JP6378643B2 - エンジン用マフラ - Google Patents
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Description
このようなエンジン用マフラは特許文献1に開示されている。
尚、特許文献1では、前記流入口における排ガスの流れ方向と仕切板の下端から上端への延在方向とが直角をなしている。
この点、前述のマフラを単に全体的に小型化した場合には、高温・高圧な排ガスが流入し得る第1室の容積が減少するので、第1室にて排ガスを十分に拡散させることが難しくなる。
また、前述のマフラについては、第1室内におけるガイド部材より上方のスペースがいわゆるデッドスペースとなっており、このスペースを縮小することが望まれていた。
本発明は、このような実状に鑑み、エンジン用マフラの小型化と放熱性の向上とを実現することを目的とする。
シリンダ部22、クランクケース23及びピストン25によってクランク室27が形成されている。つまり、シリンダ部22の側面とピストン25で形成されるクランクケース23側の円柱状空間と、クランクケース23内の空間とによりクランク室27が形成されている。このクランク室27では、ピストン25が摺動するにしたがい、その内部空間の容積が変化する。
オイルタンク24は、オイルタンクケースによって規定されており、クランクケース23と別個に設けられ、潤滑用のオイルを貯留する。
ここで、ピストン25が下死点から上死点まで移動するにしたがい、クランク室27内の圧力は負圧になる。逆に、ピストン25が上死点から下死点まで移動するにしたがい、クランク室27内の圧力は正圧になる。それゆえ、クランク室27内の圧力が正圧であるときに、逆止弁30が開弁して、クランク室27からオイルタンク24へオイルが流れる。また、クランク室27内の圧力が負圧であるときに、逆止弁30は閉弁している。
吸気ポート35は、インシュレータ(図示せず)を介してキャブレタ(図示せず)に連通している。このキャブレタの上流側には、エアクリーナ(図示せず)が設けられている。ここで、エンジンモジュール3は、前述のインシュレータ、キャブレタ、エアクリーナ、及び、燃料貯留用のタンク(図示せず)を更に含む。また、前述のインシュレータ、キャブレタ、及びエアクリーナは、カバー11によって覆われている。尚、前述のキャブレタは、前述のエアクリーナを通過した空気に燃料を混合して混合気を生成する装置である。
図4はマフラ50の斜視図である。図5はマフラ50の正面図である。図6は図5のI−I断面図である。図7は仕切板56の正面図である。図8はガイド部材58の斜視図である。尚、以下では、説明の便宜上、図4〜図7に示すように上下左右を規定する。また、エンジン21に近い側を流入側とし、エンジン21に近い側と反対の側(換言すれば、エンジン21から遠い側)を排出側とする。ここで、図4〜図7における「上側」は、前述したように、エンジン21が最も長く使用される状態(正立状態)における鉛直上側と略一致する。また、以下では、説明の便宜上、マフラ50の各構成要素を図4〜図7の上下方向で三分割した場合の各部を、各構成要素の上部、中央部、又は下部と称する。
ハウジング51は略矩形の箱状であり、第1の容器52と第2の容器53とにより構成されている。尚、本実施形態では、第1の容器52及び第2の容器53が金属製であるが、この他、高熱に耐え得るFRP(Fiber Reinforced Plastics)などの樹脂製であってもよい。
第1の容器52の上部には流入口52aが設けられている。流入口52aは排気ポート36に接続されている。ここで、第1の容器52の上部に流入口52aが設けられていることにより、エンジン21より上側へのマフラ50の突出量を小さく抑えることができる。
第2の容器53の中央部には排出口53aが設けられている。
ここで、第1室61は流入口52aを含む。換言すれば、第1室61は流入口52aに連通している。また、第1室61は流入口52aを介して排気ポート36に連通している。一方、第2室62は排出口53aを含む。換言すれば、第2室62は排出口53aに連通している。
第2の容器53の排出口53aは仕切板56の中央部に相対している。
貫通孔57は第1の容器52の流入口52aよりも下位に位置している。また、貫通孔57は第2の容器53の排出口53aよりも下位に位置している。
ガイドプレート71は、第1の容器52の流入口52aから排出側に向かうほど(すなわち流入口52aから離れるほど)下方に向かうように円弧状に湾曲している。この円弧状において、その中心角は略90°である。
フランジ部73には複数の貫通孔73aが形成されている。この貫通孔73aには、ガイド部材58を第1の容器52の流入口52aに固定するボルトの雄ねじ部(図示せず)が挿入される。
排気ポート36からマフラ50の流入口52aを経て第1室61に流入する排ガスは、その流れの向きが、第1室61内のガイド部材58(特にガイドプレート71)によって、下向きに変えられる。ここで、ガイド部材58(特にガイドプレート71)は、排気ポート36から第1室61に流入する排ガスの流れを下向きに案内する機能を実現する。
第2室62に流入した排ガスは、第2室62内にて更に拡散されて冷却された後、マフラ50の排出口53aを経て、外部ダクト67から外部へ排出される。
尚、第1の容器52、第2の容器53、及び仕切板56は、マフラ50内を通過する排ガスから受熱して、その熱を、第1の容器52の外面及び第2の容器53の外面から外部へ放熱する。
図9は、ガイド部材58によって下向きに案内された排ガスの一部Gが仕切板56に当たる様子を示す図である。尚、図9において、一点鎖線で示す仕切板56’は、流入口52aにおける排ガスの流れ方向F1と、仕切板56’の下端から上端への延在方向F2’とが直角をなしている場合を想定したものである。ここで、図9は仕切板56’の一部(上部〜中央部)のみを図示している。また、図9において、二点鎖線で示すカバー11’は、流入口52aにおける排ガスの流れ方向F1と、仕切板56’の下端から上端への延在方向F2’とが直角をなしている場合を想定したものである。
この点、流入口52aにおける排ガスの流れ方向F1と、仕切板56の下端から上端への延在方向F2とが鈍角θ1をなしている場合には、ガイド部材58によって下向きに案内された排ガスの一部Gが、仕切板56の比較的広範囲にわたって当たるので、仕切板56の実質的な伝熱面積が拡大される(図9における仕切板56の実質的な伝熱面積が面積S1から面積S2に拡大される)。それゆえ、排ガスからの熱を仕切板56で効率良く受熱してハウジング51から外部に放熱することができる。
この点、流入口52aにおける排ガスの流れ方向F1と、仕切板56の下端から上端への延在方向F2とが鈍角θ1をなしている場合には、第1室61内におけるガイド部材58の下端より上方のスペースが図9中のスペースDp分縮小されるので、マフラ50内のデッドスペースを縮小することができる。また、このデッドスペースの縮小により、マフラ50の第1室61及び第2室62の各々の有効な容積を確保した状態で、当該縮小分、マフラ50の上部を幅Wに狭めることができる。ゆえに、カバー11をカバー11’よりもエンジンモジュール3の内側に寄せることができるので、カバー11の肩部11sの形状を絞ることができる。すなわち、カバー11を、その肩部11sが小さく見えるデザインにすることができる。
また本実施形態によれば、鈍角θ1は95°〜125°の範囲内である。これにより、
仕切板56の傾斜の増大に伴うマフラ50の幅の増大を抑制することができる。
また、前述の実施形態では、エンジン21において、シリンダヘッド28とシリンダ部22とが別体である例を示したが、これに代えて、シリンダヘッドとシリンダ部とが一体であってもよい。
3 エンジンモジュール
11,11’ カバー
11s 肩部
21 エンジン
36 排気ポート
50 マフラ
51 ハウジング
52 第1の容器
52a 流入口
53 第2の容器
53a 排出口
56,56’ 仕切板
57 貫通孔
58 ガイド部材
61 第1室
62 第2室
65 筒状部
67 外部ダクト
71 ガイドプレート
Claims (5)
- エンジンの排気ポートに接続されて排ガスが流入する流入口と、流入した排ガスを排出する排出口とを有する箱型のハウジングと、
前記ハウジング内を、前記流入口を含む第1室と前記排出口を含む第2室とに区画する仕切板と、
前記流入口に設けられて、前記排気ポートから前記第1室に流入する排ガスの流れを下向きに案内するガイド部材と、
を含み、
前記流入口は前記第1室の上部に位置し、
前記流入口は前記ガイド部材を間にして前記仕切板に相対し、
前記仕切板は、前記第1室と前記第2室とを連通し、かつ、前記流入口よりも下位に位置する少なくとも1つの貫通孔を有し、
前記流入口における排ガスの流れ方向と前記仕切板の下端から上端への延在方向とが鈍角をなしており、
前記第1室の下部の内壁のうち前記仕切板の下部に相対する部分と前記仕切板の下部との間の距離が、前記第2室の下部の内壁のうち前記仕切板の下部に相対する部分と前記仕切板の下部との間の距離よりも長い、エンジン用マフラ。 - 前記ガイド部材は前記第1室の上部に位置し、前記貫通孔は前記ガイド部材よりも下位に位置する、請求項1に記載のエンジン用マフラ。
- 前記流入口から前記第1室に流入した排ガスは、その流れが前記ガイド部材により下向きに案内されて、前記排ガスの一部が前記仕切板に接触する、請求項1又は請求項2に記載のエンジン用マフラ。
- 前記鈍角は95°〜125°の範囲内である、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のエンジン用マフラ。
- 前記排出口は、前記貫通孔よりも上位に位置し、かつ、前記流入口よりも下位に位置する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジン用マフラ。
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