JP6960656B2 - 湿気硬化型ホットメルト接着剤 - Google Patents

湿気硬化型ホットメルト接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に関する。
従来から、床板材に、ウレタンフォームなどの緩衝材を接着剤を用いて接着することにより、クッション性、軽量化を付与することが行われている。
床板材とウレタンフォームとの接着に用いられる接着剤としては、水系エマルジョン型接着剤や、湿気硬化型ホットメルト接着剤が知られている。なかでも、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、固化が速いため、生産性改善に対する対策となることから多く用いられている。
湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、例えば、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とするホットメルト型接着剤が用いられている(例えば、特許文献1)。このような湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融させた状態で基材に塗工された後、冷却固化することにより、初期接着強度を発現する。その後、湿気硬化型ホットメルト接着剤が塗工された基材を一定時間放置することによって、イソシアネート基と大気や基材中に含まれている湿気とが反応してウレタンプレポリマーが架橋構造を形成し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤が硬化して接着強度がさらに向上する。
特開2001−262113号公報
しかしながら、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着強度を発現できるものの、雰囲気温度等により塗工された湿気硬化型ホットメルト接着剤が冷却固化して初期接着強度を発現するまでに時間がかかり、初期接着強度を発現する前にウレタンフォームが部分的に剥離したり浮いたりする問題が生じる。特に夏の工場内は温度が高く、湿気硬化型ホットメルト接着剤が冷却固化して初期接着強度を発現するまでに時間がかかり、ウレタンフォームが部分的に剥離したり浮いたりする問題が生じやすくなる。
したがって、本発明の目的は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、接着剤塗布直後、高温下(40℃)においても、優れた初期接着性(初期収まり性)を発現することが可能な湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することである。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、炭素数が6〜12である直鎖状ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖状ポリオールの縮合重合体であるポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体、及び、粘着付与剤を含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しており、上記ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール、上記アクリル系共重合体、粘着付与剤及び上記ポリイソシアネート化合物の全量を100質量%とした時、上記ポリエステルポリオール10〜30質量%、上記ポリエーテルポリオール30〜50質量%、上記アクリル系共重合体10〜20質量%、及び、上記粘着付与剤5〜15質量%を含むことを特徴とする。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤において、ポリエステルポリオールがポリエステルポリオールであることを特徴とする。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤において、120℃の溶融粘度が20000mPa・s以下であることを特徴とする。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(40℃)でのウレタンフォームの初期接着性(初期収まり性)に優れている。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、炭素数が6〜12である直鎖状ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖状ポリオールの縮合重合体であるポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体、及び、粘着付与剤を含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有している。
(ポリエステルポリオール)
原料組成物は、ポリエステルポリオールを含んでいる。ポリエステルポリオールは、炭素数が6〜12である直鎖状ポリカルボン酸と、炭素数が2〜6である直鎖状ポリオールとの縮合重合体である。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリエステルポリオールを含有している。ポリエステルポリオールを用いることによって、湿気硬化型ホットメルト接着剤の優れた初期接着強度の発現を図っている。ポリエステルポリオールは、結晶性であっても非結晶性であってもよいが、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着強度が向上するので、結晶性を有するポリエステルポリオール(結晶性ポリエステルポリオール)が好ましい。
ポリエステルポリオールが結晶性であるか否かは下記基準に基づいて判断される。本発明において、結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g(12.558J/g)以上であるポリエステルポリオールを意味する。非結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g(12.558J/g)未満であるポリエステルポリオールを意味する。
炭素数が6〜12である直鎖状ポリカルボン酸としては、炭素数が6〜12である直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましく挙げられ、具体的には、アジピン酸(炭素数6)、セバシン酸(炭素数10)、及びドデカン二酸(炭素数12)が挙げられる。
炭素数が2〜6である直鎖状ポリオールとしては、炭素数が2〜6である直鎖アルキレングリコールが好ましく挙げられる。具体的には、エチレングリコール(炭素数2)、ブタンジオール(炭素数4)、及びヘキサンジオール(炭素数6)が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度に優れているので、両末端にカルボキシ基を有し且つ炭素数が12である直鎖状ジカルボン酸と、両末端に水酸基を有し且つ炭素数が6である直鎖状ポリオールとの縮合重合体が好ましく、ドデカン二酸(1,10‐デカンジカルボン酸)と1,6−ヘキサンジオールとの縮合重合体が含まれることが好ましい。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、400〜10000であり、1000〜5000が好ましく、2000〜4000がより好ましい。ポリエステルポリオールの数平均分子量が上記範囲内にあると、ウレタンプレポリマーにおける架橋点間分子鎖長が適度な長さとなり、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着性(初期収まり性)を有する。
なお、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びアクリル系共重合体の数平均分子量は、下記の要領で測定された値をいう。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法を用いて測定することができる。例えば、測定対象となる重合体を1.0質量%の濃度となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させることにより試料溶液を調製し、この試料溶液を用いて下記測定装置及び測定条件によるGPC法により、標準ポリスチレンを基準として、屈折率検出計を用いて行うことができる。
測定装置としては、例えば、送液装置がLC−9A、屈折率検出計がRID−6A、カラムオーブンがCTO−6A、データ解析装置がC−R4Aからなるシステム(いずれも島津製作所社製)を使用することができる。GPCカラムとしては、例えば、GPC−805(排除限界400万)3本、GPC−804(排除限界40万)1本(いずれも島津製作所社製)をこの順に接続して使用することができる。また、測定条件は、試料注入量25μL(リットル)で、溶出液テトラヒドロフラン(THF)、送液量1.0mL/分、カラム温度45℃とする。
原料組成物中におけるポリエステルポリオールの含有量は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、粘着付与剤、及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、10〜30質量%であり、15〜25質量%が好ましい。ポリエステルポリオールの含有量が10質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、初期接着強度に優れている。ポリエステルポリオールの含有量が30質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤のオープンタイムが長くなり高い接着強度を維持し、耐熱クリープ性が向上する。
(ポリエーテルポリオール)
原料組成物は、ポリエーテルポリオールを含有している。ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及び化1の構造式で示されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ポリプロピレングリコールがより好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の中でも、ビスフェノールAにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加してなる付加物がより好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールにおいて、ポリオキシエチレン単位とポリオキシプロピレン単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物は、例えば、ビスフェノールAの活性水素にアルキレンオキサイドを付加反応させることにより得られる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びイソブチレンオキサイドなどが挙げられる。ビスフェノールAに二種以上のアルキレンオキサイドが付加している場合、各アルキレンオキサイド単位の配列はランダムでもブロックでもよい。
原料組成物中に含まれるポリエーテルポリオールは、加水分解性シリル基を含有していないことが好ましい。加水分解性シリル基とは、珪素原子に1〜3個の加水分解性基が結合してなる基である。
加水分解性シリル基の加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。
Figure 0006960656

式中、n及びmは、正の整数である。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、400〜10000であり、700〜5000が好ましく、1500〜2500がより好ましい。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が上記範囲内にあると、ウレタンプレポリマーにおける架橋点間分子鎖長が適度な長さとなり、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着性(初期収まり性)を有する。
原料組成物中におけるポリエーテルポリオールの含有量は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、粘着付与剤及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、30〜50質量%であり、35〜45質量%が好ましい。ポリエーテルポリオールの含有量が30質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が下がり作業性が向上すると共に常態接着性が向上する。湿気硬化型ホットメルト接着剤の含有量が50質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着性(初期収まり性)を有する。
原料組成物は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の物性を損なわない範囲内において、上記ポリエステルポリオール及び上記ポリエーテルポリオール以外のポリオールを含有していてもよい。このようなポリオールとしては、例えば、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートなどが挙げられる。
(アクリル系共重合体)
アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸とアクリル系モノマーとの共重合体である。本発明において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。アクリル系共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸と共重合可能であれば、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)メタクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、アクリル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
なお、アクリル系共重合体は、例えば、エボニックジャパン社から商品名「ダイナコール AC1630」「ダイナコール AC1920」「ダイナコール AC4830」及び「ダイナコール AC1750」、三菱レイヨン社から商品名「ダイヤナール BR‐113」及び「ダイヤナール BR‐122」にて市販されている。
アクリル系共重合体の数平均分子量は、60000以上が好ましく、120000以上がより好ましい。アクリル系共重合体の数平均分子量が60000以上であると、アクリル系共重合体はその分子量が大きいので分子間凝集力が大きく、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度を有する。アクリル系共重合体の数平均分子量は、200000以下が好ましく、150000以下がより好ましい。アクリル系共重合体の数平均分子量が200000以下であると、著しい粘度上昇が妨げられ作業性が向上するため好ましい。
アクリル系共重合体のガラス転移温度は50〜90℃であり、60〜80℃が好ましい。アクリル系共重合体のガラス転移温度が上記範囲内であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融から固化までの時間が適切になり、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度を有する。
アクリル系共重合体のガラス転移温度は、JIS K7121に準拠してDSC測定を行い、10℃/分の速度で加熱と冷却を行った後、10℃/分の速度条件下の第2ランにおいて測定されたDSC曲線の段差の中間点の温度とする。
原料組成物中におけるアクリル系共重合体の含有量は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、粘着付与剤及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、10〜20質量%であり、12〜18質量%が好ましい。アクリル系共重合体の含有量が10質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着強度を有する。アクリル系共重合体の含有量が20質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が下がり、作業性及び常態接着強度が向上する。
(粘着付与剤)
原料組成物は粘着付与剤を含有している。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、及び芳香族石油樹脂などが挙げられる。粘着付与剤の環球軟化点は、常態接着強度が向上するので、90〜150℃が好ましく、95〜109℃がより好ましい。環球軟化点は、JAI‐7−1999(日本接着剤工業会規格)に準拠して測定された温度をいう。粘着付与剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
原料組成物中における粘着付与剤の含有量は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、粘着付与剤及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、5〜15質量%であり、7〜13質量%が好ましい。粘着付与剤の含有量が5質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤のオープンタイムが長くなり、常態接着強度が向上する。粘着付与剤の含有量が15質量%以下であると湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着性(初期収まり性)を有する。
(ポリイソシアネート化合物)
ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物をいう。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、カルボジイミド変成ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI、2,4体、2,6体、又はこれらの混合物)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
(ウレタンプレポリマー)
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有している。
具体的には、ウレタンプレポリマーは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体及び粘着付与樹脂を含む原料組成物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させることによって得られる。
原料組成物とポリイソシアネート化合物の全体において、イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)は1.5〜3が好ましく、1.8〜2.2がより好ましい。イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)が1.5以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた耐熱クリープ性を有する。イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)が3以下であると、未反応のポリイソシアネート化合物を抑制し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化時に、湿気硬化型ホットメルト接着剤の発泡を抑制することができる。
ウレタンプレポリマーの合成方法としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体及び粘着付与剤を含む原料組成物を80〜140℃に加熱して溶融状態とし、原料組成物を減圧下などで脱水処理する。しかる後、溶融状態の原料組成物に窒素雰囲気下にてポリイソシアネート化合物を添加して、原料組成物とポリイソシアネート化合物とを反応させてウレタンプレポリマーを合成する方法が挙げられる。
(他の添加剤)
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上記ウレタンプレポリマーを含有しているが、ウレタンプレポリマー以外に添加剤が含有されていてもよい。
添加剤としては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の物性を損なわなければ、特に限定されず、例えば、オイル、可塑剤、熱可塑性樹脂、硬化触媒、安定剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、香料、顔料、染料、及び、加水分解性シリル基を有するポリマーなどが挙げられる。なお、添加剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
オイルとしては、プロセスオイル、エクステンダーオイル、ソフナー、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルなどが挙げられる。オイルは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル、トリメリット酸エステル、塩素化パラフィン、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油、プロセスオイル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルのエポキシ可塑剤、ビニル系モノマーを重合して得られるビニル系重合体、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステルなどが挙げられる。可塑剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(水添SIS)、及び水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(水添SEBS)などを挙げることができる。熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化触媒は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気反応性を向上させるために用いられる。触媒としては、アミン系硬化触媒や錫系硬化触媒などが用いられる。アミン系硬化触媒としては、特に限定されないが、モルホリン系化合物が好ましい。モルホリン系化合物としては、具体的には、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、及びトリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチルアミンなどが挙げられる。錫系硬化触媒としては、特に限定されず、例えば、酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、及びジオクタン酸第1錫などが挙げられる。硬化触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
安定剤は、特に限定されないが、有機燐系化合物が好ましい。有機燐系化合物としては、例えば、トリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、芳香族リン酸縮合エステルが挙げられる。なかでも、常温で固体の有機燐系化合物が好ましく、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、及び芳香族リン酸縮合エステルがより好ましい。有機燐系化合物によれば、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化速度を低下させることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性を向上させることができる。安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
充填剤の例としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂及び塩化ビニリデン樹脂などから形成された有機ミクロバルーン、並びにPVC(ポリ塩化ビニル)及びPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの樹脂から形成された粒子などが挙げられる。充填剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられる。その中でもアミン部分が3級アミンであるヒンダードアミン系光安定剤がより好ましい。光安定剤としては、例えば、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、及びビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。光安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
加水分解性シリル基を有するポリマーは、一分子中に少なくとも1個の架橋可能な加水分解性シリル基を有する。加水分解性シリル基は、加水分解性基が珪素原子に結合した基である。この加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、及びアルケニルオキシド基などが挙げられる。
加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基が好ましい。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、及びベンジルオキシ基などを挙げることができる。なかでも、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基を挙げることができる。加水分解性シリル基を有するポリマーは、これらのアルコキシシリル基を単独または2種以上有していてもよい。
加水分解性シリル基を有するポリマーの主鎖としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリエーテルポリオール、(メタ)アクリレート系重合体及びポリオレフィンが好ましく挙げられる。ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。(メタ)アクリレート系重合体を構成するモノマーとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどの単独重合体や共重合体が挙げられ、具体的には、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒法ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体など)などが挙げられる。
[床材]
上述した本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、床材の製造に好適に用いられる。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、床板材とフォーム(好ましくは、ウレタンフォーム)とを接着一体化させるために用いられることが好ましい。
床材の構成としては、特に制限されず、従来公知の床板材とフォーム(発泡体)の構成が挙げられる。例えば、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤によって床板材と発泡シートとが接着一体化されてなる床材が挙げられる。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上記の如き構成を有しているので、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(40℃)でのフォームの保持力に優れているので、夏の高温下でもフォームの剥離や浮きを抑えることができる。
そして、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は120℃で20000mP・s以下が好ましい。湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が20000mP・s以下であると、優れた作業性を有する。なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は、B型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度120℃、回転速度20rpmの条件下にて測定して得られた溶融粘度をいう。なお、B型粘度計としては、例えば、ブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo.29)」にて市販されている。
床材の製造方法としては、例えば、湿気硬化型ホットメルト接着剤を100〜120℃に加熱することで溶融させた後、床板材の裏側に塗布し、塗布した湿気硬化型ホットメルト接着剤にフォームを重ね合わせて積層体を得る。この積層体を養生させることにより湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させ、これにより接着剤層を形成すると共に、接着剤層によって床板材とフォームとが接着一体化された床材を得る方法が挙げられる。
加熱溶融させた湿気硬化型ホットメルト接着剤を床板材に塗布する方法としては、ロールコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
また、積層体の養生を行う前に、積層体にロールプレス、フラットプレス、ベルトプレスなどを行うことにより、床板材、湿気硬化型ホットメルト接着剤、及びフォームをその厚み方向に圧着させることが好ましい。
床材に用いられる床板材としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、及びメラミン樹脂などの合成樹脂からなる合成樹脂板;天然木材、合板、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)パーティクルボード、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、及び集成材などの木材;無機ボード;並びにアルミニウム、鉄、及びステンレスなどの金属からなる金属板などが挙げられる。床板材はこれらの材料を単独または2種以上から構成されていてもよい。床板材において、接着剤層と接着一体化される面には、必要に応じて、プラズマ処理、アクリル系樹脂やメラミンアクリル系樹脂などの電着塗装処理、及びアルマイト処理などのプライマー処理が行われていてもよい。また、接着剤層と接着一体化される面には、溝部やエンボス加工などが形成されていてもよい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤の使用要領を説明する。湿気硬化型ホットメルト接着剤を100〜130℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤をアルミニウムパックなどの収納容器から流しだし、被着体に塗布する。被着体に塗布した湿気硬化型ホットメルト接着剤上に別の被着体を重ね合わせて、二つの被着体を湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせる。このとき、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、長時間に亘って優れた初期接着強度を維持するので、二つの被着体を湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して確実に重ね合わせた状態に保持することができる。更に、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、長いオープンタイムを有していることから、二つの被着体同士の位置合わせを容易に行うことができる。
しかる後、湿気硬化型ホットメルト接着剤を好ましくは20〜25℃にて相対湿度50〜60%の環境下に120〜168時間に亘って放置することによって湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させて、二つの被着体を接着一体化することができる。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた常態接着強度及び耐熱クリープ性を有していることから、二つの被着体は長期間に亘って安定的に接着一体化される。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
先ず、後述する実施例及び比較例において湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造に用いた各成分の詳細について記載する。
(ポリエステルポリオール)
・結晶性ポリエステルポリオール(A1)
ドデカン二酸(炭素数12)(1,10−デカンジカルボン酸)と1,6−ヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる結晶性ポリエステルポリオール(数平均分子量:3600、宇部興産社製 商品名「ETERNACOLL 3010」)
・結晶性ポリエステルポリオール(A2)
アジピン酸(炭素数6)と1,6−ヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる結晶性ポリエステルポリオール(数平均分子量:2000、豊国製油製 商品名「HS2H‐201AP」)
・結晶性ポリエステルポリオール(A3)
セバシン酸(炭素数10)と1,6−ヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる結晶性ポリエステルポリオール(数平均分子量:2000、豊国製油製 商品名「HS2H‐200S」)
・非結晶性ポリエステルポリオール(A4)
非結晶性ポリエステルポリオール(数平均分子量:2000、豊国製油製 商品名「HS2F‐237P」)
(ポリエーテルポリオール)
・ポリエーテルポリオール(B1)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量:2000、旭硝子社製 商品名「エクセノール2020」)
・ポリエーテルポリオール(B2)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量:3000、旭硝子社製 商品名「エクセノール3020」
・ポリエーテルポリオール(B3)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量:1000、旭硝子社製 商品名「エクセノール1020」)
(アクリル系共重合体)
・アクリル系共重合体(C1)(数平均分子量:140000、ガラス転移温度:65℃、エボニックジャパン製 商品名「ダイナコール AC1750」)
・アクリル系共重合体(C2)(数平均分子量:60000、ガラス転移温度:63℃、エボニックジャパン製 商品名「ダイナコール AC1630」)
(粘着付与剤)
・粘着付与剤(D1)(環球緩急軟化点:100〜108℃ KOMO CHEMICALS社製 商品名「KF‐454S」)
・粘着付与剤(D2)(環球軟化点:110〜116℃ KOMO CHEMICALS社製 商品名「KF‐462S」)
(ポリイソシアネート化合物)
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(実施例1〜11、比較例1〜8)
表1に示した所定量のポリエステルポリオール(A1)〜(A3)、ポリエーテルポリオール(B1)〜(B3)、アクリル系共重合体(C1)〜(C2)、及び、粘着付与剤(D1)〜(D2)を撹拌羽を有する1リットル四つ口フラスコ内に投入し、140℃に加熱、溶融させて溶融状態の原料組成物を得た。
得られた原料組成物に133.3Pa(1mmHg)以下の減圧下にて脱水処理を施した後、フラスコ内を窒素ガスでパージし、原料組成物を80℃まで冷却した。次に、フラスコ内の原料組成物に、表1に示した所定量の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを添加した。原料組成物と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの全量において、イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)を表1に示した。
フラスコ内を窒素ガス雰囲気下で3時間に亘って攪拌して反応させて、末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤について、120℃での溶融粘度、初期収まり性試験(初期接着性試験)、常態接着強度及び耐熱クリープ試験を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(溶融粘度)
ブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo29)」にて市販されているB型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度120℃の条件下にて測定した。
20000mPa・s以下の場合を「○」、20000mPa・sを超える場合を「×」とした。
(初期収まり性試験(初期接着性試験))
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、表面温度を40℃に調整した平面長方形状のオレフィンシート(厚み180μm)の一面に塗工厚み50μmで塗工した。その後、表面温度を40℃に調整した中密度繊維(ミディアムデンシティファイバーボード。以下、MDF)基材上に、オレフィンシートを、塗工した湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、オレフィンシート上にゴムロールを転動させて、オレフィンシートとMDF基材とを圧着させることにより、試験片を得た。
40℃雰囲気下、オレフィンシートが下面となるようにして試験片を水平に設置した後、オレフィンシートの長さ方向における一方の端部に、垂直方向に30g/25mmの加重をかけた。この状態のまま2分経過後、オレフィンシートが剥離した長さ(mm)を測定した。
(常態接着強度)
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、MDF基材に塗布量60g/m2で塗工した。その後、ウレタンフォームを、塗工した湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、ウレタンフォーム上にゴムロールを転動させて、ウレタンフォームとMDF基材とを圧着させることにより、積層体を得た。
次に、積層体を、温度23℃、相対湿度55%環境下に1時間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を冷却固化させた。その後、積層体を温度23℃、相対湿度55%環境下に1週間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。そして、積層体から50mm×50mmのサイズの正方形にカットし、試験片を得た。ウレタンフォームを接着面から垂直方向に移動速度5mm/分で引っ張った場合の最大の引張強度を「常態接着強度(N/mm2)」として測定した。
(耐熱クリープ試験)
常態接着強度の測定における上記手順と同様にして試験片を作製した。60℃の温度環境下において、ウレタンフォームが下面となるようにして試験片を水平に設置した後、ウレタンフォームの一の端縁部に、垂直方向に500g/25mmの加重をかけた。この状態のまま24時間経過後、ウレタンフォームが剥離した長さ(mm)を測定した。
Figure 0006960656

Claims (2)

  1. 炭素数が6〜12である直鎖状ポリカルボン酸及び炭素数が2〜6である直鎖状ポリオールの縮合重合体であるポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体、及び、粘着付与剤を含む原料組成物(但し、熱可塑性ポリカプロラクトンを含む場合を除く。)とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しており、上記ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール、上記アクリル系共重合体、上記粘着付与剤及び上記ポリイソシアネート化合物の全量を100質量%とした時、上記ポリエステルポリオール10〜30質量%、上記ポリエーテルポリオール35〜50質量%、上記アクリル系共重合体10〜20質量%、及び、上記粘着付与剤5〜15質量%を含むことを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  2. 120℃の溶融粘度が20000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
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