JP6349789B2 - 補正装置、電圧検出装置、及び電力測定システム - Google Patents

補正装置、電圧検出装置、及び電力測定システム Download PDF

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Description

本発明は、増幅回路等の出力電圧の補正を行うための補正装置、これを用いた電圧検出装置、電力測定システムに関するものである。
近年、電気事業者による商用電源からの電力供給以外に、太陽光発電システム等の外部電源を接続し、商用電源を含む複数の外部電源によって電力供給を行う分散型電源システムが、一般住宅等にも普及しつつある。
上記のような電力供給形態では、各電源からの供給電力を管理する必要がある。このため、例えば、検出電圧を増幅するための反転増幅回路を備えた電力測定システムを各電源の電力供給路に接続し、各電源からの供給電力を測定することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−276386号公報
上記電圧検出装置は、反転増幅回路による電圧の出力特性に起因した検出誤差が生じる場合がある。
このため、検出誤差の要因となる反転増幅回路の出力特性を補償すべく、低コストで効果的に反転増幅回路の出力電圧を補正する必要性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低コストで効果的に増幅回路の出力電圧の補正を行うことができる補正装置、及びこれを用いた電圧検出装置、電力測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る補正装置は、入力電圧を増幅する増幅回路の出力電圧を補正する補正装置であって、前記増幅回路の入力端子に前記入力電圧を導く電路を開閉するとともに、前記入力端子を開放した状態とするか、又は前記入力端子に予め定められた所定電圧を入力するかを切り替え可能なスイッチと、第1状態である前記増幅回路において、前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記入力端子が開放された状態で出力する第1電圧、及び前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記所定電圧が入力された状態で出力する第2電圧を取得するとともに、前記第1状態における時間タイミングと異なる時間タイミングの第2状態である前記増幅回路において、前記第1電圧、及び前記第2電圧を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1状態及び前記第2状態それぞれにおける第1電圧及び第2電圧に基づいて、前記第2状態である前記増幅回路が出力する前記出力電圧に含まれる、前記第1状態である前記増幅回路の出力電圧を基準としたときの誤差を演算する演算部と、前記誤差に基づいて、前記増幅回路が前記入力電圧に応じて出力する前記出力電圧を補正する補正処理部と、を備えている。
また、本発明に係る電圧検出装置は、増幅回路と、上記補正装置と、を備えている。
また、本発明に係る電力測定システムは、上記電圧検出装置を備えている。
また、入力電圧を増幅する増幅回路の出力電圧を補正する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムは、コンピュータに第1状態である前記増幅回路において、前記増幅回路の入力端子に前記入力電圧を導く電路を開閉するとともに、前記入力端子を開放した状態とするか、又は前記入力端子に予め定められた所定電圧を入力するかを切り替え可能なスイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記入力端子が開放された状態で出力する第1電圧、及び前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記所定電圧が入力された状態で出力する第2電圧を取得するステップと、前記第1状態における時間タイミングと異なる時間タイミングの第2状態である前記増幅回路において、前記第1電圧、及び前記第2電圧を取得するステップと、前記第1状態及び前記第2状態それぞれにおける第1電圧及び第2電圧に基づいて、前記第2状態である前記増幅回路が出力する前記出力電圧に含まれる、前記第1状態である前記増幅回路の出力電圧を基準としたときの誤差を演算するステップと、前記誤差に基づいて、前記増幅回路が前記入力電圧に応じて出力する前記出力電圧を補正するステップとを実行させるためのものである。
本発明によれば、低コストで効果的に増幅回路の出力電圧の補正を行うことができる。
実施形態に係る電力測定システムを示すブロック図である。 電圧検出部が備えている第1増幅回路及び第1基準電源の詳細を示す図である。 制御装置が行う補正処理の手順を示すフローチャートである。 制御装置が行う補正用電圧値の更新(初期値の取得)処理の手順を示すフローチャートである。
[本願発明の実施形態の説明]
電圧検出装置等に用いられる増幅回路は、上述のように出力電圧の出力特性によって、検出電圧に誤差を生じさせる場合がある。
例えば、上記特許文献1に記載の電圧検出器では、入力電圧を所定周期で変化させ、その変化の前後における出力電圧の差分を求めて、増幅回路に用いられているオペアンプのオフセット電圧に起因する誤差を抑制し、検出電圧の精度を高めることが提案されている。
一方、増幅回路に用いられるオペアンプは、温度に応じて出力電圧に変動が生じることがあり、この出力電圧の変動によっても検出電圧に誤差を生じさせることがある。
しかし、上記特許文献1に記載の電圧検出器では、温度変化に起因する出力電圧の変動については抑制することができない。
この温度変化に応じた出力電圧の変動については、増幅回路を構成する各部に温度に対する特性変化が少ない精度の高い部品を用いることで抑圧することが可能であるが、コスト面で不利となる。
本願発明者は、この点に着目して本願発明を完成させた。
まず最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態である補正装置は、入力電圧を増幅する増幅回路の出力電圧を補正する補正装置であって、前記増幅回路の入力端子に前記入力電圧を導く電路を開閉するとともに、前記入力端子を開放した状態とするか、又は前記入力端子に予め定められた所定電圧を入力するかを切り替え可能なスイッチと、第1状態である前記増幅回路において、前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記入力端子が開放された状態で出力する第1電圧、及び前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記所定電圧が入力された状態で出力する第2電圧を取得するとともに、前記第1状態における時間タイミングと異なる時間タイミングの第2状態である前記増幅回路において、前記第1電圧、及び前記第2電圧を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1状態及び前記第2状態それぞれにおける第1電圧及び第2電圧に基づいて、前記第2状態である前記増幅回路が出力する前記出力電圧に含まれる、前記第1状態である前記増幅回路の出力電圧を基準としたときの誤差を演算する演算部と、前記誤差に基づいて、前記増幅回路が前記入力電圧に応じて出力する前記出力電圧を補正する補正処理部と、を備えている。
上記のように構成された補正装置によれば、第2状態の増幅回路が出力する出力電圧に含まれる、第1状態である増幅回路の出力電圧を基準としたときの誤差を演算するので、仮に、温度変化に応じて出力電圧に変動が生じたとしても、その出力電圧の変動に応じて精度よく補正することができる。
これにより、特に各部に出力精度の高い構成部品を用いることなく、補正の精度を高めることができ、この結果、低コストで効果的に増幅回路の出力電圧の補正を行うことができる。
(2)前記補正処理部は、前記誤差として、下記式(1)に表される、前記増幅回路に起因する誤差値Voffset,errを求めるとともに、下記式(2)に表される、前記増幅回路に与えられる基準電圧の変動に起因する誤差値Vref,errを求め、前記出力電圧をVout、前記入力電圧をVinとしたとき、下記式(3)に基づいて、前記出力電圧を補正することが好ましい。
Voffset,err=
(ΔVon−ΔVoff)/((R2/R1)−1)
・・・(1)
Vref,err=
(ΔVon−ΔVoff)/(1−(R2/R1))
・・・(2)
式(1)及び(2)中、ΔVonは、前記第2状態における前記第2電圧と、前記第1状態における第2電圧との差、ΔVoffは、前記第2状態における前記第1電圧と、前記第1状態における第1電圧との差、R1は前記増幅回路の入力抵抗の抵抗値、R2は、前記増幅回路の帰還抵抗の抵抗値である。
Vout=(R1/R1)×(Vin+Voffset+Voffset,err)
+Vref+Vref,err ・・・(3)
式(3)中、Voffsetは、下記式(4)で表される前記増幅回路のオフセット電圧、Vrefは、下記式(5)で表される前記第1状態である前記増幅回路に与えられる基準電圧である。
Voffset=((第2状態における第2電圧−第2状態における第1電圧)−
(R2/R1)×Vint)/((R2/R1)−1) ・・・(4)
Vref=第1電圧−Voffset ・・・(5)
式(4)中、Vintは、前記所定電圧である。
上記式(1)〜(5)に基づいて誤差値を求めて出力電圧を補正することで、より精度よく補正を行うことができる、
(3)上記補正装置において、前記取得部に、前記第1状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得させた後、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を繰り返して取得させるとともに、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得する毎に前記演算部に前記誤差を演算させて当該誤差を更新させる制御部をさらに備え、
前記制御部は、過去の前記第1電圧及び前記第2電圧を取得したときの前記増幅回路の温度を基準とした温度変化に応じて、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得し前記誤差を更新するタイミングを調整することが好ましい。
この場合、出力電圧の変動が顕著となるような温度変化が生じたとしても、その温度変化に応じた誤差に更新することができ、出力電圧を適切に補正することができる。
(4)また、前記取得部に、前記第1状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得させた後、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を繰り返して取得させるとともに、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得する毎に前記演算部に前記誤差を演算させて当該誤差を更新させる制御部をさらに備え、
前記制御部は、過去の前記第1電圧及び前記第2電圧を取得してから経過した経過時間に応じて、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得し前記誤差を更新するタイミングを調整するように構成してもよい。
この場合、一定の期間が経過したときに誤差を更新することで、必要以上に誤差の更新を実行してしまうのを防止することができる。
(5)(6)また、本発明は、増幅回路と、上記(1)〜(4)のいずれかの補正装置と、を備えた電圧検出装置である。
また、本発明は、上記電圧検出装置を備えた電力測定システムである。
上記構成の電圧検出装置、及び電力測定システムによれば、特に各部に出力精度の高い構成部品を用いることなく、補正の精度を高めることができ、この結果、低コストで効果的に増幅回路の出力電圧の補正を行うことができる。
また、入力電圧を増幅する増幅回路の出力電圧を補正する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムは、コンピュータに第1状態である前記増幅回路において、前記増幅回路の入力端子に前記入力電圧を導く電路を開閉するとともに、前記入力端子を開放した状態とするか、又は前記入力端子に予め定められた所定電圧を入力するかを切り替え可能なスイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記入力端子が開放された状態で出力する第1電圧、及び前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記所定電圧が入力された状態で出力する第2電圧を取得するステップと、前記第1状態における時間タイミングと異なる時間タイミングの第2状態である前記増幅回路において、前記第1電圧、及び前記第2電圧を取得するステップと、前記第1状態及び前記第2状態それぞれにおける第1電圧及び第2電圧に基づいて、前記第2状態である前記増幅回路が出力する前記出力電圧に含まれる、前記第1状態である前記増幅回路の出力電圧を基準としたときの誤差を演算するステップと、前記誤差に基づいて、前記増幅回路が前記入力電圧に応じて出力する前記出力電圧を補正するステップとを実行させるためのものである。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔1. 電力測定システムの全体構成〕
図1は、実施形態に係る電力測定システムを示すブロック図である。図中、電力測定システム1は、例えば、商用電力系統が接続された太陽光発電システム等に用いられるものであり、商用電力系統から太陽光発電システムに電力を供給するための電力供給路に接続され、商用電力系統側から供給される電力を測定する機能を有している。
電力測定システム1は、前記電力供給路の電圧を検出するための電圧検出部2と、前記電力供給路の電流を検出するための電流検出部3と、当該電力測定システム1の各部を制御するための制御装置4とを備えている。
電圧検出部2及び電流検出部3は、それぞれ電力供給路の電圧及び電流に応じた電圧値を制御装置4に与える。制御装置4は、電圧検出部2及び電流検出部3から与えられた電圧値に基づいて、電力供給路の電圧及び電流を取得し、測定結果としての電力を出力する。
つまり、電圧検出部2及び制御装置4、並びに電流検出部3及び制御装置4は、検出した電圧値に基づいた出力を行う電圧検出装置を構成している。
電圧検出部2は、前記電力供給路で検出された電圧を増幅するための第1増幅回路5と、第1基準電源6とを備えている。
第1基準電源6は、予め所定の電圧に設定された基準電圧Vrefを発生させて第1増幅回路5に与える機能を有している。
第1増幅回路5には、第1基準電源6から基準電圧Vrefが与えられるとともに、電力供給路に接続されている抵抗Raの後段の電圧が入力電圧Vinとして与えられる。第1増幅回路5は、後述するように、入力電圧Vinを増幅して出力電圧Voutを出力するオペアンプを備えており、入力電圧Vinを増幅した出力電圧VoutをA/D変換器(ADC)7に与える。
第1増幅回路5は、ADC7を介して制御装置4に接続されている。ADC7は、第1増幅回路5が出力するアナログ信号の出力電圧Voutをデジタル信号に変換し、デジタル信号の出力電圧Voutを制御装置4に与える。
電圧検出部2は、第1増幅回路5の前段に設けられ、第1増幅回路5の入力端子5aに入力電圧Vinを導く電路21を開閉する第1スイッチ8を備えている。
第1スイッチ8は、一端が入力端子5aに接続され、他端が電力供給路のライン側に接続された抵抗Raの後段に接続されており、電力供給路からの入力電圧Vinを第1増幅回路5の前段で開閉する。
さらに、電圧検出部2は、第1スイッチ8と第1増幅回路5との間から分岐している分岐路9を介して接続されている第2スイッチ10を備えている。第2スイッチ10は、一端が分岐路9に接続されるとともに他端が接地されている。よって、第1スイッチ8が切断されているときに、第2スイッチ10は、接続状態とされることで第1増幅回路5に対して0Vの電圧(所定電圧Vint)を与え、切断状態とされることで入力端子5aを開放した状態とすることができる。
つまり、第1スイッチ8、及び第2スイッチ10は、第1増幅回路5の入力端子5aに入力電圧Vinを導く電路21を開閉するとともに、入力端子5aを開放した状態とするか、又は入力端子5aに予め定められた所定電圧Vintを入力するかを切り替え可能なスイッチを構成している。
第1スイッチ8及び第2スイッチ10は、半導体スイッチ等により構成されており、制御装置4から与えられる制御信号に基づいて、開閉動作を実行する。
図2は、電圧検出部2が備えている第1増幅回路5及び第1基準電源6の詳細を示す図である。
図2に示すように、第1増幅回路5は、オペアンプ40と、一端がオペアンプ40の反転入力端子に接続されている入力抵抗41と、オペアンプ40の出力端子と反転入力端子との間に接続されている帰還抵抗42とを備えており、反転増幅回路を構成している。
入力抵抗41は、他端が第1増幅回路5の入力端子5aを介して、第1スイッチ8に接続されている。
第1基準電源6は、他端が電力供給路のライン側に接続された抵抗Rbの後段から分岐し、抵抗43を介して、オペアンプ40の非反転入力端子に接続されている分岐路44と、この分岐路44における抵抗43とオペアンプ40との間に抵抗45を介して接続されている定電圧ダイオード46とによって構成されている。定電圧ダイオード46は、カソード側が抵抗45に接続され、アノード側が接地されている。これによって、定電圧ダイオード46は、分岐路44を通じてオペアンプ40の非反転入力端子に与えられる電圧が、基準電圧Vrefとして設定されている電圧値で一定となるようにしている。
なお、分岐路44は、第1スイッチ8による電路21の開閉に連動して、開閉されるように構成されている。
図1に戻って、電流検出部3は、前記電力供給路の電流を検出するための電流センサ15と、電流センサ15が電流の検出結果として出力する電圧を増幅するための第2増幅回路16と、第2基準電源17と、第2増幅回路16の入力端子16aに入力電圧Vinを導く電路22を開閉する第3スイッチ18と、第4スイッチ19とを備えている。
第2増幅回路16には、電流センサ15が前記電力供給路の電流に応じて出力する電圧出力が入力電圧Vinとして与えられる。第2増幅回路16は、この入力電圧Vinを増幅した出力電圧VoutをA/D変換器(ADC)20に与える。
第2増幅回路16は、ADC20を介して制御装置4に接続されている。ADC20は、第2増幅回路16が出力するアナログ信号の出力電圧Voutをデジタル信号に変換し、デジタル信号の出力電圧Voutを制御装置4に与える。
電流検出部3が有する、第2増幅回路16、第2基準電源17、第3スイッチ18、及び第4スイッチ19は、電圧検出部2が有する、第1増幅回路5、第1基準電源6、第1スイッチ8、及び第2スイッチ10と同様の構成とされている。
つまり、電流検出部3は、増幅の対象が、電力供給路の電流の検出結果としての入力電圧Vinであること以外、電圧検出部2と同様の構成である。よって、ここでは、電流検出部3に関する詳細な説明は省略する。
また、電力測定システム1は、第1増幅回路5及び第2増幅回路16の温度の変化を検出するための温度センサ25を備えている。この温度センサ25は、第1増幅回路5及び第2増幅回路16の温度を検出する。例えば、第1増幅回路5及び第2増幅回路16が同じ回路基板上に実装されている場合には、温度センサ25は、その回路基板の温度を検出するものであってもよいし、当該回路基板を収容する筐体内の温度又はこの筐体の温度を検出するものであってもよい。つまり、温度センサ25は、第1増幅回路5及び第2増幅回路16が動作することに伴い発熱したときの相対的な温度変化を検出することが可能なセンサであればよい。
温度センサ25は、その検出結果を制御装置4に与える。
制御装置4は、電圧検出部2及び電流検出部3それぞれから与えられる出力電圧Voutに基づいて、前記電力供給路の電圧及び電流を求める機能を有している。
また、制御装置4は、電圧検出部2及び電流検出部3それぞれから与えられる出力電圧Voutを補正する処理である補正処理に関する機能も有している。つまり、制御装置4は、与えられる出力電圧Voutに対して補正処理を行いつつ、補正処理後の出力電圧Voutに基づいて、前記電力供給路の電圧及び電流を求める。
制御装置4は、補正処理に関する機能を実現するための機能部として、取得部4aと、演算部4bと、補正処理部4cと、補正処理に用いられるカウンタ4dと、補正処理に関する制御を行う制御部4eとを有している。
取得部4aは、電圧検出部2及び電流検出部3の各スイッチ8,10,18,19の開閉に応じて第1増幅回路5及び第2増幅回路16から出力される補正用電圧値を取得する機能を有している。なお、補正用電圧値とは、第1増幅回路5及び第2増幅回路16から出力される出力電圧Voutに含まれる誤差を演算するために必要な電圧値であり、各スイッチ8,10,18,19の開閉に応じて出力される。
演算部4bは、取得部4aが取得した前記補正用電圧値に基づいて、第1増幅回路5及び第2増幅回路16から出力される出力電圧Voutに含まれる誤差を演算する機能を有している。
補正処理部4cは、演算部4bが演算した誤差に基づいて、出力電圧Voutを補正する機能を有している。
制御部4eは、電圧検出部2及び電流検出部3の各スイッチ8,10,18,19の開閉を制御するための制御信号を出力することで、これら各スイッチ8,10,18,19を制御する機能を有している。また、制御部4eは、各スイッチ8,10,18,19を制御することによって第1増幅回路5及び第2増幅回路16からの前記補正用電圧値を取得部4aに取得させ、取得部4aに補正用電圧値を取得させる毎に演算部4bに前記誤差を演算させて更新させる機能を有している。
さらに、制御部4eは、温度センサ25及びカウンタ4dから与えられる情報に基づいて、第1増幅回路5及び第2増幅回路16からの前記補正用電圧値を取得し、前記誤差を更新するタイミングを調整する機能を有している。
これら各部の機能の具体的な処理については、後に詳述する。
また、制御装置4には、上述のADC7、20や、温度センサ25が接続されている他、制御装置4が実行する処理に必要な情報等を記憶するための記憶部30と、当該制御装置4が求めた前記電力供給路の電圧及び電流を外部に出力するための出力部31とが接続されている。出力部31は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の出力装置の他、通信によって表示装置を備えた端末装置等に送信して出力するものを含む。
制御装置4が有する機能部である取得部4a、演算部4b、補正処理部4c、カウンタ4d、及び制御部4eは、その機能の一部または全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部または全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。各部の機能の一部または全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、制御装置4は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部30に記憶される。
次に、制御装置4が行う補正処理について説明する。
〔2. 補正処理について〕
図3は、制御装置4が行う補正処理の手順を示すフローチャートである。制御装置4は、電圧検出部2及び電流検出部3の両方に対して補正処理を行う。また、その手順は同様なので、ここでは、電圧検出部2のみについて説明する。
本システム1の電源がON状態とされると(ステップS1)、制御装置4の制御部4eは、まず、補正用電圧値の更新(初期値の取得)処理を行う(ステップS2)。ここでは、制御装置4は、未だ補正用電圧値を取得していない状態であり、制御部4eは、補正用電圧値の初期値を取得する。
図4は、制御部4eが行う補正用電圧値の更新(初期値の取得)処理(図3中、ステップS2)の手順を示すフローチャートである。
制御部4eは、まず、第1スイッチ8をOFF状態とし(ステップS20)、さらに、第2スイッチ10をOFF状態とする(ステップS21)。
このとき、第1増幅回路5(図2)は、第1スイッチ8及び第2スイッチ10によって、入力電圧Vinが切断されかつ入力端子5aが開放状態とされ、第1基準電源6から基準電圧Vrefのみが与えられた状態となる。
この状態で第1増幅回路5が出力する電圧を、以下、第1補正用電圧値Voff(n)(但し、nは自然数)という。
制御部4eは、この状態で、所定時間経過するのを待った後(ステップS22)、第1増幅回路5から出力される第1補正用電圧値Voff(n)の初期値を取得部4aに取得させる。このステップS22における所定時間は、電圧値が安定して出力されるまでに必要な時間に設定される。なお、nは、補正用電圧値の更新処理を行うごとにインクリメントされる数値であり、補正用電圧値の初期値については、n=1に設定される。
制御部4eは、取得した第1補正用電圧値の初期値Voff(1)(第1電圧)を取得し、記憶部30に記憶する(ステップS23)。
第1補正用電圧値の初期値Voff(1)を取得した制御部4eは、次いで、第2スイッチ10をON状態とする(ステップS24)。
このとき、第1増幅回路5は、第1スイッチ8及び第2スイッチ10によって、入力電圧Vinが切断されかつ入力端子5aに所定電圧Vintが入力された状態となる。
この状態で第1増幅回路5が出力する電圧を、以下、第2補正用電圧値Von(n)(但し、nは自然数)という。
制御部4eは、この状態で、所定時間経過するのを待った後(ステップS25)、第1増幅回路5から出力される第2補正用電圧値Von(n)の初期値を取得部4aに取得させる。このステップS25における所定時間は、電圧値が安定して出力されるまでに必要な時間に設定される。
制御部4eは、取得した第2補正用電圧値の初期値Von(1)(第2電圧)を取得し、記憶部30に記憶する(ステップS26)。
次いで、制御部4eは、取得した各補正用電圧値の初期値Voff(1)、Von(1)に基づいて、第1増幅回路5が入力電圧Vinに応じて出力する出力電圧Voutに含まれる誤差値を演算部4bに演算させ、演算部4bが演算した誤差値を取得し、記憶部30に記憶する(ステップS27)。
なお、演算部4bが行う誤差値等の演算については、後に説明する。
その後、制御部4eは、第2スイッチ10をOFF状態とし、さらに第1スイッチ8をON状態とし(ステップS28)、ステップS2(図2)に戻る。
第2スイッチ10がOFF状態、第1スイッチ8がON状態の場合、電圧検出部2は、電力供給路の電圧を入力電圧Vinとして受け付けて検出し、出力電圧Voutとして制御装置4に与える。つまり、本システム1は、この状態で、電力供給路の電圧の測定を実行する。
以上のようにして制御部4eは、第1補正用電圧値の初期値、及び第2補正用電圧値の初期値を取得し、電力供給路の電圧の測定を開始する。
なお、ステップS2において取得される第1補正用電圧値の初期値、及び第2補正用電圧値の初期値は、本実施形態のように、本システム1の電源がON状態とされた直後等、第1増幅回路5の温度がその動作によって上昇していない状態(第1状態)において取得部4aによって検出される。
図3を参照して、ステップS2による補正用電圧値の初期値の取得を終えた制御部4eは、温度センサ25が検出する第1増幅回路5の現状の温度を取得する(ステップS3)。
次いで、制御部4eは、直近に(ステップS3にて)取得した第1増幅回路5の温度を基準温度Tsに設定し、さらにカウンタ4dのカウンタ値Cを「0」にリセットする(ステップS4)。
制御部4eは、ステップS5に進み、温度センサ25が検出する第1増幅回路5の現状の温度を取得する(ステップS5)。
次いで、制御部4eは、基準温度Tsと、現状の温度との差であるΔTを求めるとともに、カウンタ4dのカウンタ値Cを参照し、ΔTが予め設定された温度幅t1以上であるか、又は、カウンタ値Cが予め設定された値c1であるか否かを判定する(ステップS6)。
いずれの条件も満たさない場合、制御部4eは、ステップS7に進み、第1増幅回路5が出力する出力電圧Voutを取得する(ステップS7)。
さらに、制御部4eは、取得した出力電圧Voutに対して、誤差値を用いた補正を行い、補正後の出力電圧Voutを求める(ステップS8)。
ここで、電圧検出部2が出力する出力電圧Voutは、下記式(10)のように表される。
Vout=(R2/R1)×(Vin+Voffset+Voffset,err)+
Vref+Vref,err・・・(10)
式(10)中、R1は第1増幅回路5の入力抵抗41の抵抗値、R2は、第1増幅回路5の帰還抵抗42の抵抗値であり、(R2/R1)は、第1増幅回路5の増幅率である。また、Voffsetは、第1増幅回路5のオフセット電圧である。
Voffset,errは、温度変化によって第1増幅回路5に生じる出力変動(温度ドリフト)に起因する誤差値、Vref,errは、第1基準電源6に生じる出力変動に起因する基準電圧Vrefの誤差値である。
オフセット電圧Voffset、誤差値Voffset,err、及び誤差値Vref,errは、演算部4bによって求められる。これら各値の求め方については、後に詳述する。
上記式(10)のように、電圧検出部2が出力する出力電圧Voutには、主に、第1増幅回路5の温度ドリフトに起因する誤差値、及び第1基準電源6に起因する基準電圧Vrefの誤差値が含まれている。
制御部4eは、上記式(10)に基づいて、下記式(11)に示すように、補正後の出力電圧Vout´を求める。
補正後の出力電圧Vout´=(R2/R1)×Vin=
Vout−Vref−Vref,err−
(R2/R1)(Voffset+Voffset,err)
・・・(11)
制御装置4は、上記補正後の出力電圧Vout´に基づいて、電力供給路の電圧を求め、出力部31を通じて出力する。
次いで、制御部4eは、カウンタ4dのカウンタ値Cに「1」を加えて(ステップS9)、再度ステップS5に戻る(ステップS5)。よって、制御部4eは、ステップS6において、ΔTが予め設定された温度幅t1以上であるか、又は、カウンタ値Cが予め設定された値c1であると判定されるまで、ステップS5〜S9の処理を繰り返す。
ステップS6において、ΔTが予め設定された温度幅t1以上であるか、又は、カウンタ値Cが予め設定された値c1であると判定すると、制御部4eは、ステップS10に進み、補正用電圧値の更新処理を行う。
この補正用電圧値の更新処理は、上記ステップS2における補正用電圧値の更新(初期値の取得)処理と同様であり、図4に示すフローチャートに従って実行される。
図4に示すように、制御部4eは、第1スイッチ8はOFF状態とする(ステップS20)。これにより、電圧検出部2に対する入力電圧Vinの入力が切断されるので、本システム1は、電力供給路の電圧測定を一時的に停止する。
さらに制御部4eは、第2スイッチ10もOFF状態とする(ステップS21)。
制御部4eは、この状態で、所定時間経過するのを待った後(ステップS22)、第1増幅回路5から出力される第1補正用電圧値Voff(n)を取得部4aに取得させる。
なお、上述のように、nは、補正用電圧値の更新処理を行うごとにインクリメントされる数値であり、ここで行われる更新処理は、初期値ではないので、nは、2以上の自然数mに設定される。
制御部4eは、取得部4aが取得した第1補正用電圧値Voff(m)を記憶部30に記憶する(ステップS23)。なお、すでに、記憶部30に記憶に第1補正用電圧値Voff(m)が記憶されている場合、制御部4eは、新たに取得した第1補正用電圧値Voff(m)に更新する。
第1補正用電圧値Voff(m)を取得又は更新した制御部4eは、次いで、第2スイッチ10をON状態とする(ステップS24)。
制御部4eは、この状態で、所定時間経過するのを待った後(ステップS25)、第1増幅回路5から出力される第2補正用電圧値Von(m)を取得部4aに取得させる。
制御部4eは、取得部4aが取得した第2補正用電圧値Von(m)を記憶部30に記憶する(ステップS26)。なお、すでに、記憶部30に記憶に第2補正用電圧値Von(m)が記憶されている場合、制御部4eは、新たに取得した第2補正用電圧値Von(m)に更新する。
次いで、制御部4eは、取得した第1補正用電圧値Voff(m)及び第2補正用電圧値Von(m)に加え、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)及び第2補正用電圧値の初期値Von(1)に基づいて、第1増幅回路5が入力電圧Vinに応じて出力する出力電圧Voutに含まれる誤差値を演算部4bに演算させ、演算部4bが演算した誤差値を取得し、記憶部30に記憶する(ステップS27)。
演算部4bは、各補正用電圧値に基づいて、誤差値として、上述の誤差値Voffset,err、及び誤差値Vref,errを求める。また、演算部4bは、合わせてオフセット電圧Voffset、及び基準電圧Vrefを求める。
演算部4bは、下記式(12)、(13)に基づいて、誤差値Voffset,err、及び誤差値Vref,errを求める。
Voffset,err=
(ΔVon−ΔVoff)/((R2/R1)−1)
・・・(12)
Vref,err=
(ΔVon−(R2/R1)×ΔVoff)/(1−(R2/R1))
・・・(13)
式(12)及び(13)中、ΔVonは、下記式(14)に示すように、第2補正用電圧値Von(m)と、第2補正用電圧値の初期値Von(1)との差、ΔVoffは、下記式(15)に示すように、第1補正用電圧値Voff(m)と、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)との差である。
ΔVoff=Voff(m)−Voff(1) ・・・(14)
ΔVon =Von(m)−Von(1) ・・・(15)
さらに、演算部4bは、下記式(16)、(17)に基づいて、オフセット電圧Voffset、及び基準電圧Vrefを求める。
Voffset+Voffset,err
((Von(m)−Voff(m))−(R2/R1)×Vint)
/((R2/R1)−1) ・・・(16)
Vref=Voff(1)−Voffset ・・(17)
式(16)中、Vintは、前記所定電圧であり、本実施形態では、0Vである。
なお、上記ΔVoffは、Voffset,errと、Vref,errとの和であり、ΔVonは、Voffset,errに(R2/R1)を乗算した値と、Vref,errとの和であり、上記式(14)(15)において、未知の数値は、Voffset,errと、Vref,errなので、これら2式から、Voffset,errと、Vref,errとを求めることができる。
また、ステップS2における補正用電圧値の更新処理(初期値の取得)においても、上記各式(12)〜(17)に基づいて誤差値を求めるが、ステップS2では、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)及び第2補正用電圧値の初期値Von(1)は取得されるが、第1補正用電圧値Voff(m)及び第2補正用電圧値Von(m)は取得されない。よって、制御部4eは、ステップS2における誤差値の演算については、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)及び第2補正用電圧値の初期値Von(1)を、第1補正用電圧値Voff(m)及び第2補正用電圧値Von(m)として用い、誤差値を求める。
演算部4bは、上記各式(12)〜(17)に基づいて、誤差値Voffset,err、及び誤差値Vref,errを求めるとともに、オフセット電圧Voffset、及び基準電圧Vrefを求めると、これら求めた各値を記憶部30に記憶する。なお、すでに、記憶部30に各値が記憶されている場合、制御部4eは、新たに求めた各値に更新する。
次いで、制御部4eは、第2スイッチ10をOFF状態とし、さらに第1スイッチ8をON状態とし(ステップS28)、ステップS10(図3)に戻る。
第2スイッチ10をOFF状態、第1スイッチ8をON状態とすることで、制御部4eは、電圧検出部2による電力供給路の電圧の測定を再開する。
なお、ステップS10において取得される第1補正用電圧値、及び第2補正用電圧値は、ステップS2において、第1補正用電圧値の初期値、及び第2補正用電圧値の初期値を取得し、本システム1の電源がON状態とされてから一定の期間が経過した後の状態(第2状態)において取得部4aによって検出される。つまり、ステップS10における第1増幅回路5の状態(第2状態)は、ステップS2での第1増幅回路5の状態(第1状態)とは互いに時間タイミングが異なっている。
図3に戻って、ステップS10を終えると、制御部4eは、ステップS4に戻り、直近に取得した第1増幅回路5の温度を基準温度Tsに設定し、さらにカウンタ4dのカウンタ値Cを「0」にリセットする(ステップS4)。
その後、制御部4eは、ステップS6において、ΔTが予め設定された温度幅t1以上であるか、又は、カウンタ値Cが予め設定された値c1であると判定されるまで、ステップS5〜S9の処理を繰り返す。
ここで、ステップS6において、基準温度Tsと、現状の温度との差であるΔTの判定に用いられる温度幅t1は、誤差値Voffset,err、及びVref,errの値が許容可能な範囲を超えることが想定される温度幅の値に設定されている。
よって、制御部4eは、ΔTが温度幅t1よりも小さい場合は、誤差値Voffset,err、及びVref,errが許容範囲であると判断し、ΔTの値によっては、補正用電圧値の更新処理を実行しない。
一方、ΔTが温度幅t1以上である場合、誤差値Voffset,err、及びVref,errが許容可能な範囲を超えるおそれがあるため、ステップS10に進み、補正用電圧値の更新処理を実行する。
このように、本実施形態では、過去の第1電圧及び第2電圧を検出したときの第1増幅回路5の温度を基準とした温度変化であるΔTに応じて、第1補正用電圧値Voff(m)及び第2補正用電圧値Von(m)を取得部4aに検出させて誤差値Voffset,err、及びVref,errを更新するタイミングを調整する。
よってこの場合、出力電圧Voutに含まれる誤差値によってその変動が顕著となるような温度変化が生じたとしても、その温度変化に応じた誤差値Voffset,err、及びVref,errに更新することができ、出力電圧Voutを適切に補正することができる。
また、ステップS6において、カウンタ値Sの判定に用いられる値c1は、第1増幅回路5の経時変化によって、誤差値Voffset,err、Vref,errや、オフセット電圧Voffsetの値が許容可能な範囲を超えることが想定される期間に相当する値に設定されている。
よって、制御部4eは、カウンタ値Cが値c1よりも小さい場合は、誤差値Voffset,err、及びVref,errが許容範囲であると判断し、カウンタ値Cの値によっては、補正用電圧値の更新処理を実行しない。
一方、カウンタ値Cが値c1以上である場合、誤差値Voffset,err、及びVref,errが許容可能な範囲を超えるおそれがあるため、ステップS10に進み、補正用電圧値の更新処理を実行する。
このように、本実施形態では、過去の第1電圧及び第2電圧を検出を検出してから経過した経過時間に応じて、第1補正用電圧値Voff(m)及び第2補正用電圧値Von(m)を取得部4aに検出させて誤差値Voffset,err、及びVref,errを更新するタイミングを調整する。
よってこの場合、一定の期間が経過したときに誤差値Voffset,err、及びVref,errを更新することで、必要以上に各誤差値の更新を実行してしまうのを防止することができる。
以上のようにして、制御装置4は、電圧検出部2に対して補正処理を行う。また、制御装置4は、電流検出部3に対しても電圧検出部2と同様の手順で補正処理を行う。つまり、本実施形態の制御装置4及び各スイッチ8、10、18、19は、第1増幅回路5及び第2増幅回路16の出力電圧Voutを補正する補正装置としての機能を有している。
本システム1は、上記補正処理を実行しつつ、電圧検出部2による電力供給路の電圧の測定、及び電流検出部3による電力供給路の電流の測定を行い、電力供給路の電力の測定を行う。
〔3. 効果について〕
本実施形態による電力測定システム1は、入力電圧Vinを増幅する第1増幅回路5及び第2増幅回路16の出力電圧Voutを補正する補正装置を備えている。
この補正装置は、第1増幅回路5及び第2増幅回路16の入力端子5a、16aに入力電圧Vinを導く電路21を開閉するとともに、入力端子5a、16aを開放した状態とするか、又は入力端子5a、16aに予め定められた所定電圧Vintを入力するかを切り替え可能なスイッチ8、10、18、19と、第1状態である第1増幅回路5及び第2増幅回路16において、各スイッチによって入力電圧Vinが切断されかつ入力端子5a、16aが開放された状態で出力する第1補正用電圧値(の初期値)Voff(1)、及び各スイッチによって入力電圧Vinが切断されかつ所定電圧Vintが入力された状態で出力する第2補正用電圧値(の初期値)Von(1)を取得するとともに、第1状態における時間タイミングと異なる時間タイミングの第2状態である第1増幅回路5及び第2増幅回路16において、第1補正用電圧値Voff(m)、及び第2補正用電圧値Von(m)を取得する取得部4aと、取得部4aが取得した第1状態及び第2状態それぞれにおける各補正用電圧値に基づいて、第2状態である第1増幅回路5及び第2増幅回路16が出力する出力電圧Voutに含まれる、第1状態である第1増幅回路5及び第2増幅回路16の出力電圧Voutを基準としたときの誤差を演算する演算部4bと、前記誤差に基づいて、第1増幅回路5及び第2増幅回路16が入力電圧Vinに応じて出力する出力電圧Voutを補正する補正処理部4cとを備えている。
上記構成の補正装置によれば、第2状態の第1増幅回路5及び第2増幅回路16が出力する出力電圧Voutに含まれる、第1状態である第1増幅回路5及び第2増幅回路16の出力電圧Voutを基準としたときの誤差値Voffset,err、Vref,errを演算するので、温度変化に応じて出力電圧Voutに変動が生じたとしても、その出力電圧Voutの変動に応じて精度よく補正することができる。
これにより、特に各部に出力精度の高い構成部品を用いることなく、補正の精度を高めることができ、この結果、低コストで効果的に第1増幅回路5及び第2増幅回路16の出力電圧Voutの補正を行うことができる。
〔4. その他〕
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、図3中、ステップS2において、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)と、第2補正用電圧値の初期値Von(1)とを、両スイッチ8、10を制御することで取得したが、例えば、予め、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)、及び第2補正用電圧値の初期値Von(1)として適切な値を把握している場合には、これら値を予め、記憶部30に記憶しておくことで、ステップS2を省略することができる。
また、上記実施形態では、本システム1の電源がON状態とされた直後であって、第1増幅回路5の温度がその動作によって上昇していない状態を第1状態、その後、本システム1を動作させた後のタイミングを第2状態とした場合を示したが、第1状態と、第2状態とは、互いに時間タイミングが異なっていれば、よく、一定期間動作させた後を第1状態として、第1補正用電圧値の初期値Voff(1)、及び第2補正用電圧値の初期値Von(1)を取得し、その後の時間タイミングを第2状態として、第1補正用電圧値Voff(m)、及び第2補正用電圧値Von(m)を取得してもよい。
また、上記実施形態では、第1増幅回路5及び第2増幅回路16を、反転増幅回路として構成した場合を示したが、上記補正装置は、非反転増幅回路に対しても適用することができる。
さらに、上記補正装置は、増幅回路の増幅率が1より大きく設定されている場合の他、増幅率が1より小さく設定されている場合においても適用することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力測定システム
2 電圧検出部
3 電流検出部
4 制御装置
4a 取得部
4b 演算部
4c 補正処理部
4d カウンタ
4e 制御部
5 第1増幅回路
5a 入力端子
6 第1基準電源
8 第1スイッチ
9 分岐路
10 第2スイッチ
15 電流センサ
16 第2増幅回路
16a 入力端子
17 第2基準電源
18 第3スイッチ
19 第4スイッチ
25 温度センサ
30 記憶部
31 出力部
40 オペアンプ
41 入力抵抗
42 帰還抵抗
43 抵抗
44 分岐路
45 抵抗
46 定電圧ダイオード

Claims (5)

  1. 入力電圧を増幅する増幅回路の出力電圧を補正する補正装置であって、
    前記増幅回路の入力端子に前記入力電圧を導く電路を開閉するとともに、前記入力端子を開放した状態とするか、又は前記入力端子に予め定められた所定電圧を入力するかを切り替え可能なスイッチと、
    第1状態である前記増幅回路において、前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記入力端子が開放された状態で出力する第1電圧、及び前記スイッチによって前記入力電圧が切断されかつ前記所定電圧が入力された状態で出力する第2電圧を取得するとともに、前記第1状態における時間タイミングと異なる時間タイミングの第2状態である前記増幅回路において、前記第1電圧、及び前記第2電圧を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記第1状態及び前記第2状態それぞれにおける第1電圧及び第2電圧に基づいて、前記第2状態である前記増幅回路が出力する前記出力電圧に含まれる、前記第1状態である前記増幅回路の出力電圧を基準としたときの誤差を演算する演算部と、
    前記誤差に基づいて、前記増幅回路が前記入力電圧に応じて出力する前記出力電圧を補正する補正処理部と、
    を備え、
    前記補正処理部は、前記誤差として、下記式(1)に表される、前記増幅回路に起因する誤差値Voffset,errを求めるとともに、下記式(2)に表される、前記増幅回路に与えられる基準電圧の変動に起因する誤差値Vref,errを求め、前記出力電圧をVout、前記入力電圧をVinとしたとき、下記式(3)に基づいて、前記出力電圧を補正する補正装置。
    Voffset,err=
    (ΔVon−ΔVoff)/((R2/R1)−1)
    ・・・(1)
    Vref,err=
    (ΔVon−(R2/R1)×ΔVoff)/(1−(R2/R1))
    ・・・(2)
    式(1)及び(2)中、ΔVonは、前記第2状態における前記第2電圧と、前記第1状態における第2電圧との差、ΔVoffは、前記第2状態における前記第1電圧と、前記第1状態における第1電圧との差、R1は前記増幅回路の入力抵抗の抵抗値、R2は、前記増幅回路の帰還抵抗の抵抗値である。
    Vout=(R2/R1)×(Vin+Voffset+Voffset,err)
    +Vref+Vref,err ・・・(3)
    式(3)中、Voffsetは、下記式(4)で表される前記増幅回路のオフセット電圧、Vrefは、下記式(5)で表される前記第1状態である前記増幅回路に与えられる基準電圧である。
    Voffset+Voffset,err
    ((第2状態における第2電圧−第2状態における第1電圧)−
    (R2/R1)×Vint)/((R2/R1)−1) ・・・(4)
    Vref=第1状態における第1電圧−Voffset ・・・(5)
    式(4)中、Vintは、前記所定電圧である。
  2. 前記取得部に、前記第1状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得させた後、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を繰り返して取得させるとともに、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得する毎に前記演算部に前記誤差を演算させて当該誤差を更新させる制御部をさらに備え、
    前記制御部は、過去の前記第1電圧及び前記第2電圧を取得したときの前記増幅回路の温度を基準とした温度変化に応じて、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得し前記誤差を更新するタイミングを調整する請求項1に記載の補正装置。
  3. 前記取得部に、前記第1状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得させた後、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を繰り返して取得させるとともに、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得する毎に前記演算部に前記誤差を演算させて当該誤差を更新させる制御部をさらに備え、
    前記制御部は、過去の前記第1電圧及び前記第2電圧を取得してから経過した経過時間に応じて、前記第2状態における前記第1電圧及び前記第2電圧を取得し前記誤差を更新するタイミングを調整する請求項1に記載の補正装置。
  4. 増幅回路と、請求項1〜のいずれか一項に記載の補正装置と、を備えた電圧検出装置。
  5. 請求項に記載の電圧検出装置を備えた電力測定システム。
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