JP2023056616A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

Figure 2023056616000001
【課題】分解能の高いDAコンバータを用いることなくリファレンス電圧を高精度に生成する。
【解決手段】ガスセンサ10は、センサ部Sから出力されるガス検出信号Vgasに基づいて出力信号Voutを生成する制御回路20を備える。制御回路20は、ガス検出信号Vgasとリファレンス電圧Vrefの差を増幅することによって増幅信号Vampを生成するアンプ21と、リファレンス電圧Vrefとオフセット電圧Vfの差分を示すデジタル値D1をm倍に増幅することによってデジタル値D2を生成する演算部25と、デジタル値D2をDA変換することによって差分電圧Vdef2を生成するDAコンバータ24と、差分電圧Vdef2を1/m倍に減衰した差分電圧Vdef1とオフセット電圧Vfに基づいてリファレンス電圧Vrefを生成するリファレンス電圧生成回路26とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明はガスセンサに関し、特に、ガス検出信号と比較されるリファレンス電圧をDAコンバータによって生成するガスセンサに関する。
特許文献1には、半導体ガスセンサから出力されるガス検出信号とリファレンス電圧を比較する差動増幅器と、リファレンス電圧を生成するDAコンバータとを備えたガスセンサが開示されている。
特開昭56-40996号公報
しかしながら、DAコンバータの分解能が低いと、リファレンス電圧を高精度に生成することができないという問題があった。リファレンス電圧を高精度に生成するためには、分解能の高いDAコンバータを用いれば良いが、分解能の高いDAコンバータを用いるとガスセンサのコストが増大してしまう。
したがって、本発明は、分解能の高いDAコンバータを用いることなく、リファレンス電圧を高精度に生成することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
本発明によるガスセンサは、測定対象ガスの濃度に応じたガス検出信号を生成するセンサ部と、ガス検出信号に基づいて測定対象ガスの濃度を示す出力信号を生成する制御回路とを備え、制御回路は、ガス検出信号とガス検出信号の基準となるリファレンス電圧の差を増幅することによって増幅信号を生成するアンプと、リファレンス電圧とリファレンス電圧の生成に用いるオフセット電圧の差分を示す第1のデジタル値をm倍に増幅することによって第2のデジタル値を生成する演算部と、第2のデジタル値をDA変換することによって第1の差分電圧を生成するDAコンバータと、第1の差分電圧を1/m倍に減衰した第2の差分電圧とオフセット電圧に基づいて、リファレンス電圧を生成するリファレンス電圧生成回路とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1のデジタル値をm倍に増幅した第2のデジタル値をDAコンバータに入力し、DAコンバータから出力される第1の差分電圧を1/m倍に減衰した第2の差分電圧を用いてことから、DAコンバータの見かけ上の分解能がm倍となる。これにより、分解能の高いDAコンバータを用いることなく、アンプに供給するリファレンス電圧を高精度に生成することが可能となる。
本発明において、制御回路は、増幅信号をAD変換することによって第3のデジタル値を生成するADコンバータをさらに備え、演算部は第3のデジタル値に基づいて出力信号を生成しても構わない。これによれば、測定対象ガスの濃度を示す出力信号をデジタル演算により生成することが可能となる。この場合、DAコンバータはADコンバータよりも分解能が低くても構わない。これによれば、ガスセンサを低コストで提供することが可能となる。
本発明において、演算部は、環境温度に応じて第1のデジタル値を変化させても構わない。これによれば、環境温度に応じた測定誤差を低減することが可能となる。この場合、演算部は、増幅信号に基づいて、環境温度に関わらず一定のリファレンス電圧と、環境温度によって変化するオフセット電圧を決定しても構わない。
本発明において、mの値は2のべき乗で表される値であっても構わない。これによれば、第1のデジタル値に基づく第2のデジタル値の生成が容易となる。
本発明において、センサ部は、測定対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する第1及び第2の検出素子と、第1及び第2の検出素子をそれぞれ加熱する第1及び第2のヒータ抵抗とを含み、ガス検出信号は第1の素子と第2の素子の接続点に表れ、第1の期間においては第1及び第2の検出素子が第1及び第2のヒータ抵抗によってそれぞれ第1及び第2の温度に加熱され、第2の期間においては第1及び第2の検出素子が第1及び第2のヒータ抵抗によってそれぞれ第2及び第1の温度に加熱されても構わない。これによれば、第1及び第2の検出素子の熱履歴の差が大幅に減少することから、経時変化による測定誤差を抑えることが可能となる。
本発明において、センサ部は、環境温度に応じた温度検出信号を生成する温度センサをさらに含み、制御回路は、温度検出信号に応じて、第1及び第2のヒータ抵抗に印加するヒータ電圧を変化させても構わない。これによれば、環境温度に応じた測定誤差を低減することが可能となる。
本発明において、制御回路は、温度検出信号に応じて第1のヒータ電圧を生成する第1のヒータ電圧生成回路と、温度検出信号に応じて第1のヒータ電圧とは異なる第2のヒータ電圧を生成する第2のヒータ電圧生成回路とをさらに含み、第1の期間においては第1及び第2のヒータ抵抗にそれぞれ第1及び第2のヒータ電圧が印加され、第2の期間においては第1及び第2のヒータ抵抗にそれぞれ第2及び第1のヒータ電圧が印加されても構わない。これによれば、第1及び第2のヒータ電圧生成回路を第1及び第2のヒータ抵抗で共用することが可能となる。
このように、本発明によれば、分解能の高いDAコンバータを用いることなく、リファレンス電圧を高精度に生成することが可能なガスセンサを提供することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態によるガスセンサ10の構成を示す回路図である。 図2は、環境温度と電圧Va,Vb,Vdの関係を示すグラフである。 図3は、環境温度と電圧Va,Vc,Veの関係を示すグラフである。 図4は、リファレンス電圧設定動作を行う前後の動作を説明するためのフローチャートである。 図5は、リファレンス電圧設定動作を説明するためのフローチャートである。 図6は、環境温度とガス検出信号Vgasの関係の一例を示すグラフである。 図7は、環境温度と差分電圧Vdef1(デジタル値D1)の関係の一例を示すグラフである。 図8は、オフセット電圧Vf及び環境温度と差分電圧Vdef2(デジタル値D2)の関係の一例を示すグラフである。 図9は、ガス濃度測定動作を行う前後の動作を説明するためのフローチャートである。 図10は、ガスセンサ10の動作タイミング図である。 図11は、ガス濃度測定動作(ステップS32)を説明するためのフローチャートである。 図12は、環境温度とリファレンス電圧Vrefの関係の一例を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるガスセンサ10の構成を示す回路図である。
図1に示すように、本実施形態によるガスセンサ10は、センサ部Sと制御回路20を備えている。特に限定されるものではないが、本実施形態によるガスセンサ10は、雰囲気中におけるCOガスの濃度を検出するものである。
センサ部Sは、測定対象ガスであるCOガスの濃度を測定するための熱伝導式のガスセンサであり、第1~第3のセンサ部S1~S3を有している。第1のセンサ部S1は、第1のサーミスタRd1及びこれを加熱する第1のヒータ抵抗MH1を含む。同様に、第2のセンサ部S2は、第2のサーミスタRd2及びこれを加熱する第2のヒータ抵抗MH2を含む。第3のセンサ部S3は、第3のサーミスタRd3を含む。第1~第3のサーミスタRd1~Rd3は、例えば、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の抵抗温度係数を持つ材料からなる検出素子である。第1及び第2のサーミスタRd1,Rd2は、いずれもCOガスの濃度を検出するものであるが、後述するように動作温度が互いに異なっている。また、第3のサーミスタRd3は、環境温度を検出する温度センサとして機能する。
図1に示すように、第1のサーミスタRd1と第2のサーミスタRd2は、電源電位Vccが供給される配線と接地電位GNDが供給される配線との間に直列に接続されている。第1のサーミスタRd1は第1のヒータ抵抗MH1によって加熱され、第2のサーミスタRd2は第2のヒータ抵抗MH2によって加熱される。第1のサーミスタRd1と第2のサーミスタRd2の接続点にはガス検出信号Vgasが表れる。ガス検出信号Vgasは制御回路20に供給される。第3のセンサ部S3は第3のサーミスタRd3からなり、電源電位Vccが供給される配線と接地電位GNDが供給される配線との間に、固定抵抗R1と第3のサーミスタRd3が直列に接続されている。固定抵抗R1と第3のサーミスタRd3の接続点からは、温度検出信号Vaが出力される。温度検出信号Vaは、制御回路20に入力される。
制御回路20は、アンプ21、バッファ22、ADコンバータ(ADC)23、DAコンバータ(DAC)24、演算部25、リファレンス電圧生成回路26、ヒータ電圧生成回路27,28を備えている。アンプ21は、ガス検出信号Vgasとリファレンス電圧Vrefを比較し、その差を増幅する。アンプ21から出力される増幅信号Vampは、ADコンバータ23に入力される。ADコンバータ23は増幅信号Vampをデジタル値D3に変換し、これを演算部25に供給する。一方、DAコンバータ24は、演算部25から供給されるデジタル値D2をアナログ変換することによって差分電圧Vdef2を生成する。差分電圧Vdef2は、リファレンス電圧生成回路26に供給される。
リファレンス電圧生成回路26は、オフセット電圧源31、アンプA1、可変抵抗R7、抵抗R8及びキャパシタC1からなる。キャパシタC1は、アンプA1の発振を防止するための位相補償用素子である。アンプA1、可変抵抗R7及び抵抗R8は減算回路を構成し、可変抵抗R7と抵抗R8の抵抗比(R7/R8)によって決まる減衰率で差分電圧Vdef2のレベルを低下させる。そして、アンプA1の+端子にはオフセット電圧源31からのオフセット電圧Vfが入力されることから、アンプA1から出力されるリファレンス電圧Vrefは、Vf+Vdef(R7/R8)となる。オフセット電圧源31は可変であり、演算部25の制御によってオフセット電圧Vfを調整することができる。
温度検出信号Vaは、バッファ22及びヒータ電圧生成回路27,28に供給される。バッファ22に供給された温度検出信号Vaは、ADコンバータ23によってデジタル変換され、演算部25に供給される。ヒータ電圧生成回路27,28は、温度検出信号Vaに基づいてヒータ電圧Vb,Vcをそれぞれ生成する。ヒータ電圧Vb,Vcは、スイッチ回路SW1,SW2にそれぞれ供給される。スイッチ回路SW1,SW2の接続先は、演算部25の制御によってノードN1~N3のいずれかに切り替えられる。スイッチ回路SW1,SW2の接続先がノードN1に設定されると、ヒータ電圧Vbはヒータ抵抗MH1に印加されるヒータ電圧Vmh1として用いられ、ヒータ電圧Vcはヒータ抵抗MH2に印加されるヒータ電圧Vmh2として用いられる。これに対し、スイッチ回路SW1,SW2の接続先がノードN3に設定されると、ヒータ電圧Vbはヒータ抵抗MH2に印加されるヒータ電圧Vmh2として用いられ、ヒータ電圧Vcはヒータ抵抗MH1に印加されるヒータ電圧Vmh1として用いられる。また、スイッチ回路SW1,SW2の接続先がノードN2に設定されると、ヒータ電圧Vb,Vcはいずれもヒータ抵抗MH1,MH2には供給されなくなり、消費電力が削減される。
ヒータ電圧生成回路27は、リファレンス電圧源32、アンプA2、可変抵抗R3、抵抗R4及びキャパシタC2からなる。キャパシタC2は、アンプA2の発振を防止するための位相補償用素子である。アンプA2、可変抵抗R3及び抵抗R4は減算回路を構成し、可変抵抗R3と抵抗R4の抵抗比(R3/R4)によって決まる減衰率で温度検出信号Vaのレベルを低下させる。そして、アンプA2の+端子にはリファレンス電圧源32の電圧Vdが入力されることから、アンプA2から出力されるヒータ電圧Vbは、Vd+Va(R3/R4)となる。
ヒータ電圧生成回路28は、リファレンス電圧源33、アンプA3、可変抵抗R5、抵抗R6及びキャパシタC3からなる。キャパシタC3は、アンプA3の発振を防止するための位相補償用素子である。アンプA3、可変抵抗R5及び抵抗R6は減算回路を構成し、可変抵抗R5と抵抗R6の抵抗比(R5/R6)によって決まる減衰率で温度検出信号Vaのレベルを低下させる。そして、アンプA3の+端子にはリファレンス電圧源33の電圧Veが入力されることから、アンプA3から出力されるヒータ電圧Vcは、Ve+Va(R5/R6)となる。
オフセット電圧源31の電圧Vdとリファレンス電圧源32の電圧Veは互いに異なっている。電圧Vdは、ヒータ抵抗MH1又はMH2によってサーミスタRd1又はRd2を150℃に加熱するレベルに設定され、電圧Veは、ヒータ抵抗MH1又はMH2によってサーミスタRd1又はRd2を300℃に加熱するレベルに設定される。ここで、サーミスタRd1又はRd2を150℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCOガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd1又はRd2の放熱特性が変化する。かかる変化は、サーミスタRd1又はRd2の抵抗値の変化となって現れる。一方、サーミスタRd1又はRd2を300℃に加熱した状態で測定雰囲気中にCOガスが存在しても、サーミスタRd1又はRd2の抵抗値はほとんど変化しない。
また、可変抵抗R3と抵抗R4の抵抗比(R3/R4)と可変抵抗R5と抵抗R6の抵抗比(R5/R6)は、互いに異なっていても構わない。可変抵抗R3と抵抗R4の抵抗比(R3/R4)は、ヒータ電圧Vbが環境温度に関わらずほぼ一定となるよう設計され、可変抵抗R5と抵抗R6の抵抗比(R5/R6)は、ヒータ電圧Vcが環境温度に関わらずほぼ一定となるよう設計される。これらの抵抗比は、可変抵抗R3,R5の抵抗値を変化させることによって調整することができる。
図2は環境温度と電圧Va,Vb,Vdの関係を示すグラフであり、図3は環境温度と電圧Va,Vc,Veの関係を示すグラフである。
図2及び図3に示すように、環境温度が高くなると、サーミスタRd3の抵抗値が低くなるため、温度センサ部S3から出力される温度検出信号Vaが低下する。温度検出信号Vaは、ヒータ電圧生成回路27,28に供給される。ヒータ電圧生成回路27に供給された温度検出信号Vaは、アンプA2、可変抵抗R3及び抵抗R4からなる減算回路によって所定の減衰率で減衰されるとともに、リファレンス電圧源32の電圧Vdが加算される。これにより、ヒータ電圧Vbのレベルは環境温度が高くなるほど低くなるため、環境温度に関わらず、サーミスタRd1又はRd2を一定の温度(例えば150℃)で加熱することが可能となる。同様に、ヒータ電圧生成回路28に供給された温度検出信号Vaは、アンプA3、可変抵抗R5及び抵抗R6からなる減算回路によって所定の減衰率で減衰されるとともに、リファレンス電圧源33の電圧Veが加算される。これにより、ヒータ電圧Vcのレベルは環境温度が高くなるほど低くなるため、環境温度に関わらず、サーミスタRd1又はRd2を一定の温度(例えば300℃)で加熱することが可能となる。
次に、本実施形態によるガスセンサ10の動作について説明する。
本実施形態によるガスセンサ10は、リファレンス電圧設定動作を行った後、ガス濃度測定動作を行う。図4に示すように、リファレンス電圧設定動作(ステップS12)は、スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN1に設定し(ステップS10)、所定のディレイ時間が経過(ステップS11)した後に実行される。スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN1に設定すると、サーミスタRd1は150℃に加熱され、サーミスタRd2は300℃に加熱される。リファレンス電圧設定動作(ステップS12)が完了すると、スイッチ回路SW1,SW2の接続先を一旦ノードN2に設定した後(ステップS13)、スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN3に設定する(ステップS14)。スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN3に設定すると、サーミスタRd1が300℃に加熱され、サーミスタRd2が150℃に加熱される。そして、所定のディレイ時間が経過(ステップS15)した後、スイッチ回路SW1,SW2の接続先を再びノードN2に設定する(ステップS16)。これにより、リファレンス電圧設定動作における、サーミスタRd1とサーミスタRd2の熱履歴をほぼ一致させることが可能となる。
図5は、リファレンス電圧設定動作(ステップS12)を説明するためのフローチャートである。
リファレンス電圧設定動作(ステップS12)においては、演算部25から仮のデジタル値D2を出力することによって仮の差分電圧Vdef2を生成するとともに、オフセット電圧源31を制御することによって仮のオフセット電圧Vfを生成する(ステップS20)。次に、可変抵抗R7の抵抗値を抵抗R8の抵抗値と一致させる(ステップS21)。これにより、リファレンス電圧生成回路26に含まれる減算回路の減衰比が1となるため、アンプA1から出力されるリファレンス電圧Vrefのレベルは、
Vref=Vf+Vdef2
となる。このようにして生成された仮のリファレンス電圧Vrefは、アンプ21に供給される(ステップS22)。
次に、図示しないヒータ等を用いて、環境温度を連続的又は段階的に変化させる(ステップS23)。環境温度の変化範囲は、実使用状態において想定される温度範囲とすることが好ましく、例えば10℃から60℃の範囲である。この動作は、雰囲気中に測定対象ガスが存在しない、或いは、定常状態である環境にて実行する。例えば、測定対象ガスがCOガスである場合、COガスの濃度が通常の大気中における一定濃度である環境にて実行する。これにより、センサ部Sからは、各温度環境におけるガス検出信号Vgasが出力される。ガス検出信号Vgasはアンプ21によって仮のリファレンス電圧Vrefと比較され、増幅信号Vampが生成される。アンプ21のゲインをGとした場合、増幅信号Vampのレベルは、
Vamp=G(Vgas-Vref)+Vref
となる。増幅信号Vampは、ADコンバータ23によってデジタル値D3に変換され、演算部25に供給される。演算部25は、所定の時間間隔でデジタル値D3を読み込み(ステップS24)、環境温度と関連付けてデジタル値D3を記憶する(ステップS25)。
次に、演算部25は、環境温度と関連付けて記憶したデジタル値D3から実際のガス検出信号Vgasを算出する(ステップS26)。ガス検出信号Vgasは、
Vgas=(D3+Vref/(G-1))/G
で算出することができる。ガス検出信号Vgasの算出はデジタル演算により行われるため、リファレンス電圧Vrefの値は、ステップS11で用いた仮のデジタル値D2とオフセット電圧Vfの設定値を使用する。これにより、演算部25の内部には、測定対象ガスが存在しない状態或いは定常状態における、環境温度とガス検出信号Vgasの関係を示す第1の関係式F1(又はデータテーブル)が生成される(ステップS26)。図6は、環境温度とガス検出信号Vgasの関係の一例を示すグラフである。
次に、オフセット電圧Vfを決定し(ステップS27)、ガス検出信号Vgasとオフセット電圧Vfの差分電圧Vdef1(=Vgas-Vf)を算出する(ステップS28)。差分電圧Vdef1は、デジタル値D1で表される。これにより、環境温度とデジタル値D1の関係を示す第2の関係式F2(又はデータテーブル)が生成される。オフセット電圧Vfは、第1の関係式F1が示すガス検出信号Vgasの最小値又はガス検出信号Vgasの最小値よりもやや小さいレベルに設定する。例えば、図6に示すように、ガス検出信号Vgasの最小値が約0.967Vである場合には、オフセット電圧Vfを0.96Vに設定すれば良い。この場合、環境温度と差分電圧Vdef1の関係は、図7に示す関係となる。
ここで、環境温度に応じた差分電圧Vdef1の変化は非常に小さいことから、差分電圧Vdef1に相当するデジタル値D1をそのままDAコンバータ24に供給しても、DAコンバータ24の分解能によってはデジタル値D1を差分電圧Vdef1に正確に変換することができない。このため、本実施形態においては、演算部25によってデジタル値D1をm倍に増幅したデジタル値D2を生成する(ステップS29)。mの値は、DAコンバータ24の分解能に応じて定めれば良い。特に、mの値を2のべき乗で表される値(=2:但し、nは1以上の整数)に設定すれば、デジタル値D1の下位ビットをデジタル値D2の上位ビットに置き換えるだけで、簡単にデジタル値D2を生成することが可能となる。これにより、環境温度とデジタル値D2の関係を示す第3の関係式F3(又はデータテーブル)が生成される。例えば、環境温度を示す温度値をTcとした場合、第3の関係式F3は次式によって表すことができる。
Figure 2023056616000002

ここで、「R1」は抵抗R1の抵抗値、「B」はサーミスタRd3の温度係数、「Rref@25」は、環境温度が25℃である場合におけるサーミスタRd3の抵抗値、「a」~「d」は係数である。
以上によりリファレンス電圧設定動作(ステップS12)が完了し、オフセット電圧Vf及び環境温度に応じたデジタル値D2が決定する。デジタル値D2はDAコンバータ24に供給され、差分電圧Vdef2に変換される。図8は、オフセット電圧Vf及び環境温度と差分電圧Vdef2の関係の一例を示すグラフである。図8に示すように、デジタル値D2はデジタル値D1に対してm倍に増幅されていることから、環境温度に応じた差分電圧Vdef2の変化がm倍に増幅されている。オフセット電圧Vfについては一定であり、図8に示す例では0.96Vである。
図9は、ガス濃度測定動作を行う前後の動作を説明するためのフローチャートである。
図9に示すように、ガス濃度測定動作(ステップS32)は、スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN1に設定し(ステップS30)、所定のディレイ時間が経過(ステップS31)した後に実行される。スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN1に設定すると、サーミスタRd1は150℃に加熱され、サーミスタRd2は300℃に加熱される。ガス濃度測定動作(ステップS32)が完了すると、スイッチ回路SW1,SW2の接続先を一旦ノードN2に設定した後(ステップS33)、スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN3に設定する(ステップS34)。スイッチ回路SW1,SW2の接続先をノードN3に設定すると、サーミスタRd1が300℃に加熱され、サーミスタRd2が150℃に加熱される。そして、所定のディレイ時間が経過(ステップS35)した後、スイッチ回路SW1,SW2の接続先を再びノードN2に設定する(ステップS36)。これにより、サーミスタRd1とサーミスタRd2の熱履歴をほぼ一致させることが可能となる。このような動作は、図10に示すように繰り返し実行される。
図11は、ガス濃度測定動作(ステップS32)を説明するためのフローチャートである。
図11に示すように、ガス濃度測定動作(ステップS32)においては、まずオフセット電圧源31を制御することによりオフセット電圧Vfを発生させる(ステップS40)。オフセット電圧Vfのレベルは、上述したリファレンス電圧設定動作(ステップS12)において決定したレベルである。次に、可変抵抗R7の抵抗値を制御することによって、アンプA1、可変抵抗R7及び抵抗R8からなる減算回路の減衰率を1/mに設定する(ステップS41)。これは、可変抵抗R7の抵抗値を抵抗R8の1/m倍とすることにより実現できる。
次に、温度検出信号Vaを参照し、現在の環境温度に応じたデジタル値D2を出力する(ステップS42)。デジタル値D2は、環境温度とデジタル値D2の関係を示す第3の関係式F3(又はデータテーブル)を参照することによって決定される。これにより、アンプA1から出力されるリファレンス電圧Vrefのレベルは、
Vref=Vf+Vdef2/m
となる。つまり、演算部25によってm倍に増幅された差分電圧Vdef2がリファレンス電圧生成回路26に入力されると、1/m倍に減衰されることから、差分電圧Vdef1と同じレベルに復元される。図12は、環境温度とリファレンス電圧Vrefの関係の一例を示すグラフである。図12に示すように、環境温度とリファレンス電圧Vrefの関係は、図6に示した環境温度とガス検出信号Vgasの関係とほぼ一致していることが分かる。
この状態でアンプ21によってガス検出信号Vgasとリファレンス電圧Vrefの比較を行う。したがって、雰囲気中に測定対象ガスが存在しない、或いは、定常状態であれば、ガス検出信号Vgasとリファレンス電圧Vrefはほぼ一致する。これに対し、雰囲気中に測定対象ガスが存在する、或いは、定常状態よりも多くの測定対象ガスが存在する場合には、ガス検出信号Vgasとリファレンス電圧Vrefの差分がデジタル値D3に反映される。そして、演算部25は、デジタル値D3に基づいて測定対象ガスの濃度を示す出力信号Voutを生成する(ステップS43)。
このようなガス濃度測定動作(ステップS32)により、雰囲気中における測定対象ガスの濃度を正確に測定することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によるガスセンサ10によれば、DAコンバータ24の分解能が低い場合であっても、リファレンス電圧Vrefを高精度に生成することができることから、低コスト化を実現することが可能となる。一例として、ADコンバータ23の分解能が16ビットであるのに対し、DAコンバータ24の分解能が12ビットであったとしても、差分電圧Vdef1に相当するデジタル値D1を16倍することによってデジタル値D2を生成すれば、DAコンバータ24についても見かけ上16ビット相当の分解能を得ることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、測定対象ガスがCOガスである場合を例に説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。また、本発明において使用するセンサ部が熱伝導式のセンサであることは必須でなく、接触燃焼式など他の方式のセンサであっても構わない。
10 ガスセンサ
20 制御回路
21 アンプ
22 バッファ
23 ADコンバータ
24 DAコンバータ
25 演算部
26 リファレンス電圧生成回路
27,28 ヒータ電圧生成回路
31 オフセット電圧源
32,33 リファレンス電圧源
A1~A3 アンプ
C1~C3 キャパシタ
D1~D3 デジタル値
F1~F3 関係式
MH1,MH2 ヒータ抵抗
N1~N3 ノード
R1,R4,R6,R8 抵抗
R3,R5,R7 可変抵抗
Rd1~Rd3 サーミスタ
S,S1~S3 センサ部
SW1,SW2 スイッチ回路

Claims (9)

  1. 測定対象ガスの濃度に応じたガス検出信号を生成するセンサ部と、
    前記ガス検出信号に基づいて前記測定対象ガスの濃度を示す出力信号を生成する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記ガス検出信号と前記ガス検出信号の基準となるリファレンス電圧の差を増幅することによって増幅信号を生成するアンプと、
    前記リファレンス電圧と前記リファレンス電圧の生成に用いるオフセット電圧の差分を示す第1のデジタル値をm倍に増幅することによって第2のデジタル値を生成する演算部と、
    前記第2のデジタル値をDA変換することによって第1の差分電圧を生成するDAコンバータと、
    前記第1の差分電圧を1/m倍に減衰した第2の差分電圧と前記オフセット電圧に基づいて、前記リファレンス電圧を生成するリファレンス電圧生成回路と、を含むことを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記制御回路は、前記増幅信号をAD変換することによって第3のデジタル値を生成するADコンバータをさらに備え、
    前記演算部は、前記第3のデジタル値に基づいて前記出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記DAコンバータは、前記ADコンバータよりも分解能が低いことを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記演算部は、環境温度に応じて前記第1のデジタル値を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  5. 前記演算部は、前記増幅信号に基づいて、環境温度に関わらず一定の前記リファレンス電圧と、環境温度によって変化する前記オフセット電圧を決定することを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記mの値は、2のべき乗で表される値であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  7. 前記センサ部は、前記測定対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する第1及び第2の検出素子と、前記第1及び第2の検出素子をそれぞれ加熱する第1及び第2のヒータ抵抗とを含み、
    前記ガス検出信号は、前記第1の素子と前記第2の素子の接続点に表れ、
    第1の期間においては、前記第1及び第2の検出素子が前記第1及び第2のヒータ抵抗によってそれぞれ第1及び第2の温度に加熱され、
    第2の期間においては、前記第1及び第2の検出素子が前記第1及び第2のヒータ抵抗によってそれぞれ前記第2及び第1の温度に加熱されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  8. 前記センサ部は、環境温度に応じた温度検出信号を生成する温度センサをさらに含み、
    前記制御回路は、前記温度検出信号に応じて、前記第1及び第2のヒータ抵抗に印加するヒータ電圧を変化させることを特徴とする請求項7に記載のガスセンサ。
  9. 前記制御回路は、前記温度検出信号に応じて第1のヒータ電圧を生成する第1のヒータ電圧生成回路と、前記温度検出信号に応じて前記第1のヒータ電圧とは異なる第2のヒータ電圧を生成する第2のヒータ電圧生成回路とをさらに含み、
    前記第1の期間においては、前記第1及び第2のヒータ抵抗にそれぞれ前記第1及び第2のヒータ電圧が印加され、
    前記第2の期間においては、前記第1及び第2のヒータ抵抗にそれぞれ前記第2及び第1のヒータ電圧が印加されることを特徴とする請求項8に記載のガスセンサ。
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