紙カセット23から用紙を送り出すための給紙ローラ24が設けられている。
また、本体ケーシング2内には、側面視S字状の搬送路25が形成されている。この搬送路25は、給紙カセット23から感光ドラム9と転写ローラ11との間を経由して、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ26に至る。給紙カセット23から送り出された用紙Pは、搬送路25を感光ドラム9と転写ローラ11との間に向けて搬送される。
感光ドラム9の周面上のトナー像は、感光ドラム9の回転により、感光ドラム9と転写ローラ11との間を通過する用紙Pと対向したときに、転写ローラ11により電気的に引き寄せられて、用紙Pに転写される。
搬送路25上には、転写ローラ11に対して用紙Pの搬送方向の下流側に、定着器27が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、搬送路25を搬送されて、定着器27を通過する。定着器27では、加熱および加圧により、トナー像が画像となって用紙Pに定着される。こうして画像が形成された用紙Pは、搬送路25をさらに搬送されて、排紙トレイ26上に排紙される。
<現像ユニット>
現像ユニット7の筐体13の左外側面には、アジテータ16、現像ローラ18および供給ローラ20を回転させるための駆動力を伝達する駆動力伝達機構の一例としてのギヤトレイン31が設けられている。図2に示されるように、ギヤトレイン31には、入力ギヤ32、現像ギヤ33、供給ギヤ34、中間ギヤ35およびアジテータギヤ36が含まれる。
入力ギヤ32は、左右方向に延びる入力ギヤ回転軸37を中心に回転可能に設けられている。入力ギヤ回転軸37は、筐体13に回転不能に保持されている。
そして、入力ギヤ32は、大径ギヤ部38および小径ギヤ部39を一体的に有している。
大径ギヤ部38は、入力ギヤ回転軸37と中心軸線が一致する円板状に形成されている。大径ギヤ部38の周面には、ギヤ歯が形成されている。
小径ギヤ部39は、入力ギヤ回転軸37と中心軸線が一致する円板状をなし、大径ギヤ部38よりも小径に形成されている。小径ギヤ部39の周面には、ギヤ歯が形成されている。
現像ギヤ33は、現像ローラ軸19に相対回転不能に取り付けられている。現像ローラ軸19は、筐体13に対して回転可能に設けられている。現像ギヤ33の周面には、ギヤ歯が形成されている。このギヤ歯は、入力ギヤ32の大径ギヤ部38のギヤ歯と噛合している。
供給ギヤ34は、供給ローラ軸21に相対回転不能に取り付けられている。供給ローラ軸21は、筐体13に対して回転可能に設けられている。供給ギヤ34の周面には、ギヤ歯が形成されている。このギヤ歯は、入力ギヤ32の大径ギヤ部38のギヤ歯と噛合している。
中間ギヤ35は、入力ギヤ32の前上方に配置されている。中間ギヤ35は、左右方向に延びる中間ギヤ回転軸40の中心軸線を中心に回転可能に設けられている。中間ギヤ回転軸40は、筐体13に回転不能に保持されている。中間ギヤ35の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。このギヤ歯は、入力ギヤ32の小径ギヤ部39のギヤ歯と噛合している。
アジテータギヤ36は、アジテータ回転軸17に相対回転不能に取り付けられている。アジテータ回転軸17は、筐体13に回転可能に保持されている。アジテータギヤ36の周面には、ギヤ歯が形成されている。このギヤ歯は、中間ギヤ35のギヤ歯と噛合している。
本体ケーシング2内には、アジテータ16、現像ローラ18および供給ローラ20を回転させるための駆動力を発生する駆動源の一例としてのモータMが設けられている。モータMが発生する駆動力は、入力ギヤ32に入力され、入力ギヤ32を回転させる。入力ギヤ32の回転(駆動力)は、入力ギヤ32の大径ギヤ部38から現像ギヤ33および供給ギヤ34に伝達される。これにより、現像ギヤ33が回転し、現像ギヤ33と一体的に、現像ローラ18および現像ローラ軸19が回転する。また、供給ギヤ34が現像ギヤ33と同方向に回転し、供給ギヤ34と一体的に、供給ローラ20および供給ローラ軸21が回転する。その結果、現像ローラ18の周面および供給ローラ20の周面は、それらの接触部分において、互いに逆方向に移動する。また、入力ギヤ32の回転は、入力ギヤ32の小径ギヤ部39から中間ギヤ35に伝達され、中間ギヤ35からアジテータギヤ36に伝達される。これにより、アジテータギヤ36が現像ギヤ33および供給ギヤ34と逆方向に回転し、アジテータギヤ36と一体的に、アジテータ16およびアジテータ回転軸17が回転する。
<電気的構成>
レーザプリンタ1は、図3に示されるように、通信インターフェース(I/F)51、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)52、ROM53、RAM54およびNVRAM55を備えている。
通信インターフェース51は、LAN(Local Area Network)に接続されているPC(パーソナルコンピュータ)100などの外部装置との通信のためのインターフェースである。通信の方式は、無線通信方式であってもよいし、有線通信方式であってもよい。
ASIC52には、外部装置から送信される画像データが通信インターフェース51を介して入力される。また、ASIC52には、モータMなど、レーザプリンタ1の各部が制御対象として接続されている。
ASIC52は、制御部およびデータ処理部の一例としてのCPU56を内蔵している。CPU56は、ASIC52に入力される画像データをRAM54に記憶させる。また、CPU56は、ASIC52に入力される信号などに基づいて、各種の処理のためのプログラムを実行することにより、レーザプリンタ1の各部の動作を制御し、通信インターフェース51を介した通信を制御する。また、CPU56は、たとえば、後述する印刷ジョブを実行するごとに、現像ユニット7が交換されてからの累積トナー消費量を取得し、NVRAM55に記憶させる。トナーの消費量は、たとえば、1ドットの印刷に使用するトナー量と印刷ドット数とを用いて算出される。また、CPU56は、たとえば、印刷ジョブを実行するごとに、現像ユニット7が交換されてからの現像ローラ18の累積回転数を取得し、たとえば、NVRAM55に記憶させる。
ROM53には、CPU56によって実行されるプログラムおよび各種のデータなどが記憶されている。
RAM54は、CPU56がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
<印刷ジョブ処理>
レーザプリンタ1の電源が投入されている間、ASICのCPUは、図4に示される印刷ジョブ処理を繰り返し実行する。
印刷ジョブ処理では、CPU56は、図1に示される現像ユニット7(筐体13)内に収容されているトナーの残量が所定量、たとえば、初期量の半分より少ないか否かを判断する(S1)。トナーの残量は、現像ユニット7の初期トナー量からNVRAM55に記憶されている累積トナー消費量を減ずることにより算出する。
トナーの残量が所定量以上である場合には(S1:NO)、CPU56は、通常制御処理を実行する(S2)。通常制御処理は、トナーの残量およびトナーの劣化度に応じた「がら回し」の制御を行わない印刷ジョブ処理である。通常制御処理の詳細については、後述する。
がら回しとは、画像形成を行うための準備動作であり、現像ユニット7のアジテータ16、現像ローラ18および供給ローラ20を回転させて、筐体13内に収容されているトナーを攪拌および帯電させて、帯電したトナーを現像ローラ18の表面に担持させるための動作である。
トナーの残量が所定量より少ない場合には(S1:YES)、CPU56は、特別制御処理を実行する(S3)。特別制御処理は、トナーの残量およびトナーの劣化度に応じた「がら回し」の制御を行う印刷ジョブ処理である。特別制御処理の詳細については、後述する。
<通常制御処理>
図4のステップS2で実行される通常制御処理の流れは、図5に示されている。
通常制御処理では、CPU56は、印刷ジョブの実行指令がASIC52に入力されたか否かを判断する(S201)。印刷ジョブは、1または複数ページの画像を用紙Pに形成(印刷)するジョブである。印刷ジョブの実行指令は、たとえば、PC100から印刷ジョブとともに通信インターフェース51を介してASIC52に入力されてもよいし、PC100から送信された印刷ジョブがASIC52に入力された後、ユーザがレーザプリンタ1に設けられている操作部(図示せず)を操作することにより入力されてもよい。
印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S201:YES)、CPU56は、がら回し中であるか否かを判断する(S202)。
がら回し中である場合には(S202:YES)、CPU56は、がら回しを停止する(S203)。その後、CPU56は、印刷ジョブの対象である画像データのRAM54への展開が完了しているか否かを判断する(S204)。
画像データの展開が完了していなければ(S204:NO)、CPU56は、その完了を待つ。そして、画像データの展開が完了すると(S204:YES)、CPU56は、がら回しを開始する(S205)。がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過すると、CPU56は、画像形成動作前のがら回しが完了したと判断する(S206:YES)。その後、CPU56は、RAM54に展開されている画像データに係る画像を用紙Pに形成する動作(画像形成動作)を実行する(S207)。
画像形成動作が終了すると、CPU56は、実行中の印刷ジョブに含まれる全ページの印刷が終了したが否かを判断する(S208)。
実行中の印刷ジョブに含まれる全ページの印刷が終了していない場合には(S208:NO)、CPU56は、次のページの印刷のための画像形成動作を再び実行する(S207)。
実行中の印刷ジョブに含まれる全ページの印刷が終了すると(S208:YES)、CPU56は、印刷ジョブが終了したと判断し、印刷ジョブの終了から排紙が完了するまでの所定時間(たとえば、5秒間)が経過したか否かを判断する(S209)。
印刷ジョブが終了してから所定時間が経過すると(S209:YES)、CPU56は、がら回しを停止して(S211)、通常制御処理を終了する。
印刷ジョブが終了してから所定時間が経過するまでの間(S209:NO)、CPU56は、がら回しを停止せずに、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されたか否かを判断する(S210)。新たな印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S210:YES)、CPU56は、前述したステップS202以降の処理を実行する。
印刷ジョブの実行指令が入力された際に、がら回しが行われていない場合には(S202:NO)、CPU56は、前述したステップS204の処理を実行する。
<特別制御処理>
図4のステップS3で実行される特別制御処理の流れは、図6Aおよび図6Bに示されている。
特別制御処理では、CPU56は、印刷ジョブの実行指令がASIC52に入力されたか否かを判断する(S301)。
印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S301:YES)、CPU56は、第1値(N1)として、NVRAM55に記憶されている累積トナー消費量を取得する(S302)。
また、CPU56は、第2値(N2)として、NVRAM55に記憶されている現像ローラ18の累積回転数を取得する(S303)。本実施例のレーザプリンタ1においては、現像ローラ18、供給ローラ20およびアジテータ16とが連動して回転するため、現像ローラ18の累積回転数は、供給ローラ20およびアジテータ16の累積動作時間と同義である。
その後、CPU56は、がら回し中であるか否かを判断する(S304)。
がら回し中である場合には(S304:YES)、CPU56は、第2値(N2)を第1値(N1)で除して得られる除算値(N2/N1)を算出し、除算値が所定値未満であるか否かを判断する(S305)。除算値(N2/N1)は、第1値(N1)に対する第2値(N2)の比に対応する第3値の一例である。
現像ユニット7内に収容されているトナーの残量が所定の残量閾値以下になると、用紙Pに形成される画像がかすれるなど、用紙Pに形成される画像の品質が低下するおそれがある。また、アジテータ16、現像ローラ18および供給ローラ20の回転により、トナーが劣化し、トナーの劣化が進むと、用紙に形成される画像の品質が低下するおそれがある。そのため、現像ユニット7内に収容されているトナーの残量が所定の残量閾値以下になるか、または、現像ローラ18の累積回転数が所定の回転数閾値に達した場合、現像ユニット7を新品と交換することが望ましい。ステップS305の判断に用いられる所定値は、筐体13内に収容されているトナーの残量が残量閾値に達するまでの累積トナー消費量を消費上限値として、その消費上限値に対する回転数閾値の比率に設定されている。
したがって、図7に実線で示されるように、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合、レーザプリンタ1でトナーの消費量が相対的に少ない文字印刷が実行される頻度が高く、図5に示される通常制御処理が継続されていると、現像ユニット7内に収容されているトナーの残量が残量閾値を下回ることによって、現像ユニット7の交換時期に達することが想定される。一方、除算値(N2/N1)が所定値より大きい場合、レーザプリンタ1でトナーの消費量が相対的に多い画像印刷が実行される頻度が高く、図5に示される通常制御処理が継続されていると、現像ローラ18の累積回転数が回転数閾値を上回ることによって、現像ユニット7の交換時期に達することが想定される。
除算値(N2/N1)が所定値未満である場合(S305:YES)、CPU56は、印刷ジョブの対象である画像データのRAM54への展開が完了しているか否かを判断する(S307)。
除算値(N2/N1)が所定値以上である場合(S305:NO)、CPU56は、がら回しを停止して(S306)、印刷ジョブの対象である画像データのRAM54への展開が完了しているか否かを判断する(S307)。
画像データの展開が完了していなければ(S307:NO)、CPU56は、その完了を待つ。
そして、画像データの展開が完了すると(S307:YES)、がら回し中の場合は(S308:YES)、CPU56は、がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過すると、画像形成動作前のがら回しが完了したと判断する(S310:YES)。
画像データの展開が完了し(S307:YES)、がら回し中でない場合は(S308:NO)、CPU56は、がら回しを開始し(S309)、がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過すると、画像形成動作前のがら回しが完了したと判断する(S310:YES)。
画像形成動作前のがら回しが完了したと判断された後、CPU56は、RAM54に展開されている画像データを印刷するための画像形成動作を実行する(S311)。
画像形成動作が終了すると、CPU56は、実行中の印刷ジョブに含まれる全ページの印刷が終了したか否かを判断する(S312)。
実行中の印刷ジョブに含まれる全ページの印刷が終了していない場合には(S312:NO)、CPU56は、次のページの印刷のための画像形成動作を再び実行する(S311)。
実行中の印刷ジョブに含まれる全ページの印刷が終了した場合には(S312:YES)、CPU56は、第2値(N2)を第1値(N1)で除して得られる除算値(N2/N1)を算出し、除算値が所定値未満であるか否かを判断する(S313)。
除算値(N2/N1)が所定値未満である場合(S313:YES)、CPU56は、印刷ジョブが終了してから第1時間(たとえば、10秒間)が経過したか否かを判断する(S314)。
印刷ジョブが終了してから第1時間が経過すると(S314:YES)、CPU56は、がら回しを停止して(S315)、特別制御処理を終了する。
印刷ジョブが終了してから第1時間が経過するまでの間(S314:NO)、CPU56は、がら回しを停止せずに、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されたか否かを判断する(S316)。新たな印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S316:YES)、CPU56は、前述したステップS302以降の処理を実行する。
除算値(N2/N1)が所定値以上である場合(S313:NO)、CPU56は、印刷ジョブが終了してから第1時間より短い第2時間(たとえば、5秒間)が経過したか否かを判断する(S317)。
印刷ジョブが終了してから第2時間が経過すると(S317:YES)、CPU56は、がら回しを停止して(S315)、特別制御処理を終了する。
印刷ジョブが終了してから第2時間が経過するまでの間(S317:NO)、CPU56は、がら回しを停止せずに、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されたか否かを判断する(S318)。新たな印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S318:YES)、CPU56は、前述したステップS302以降の処理を実行する。
印刷ジョブの実行指令が入力された際に、がら回しが行われていない場合には(S304:NO)、CPU56は、除算値(N2/N1)が所定値未満であるか否かを判断する(S319)。
除算値(N2/N1)が所定値未満である場合(S319:YES)、CPU56は、画像データの展開の完了を待たずに、がら回しを開始する(S320)。
除算値(N2/N1)が所定値以上である場合には(S319:NO)、CPU56は、印刷ジョブの対象である画像データのRAM54への展開の完了を待ち、その画像データの展開が完了した後(S307:YES)、がら回し中であるか否かを判断し(S308)、がら回し中でなければ(S308:NO)、CPU56は、がら回しを開始する(S311)。
がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過すると、CPU56は、画像形成動作前のがら回しが完了したと判断する(S310:YES)。そして、CPU56は、前述のステップS311以降の処理を実行する。
特別制御処理の実行中において、現像ユニット7内に収容されているトナーの残量が所定の残量閾値に達した場合、または、現像ローラ18の累積回転数が所定の回転数閾値に達した場合は、CPU56は、たとえば、レーザプリンタ1の操作部に設けられたトナーエンプティランプを点灯させて、現像ユニット7の交換時期に達したことを報知する。
<作用効果>
以上のように、特別制御処理では、現像ユニット7に収容されているトナーの消費量に対応する第1値(N1)と、供給ローラ20の累積動作時間に対応する第2値(N2)とが取得される。
第2値(N2)を第1値(N1)で除算して得られる除算値(N2/N1)が所定値未満である場合、つまりトナーの消費量に対して供給ローラ20の累積動作時間が比較的少ない場合には、供給ローラ20の動作時間が相対的に長くなるように、がら回しにおける供給ローラ20の動作が制御される。すなわち、CPU56は、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合には、印刷ジョブの実行指令が入力されたことに応答して、供給ローラ20の動作を開始させる。これにより、現像ローラ18による現像動作の開始前に、トナーの帯電を早く完了させることができる。その結果、現像動作を含む印刷ジョブ(画像形成ジョブ)の開始前の準備期間を短縮することができ、印刷ジョブのスループットを向上させることができる。また、供給ローラ20の累積動作時間が比較的少ない場合は、トナーの劣化の度合いが小さい。そのため、供給ローラ20の動作時間が相対的に長くなるように、がら回しにおける供給ローラ20の動作が制御されても、トナーの劣化度合いが現像ユニット7の交換の基準に達する可能性が小さい。
これとは逆に、第2値(N2)を第1値(N1)で除算して得られる除算値(N2/N1)が所定値以上である場合、つまりトナーの消費量に対して供給ローラ20の累積動作時間が比較的多い場合には、供給ローラ20の動作時間が相対的に短くなるように、がら回しにおける供給ローラ20の動作が制御される。すなわち、除算値(N2/N1)が所定値以上である場合には、印刷ジョブの実行指令の入力後であって、当該印刷ジョブに係る画像データがRAM54に展開された後、供給ローラ20の動作を開始させる。これにより、トナーの劣化を抑制することができる。
よって、トナーの劣化の抑制と準備期間の短縮とをバランスよく両立させることができる。
また、CPU56は、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合に、除算値(N2/N1)が所定値以上である場合よりも、現像ユニット7による現像動作を含む印刷ジョブの終了に対して、供給ローラ20の動作を遅く停止させる。すなわち、CPU56は、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合には、印刷ジョブの終了から第1時間が経過した第1時刻に、供給ローラ20の動作を停止させ、除算値(N2/N1)が所定値以上である場合には、印刷ジョブの終了から第1時間よりも短い第2時間が経過した第2時刻に、供給ローラ20の動作を停止させる。
これにより、第2値(N2)を第1値(N1)で除算して得られる除算値(N2/N1)が所定値未満である場合に、印刷ジョブの終了に対して、供給ローラ20の動作を遅く停止させることにより、トナーが帯電している状態を長く維持することができる。その結果、トナーが帯電している状態が維持されている間に次の印刷ジョブの入力を受けることが多くなる。この場合、印刷ジョブの入力後、当該印刷ジョブを直ちに実行することができる。その結果、印刷ジョブのスループットをさらに向上させることができる。
レーザプリンタ1は、駆動力を発生するモータMと、モータMが発生する駆動力を現像ローラ18および供給ローラ20に伝達するギヤトレイン31とを備えている。
これにより、現像ローラ18および供給ローラ20の駆動源が共通であるので、現像ローラ18および供給ローラ20の駆動のための構成が簡素である。その結果、構成の簡素化によるコストの低減およびレイアウトの自由度の向上を図ることができる。
特別制御処理は、現像ユニット7に収容されているトナーの残量が所定量未満である場合に実行される。
現像ユニット7に収容されているトナーの残量が所定量以上の状態では、トナーの残量が十分であって、トナーの劣化が進んでいないので、トナーの劣化の抑制と準備期間の短縮とをバランスよく両立させるための特別制御処理を実行しなくてもよい。
CPU56は、現像ローラ18による現像動作を含む印刷ジョブの実行中、供給ローラ20の動作を継続させる。
1つの印刷ジョブにより形成される画像が複数ページにわたる場合、一のページの印刷の終了から次のページの印刷の開始までの時間間隔は短い。そのため、印刷ジョブの実行中は、供給ローラ20の動作を停止させずに継続させることにより、トナーを大きく劣化させることなく、各ページの印刷のための動作を早期に開始して、印刷ジョブの実行に要する時間を短縮することができる。
<第2実施形態>
現像ローラ18と供給ローラ20とが互いに独立して駆動される構成が採用される場合、図4のステップS3において、図8に示される特別制御処理が実行されてもよい。
図8に示される特別制御処理では、CPU56は、印刷ジョブの実行指令がASIC52に入力されたか否かを判断する(S501)。
印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S501:YES)、CPU56は、がら回し中であるか否かを判断する(S502)。
がら回し中である場合には(S502:YES)、CPU56は、第2値(N2)を第1値(N1)で除して得られる除算値(N2/N1)が所定値未満であるか否かを判断する(S503)。
除算値(N2/N1)が所定値未満である場合(S503:YES)、CPU56は、がら回しにおける供給ローラ20の回転速度を通常よりも速い第1速度に設定する(S504)。
除算値(N2/N1)が所定値以上である場合には(S503:NO)、CPU56は、がら回しを停止して(S505)、次に開始するがら回しのために、がら回しにおける供給ローラ20の回転速度を通常の速度である第2速度に設定する(S511)。
そして、CPU56は、印刷ジョブの対象である画像データのRAM54への展開が完了しているか否かを判断する(S507)。
画像データの展開が完了していなければ(S507:NO)、CPU56は、その完了を待つ。そして、画像データの展開が完了すると(S507:YES)、がら回し中の場合は(S508:YES)、CPU56は、がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過すると、画像形成動作前のがら回しが完了したと判断する(S509:YES)。
画像データの展開が完了し(S507:YES)、がら回し中でない場合は(S508:NO)、CPU56は、がら回しを開始し(S510)、がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過すると、画像形成動作前のがら回しが完了したと判断する(S509:YES)。
画像形成動作前のがら回しが完了したと判断された後、CPU56は、前述した図6Bに示されるステップS311以降の処理を実行する。そして、ステップS316で新たなジョブ実行指令が入力された場合(S316:YES)、および、ステップS318で新たなジョブ実行指令が入力された場合は(S318:YES)、前述したステップS502以降の処理を実行する。
印刷ジョブの実行指令が入力された際に、がら回しが行われていない場合には(S502:NO)、CPU56は、第2値(N2)を第1値(N1)で除して得られる除算値(N2/N1)が所定値未満であるか否かを判断する(S513)。
除算値(N2/N1)が所定値未満である場合(S513:YES)、CPU56は、がら回しが早く終了するように、がら回しにおける供給ローラ20の回転速度を通常よりも速い第1速度に設定して(S514)、がら回しを開始する(S515)。
除算値(N2/N1)が所定値以上である場合には(S513:NO)、CPU56は、次に開始するがら回しのために、がら回しにおける供給ローラ20の回転速度を通常の速度である第2速度に設定する(S516)。
そして、CPU56は、印刷ジョブの対象である画像データのRAM54への展開が完了しているか否かを判断する(S507)。画像データの展開が完了していなければ(S507:NO)、CPU56は、その完了を待つ。そして、画像データの展開が完了すると(S507:YES)、前述のステップS508以降の処理を実行する。
<作用効果>
CPU56は、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合に、除算値(N2/N1)が所定値以上である場合よりも、供給ローラ20の回転速度を速くする。
これにより、第2値(N2)を第1値(N1)で除算して得られる除算値(N2/N1)が所定値未満である場合に、供給ローラ20の回転速度が速くされることにより、トナーの帯電を早期に完了させることができる。その結果、現像動作を含む印刷ジョブの開始前の準備期間を短縮することができる。
<第3実施形態>
第1実施形態では、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合には、印刷ジョブの終了後、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されることなく、第1時間が経過すると、がら回しが停止されるとした。また、除算値(N2/N1)が所定値以上である場合には、印刷ジョブの終了後、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されることなく、第1時間よりも短い第2時間が経過すると、がら回しが停止されるとした。これに代えて、印刷ジョブの終了後に、図9に示される停止処理が実行されてもよい。
図9に示される停止処理では、CPU56は、第2値(N2)が所定の時間閾値以上であるか否かを判断する(S601)。
第2値(N2)が時間閾値以上である場合(S601:YES)、CPU56は、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されたか否かを判断する(S602)。
新たな印刷ジョブの実行指令が入力されていなければ(S602:NO)、CPU56は、印刷ジョブの終了から所定時間が経過したか否かを判断する(S603)。
印刷ジョブの終了から所定時間が経過する前に、新たな印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S602:YES)、CPU56は、がら回しを停止させず、がら回しを継続したまま、終了処理を終了する。
印刷ジョブの終了後、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されずに、所定時間が経過した場合には(S603:YES)、CPU56は、がら回しを停止して(S604)、終了処理を終了する。これにより、トナーの劣化を抑制することができる。
一方、第2値(N2)が時間閾値未満である場合には(S601:NO)、CPU56は、第1値(N1)が所定の消費量閾値以上であるか否かを判断する(S605)。
第1値(N1)が消費量閾値以上である場合には(S605:YES)、CPU56は、がら回しを停止させず、がら回しを継続したまま、終了処理を終了する。そのため、トナーが帯電している状態が維持されている間に、次の印刷ジョブの入力を受けることができ、当該印刷ジョブを直ちに実行することができる。その結果、印刷ジョブのスループットを向上させることができる。
第1値(N1)が消費量閾値未満である場合には(S605:NO)、CPU56は、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されたか否かを判断する(S602)。そして、前述のステップS603以降の処理を実行する。すなわち、新たな印刷ジョブの実行指令が入力されていなければ(S602:NO)、CPU56は、印刷ジョブの終了から所定時間が経過したか否かを判断する(S603)。印刷ジョブの終了から所定時間が経過する前に、新たな印刷ジョブの実行指令が入力された場合には(S602:YES)、CPU56は、がら回しを停止させず、がら回しを継続したまま、終了処理を終了する。
よって、トナーの劣化の抑制と印刷ジョブのスループットの向上とをバランスよく両立させることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、第1値(N1)に対する第2値(N2)の比に対応する第3値として、第2値(N2)を第1値(N1)で除算して得られる除算値(N2/N1)を用いたが、第1値(N1)に対する第2値(N2)の比に対応する第3値として他の値、たとえば、第1値(N1)に対する第2値(N2)の比を百分率で表した値を第3値として用いてもよい。
また、現像剤の一例として、非磁性一成分トナーを取り上げたが、現像剤は、トナーおよびキャリアからなる二成分トナーであってもよい。この場合、アジテータ16の回転によってトナーとキャリアとが攪拌されることにより、トナーが帯電される。
前述の第1実施形態では、通常制御処理において、画像データの展開が完了した後、CPU56は、がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過したときに画像形成動作前のがら回しが完了したと判断したが、このがら回し時間を動的に変動させてもよい。例えば、ステップS202においてがら回し中である場合は、がら回し中でない場合と比べて、がら回し時間を短く設定してもよい。ステップS202においてがら回し中である場合は、筐体13内に収容されているトナーの帯電がある程度なされているので、画像データの展開が完了した後に行うがら回し時間を短くしたとしても、トナーの帯電が十分になされる。
また、前述の第1実施形態では、特別制御処理のステップS310において、CPU56は、がら回しの開始から所定のがら回し時間が経過したときに画像形成動作前のがら回しが完了したと判断したが、このがら回し時間を動的に変動させてもよい。例えば、ステップS305やステップS319において、除算値(N2/N1)が所定値未満である場合に、CPU56により、このがら回し時間が現像ユニット7に収容されているトナーの残量が少ないほど長い時間に設定されるようにしてもよい。このように特定の条件において、CPU56は、現像ユニット7に収容されているトナーの残量が少ないほど、アジテータ16の動作時間が大きくなるように、アジテータ16の動作を制御する。これにより、現像ユニット7に収容されているトナーの残量が少ない場合に、アジテータ16の動作により、その少量のトナーを現像ローラ18により多く送ることができる。その結果、トナーの不足による画像品質の低下(画像のかすれ)を抑制することができる。
同様に、前述の第1実施形態における特別制御処理のステップS314において、CPU56により、第1時間が現像ユニット7に収容されているトナーの残量が少ないほど長い時間に設定されるようにしてもよい。作用効果は上記と同様である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。