JP2023042745A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】経年劣化を自己診断することが可能なガスセンサを提供する。
【解決手段】ガスセンサ1Aは、サーミスタRd1~Rd4と、スイッチSw1,Sw4と、制御回路20とを備える。制御回路20は、スイッチSw1,Sw4を制御することにより、自己診断期間T1においてはサーミスタRd2,Rd3を有効化、サーミスタRd1,Rd4を無効化し、自己診断期間T2においてはサーミスタRd1,Rd4を有効化し、ガス検知期間T3においてはサーミスタRd2,Rd4を有効化、サーミスタRd1を無効化し、ガス検知期間T4においてはサーミスタRd1,Rd3を有効化、サーミスタRd4を無効化する。これにより、期間T1,T2に自己診断を行った後、期間T3,T4に検出対象ガスの濃度を測定することができる。しかも、検出対象ガスが存在しても自己診断の結果に影響が及ばない。
【選択図】図1
【解決手段】ガスセンサ1Aは、サーミスタRd1~Rd4と、スイッチSw1,Sw4と、制御回路20とを備える。制御回路20は、スイッチSw1,Sw4を制御することにより、自己診断期間T1においてはサーミスタRd2,Rd3を有効化、サーミスタRd1,Rd4を無効化し、自己診断期間T2においてはサーミスタRd1,Rd4を有効化し、ガス検知期間T3においてはサーミスタRd2,Rd4を有効化、サーミスタRd1を無効化し、ガス検知期間T4においてはサーミスタRd1,Rd3を有効化、サーミスタRd4を無効化する。これにより、期間T1,T2に自己診断を行った後、期間T3,T4に検出対象ガスの濃度を測定することができる。しかも、検出対象ガスが存在しても自己診断の結果に影響が及ばない。
【選択図】図1
Description
本発明は、雰囲気中に含まれる検出対象ガスの濃度を測定するガスセンサに関する。
雰囲気中に含まれる検出対象ガスの濃度を測定するガスセンサは、経年劣化によって測定誤差が生じることが知られている。特許文献1には、経年劣化を自己診断することが可能なガスセンサが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたガスセンサは、雰囲気中に検出対象ガスが存在すると自己診断の結果自体に誤差が生じるため、検出対象ガスが存在しないことが保証された環境下でなければ自己診断を行うことができないという問題があった。
したがって、本発明は、雰囲気中に検出対象ガスが存在する環境下においても経年劣化を自己診断することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
本発明によるガスセンサは、検出対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する第2及び第3の素子と、検出対象ガスの濃度に応じた抵抗値の変化が第2及び第3の素子よりも小さい第1及び第4の素子と、少なくとも第1及び第4の素子の有効又は無効を切り替えるスイッチと、検出対象ガスの濃度を示す出力信号を生成するとともにスイッチを制御する制御回路とを備え、第1及び第2の素子は第1の電源と接続ノードの間に接続され、第3及び第4の素子は第2の電源と接続ノードの間に接続され、制御回路はスイッチを制御することにより、第1の自己診断期間においては第2及び第3の素子を有効化するとともに第1及び第4の素子を無効化することによって接続ノードに現れる電位を示す第1のオフセット情報を生成し、第1のガス検知期間においては第2及び第4の素子を有効化するとともに第1の素子を無効化することによって接続ノードに現れる電位を示す第1の検出情報を生成し、第2のガス検知期間においては第1及び第3の素子を有効化するとともに第4の素子を無効化することによって接続ノードに現れる電位を示す第2の検出情報を生成し、制御回路は、第1及び第2の検出情報と第1のオフセット情報に基づいて出力信号を生成することを特徴とする。
本発明によれば、雰囲気中に検出対象ガスが存在しても自己診断の結果に影響が及ばないことから、任意のタイミングで自己診断することが可能となる。しかも、自己診断によって得られるオフセット情報に基づいて出力信号が校正されることから、検出対象ガスの濃度をより正確に測定することが可能となる。
本発明において、制御回路は、接続ノードの電位とリファレンス電位を比較する差動アンプと、差動アンプの出力に基づいて出力信号を生成するとともに、第1のオフセット情報に基づいてリファレンス電位のレベルを設定する信号処理部とを含んでいても構わない。これによれば、ガス検知期間において接続ノードに現れる電位とリファレンス電位との差を低減することができる。この場合、信号処理部は、リファレンス電位のレベルを第1の自己診断期間において接続ノードに現れる電位に設定しても構わない。これによれば、ガス検知期間において接続ノードに現れる電位とリファレンス電位との差がより低減することから、検出感度がより高められる。
本発明において、信号処理部は、第1の自己診断期間において接続ノードに現れる電位に基づいて、接続ノードの電位とリファレンス電位の差電位と出力信号の関係を補正しても構わない。これによれば、検出対象ガスの濃度をより正確に測定することが可能となる。この場合、信号処理部は、第1の自己診断期間において接続ノードに現れる電位に基づいて差動アンプのゲインを調整することによって、差電位と出力信号の関係を補正しても構わない。これによれば、信号処理部における信号処理負担が軽減される。
本発明において、制御回路は、スイッチを制御することにより、第2の自己診断期間においては第1及び第4の素子を有効化することによって接続ノードに現れる電位を示す第2のオフセット情報を生成しても構わない。これによれば、第1及び第4の素子の特性ばらつきを評価することが可能となる。この場合、制御回路は、第1のオフセット情報と第2のオフセット情報が所定の条件を満たすか否か判定しても構わない。これによれば、出力信号を正しく校正できるか否かを判定することが可能となる。
本発明において、第1及び第2の素子は同一のチップ上に集積され、第3及び第4の素子は同一のチップ上に集積されていても構わない。これによれば、第1の素子と第2の素子の特性変動をほぼ一致させることができるとともに、第3の素子と第4の素子の特性変動をほぼ一致させることができる。
本発明において、第1及び第2の素子は第1の電源と接続ノードの間に直列に接続され、第3及び第4の素子は第2の電源と接続ノードの間に直列に接続され、スイッチは、第1の素子に並列に接続された第1のスイッチと、第4の素子に並列に接続された第2のスイッチとを含んでいても構わない。これによれば、第1のスイッチをオンさせることによって第1の素子を無効化することができ、第2のスイッチをオンさせることによって第4の素子を無効化することができる。
本発明によるガスセンサは、第1乃至第4の素子を加熱するヒータをさらに備え、制御回路は、第1の自己診断期間においては、第1及び第2のスイッチをオンさせることによって第1及び第4の素子を無効化するとともに、ヒータによって第2及び第3の素子をいずれも第1の温度に加熱し、第1のガス検知期間においては、第1のスイッチをオンさせることによって第1の素子を無効化するとともに、ヒータによって第2及び第4の素子をそれぞれ第1及び第2の温度に加熱し、第2のガス検知期間においては、第2のスイッチをオンさせることによって第4の素子を無効化するとともに、ヒータによって第1及び第3の素子をそれぞれ第2及び第1の温度に加熱しても構わない。これによれば、自己診断が可能な熱伝導式のガスセンサを提供することが可能となる。
本発明において、ヒータは、それぞれ第1乃至第4の素子を加熱する第1乃至第4のヒータを含み、制御回路は、第1の自己診断期間においては、第2及び第3のヒータによって第2及び第3の素子をいずれも第1の温度に加熱するとともに、第1及び第4のヒータによる加熱を停止し、第1のガス検知期間においては、第2、第3及び第4のヒータによって第2、第3及び第4の素子をそれぞれ第1、第2及び第2の温度に加熱するとともに、第1のヒータによる加熱を停止し、第2のガス検知期間においては、第1、第2及び第3のヒータによって第1、第2及び第3の素子をそれぞれ第2、第2及び第1の温度に加熱するとともに、第4のヒータによる加熱を停止しても構わない。これによれば、消費電力を低減することが可能となる。
本発明において、スイッチは、第2の素子に並列に接続された第3のスイッチと、第3の素子に並列に接続された第4のスイッチとをさらに含み、制御回路は、第1のガス検知期間においては、第1及び第4のスイッチをオンさせることによって第1及び第3の素子を無効化し、第2のガス検知期間においては、第2及び第3のスイッチをオンさせることによって第2及び第4の素子を無効化しても構わない。これによれば、第1乃至第4の素子の抵抗値の設計が容易となる。
本発明において、ヒータは、それぞれ第1乃至第4の素子を加熱する第1乃至第4のヒータを含み、制御回路は、第1の自己診断期間においては、第2及び第3のヒータによって第2及び第3の素子をいずれも第1の温度に加熱するとともに、第1及び第4のヒータによる加熱を停止し、第1のガス検知期間においては、第2及び第4のヒータによって第2及び第4の素子をそれぞれ第1及び第2の温度に加熱するとともに、第1及び第3のヒータによる加熱を停止し、第2のガス検知期間においては、第1及び第3のヒータによって第1及び第3の素子をそれぞれ第2及び第1の温度に加熱するとともに、第2及び第4のヒータによる加熱を停止しても構わない。これによれば、消費電力を低減することが可能となる。
本発明において、第1及び第2の素子は第1の電源と接続ノードの間に並列に接続され、第3及び第4の素子は第2の電源と接続ノードの間に並列に接続され、スイッチは第1乃至第4の素子に対してそれぞれ直列に接続された第1乃至第4のスイッチを含んでいても構わない。これによれば、第1乃至第4のスイッチをオフさせることによってそれぞれ第1乃至第4の素子を無効化することができる。
このように、本発明によれば、雰囲気中に検出対象ガスが存在する環境下においても経年劣化を自己診断することが可能なガスセンサを提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態によるガスセンサ1Aの構成を示す回路図である。
図1は、本発明の第1の実施形態によるガスセンサ1Aの構成を示す回路図である。
図1に示すように、第1の実施形態によるガスセンサ1Aは、センサ部Sと制御回路20を備えている。特に限定されるものではないが、本実施形態によるガスセンサ1Aは、雰囲気中におけるCO2ガスの濃度を検出するものである。
センサ部Sは、検出対象ガスであるCO2ガスの濃度を検出するための熱伝導式のガスセンサであり、4つのセンサ部S1~S4を有している。センサ部S1~S4は、それぞれサーミスタRd1~Rd4とこれらを加熱するヒータ抵抗Mh1~Mh4によって構成されている。このうち、サーミスタRd2,Rd3は、測定雰囲気中に存在するCO2ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する検知素子である。一方、サーミスタRd1はサーミスタRd3に対するリファレンス素子であり、サーミスタRd4はサーミスタRd2に対するリファレンス素子である。ここで、サーミスタRd1,Rd2は同一のチップ上に集積され、サーミスタRd3,Rd4は同一のチップ上に集積されていることが好ましい。これによれば、経年劣化によるサーミスタRd1,Rd2の特性変動がほぼ一致し、経年劣化によるサーミスタRd3,Rd4の特性変動がほぼ一致する。全てのサーミスタRd1~Rd4を同一のチップ上に集積しても構わない。
図1に示すように、サーミスタRd1,Rd2は、第1の電源である電源電位Vccが供給される配線と、接続ノードNの間に直列に接続されている。サーミスタRd3,Rd4は、第2の電源である接地電位Gndが供給される配線と、接続ノードNの間に直列に接続されている。接続ノードNの電位である検出信号Vout1は、制御回路20に供給される。Rd1~Rd4は、例えば、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の抵抗温度係数を持つ材料からなる。
ヒータ抵抗Mh1,Mh2には制御電圧Vmh1が印加され、ヒータ抵抗Mh3,Mh4には制御電圧Vmh2が印加される。制御電圧Vmh1,Vmh2は、後述するガス検知動作時及び自己診断動作時において、第1のレベル又は第2のレベルに設定される。制御電圧Vmh1,Vmh2が第1のレベルに設定されると、サーミスタRd1~Rd4はヒータ抵抗Mh1~Mh4によって第1の温度に加熱される。制御電圧Vmh1,Vmh2が第2のレベルに設定されると、サーミスタRd1~Rd4はヒータ抵抗Mh1~Mh4によって第2の温度に加熱される。第1の温度は例えば150℃であり、第2の温度は例えば300℃である。サーミスタRd2,Rd3は、150℃に加熱された場合に所定の抵抗値となるよう設計されている一方、サーミスタRd1,Rd4は、300℃に加熱された場合に所定の抵抗値となるよう設計されている。
検知素子であるサーミスタRd2,Rd3を150℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd2,Rd3の放熱特性が変化する。かかる変化は、サーミスタRd2,R3の抵抗値の変化となって現れる。一方、リファレンス素子であるサーミスタRd1,Rd4を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じてサーミスタRd1,Rd4の放熱特性はほとんど変化しない。このため、CO2ガスの濃度によるサーミスタRd1,Rd4の抵抗値の変化は、CO2ガスの濃度によるサーミスタRd2,Rd3よりも十分に小さく、理想的には抵抗値がほとんど変化しない。本実施形態においては、通常の大気中のように、雰囲気中にCO2ガスが(ほとんど)存在しない場合、150℃に加熱されたサーミスタRd2の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd3,Rd4の合計抵抗値が一致するよう設計され、150℃に加熱されたサーミスタRd3の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd1,Rd2の合計抵抗値が一致するよう設計される。これは、サーミスタRd1,Rd4が互いに同じ特性を有し、サーミスタRd2,Rd3が互いに同じ特性を有し、サーミスタRd1,Rd4とサーミスタRd2,Rd3が互いに異なる特性を有するよう設計することにより実現できる。
本実施形態によるガスセンサ1Aは、サーミスタRd1に対して並列に接続されたスイッチSw1と、サーミスタRd4に対して並列に接続されたスイッチSw4をさらに有している。スイッチSw1がオンするとサーミスタRd1は無効化され、スイッチSw4がオンするとサーミスタRd4は無効化される。言い換えれば、スイッチSw1がオンするとサーミスタRd1は検出信号Vout1のレベル変化に寄与しなくなり、スイッチSw4がオンするとサーミスタRd4は検出信号Vout1のレベル変化に寄与しなくなる。
制御回路20は、差動アンプ21~23、ADコンバータ(ADC)26、DAコンバータ(DAC)27、信号処理部28、抵抗R1~R5及びスイッチSw5を備えている。差動アンプ21は、検出信号Vout1の電位とリファレンス電位Vref1又はVref2を比較し、その差を増幅する回路である。抵抗R4,R5は、電源VccとグランドGnd間に直列に接続されており、両者の接続点からリファレンス電位Vref2が生成される。抵抗R4と抵抗R5の抵抗値は互いに等しく、このためリファレンス電位Vref2はVcc/2レベルである。差動アンプ21のゲインは、抵抗R1~R3によって任意に調整される。差動アンプ21から出力される増幅信号Vampは、ADコンバータ26に入力される。
ADコンバータ26は増幅信号Vampをデジタル変換し、その値を信号処理部28に供給する。一方、DAコンバータ27は、信号処理部28から供給されるリファレンス信号をアナログ変換することによってリファレンス電位Vref1を生成するとともに、ヒータ抵抗Mh1~Mh4に供給する制御電圧Vmh1,Vmh2を生成する役割を果たす。制御電圧Vmh1は、ボルテージフォロアである差動アンプ22を介してヒータ抵抗Mh1,Mh2に印加される。同様に、制御電圧Vmh2は、ボルテージフォロアである差動アンプ23を介してヒータ抵抗Mh3,Mh4に印加される。さらに、信号処理部28は、スイッチSw1,Sw4,Sw5を制御する切り替え信号Vsw1,Vsw4,Vsw5と、抵抗R3の抵抗値を制御する制御信号Vradjを生成する。制御信号Vradjの生成は、信号処理部28に含まれる感度補正部30によって行われる。
図2は、本実施形態によるガスセンサ1Aの動作を説明するためのフローチャートである。また、図3は、本実施形態によるガスセンサ1Aの動作波形図である。
図2に示すように、本実施形態によるガスセンサ1Aの動作が開始すると、信号処理部28は、内部のカウント値をリセットした後(ステップ40)、第1の自己診断動作と第2の自己診断動作を実行する(ステップ41,42)。
図3に示すように、第1の自己診断動作を実行する自己診断期間T1においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をいずれも第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4,Vsw5をいずれもハイレベルに設定する。これにより、図4(a)に示すように、スイッチSw1,Sw4がいずれもオンすることから、サーミスタRd1,Rd4が無効化され、有効化されたサーミスタRd2,Rd3が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第1の温度(150℃)に加熱される。また、自己診断期間T1においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
上述の通り、150℃に加熱されたサーミスタRd2,Rd3は、CO2ガスが存在すると、その濃度に応じて抵抗値が変化するが、サーミスタRd2,Rd3に特性差が生じていない限り、抵抗値の変化はサーミスタRd2,Rd3に対して等しく生じる。このため、サーミスタRd2,Rd3に特性差が生じていない限り、環境中におけるCO2ガスの濃度にかかわらず検出信号Vout1はVcc/2レベルに維持される。
このようにして得られた検出信号Vout1は、差動アンプ21によってリファレンス電位Vref2と比較される。リファレンス電位Vref2はVcc/2レベルであることから、サーミスタRd2,Rd3に特性差が生じていなければ、増幅信号Vampは所定の中心レベル(例えばVcc/2レベル)となる。これに対し、サーミスタRd2,Rd3に特性差が生じていれば、増幅信号Vampのレベルは、中心レベルに対して、サーミスタRd2,Rd3の特性差と差動アンプ21のゲインによって決まるオフセットを持つことになる。増幅信号VampはADコンバータ26を介して信号処理部28に供給される。そして、信号処理部28は、増幅信号Vampに対応する第1のオフセット情報を生成し、これをメモリ31に保存する。
図3に示すように、第2の自己診断動作を実行する自己診断期間T2においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をいずれも第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4をいずれもローレベルに設定し、切り替え信号Vsw5をハイレベルに設定する。これにより、図4(b)に示すように、スイッチSw1,Sw4がいずれもオフすることから、サーミスタRd1~Rd4が全て有効化される。つまり、サーミスタRd1~Rd4が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第2の温度(300℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。また、自己診断期間T2においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
上述の通り、300℃に加熱されたサーミスタRd1,Rd4は、CO2ガスが存在しても抵抗値がほとんど変化しないため、サーミスタRd1,Rd4に特性差が生じていない限り、検出信号Vout1はVcc/2レベルとなる。尚、150℃用に設計されたサーミスタRd2,Rd3を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。しかも、サーミスタRd2,Rd3を300℃に加熱した際の抵抗値は、300℃に加熱したサーミスタRd1,Rd4の抵抗値よりも大幅に低い(例えば1/10程度)。このため、300℃に加熱されたサーミスタRd2,Rd3は、検出信号Vout1の変化にはほとんど寄与しない。
このようにして得られた検出信号Vout1は、差動アンプ21によってリファレンス電位Vref2と比較される。リファレンス電位Vref2はVcc/2レベルであることから、サーミスタRd1,Rd4に特性差が生じていなければ、増幅信号Vampは所定の中心レベル(例えばVcc/2レベル)となる。これに対し、サーミスタRd1,Rd4に特性差が生じていれば、増幅信号Vampのレベルは、中心レベルに対して、サーミスタRd1,Rd4の特性差と差動アンプ21のゲインによって決まるオフセットを持つことになる。増幅信号VampはADコンバータ26を介して信号処理部28に供給される。そして、信号処理部28は、増幅信号Vampに対応する第2のオフセット情報を生成し、これをメモリ32に保存する。
次に、信号処理部28は、メモリ31に保存された第1のオフセット情報とメモリ32に保存された第2のオフセット情報を比較し、両者が所定の条件を満たしているか否か判定する(ステップ43)。所定の条件としては、両者が一致していること、或いは、両者の差が所定の範囲内である場合とすることができる。その結果、所定の条件を満たしている場合には、ステップ45以降の動作を実行する。これに対し、所定の条件を満たしていない場合には、エラー信号ERRを発生させる(ステップ44)。これにより、ガスセンサ1Aの使用者又は管理者は、経年劣化によってガスセンサ1Aに校正できない測定誤差が生じていることを知覚することができる。エラー信号ERRが発生した場合、例えばガスセンサ1Aの交換が行われる。
上述の通り、サーミスタRd1,Rd2を同一のチップ上に集積し、サーミスタRd3,Rd4を同一のチップ上に集積した場合、経年劣化によるサーミスタRd1,Rd2の特性変動がほぼ一致し、経年劣化によるサーミスタRd3,Rd4の特性変動がほぼ一致することから、第1のオフセット情報と第2のオフセット情報は基本的に一致する。したがって、サーミスタRd1,Rd2を同一のチップ上に集積し、サーミスタRd3,Rd4を同一のチップ上に集積した場合には、第2の自己診断動作(ステップ42)及び比較判定動作(ステップ43)を省略しても構わない。サーミスタRd1,Rd2が別のチップ上に形成され、サーミスタRd3,Rd4が別のチップ上に形成されている場合であっても、経年劣化によるサーミスタRd1,Rd2の特性変動に大きな差がなく、経年劣化によるサーミスタRd3,Rd4の特性変動に大きな差がないとの前提に立てば、第2の自己診断動作(ステップ42)及び比較判定動作(ステップ43)を省略することが可能である。
ステップ45においては、第1又は第2のオフセット情報に基づいて感度係数が算出される。図5は、自己診断動作時(ステップ41,42)における検出信号Vout1のレベルと感度との関係を示すグラフであり、電源Vccが3Vである場合を示している。図5に示すように、自己診断動作時において検出信号Vout1がVcc/2レベルである場合の感度を100%とした場合、自己診断動作時における検出信号Vout1のレベルがVcc/2から離れるにつれて感度が低下することがある。このような感度の低下を補償するために、ステップ45において感度係数が算出される。図6は、自己診断動作時(ステップ41,42)における検出信号Vout1のレベルと感度係数との関係を示すグラフであり、電源Vccが3Vである場合を示している。図6に示すように、自己診断動作時において検出信号Vout1がVcc/2レベルである場合の感度係数を1とした場合、自己診断動作時における検出信号Vout1のレベルがVcc/2から離れるにつれて、感度の低下を補償するよう感度係数が増加する。
感度係数が算出されると、次に信号処理部28は、感度係数に応じて制御信号Vradjを生成する(ステップ46)。制御信号Vradjは抵抗R3に供給され、制御信号Vradjに基づいて抵抗R3の抵抗値を変化させることにより、差動アンプ21のゲインを感度係数分だけ増加させる。これにより、検出信号Vout1のオフセットに起因する感度の低下が補償される。或いは、抵抗R3の抵抗値を変化させる代わりに、信号処理部28内における演算処理によって、増幅信号Vampのデジタル値を補正しても構わない。但し、自己診断動作時における検出信号Vout1のレベルが感度に影響しないか、影響が無視できるレベルであれば、感度補正動作(ステップ45,46)を省略することが可能である。
次に、信号処理部28は、第1又は第2の自己診断動作時に得られた検出信号Vout1のレベルとリファレンス電位Vref1が一致又はほぼ一致するよう、DAコンバータ27にリファレンス信号を出力する(ステップ47)。第1又は第2の自己診断動作時に得られた検出信号Vout1のレベルは、増幅信号Vampと差動アンプ21のゲインから算出可能である。以上により、ガス検知動作を行う前の事前準備が完了する。
事前準備が完了すると、信号処理部28は、第1のガス検知動作と第2のガス検知動作を実行する(ステップ48,49)。
図3に示すように、第1のガス検知動作を実行するガス検知期間T3においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をそれぞれ第1及び第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1をハイレベル、切り替え信号Vsw4,Vsw5をローレベルに設定する。これにより、図7(a)に示すように、スイッチSw1がオン、スイッチSw4がオフすることから、サーミスタRd1が無効化され、有効化されたサーミスタRd2~Rd4が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。
この状態において、雰囲気中にCO2ガスが(ほとんど)存在しない場合、上述の通り、150℃に加熱されたサーミスタRd2の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd3,Rd4の合計抵抗値が一致するよう設計されていることから、検出信号Vout1はVcc/2となるはずであるが、上述の通り、検出信号Vout1にオフセットが生じている場合、検出信号Vout1の電位はリファレンス電位Vref1と同レベルになる。一方、環境中にCO2ガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd2の放熱特性が変化し、サーミスタRd2の抵抗値が変化する。これに対し、サーミスタRd4を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。これにより、CO2ガスの濃度に応じて検出信号Vout1のレベルが変化する。CO2ガスは空気よりも放熱性が低いため、CO2ガスの濃度が高いほどサーミスタRd2の温度が上昇し、その結果、サーミスタRd2の抵抗値が低下することから、検出信号Vout1のレベルは上昇する。
尚、150℃用に設計されたサーミスタRd3を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。しかも、サーミスタRd3を300℃に加熱した際の抵抗値は、150℃に加熱したサーミスタRd2の抵抗値や、300℃に加熱したサーミスタRd4の抵抗値よりも大幅に低い(例えば1/10程度)。このため、300℃に加熱されたサーミスタRd3は、検出信号Vout1の変化にはほとんど寄与しない。
このようにして得られた検出信号Vout1は、差動アンプ21によってリファレンス電位Vref1と比較される。リファレンス電位Vref1は、第1又は第2の自己診断動作時に得られた検出信号Vout1のレベルとほぼ一致していることから、中心レベルがオフセットしていない状態で比較を行うことができる。このため、差動アンプ21のダイナミックレンジが十分に確保される。差動アンプ21から出力される増幅信号Vampは、ADコンバータ26を介して信号処理部28に供給される。信号処理部28は、増幅信号Vampに対応する第1の検出情報を生成し、これをメモリ33に保存する。尚、中心レベルがオフセットしている場合であっても差動アンプ21のダイナミックレンジが確保される場合には、リファレンス電位Vref1の生成動作(ステップ47)を省略可能であり、その代わりにVcc/2レベルであるリファレンス電位Vref2を用いることができる。
図3に示すように、第2のガス検知動作を実行するガス検知期間T4においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をそれぞれ第2及び第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw5をローレベル、切り替え信号Vsw4をハイレベルに設定する。これにより、図7(b)に示すように、スイッチSw1がオフ、スイッチSw4がオンすることから、サーミスタRd4が無効化され、有効化されたサーミスタRd1~Rd3が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第2の温度(300℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第1の温度(150℃)に加熱される。
この状態において、雰囲気中にCO2ガスが(ほとんど)存在しない場合、上述の通り、150℃に加熱されたサーミスタRd3の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd1,Rd2の合計抵抗値が一致するよう設計されていることから、検出信号Vout1はVcc/2となるはずであるが、上述の通り、検出信号Vout1にオフセットが生じている場合、検出信号Vout1の電位はリファレンス電位Vref1と同レベルになる。一方、環境中にCO2ガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd3の放熱特性が変化し、サーミスタRd3の抵抗値が変化する。これに対し、サーミスタRd1を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。これにより、CO2ガスの濃度に応じて検出信号Vout1のレベルが変化する。CO2ガスは空気よりも放熱性が低いため、CO2ガスの濃度が高いほどサーミスタRd3の温度が上昇し、その結果、サーミスタRd3の抵抗値が低下することから、検出信号Vout1のレベルが低下する。
尚、150℃用に設計されたサーミスタRd2を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。しかも、サーミスタRd2を300℃に加熱した際の抵抗値は、150℃に加熱したサーミスタRd3の抵抗値や、300℃に加熱したサーミスタRd1の抵抗値よりも大幅に低い(例えば1/10程度)。このため、300℃に加熱されたサーミスタRd2は、検出信号Vout1の変化にはほとんど寄与しない。
このようにして得られた検出信号Vout1は、差動アンプ21によってリファレンス電位Vref1と比較される。リファレンス電位Vref1は、第1又は第2の自己診断動作時に得られた検出信号Vout1のレベルとほぼ一致していることから、中心レベルがオフセットしていない状態で比較を行うことができる。このため、差動アンプ21のダイナミックレンジが十分に確保される。差動アンプ21から出力される増幅信号Vampは、ADコンバータ26を介して信号処理部28に供給される。信号処理部28は、増幅信号Vampに対応する第2の検出情報を生成し、これをメモリ34に保存する。尚、中心レベルがオフセットしている場合であっても差動アンプ21のダイナミックレンジが確保される場合には、リファレンス電位Vref1の生成動作(ステップ47)を省略可能であり、その代わりにVcc/2レベルであるリファレンス電位Vref2を用いることができる。
第1及び第2のガス検知動作が完了すると、信号処理部28は、メモリ33に保存された第1の検出情報とメモリ34に保存された第2の検出情報に基づいて、CO2ガスの濃度を示す出力信号OUTを生成する(ステップ50)。ここで、第1のガス検知動作における検出信号Vout1の変化と、第2のガス検知動作における検出信号Vout1の変化は逆方向であるため、信号処理部28はこれを考慮して出力信号OUTを算出する。尚、メモリ33に保存された第1の検出情報とメモリ34に保存された第2の検出情報の両方に基づいて出力信号OUTを算出する必要はなく、メモリ33に保存された第1の検出情報に基づいて出力信号OUTを算出した後、メモリ34に保存された第2の検出情報に基づいて出力信号OUTを算出しても構わない。また、リファレンス電位Vref1の生成動作(ステップ47)を省略している場合には、増幅信号Vampのオフセットを考慮した演算を行うことにより、出力信号OUTを算出すればよい。
そして、信号処理部28内においてカウント値をインクリメントし(ステップ51)、カウント値が所定値に達していなければ(ステップ52:No)、ステップ48に戻って、第1及び第2のガス検知動作(ステップ48,49)と、出力信号OUTの生成動作(ステップ50)を繰り返す。繰り返しの頻度は、例えば1分に1回程度とすることができる。そして、カウント値が所定値に達した場合(ステップ52:Yes)、ガスセンサ1Aの使用者又は管理者によって停止されない限り(ステップ53:Yes)、ステップ40に戻って第1及び第2の自己診断動作(ステップ41,42)からやり直す。カウント値が所定値に達するのに要する時間としては、例えば1日程度とすることができる。但し、2回目以降の自己診断動作(ステップ41,42)においては、リファレンス電位Vref2を用いる必要はなく、前回生成したリファレンス電位Vref1を用いても構わない。これにより、2回目以降の自己診断動作(ステップ41,42)における差動アンプ21のダイナミックレンジを十分に確保することが可能となる。
このように、本実施形態によるガスセンサ1Aにおいては、第1のガス検知動作(ステップ48)と第2のガス検知動作(ステップ49)を交互に実行していることから、サーミスタRd1~Rd4に加わる熱履歴が一致する。これにより、経年劣化による測定誤差を減少させることが可能となる。しかも、第1及び第2のガス検知動作(ステップ48,49)を行う前に、第1及び第2の自己診断動作(ステップ41,42)を行い、これにより中心レベルのオフセットを考慮した状態で出力信号OUTの生成を行っていることから、経年劣化によってサーミスタRd1,Rd2の特性とサーミスタRd3,Rd4の特性に差が生じている場合であっても、CO2ガスの濃度を正しく測定することが可能となる。
図8~図10は具体的な検出信号Vout1の変化を示す波形図であり、破線はCO2ガスが存在しない状態を示しており、実線はCO2ガスが存在する状態を示している。また、電源Vccは3Vに設定されている。
図8に示すように、サーミスタRd1,Rd2の特性とサーミスタRd3,Rd4の特性が一致している場合、CO2ガスが存在しない状態においては自己診断期間T1,T2及びガス検知期間T3,T4の全てにおいて検出信号Vout1は1.5Vとなる。また、CO2ガスが存在する状態においては、ガス検知期間T3における検出信号Vout1の変化方向とガス検知期間T4における検出信号Vout1の変化方向が互いに逆となる。一方、自己診断期間T1,T2においては、CO2ガスの濃度にかかわらず検出信号Vout1は1.5Vとなる。
これに対し、サーミスタRd1,Rd2の抵抗よりもサーミスタRd3,Rd4の抵抗の方が高くなっている場合、図9に示すように、中心レベルが上方にオフセットする(図9に示す例では約1.800V)が、自己診断期間T1における検出信号Vout1のレベルと自己診断期間T2における検出信号Vout1のレベルは一致する。また、サーミスタRd3,Rd4の抵抗よりもサーミスタRd1,Rd2の抵抗の方が高くなっている場合、図10に示すように、中心レベルが下方にオフセットする(図10に示す例では約1.304V)が、自己診断期間T1における検出信号Vout1のレベルと自己診断期間T2における検出信号Vout1のレベルは一致する。そして、本実施形態においては、ガス検知期間T3,T4において検出信号Vout1をリファレンス電位Vref1と比較していることから、中心レベルのオフセットの有無にかかわらず、CO2ガスの濃度を正しく測定することが可能となる。また、中心レベルのオフセットに起因する感度の低下についても補償されることから、より正確な測定を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によるガスセンサ1Aによれば、検出対象ガスが存在する環境下においても自己診断動作を行うことが可能となる。しかも、サーミスタRd1~Rd4に加わる熱履歴に差が生じないことから、経年劣化による測定誤差も低減する。さらに、出力信号OUTの生成において、検出信号Vout1の中心レベルのオフセットが考慮されることから、サーミスタRd1,Rd2の特性とサーミスタRd3,Rd4の特性に差が生じている場合であっても、CO2ガスの濃度を正しく測定することが可能となる。
<第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態によるガスセンサ1Bの構成を示す回路図である。
図11は、本発明の第2の実施形態によるガスセンサ1Bの構成を示す回路図である。
図11に示すように、第2の実施形態によるガスセンサ1Bは、サーミスタRd2に対して並列に接続されたスイッチSw2と、サーミスタRd3に対して並列に接続されたスイッチSw3が追加され、信号処理部28から出力される切り替え信号Vsw2,Vsw3によってスイッチSw2,Sw3のオンオフが制御される点において、第1の実施形態によるガスセンサ1Aと相違する。その他の基本的な構成は第1の実施形態によるガスセンサ1Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては、雰囲気中にCO2ガスが(ほとんど)存在しない場合、150℃に加熱されたサーミスタRd2の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd4の抵抗値が一致するよう設計され、150℃に加熱されたサーミスタRd3の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd1の抵抗値が一致するよう設計される。これは、サーミスタRd1,Rd4が互いに同じ特性を有し、サーミスタRd2,Rd3が互いに同じ特性を有し、サーミスタRd1,Rd4とサーミスタRd2,Rd3が互いに異なる特性を有するよう設計することにより実現できる。
図12は、本実施形態によるガスセンサ1Bの動作波形図である。
図12に示すように、本実施形態によるガスセンサ1Bにおいても、期間T1,T2に自己診断動作が行われ、その後、ガス検知動作を行う期間T3と期間T4が繰り返される。
第1の自己診断動作を実行する自己診断期間T1においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をいずれも第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw2,Vsw3をローレベルに設定する。これにより、図13(a)に示すように、スイッチSw1,Sw4がオン、スイッチSw2,Sw3がオフすることから、サーミスタRd1,Rd4が無効化され、有効化されたサーミスタRd2,Rd3が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第1の温度(150℃)に加熱される。また、自己診断期間T1においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第2の自己診断動作を実行する自己診断期間T2においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をいずれも第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw2,Vsw3をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1,Vsw4をローレベルに設定する。これにより、図13(b)に示すように、スイッチSw2,Sw3がオン、スイッチSw1,Sw4がオフすることから、サーミスタRd2,Rd3が無効化され、有効化されたサーミスタRd1,Rd4が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第2の温度(300℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。また、自己診断期間T2においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第1のガス検知動作を実行するガス検知期間T3においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をそれぞれ第1及び第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw3をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw2,Vsw4をローレベルに設定する。これにより、図14(a)に示すように、スイッチSw1,Sw3がオン、スイッチSw2,Sw4がオフすることから、サーミスタRd1,Rd3が無効化され、有効化されたサーミスタRd2,Rd4が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。また、ガス検知期間T3においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
この状態において、雰囲気中にCO2ガスが(ほとんど)存在しない場合、上述の通り、150℃に加熱されたサーミスタRd2の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd4の抵抗値が一致するよう設計されていることから、検出信号Vout1の電位はリファレンス電位Vref1と同レベルになる。一方、環境中にCO2ガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd2の放熱特性が変化し、サーミスタRd2の抵抗値が変化する。これに対し、サーミスタRd4を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。これにより、CO2ガスの濃度が高いほど検出信号Vout1のレベルが高くなる。
第2のガス検知動作を実行するガス検知期間T4においては、制御電圧Vmh1,Vmh2をそれぞれ第2及び第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw2,Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1,Vsw3をローレベルに設定する。これにより、図14(b)に示すように、スイッチSw2,Sw4がオン、スイッチSw1,Sw3がオフすることから、サーミスタRd2,Rd4が無効化され、有効化されたサーミスタRd1,Rd3が電源VccとグランドGnd間に直列に接続された状態となる。また、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第2の温度(300℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第1の温度(150℃)に加熱される。また、ガス検知期間T4においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
この状態において、雰囲気中にCO2ガスが(ほとんど)存在しない場合、上述の通り、150℃に加熱されたサーミスタRd3の抵抗値と300℃に加熱されたサーミスタRd1の抵抗値が一致するよう設計されていることから、検出信号Vout1の電位はリファレンス電位Vref1と同レベルになる。一方、環境中にCO2ガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd3の放熱特性が変化し、サーミスタRd3の抵抗値が変化する。これに対し、サーミスタRd1を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCO2ガスが存在しても、その濃度に応じた抵抗値の変化はほとんど生じない。これにより、CO2ガスの濃度が高いほど検出信号Vout1のレベルが低くなる。
このように、本実施形態によるガスセンサ1Bは、スイッチSw2,Sw3が追加されていることから、動作1~4のいずれにおいても2つのサーミスタを有効化し、2つのサーミスタを無効化することができる。これにより、第1の実施形態によるガスセンサ1Aの効果に加え、サーミスタRd1~Rd4の抵抗値の設計が容易となる。また、本実施形態によるガスセンサ1Bにおいては、サーミスタRd1,Rd2の接続位置を逆にしたり、サーミスタRd3,Rd4の接続位置を逆にしたりすることも可能であり、設計自由度が高められる。
<第3の実施形態>
図15は、本発明の第3の実施形態によるガスセンサ1Cの構成を示す回路図である。
図15は、本発明の第3の実施形態によるガスセンサ1Cの構成を示す回路図である。
図15に示すように、第3の実施形態によるガスセンサ1Cは、サーミスタRd1,Rd2の接続位置が逆であるとともに、サーミスタRd3,Rd4の接続位置が逆である点において、第1の実施形態によるガスセンサ1Aと相違する。その他の基本的な構成は第1の実施形態によるガスセンサ1Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態が例示するように、スイッチが2個であってもサーミスタRd1,Rd2の接続位置やサーミスタRd3,Rd4の接続位置は入れ替え可能である。
<第4の実施形態>
図16は、本発明の第4の実施形態によるガスセンサ2Aの構成を示す回路図である。
図16は、本発明の第4の実施形態によるガスセンサ2Aの構成を示す回路図である。
図16に示すように、第4の実施形態によるガスセンサ2Aは、ヒータ抵抗Mh1,Mh2がヒータ抵抗Mh5に置き換えられ、ヒータ抵抗Mh3,Mh4がヒータ抵抗Mh6に置き換えられている点において、第1の実施形態によるガスセンサ1Aと相違する。その他の基本的な構成は第1の実施形態によるガスセンサ1Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
ヒータ抵抗Mh5はサーミスタRd1,Rd2に対して共通に割り当てられており、制御電圧Vmh1が印加される。ヒータ抵抗Mh6はサーミスタRd3,Rd4に対して共通に割り当てられており、制御電圧Vmh2が印加される。
<第5の実施形態>
図17は、本発明の第5の実施形態によるガスセンサ2Bの構成を示す回路図である。
図17は、本発明の第5の実施形態によるガスセンサ2Bの構成を示す回路図である。
図17に示すように、第5の実施形態によるガスセンサ2Bは、ヒータ抵抗Mh1,Mh2がヒータ抵抗Mh5に置き換えられ、ヒータ抵抗Mh3,Mh4がヒータ抵抗Mh6に置き換えられている点において、第2の実施形態によるガスセンサ1Bと相違する。その他の基本的な構成は第2の実施形態によるガスセンサ1Bと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
ヒータ抵抗Mh5はサーミスタRd1,Rd2に対して共通に割り当てられており、制御電圧Vmh1が印加される。ヒータ抵抗Mh6はサーミスタRd3,Rd4に対して共通に割り当てられており、制御電圧Vmh2が印加される。
第4及び第5の実施形態が例示するように、サーミスタRd1,Rd2やサーミスタRd3,Rd4に対しては、共通のヒータ抵抗を割り当てても構わない。
<第6の実施形態>
図18は、本発明の第6の実施形態によるガスセンサ3Aの構成を示す回路図である。
図18は、本発明の第6の実施形態によるガスセンサ3Aの構成を示す回路図である。
図18に示すように、第6の実施形態によるガスセンサ3Aにおいては、制御回路20にボルテージフォロアである差動アンプ24,25が追加されている。DAコンバータ27からは、差動アンプ22~25に対してそれぞれ制御電圧Vmh1~Vmh4が供給され、制御電圧Vmh1~Vmh4はそれぞれ差動アンプ22~25を介してヒータ抵抗Mh1~Mh4に印加される。その他の基本的な構成は第1の実施形態によるガスセンサ1Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図19は、本実施形態によるガスセンサ3Aの動作波形図である。
図19に示すように、本実施形態によるガスセンサ3Aにおいても、期間T1,T2に自己診断動作が行われ、その後、ガス検知動作を行う期間T3と期間T4が繰り返される。
第1の自己診断動作を実行する自己診断期間T1においては、制御電圧Vmh2,Vmh3をいずれも第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4をハイレベルに設定する。制御電圧Vmh1,Vmh4についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd2,Rd3はヒータ抵抗Mh2,Mh3によって第1の温度(150℃)に加熱される。サーミスタRd1,Rd4については、ヒータ抵抗Mh1,Mh4による加熱が停止される。また、自己診断期間T1においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第2の自己診断動作を実行する自己診断期間T2においては、制御電圧Vmh1~Vmh4をいずれも第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4をローレベルに設定する。これにより、サーミスタRd1~Rd4はヒータ抵抗Mh1~Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。また、自己診断期間T2においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第1のガス検知動作を実行するガス検知期間T3においては、制御電圧Vmh2,Vmh3,Vmh4をそれぞれ第1、第2及び第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw4をローレベルに設定する。制御電圧Vmh1についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd2はヒータ抵抗Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd3,Rd4はヒータ抵抗Mh3,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。一方、サーミスタRd1については、ヒータ抵抗Mh1による加熱が停止される。また、ガス検知期間T3においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
第2のガス検知動作を実行するガス検知期間T4においては、制御電圧Vmh1,Vmh2,Vmh3をそれぞれ第2、第2及び第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1をローレベルに設定する。制御電圧Vmh4についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd3はヒータ抵抗Mh3によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd1,Rd2はヒータ抵抗Mh1,Mh2によって第2の温度(300℃)に加熱される。一方、サーミスタRd4については、ヒータ抵抗Mh4による加熱が停止される。また、ガス検知期間T4においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
このように、本実施形態によるガスセンサ3Aは、ヒータ抵抗Mh1~Mh4をそれぞれ独立して制御していることから、無効化されたサーミスタRd1,Rd4の加熱を停止することができる。これにより、第1の実施形態によるガスセンサ1Aと比べて、消費電力を削減することが可能となる。
<第7の実施形態>
図20は、本発明の第8の実施形態によるガスセンサ3Bの構成を示す回路図である。
図20は、本発明の第8の実施形態によるガスセンサ3Bの構成を示す回路図である。
図20に示すように、第7の実施形態によるガスセンサ3Bは、第6の実施形態によるガスセンサ3Aと同様、制御回路20にボルテージフォロアである差動アンプ24,25が追加されている。その他の基本的な構成は第2の実施形態によるガスセンサ1B又は第6の実施形態によるガスセンサ3Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図21は、本実施形態によるガスセンサ3Bの動作波形図である。
図21に示すように、本実施形態によるガスセンサ3Bにおいても、期間T1,T2に自己診断動作が行われ、その後、ガス検知動作を行う期間T3と期間T4が繰り返される。
第1の自己診断動作を実行する自己診断期間T1においては、制御電圧Vmh2,Vmh3をいずれも第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw2,Vsw3をローレベルに設定する。制御電圧Vmh1,Vmh4についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd2,Rd3はヒータ抵抗Mh2,Mh3によって第1の温度(150℃)に加熱される。サーミスタRd1,Rd4については、ヒータ抵抗Mh1,Mh4による加熱が停止される。また、自己診断期間T1においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第2の自己診断動作を実行する自己診断期間T2においては、制御電圧Vmh1,Vmh4をいずれも第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw2,Vsw3をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1,Vsw4をローレベルに設定する。制御電圧Vmh2,Vmh3についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd1,Rd4はヒータ抵抗Mh1,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。サーミスタRd2,Rd3については、ヒータ抵抗Mh2,Mh3による加熱が停止される。また、自己診断期間T2においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第1のガス検知動作を実行するガス検知期間T3においては、制御電圧Vmh2,Vmh4をそれぞれ第1及び第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw3をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw2,Vsw4をローレベルに設定する。制御電圧Vmh1,Vmh3についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd2はヒータ抵抗Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd4はヒータ抵抗Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。一方、サーミスタRd1,Rd3については、ヒータ抵抗Mh1,Mh3による加熱が停止される。また、ガス検知期間T3においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
第2のガス検知動作を実行するガス検知期間T4においては、制御電圧Vmh1,Vmh3をそれぞれ第2及び第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw2,Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1,Vsw3をローレベルに設定する。制御電圧Vmh2,Vmh4についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd3はヒータ抵抗Mh3によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd1はヒータ抵抗Mh1によって第2の温度(300℃)に加熱される。一方、サーミスタRd2,Rd4については、ヒータ抵抗Mh2,Mh4による加熱が停止される。また、ガス検知期間T4においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
このように、本実施形態によるガスセンサ3Bは、ヒータ抵抗Mh1~Mh4をそれぞれ独立して制御していることから、無効化されたサーミスタRd1~Rd4の加熱を停止することができる。これにより、第6の実施形態によるガスセンサ3Aよりもさらに消費電力を削減することが可能となる。
<第8の実施形態>
図22は、本発明の第8の実施形態によるガスセンサ4の構成を示す回路図である。
図22は、本発明の第8の実施形態によるガスセンサ4の構成を示す回路図である。
図22に示すように、第8の実施形態によるガスセンサ4は、第1の電源である電源Vccと接続ノードNの間にサーミスタRd1,Rd2が並列に接続され、第2の電源であるグランドGndと接続ノードNの間にサーミスタRd3,Rd4が並列に接続されているとともに、スイッチSw1~Sw4がサーミスタRd1~Rd4に対して直列に接続されている点において、第7の実施形態によるガスセンサ3Bと相違する。その他の基本的な構成は第7の実施形態によるガスセンサ3Bと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては、サーミスタRd1~Rd4を有効化する場合には対応するスイッチSw1~Sw4をオンさせ、サーミスタRd1~Rd4を無効化する場合には対応するスイッチSw1~Sw4をオフさせる。
図23は、本実施形態によるガスセンサ4の動作波形図である。
図23に示すように、本実施形態によるガスセンサ4においても、期間T1,T2に自己診断動作が行われ、その後、ガス検知動作を行う期間T3と期間T4が繰り返される。
第1の自己診断動作を実行する自己診断期間T1においては、制御電圧Vmh2,Vmh3をいずれも第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw2,Vsw3をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1,Vsw4をローレベルに設定する。制御電圧Vmh1,Vmh4についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd2,Rd3はヒータ抵抗Mh2,Mh3によって第1の温度(150℃)に加熱される。サーミスタRd1,Rd4については、ヒータ抵抗Mh1,Mh4による加熱が停止される。また、スイッチSw2,Sw3がオンし、スイッチSw1,Sw4がオフすることから、サーミスタRd1,Rd4は接続ノードNから切り離される。自己診断期間T1においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第2の自己診断動作を実行する自己診断期間T2においては、制御電圧Vmh1,Vmh4をいずれも第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw2,Vsw3をローレベルに設定する。制御電圧Vmh2,Vmh3についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd1,Rd4はヒータ抵抗Mh1,Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。サーミスタRd2,Rd3については、ヒータ抵抗Mh2,Mh3による加熱が停止される。また、スイッチSw1,Sw4がオンし、スイッチSw2,Sw3がオフすることから、サーミスタRd2,Rd3は接続ノードNから切り離される。自己診断期間T2においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref2が選択される。
第1のガス検知動作を実行するガス検知期間T3においては、制御電圧Vmh2,Vmh4をそれぞれ第1及び第2のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw2,Vsw4をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw1,Vsw3をローレベルに設定する。制御電圧Vmh1,Vmh3についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd2はヒータ抵抗Mh2によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd4はヒータ抵抗Mh4によって第2の温度(300℃)に加熱される。一方、サーミスタRd1,Rd3については、ヒータ抵抗Mh1,Mh3による加熱が停止される。また、スイッチSw2,Sw4がオンし、スイッチSw1,Sw3がオフすることから、サーミスタRd1,Rd3は接続ノードNから切り離される。ガス検知期間T3においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
第2のガス検知動作を実行するガス検知期間T4においては、制御電圧Vmh1,Vmh3をそれぞれ第2及び第1のレベルに設定するとともに、切り替え信号Vsw1,Vsw3をハイレベルに設定し、切り替え信号Vsw2,Vsw4をローレベルに設定する。制御電圧Vmh2,Vmh4についてはグランドGndレベルとする。これにより、サーミスタRd3はヒータ抵抗Mh3によって第1の温度(150℃)に加熱され、サーミスタRd1はヒータ抵抗Mh1によって第2の温度(300℃)に加熱される。一方、サーミスタRd2,Rd4については、ヒータ抵抗Mh2,Mh4による加熱が停止される。また、スイッチSw1,Sw3がオンし、スイッチSw2,Sw4がオフすることから、サーミスタRd2,Rd4は接続ノードNから切り離される。ガス検知期間T4においては、スイッチSw5によってリファレンス電位Vref1が選択される。
本実施形態が例示するように、サーミスタRd1,Rd2は電源Vccと接続ノードNの間に並列接続しても構わないし、サーミスタRd3,Rd4はグランドGndと接続ノードNの間に並列接続しても構わない。尚、サーミスタとスイッチの接続位置は図22とは逆であっても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態では、ガス検知動作T3とガス検知動作T4を交互に実行しているが、本発明においてこの点は必須ではなく、ガス検知動作T3を複数回実行した後、ガス検知動作T4を複数回実行しても構わない。
また、上記各実施形態においては、雰囲気中におけるCO2ガスの濃度を検出するガスセンサを例に説明したが、本発明において検出対象ガスがこれに限定されるものではない。また、本発明の対象が熱伝導式のガスセンサに限定されるものではなく、接触燃焼式など他の方式のガスセンサに応用することも可能である。
1A~1C,2A,2B,3A,3B,4 ガスセンサ
20 制御回路
21~25 差動アンプ
26 ADコンバータ
27 DAコンバータ
28 信号処理部
30 感度補正部
31~34 メモリ
Mh1~Mh6 ヒータ抵抗
N 接続ノード
R1~R5 抵抗
Rd1~Rd4 サーミスタ
S,S1~S4 センサ部
Sw1~Sw5 スイッチ
Vmh1~Vmh4 制御電圧
Vsw1~Vsw5 切り替え信号
20 制御回路
21~25 差動アンプ
26 ADコンバータ
27 DAコンバータ
28 信号処理部
30 感度補正部
31~34 メモリ
Mh1~Mh6 ヒータ抵抗
N 接続ノード
R1~R5 抵抗
Rd1~Rd4 サーミスタ
S,S1~S4 センサ部
Sw1~Sw5 スイッチ
Vmh1~Vmh4 制御電圧
Vsw1~Vsw5 切り替え信号
Claims (14)
- 検出対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する第2及び第3の素子と、
前記検出対象ガスの濃度に応じた抵抗値の変化が前記第2及び第3の素子よりも小さい第1及び第4の素子と、
少なくとも前記第1及び第4の素子の有効又は無効を切り替えるスイッチと、
前記検出対象ガスの濃度を示す出力信号を生成するとともに、前記スイッチを制御する制御回路と、を備え、
前記第1及び第2の素子は、第1の電源と接続ノードの間に接続され、
前記第3及び第4の素子は、第2の電源と前記接続ノードの間に接続され、
前記制御回路は、前記スイッチを制御することにより、
第1の自己診断期間においては前記第2及び第3の素子を有効化するとともに前記第1及び第4の素子を無効化することによって前記接続ノードに現れる電位を示す第1のオフセット情報を生成し、
第1のガス検知期間においては前記第2及び第4の素子を有効化するとともに前記第1の素子を無効化することによって前記接続ノードに現れる電位を示す第1の検出情報を生成し、
第2のガス検知期間においては前記第1及び第3の素子を有効化するとともに前記第4の素子を無効化することによって前記接続ノードに現れる電位を示す第2の検出情報を生成し、
前記制御回路は、前記第1及び第2の検出情報と前記第1のオフセット情報に基づいて前記出力信号を生成することを特徴とするガスセンサ。 - 前記制御回路は、前記接続ノードの電位とリファレンス電位を比較する差動アンプと、前記差動アンプの出力に基づいて前記出力信号を生成するとともに、前記第1のオフセット情報に基づいて前記リファレンス電位のレベルを設定する信号処理部とを含むことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記信号処理部は、前記リファレンス電位のレベルを前記第1の自己診断期間において前記接続ノードに現れる電位に設定することを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ。
- 前記信号処理部は、前記第1の自己診断期間において前記接続ノードに現れる電位に基づいて、前記接続ノードの電位とリファレンス電位の差電位と前記出力信号の関係を補正することを特徴とする請求項2又は3に記載のガスセンサ。
- 前記信号処理部は、前記第1の自己診断期間において前記接続ノードに現れる電位に基づいて前記差動アンプのゲインを調整することによって、前記差電位と前記出力信号の関係を補正することを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
- 前記制御回路は、前記スイッチを制御することにより、第2の自己診断期間においては前記第1及び第4の素子を有効化することによって前記接続ノードに現れる電位を示す第2のオフセット情報を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガスセンサ。
- 前記制御回路は、前記第1のオフセット情報と前記第2のオフセット情報が所定の条件を満たすか否か判定することを特徴とする請求項6に記載のガスセンサ。
- 前記第1及び第2の素子は同一のチップ上に集積され、前記第3及び第4の素子は同一のチップ上に集積されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガスセンサ。
- 前記第1及び第2の素子は、前記第1の電源と前記接続ノードの間に直列に接続され、
前記第3及び第4の素子は、前記第2の電源と前記接続ノードの間に直列に接続され、
前記スイッチは、前記第1の素子に並列に接続された第1のスイッチと、前記第4の素子に並列に接続された第2のスイッチとを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のガスセンサ。 - 前記第1乃至第4の素子を加熱するヒータをさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1の自己診断期間においては、前記第1及び第2のスイッチをオンさせることによって前記第1及び第4の素子を無効化するとともに、前記ヒータによって前記第2及び第3の素子をいずれも第1の温度に加熱し、
前記第1のガス検知期間においては、前記第1のスイッチをオンさせることによって前記第1の素子を無効化するとともに、前記ヒータによって前記第2及び第4の素子をそれぞれ前記第1の温度及び第2の温度に加熱し、
前記第2のガス検知期間においては、前記第2のスイッチをオンさせることによって前記第4の素子を無効化するとともに、前記ヒータによって前記第1及び第3の素子をそれぞれ前記第2及び第1の温度に加熱することを特徴とする請求項9に記載のガスセンサ。 - 前記ヒータは、それぞれ前記第1乃至第4の素子を加熱する第1乃至第4のヒータを含み、
前記制御回路は、
前記第1の自己診断期間においては、前記第2及び第3のヒータによって前記第2及び第3の素子をいずれも前記第1の温度に加熱するとともに、前記第1及び第4のヒータによる加熱を停止し、
前記第1のガス検知期間においては、前記第2、第3及び第4のヒータによって前記第2、第3及び第4の素子をそれぞれ前記第1、第2及び第2の温度に加熱するとともに、前記第1のヒータによる加熱を停止し、
前記第2のガス検知期間においては、前記第1、第2及び第3のヒータによって前記第1、第2及び第3の素子をそれぞれ前記第2、第2及び第1の温度に加熱するとともに、前記第4のヒータによる加熱を停止することを特徴とする請求項10に記載のガスセンサ。 - 前記スイッチは、前記第2の素子に並列に接続された第3のスイッチと、前記第3の素子に並列に接続された第4のスイッチとをさらに含み、
前記制御回路は、
前記第1のガス検知期間においては、前記第1及び第4のスイッチをオンさせることによって前記第1及び第3の素子を無効化し、
前記第2のガス検知期間においては、前記第2及び第3のスイッチをオンさせることによって前記第2及び第4の素子を無効化することを特徴とする請求項10に記載のガスセンサ。 - 前記ヒータは、それぞれ前記第1乃至第4の素子を加熱する第1乃至第4のヒータを含み、
前記制御回路は、
前記第1の自己診断期間においては、前記第2及び第3のヒータによって前記第2及び第3の素子をいずれも前記第1の温度に加熱するとともに、前記第1及び第4のヒータによる加熱を停止し、
前記第1のガス検知期間においては、前記第2及び第4のヒータによって前記第2及び第4の素子をそれぞれ前記第1及び第2の温度に加熱するとともに、前記第1及び第3のヒータによる加熱を停止し、
前記第2のガス検知期間においては、前記第1及び第3のヒータによって前記第1及び第3の素子をそれぞれ前記第2及び第1の温度に加熱するとともに、前記第2及び第4のヒータによる加熱を停止することを特徴とする請求項12に記載のガスセンサ。 - 前記第1及び第2の素子は、前記第1の電源と前記接続ノードの間に並列に接続され、
前記第3及び第4の素子は、前記第2の電源と前記接続ノードの間に並列に接続され、
前記スイッチは、前記第1乃至第4の素子に対してそれぞれ直列に接続された第1乃至第4のスイッチを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021150047A JP2023042745A (ja) | 2021-09-15 | 2021-09-15 | ガスセンサ |
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