JP6377989B2 - 冷却貯蔵庫の扉装置 - Google Patents
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Description
そのためキャップの形状は、庫内と対向する側の縁部の張り出し量を抑えたものにせざるを得ず、そうするとセンタシールの端部の開口面を全面に亘って覆い切れない事態を招くことになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、センタシールの内部や隣接部材との間にできた隙間に食材の滓や汚物等の異物が侵入することを長期間に亘って防止し、衛生的に優れた扉装置を提供するところにある。
(1)前記キャップは、前記貯蔵庫本体の前記前面開口部と対向した側の縁部と、相手の前記断熱扉と対向した側の縁部との少なくともいずれか一方が前記低剛性部とされ、それ以外の基部が高剛性部とされている。
上側のキャップにおける貯蔵庫本体の開口部や隣り合うキャップに突き当たる可能性のある縁部が低剛性部とされることで、仮に突き当たったとしても衝撃力が緩和され、一方、基部は高剛性部とされることで、保持部材に対して強固に取り付けることができる。
(3)前記キャップの前記低剛性部と前記高剛性部とは、それぞれ軟質樹脂材と硬質樹脂材とにより予め別体に形成され、前記低剛性部と前記高剛性部とは結合手段を介して一体結合されている。
(4)前記キャップは一の合成樹脂材により形成され、薄肉とすることで前記低剛性部が、厚肉とすることで前記高剛性部がそれぞれ形成されている。
本発明の実施形態1を図1ないし図10に基づいて説明する。この実施形態では、ワイドスルー形式の横型冷蔵庫を例示している。
横型冷蔵庫の全体構造を図1によって説明する。冷蔵庫本体10は、前面が開口された横長の断熱箱体によって形成され、底面に配された脚11で支持されている。冷蔵庫本体10の内部は貯蔵室12とされ、出入口となる前面開口部13には、左右一対の断熱扉15が観音開き式の開閉可能に装着されている。一対の断熱扉15は、それぞれ外側の縦縁の上下両端が、ヒンジ16を介して縦軸回りの回動可能に支持されており、正面の上縁部における互いに隣接した端部に寄った位置に、開閉操作用の把手17が設けられている。前面開口部13には、同前面開口部13を左右に仕切る縦向きの仕切枠が設けられておらず、センタピラーレスすなわちワイドスルー形式の扉装置が構成されている。
冷凍サイクルが駆動されることで蒸発器付近で冷気が生成され、同冷気が庫内ファンにより貯蔵室12内に循環供給されることで、貯蔵室12内が冷却されるようになっている。
断熱扉15は左右対称形状に形成されており、図2及び図3等に示すように、ステンレス鋼板等の金属製の外装板21と、中央に膨出部22Aを設けた合成樹脂製の内装板22とを組み付けることで外殻体20が形成され、この外殻体20内に、発泡樹脂等の断熱材(図示せず)が充填された構造となっている。断熱扉15の裏面における薄肉となった周縁部には、方形状をなすパッキン装着溝25が形成されている。
パッキン30は、上記した装着溝25の4縁辺に対応して4本が準備され、各パッキン30の両端は45度に切断されている。4本のパッキン30は、それぞれの取付脚33を装着溝25に嵌着しつつ、4縁辺の全周に亘って方形枠状の形態をなして装着されている(図2参照)。各パッキン本体31における内側の面には複数枚のひれ部36が張り出し形成され、内装板22の膨出部22Aの側面に弾性的に密着されている。
保持部材55は合成樹脂製であって、詳しくは後記するが、センタシール40と同寸法の長さを有し、その上下の端縁が、対向側面15Aの上下の端縁から同じ小寸法ずつ退避した形態で、対向側面15Aに取り付けられるようになっている。
シール本体41における反対側の辺部44は、隣接して配された縦向きのパッキン30の側面に密着されている。同辺部44は庫外側の端部が第2マグネット室42側に屈曲され、その屈曲端に、硬質樹脂製の帯状をなす第1脚部45が形成されている。
上記した第2マグネット室42の外面(相手との対向面)における庫外側の端部からは、所定幅を持った脚片47が庫外側に向けて張り出した形態で形成されている。同脚片47の庫外側の端部は内側に屈曲され、その屈曲端に、硬質樹脂からなるやや厚肉の帯状をなす第2脚部48が形成されている。
また、シール本体41の庫内側の面における同端部位置からは、別のひれ部52が張り出し形成されている。同ひれ部52の張り出し端部側は、揺動端側の縦向きのパッキン30(上下両縁に配された横向きのパッキン30の端部を含む)における第1マグネット室32の庫内側の面に重なって密着されるようになっている。
ベース60は、上下方向に亘る複数箇所(例えば2箇所)において、ねじ61で止められて対向側面15Aに固定されるようになっている。
ヒータ保持部64の庫内側の面からは、厚肉のリブ状をなす変形規制部66が第2マグネット室42の裏面に沿うように突出形成され、変形規制部66の内部には、上記したセンタシール40の第1脚部45を挿通可能な断面T字形をなす挿通溝66Aが、第2マグネット室42と対向する側とは反対側の面に開口した形態で全長に亘って形成されている。
スライド蓋70の裏面(ベース60と対向する面)のほぼ中央幅位置には、長方形断面をなすガイド筒部72が張り出し形成されており、ガイド筒部72内には、上記したセンタシール40に設けられた第2脚部48が、切割溝73を通って摺動可能に挿通されるようになっている。
スライド蓋70は、両掛止溝75にベース60の両掛止部67を嵌めて、上方または下方から掛止部67に沿って摺動させることで、図3に示すように、ベース60の表面側に所定間隔を開けて被着され、結果、扁平な略角筒形をなす保持部材55が形成される。
取付板82の両側縁には、外面側に向けて突出長さが次第に大きくなった、いわゆるあり状をなすレール86が形成されているとともに、同取付板82の延出端縁には、ストッパリブ87が全幅に亘って立ち上がり形成されている。また、取付板82に2個並んで形成された座孔84のうち、保持部材55に近い側の座孔84(図5の手前側)における手前側の縁辺には、係止孔88が連なって突出した形態で形成されている。
ガイド溝95の奥縁にはカバー80の取付板82の延出端縁に設けられたストッパリブ87が嵌って当たる係止縁97が、切り欠き形成されている。
また、ガイド溝95の溝底には、キャップ90がストッパリブ87に当たる正規位置まで押し込まれた場合に、カバー80の取付板82に形成された係止孔88に嵌って係止する係止突部98が形成されている。
一方、左右の断熱扉15の揺動端側の間では、図4及び図10に示すように、左右のセンタシール40の第2マグネット室42同士が、シール本体41の辺部44と、第2脚部48を先端に設けた脚片47を弾性変形させつつ、磁気吸引力により密着することによりシールされる。ひれ部52は、その張り出し端部がパッキン30における第1マグネット室32の庫内側の面上でずれるものの、なお重なった状態に維持される。
結果、センタシール40の裏側へ食材の滓や汚物等の異物が侵入することを長期間に亘って防止でき、衛生面上で優れたものとなる。
しかしながら、侵入の可能性が全く無いとは言えないから、その防止対策として、閉扉時にできる脚片47の裏側の隙間sも塞げるように、キャップ90における隣り合うキャップ90と対向した側の側縁部99を張り出した形状とし、かつ、キャップ90同士の干渉に伴う衝撃を緩和するために、同側縁部99を軟質樹脂材で形成して低剛性とすることが有効である。
本発明の実施形態2を図11ないし図13によって説明する。この実施形態2では、キャップ100の形状に変更が加えられている。以下では、実施形態1のキャップ90との相違点を主に説明し、実施形態1と同一機能を有する部材、部位については、同一符号を付すことにより重複した説明は省略しまたは簡略化する。
本実施形態のキャップ100は、外形を含む基本的な形状は、実施形態1のキャップ90と同様であるが、図12に示すように、縁部102と基部101とが段差壁103で分断された形態となって、縁部102が軟質樹脂材により、基部101が硬質樹脂材により予め別体に形成され、結合手段を介して一体結合されている。
実施形態1に例示した二色成形でキャップ90を製造する場合と比べて、本実施形態のキャップ100の方が安価に製造し得る。
本発明の実施形態3を図14ないし図16によって説明する。この実施形態3では、キャップ110の形状並びにその装着構造に変更が加えられている。
以下では、実施形態1との相違点を主に説明し、実施形態1と同一機能を有する部材、部位については、同一符号を付すことにより重複した説明は省略しまたは簡略化する。
実施形態3のキャップ110は、カバー80X等を覆って装着されることは同様であるが、実施形態1のスライド形式に代わって、嵌合形式の装着構造を採用している。そのためまず、カバー80Xは、実施形態1で示したストッパリブ87と係止孔88とを備えない形状とされている。
キャップ110は、一種類の合成樹脂材で形成されているが、基部111が厚肉に形成されて高剛性を有しているのに対して、縁部112は基部の1/3程度の薄肉に形成され、低剛性とされている。
これによりキャップ110の装着が完了し、同図に示すように、庫内側の低剛性の縁部112がパッキン30の突出面までを覆った上で、カバー80X並びにセンタシール40(保持部材55を含む)の端面を覆った形態となる。係止部分である係止溝115A,115Bの溝壁は高剛性であるから、強固な取付構造が担保される。
実施形態1のキャップ90は、スライド装着形式であったために、カバー80の一部(ストッパリブ87)が露出せざるを得なかったが、実施形態3のキャップ110は表面側からの嵌合装着形式を採用したから、カバー80Xを完全に隠すことが可能となり、外観が向上する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ヒータカバーが備えられておらず、センタシール(保持部材を含む)の上下の端面を覆うことのみに機能するキャップについても、本発明は同様に適用可能である。
(2)上記実施形態では、上下共に張り出された縁部を備えた形状のキャップを装着した場合を例示したが、冷却貯蔵庫の設置場所等の条件によっては、係る形状のキャップを上下いずれか一方のみに装着し、他方については従前どおりに縁部が控えた形状のキャップを適用するようにしてもよい。
(3)実施形態2のキャップにおける基部と縁部とを結合する手段は、例示した以外の他の手段であってもよい。
(5)実施形態2,3のキャップにおいても、隣り合うキャップと対向した側の側縁部を張り出した形状とし、かつ同側縁部を低剛性とするようにしてもよい。
(6)センタシールの形状は上記実施形態に例示したものに限らず、完全な筒状等、他の形状であってもよい。要は、センタシール自身の内部、若しくは隣接して配された隣接部材との間に、周りが閉じられた隙間が上下方向に貫通した形態で形成されるようなもの全般について、本発明は同様に適用可能である。
(7)本発明は、上記実施形態に例示した2ドア式の横型冷蔵庫に限らず、例えば4ドア式の縦型冷蔵庫等のドア数の異なる冷蔵庫や、その他に冷凍庫や冷凍冷蔵庫等、要は、ワイドスルー式の扉装置を備えた冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
13…前面開口部
15…断熱扉
15A…対向側面
30…パッキン(隣接部材)
40…センタシール
55…保持部材
90…キャップ
91…基部(高剛性部)
92…縁部(低剛性部)
100…キャップ
101…基部(高剛性部)
102…縁部(低剛性部)
105…結合板(結合手段)
107…挿通溝(結合手段)
110…キャップ
111…基部(高剛性部)
112…縁部(低剛性部)
S…隙間
Claims (5)
- 断熱製の貯蔵庫本体に設けられた前面開口部には、左右一対の断熱扉が観音開き式の揺動開閉可能に設けられ、
前記各断熱扉の裏面における揺動支点側の側縁から上下両側縁に亘って、閉扉時に前記前面開口部に密着するパッキンが、前記断熱扉の裏面から突出する形で配設されているとともに、前記各断熱扉の相手側と対向した側面の庫内側の角部付近には、閉扉時において互いに密着可能なセンタシールが、前記側面に固定される上下方向に延びた保持部材を介して全高に亘って配設され、
かつ、前記センタシールの内部、若しくは前記センタシールと同センタシールに隣接して配された隣接部材との間に、周りが閉じられた隙間が、前記断熱扉の裏面側において上下方向に貫通した形態で形成されるようになっており、
前記隙間の端部の開口を覆うように、前記断熱扉における揺動端側の上下両端部の少なくともいずれか一方に装着される合成樹脂製のキャップを備え、
前記キャップは、前記断熱扉における揺動端側の前記上下両端部の少なくともいずれか一方に対して、覆う形で装着される高剛性部からなる基部と、前記隙間の前記端部の前記開口を覆いつつ、閉扉時に前記断熱扉が静止した状態において前記前面開口部と当たらないように前記基部から前記貯蔵庫本体の前記前面開口部側に向かって前記パッキンよりも突出しない形で前記パッキンの突出面付近まで張り出した低剛性部からなる縁部とを有する冷却貯蔵庫の扉装置。 - 前記基部は、前記断熱扉における揺動端側の前記上下両端部に対して、係止する係止部を有し、
前記縁部は、前記係止部よりも一段下がった段差状に形成される請求項1に記載の冷却貯蔵庫の扉装置。 - 前記キャップの前記低剛性部と前記高剛性部とは、それぞれ軟質樹脂と硬質樹脂とを素材とし、二色成形により一体成形されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却貯蔵庫の扉装置。
- 前記キャップの前記低剛性部と前記高剛性部とは、それぞれ軟質樹脂材と硬質樹脂材とにより予め別体に形成され、前記低剛性部と前記高剛性部とは結合手段を介して一体結合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却貯蔵庫の扉装置。
- 前記キャップは一の合成樹脂材により形成され、薄肉とすることで前記低剛性部が、厚肉とすることで前記高剛性部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却貯蔵庫の扉装置。
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