JP6375918B2 - 硬貨搬送装置、及び、現金取扱装置 - Google Patents

硬貨搬送装置、及び、現金取扱装置 Download PDF

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本発明は、硬貨を搬送する硬貨搬送装置、及び、現金を取り扱う現金取扱装置に関する。
従来、現金を取り扱う現金取扱装置として、例えば、釣銭機等の装置がある。また、硬貨を搬送する硬貨搬送装置として、硬貨精査補助ユニット等の装置がある(例えば、特許文献1参照)。釣銭機は、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の販売店のキャッシュレジスタの下部に配置され、釣銭を出金する装置である。一方、硬貨精査補助ユニットは、釣銭機で行われる硬貨の精査処理を補助する装置である。ここで、「精査処理」とは、装置の内部に収納されている現金の有高を金種別に再計数する処理を意味している。なお、現金取扱装置としては、現金自動預け払い機(ATM)やキャッシュディスペンサ等の装置もある。
特許文献1に記載された硬貨精査補助ユニットは、釣銭機の下部に設けられた硬貨出金口から硬貨をユニットの内部に取り込み、取り込まれた硬貨を持ち上げ、持ち上げた硬貨を釣銭機の上部に設けられた硬貨投入口に投入する構成になっている。
このような硬貨精査補助ユニットは、釣銭機で硬貨の精査処理が行われる場合に、釣銭機に装着される。すると、釣銭機が、内部に収納されている硬貨を金種毎に硬貨出金口に出金して、出金された硬貨を硬貨精査補助ユニットに取り込ませる。硬貨精査補助ユニットは、取り込まれた硬貨を持ち上げ、持ち上げた硬貨を釣銭機の硬貨投入口に投入する。釣銭機は、硬貨投入口に投入された硬貨を装置の内部に取り込み、取り込まれた硬貨を鑑別しながら計数する。このように、釣銭機は、硬貨精査補助ユニットと協働して、釣銭機の内部に収納されている硬貨の精査処理を行う。
ところで、硬貨精査補助ユニット等の硬貨搬送装置は、硬貨を挟持搬送する機構(以下、「挟持搬送機構」と称する)を有する構成になっている場合がある。ここで、「挟持搬送」とは、一部分の面が密着するように2本の搬送ベルトを配置させておき、2本の搬送ベルトが密着している箇所の面と面との間に搬送の対象物(ここでは、硬貨)を挟み込ませ、2本の搬送ベルトを走行させることにより、対象物を搬送する動作を意味している。
このような硬貨搬送装置は、内部機構の保守や点検等を行う場合に、側面から内部機構にアクセスする構成になっている。そして、硬貨搬送装置は、例えば、硬貨の挟持搬送中に搬送ジャム(搬送中の途中で詰まる硬貨)が発生した場合に、操作者が、側面から挟持搬送機構にアクセスして、2本の搬送ベルトの間から硬貨を引き抜くことにより、搬送ジャムを除去する構成になっている。
特開2013−200623号公報
しかしながら、従来の硬貨搬送装置は、操作者が2本の搬送ベルトの間から硬貨を引き抜いた場合に、片方の搬送ベルトが、硬貨の引き抜きにつられて、引き抜き方向にずれて(移動して)しまい、搬送ベルトが挟持搬送機構から脱落してしまうことがある、という課題があった。
このような脱落が発生した場合に、操作者は、脱落した方の搬送ベルトを元の脱落していない状態(脱落した方のベルトを他方の搬送ベルトに密着させている状態)に戻す必要がある。そのため、この場合に、従来の硬貨搬送装置は、脱落した方の搬送ベルトを元の脱落していない状態に戻させるための負担を操作者に強いていた。
なお、挟持搬送機構は、現金自動預け払い機(ATM)やキャッシュディスペンサ、釣銭機等の現金取扱装置にも利用されている場合がある。そのため、挟持搬送機構を有する現金取扱装置でも同様の課題があった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、搬送ベルトの脱落の発生を抑制する硬貨搬送装置を提供することを主な目的とする。また、本発明は、搬送ベルトの脱落の発生を抑制する現金取扱装置を提供することも目的とする。
前記目的を達成するため、第1発明は、硬貨を搬送する硬貨搬送装置であって、モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、前記フランジ部の長さは、前記挟持搬送の対象となる最大径硬貨の径の1/2以上の長さである構成とする。
また、第2発明は、硬貨を搬送する硬貨搬送装置であって、モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、前記フランジ部の長さは、前記第2搬送ベルトの幅の1/2以上の長さである構成とする。
第1発明又は第2発明に係る硬貨搬送装置は、プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えている。そのため、第1発明又は第2発明に係る硬貨搬送装置は、仮に、操作者が2本の搬送ベルトの間から硬貨を引き抜くことによって、片方の搬送ベルト(第2搬送ベルト)が、硬貨の引き抜きにつられて、引き抜き方向にずれて(移動して)しまう場合があったとしても、第2搬送ベルトをフランジ部の上に載り上げさせた状態にすることができる。そのため、第1発明又は第2発明に係る硬貨搬送装置は、第2搬送ベルトが完全に脱落することを抑制することができる。
しかも、第1発明又は第2発明に係る硬貨搬送装置は、第2搬送ベルトが一定幅以上(例えば、第1発明における最大径硬貨の径の1/2以上、又は、第2発明における第2搬送ベルトの幅の1/2以上)にフランジ部の上に載り上げている状態であれば、第1及び第2搬送ベルトを走行させることにより、第2搬送ベルトを元の脱落していない状態(第1搬送ベルトに密着させている状態)に自動的に復帰させることができる。
また、第3発明は、現金の搬送部と鑑別部とを有しており、現金を取り扱う現金取扱装置であって、硬貨の搬送部として、モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、前記フランジ部の長さは、前記挟持搬送の対象となる最大径硬貨の径の1/2以上の長さである構成とする。
また、第4発明は、現金の搬送部と鑑別部とを有しており、現金を取り扱う現金取扱装置であって、硬貨の搬送部として、モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、前記フランジ部の長さは、前記第2搬送ベルトの幅の1/2以上の長さである構成とする。
第3発明又は第4発明に係る現金取扱装置は、第1発明又は第2発明に係る硬貨搬送装置と同様に、第2搬送ベルトが完全に脱落することを抑制することができ、また、第2搬送ベルトを元の脱落していない状態(第1搬送ベルトに密着させている状態)に自動的に復帰させることができる。
本発明によれば、搬送ベルトの脱落の発生を抑制することができる。
実施形態に係る硬貨精査補助ユニット(硬貨搬送装置)が装着される釣銭機(現金取扱装置)の前部の斜視図である。 釣銭機に装着された状態の実施形態に係る硬貨精査補助ユニットの構成を示す斜視図である。 実施形態に係る硬貨精査補助ユニットの外部構成を示す斜視図である。 実施形態に係る硬貨精査補助ユニットの内部構成を示す断面図である。 扉を開放した状態の実施形態に係る硬貨精査補助ユニットの構成を示す図である。 実施形態で用いる挟持搬送機構の構成を示す図(1)である。 実施形態で用いる挟持搬送機構の構成を示す図(2)である。 実施形態で用いる挟持搬送機構の構成を示す図(3)である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態]
ここでは、硬貨搬送装置が硬貨精査補助ユニットとして構成されており、硬貨精査補助ユニットが釣銭機に装着されることによって、釣銭機が硬貨精査補助ユニットと協働して釣銭機の内部に収納された硬貨の精査処理(すなわち、釣銭機の内部に収納されている硬貨の有高を金種別に計数する処理)を行う場合を想定して説明する。
ただし、本発明は、硬貨精査補助ユニットに限らず、硬貨の挟持搬送機構を有する硬貨搬送装置に適用することができる。また、本発明は、硬貨の代わりに遊技用メダルを取り扱うメダル取扱装置にも適用することができる。また、本発明は、例えば、現金自動預け払い機(ATM)やキャッシュディスペンサ、釣銭機等の現金取扱装置にも適用することができる。
<釣銭機及び硬貨精査補助ユニットの全体の構成>
以下、図1〜図3を参照して、本実施形態で用いる釣銭機及び本実施形態に係る硬貨精査補助ユニットの全体の構成につき説明する。本発明は、硬貨の取り扱いに関連するものであるため、ここでは、硬貨の取り扱いに関連する構成要素を重点的に説明する。
図1は、本実施形態に係る硬貨精査補助ユニット100が装着される釣銭機1の前部の斜視図である。図2は、釣銭機1に装着された状態の本実施形態に係る硬貨精査補助ユニット100の構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る硬貨精査補助ユニット100の外部構成を示す斜視図である。
図1及び図2に示す釣銭機1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の販売店のキャッシュレジスタの下部に配置され、釣銭を出金する現金取扱装置である。また、図2に示す硬貨精査補助ユニット100は、釣銭機1で行われる硬貨の精査処理を補助する硬貨搬送装置である。硬貨精査補助ユニット100は、釣銭機1に対して着脱可能な構成になっている。ここでは、釣銭機1が、取り扱い可能な複数金種の硬貨のうち、最大径硬貨(具体的には、500円硬貨)の精査処理を行う場合を想定して説明する。
図1に示すように、釣銭機1は、制御部2、操作部3、硬貨入金口4、硬貨出金口5、硬貨リジェクト口6、電源供給口9、搬送部14、鑑別部15、及び、図示せぬ収納庫を有している。
制御部2は、釣銭機1の各部を集中的に制御する。制御部2は、マイクロコンピュータ等で構成されている。
操作部3は、各種の設定の入力や表示を行う入力装置である。操作部3は、入力キーやタッチパネル等を備えている。
硬貨入金口4は、操作者により硬貨が投入(入金)される部位である。
硬貨出金口5は、収納庫に収納されている硬貨が放出(出金)される部位である。
硬貨リジェクト口6は、鑑別部15によりリジェクトされたリジェクト硬貨(再使用困難な不良硬貨)が放出される部位である。
電源供給口9は、硬貨精査補助ユニット100(図2参照)の電源ケーブル109が接続される接続部である。
搬送部14は、現金である貨幣(硬貨及び紙幣)を装置の内部の所定の場所に搬送する機構である。
鑑別部15は、貨幣(硬貨及び紙幣)を鑑別しながら計数する構成要素である。
図示せぬ収納庫は、貨幣(硬貨及び紙幣)を収納する部位である。
制御部2は、釣銭機1の所定の場所に設けられている。また、操作部3、硬貨入金口4、硬貨出金口5、及び、硬貨リジェクト口6は、釣銭機1の前部の外装面に設けられている。また、搬送部14や、鑑別部15、図示せぬ収納庫等は、釣銭機1の後部の内部に設けられている。
硬貨入金口4は、釣銭機1の前部の上面に設けられており、漏斗状に形成されている。
硬貨出金口5は、釣銭機1の前部の下部に設けられており、釣銭機1の前部から突出するように形成されている。硬貨出金口5の底部には、シャッタ8が設けられている。シャッタ8は、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されたときに、開放される。
硬貨リジェクト口6は、釣銭機1の前部の下部に設けられており、釣銭機1の前部から突出するように形成されている。
釣銭機1は、入金時に、操作者によって硬貨が硬貨入金口4に投入されると、投入された硬貨を搬送部14で鑑別部15に搬送して、鑑別部15で鑑別し、鑑別された硬貨を搬送部14で該当金種の図示せぬ収納庫に搬送して、金種毎に収納庫に収納する。そのため、鑑別部15は、硬貨入金口4の近傍に設けられている。
また、釣銭機1は、出金時に、図示せぬ収納庫から硬貨を繰り出し、繰り出された硬貨を搬送部14で硬貨出金口5に搬送して、硬貨出金口5に放出する。その際に、釣銭機1は、搬送部14だけでなく硬貨の自重を用いて硬貨を搬送する。そのため、硬貨出金口5及び硬貨リジェクト口6は、硬貨入金口4よりも下方に設けられている。
また、釣銭機1は、鑑別部15でリジェクト硬貨が検出された場合に、直ちにリジェクト硬貨を硬貨リジェクト口6に放出することが好ましい。そのため、硬貨リジェクト口6は、鑑別部15の近傍(すなわち、硬貨入金口4の近傍)に設けられている。
釣銭機1の前部の硬貨入金口4及び硬貨出金口5が設けられている部位は、硬貨精査補助ユニット100が装着される被装着部7となっている。図2に示すように、硬貨精査補助ユニット100は、釣銭機1で硬貨の精査処理が行われる場合に、釣銭機1の被装着部7に装着される。
このとき、硬貨精査補助ユニット100は、釣銭機1の硬貨リジェクト口6が外部に露出するように、装着される。そのため、釣銭機1は、硬貨の精査処理の実行中に、鑑別部15でリジェクト硬貨が検出された場合に、リジェクト硬貨を硬貨リジェクト口6に放出することができる。これにより、操作者は、精査処理の実行中であっても、硬貨精査補助ユニット100を取り外すことなく、釣銭機1からリジェクト硬貨を取り出すことができる。
図3に示すように、硬貨精査補助ユニット100は、筐体101、取っ手102、取込口103、シュート部104、装着ロックレバー105、扉106、小扉107、キーシリンダ108、電源ケーブル109、スイッチレバー110、及び、シャッタレバー111を有している。
取っ手102は、操作者が硬貨精査補助ユニット100を把持する部位である。
取込口103は、釣銭機1から硬貨を取り込む部位である。
シュート部104は、硬貨を自由落下させて釣銭機1の硬貨入金口4に投入する構成要素である。
装着ロックレバー105は、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されたときに、硬貨精査補助ユニット100を固定する部材である。
扉106は、後記する搬送ベルト141,142(図4参照)の周囲を閉鎖する構成要素である。
小扉107は、後記する収納部搬送ベルト132(図4参照)の周囲を閉鎖する構成要素である。
キーシリンダ108は、図示せぬ鍵で回すことにより、シュート部104の降下、並びに、扉106及び小扉107の開放を選択的に可能な状態又は不能な状態に切り替える構成要素である。キーシリンダ108の先端付近には、スイッチレバー110及びシャッタレバー111が連結されている。スイッチレバー110及びシャッタレバー111は、オペレータが図示せぬ鍵を回転させてキーシリンダ108を回動させることにより、それぞれの先端部がキーシリンダ108を軸にして一緒に回動する。
電源ケーブル109は、釣銭機1から電源の供給を受けるための部材である。
スイッチレバー110は、シュート部104とともに、釣銭機1の被装着部7を上下方向から挟み込むことにより、硬貨精査補助ユニット100を釣銭機1の被装着部7に固定する部材である。また、スイッチレバー110は、図示せぬユニットセットスイッチをオン状態又はオフ状態に選択的に切り替える部材でもある。なお、「ユニットセットスイッチ」とは、オン状態時に、釣銭機1の制御部2の動作状態を精査可能状態(すなわち、硬貨の精査処理が実行可能な状態)に設定し、一方、オフ状態時に、釣銭機1の制御部2の動作状態を精査不能状態(すなわち、硬貨の精査処理が実行不能な状態)に設定するスイッチである。
シャッタレバー111は、釣銭機1のシャッタ8(図1参照)が閉鎖されている状態で、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されたときに、キーシリンダ108の回動(すなわち、スイッチレバー110の回動)を規制する部材である。
取込口103は、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されたときに、釣銭機1の硬貨出金口5の下方に配置される。このとき、硬貨出金口5のシャッタ8(図1参照)は、開放された状態になる。釣銭機1は、その状態で、硬貨を硬貨出金口5に出金する。すると、出金された硬貨は、取込口103を介して硬貨精査補助ユニット100に取り込まれて、硬貨分離部120に収納される。
シュート部104は、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されたときに、釣銭機1の硬貨入金口4と接続される。シュート部104の下端部は、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されていないときに、上昇した状態になっている。一方、シュート部104の下端部は、硬貨精査補助ユニット100が釣銭機1に装着されたときに、降下して、釣銭機1の硬貨入金口4の内部に挿入された状態になる。
<硬貨精査補助ユニットの内部構成>
以下、図4及び図5を参照して、硬貨精査補助ユニット100の内部構成につき説明する。図4は、本実施形態に係る硬貨精査補助ユニット100の内部構成を示す断面図である。図5は、扉を開放した状態の本実施形態に係る硬貨精査補助ユニット100の構成を示す図である。
図4に示すように、硬貨精査補助ユニット100は、内部に、制御部112、硬貨分離部120、磁気センサ121、及び、搬送機構130を有している。なお、図4中、白抜きの矢印は、硬貨99の進行ルートを示している。
制御部112は、硬貨精査補助ユニット100の各部を集中的に制御する。制御部112は、マイクロコンピュータ等で構成されている。
硬貨分離部120は、硬貨99を一時的に収納する収納部であるとともに、収納された硬貨99を1枚ずつに分離して後記する挟持搬送機構140に繰り出す構成要素である。硬貨分離部120は、取込口103の下方に配置されている。硬貨分離部120の内部には、硬貨出金口5から落下した硬貨を収納部搬送ベルト132の上流側まで滑落させる傾斜面(分離傾斜面)が形成されている。
磁気センサ121は、硬貨分離部120に収納された硬貨99を検知するセンサである。磁気センサ121は、硬貨分離部120の下部に配置されている。硬貨精査補助ユニット100は、磁気センサ121によって硬貨99が硬貨分離部120に収納されたことを検知する。
搬送機構130は、硬貨分離部120に収納された硬貨99を硬貨分離部120からシュート部104に搬送する機構である。シュート部104は、硬貨分離部120よりも高い位置に設けられている。
搬送機構130は、駆動モータ131、収納部搬送ベルト132、リバースローラ133、挟持搬送機構140、及び、図示せぬ駆動伝達機構を備えている。
駆動モータ131は、収納部搬送ベルト132や、リバースローラ133、挟持搬送機構140を駆動させる駆動源である。図示せぬ駆動伝達機構は、駆動モータ131で発生された駆動力を収納部搬送ベルト132や、リバースローラ133、挟持搬送機構140に伝達する。
収納部搬送ベルト132は、硬貨分離部120の内部で硬貨99を搬送する搬送部材である。収納部搬送ベルト132は、搬送方向の上流側が下部側となり、搬送方向の下流側が上部側となるように、水平方向に対して斜め方向に傾斜して配置されている。これにより、収納部搬送ベルト132は、硬貨出金口5から硬貨分離部120の内部に落下した各硬貨99を、自重で下部側(搬送方向の上流側)に滑落させて、下部側に溜まらせるようにしている。収納部搬送ベルト132は、矢印A11の方向に走行することにより、下部側(搬送方向の上流側)に収納された各硬貨99を上部側(搬送方向の下流側)に向けて搬送する。
リバースローラ133は、硬貨99が複数枚に重なって搬送された場合に、各硬貨99を1枚ずつに分離する部材である。リバースローラ133は、収納部搬送ベルト132の下流側の端部付近に配置されている。リバースローラ133と収納部搬送ベルト132との間には、隙間が設けられている。隙間の間隔は、搬送の対象となる複数金種の硬貨のうち、最大厚硬貨(具体的には、最大径硬貨でもある500円硬貨)が1枚だけ通過可能な値に設定されている。リバースローラ133は、収納部搬送ベルト132の搬送方向に対して逆方向(矢印A12の方向)に回転することによって、1枚の硬貨99のみを収納部搬送ベルト132の搬送方向の下流側に通過させ、他の硬貨99を収納部搬送ベルト132の搬送方向の上流側に戻す。
挟持搬送機構140は、硬貨99を挟持搬送する機構である。挟持搬送機構140は、収納部搬送ベルト132とリバースローラ133との間の隙間を通過した硬貨99を収納部搬送ベルト132から受け取り、受け取った硬貨99をシュート部104に向けて上昇させるように搬送する。
挟持搬送機構140は、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142を備えている。第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、硬貨99を挟持搬送する(すなわち、硬貨99を互いの間で挟み込んで搬送する)構成要素である。第1搬送ベルト141は、駆動モータ131の駆動により走行するタイミングベルトとして構成されている。一方、第2搬送ベルト142は、一部の面が第1搬送ベルト141に密着するように配置され、第1搬送ベルト141の走行に追従して走行する平ベルトとして構成されている。第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、例えば、クロロプレンによって構成されている。
第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、一部の面が互いに密着するように、配置されている。したがって、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、それぞれ、互いに密着する密着面を有している。
第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、双方の密着面の間で硬貨99を挟み込み、その状態で矢印A13の方向に走行することにより、硬貨99をシュート部104に向けて上昇させるように搬送する。
第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、円弧状に配置された複数のプーリ(ベルト車)151により支持されている。そのため、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142の双方の密着面は、全体的に円弧状に形成されている。双方の密着面は、硬貨99を搬送させる搬送面として機能する。
双方の密着面の上端部は、シュート部104の近傍で、かつ、シュート部104よりも上方の位置に配置されている。一方、双方の密着面の下端部は、収納部搬送ベルト132の上流側の端部付近で、かつ、リバースローラ133よりも下流側の位置に配置されている。
搬送ピッチ(各プーリ151の回転軸間のピッチ)は、挟持搬送の対象となる複数金種の硬貨のうち、最小径硬貨(具体的には、1円硬貨)が1枚しか入らないように設定されている。具体的には、搬送ピッチは、最小径硬貨(具体的には、1円硬貨)以上の長さとしている。硬貨精査補助ユニット100は、収納部搬送ベルト132と、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142との間で、速度差を設けて硬貨99を搬送することによって、1枚の硬貨99しか搬送ピッチ間に入らないように、硬貨99の搬送を制御している。
なお、仮に、複数枚の硬貨99が搬送ピッチ間に進入することを想定した場合に、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142の双方の密着面の間は、複数枚の硬貨99の厚みによって開いてしまう。そのため、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142の硬貨99に対する保持力は、硬貨99が双方の密着面の間から落下してしまう程に、低下することが予想される。
しかしながら、硬貨精査補助ユニット100は、前記した通り、1枚の硬貨99しか搬送ピッチ間に入らないように、硬貨99の搬送を制御している。そのため、硬貨精査補助ユニット100は、双方の密着面の間から硬貨99が落下してしまう程に保持力が低下することを抑制することができる。
シュート部104は、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142の下流側に設けられている。シュート部104は、内部に、硬貨99を滑落させる傾斜面を有している。シュート部104は、硬貨99を傾斜面に沿って滑落させることによって、硬貨99を釣銭機1の硬貨入金口4の内部に投入する。
かかる構成において、操作者は、釣銭機1に硬貨99の精査処理を行わせる行う場合に、釣銭機1のシャッタ8(図1参照)を手で開けて、硬貨精査補助ユニット100の取込口103を釣銭機1の硬貨出金口5の下方に配置させ、硬貨精査補助ユニット100のシュート部104の下端部を釣銭機1の硬貨入金口4の内部に挿入させる(図4参照)。これにより、操作者は、硬貨精査補助ユニット100を釣銭機1の被装着部7(図1及び図2参照)に装着する。
次に、操作者は、硬貨精査補助ユニット100の電源ケーブル109(図1参照)を釣銭機1の電源供給口9(図1参照)に接続する。釣銭機1は、電源ケーブル109が電源供給口9(図1参照)に接続されると、硬貨精査補助ユニット100に電源の供給を開始する。
次に、操作者は、釣銭機1の操作部3(図1参照)を操作して、硬貨の精査処理の実行指示を釣銭機1に入力する。
すると、釣銭機1は、制御プログラム(又は操作者)によって指定された金種の順番に、図示せぬ収納庫の内部に収納されている該当金種の全ての硬貨99を硬貨出金口5に出金する。出金された硬貨99は、取込口103を介して硬貨精査補助ユニット100に取り込まれて、硬貨分離部120の内部に収納される。
一方、硬貨精査補助ユニット100は、釣銭機1から電源の供給を受けると、硬貨分離部120の下部に配置されている磁気センサ121で、硬貨99が硬貨分離部120に収納されたか否かを監視する。そして、硬貨精査補助ユニット100は、磁気センサ121で、硬貨99が硬貨分離部120に収納されたことを検知すると、硬貨分離部120からシュート部104への硬貨99の搬送動作、及び、シュート部104からの釣銭機1の硬貨入金口4の内部への硬貨99の投入動作を開始する。
このとき、図4に示すように、硬貨精査補助ユニット100は、駆動モータ131の駆動により、収納部搬送ベルト132が矢印A11の方向に走行するとともに、リバースローラ133が矢印A12の方向に回転する。これにより、硬貨99は、収納部搬送ベルト132とリバースローラ133との間を1枚ずつ通過する。
また、硬貨精査補助ユニット100は、第1搬送ベルト141が矢印A13の方向に走行するとともに、第2搬送ベルト142が第1搬送ベルト141の走行に従動して同じ方向(矢印A13の方向)に走行する。これにより、収納部搬送ベルト132とリバースローラ133との間を通過した硬貨99は、第1搬送ベルト141と第2搬送ベルト142とによって挟持搬送されて、シュート部104まで搬送される。
そして、硬貨精査補助ユニット100は、硬貨99をシュート部104から釣銭機1の硬貨入金口4の内部に投入する。
釣銭機1は、任意のタイミングで、硬貨入金口4の内部に投入された硬貨99の入金動作(装置の内部への取り込み動作)を開始する。そして、釣銭機1は、入金された(取り込まれた)硬貨99を鑑別しながら計数する。このようにして、釣銭機1は、硬貨99の精査処理を行う。なお、釣銭機1は、内部に収納されている全ての金種の硬貨99の精査処理が終了するまで、金種別に同様の動作を繰り返し行う。
ところで、図5に示すように、硬貨精査補助ユニット100は、内部機構の保守や点検等を行う場合に、扉106,107を開放して、側面から内部機構にアクセスする構成になっている。
そして、硬貨精査補助ユニット100は、例えば、硬貨99の挟持搬送中に搬送ジャム(搬送中の途中で詰まる硬貨99)が発生した場合に、操作者が、側面から挟持搬送機構140にアクセスして、第1搬送ベルト141と第2搬送ベルト142との間から硬貨99を引き抜くことにより、搬送ジャムを除去する構成になっている。
かかる構成において、第1搬送ベルト141は、複数のプーリ151によって張架されて(架け渡されて)おり、各プーリ151の配置によってレイアウトされた硬貨99の搬送ルートを形成している。
各プーリ151は、第1搬送ベルト141と当接する部分に、第1搬送ベルト141の内周面に形成された歯型と噛み合う歯型152を備えている。
また、複数のプーリ151の中の一部又は全部は、プーリ151の回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部153を備えている。フランジ部153は、第2搬送ベルト142の挟持搬送機構140からの脱落を抑制するために設けられた構成要素である。
フランジ部153を有するプーリ151は、搬送ジャムの除去時に、操作者がアクセス可能な領域に配置されていることが好ましい。本実施形態では、フランジ部153は、少なくとも、第1搬送ベルト141と第2搬送ベルト142とが密着している箇所に配置されているプーリ151に設けられている。
フランジ部153は、挟持搬送されている硬貨99がフランジ部153に当接しないように、円筒状に形成されている。また、フランジ部153は、プーリ151の露出側の側面(すなわち、挟持搬送されている硬貨99の引き抜きの際に、硬貨99の引き抜かれる側の面)に形成されている。
挟持搬送機構140は、例えば、操作者が第1搬送ベルト141と第2搬送ベルト142との間から硬貨99を引き抜くことによって、外側の第2搬送ベルト142が、硬貨99の引き抜きにつられて、引き抜き方向にずれて(移動して)しまう場合があることが想定される。以下、このような場合を「第2搬送ベルト142のずれが発生した場合」と称する。
しかしながら、挟持搬送機構140は、たとえ、前記した第2搬送ベルト142のずれが発生した場合であっても、第2搬送ベルト142をフランジ部153の上に載り上げさせた状態にすることができる。そのため、挟持搬送機構140は、第2搬送ベルト142が挟持搬送機構140から完全に脱落することを抑制することができる。
<挟持搬送機構の構成>
以下、図6〜図8を参照して、挟持搬送機構140の構成につき説明する。図6〜図8は、それぞれ、本実施形態で用いる挟持搬送機構140の構成を示す図である。図6は、フランジ部153の高さt153と、第1搬送ベルト141の厚さt141との関係を示している。図7は、フランジ部153の長さW153と、硬貨99の径W99との関係を示している。図8は、フランジ部153の長さW153と、第2搬送ベルト142の幅W142との関係を示している。
図6に示すように、フランジ部153の高さ(プーリの外周面からフランジ部の外周面までの高低差)を「t153」とし、第1搬送ベルト141の厚さを「t141」とする場合に、挟持搬送機構140は、「t153<t141」の関係を満たすように構成されている。
すなわち、挟持搬送機構140は、フランジ部153の高さt153が第1搬送ベルト141の厚さt141よりも小さな値に設定された構成になっている。
このような挟持搬送機構140は、フランジ部153の外周面が第1搬送ベルト141の外周面よりも外側に出っ張ることがないため、挟持搬送されている硬貨99がフランジ部153の外周面に当接しないようにすることができる。
また、図7に示すように、フランジ部153の長さ(幅)を「W153」とし、硬貨99の径(ここでは、挟持搬送の対象となる最大径硬貨の径)を「W99」とする場合に、挟持搬送機構140は、「W153≧(W99×1/2)」の関係を満たすように構成されている。
すなわち、挟持搬送機構140は、フランジ部153の長さW153が挟持搬送の対象となる最大径硬貨99の径W99の1/2以上の値に設定された構成になっている。
挟持搬送機構140をこのように構成する理由は、以下に説明するように、第2搬送ベルト142が挟持搬送機構140から完全に脱落することを抑制することができるからである。
例えば、挟持搬送機構140で、前記した第2搬送ベルト142のずれが発生した場合に、硬貨99が円形であるため、円形の硬貨99と第2搬送ベルト142との摩擦力の関係により、硬貨99が引き抜かれる際に、滑りが発生する。これにより、第2搬送ベルト142のずれ量(移動量)は、硬貨99の半径分程度になることが多い。そのため、挟持搬送機構140は、フランジ部153の長さW153を挟持搬送の対象となる最大径硬貨99の径W99の1/2以上の値に構成にすることにより、第2搬送ベルト142をフランジ部153の上に載り上げさせた状態にすることができる。これにより、挟持搬送機構140は、第2搬送ベルト142が挟持搬送機構140から完全に脱落することを抑制することができる。
なお、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142は、操作者が硬貨99を引き抜くことを考慮した場合に、第1搬送ベルト141と第2搬送ベルト142との間に挟持された硬貨99が外部から見えるようにすることが好ましい。
そこで、図7に示す例では、第1搬送ベルト141の幅を「W141」とし、第2搬送ベルト142の幅を「W142」とし、挟持搬送機構140は、「W141≦W99」の関係、及び、「W142≦W99」の関係を満たすように構成されている。
すなわち、挟持搬送機構140は、第1搬送ベルト141の幅W141及び第2搬送ベルト142の幅W142がそれぞれ挟持搬送の対象となる最大径硬貨99の径W99以下の値に設定された構成になっている。第1搬送ベルト141の幅W141及び第2搬送ベルト142の幅W142は、例えば、数mm〜十数mm程度である。
また、図8に示すように、フランジ部153の長さ(幅)を「W153」とし、第2搬送ベルト142の幅を「W142」とする場合に、挟持搬送機構140は、「W153≧(W142×1/2)」の関係を満たすように構成されている。
すなわち、挟持搬送機構140は、フランジ部153の長さW153が第2搬送ベルト142の幅W142の1/2以上の値に設定された構成になっている。なお、フランジ部153の長さW153の上限値は、扉106(図5参照)の開閉を阻害しなければ、特に限定されない。
挟持搬送機構140をこのように構成する理由は、以下に説明するように、前記した第2搬送ベルト142のずれが発生した場合に、第2搬送ベルト142を元の状態(第1搬送ベルト141に密着させている状態)に自動的に復帰させることができるからである。
例えば、挟持搬送機構140は、仮に、前記した第2搬送ベルト142のずれが発生した場合であっても、第2搬送ベルト142が一定幅以上にフランジ部153の上に載り上げた状態であれば、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142を矢印A13の方向に走行させることにより、第2搬送ベルト142を元の状態(第1搬送ベルト141に密着させている状態)に自動的に復帰させることができる。以下、前記した「一定幅」を「復帰可能幅Wre」と称する。
なお、第2搬送ベルト142を元の状態(第1搬送ベルト141に密着させている状態)に自動的に復帰させることができる理由は、以下の3つある。
すなわち、図8に示すように、(1)第1の理由は、第2搬送ベルト142自身の張力が、第2搬送ベルト142のフランジ部153よりも上側の部分を矢印A21の方向に引っ張るように作用するからである。(2)第2の理由は、第2搬送ベルト142とフランジ部153との間の当接部分で発生する摩擦力が、第2搬送ベルト142の当接部分を矢印A22の方向に押し上げるように作用するからである。(3)第3の理由は、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142が矢印A13の方向に走行するにつれて、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142の双方の密着面が矢印A23の方向に進行し、密着面が第2搬送ベルト142のフランジ部153よりも下側の部分を押し上げるように作用するからである。
「一定幅(復帰可能幅Wre)」について、実証実験によれば、挟持搬送機構140は、第2搬送ベルト142の幅W142の1/2以上であれば、第2搬送ベルト142を元の状態(第1搬送ベルト141に密着させている状態)に自動的に復帰させることができた。そのため、「一定幅(復帰可能幅Wre)」は、第2搬送ベルト142の幅W142の1/2以上の値であると推定される。
そして、復帰可能幅Wreが第2搬送ベルト142の幅W142の1/2以上の値である構成について考察した場合に、この構成は、幅W142の1/2以上に第2搬送ベルト142をフランジ部153の上に載り上げさせることが必要な構成になる。したがって、この構成とは、フランジ部153の長さW153が第2搬送ベルト142の幅W142の1/2以上の値に設定された構成となる。
つまり、挟持搬送機構140は、フランジ部153の長さW153が第2搬送ベルト142の幅W142の1/2以上の値に設定された構成になっていれば、第2搬送ベルト142を元の状態(第1搬送ベルト141に密着させている状態)に自動的に復帰させることができる。
なお、挟持搬送機構140は、図7に示す例における「W153≧(W99×1/2)」の関係及び図8に示す例における「W153≧(W142×1/2)」の関係のうち、フランジ部153の長さW153の値が小さくなる方の関係を満たすように構成するだけでも、第2搬送ベルト142が挟持搬送機構140から完全に脱落することを抑制することができる。しかしながら、挟持搬送機構140は、フランジ部153の長さW153の値が大きくなる方の関係を満たすように構成すれば、さらに効率よく第2搬送ベルト142が挟持搬送機構140から完全に脱落することを抑制することができる。
また、フランジ部153の長さW153は、長ければ長い程、第2搬送ベルト142が挟持搬送機構140から完全に脱落することを抑制することができるため、好ましい。フランジ部153の長さW153は、好ましくは、第2搬送ベルト142の幅W142以上の値であるとよい。
以上の通り、本実施形態に係る硬貨搬送装置である硬貨精査補助ユニット100によれば、仮に、第2搬送ベルト142が引き抜き方向にずれて(移動して)しまう場合があったとしても、第2搬送ベルト142をフランジ部153の上に載り上げさせた状態にすることができるため、第2搬送ベルト142の挟持搬送機構140からの脱落の発生を抑制することができる。
また、硬貨精査補助ユニット100によれば、第1搬送ベルト141及び第2搬送ベルト142を走行させることによって、第2搬送ベルト142を元の状態(第1搬送ベルト141に密着させている状態)に自動的に復帰させることができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、実施形態の構成の一部を他の構成に追加したり、置き換えたりすることができる。また、本発明は、実施形態の構成から一部の構成を削除することができる。
また、例えば、前記した実施形態では、本発明を硬貨精査補助ユニットに適用する場合を例にして説明した。しかしながら、本発明は、硬貨精査補助ユニットに限らず、硬貨の挟持搬送機構を有する硬貨搬送装置に適用することができる。また、本発明は、硬貨の代わりに遊技用メダルを取り扱うメダル取扱装置にも適用することができる。また、例えば、現金自動預け払い機(ATM)やキャッシュディスペンサ、釣銭機等の現金取扱装置にも適用することができる。
また、例えば、前記した実施形態では、フランジ部153が円筒状に形成されている場合を想定して説明している。しかしながら、フランジ部153は、挟持搬送されている硬貨99がフランジ部153に当接しなければ、円筒以外の形状にすることが可能である。この場合に、フランジ部153は、例えば、外側(歯型152から遠い側)端部の径が内側(歯型152に近い側)端部の径よりも大きい形状にすることが可能である。また、フランジ部153は、第2搬送ベルト142の脱落を効率よく抑制するために、フランジ部153の外周方向に突出する突起を外側(歯型152から遠い側)端部に形成した構成にすることも可能である。
1 釣銭機(現金取扱装置)
2,112 制御部
3 操作部
4 硬貨入金口
5 硬貨出金口
6 硬貨リジェクト口
7 被装着部
8 シャッタ
9 電源供給口
14 搬送部
15 鑑別部
99 硬貨
100 硬貨精査補助ユニット(硬貨搬送装置)
101 筺体
102 取っ手
103 取込口
104 シュート部
105 装着ロックレバー
106 扉
107 小扉
108 キーシリンダ
109 電源ケーブル
110 スイッチレバー
111 シャッタレバー
120 硬貨分離部
121 磁気センサ
130 搬送機構
131 駆動モータ
132 収納部搬送ベルト
133 リバースローラ
140 挟持搬送機構
141 第1搬送ベルト(タイミングベルト)
142 第2搬送ベルト(平ベルト)
151 プーリ
152 歯型
153 フランジ部

Claims (6)

  1. 硬貨を搬送する硬貨搬送装置において、
    モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、
    一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、
    前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、
    前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、
    前記フランジ部の長さは、前記挟持搬送の対象となる最大径硬貨の径の1/2以上の長さである
    ことを特徴とする硬貨搬送装置。
  2. 硬貨を搬送する硬貨搬送装置において、
    モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、
    一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、
    前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、
    前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、
    前記フランジ部の長さは、前記第2搬送ベルトの幅の1/2以上の長さである
    ことを特徴とする硬貨搬送装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の硬貨搬送装置において、
    前記フランジ部は、前記挟持搬送されている硬貨の引き抜きの際に、当該硬貨の引き抜かれる側に設けられている
    ことを特徴とする硬貨搬送装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の硬貨搬送装置において、
    前記フランジ部は、少なくとも、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトとが密着している箇所に配置されているプーリに設けられている
    ことを特徴とする硬貨搬送装置。
  5. 現金の搬送部と鑑別部とを有しており、現金を取り扱う現金取扱装置において、
    硬貨の搬送部として、
    モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、
    一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、
    前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、
    前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、
    前記フランジ部の長さは、前記挟持搬送の対象となる最大径硬貨の径の1/2以上の長さである
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  6. 現金の搬送部と鑑別部とを有しており、現金を取り扱う現金取扱装置において、
    硬貨の搬送部として、
    モータの駆動により走行する第1搬送ベルトと、
    一部分の面が前記第1搬送ベルトに密着するように配置され、前記第1搬送ベルトとの間で硬貨を挟み込んだ状態で、前記第1搬送ベルトの走行に追従して走行することによって、前記硬貨を挟持搬送する第2搬送ベルトと、
    前記第1搬送ベルトが架け渡された複数のプーリとを有し、
    前記複数のプーリの中の一部又は全部は、当該プーリの回転軸方向に延びるように形成されたフランジ部を備えており、
    前記フランジ部の長さは、前記第2搬送ベルトの幅の1/2以上の長さである
    ことを特徴とする現金取扱装置。
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