JP6375685B2 - 回路装置、温度検出装置、電子機器及び温度検出方法 - Google Patents

回路装置、温度検出装置、電子機器及び温度検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、回路装置、温度検出装置、電子機器及び温度検出方法等に関する。
従来より、非接触で温度検出を行う装置として、サーモパイルを用いた温度検出装置が知られている。この温度検出装置は、対象物体の赤外線放射を検出するサーモパイル(赤外線センサー)と、サーモパイルの近傍に設けられ自己温度(周囲温度)を検出するサーミスター(温度センサー)とを有する。サーモパイルは、対象物温度と自己温度の温度差による起電力(起電圧)を発生する性質を持つ。従って、サーモパイルを用いて検出された検出電圧とサーミスターを用いて検出された検出電圧とに基づいて、対象物温度を検出することが可能になる。
特開2006−189369号公報
しかしながら、これまでのサーモパイル等を用いた温度検出装置では、アナログ回路だけを用いて温度検出を行っていたため、所望の温度範囲に対応した測定条件(例えば起電圧を増幅するゲイン等)が固定されていた。そのため、出力できる温度範囲が固定され、用途が限定されていた。
なお、特許文献1には、CPUが、測定された温度値に対応するアナログ信号をアナログ出力回路を介して出力する放射温度計の技術が開示されている。しかしながら、特許文献1には、例えば出力する温度範囲等の、CPUがアナログ出力を実現する具体的な手法は開示されていない。
本発明の幾つかの態様によれば、出力温度範囲を可変に設定できる回路装置、温度検出装置、電子機器及び温度検出方法等を提供できる。
本発明の一態様は、赤外線センサーを用いて検出された第1検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値を出力し、温度センサーを用いて検出された第2検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値を出力する検出回路と、前記第1検出値と前記第2検出値に基づいて、対象物温度のデジタル値を求める制御部と、前記対象物温度のデジタル値のD/A変換を行って、前記対象物温度に対応する出力電圧を出力する出力部と、を含み、前記出力部は、前記出力電圧によって表される前記対象物温度の温度範囲が可変に設定される前記出力電圧を出力する回路装置に関係する。
本発明の一態様によれば、A/D変換によりデジタル値の第1検出値及び第2検出値が得られ、そのデジタル値の第1検出値及び第2検出値から対象物温度のデジタル値が求められる。そして、そのD/A変換により対象物温度のデジタル値が、対象物温度に対応する出力電圧に変換される。例えば、赤外線センサーとしてサーモパイルや温度センサーとしてサーミスターを用いて、赤外線センサーおよび温度センサーから得られた検出電圧をA/D変換することでデジタル処理が可能となり、出力電圧の温度範囲を可変に設定することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記温度範囲の設定情報に基づいて、前記温度範囲の前記対象物温度のデジタル値を前記D/A変換の入力範囲のデジタル値に変換する変換処理を行い、前記出力部は、変換処理後の前記対象物温度のデジタル値をD/A変換して前記出力電圧を出力してもよい。
このようにデジタル値に対する変換処理を行うことで、設定情報によって設定される温度範囲内の対象物温度のデジタル値をD/A変換の入力範囲内のデジタル値に変換できる。この変換後のデジタル値をD/A変換すると、出力電圧の温度範囲は、設定情報によって設定された温度範囲となる。このような設定情報に基づく変換処理により、出力電圧の温度範囲を可変に設定することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記対象物温度に対して前記出力電圧がリニアに変化する前記変換処理を行ってもよい。
本発明の一態様によれば、対象物温度をデジタル処理することが可能なので、そのデジタル処理において対象物温度の温度特性をリニアに変換できる。これにより、同じ温度変化量に対する出力電圧の変化量が温度に依存せず、後段の回路で温度検出の精度を一定にできる。
また本発明の一態様では、前記設定情報は、前記温度範囲の下限値と、前記D/A変換の1LSBで表される温度変化量であってもよい。
温度範囲の下限値と1LSBで表される温度変化量により、温度範囲の上限が決まるので、これらの設定情報を設定することで、対象物温度の温度範囲を可変に設定することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記設定情報を記憶する記憶部を含み、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記設定情報に基づいて前記変換処理を行ってもよい。
このように、設定情報を記憶する記憶部を設け、その記憶部に設定情報を可変に設定し、その設定された設定情報に基づいて変換処理を行うことで、温度範囲の可変な設定を実現できる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第1検出値に対して補正処理を行い、前記補正処理が施された前記第1検出値と前記第2検出値とから前記対象物温度のデジタル値を求めてもよい。
本発明の一態様によれば、赤外線センサーを用いて検出された第1検出電圧をデジタル値にA/D変換できるので、デジタル処理において補正を行うことが可能となる。この補正処理によって高精度な対象物温度のデジタル値が得られるので、そのデジタル値をD/A変換することで高精度に対象物温度を表す出力電圧を出力できる。
また本発明の一態様では、前記補正処理は、温度特性についてのゲイン補正処理、オフセットについての補正処理、サーモパイルの特性係数パラメーターに基づく変換処理の少なくとも1つであってもよい。
本発明の一態様では、これらの補正処理をデジタル的に行うことが可能である。この補正処理により、サーモパイルや検出回路の特性ばらつきが補正された高精度なアナログ出力を得ることができる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第2検出値から自己温度を求め、前記自己温度から前記自己温度に対応する第2起電圧値を求め、前記第1検出値と前記第2起電圧値とから対象物温度に対応する第1起電圧値を求め、前記第1起電圧値から前記対象物温度を求めてもよい。
このようにすれば、デジタル値の第1検出値、第2検出値を用いたデジタル処理により、サーモパイルの特性に対応した第1起電圧値や、第2起電圧値を求めて、対象物温度を求めることが可能になる。従って、サーモパイルの特性に応じた高い精度の温度検出を可能にする回路装置を実現できる。また、サーモパイルの起電圧を第1起電圧値と第2起電圧値に分けることで、簡素な演算処理で、対象物温度を求めることが可能になり、制御部の処理負荷等の軽減を図れる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第2検出値から自己温度のデジタル値を求め、前記出力部は、前記自己温度のデジタル値のD/A変換を行って、前記自己温度に対応する出力電圧を出力してもよい。
このように、対象物温度だけでなく自己温度に対応する出力電圧を出力することで、自己温度に応じたシステム制御が可能となる。例えば、自己温度は環境温度に依存するので、対象物温度と環境温度を使った制御が可能となる。
また本発明の一態様では、前記対象物温度のデジタル値を出力するインターフェース部を含んでもよい。
このようにすれば、アナログの出力電圧だけでなく対象物温度のデジタル値を出力できる。本発明の一態様ではA/D変換によりデジタル値が得られているので、それを外部デバイスに出力することで、外部デバイスでのアナログ処理を不要にできる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置と、前記赤外線センサーと、前記温度センサーと、を含む温度検出装置に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
また本発明の更に他の態様は、赤外線センサーを用いて検出された第1検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値を出力し、温度センサーを用いて検出された第2検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値を出力し、前記第1検出値と前記第2検出値に基づいて、対象物温度のデジタル値を求め、前記対象物温度のデジタル値のD/A変換を行って出力電圧を出力し、出力電圧によって表される前記対象物温度の温度範囲が可変に設定される温度検出方法に関係する。
本実施形態の回路装置及びこれを含む温度検出装置の構成例。 本実施形態の回路装置の全体的動作の説明図。 出力部の詳細な構成例。 対象物温度に対する出力電圧の特性例。 自己温度に対する出力電圧の特性例。 温度範囲の設定情報の例。 変換処理のフローチャート。 サーモパイル用検出回路の構成の説明図。 図9(A)、図9(B)はサーミスター用検出回路の構成の説明図。 図10(A)、図10(B)は本実施形態の温度検出手法の説明図。 図11(A)、図11(B)は第1記憶部、第2記憶部に記憶される温度テーブルの例。 本実施形態の温度検出手法の詳細な処理例の説明図。 本実施形態の電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.回路装置、温度検出装置
図1に本実施形態の回路装置及びこの回路装置を含む温度検出装置の構成例を示す。本実施形態の回路装置(IC)は、検出回路10と制御部50を含む。また特性記憶部70、記憶部80(パラメーター記憶部)、出力部90、I/F部100を含むことができる。また本実施形態の温度検出装置は、回路装置と赤外線センサーと温度センサーとを含む。赤外線センサーは、集電素子型、熱電対型、またはボロメーター型のセンサー素子を用いてもよい。温度センサーは、熱電対またはサーミスターをセンサー素子として用いてもよい。図1の本実施形態は、赤外線センサーとしてサーモパイル2を、温度センサーとしてサーミスター4を含む。サーモパイル2は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する素子(電気部品)である。サーモパイル2は例えば複数の熱電対を直列(又は並列)に接続することなどにより実現できる。サーミスター4は例えば温度変化に対して電気抵抗の変化が大きい抵抗体である。
検出回路10は、サーモパイル2、サーミスター4の検出処理を行う。例えばサーモパイル2の一端(正極側)及び他端(負極側)は、回路装置の端子(パッド等)を介して検出回路10に電気的に接続される。またサーミスター4の一端は回路装置の端子(パッド等)を介して検出回路10に電気的に接続される。サーミスター4の他端は電源VSS(GND)のノードに接続される。
検出回路10は、サーモパイル2を用いて検出された第1検出電圧VD1についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値DT1を出力する。また検出回路10は、サーミスター4を用いて検出された第2検出電圧VD2についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値DT2を出力する。
具体的には、検出回路10は、サーモパイル用検出回路20、サーミスター用検出回路30、A/D変換回路40を含む。サーモパイル用検出回路20はサーモパイル2の一端及び他端に接続され、第1検出電圧VD1をA/D変換回路40に出力する。例えばサーモパイル2の両端の電圧の信号増幅等を行って、第1検出電圧VD1を出力する。そしてA/D変換回路40は、この第1検出電圧VD1についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値DT1を出力する。
サーミスター用検出回路30は基準電流源32(基準電流生成回路)を含む。そしてサーミスター用検出回路30は、この基準電流源32からの基準電流がサーミスター4に流れることで生成される第2検出電圧VD2を、A/D変換回路40に出力する。A/D変換回路40は、この第2検出電圧VD2についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値DT2を出力する。
制御部50は、回路装置の各種の制御処理や各種の演算処理を行う。この制御部50はゲートアレイ回路などのロジック回路やプロセッサー等により実現できる。
特性記憶部70は第1記憶部72、第2記憶部74、第3記憶部76を含む。特性記憶部70は例えばROM等のメモリーにより実現できる。記憶部80は各種のパラメーターを記憶する。記憶部80は、例えばOTP(One Time Programmable ROM)等の不揮発性メモリー(電気的に情報のプログラミングが可能なメモリー)により実現できる。
出力部90は、制御部50で測定された温度検出結果をアナログ信号にD/A変換して外部に出力する。I/F(インターフェース)部100は、外部デバイスとのインターフェース処理を行うものである。このI/F部100を介して、制御部50は、温度検出結果をデジタル信号として外部デバイス(マイクロコンピューター、コントローラー等)へ出力する。また、I/F部100を介して、外部デバイスは、回路装置への各種パラメーター等の設定が可能になる。
図2は本実施形態の回路装置の全体的動作を説明する図である。本実施形態では、まず回路装置の機能設定・調整を行った後に、サーモパイル2とサーミスター4を用いた実際の温度計測を行う。
図2の機能設定・調整は、例えば回路装置(温度検出装置)の製造時に行われる。具体的には、まず回路装置の各種の機能設定やセンサー係数のパラメーターを、記憶部80(OTP)に書き込む(ステップS1)。機能設定は、例えば温度測定範囲、測定時間、或いは温度測定結果の出力形式等の設定である。センサー係数はサーモパイル2の感度係数等である。
次に管理温度での測定を行う(ステップS2)。この管理温度での測定は、自己温度(周囲温度)や対象物温度を所定温度に設定して行う測定(温度検出処理)である。例えば管理温度は、自己温度=25度、対象物温度=70度(或いは自己温度=25度、対象物温度=25度等)となる温度設定である。そして、この管理温度での測定結果に基づいて、温度測定のための補正パラメーターを算出し、記憶部80に書き込む(ステップS3)。補正パラメーターは、実際の温度測定時に、温度測定の検出結果に基づき対象物温度や自己温度を演算する際に使用するパラメーターである。
そして、このように機能設定・調整が行われた回路装置を用いて、実際の温度測定を行う(ステップS4)。そして制御部50は、検出回路10の検出結果(DT1、DT2)と、ステップS3で求められた補正パラメーターに基づいて、補正演算を行って、対象物温度や自己温度などの温度測定結果を出力する(ステップS5)。
2.出力部
図3に、出力部90の詳細な構成例を示す。出力部90は、第1のD/A変換回路91と、第2のD/A変換回路92と、電源回路93と、を含む。出力部90は、2つのD/A変換回路に替えて1つのD/A変換回路を用いて、D/A変換回路の入力データを切替えて出力電圧を出力する構成としてもよい。
上述したように、制御部50は、サーモパイル2による第1検出値DT1とサーミスター4による第2検出値DT2に基づいて、対象物温度のデジタル値DTPと自己温度のデジタル値DTHを求める。
第1のD/A変換回路91は、その対象物温度のデジタル値DTPをD/A変換して、対象物温度に対応するアナログ信号の出力電圧ATPを出力する。また第2のD/A変換回路92は、自己温度のデジタル値DTHをD/A変換して、自己温度に対応するアナログ信号の出力電圧ATHを出力する。第1のD/A変換回路91と第2のD/A変換回路92は、例えばラダー抵抗方式やキャパシターアレイ方式等の種々のD/A変換回路により実現できる。
電源回路93は、回路装置の外部から供給されるシステム電源から電源電圧VD28を生成し、その電源電圧VD28を供給する。例えばVD28=2.8Vであり、この場合、第1のD/A変換回路91と第2のD/A変換回路92の出力フルスケールは2.8Vとなる。例えば10ビットのD/A変換を行う場合、入力デジタル値のフルスケール1023に対してD/A変換値は2.8Vとなる。なお、電源電圧VD28は、出力部90以外のアナログ部(例えば検出回路10等)に供給されてもよい。
図4に、第1のD/A変換回路91が出力する出力電圧ATPの例を示す。この例は、対象物温度の温度範囲を−30度〜400度に設定した場合の例である。後述のように、温度範囲は任意に設定することが可能である。
第1のD/A変換回路91が例えば10ビットのD/A変換回路である場合、入力デジタル値DTPの範囲は0〜1023となる。実際には、そのうち上下のデジタル値を除いた160〜859を入力デジタル値DTPとして用いる。即ち、制御部50が対象物温度−30度〜400度に対応してデジタル値DTP=160〜859を出力し、第1のD/A変換回路91が、そのデジタル値DTP=160〜859に対応して出力電圧ATP=0.44V〜2.35Vを出力する。これは、出力電圧ATPの特性(例えば、入力デジタル値に対するリニア特性)が良好な範囲を用いたいためである。
出力電圧ATPは、対象物温度に対してリニア(傾きが一定)な特性である。具体的には、図10(B)で後述するように、制御部50は、サーモパイル2による第1検出値DT1とサーミスター4による第2検出値DT2から特性記憶部70を検索して対象物温度と自己温度を求める。この対象物温度はデジタル値として得られ、そのデジタル値は、例えば対象物温度そのものの値であってもよいし、或いは対象物温度に対応した何らかのコード値であってもよい。そして、制御部50は、対象物温度のデジタル値を第1のD/A変換回路91の入力デジタル値DTPに変換処理する。この変換処理では、対象物温度に対してリニア(1LSBあたりの温度ステップが均一)な入力デジタル値DTPに変換される。第1のD/A変換回路91は、入力デジタル値DTPに対してリニア(1LSBあたりの電圧ステップが均一)な特性のD/A変換を行うので、対象物温度に対してリニアな出力電圧ATPが得られる。
図5に、第2のD/A変換回路92が出力する出力電圧ATHの例を示す。この例は、自己温度の温度範囲を−30度〜110度に設定した場合の例である。後述のように、温度範囲は任意に設定することが可能である。
自己温度の出力電圧ATHは、上述した対象物温度の出力電圧ATPと同様にして得られる。即ち、第2のD/A変換回路92の入力デジタル値DTHの範囲は例えば0〜1023であり、そのうち160〜860を入力デジタル値DTHとして用いる。即ち、制御部50は、検出した自己温度−30度〜110度をデジタル値DTH=160〜860に変換処理し、第2のD/A変換回路92が、そのデジタル値DTH=160〜860に対応して出力電圧ATH=0.44V〜2.35Vを出力する。この出力電圧ATHは、自己温度に対してリニアな特性である。
図6を用いて、対象物温度と自己温度の変換処理について説明する。図6は、変換処理の設定情報(設定パラメーター)を表にしたものである。この設定情報は、図2の機能設定・調整のステップS1において記憶部80(OTP)に書き込まれる。そして、温度計測のステップS5において、記憶部80から設定情報を読み出し、補正後の温度測定結果に対して変換処理を行う。
対象物温度についての設定情報は、D/A変換の解像度を設定するパラメーターthpgと、温度範囲の下限を設定するパラメーターthplである。パラメーターthpgは下式(1)によって設定され、Δtは入力デジタル値1LSBあたりの温度ステップである。パラメーターthplは下式(2)によって設定され、t_lowは温度範囲の下限値である。
thpg=256×0.125/Δt (1)
thpl=(t_low+30)×8 (2)
これらの下限値と1LSBあたりの温度ステップが設定されることで、D/A変換の温度範囲を設定できる。例えば、図4の例ではthpg=52、thpl=0が設定され、Δt=0.615、t_low=−30度となる。温度範囲の上限は−30+(860−160)×Δt=400度となるので、D/A変換の温度範囲は−30度〜400度となる。
検出された対象物温度がTPである場合、制御部50は、下式(3)によりD/A変換の入力デジタル値DTPに変換する。例えば図4の例でTP=−30度の場合、D/A変換の入力デジタル値はDTP=160となり、TP=400度の場合、D/A変換の入力デジタル値はDTP=859となる。
DTP=160+((TP−t_low)/Δt) (3)
自己温度の変換処理についても、上記と同様である。即ち、D/A変換の解像度を設定するパラメーターthtgは下式(4)によって設定され、温度範囲の下限を設定するパラメーターthtlは、下式(5)によって設定される。
thtg=256×0.125/Δt (4)
thtl=(t_low+30)×8 (5)
検出された自己温度がTTHである場合、制御部50は、下式(6)によりD/A変換の入力デジタル値DTHに変換する。例えば図5の例ではthtg=160、thtl=0が設定され、Δt=0.2、t_low=−30度となる。TTH=−30度の場合、D/A変換の入力デジタル値はDTH=160となり、TP=110度の場合、D/A変換の入力デジタル値はDTH=860となる。即ち、D/A変換の温度範囲は−30度〜110度に設定されることになる。
DTH=160+((TTH−t_low)/Δt) (6)
図7に変換処理の詳細なフローチャートを示す。図7では、対象物温度TPの変換処理について説明するが、自己温度TTHについても設定情報が異なるだけであり、同一のフローで実現できる。
図7の処理を開始すると、制御部50は測定値である対象物温度TPを不図示のメモリー(例えばRAM等)から取得し、下限値t_lowを記憶部80(OPT)から取得する(ステップS31)。次に、対象物温度TPが下限値t_lowよりも大きいか否かを判断する(ステップS32)。
対象物温度TPが下限値t_lowよりも大きい場合には、calc_buf=TP−t_lowを演算し、calc_bufの符号部(例えばMSB)を“0”に設定する(ステップS33)。一方、対象物温度TPが下限値t_low以下である場合には、calc_buf=t_low−TPを演算し、calc_bufの符号部を“1”に設定する(ステップS34)。
次に、D/A変換のゲイン1/Δtを記憶部80(OTP)から取得し、culc_multi=calc_buf*1/Δtを演算する(ステップS35)。このとき、calc_bufの整数部及び小数部(例えばMSBを除くデータ)を用いる。次に、calc_bufの符号部が“1”であるか否かを判断する(ステップS36)。
calc_bufの符号部が“0”である場合には、calc_shift=160d+calc_multiを演算する(ステップS37)。このとき、calc_multiの整数部を用いる。「160d」の「d」は「160」が十進数であることを示す。一方、calc_bufの符号部が“1”である場合には、calc_multiの整数部が160dよりも大きいか否かを判断する(ステップS38)。
calc_multiの整数部が160dよりも大きい場合には、calc_shift=0に設定する(ステップS39)。一方、calc_multiの整数部が160d以下である場合には、calc_shift=160d−calc_multiを演算する(ステップS40)。このとき、calc_multiの整数部を用いる。次に、calc_shiftのオーバーフロー桁(例えばLSBから11ビット目)が“1”であるか否かを判断する(ステップS41)。
calc_shiftのオーバーフロー桁が“0”である場合には、DTP=calc_shiftとする(ステップS42)。このとき、calc_shiftの有効桁(例えばLSBから10ビット分のデータ)を用いる。一方、calc_shiftのオーバーフロー桁が“1”である場合には、DTP=10’h3FFとする(ステップS43)。「10’h」は、10ビットの値を十六進数で表記することを表す。
以上のフローでは、ステップS33、S35、S37、S42において上式(3)の変換処理が実現されている。また、ステップS32、S38〜S40では対象物温度TPが下限値t_lowを下回った場合の処理を行っている。即ち、DTP(calc_shift)が負になる場合にはステップS39においてDTP=0とし、正であればステップS40において上式(3)の変換処理を行う。また、ステップS41、S43ではオーバーフローの処理を行っている。即ち、ステップS41でDTP(calc_shift)が“10’h3FF”を超えると判断した場合、ステップS43でDTPを10’h3FFにリミットする。
以上の実施形態によれば、検出回路10は、サーモパイル2(赤外線センサー)を用いて検出された第1検出電圧VD1についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値DT1を出力し、サーミスター4(温度センサー)を用いて検出された第2検出電圧VD2についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値DT2を出力する。制御部50は、その第1検出値DT1と第2検出値DT2に基づいて、対象物温度のデジタル値DTPを求める。そして、出力部90は、対象物温度のデジタル値DTPのD/A変換を行って、対象物温度に対応する出力電圧ATPを出力する。このとき、出力部90は、出力電圧ATPによって表される対象物温度の温度範囲が、パラメーターthpg、thplによって可変に設定される出力電圧ATPを出力する。
従来のアナログ処理のみで温度検出を行う手法では、出力する温度範囲は固定であり、用途が限定されるという課題がある。この点、本実施形態によれば、サーモパイル2とサーミスター4から検出したアナログ信号を一旦デジタル値に変換することで、D/A変換の対象となる温度範囲をデジタル信号の処理により可変に調整することが可能となる。温度範囲を自由に設定できることで、温度検出装置を組み込んだ最終製品のアプリケーションに応じて、測定したい温度範囲や解像度に合わせたアナログ出力を行うことができる。また、使いたい温度範囲を出力電圧ATPの上限から下限(例えば0.44V〜2.35V)に対応させられるので、その使いたい温度範囲で高解像度のアナログ出力が得られる。また、後述するようにデジタル信号の処理において補正処理を行うことが可能であり、これによって高精度な対象物温度のアナログ出力が可能となる。
具体的には、制御部50は、温度範囲の設定情報(図6のパラメーターthpg、thpl)に基づいて、温度範囲内の対象物温度のデジタル値をD/A変換の入力範囲内のデジタル値DTPに変換する変換処理を行う。そして、出力部90は、変換処理後の対象物温度のデジタル値DTPをD/A変換して出力電圧ATPを出力する。
図4等で説明したように、D/A変換の入力デジタル値DTPの範囲(160〜859)に変換される温度範囲(例えば−30度〜400度)が設定情報により設定される。この設定に従って変換処理が行われる結果、設定された温度範囲が出力電圧ATPの上限から下限(例えば0.44V〜2.35V)に対応してD/A変換されることになる。このようにして、出力電圧ATPの上限から下限の範囲が表す温度範囲を可変に設定することができる。
また、従来のアナログ処理のみで温度検出を行う手法では、非リニアな温度特性の出力しか得られないという課題がある。即ち、図10(A)に示すように、対象物温度TPに対してサーモパイル2の起電圧VTPは非リニアな特性である。この非リニアな起電圧VTPをアナログ的に増幅して出力すると、対象物温度に対して非リニアな出力電圧となる。同じ温度変化量に対する出力電圧の変化量が温度によって異なるため、後段の回路で温度検出の精度がばらつく可能性がある。
この点、本実施形態では、図4等で説明したように、制御部50が、対象物温度に対して出力電圧ATPがリニアに変化する変換処理を行う。
即ち、サーモパイル2の起電圧VTPを一旦デジタル値にA/D変換することで、デジタル処理において出力電圧ATPの温度特性をリニアに変換できる。これにより、同じ温度変化量に対する出力電圧の変化量が温度に依存せず、後段の回路で温度検出の精度を一定にできる。
図6等で説明したように、温度範囲の設定情報は、温度範囲の下限値t_low(パラメーターthpl)と、D/A変換の1LSBで表される温度変化量Δt(パラメーターthpg)である。本実施形態の回路装置は、これらの設定情報を記憶する記憶部80(OTP)を含み、制御部50は、その記憶部80に記憶された設定情報に基づいて変換処理を行う。
このように、設定情報を記憶する記憶部80を設けることで、温度範囲の可変な設定を実現できる。また、これらの設定情報を用いることで、上式(3)によって対象物温度をD/A変換の入力デジタル値に変換できる。入力デジタル値の上限に対応する対象物温度TPは上式(3)から決定できるので、上記の設定情報により対象物温度の温度範囲を設定できることになる。また、1LSBで表される温度変化量Δtは、出力電圧ATPの温度に対する傾きに相当するので、この設定情報によってリニアな特性が実現されることになる。
また、従来のアナログ処理のみで温度検出を行う手法では、温度検出結果を補正することは困難であるという課題がある。
この点、本実施形態では、図12等で後述するように、制御部50が、サーモパイル2による第1検出値DT1に対して補正処理を行い、その補正処理が施された第1検出値DT1とサーミスター4による第2検出値DT2とから対象物温度のデジタル値DTPを求める。
即ち、サーモパイル2の起電圧VTPを一旦デジタル値にA/D変換することで、デジタル処理において補正を行うことが可能となる。この補正処理によって高精度な対象物温度のデジタル値が得られ、そのデジタル値をD/A変換することで高精度に対象物温度を表す出力電圧が得られる。
図12に示すように、制御部50は補正処理として、温度特性についてのゲイン補正処理(ステップS15)、オフセットについての補正処理(ステップS14)、サーモパイル2の特性係数パラメーターGSに基づく変換処理(ステップS16)の少なくとも1つを行う。
これらの補正処理は、サーモパイル2や検出回路10の特性ばらつき(個体差)を補正するものである。本実施形態では、この特性ばらつきをデジタル的に補正できるので、温度特性のばらつきが抑制されたアナログ出力を得ることができる。
以上では対象物温度のアナログ出力について説明したが、本実施形態では、自己温度のアナログ出力も行う。即ち、制御部50は、サーミスター4による第2検出値DT2から自己温度のデジタル値DTHを求め、出力部90は、その自己温度のデジタル値DTHのD/A変換を行って、自己温度に対応する出力電圧ATHを出力する。
このように自己温度をアナログ出力することで、自己温度を用いるアプリケーションに対応することが可能である。自己温度は環境温度に左右されるので、例えば対象物温度が同じでも自己温度に応じて制御を変える(例えばIHヒーターの出力を変える)等の制御が可能である。
また、本実施形態の回路装置は、対象物温度のデジタル値DTPを出力するI/F部100(インターフェース部)を含む。このI/F部100は、自己温度のデジタル値DTHを出力してもよい。
従来は外部デバイスにアナログ出力を行っていたが、本実施形態では対象物温度や自己温度のデジタル値が得られるので、そのデジタル値を外部デバイスに出力できる。デジタル値を出力することで、プロセッサー等の外部デバイスにおいて処理が簡素になり、処理負荷を軽減できる。
3.サーモパイル用検出回路
以下、本実施形態の温度検出手法について詳細に説明する。まず、検出回路10について詳細に説明する。
図8にサーモパイル用検出回路20の構成例を示す。サーモパイル用検出回路20は、増幅回路22、ゲイン調整回路24、基準電圧生成回路26を含む。
増幅回路22は、例えばスイッチドキャパシター回路を用いた演算増幅器OPA1により構成される。そして増幅回路22(演算増幅器OPA1)は、第1入力端子(反転入力端子)にサーモパイル2の一端(正側端子)が接続され、第2入力端子(非反転入力端子)にサーモパイル2の他端(負側端子)が接続される。また増幅回路22の第1入力端子のノードはバイアス電圧VBSに設定される。また増幅回路22には、その出力電圧VAQの基準となる電圧として、基準電圧生成回路26により生成された基準電圧VREFが供給される。
増幅回路22は、サーモパイル2に発生した起電圧VTP=THPP−THPMを増幅する。例えば増幅回路22のゲインをGC(例えばGC=20)とした場合に、増幅回路22の出力電圧VAQは、例えば下式(7)のように表すことができる。
VAQ=−GC・VTP+VREF (7)
ゲイン調整回路24(プログラマブルゲインアンプ)は、演算増幅器OPA2と、抵抗RA1、RA2により構成される。抵抗RA1の一端は増幅回路22(演算増幅器OPA1)の出力端子に接続され、抵抗RA1の他端は演算増幅器OPA2の第1入力端子(反転入力端子)に接続される。抵抗RA2の一端は演算増幅器OPA2の第1入力端子に接続され、抵抗RA2の他端は演算増幅器OPA2の出力端子に接続される。演算増幅器OPA2の第2入力端子(非反転入力端子)には、基準電圧生成回路26により生成された基準電圧VREFが供給される。抵抗RA2はその抵抗値が可変となる可変抵抗である。抵抗RA2の抵抗値を設定することで、ゲイン調整回路24のゲインが設定される。
ゲイン調整回路24は、増幅回路22の出力電圧VAQを、基準電圧VREFを基準にして、設定されたゲインで増幅し、第1検出電圧VD1を出力する。例えば抵抗RA1、RA2の抵抗値をR1、R2とすると、ゲイン調整回路24のゲインはGA=R2/R1となる。従って、ゲイン調整回路24の出力電圧である第1検出電圧VD1は下式(8)のように表すことができる。
VD1=−(R2/R1)・(VAQ−VREF)+VREF
=−GA・(VAQ−VREF)+VREF (8)
上式(7)、(8)から第1検出電圧VD1は下式(9)のように表すことができる。
VD1=GC・GA・VTP+VREF (9)
A/D変換回路40は第1検出電圧VD1についてのA/D変換を行う。そして第1検出電圧VD1のA/D変換により得られたデジタル値の第1検出値DT1(第1電圧データ)を制御部50に出力する。なおA/D変換回路40は基準電圧VREFについてのA/D変換も行い、基準電圧VREFに対応するデジタル値についても制御部50に出力する。
なお以上では、増幅回路22(演算増幅器OPA1)やゲイン調整回路24のオフセット電圧については詳細に説明していないが、制御部50はこれらのオフセット電圧の補正処理(オフセットのキャンセル処理)についても行う。またゲイン調整回路24のゲインGAや基準電圧VREFの値については、図1のI/F部100等を介して可変に設定することができる。これにより、サーモパイル2の感度、温度範囲、精度等を考慮して、ゲインGAや基準電圧VREFを設定できるようになる。
4.サーミスター用検出回路
図9(A)、図9(B)はサーミスター用検出回路30の構成について説明する図である。図9(A)に示すようにサーミスター用検出回路30は基準電流源32を含む。そして基準電流源32からの基準電流IREFがサーミスター4に流れることにより生成される電圧が、第2検出電圧VD2としてA/D変換回路40に出力される。そしてA/D変換回路40は、第2検出電圧VD2についてのA/D変換を行い、第2検出電圧VD2のA/D変換により得られたデジタル値の第2検出値DT2を制御部50に出力する。制御部50は、第2検出値DT2により第3記憶部76(ROM3)を参照することで、自己温度を求める。例えば図9(B)は、サーミスター4の検出電圧の温度特性の例を示す図である。図9(B)に示すように、サーミスター4の検出電圧により自己温度を求めることができる。例えば第3記憶部76は、自己温度の値と第2検出値DT2(VD2)とを対応づけて記憶する。例えば自己温度の値と第2検出値DT2とが対応づけられた温度テーブルを記憶する。従って、制御部50は、A/D変換回路40からの第2検出値DT2と、第3記憶部76と用いて、自己温度を求めることができる。例えば、第2検出値DT2に対応する自己温度の値を、例えば第3記憶部76に記憶される温度テーブルを用いて検索することで、自己温度を求めることができる。
5.本実施形態の温度検出手法
次に本実施形態の温度検出手法(温度検出方法)について詳細に説明する。本実施形態では以下に説明する手法により対象物温度や自己温度を検出している。
図10(A)は、サーモパイル2が生成する起電圧VTP(起電力)の算出式(理論式)の例である。TPは対象物温度、TTHは自己温度(サーミスター温度)、Sはサーモパイル2の特性係数である。この特性係数S(単位はV)は、例えば自己温度TTH=25度、対象物温度TP=70度の場合にサーモパイル2が生成する起電圧に相当する。Gは特性バラツキ係数(0.8〜1.2)であり、VTPOFはサーモパイル2のオフセット電圧である。Gはゲイン・バラツキに相当する。VTPOFは、例えば自己温度TTHと対象物温度TPが等しい場合(例えばTTH=TP=25度)にサーモパイル2が発生する起電圧に相当する。これらのG、VTPOFはサーモパイル2の素子バラツキ要因として、起電圧VTPに影響を与える。
図10(B)に示すように、起電圧VTPは、サーモパイル単体の起電圧である第1起電圧VTP0と、自己温度TTHにより発生する起電圧である第2起電圧VTHと、オフセット電圧V0(=VTPOF)とに分けることができる。第1起電圧VTP0は、対象物温度TPと自己温度TTHの温度差により発生する起電圧である。第2起電圧VTHは、自己温度TTHのみに起因する起電圧である。オフセット電圧V0は、対象物温度TPと自己温度TTHの温度差が0である場合にも発生する起電圧である。
図10(B)のSは、図10(A)のサーモパイル2の特性係数Sとは意味合いが異なっており、図10(B)のSは特性記憶部70に温度データを記憶する場合のROM係数Sである。
本実施形態では、例えばROM係数S=472、G=1.0とした場合の第1起電圧VTP0の計算結果を、温度判定データとして第1記憶部72に記憶する。具体的には、対象物温度TPの値と第1起電圧VTP0の値とを対応づけて第1記憶部72に記憶する。
またS=472、G=1.0とした場合の第2起電圧VTHの計算結果を、温度判定データとして第2記憶部74に記憶する。具体的には、自己温度TTHの値と第2起電圧VTHの値とを対応づけて第2記憶部74に記憶する。
図11(A)、図11(B)に第1記憶部72、第2記憶部74に記憶される温度テーブル(温度判定データ)の例を示す。図11(A)に示すように、例えば−31度≦TP<204度では、ROM係数S=472として、各対象物温度TPにおける第1起電圧VTP0の値(ROM値)であるROM1(TP)を計算している。一方、例えば204度≦TP≦401度では、ROM係数S=118として、ROM1(TP)を計算している。また図11(B)に示すように、例えば−21度≦TTH≦106度において、各自己温度TTHにおける第2起電圧VTHの値(ROM値)であるROM2(TTH)を計算している。
第1記憶部72(第2記憶部74)の有効桁数は12ビット=4096となっており、ROM1(TP)が12ビット=4096内に収まるように、ROM係数S=472に設定している。この場合に対象物温度TPが204度になると、ROM1(TP)=4103となり、12ビット=4096の有効桁数を超えてしまうため、TP≧204度では、ROM係数S=472/4=118に設定している。そして、温度判定時に判定対象となる測定結果を1/4倍にすることで、TP≧204度の場合に対処する。
本実施形態では、サーモパイル2の起電圧VTPが図10(B)のように表すことができる点に着目して、以下に説明する温度検出手法を採用している。
まず、本実施形態では、図1で説明したように、サーモパイル2、サーミスター4を用いて検出された第1検出電圧VD1、第2検出電圧VD2についてのA/D変換を行って、第1検出値DT1、第2検出値DT2を求める。第1検出値DT1は起電圧VTPに対応する。
そして第2検出値DT2から自己温度TTHを求める。例えば図9(A)、図9(B)で説明したように、サーミスター4の第2検出電圧VD2をA/D変換することで得られた第2検出値DT2に対応する自己温度TTHの値を、第3記憶部76の温度テーブルを用いて検索することで、自己温度TTHを求める。
次に、求められた自己温度TTHに基づき自己温度TTHに対応する第2起電圧VTHの値を求める。具体的には図10(B)で説明したように、自己温度TTHの値に基づいて、第2記憶部74から、自己温度TTHに対応する第2起電圧VTHの値を読み出す。即ち、ROM係数S=472として第2起電圧VTHの値を、予め計算しておき、自己温度TTHの値に対応づけて第2記憶部74に記憶しておく。そして、第2検出値DT2に基づき求められた自己温度TTHに基づいて、第2記憶部74から、対応する第2起電圧VTHの値を読み出す。
そして、第1検出値DT1(VTP)と、求められた第2起電圧VTHの値とに基づいて、対象物温度TPに対応する第1起電圧VTP0の値を求める。例えば図10(B)に示す式から明らかなように、第1検出値DT1に対応する起電圧VTPの値に、第2起電圧VTHの値を加算し、オフセット電圧V0(VTPOF)の値を減算することで、第1起電圧VTP0の値を求めることができる。
次に、求められた第1起電圧VTP0の値に基づいて、対象物温度TPを求める。具体的には、第1起電圧VTP0の値に対応する対象物温度TPの値を、第1記憶部72の温度テーブルを用いて検索することで、対象物温度TPを求める。即ち、ROM係数S=472(118)として、第1起電圧VTP0の値を予め計算しておき、対象物温度TPの値に対応づけて第1記憶部72に記憶しておく。そして、第1検出値DT1(VTP)と第2起電圧VTH(及びオフセット電圧V0)から求められた第1起電圧VTP0の値に対応する対象物温度TPの値を、第1記憶部72の温度テーブルを用いて検索することで、対象物温度TPを求める。
以上のようにして本実施形態では、サーモパイル2の第1検出電圧VD1やサーミスター4の第2検出電圧VD2から対象物温度TPや自己温度TTHを求めている。これにより、様々な特性係数のサーモパイル2を用いた場合にも、対象物温度TPを、少ない処理負荷で求めることが可能になる。
即ち、本実施形態の比較例の手法として、アナログ回路によるアナログ処理だけで対象物温度TPを求める手法が考えられる。しかしながら、この比較例の手法では、ゲイン調整のみで温度補正等を行っているため、広い温度範囲やサーモパイル2の特性係数に合わせた調整処理を行うことが困難であった。
これに対して本実施形態では、サーモパイル2の第1検出電圧VD1、サーミスター4の第2検出電圧VD2をデジタル値の第1検出値DT1、第2検出値DT2に変換し、デジタル処理により対象物温度TPを求めている。具体的には、図10(B)に示すように、起電圧VTPの式が、第1起電圧VTP0、第2起電圧VTH、オフセット電圧V0の項に分かれることを有効活用して、対象物温度TPを求めている。従って、アナログ回路によるアナログ処理により対象物温度TPを求める比較例の手法に比べて、様々な特性係数のサーモパイル2が用いられた場合にも、対象物温度TPを高い精度で求めることが可能になる。即ち、比較例の手法では、特定の特性係数のサーモパイル2に合わせてアナログ回路の回路定数を設定した場合に、この設定とは異なる特性係数のサーモパイル2に対応することは困難である。これに対して本実施形態では、第1検出値DT1、第2検出値DT2を用いたデジタル処理により対象物温度TPを求めている。従って、様々な特性係数のサーモパイル2に対応した補正処理を行って、高い精度で対象物温度TPを求めることができる。
例えば本実施形態では、図11(A)、図11(B)等で説明したように、ROM係数Sを特定の値(例えばS=472、S=118)に設定して、図10(B)の第1起電圧VTP0、第2起電圧VTHの値(温度テーブル)を計算し、第1記憶部72、第2記憶部74に記憶しておく。また、様々な特性係数のサーモパイル2に対応するために、後述するサーモパイル2の特性係数パラメーターGSを用意する。この特性係数パラメーターGSは、例えば回路装置の製造時等に記憶部80(OTP)に書き込まれる。そして、実際の温度測定時には特性係数パラメーターGSに基づく変換処理を第1検出値DT1に対して行い、変換処理が施された第1検出値DT1と、第2起電圧VTHの値に基づいて、第1起電圧VTP0の値を求める。そして、求められた第1起電圧VTP0の値に対応する対象物温度TPの値を、第1記憶部72の温度テーブルを用いて検索することで、対象物温度TPを求める。
このようにすれば、様々な特性係数のサーモパイル2が用いられた場合にも、そのサーモパイル2に対応する値に特性係数パラメーターGSを設定して、補正処理を実行することで、対象物温度TPを高い精度で求めることが可能になる。また、第1記憶部72、第2記憶部74には、ROM係数Sが特定の値である場合の計算結果だけを記憶しておけば済む。従って、これらの第1記憶部72、第2記憶部74の使用記憶容量を節約でき、少ない記憶容量の第1記憶部72、第2記憶部74を用いて、デジタル処理による対象物温度TPの演算処理を実現できるようになる。
また本実施形態によれば、記憶部を2つの第1記憶部72、第2記憶部74に分けて、第1記憶部72には第1起電圧VTP0についての計算結果を記憶し、第2記憶部74には第2起電圧VTHについての計算結果を記憶している。そして図10(B)に示すように、起電圧VTPの式が第1起電圧VTP0、第2起電圧VTH等の項に分かれることを利用して、対象物温度TPを求めている。従って、対象物温度TPを求める演算処理を簡素化することができ、制御部50の処理負荷を軽減しながらも、対象物温度TPを高い精度で求めることが可能になる。
6.詳細な処理例
次に本実施形態の温度検出手法の詳細な処理例について図12を用いて説明する。
まず、サーモパイル2により発生する起電圧VTPを検出して、サーモパイル用検出回路20の増幅回路22、ゲイン調整回路24(PGA)により増幅する(ステップS11)。増幅後の第1検出電圧VD1は下式(10)のように表すことができる。
VD1=VREF+VTP×GC×GA (10)
ここで、GCは増幅回路22のゲインであり、GAはゲイン調整回路24のゲインである。
次に、増幅後の第1検出電圧VD1をA/D変換回路40に入力して、デジタル値の第1検出値DT1にA/D変換する(ステップS12)。A/D変換結果である第1検出値DT1は下式(11)のように表すことができる。
DT1=(VD1/VD28)×4096
=(VREF+VTP×GC×GA)/VD28×4096 (11)
VD28はA/D変換回路40の入力フルスケール電圧(入力電圧範囲)であり、例えばVD28=2.8Vである。なお図8のバイアス電圧は例えばVBS=VD28/2に設定される。またA/D変換回路40は12ビット(=4096)のA/D変換を行う回路であり、分解能はVD28/4096となる。
次に、下式(12)に示すように、A/D変換結果である第1検出値DT1から、基準電圧VREFに関する部分(VREFに対応するA/D変換値ADVREF)を減算する(ステップS13)。
DT1−ADVREF
=(VREF+VTP×GC×GA)/VD28×4096−ADVREF
=(VTP×GC×GA)/VD28×4096 (12)
ここで、図10(B)で説明したように、VTPは下式(13)のように表すことができる。
VTP=VTP0−VTH+V0 (13)
従って、上式(12)は、上式(13)を代入することで下式(14)のように表すことができる。
{(VTP0−VTH+V0)×GC×GA}/VD28×4096 (14)
次に、サーモパイル2のオフセット電圧V0に関する部分(VTPOFに対応するAD変換値ADVTPOF)を減算する処理を行う(ステップS14)。これは下式(15)に示すように、上式(14)からADVTPOFを減算する処理である。
{(VTP0−VTH+V0)×GC×GA}/VD28×4096−ADVTPOF
={(VTP0−VTH)×GC×GA}/VD28×4096 (15)
なお、ここで減算するADVTPOFには、サーモパイル2のオフセット電圧に加えて、図8のサーモパイル用検出回路20の演算増幅器OPA1、OPA2等のオフセット電圧(残存オフセット電圧)を含めることができる。
次に、ゲイン補正パラメーターGAJを用いてゲイン補正を行う(ステップS15)。ゲイン補正パラメーターGAJは増幅回路22及びゲイン調整回路24のゲインのバラツキ(温度特性の傾き)を補正するためのパラメーターである。即ち、設計上のゲインに対して、実デバイスのゲインにはバラツキが生じる。そこで図2のステップS2に示すように管理温度において実デバイスの測定を行い、その測定結果に基づいて、実デバイスのゲイン補正パラメーターGAJを算出する。そして、図2のステップS4の実際の温度測定時には、ステップS5に示すように、このゲイン補正パラメーターGAJ等を用いて温度測定結果の補正演算を行う。
次に、第1記憶部72、第2記憶部72の温度判定データ(温度テーブル)で温度値を判定するために、特性係数パラメーターGSを乗算する処理を行う(ステップS16)。これは下式(16)に示すように、上式(15)に特性係数パラメーターGSを乗算する処理である。特性係数パラメーターGSを乗算した後の値をROM(VTP0−VTH)と記載する。GSを乗算することで、ROM値に合う値に変換される。
{(VTP0−VTH)×GC×GA}/VD28×4096×GS
=ROM(VTP0−VTH) (16)
ここで特性係数パラメーターGSは下式(17)のように表すことができる。
GS={(472/4096)×VD28)}/(S×GC×GA) (17)
この特性係数パラメーターGSは、A/D変換結果値を、第1記憶部72等に記憶される温度テーブルに合わせるための変換係数である。上式(17)に示すように、特性係数パラメーターGSは、サーモパイル2の特性を表すSと、検出回路10での信号増幅のゲインGC、GAに応じて設定される。具体的には図2のステップS1において、特性係数パラメーターGSはセンサー係数として製造時に記憶部80(OTP)に書き込まれる。この場合に、書き込まれる特性係数パラメーターGSの値は、回路装置の回路定数(GC、GA)及び回路装置が使用するサーモパイル2の特性(感度)等に応じて製品ごとに設定されることになる。
次に、サーミスター用検出回路30の第2検出値DT2により求められた自己温度TTHの値により第2記憶部74を参照して、第2起電圧VTHの値であるROM(VTH)を求める(ステップS17)。例えば図11(B)に示す第2記憶部74の温度テーブルにおいて、自己温度TTHに対応するROM値をROM2(TTH)とすると、ROM(VTH)=ROM2(TTH)になる。
次に、下式(18)に示すように、特性係数パラメーターGSを乗算した後の値であるROM(VTP0−VTH)に対して、ROM(VTH)を加算し、サーモパイル2の単体の第1起電圧VTP0の値を求める(ステップS18)。この加算により求められた値をROM(VTP0)と記載する。
ROM(VTP0−VTH)+ROM(VTH)=ROM(VTP0) (18)
次に、上式(18)のように求められたROM(VTP0)と、第1記憶部72の温度テーブル(温度判定データ)を用いて、対象物温度TPを求める(ステップS19)。例えば図11(A)に示す第1記憶部72の温度テーブルを用いて、各対象物温度TPに対応するROM値であるROM1(TP)を順次読み出す。そして、ROM(VTP0)と、読み出されたROM1(TP)とを比較し、ROM(VTP0)=ROM1(TP)となる温度を、対象物温度TPとして求める。なお、ROM(VTP0)とROM1(TP)との値の差が最少となるROM1(TP)に対応する温度を、対象物温度TPとして求めてもよい。また、複数のROM1(TP)のデータから補間計算を行い、ROM(VTP0)に対応する温度を、対象物温度TPとして求めてもよい。
次に、対象物温度TPを第1のD/A変換回路91の入力デジタル値DTPに変換処理し、自己温度TTHを第2のD/A変換回路92の入力デジタル値DTHに変換処理する(ステップS20)。次に、第1のD/A変換回路91が入力デジタル値DTPをD/A変換して、対象物温度TPに対応する出力電圧ATPを出力し、第2のD/A変換回路92が入力デジタル値DTHをD/A変換して、自己温度TTHに対応する出力電圧ATHを出力する(ステップS21)。
以上の本実施形態の手法では、例えば図10(B)のROM係数S、Gを所定値に設定して(例えばS=472、G=1.0)、図10(B)の式のVTP0、VTHの値を求め、求められたVTP0、VTHの値を、図11(A)、図11(B)に示すように第1記憶部72、第2記憶部74に記憶しておく。
また、回路装置の回路定数であるゲインGC、GAや、使用されるサーモパイル2の特性係数Sに基づいて、上式(17)で説明した特性係数パラメーターGS={(472/4096)×VD28)}/(S×GC×GA)を求める。そして、求められた特性係数パラメーターGSを、図2のステップS1に示すように、回路装置の製造時等に、センサー係数パラメーターとして記憶部80(OTP)に書き込む。これにより、各回路装置(各温度検出装置)の製品の仕様に応じた適正な特性係数パラメーターGSが、記憶部80に記憶されるようになる。従って、第1記憶部72、第2記憶部74の使用記憶容量を節約しながら、様々な特性のサーモパイル2に対応でき、多様な製品仕様に対応できるようになる。
また図2のステップS2に示すように管理温度での測定を行って、ステップS3に示すように、素子バラツキを補正するための補正パラメーターを演算する。具体的には図12のステップS15のゲイン補正パラメーターGAJやステップS14のオフセット電圧(ADVTPOF)等を、補正パラメーターとして求める。即ち、サーモパイル2の感度等の特性係数Sや、検出回路10のゲインGC、GA等の回路定数や、オフセット電圧には、素子バラツキを要因とするバラツキが存在する。そこで図2のステップS2に示すように管理温度での測定を行い、その測定結果に基づいて、補正パラメーターを求めて、記憶部80(OTP)に書き込む。そして、ステップS5に示すように、実際の温度測定時には、記憶部80に記憶された補正パラメーターに基づいて温度測定結果の補正演算を行う。こうすることで、サーモパイル2の特性係数Sや、検出回路10の回路定数や、オフセット電圧にバラツキが発生した場合にも、対象物温度TP等の温度測定結果を、より高い精度で求めることが可能になる。
7.電子機器
図13に、本実施形態の回路装置210や温度検出装置200を含む電子機器の構成例を示す。電子機器は、処理部300、記憶部310、操作部320、入出力部330、バス340、温度検出装置200を含む。また温度検出装置200は、本実施形態の回路装置210、サーモパイル2、サーミスター4を含む。
本実施形態が適用される電子機器としては、エアーコンディショナー等の空調設備機器、IH調理器やIH炊飯器等のIH機器、FAX装置、印刷装置、温度計、人感知装置、炎検知装置、ガス検知装置又は光量計などの種々の機器を想定できる。
処理部300は、電子機器の各種の制御処理や演算処理を行うものであり、例えばMPU等のプロセッサーや表示コントローラーなどのASICなどにより実現される。処理部300は、温度検出装置200により検出された対象物温度や自己温度などの温度測定結果に基づいて、各種の処理を行う。
記憶部310は処理部300等の記憶領域となるものであり、例えばDRAM、SRAM、或いはHDD等により実現される。操作部320はユーザーが各種の操作情報を入力するためのものである。入出力部330は、外部との間でデータ等のやり取りを行うものであり、有線のインターフェース(USB等)や無線の通信部等により実現される。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、回路装置や温度検出装置や電子機器の構成や動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 検出回路、20 サーモパイル用検出回路、22 増幅回路、
24 ゲイン調整回路、26 基準電圧生成回路、30 サーミスター用検出回路、
32 基準電流源、40 A/D変換回路、50 制御部、70 特性記憶部、
72 第1記憶部、74 第2記憶部、76 第3記憶部、80 記憶部、
90 出力部、91 第1のD/A変換回路、92 第2のD/A変換回路、
93 電源回路、100 I/F部、200 温度検出装置、210 回路装置、
300 処理部、310 記憶部、320 操作部、330 入出力部、340 バス、
ATH 自己温度に対応する出力電圧、ATP 対象物温度に対応する出力電圧、
DTH 自己温度のデジタル値、DTP 対象物温度のデジタル値、
t_low 温度範囲の下限値、
thpg,thpl,thtg,thtl パラメーター(設定情報)、
TP 対象物温度、TTH 自己温度、Δt 1LSBで表される温度変化量

Claims (12)

  1. 赤外線センサーを用いて検出された第1検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値を出力し、温度センサーを用いて検出された第2検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値を出力する検出回路と、
    前記第1検出値と前記第2検出値に基づいて、対象物温度のデジタル値を求め、前記第2検出値から自己温度のデジタル値を求める制御部と、
    前記対象物温度のデジタル値のD/A変換を行って、前記対象物温度に対応する第1出力電圧を出力し、前記自己温度のデジタル値のD/A変換を行って、前記自己温度に対応する第2出力電圧を出力する出力部と、
    を含み、
    前記出力部は、
    前記第1出力電圧によって表される前記対象物温度の温度範囲が可変に設定される前記第1出力電圧と前記第2出力電圧によって表される前記自己温度の温度範囲が可変に設定される前記第2出力電圧を出力することを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記対象物温度の前記温度範囲の設定情報に基づいて、前記温度範囲の前記対象物温度のデジタル値を前記D/A変換の入力範囲のデジタル値に変換する変換処理を行い、
    前記出力部は、
    変換処理後の前記対象物温度のデジタル値をD/A変換して前記第1出力電圧を出力することを特徴とする回路装置。
  3. 請求項2において、
    前記制御部は、
    前記対象物温度に対して前記第1出力電圧がリニアに変化する前記変換処理を行うことを特徴とする回路装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記設定情報は、前記温度範囲の下限値と、前記D/A変換の1LSBで表される温度変化量であることを特徴とする回路装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかにおいて、
    前記設定情報を記憶する記憶部を含み、
    前記制御部は、
    前記記憶部に記憶された前記設定情報に基づいて前記変換処理を行うことを特徴とする回路装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記制御部は、
    前記第1検出値に対して補正処理を行い、前記補正処理が施された前記第1検出値と前記第2検出値とから前記対象物温度のデジタル値を求めることを特徴とする回路装置。
  7. 請求項6において、
    前記補正処理は、温度特性についてのゲイン補正処理、オフセットについての補正処理、サーモパイルの特性係数パラメーターに基づく変換処理の少なくとも1つであることを特徴とする回路装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記制御部は、
    前記第2検出値から求めた前記自己温度から前記自己温度に対応する第2起電圧値を求め、前記第1検出値と前記第2起電圧値とから対象物温度に対応する第1起電圧値を求め、前記第1起電圧値から前記対象物温度を求めることを特徴とする回路装置。
  9. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記対象物温度のデジタル値を出力するインターフェース部を含むことを特徴とする回路装置。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の回路装置と、
    前記赤外線センサーと、
    前記温度センサーと、
    を含むことを特徴とする温度検出装置。
  11. 請求項1乃至のいずれかに記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 赤外線センサーを用いて検出された第1検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第1検出値を出力し、温度センサーを用いて検出された第2検出電圧についてのA/D変換を行って、デジタル値の第2検出値を出力し、
    前記第1検出値と前記第2検出値に基づいて、対象物温度のデジタル値を求め、前記第2検出値から自己温度のデジタル値を求め、
    前記対象物温度のデジタル値のD/A変換を行って第1出力電圧を出力し、前記第1出力電圧によって表される前記対象物温度の温度範囲が可変に設定され、前記自己温度のデジタル値のD/A変換を行って第2出力電圧を出力し、前記第2出力電圧によって表される前記自己温度の温度範囲が可変に設定されることを特徴とする温度検出方法。
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