JP6373618B2 - 湿気硬化型ホットメルト接着剤 - Google Patents

湿気硬化型ホットメルト接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6373618B2
JP6373618B2 JP2014075272A JP2014075272A JP6373618B2 JP 6373618 B2 JP6373618 B2 JP 6373618B2 JP 2014075272 A JP2014075272 A JP 2014075272A JP 2014075272 A JP2014075272 A JP 2014075272A JP 6373618 B2 JP6373618 B2 JP 6373618B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot melt
melt adhesive
polyol
moisture
curable hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014075272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015196768A (ja
Inventor
木村 修
修 木村
Original Assignee
積水フーラー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 積水フーラー株式会社 filed Critical 積水フーラー株式会社
Priority to JP2014075272A priority Critical patent/JP6373618B2/ja
Publication of JP2015196768A publication Critical patent/JP2015196768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6373618B2 publication Critical patent/JP6373618B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、初期接着強度、常態接着強度および耐熱クリープ性に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤に関する。
従来から、家具、外装材及び内装材などの基材表面に、着色などの化粧が施された化粧シートを接着剤を用いて接着することにより、意匠性を付与することが行われている。
基材と化粧シートとの接着に用いられる接着剤としては、有機溶剤を含む接着剤や、湿気硬化型ホットメルト接着剤が知られている。なかでも、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機化合物(VOC)を含んでおらず、作業衛生や環境汚染に対する対策となることから多く用いられている。
湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、例えば、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とするホットメルト型接着剤が用いられている(例えば、特許文献1)。このような湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融させた状態で基材に塗工された後、冷却固化することにより、初期接着強度を発現する。その後、湿気硬化型ホットメルト接着剤が塗工された基材を一定時間放置することによって、イソシアネート基と大気や基材中に含まれている湿気とが反応してウレタンプレポリマーが架橋構造を形成し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤が硬化して接着強度がさらに向上する。
特開2001−262113号公報
基材表面に化粧シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて接着させるにあたって、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、塗布量設定の省略、塗布ムラが少ないなどの理由から化粧シート側に塗布される場合が多い。しかしながら、化粧シート側に塗工された湿気硬化型ホットメルト接着剤が冷却固化して基材側の接着面を十分に濡らすことができず、十分な接着強度が得られない問題が生じる。反面、初期接着強度の発現が遅すぎると初期接着強度を発現する前に化粧シートが基材表面から部分的に剥離したり浮いたりする問題が生じる。
したがって、本発明の目的は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度および耐熱クリープ性が高い水準にありながら、初期接着強度に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することである。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、
炭素数が6〜12である直鎖ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖ポリオールを縮合重合させてなる高結晶性ポリエステルポリオール(A)、
炭素数が4〜6である直鎖ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖ポリオールを縮合重合させてなる低結晶性ポリエステルポリオール(B)及び、
数平均分子量が4000以下であるポリエーテルポリオール(C)
を含むポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを含む原料組成物を反応させてなり、且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーを含有していることを特徴とする。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、常態接着強度および耐熱クリープ性に優れているだけでなく、初期接着強度にも優れている。したがって、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、塗工後に速やかに冷却固化して、優れた接着強度を発揮することができる。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、高結晶性ポリエステルポリオール(A)、低結晶性ポリエステルポリオール(B)、ポリエーテルポリオール(C)を含むポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを含む原料組成物を反応させてなり、且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーを含有している。
[ポリオール化合物]
本発明に用いられるポリオール化合物としては、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物が用いられる。ポリオール化合物は、高結晶性ポリエステルポリオール(A)、低結晶性ポリエステルポリオール(B)及びポリエーテルポリオール(C)を含んでいる。
ポリエステルポリオールは、高結晶性ポリエステルポリオール(A)及び低結晶性ポリエステルポリオール(B)を含んでいる。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、化粧シートなどの貼着体を基材などの被着体に接着一体化させるために用いられる。したがって、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、貼着体又は被着体に塗布され、両者を重ね合わせた後に冷却固化されて、貼着体と被着体との重ね合わせ状態を維持するための初期接着強度と、上記冷却固化後に湿気硬化型ホットメルト接着剤を一定時間放置することによって、イソシアネート基と大気や基材中に含まれている湿気とが反応してウレタンプレポリマーが架橋構造を形成し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤が硬化して接着強度がさらに向上することによって発現する常態接着強度とが要求される。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリエステルポリオールとしては、結晶性ポリエステルポリオールと非晶性ポリエステルポリオールとがあるが、非晶性ポリエステルポリオールは、溶融し始める温度と固化状態となる温度との差が広く、即ち、半溶融状態で存在する温度範囲が広く、湿気硬化型ホットメルト接着剤を溶融させて貼着体又は被着体に塗工した後の作業時間に余裕がある。しかしながら、非晶性ポリエステルポリオールは、高粘度のため木質材料などの被着体に対する投錨性に劣り、非晶性ポリエステルポリオールを用いた湿気硬化型ホットメルト接着剤は、常態接着強度が低い。
なお、非晶性ポリエステルポリオールは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g未満である。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、原料組成物のポリオール化合物中に結晶性ポリエステルポリオールを含有させると共に、結晶性ポリエステルポリオールとして、高結晶性ポリエステルポリオール(A)と低結晶性ポリエステルポリオール(B)とを併用することによって、得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤は、それが溶融し始める温度と固化状態となる温度との差が適度に広く、半溶融状態で存在する温度範囲が適切であり作業性に優れていると共に、塗工後には速やかに固化して優れた初期接着強度を発現し、更に、硬化することによって適度な硬さを有する硬化物となり、優れた常態接着強度を発現することを見出した。
(高結晶性ポリエステルポリオール(A))
高結晶性ポリエステルポリオール(A)は、炭素数が6〜12である直鎖ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖ポリオールを縮合重合させることにより得られるものである。
炭素数が6〜12である直鎖ポリカルボン酸としては、炭素数が6〜12である直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。具体的には、セバシン酸(炭素数10)、及びデカメチレンジカルボン酸(炭素数12)などが挙げられる。直鎖ポリカルボン酸の炭素数が6〜12である場合、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度及び塗工性が向上する。
直鎖ポリカルボン酸の炭素数は、偶数であることが好ましい。炭素数が偶数である直鎖ポリカルボン酸によれば、高結晶性ポリエステルポリオール(A)は、より高い結晶性を有し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤の固化速度を向上させて、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度を向上させ、貼り合わせ直後の化粧シートなどの貼着体の剥がれや浮きを抑制することができる。
また、直鎖ポリカルボン酸の炭素数は、初期接着強度を高める観点より、8〜12がより好ましく、10〜12が特に好ましい。
炭素数が2〜6である直鎖ポリオールとしては、炭素数が2〜6である直鎖アルキレングリコールが好ましく挙げられる。具体的には、エチレングリコール(炭素数2)、ブタンジオール(炭素数4)、及びヘキサンジオール(炭素数6)が挙げられる。直鎖ポリオールの炭素数が2〜6である場合、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度及び塗工性が向上する。
炭素数が2〜6である直鎖ポリオールの炭素数は、偶数であることが好ましい。炭素数が偶数である炭素数が2〜6である直鎖ポリオールは、より高い結晶性を有し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤の固化速度を向上させて、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度を向上させ、貼り合わせ直後の化粧シートなどの貼着体の剥がれや浮きを抑制することができる。
なお、本発明において、高結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g以上であり、かつ、5℃/分の降温速度で測定した結晶化曲線の発熱ピークが40℃以上であるポリエステルポリオールを意味する。以下、「10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量」は単に「吸熱量」と、「5℃/分の降温速度で測定した結晶化曲線の発熱ピーク」は単に「発熱ピーク」という。
高結晶性ポリエステルポリオール(A)の水酸基価は、5〜100が好ましく、10〜60がより好ましく、10〜40が特に好ましい。水酸基価が低過ぎる高結晶性ポリエステルポリオール(A)では、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性を低下させる虞がある。また、水酸基価が高過ぎる高結晶性ポリエステルポリオール(A)では、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度を十分に向上させることができない虞がある。
なお、本発明において、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの水酸基価は、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数を意味する(JIS K0070:1992 2.1(5))。具体的には、無水酢酸によりポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール中の水酸基をアセチル化した後、使われなかった無水酢酸を水酸化カリウムで滴定することにより測定できる(JIS K0070:1992 3.1(中和滴定法))。
高結晶性ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度を高める観点より、1000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましく、5000以上であることがさらに好ましい。湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性の向上並びに常態接着力および耐熱クリープを高める観点より、12000以下であることが好ましく、10000以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定することができる。例えば、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを1.0重量%の濃度となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させることにより試料溶液を調製し、この試料溶液を用いて下記測定装置及び測定条件によるGPC法により、標準ポリスチレンを基準として、屈折率検出計を用いて行うことができる。
測定装置としては、例えば、送液装置がLC−9A、屈折率検出計がRID−6A、カラムオーブンがCTO−6A、データ解析装置がC−R4Aからなるシステム(いずれも島津製作所社製)を使用することができる。GPCカラムとしては、例えば、GPC−805(排除限界400万)3本、GPC−804(排除限界40万)1本(以上すべて島津製作所社製)をこの順に接続して使用することができる。また、測定条件は、試料注入量25μL(リットル)で、溶出液テトラヒドロフラン(THF)、送液量1.0mL/分、カラム温度45℃とする。
原料組成物中における高結晶性ポリエステルポリオール(A)の含有量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着力及び初期接着力が向上するので、15〜30重量%が好ましく、20〜25重量%がより好ましい。
(低結晶性ポリエステルポリオール(B))
低結晶性ポリエステルポリオール(B)は、炭素数が4〜6である直鎖ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖ポリオールを縮合重合させることにより得られるものである。
炭素数が4〜6である直鎖ポリカルボン酸としては、炭素数が4〜6である直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。具体的には、コハク酸(炭素数4)、アジピン酸(炭素数6)が挙げられる。直鎖ポリカルボン酸の炭素数は4〜6である場合、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度及び塗工性が向上する。
炭素数が2〜6である直鎖ポリオールとしては、炭素数が2〜6である直鎖アルキレングリコールが好ましく挙げられる。具体的には、エチレングリコール(炭素数2)、ブタンジオール(炭素数4)、ヘキサンジオール(炭素数6)が挙げられる。直鎖ポリオールの炭素数は2〜6である場合、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度及び塗工性が向上する。
なお、本発明において、低結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g以上であり、かつ、5℃/分の降温速度で測定した結晶化曲線の発熱ピークが25〜35℃であるポリエステルポリオールを意味する。
低結晶性ポリエステルポリオール(B)の水酸基価は、20〜120が好ましく、30〜120がより好ましく、40〜60が特に好ましい。水酸基価が高い低結晶性ポリエステルポリオール(B)では、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性が向上する。また、水酸基価が低い低結晶性ポリエステルポリオール(B)では、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度が向上する。
低結晶性ポリエステルポリオール(B)の数平均分子量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度を高める観点より、1000以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましい。一方、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着力および耐熱クリープを高める観点からは、5000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。
原料組成物中における低結晶性ポリエステルポリオール(B)の含有量は、15〜30重量%が好ましいが、15〜25重量%がより好ましい。低結晶性ポリエステルポリオール(B)の含有量が多すぎると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度が低下することがある。低結晶性ポリエステルポリオール(B)の含有量が少なすぎると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着強度が低下することがある。
(ポリエーテルポリオール(C))
ポリエーテルポリオール(C)の数平均分子量は、4000以下であり、800〜3000がより好ましい。数平均分子量が上記範囲内であるポリエーテルポリオール(C)によれば、架橋点間分子鎖長が適度であることから、初期接着強度に優れ且つ湿気硬化後の常態接着力にも優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することができる。
ポリエーテルポリオール(C)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールにおいて、ポリオキシエチレン単位とポリオキシプロピレン単位との配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物は、例えば、ビスフェノールAの活性水素にアルキレンオキサイドを付加反応させることにより得られる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びイソブチレンオキサイドなどが挙げられる。ビスフェノールAに二種以上のアルキレンオキサイドが付加している場合、各アルキレンオキサイド単位の配列はランダムでもブロックでもよい。
なかでも、ポリエーテルポリオール(C)としては、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。また、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の中でも、ビスフェノールAにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加してなる付加物がより好ましい。
原料組成物中におけるポリエーテルポリオール(C)の含有量は、15〜30重量%が好ましく、20〜30重量%がより好ましい。ポリエーテルポリオール(C)の含有量が上記範囲内である湿気硬化型ホットメルト接着剤は、初期接着強度に優れると共に、湿気硬化後の常態接着強度にも優れる。
ポリオール化合物としては、上述した高結晶性ポリエステルポリオール(A)、低結晶性ポリエステルポリオール(B)及びポリエーテルポリオール(C)以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲で他のポリオールを含んでいてもよい。他のポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリアルキレンポリオール、及びポリカーボネートなどが挙げられる。
[ポリイソシアネート化合物]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有している。ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を一分子中に2個以上有するポリイソシアネート化合物である。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、カルボジイミド変成ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI、2,4体、2,6体、もしくはこれらの混合物)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
なかでも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びカルボジイミド変成ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
原料組成物中におけるポリイソシアネート化合物の含有量は、10〜25重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましい。ポリイソシアネート化合物の含有量が上記範囲内である湿気硬化型ホットメルト接着剤は、初期接着強度に優れると共に、湿気硬化後の常態接着強度にも優れる。
[ウレタンプレポリマー]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤に含まれるウレタンプレポリマーは、上述した各成分、すなわち、高結晶性ポリエステルポリオール(A)、低結晶性ポリエステルポリオール(B)、ポリエーテルポリオール(C)を含むポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。
ウレタンプレポリマーを合成する際には、ポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリオール化合物が有するヒドロキシル基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])を、1.5〜3とするのが好ましい。モル比([NCO]/[OH])が高いと、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性や作業性を向上させることができる。また、モル比([NCO]/[OH])が低いと、得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤中において、ポリオール化合物と反応しなかったポリイソシアネート化合物を少なくでき、湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させる際に湿気硬化型ホットメルト接着剤の発泡を抑制することができる。
ウレタンプレポリマーの合成方法としては、例えば、ポリオール化合物を80〜120℃に加熱して溶融状態とし、減圧下などで脱水した後、この溶融状態のポリオール化合物に窒素雰囲気下でポリイソシアネート化合物を添加し、ポリオール化合物とポリイソシアネートとを反応させる方法が好ましく用いられる。
[他の添加剤]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上述したポリオール化合物及びウレタンプレポリマー以外にも、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤としては、粘着付与樹脂、オイル、可塑剤、熱可塑性樹脂、硬化触媒、安定剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、香料、顔料、及び染料などが挙げられる。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、及び芳香族石油樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂の環球軟化点は、90〜150℃が好ましい。
オイルとしては、プロセスオイル、エクステンダーオイル、ソフナー、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルなどが挙げられる、
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル、トリメリット酸エステル、塩素化パラフィン、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油、プロセスオイル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルのエポキシ可塑剤、ビニル系モノマーを重合して得られるビニル系重合体、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステルなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(水添SIS)、及び水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(水添SEBS)などを挙げることができる。
硬化触媒は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気反応性を向上させるために用いられる。触媒としては、アミン系硬化触媒や錫系硬化触媒などが用いられる。アミン系硬化触媒としては、モルホリン系化合物が好ましく、具体的には、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、及びトリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチルアミンなどが挙げられる。錫系硬化触媒としては、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、及びジオクタン酸第1錫などが挙げられる。
安定剤は、有機燐系化合物が好ましく、具体的にはトリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、芳香族リン酸縮合エステルが挙げられる。なかでも、常温で固体の有機燐系化合物が好ましく、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、及び芳香族リン酸縮合エステルがより好ましい。有機リン系化合物によれば、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化速度を低下させることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性を向上させることができる。
充填剤の例としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、並びにPVC及びPMMAなど樹脂からなる粒子などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられる。その中でもアミン部分が3級アミンであるヒンダードアミン系光安定剤がより好ましい。具体的には、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、及びビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
加水分解性シリル基を有するポリマーは、一分子中に少なくとも1個の架橋可能な加水分解性シリル基を有する。加水分解性シリル基は、加水分解性基が珪素原子に結合した基である。この加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、及びアルケニルオキシド基などが挙げられる。
加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基が好ましい。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、及びベンジルオキシ基などを挙げることができる。なかでも、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基を挙げることができる。加水分解性シリル基を有するポリマーは、これらのアルコキシシリル基を単独または2種以上有していてもよい。
加水分解性シリル基を有するポリマーの主鎖としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリエーテルポリオール、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリオレフィン、及びポリエステルが好ましく挙げられる。ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系重合体を構成するモノマーとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸の何れか一方或いは双方を意味する。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどの単独重合体や共重合体が挙げられ、具体的には、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒法ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体など)などが挙げられる。ポリエステルとしては、ポリエステルポリオールが好ましく挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコールなどのグリコールと、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸とを縮合させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
[化粧材]
上述した本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、化粧材に好適に用いられる。化粧材において、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、基材と化粧シートとを接着一体化させるために用いることが好ましい。
化粧材の構成としては、特に制限されず、従来公知の化粧材の構成が挙げられる。例えば、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤によって基材と化粧シートとが接着一体化されてなる化粧材が挙げられる。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、固化速度に優れていると共に、固化後に優れた接着強度を発現することができる。そのため、湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して基材と化粧シートとを貼り合わせた直後、湿気硬化型ホットメルト接着剤が迅速に冷却固化して基材と化粧シートとを十分な接着強度で接着することができる。本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化後に接着強度がさらに向上し、基材と化粧シートとを強固に接着一体化させることができる。更に、化粧材が高温環境下に置かれても、湿気硬化型ホットメルト接着剤が優れた耐熱接着性を発揮して、基材と化粧シートとが剥離することなく強固に接着一体化されている状態を維持することができる。
化粧材の製造方法としては、例えば、湿気硬化型ホットメルト接着剤を70〜160℃に加熱することで溶融させた後、基材又は化粧シートのうちの一方の上に塗布し、塗布した湿気硬化型ホットメルト接着剤に基材又は化粧シートのうちの他方を重ね合わせて積層体を得、この積層体を養生させることにより湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させ、これにより接着剤層を形成すると共に、接着剤層によって基材と化粧シートとが接着一体化された化粧材を得る方法が挙げられる。
加熱溶融させた湿気硬化型ホットメルト接着剤を基材又は化粧シートに塗布する方法としては、ロールコーター、スプレーコーター、Tダイコーター、及びナイフコーターなどが挙げられる。
また、積層体の養生を行う前に、積層体にロールプレス、フラットプレス、ベルトプレスなどを行うことにより、基材、湿気硬化型ホットメルト接着剤、及び化粧シートを圧着させることが好ましい。
化粧材に用いられる基材としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、及びメラミン樹脂などの合成樹脂からなる合成樹脂板;天然木材、合板、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)パーティクルボード、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、及び集成材などの木材;無機ボード;並びにアルミニウム、鉄、及びステンレスなどの金属からなる金属板などが挙げられる。基材において、接着剤層と接着一体化される面には、必要に応じて、プラズマ処理、アクリル系樹脂やメラミンアクリル系樹脂などの電着塗装処理、及びアルマイト処理などのプライマー処理が行われていてもよい。また、基材には、溝部の他、R部や逆R部などの曲面部が形成されていてもよい。
化粧シートとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、及びポリプロピレンなどの合成樹脂からなるシート、紙、突板、金属箔などが挙げられる。化粧シートは、その表面に色や模様を付すことにより装飾性が高められていてもよい。
本発明の化粧材は、例えば、フローリング、木質ドアの框や鏡板、窓枠、敷居、手すり、幅木、回り縁や、キッチン、及びクローゼットなどの外装材、内装材及び家具として好ましく用いられる。
以下に、本発明は実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
まず、下記する実施例及び比較例において使用した高結晶性ポリエステルポリオール(A1)〜(A4)、低結晶性ポリエステルポリオール(B1)〜(B2)、ポリエーテルポリオール(C1)〜(C3)、他のポリオール、及びポリイソシアネートのそれぞれについて、以下に詳細な説明を記載する。
[高結晶性ポリエステルポリオール(A)]
・高結晶性ポリエステルポリオール(A1)
セバシン酸(炭素数10)とヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる高結晶性ポリエステルポリオール、水酸基価12、数平均分子量10000、吸熱量25cal/g、発熱ピーク56℃、豊国製油社製 商品名「HS 2H−1000S」
・高結晶性ポリエステルポリオール(A2)
セバシン酸(炭素数10)とヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる高結晶性ポリエステルポリオール、水酸基価32、数平均分子量3500、吸熱量23cal/g、発熱ピーク54℃、豊国製油社製 商品名「HS 2H−350S」
・高結晶性ポリエステルポリオール(A3)
セバシン酸(炭素数10)とヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる高結晶性ポリエステルポリオール、水酸基価56、数平均分子量2000、吸熱量21cal/g、発熱ピーク53℃、豊国製油社製 商品名「HS 2H‐200S」
・高結晶性ポリエステルポリオール(A4)
アジピン酸(炭素数6)とヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる高結晶性ポリエステルポリオール、水酸基価13、数平均分子量8500、吸熱量20cal/g、発熱ピーク45℃、豊国製油社製 商品名「HS 2H‐851A」
[低結晶性ポリエステルポリオール(B)]
・低結晶性ポリエステルポリオール(B1)
アジピン酸(炭素数6)と1,4−ブタンジオール(炭素数4)とを縮合重合させてなる低結晶性ポリエステルポリオール、水酸基価56、数平均分子量2000、吸熱量14cal/g、発熱ピーク32℃、豊国製油社製 商品名「HOKOKUOL HT−210」
・低結晶性ポリエステルポリオール(B2)
アジピン酸(炭素数6)と1,4−ブタンジオール(炭素数4)とを縮合重合させてなる低結晶性ポリエステルポリオール、水酸基価37、数平均分子量3000、吸熱量16cal/g、発熱ピーク32℃、豊国製油社製 商品名「HOKOKUOL HT−310」
[ポリエーテルポリオール(C)]
・ポリエーテルポリオール(C1)
化合物名 ポリプロピレングリコール、数平均分子量2000、水酸基価56、旭硝子社製 商品名「エクセノール2020」
・ポリエーテルポリオール(C2)
化合物名 ビスフェノールAのポリプロピレングリコール付加物、数平均分子量800、水酸基価 142、ADEKA社製 商品名「BPX55」
・ポリエーテルポリオール(C3)
化合物名 ポリプロピレングリコール、数平均分子量3000、水酸基価35、旭硝子社製 商品名「エクセノール3020」
[ポリイソシアネート]
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(実施例1〜9及び比較例1〜3)
ポリオール化合物として、高結晶性ポリエステルポリオール(A1)〜(A4)、低結晶性ポリエステルポリオール(B1)〜(B2)及びポリエーテルポリオール(C1)〜(C3)を、それぞれ表1に示した配合量で、撹拌羽を有する1リットル四つ口フラスコ内に投入し、120℃に加熱溶融させて溶融状態の混合物を得、1mmHg以下まで減圧することにより混合物を脱水させ、フラスコ内を窒素ガスでパージした後に混合物の温度を80℃まで冷却させた。次に、フラスコ内に、ポリイソシアネート化合物として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、表1に示した配合量で投入して原料組成物とし、この原料組成物を窒素ガス雰囲気下で3時間撹拌した。これにより、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とが反応してなり、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
なお、表1において、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物の配合量は、原料組成物の全重量に対する各成分の重量割合(重量%)として記載した。原料組成物において、ポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリオール化合物が有するヒドロキシル基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])を「[NCO]/[OH]」の欄に記載した。
(評価)
湿気硬化型ホットメルト接着剤について、初期接着強度、常態接着強度及び耐熱クリープ性を下記手順にて評価した。結果を表1に示す。
(初期接着強度)
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、オレフィンシート(厚み180μm)の一面に塗工厚み40μmで塗工した。その後、表面温度を35℃に調整した中密度繊維(ミディアムデンシティファイバーボード。以下、MDF)基材上に、オレフィンシートを、塗工した湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、オレフィンシート上にゴムロールを転動させて、オレフィンシートとMDF基材とを圧着させることにより、試験片を得た。
次に、試験片を、温度23℃、相対湿度55%環境下に2時間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を冷却固化させた。その後、MDF基材からオレフィンシートを、剥離角度180度、剥離速度250mm/分で剥離し、この時の最大の剥離強度を「初期接着強度(N/25mm)」として測定した。
(常態接着強度)
初期接着強度の測定における上記手順と同様にして、試験片を作製した。次に、試験片を、温度23℃、相対湿度55%環境下に1時間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を冷却固化させた。その後、試験片を温度23℃、相対湿度55%環境下に1週間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。そして、MDF基材からオレフィンシートを、剥離角度180度、剥離速度250mm/分で剥離し、この時の最大の剥離強度を「常態接着強度(N/25mm)」として測定した。
(耐熱クリープ性)
初期接着強度の測定における上記手順と同様にして、試験片を作製した。次に、試験片を、温度23℃、相対湿度55%環境下に1時間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を冷却固化させた。その後、試験片を温度23℃、相対湿度55%環境下に1週間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。80℃の温度環境下において、オレフィンシートが下面となるようにして試験片を水平に設置した後、オレフィンシートの長さ方向における一方の端部に、垂直方向に500g/25mmの加重をかけた。この状態のまま24時間経過後、オレフィンシートが剥離した幅(mm)を測定した。
Figure 0006373618

Claims (2)

  1. 炭素数が6〜12である直鎖ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖ポリオールを縮合重合させてなる高結晶性ポリエステルポリオール(A)15〜30重量%
    炭素数が4〜6である直鎖ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖ポリオールを縮合重合させてなり、且つ数平均分子量が1000〜5000である低結晶性ポリエステルポリオール(B)15〜30重量%及び、
    数平均分子量が4000以下であるポリエーテルポリオール(C)15〜30重量%
    を含むポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物10〜25重量%とを含む原料組成物を反応させてなり、且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーを含有していることを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  2. 高結晶性ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量が、3000〜10000であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
JP2014075272A 2014-04-01 2014-04-01 湿気硬化型ホットメルト接着剤 Active JP6373618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075272A JP6373618B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 湿気硬化型ホットメルト接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075272A JP6373618B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 湿気硬化型ホットメルト接着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015196768A JP2015196768A (ja) 2015-11-09
JP6373618B2 true JP6373618B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=54546680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014075272A Active JP6373618B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 湿気硬化型ホットメルト接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6373618B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6160891B1 (ja) * 2015-12-16 2017-07-12 Dic株式会社 湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び積層体
CN106854449B (zh) * 2016-12-16 2020-03-27 北京京都大成新材料科技有限公司 一种纸塑复合用无溶剂单组分胶及其制备方法
JP6836713B2 (ja) * 2016-12-22 2021-03-03 Dic株式会社 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト組成物
JP6943413B2 (ja) * 2017-03-13 2021-09-29 株式会社タマル製作所 ナノファイバー積層体の製造方法
CN111465671A (zh) * 2017-12-20 2020-07-28 日立化成株式会社 反应性热熔粘接剂组合物及其制造方法、粘接方法、以及图像显示装置及其制造方法
CN108559439A (zh) * 2018-02-13 2018-09-21 嘉兴市建川新材料科技有限公司 一种用于导电聚氨酯热熔胶及制备方法
US11136430B2 (en) 2018-05-14 2021-10-05 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. Polyurethane prepolymer, adhesive and synthetic imitation leather
CN111073583A (zh) * 2019-12-31 2020-04-28 华威粘结材料(上海)股份有限公司 一种用于灯具行业的新型耐热聚氨酯热熔胶及其制备方法
JP7470406B2 (ja) 2020-06-30 2024-04-18 積水フーラー株式会社 湿気硬化型ホットメルト接着剤
CN113583612A (zh) * 2021-08-09 2021-11-02 广东省京极盛新材料科技有限公司 一种用于多层实木复合地板的pur热熔胶及其制备方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2055346A1 (en) * 1990-12-21 1992-06-22 John C. Tangen Mixture of isocyanate-terminated polyurethane prepolymers having reduced set time
KR20050070028A (ko) * 2002-10-01 2005-07-05 우베 고산 가부시키가이샤 폴리올 혼합물 및 이 혼합물로부터 얻은 반응성 핫 멜트조성물 및 이 조성물을 사용하여 얻은 성형품
JP2004359865A (ja) * 2003-06-05 2004-12-24 Sekisui Chem Co Ltd 湿気硬化型ホットメルト接着剤及び化粧材の製造方法
JP4655199B2 (ja) * 2004-01-20 2011-03-23 Dic株式会社 湿気硬化性ホットメルト接着剤
JP4872295B2 (ja) * 2005-09-30 2012-02-08 Dic株式会社 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JP4775633B2 (ja) * 2005-11-29 2011-09-21 Dic株式会社 積層体、及び積層体の製造方法
JP2009242513A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Aica Kogyo Co Ltd 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤
DE102008017036A1 (de) * 2008-04-03 2009-10-08 Bayer Materialscience Ag Hotmelts
JP2009286883A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd 反応性ホットメルト接着剤
JP2009286941A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Henkel Japan Ltd 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP5460992B2 (ja) * 2008-10-03 2014-04-02 アイカ工業株式会社 反応性ホットメルト接着剤
US8277601B2 (en) * 2008-12-12 2012-10-02 Henkel Corporation Reactive hot melt adhesive
JP5566051B2 (ja) * 2009-05-28 2014-08-06 ヘンケルジャパン株式会社 Icカード用湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP2011084686A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Aica Kogyo Co Ltd 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤
TWI534165B (zh) * 2011-10-24 2016-05-21 迪愛生股份有限公司 濕氣硬化型聚胺基甲酸酯熱熔樹脂組成物、接著劑及物品
JP6030950B2 (ja) * 2011-12-28 2016-11-24 積水フーラー株式会社 湿気硬化型ホットメルト接着剤及びこれを用いてなる化粧材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015196768A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6373618B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP6613049B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP6960656B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP4872295B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JP6196852B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP6023534B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP6030950B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤及びこれを用いてなる化粧材
JP6343547B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
CN104428333A (zh) 基于硅烷封端的聚合物的高填料含量的组合物
JP6196851B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP5292891B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、及びそれを用いた造作部材
JP2007211150A (ja) 反応型ホットメルト接着剤組成物
JP2013087150A (ja) 湿気硬化性ポリウレタンホットメルト接着剤、及び化粧造作部材
JP6330499B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JP4655199B2 (ja) 湿気硬化性ホットメルト接着剤
JP5648851B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、及びそれを用いて得られる化粧造作部材
JP5471639B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、及びそれを用いて得られる化粧造作部材
JP5377921B2 (ja) 無溶剤形一液湿気硬化型ポリウレタン系接着剤
JP2022189479A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP7470406B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP6459459B2 (ja) 湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物
JP7470403B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP5760848B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、及び化粧造作部材
JP2023155173A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤、及び積層体
JP2011220099A (ja) 床材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6373618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250