JP2023155173A - 湿気硬化型ホットメルト接着剤、及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐候性及び湿気硬化性の双方に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。【解決手段】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び硬化触媒を含み、上記ポリオール(A)が、結晶性ポリエステルポリオール(A1)と、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)と、液状ポリエステルポリオール(A3)と、ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方であるポリオール(A4)と、を含み、上記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を含み、且つ上記硬化触媒が、アミン系硬化触媒を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、耐候性及び湿気硬化性の双方に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤、及びこれを用いた積層体に関する。
従来から、建築材料、家具、自動車、及び電子材料など様々な分野では、接着剤を用いて、2個の被着体同士を接着させることが行われている。接着剤としては、有機溶剤を含む接着剤や、ホットメルト接着剤が知られている。なかでも、ホットメルト接着剤は、シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機化合物(VOC)を含んでおらず、作業衛生や環境汚染に対する対策となることから多く用いられている。
ホットメルト接着剤としては、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤が知られている(例えば、特許文献1)。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基が、空気や被着体に含まれる水と反応することで、ウレタンプレポリマーが高分子量化し、これにより接着力が向上する。
特開2002-322453号公報
湿気硬化型ホットメルト接着剤に含まれるウレタンプレポリマーは、ポリオールをポリイソシアネートと反応させることにより得られる。従来の湿気硬化型ホットメルトでは、湿気硬化性、安全性や製造コストを考慮して、ポリイソシアネートとして、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートが用いられている。
しかしながら、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、耐候性が低いという問題があった。このような湿気硬化型ホットメルト接着剤では、湿気硬化後に、紫外線を含む光が長時間に亘って照射された場合、黄色に変色し(黄変)、外観低下を招くことがある。
本発明者の検討によると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の黄変は、ウレタンプレポリマーの合成に用いられた芳香族ポリイソシアネートが原因であることが判明した。そこで、芳香族ポリイソシアネートに代えて、脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリイソシアネートを用いることにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤の黄変を低減し、耐候性を向上させることができる。
しかしながら、脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリイソシアネートを用いた場合には、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化性が低下する問題が発生する。湿気硬化性が低い湿気硬化型ホットメルト接着剤では、湿気硬化するのに長時間を要する。
上述した通り、湿気硬化型ホットメルト接着剤では、耐候性と湿気硬化性とが相反する関係があり、これらを両立させるのが困難であった。
そこで、本発明は、耐候性及び湿気硬化性の双方に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。さらに、本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いてなる積層体を提供する。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び硬化触媒を含み、
上記ポリオール(A)が、
結晶性ポリエステルポリオール(A1)と、
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)と、
液状ポリエステルポリオール(A3)と、
ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方であるポリオール(A4)と、を含み、
上記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を含み、且つ
上記硬化触媒が、アミン系硬化触媒を含むことを特徴とする。
また、本発明の積層体は、2個の被着体が、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤により接着一体化されたことを特徴とする。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、耐候性及び湿気硬化性の双方に優れる。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、好ましくは、2個の被着体同士を接着一体化させて、積層体を製造するために用いられる。湿気硬化型ホットメルト接着剤の優れた湿気硬化性により、2個の被着体の接着一体化に要する時間を短縮することができる。さらに、湿気硬化型ホットメルト接着剤の優れた耐候性により、黄変が低減されて優れた外観を長期間に亘って維持することができる積層体を提供することができる。
[湿気硬化型ホットメルト接着剤]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び硬化触媒を含み、
上記ポリオール(A)が、
結晶性ポリエステルポリオール(A1)と、
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)と、
液状ポリエステルポリオール(A3)と、
ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方であるポリオール(A4)と、を含み、
上記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を含み、且つ
上記硬化触媒が、アミン系硬化触媒を含む。
[ウレタンプレポリマー]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタンプレポリマーを含む。ウレタンプレポリマーは、分子末端にイソシアネート基を有している。ウレタンプレポリマーは、分子両末端にイソシアネート基を有していることが好ましい。ウレタンプレポリマーは、空気や被着体に含まれている水分によって架橋反応を生じて硬化する。
[ポリオール(A)]
ポリオール(A)は、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)、及び液状ポリエステルポリオール(A3)を含む。さらに、ポリオール(A)は、ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方であるポリオール(A4)を含む。
(結晶性ポリエステルポリオール(A1))
ポリオール(A)は、結晶性ポリエステルポリオール(A1)を含有する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)は、好ましくは、カルボキシ基(-COOH)中の炭素を除いた炭素数が2~14であるポリカルボン酸と、炭素数が2~8であるポリオールとの縮合重合体である。即ち、結晶性ポリエステルポリオール(A1)は、好ましくは、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が2~14であるポリカルボン酸と、炭素数が2~8であるポリオールとが、ポリカルボン酸のカルボキシル基とポリオールの水酸基においてエステル反応を生じて縮合重合して得られる重合体である。
結晶性ポリエステルポリオール(A1)の製造において、ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合反応は、汎用の方法を用いて行なわれればよい。なお、ポリカルボン酸において規定している、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数とは、分子中に含まれる炭素総数から全てのカルボキシ基中の炭素総数を引いて得られる炭素数をいう。
ポリカルボン酸において、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数は2以上が好ましく、3以上がより好ましい。ポリカルボン酸において、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数は14以下が好ましく、12以下がより好ましい。カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が2以上であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が14以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
ポリカルボン酸は、2価のカルボン酸(HOOC-R1-COOH)であることが好ましい。2価のカルボン酸であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減することができる。R1の炭素数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。R1の炭素数は、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。R1の炭素数が上記範囲内であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
1は、脂肪族鎖であることが好ましく、直鎖状の脂肪族鎖であることがより好ましい。R1が脂肪族鎖であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。R1が直鎖状であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。R1が直鎖状とは、炭素が分岐することなく直線状に結合していることをいう。R1は、直鎖状のアルキレン基(-CnHn-)が好ましい。但し、nは自然数である。
カルボキシ基(-COOH)中の炭素を除いた炭素数が2~14であるポリカルボン酸は、特に限定されず、例えば、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、デカメチレンジカルボン酸(1,10-デカンジカルボン酸)、1,14-テトラデカンジカルボン酸などが挙げられ、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、デカメチレンジカルボン酸が好ましく、アジピン酸、セバシン酸がより好ましい。なお、ポリカルボン酸は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオールの炭素数は2以上が好ましく、4以上がより好ましい。ポリオールの炭素数は8以下が好ましく、6以下がより好ましい。ポリオールの炭素数が2以上であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。ポリオールの炭素数が8以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
ポリオールは、2価のアルコール(HO-R2-OH)であることが好ましい。2価のアルコールであると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減することができる。R2の炭素数は2以上が好ましく、4以上がより好ましい。R2の炭素数は8以下が好ましく、6以下がより好ましい。R2の炭素数が上記範囲内であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
2は、脂肪族鎖であることが好ましく、直鎖状の脂肪族鎖であることがより好ましい。R2が脂肪族鎖であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。R2が直鎖状であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。R2が直鎖状とは、炭素が分岐することなく直線状に結合していることをいう。R2は、直鎖状のアルキレン基(-CmHm-)が好ましい。但し、mは自然数である。mは、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上するので、偶数が好ましい。
炭素数が2~8であるポリオールは、特に限定されず、1,2-エタンジオール(エチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオールなどが挙げられ、1,6-ヘキサンジオール、1、2-エタンジオール(エチレングリコール)が好ましく、1,6-ヘキサンジオールがより好ましい。なお、ポリオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
結晶性ポリエステルポリオール(A1)は結晶性である。結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量(以下、単に「吸熱量」ということがある)が、10cal/g(40J/g)以上であるポリエステルポリオールである。
結晶性ポリエステルポリオール(A1)は、好ましくは、固体状である。具体的には、結晶性ポリエステルポリオール(A1)は、1気圧(1.013×105Pa)、20℃において固体であることが好ましい。
結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量は、2000以上が好ましく、2500以上がより好ましく、2800以上がより好ましく、2900以上がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量は、6000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、4500以下がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量が2000以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量が6000以下であると、優れた塗工性を維持することができる。
本発明において、ポリオールの数平均分子量は下記の要領で測定された値をいう。ポリオールの数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定することができる。具体的には、試料を1.0質量%濃度となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させることにより試料溶液を調製する。この試料溶液を用いてGPC法により、標準ポリスチレンを基準として、屈折率検出計を用いてポリオールの数平均分子量を測定する。
測定装置としては、例えば、送液装置がLC-9A、屈折率検出計がRID-6A、カラムオーブンがCTO-6A、データ解析装置がC-R4Aからなるシステム(いずれも島津製作所社製)を使用することができる。GPCカラムとしては、例えば、GPC-805(排除限界400万)3本、GPC-804(排除限界40万)1本(以上すべて島津製作所社製)をこの順に接続して使用することができる。又、測定条件は、試料注入量25μL(リットル)で、溶出液テトラヒドロフラン(THF)、送液量1.0mL/分、カラム温度45℃とする。
結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価は、20mgKOH/g以上が好ましく、25mgKOH/g以上がより好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価は、50mgKOH/g以下が好ましく、45mgKOH/g以下がより好ましく、40mgKOH/g以下がより好ましく、35mgKOH/g以下がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価が20mgKOH/g以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させることができ、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた塗工性を有する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価が50mgKOH/g以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
なお、本発明において、ポリオールの水酸基価は、ポリオール1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数を意味する(JIS K0070:1992 2.1(5))。具体的には、無水酢酸によりポリオール中の水酸基をアセチル化した後、使われなかった無水酢酸を水酸化カリウムで滴定することにより測定できる(JIS K0070:1992 3.1(中和滴定法))。
ポリオール(A)中において、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がより好ましい。ポリオール(A)中において、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がより好ましく、7質量%以下がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量が0.1質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量が15質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤が白色などに変色するのを低減し、透明性を向上させることができる。このような湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化後も優れた透明性を維持し、優れた外観を維持することもできる。
(非結晶性ポリエステルポリオール(A2))
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)は、ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合体が好ましい。即ち、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)は、ポリカルボン酸とポリオールとが、ポリカルボン酸のカルボキシル基とポリオールの水酸基においてエステル反応を生じて縮合重合して得られる重合体であることが好ましい。
ポリカルボン酸としては、特に限定されず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,5-ナフタル酸、2,6-ナフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸などが挙げられ、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましい。ポリカルボン酸は、アジピン酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸を含んでいることが好ましい。ポリカルボン酸は、イソフタル酸を含んでいることが好ましい。なお、ポリカルボン酸は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオールなどが挙げられ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコールが好ましい。ポリオールは、エチレングリコール、及びネオペンチルグリコールを含んでいることが好ましい。ポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコールを含んでいることが好ましい。なお、ポリオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)とは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が2.5cal/g(10J/g)未満であるポリエステルポリオールである。
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)は、好ましくは、固体状である。具体的には、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)は、1気圧(1.013×105Pa)、20℃において固体であることが好ましい。
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量は、1000以上が好ましく、1500以上が好ましく、1750以上がより好ましく、2000以上がより好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量は、6000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、4000以下がより好ましく、3800以下がより好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量が1000以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量が6000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させることができ、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた塗工性を有する。
非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価は、20mgKOH/g以上が好ましく、25mgKOH/g以上がより好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価は、90mgKOH/g以下が好ましく、60mgKOH/g以下がより好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価が20mgKOH/g以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させることができ、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた塗工性を有する。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価が90mgKOH/g以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
ポリオール(A)中において、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量は、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がより好ましい。ポリオール(A)中において、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量は、85質量%以下が好ましく、80量%以下がより好ましく、75質量%以下がより好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量が40質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤が白色などに変色するのを低減し、透明性を向上させることができる。非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量が85質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させることができ、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた塗工性を有する。また、非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量が85質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の高い耐候性を維持することができる。
(液状ポリエステルポリオール(A3))
液状ポリエステルポリオール(A3)は、ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合体が好ましい。即ち、液状ポリエステルポリオール(A3)は、ポリカルボン酸とポリオールとが、ポリカルボン酸のカルボキシル基とポリオールの水酸基においてエステル反応を生じて縮合重合して得られる重合体であることが好ましい。
ポリカルボン酸としては、特に限定されず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,5-ナフタル酸、2,6-ナフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸などが挙げられ、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸が好ましい。ポリカルボン酸は、アジピン酸を含有していることがより好ましい。なお、ポリカルボン酸は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオールなどが挙げられ、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。ポリオールは、ネオペンチルグリコール、及び1,6-ヘキサンジオールを含有していることが好ましい。ポリオールは、ネオペンチルグリコール、及び1,4-ブタンジオールを含有していることが好ましい。なお、ポリオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
液状ポリエステルポリオール(A3)は1気圧(1.013×105Pa)、20℃において液体である。
液状ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量は、500以上が好ましく、1000以上がより好ましい。液状ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量は、7000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、4000以下がより好ましく、3800以下がより好ましく、3000以下がより好ましい。液状ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量が500以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。液状ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量が7000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性が向上する。
液状ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価は、70mgKOH/g以上が好ましく、80mgKOH/g以上がより好ましく、90mgKOH/g以上がより好ましく、100mgKOH/g以上がより好ましい。液状ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価は、140mgKOH/g以下が好ましく、130mgKOH/g以下がより好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましい。液状ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価が70mgKOH/g以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。液状ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価が140mgKOH/g以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
ポリオール(A)中において、液状ポリエステルポリオール(A3)の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がより好ましい。ポリオール(A)中において、液状ポリエステルポリオール(A3)の含有量は、40質量%以下が好ましく、35量%以下がより好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がより好ましい。液状ポリエステルポリオール(A3)の含有量が5質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させることができ、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた塗工性を有する。液状ポリエステルポリオール(A3)の含有量が40質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、固化性が向上して、初期接着性が向上する。また、液状ポリエステルポリオール(A3)の含有量が40質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の高い耐候性を維持することができる。
(ポリオール(A4))
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方であるポリオール(A4)を含む。
(ポリエーテルポリオール(A41))
ポリエーテルポリオール(A41)としては、特に限定されない。ポリエーテルポリオール(A41)としては、(1)一般式:HO-(R3-O)p-(式中、R3は炭素数が1~14のアルキレン基を表し、pは、繰り返し単位の数であって正の整数である。)で表される繰り返し単位を含有する重合体、(2)ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシドなど)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオール(A41)の主鎖骨格は一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位を含んでいてもよく、又、二種以上の重合体ブロックを含んでいてもよい。なお、ポリエーテルポリオール(A41)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
本発明において、アルキレン基とは、脂肪族飽和炭化水素中の異なる2個の炭素原子に結合する2個の水素原子を除いて生じる2価の原子団であり、直鎖状及び分岐状の双方の原子団を含む。なお、分岐状とは、1個の炭素(メチル基)が側鎖として結合している場合が含まれる。
アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基[-CH(CH3)-CH2-]、トリメチレン基[-CH2-CH2-CH2-]、ブチレン基、アミレン基[-(CH25-]、ヘキシレン基などが挙げられる。
上述の一般式:HO-(R3-O)p-で表される繰り返し単位を含有する重合体の[-(R3-O)p-]としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド共重合体、及びポリプロピレンオキサイド-ポリブチレンオキサイド共重合体などが挙げられる。なかでも、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿熱接着性が向上するので、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド共重合体が好ましい。
ポリエーテルポリオール(A41)としては、下記式(1)にて表されるポリプロピレントリオールを含有していることが好ましい。式(1)中、R4、R5及びR6はそれぞれ、炭素数が1~14のアルキレン基を表す。R4、R5及びR6は、互いに同一であっても相違してもよい。x、y及びzはそれぞれ、繰り返し単位の数であって正の整数である。
アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基[-CH(CH3)-CH2-]、トリメチレン基[-CH2-CH2-CH2-]、ブチレン基、アミレン基[-(CH25-]、ヘキシレン基などが挙げられる。
Figure 2023155173000001
ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオールとしては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿熱接着性が向上するので、ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にプロピレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオール、ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にエチレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオール(A41)の数平均分子量は、500以上が好ましく、600以上がより好ましく、650以上がより好ましく、700以上がより好ましく、750以上がより好ましく、760以上がより好ましい。ポリエーテルポリオール(A41)の数平均分子量は、7000以下が好ましく、6000以下がより好ましく、5000以下がより好ましく、4000以下がより好ましく、3000以下がより好ましく、2500以下がより好ましく、2000以下がより好ましく、1500以下がより好ましい。ポリエーテルポリオール(A41)の数平均分子量が500以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。ポリエーテルポリオール(A41)の数平均分子量が7000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性が向上する。
ポリエーテルポリオール(A41)の水酸基価は、50mgKOH/g以上が好ましく、80mgKOH/g以上がより好ましく、100mgKOH/g以上がより好ましい。ポリエーテルポリオール(A41)の水酸基価は、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、170mgKOH/g以下がより好ましい。ポリエーテルポリオール(A41)の水酸基価が50mgKOH/g以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿熱接着性が向上する。ポリエーテルポリオール(A41)の水酸基価が200mgKOH/g以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
ポリオール(A)中において、ポリエーテルポリオール(A41)の含有量は、1質量%以上が好ましく、1.1質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がより好ましい。ポリオール(A)中において、ポリエーテルポリオール(A41)の含有量は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がより好ましい。ポリエーテルポリオール(A41)の含有量が1質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着強度が向上する。ポリエーテルポリオール(A41)の含有量が15質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性が向上すると共に、塗工時の増粘を抑制して塗工性を向上させることができる。
(ひまし油ポリオール(A42))
ひまし油ポリオール(A42)は、好ましくは、モノカルボン酸であるリシノレイン酸のカルボキシ基と、グリセリンの水酸基とが反応してなるポリオールであり、グリセリンの水酸基及び/又はリシノレイン酸に由来する水酸基を分子中に複数個有している。ひまし油ポリオール(A42)は、接着強度が向上するので、1分子中に平均して2~3個の水酸基を有していることが好ましい。
ひまし油ポリオール(A42)の数平均分子量は、500以上が好ましく、600以上がより好ましく、650以上がより好ましく、700以上がより好ましく、750以上がより好ましく、760以上がより好ましい。ひまし油ポリオール(A42)の数平均分子量は、7000以下が好ましく、6000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、4000以下がより好ましく、3000以下がより好ましく、2500以下がより好ましく、2000以下がより好ましく、1500以下がより好ましい。ひまし油ポリオール(A42)の数平均分子量が500以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。ひまし油ポリオール(A42)の数平均分子量が7000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性が向上する。
ひまし油ポリオール(A42)の水酸基価は、50mgKOH/g以上が好ましく、80mgKOH/g以上がより好ましく、100mgKOH/g以上がより好ましい。ひまし油ポリオール(A42)の水酸基価は、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、170mgKOH/g以下がより好ましい。ひまし油ポリオール(A42)の水酸基価が50mgKOH/g以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿熱接着性が向上する。ひまし油ポリオール(A42)の水酸基価が200mgKOH/g以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
ポリオール(A)中において、ひまし油ポリオール(A42)の含有量は、1質量%以上が好ましく、1.1質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がより好ましい。ポリオール(A)中において、ひまし油ポリオール(A42)の含有量は、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3.5質量%以下がより好ましい。ひまし油ポリオール(A42)の含有量が1質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着強度が向上する。ひまし油ポリオール(A42)の含有量が5質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性が向上すると共に、塗工時の増粘を抑制して塗工性を向上させることができる。
ポリオール(A4)は、ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方である。ポリオール(A4)は、ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)の双方であってもよいが、ポリエーテルポリオール(A41)、又は、ひまし油ポリオール(A42)であることが好ましく、ポリエーテルポリオール(A41)であることがより好ましい。これにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着強度が向上する。
[ポリイソシアネート(B)]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上述したポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタンプレポリマーを含む。ウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)の水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応してウレタン結合を形成しながら縮合重合して得られる反応物である。
ポリイソシアネート(B)は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐候性を向上させる観点から、芳香族環構造を有していないことが好ましい。芳香族環構造とは、(4n+2)個(nは自然数)のπ電子を有するヒュッケル則に従う環構造を意味する。芳香族環構造としては、ベンゼン環構造及びナフタレン環構造などが挙げられる。
ポリイソシアネート(B)は、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を含む。これにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐候性を向上させることができる。脂肪族ポリイソシアネートは、好ましくは、芳香族環構造を有していない。脂環族ポリイソシアネートは、好ましくは、芳香族環構造を有していない。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-、2,3-または1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネートの変性体が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4’-、2,4’-または2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくはその混合物(H12MDI)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(水添キシリレンジイソシアネート、H6XDI)、2,5-または2,6-ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンもしくはその混合物(NBDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートの変性体などが挙げられる。
ポリイソシアネート(B)としては、上述したポリイソシアネートの変性体も挙げられる。ポリイソシアネートの変性体としては、ポリイソシアネートのビウレット体(例えば、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット体、脂環族ポリイソシアネートのビウレット体など)、ポリイソシアネートのアロファネート体(例えば、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート体、脂環族ポリイソシアネートのアロファネート体など)、ポリイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体、脂環族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体など)、ポリイソシアネートの2官能アダクト体(2官能付加体)などが挙げられる。ポリイソシアネートのアロファネート体、及びポリイソシアネートの2官能アダクト体が好ましい。
ポリイソシアネートのアロファネート体は、好ましくは、下記式(2)で示されるアロファネート構造を有している。
Figure 2023155173000002

(式(2)中、*1、*2、及び*3は結合手であって単結合を意味する。)
式(2)で示されるアロファネート構造の結合手*1、*2、及び*3には、好ましくは、水素原子などの一価の原子、又は、一価の原子団が結合している。なお、原子団の価数は、この原子団が結合し得る他の原子又は原子団の数(原子価)を意味する。
アロファネート体の合成に用いられるポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方が挙げられる。ポリイソシアネートのアロファネート体としては、脂肪族ジイソシアネートのアロファネート体が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体がより好ましい。
ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体としては、下記式(3)で示されるアロファネート体が好ましく挙げられる。
Figure 2023155173000003

(式(3)中、R7は、1価の有機基を表す。)
7で表される1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられるが、アルキル基が好ましい。アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は、1~12が好ましく、3~10がより好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-へキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、イソへキシル基、イソへプチル基、イソオクチル基、及びイソノニル基などが挙げられる。
2官能アダクト体は、好ましくは、ポリイソシアネートとポリオールとの2官能アダクト体である。2官能アダクト体は、例えば、ポリイソシアネートにポリオールをウレタン化反応により付加させることにより得られる。2官能アダクト体は、分子中にイソシアネート基を2個有する。
2官能アダクト体の合成に用いられるポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方が挙げられるが、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートがより好ましい。
2官能アダクト体の合成に用いられるポリオールとしては、ジオールが好ましい。ジオールとしては、2価の脂肪族アルコール、及び2価の脂環族アルコールが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどが挙げられる。また、上述したジオールを原料としたポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリテトラエチレングリコールなどの2価アルコールであってもよい。ポリオールは、一種単独で用いられてよく、二種以上を併用してもよい。
2官能アダクト体の合成に用いられるポリオールは、液状であることが好ましい。液状ポリオールは、1気圧(1.013×105Pa)、20℃において液体である。
ポリイソシアネート(B)としては、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネートの変性体が好ましく、脂肪族ジイソシアネートの変性体がより好ましく、脂肪族ジイソシアネートのアロファネート体、及び脂肪族ジイソシアネートの2官能アダクト体がより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体、及びヘキサメチレンジイソシアネートの2官能アダクト体がより好ましい。これらのポリイソシアネート(B)を用いることにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐候性が向上する。
湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐候性を向上させる観点から、ポリイソシアネート(B)は、芳香族環構造を有するポリイソシアネートを含んでいないことが好ましい。また、本発明の効果を害しない範囲であれば、ポリイソシアネート(B)は、少量の芳香族環構造を有するポリイソシアネートを含んでいてもよい。
ポリイソシアネート(B)が芳香族環構造を有するポリイソシアネートを含む場合、ポリイソシアネート(B)中における芳香族環構造を有するポリイソシアネートの含有量は、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がより好ましい。ポリイソシアネート(B)が芳香族環構造を有するポリイソシアネートを含む場合、ポリイソシアネート(B)中における芳香族環構造を有するポリイソシアネートの含有量は、0質量%を超えることが好ましい。
芳香族環構造を有するポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-または1,4-キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI)、1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアナト-1,4-ジエチルベンゼン4,4’-、2,4’-または2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m-またはp-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させることにより得られる。上記反応は、ウレタン化触媒の存在下で行うことが好ましい。すなわち、ウレタンプレポリマーは、ウレタン化触媒の存在下で、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させた反応物であることが好ましい。
ウレタン化触媒としては、錫系触媒、鉛系触媒、ビスマス系触媒、チタン系触媒、亜鉛系触媒、ジルコニウム系触媒、及び鉄系触媒などの金属触媒が挙げられる。なかでも、錫系触媒、及びビスマス系触媒が好ましく、ビスマス系触媒がより好ましい。錫系触媒、及びビスマス系触媒によれば、湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐候性が向上する。ウレタン化触媒は、一種単独で用いられても、二種以上を併用してよい。
錫系触媒としては、例えば、トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、及びジブチルチンマレエートなどが挙げられる。
ビスマス系触媒としては、ビスマスカルボキシレート、ビスマスアルコキシド、及びジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物などが挙げられる。
ウレタン化触媒の配合量は、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の総量100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。ウレタン化触媒の配合量は、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の総量100質量部に対して、1.5質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.1質量部以下がより好ましい。ウレタン化触媒の配合量が0.001質量部以上であると、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応を良好に促進させることができる。ウレタン化触媒の配合量が1.5質量部以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤が適度な溶融粘度を有し、塗工性を向上させることができる。
ウレタンプレポリマーの合成方法としては、ポリオール及びウレタン化触媒を含む組成物を80~120℃に加熱して溶融させた後、これにより得られた溶融物を減圧下で脱水した上で、溶融物に窒素雰囲気下でポリイソシアネートを添加し、上記ポリオールと上記ポリイソシアネートを反応させる方法が好ましく用いられる。
ウレタンプレポリマーを合成する際には、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリオールが有するヒドロキシル基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])を、1.5~4.0とすることが好ましい。モル比([NCO]/[OH])が1.5以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着性が向上する。モル比([NCO]/[OH])が4.0以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤が適度な溶融粘度を有し、塗工性を向上させることができる。
[アミン系硬化触媒]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上述したウレタンプレポリマー、及び硬化触媒を含む。硬化触媒は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気反応性を向上させるために用いられる。硬化触媒は、アミン系硬化触媒を含む。アミン系硬化触媒を用いることにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化性が向上する。
アミン系硬化触媒としては、下記式(4)で示されるモルホリン環構造、下記式(5)で示されるモルホリニル環構造、又は下記式(6)で示されるモルホリニル環構造のうち少なくとも1個の環構造を有しているモルホリン系化合物が好ましい。これにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化性が向上する。
Figure 2023155173000004

(式(4)における*4、式(5)における*5、及び式(6)における*6は、それぞれ結合手であって単結合を意味する。)
式(4)で示されるモルホリン環構造の結合手*4、式(5)で示されるモルホリニル環構造の結合手*5、式(6)で示されるモルホリニル環構造の結合手*6のそれぞれには、一価の原子団が結合している。
式(4)~(6)で示される環構造において、環構造を構成している炭素原子に直接結合している水素原子は、他の原子又は一価の有機基によって置換されていてもよい。置換される水素原子の数は、1個であっても、2個以上であってもよい。他の原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子が挙げられる。一価の有機基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、及びアルキル基などが挙げられ、アルキル基が好ましい。アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は、1~12が好ましく、1~5がより好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-へキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、イソへキシル基、イソへプチル基、イソオクチル基、及びイソノニル基などが挙げられる。
アミン系硬化触媒は、式(4)で示されるモルホリン環構造を少なくとも1個有していることがより好ましい。式(4)で示されるモルホリン環構造を構成している炭素原子に直接結合している水素原子は、他の原子又は一価の有機基によって置換されていてもよく、炭素数が1~12のアルキル基によって置換されていることが好ましい。置換される水素原子の数は、1個であっても、2個以上であってもよい。
モルホリン系化合物として、具体的には、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル、テトラメチルビス(2-モルホリノエチル)エーテル、テトラメチルビス(2,6-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2,6-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)-(2-(4-モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)-(2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2-(2、6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2、6-ジエチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2-エチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、及びトリス(2-(2-エチル-4-モルホリノ)エチルアミンなどが挙げられる。なかでも、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル、及びテトラメチルビス(2-モルホリノエチル)エーテルが好ましい。アミン系硬化触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
アミン系硬化触媒の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がより好ましい。アミン系硬化触媒の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、1.5質量部以下がより好ましい。アミン系硬化触媒の含有量が0.01質量部以上であると、湿気硬化性ホットメルト接着剤の湿気硬化性が向上する。アミン系硬化触媒の含有量が5質量部以下であると、湿気硬化性ホットメルト接着剤の耐候性が向上する。
[添加剤]
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマー及び硬化触媒を含有しているが、ウレタンプレポリマー及び硬化触媒以外に添加剤が含有されていてもよい。
添加剤としては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の物性を損なわなければ、特に限定されず、例えば、粘着付与剤、オイル、可塑剤、熱可塑性樹脂、安定剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、香料、顔料、染料、及び、加水分解性シリル基を有するポリマーなどが挙げられる。なお、添加剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、及び芳香族石油樹脂などが挙げられる。粘着付与剤の環球軟化点は90~150℃が好ましい。環球軟化点は、JAI‐7-1999(日本接着剤工業会規格)に準拠して測定された温度をいう。粘着付与剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
オイルとしては、プロセスオイル、エクステンダーオイル、ソフナー、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルなどが挙げられる。オイルは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸-塩基酸エステル、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル、トリメリット酸エステル、塩素化パラフィン、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油、プロセスオイル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルのエポキシ可塑剤、ビニル系モノマーを重合して得られるビニル系重合体、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステルなどが挙げられる。可塑剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(水添SIS)、及び水添スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(水添SEBS)などを挙げることができる。熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
安定剤は、特に限定されないが、有機燐系化合物が好ましい。有機燐系化合物としては、例えば、トリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、芳香族リン酸縮合エステルが挙げられる。なかでも、常温で固体の有機燐系化合物が好ましく、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、及び芳香族リン酸縮合エステルがより好ましい。有機燐系化合物によれば、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化速度を低下させることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性を向上させることができる。安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
充填剤の例としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂及び塩化ビニリデン樹脂などから形成された有機ミクロバルーン、並びにPVC(ポリ塩化ビニル)及びPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの樹脂から形成された粒子などが挙げられる。充填剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられる。その中でもアミン部分が3級アミンであるヒンダードアミン系光安定剤がより好ましい。光安定剤としては、例えば、N,N’,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル、1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6,-ペンタメチル-4-ピペリジル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、及びビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6テトラメチル-4-ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。光安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は、120℃で、40000mPa・s以下が好ましく、9000mPa・s以下がより好ましい。湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が40000mPa・s以下であると、優れた塗工性を有する。
なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は、B型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI-7-1999に準拠して温度120℃、回転速度20rpmの条件下にて測定して得られた溶融粘度をいう。なお、B型粘度計としては、例えば、ブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo.29)」にて市販されている。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、耐候性を向上させるために、ウレタンプレポリマーの合成において、ポリイソシアネート(B)として、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を用いている。しかしながら、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリイソシアネートの使用によって、湿気硬化性が低下することがある。
しかしながら、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、ウレタンプレポリマーの合成において所定のポリオール(A)を用いると共に、湿気硬化を促進させるための硬化触媒としてアミン系硬化触媒を用いている。これにより、ポリイソシアネート(B)として、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を用いているにも関わらず、湿気硬化型ホットメルト接着剤の高い接着性の低下を抑制しつつ、湿気硬化性を向上させることができる。
このように本発明では、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及び硬化触媒として、それぞれ所定の成分を組み合わせて用いることにより、高い接着性の低下を抑制しつつ、耐候性及び湿気硬化性の双方が向上された湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することができる。
[積層体]
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、2個の被着体を接着一体化させるために好ましく用いられる。すなわち、本発明によれば、2個の被着体同士が、上述した湿気硬化型ホットメルト接着剤によって接着一体化された積層体を提供することができる。積層体は、第1の被着体と、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層と、第2の被着体とを、この順で有する。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化性に優れていることから、2個の被着体同士を接着一体化させる時間を短縮することができ、積層体の製造効率を向上させることができる。さらに、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、耐候性に優れている。したがって、湿気硬化後の湿気硬化型ホットメルト接着剤に、紫外線を含む光が長時間に亘って照射される場合であっても、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物の黄変を低減し、優れた外観を維持することができる。
被着体を構成する材料としては、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、及びメラミン樹脂などの合成樹脂からなる合成樹脂;天然木材、合板、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)パーティクルボード、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、及び集成材などの木材;天然繊維又は合成繊維などの織布や不織布、紙、及びガラス板などが挙げられる。
被着体において、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層と接着一体化される面には、必要に応じて、プラズマ処理、アクリル系樹脂やメラミンアクリル系樹脂などの電着塗装処理、及びアルマイト処理などのプライマー処理が行われていてもよい。
積層体において、2個の被着体の少なくとも一方は、ポリメタクリル酸メチル樹脂などのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリカーボネートなどの透明合成樹脂からなる透明樹脂成形体、織布や不織布などの繊維基材、及びガラス板よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの被着体を用いた積層体では、上記被着体を介して湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着剤層を視認することができる。このような積層体において、湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着剤層が黄変した場合、積層体の外観低下を招く。一方、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、耐候性に優れており、湿気硬化後であっても黄変の発生を高く低減することができる。したがって、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、2個の被着体の少なくとも一方が上述した被着体である積層体に用いられることにより、本発明による効果を特に発揮することができる。
次に、積層体の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、先ず、湿気硬化型ホットメルト接着剤を100~130℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、第1の被着体に塗布する。第1の被着体に塗布した湿気硬化型ホットメルト接着剤上に、第2の被着体を重ね合わせて、第1の被着体及び第2の接着体を湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせる。
しかる後、湿気硬化型ホットメルト接着剤を、好ましくは20~25℃にて相対湿度50~60%の環境下に120~168時間に亘って放置する。湿気硬化型ホットメルト接着剤に含まれているウレタンプレポリマーが空気及び/又は被着体に含まれている水分によって架橋反応を生じ、湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させて、2個の被着体を接着一体化することができる。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
先ず、後述する実施例及び比較例において湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造に用いた各成分の詳細について記載する。
[ポリオール(A)]
・結晶性ポリエステルポリオール(A11)
(豊国製油社製 商品名「HS 2H-351A」、固体(1気圧及び20℃)、吸熱量:18cal/g、水酸基価:32mgKOH/g、数平均分子量:3500、アジピン酸及び1,6-ヘキサンジオールの縮合重合体、アジピン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:4、1,6-ヘキサンジオールの炭素数:6)
・結晶性ポリエステルポリオール(A12)
(豊国製油社製 商品名「HS 2H-451A」、固体(1気圧及び20℃)、吸熱量:18cal/g、水酸基価:25mgKOH/g、数平均分子量:4500、アジピン酸及び1,6-ヘキサンジオールの縮合重合体、アジピン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:4、1,6-ヘキサンジオールの炭素数:6)
・結晶性ポリエステルポリオール(A13)
(豊国製油社製 商品名「HS 2H-350S」、固体(1気圧及び20℃)、吸熱量:21cal/g、水酸基価:32mgKOH/g、数平均分子量:3500、セバシン酸及び1,6-ヘキサンジオールの縮合重合体、セバシン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:8、1,6-ヘキサンジオールの炭素数:6)
・非結晶性ポリエステルポリオール(A21)
(豊国製油社製 商品名「HS 2F-237P」、固体(1気圧及び20℃)、吸熱量:2.5cal/g未満、水酸基価:56mgKOH/g、数平均分子量:2000、イソフタル酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、及びプロピレングリコールの縮合重合体、イソフタル酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:6、エチレングリコールの炭素数:2、ネオペンチルグリコールの炭素数:5、1,6-ヘキサンジオールの炭素数:6、プロピレングリコールの炭素数:3)
・非結晶性ポリエステルポリオール(A22)
(豊国製油社製 商品名「HSポリオール1000」、固体(1気圧及び20℃)、吸熱量:2.5cal/g未満、水酸基価:32mgKOH/g、数平均分子量:3500、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールの縮合重合体、アジピン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:4、イソフタル酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:6、テレフタル酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:6、ネオペンチルグリコールの炭素数:5、エチレングリコールの炭素数:2)
・液状ポリエステルポリオール(A31)
(Rohm and Haas社製 商品名「BESTER101」、液体(1気圧及び20℃)、水酸基価:112mgKOH/g、数平均分子量:1000、アジピン酸、1,4-ブタンジオール、及びネオペンチルグリコールの縮合重合体、アジピン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:4、1,4-ブタンジオールの炭素数:4、ネオペンチルグリコールの炭素数:5)
・液状ポリエステルポリオール(A32)
(豊国製油社製 商品名「HF 2F-131A」、液体(1気圧及び20℃)、水酸基価:102mgKOH/g、数平均分子量:1000、アジピン酸、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオールの縮合重合体、アジピン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:4、ネオペンチルグリコールの炭素数:5、1,6-ヘキサンジオールの炭素数:6)
・ポリエーテルポリオール(A41)
(AGC社製 商品名「エクセノール1030」、水酸基価:160mgKOH/g、数平均分子量:1000、ポリプロピレントリオール、上記式(1)において、R4:プロピレン基、R5:プロピレン基、R6:プロピレン基)
・ひまし油ポリオール(A42)
(豊国製油社製 商品名「TLM」、水酸基価:160mgKOH/g、数平均分子量:950、グリセリンとリシノレイン酸との反応物、1分子中に平均して2.7個の水酸基を有する)
[ポリイソシアネート(B)]
・ポリイソシアネート(B1)
(旭化成社製 商品名「デュラネート(登録商標)A201H」、上記式(3)で示されるヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体、ポリイソシアネート(B1)は芳香族環構造を有していない)
・ポリイソシアネート(B2)
(旭化成社製 商品名「デュラネート(登録商標)D201」、ヘキサメチレンジイソシアネートとポリオールとの2官能アダクト体、ポリオールは液体(1気圧及び20℃)であった、ポリイソシアネート(B2)は芳香族環構造を有していない)
・ポリイソシアネート(B3)
(住化コベストロウレタン社製 商品名「スミジュール44S」、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート)
[ウレタン化触媒]
・ビスマス系触媒(日東化成社製 商品名「ネオスタンU-600」)
・錫系触媒(日東化成社製 商品名「ネオスタンU-810」)
[硬化触媒]
・アミン系硬化触媒(1)
(サンアプロ社製 商品名「U-CAT 660M」、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル)
・アミン系硬化触媒(2)
(サンアプロ社製 商品名「U-CAT 661M」、テトラメチルビス(2-モルホリノエチル)エーテル)
[添加剤]
・酸化防止剤
(フェノール系酸化防止剤、Everspring Chemical社製 商品名「Evernox 76」)
(実施例1~23、比較例1)
撹拌羽を備えた3リットルの4ツ口フラスコに、ポリオール(A)、ビスマス系触媒、及び錫系触媒を、表1~3に示した所定量ずつ供給し、120℃に加熱溶融して混合した後に、フラスコ内を1mmHg以下まで減圧してポリオール(A)を脱水処理した。フラスコ内を窒素パージした後、ポリオール(A)を100℃に保持した。
なお、ポリオール(A)中における、結晶性ポリエステルポリオール(A11)、結晶性ポリエステルポリオール(A12)、結晶性ポリエステルポリオール(A13)、非結晶性ポリエステルポリオール(A21)、非結晶性ポリエステルポリオール(A22)、液状ポリエステルポリオール(A31)、液状ポリエステルポリオール(A32)、ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)の含有量(質量%)を表1~3に示した。
フラスコ内に、ポリイソシアネート化合物(B)を、表1~3に示した所定量ずつ供給し、窒素雰囲気下にて、ポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを、100℃にて2時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。
得られたウレタンプレポリマーを100℃に保持した状態で、ウレタンプレポリマーに、アミン系硬化触媒(1)、アミン系硬化触媒(2)、及び酸化防止剤を、表1~3に示した所定量ずつ添加して、湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造した。得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤は、25℃で固体であった。
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤について、120℃における溶融粘度を上述の要領で測定し、その結果を表1~3に示した。
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤について、湿気硬化性、耐候性、常態接着性、初期接着性、及び透明性を下記の要領で評価し、その結果を表1~3に示した。
[湿気硬化性:(温度20℃、相対湿度50%×3日間)]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工した後、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で3日間に亘って養生させて、湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させた。これにより、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚みが100μmの湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を形成した。
湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上から剥離して、質量(W1[g])を秤量し、ガラスビンに充填した。次に、ガラスビンにトルエン20mLを注ぎ、ガラスビンにアルミニウム製のフタを被せて、溶解濾過装置を用いて20℃にて回転速度100rpmにて2時間に亘って、ガラスビン内の内容物を振とうさせた。その後、ガラスビン内の内容物を、ステンレス製メッシュかご(#200)にあけて不溶物をろ過した。なお、メッシュかごの質量[W0(g)]は事前に秤量しておく。メッシュかご及びろ過物を100℃で2時間乾燥した後、メッシュかご及びろ過物の総質量[W2(g)]を秤量した。そして、次式に従いゲル分率を計算した。ゲル分率を、表1~3の「20℃、50%RH×3日」の欄に示した。
ゲル分率(質量%)=100×(W2-W0)/W1
[湿気硬化性:(温度20℃、相対湿度50%×7日間)]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工した後、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間に亘って養生させた以外は、上記した湿気硬化性の評価方法と同様の手順に従って、ゲル分率を計算した。ゲル分率を、表1~3の「20℃、50%RH×7日」の欄に示した。
(常態接着性)
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、ポリオレフィンシート(厚み180μm)の一面に塗工厚み50μmで塗工した。
しかる後、表面温度を40℃に調整したABS基材(炭酸カルシウムを含むポリ塩化ビニル)上に、ポリオレフィンシートを、塗工した湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、ポリオレフィンシート上にゴムロールを転動させて、ポリオレフィンシートとABS基材とを圧着させることにより、試験片を得た。
次に、試験片を温度23℃、相対湿度55%環境下に1週間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。そして、ABS基材からポリオレフィンシートを、剥離角度180度、剥離速度200mm/分で剥離し、この時の平均の剥離強度を「常態接着強度(N/inch)」として測定した。
(初期接着性)
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた。溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を平面長方形状(縦150cm×横50cm)で且つ厚みが180μmのポリオレフィンシートの一面全面に塗工厚み50μmで塗工した。
次に、表面温度を40℃に保持したABS基材(炭酸カルシウムを含むポリ塩化ビニルから形成された基材)の表面に、ポリオレフィンシートを湿気硬化型ホットメルト接着剤がABS基材側となるように全面的に重ね合わせた後、ポリオレフィンシート上にゴムロールを転動させて、ポリオレフィンシートとABS基材とを圧着させることにより、試験片を得た。その後、試験片を温度23℃、相対湿度55%環境下に30分放置後に、ABS基材からポリオレフィンシートを、剥離角度180°、剥離速度200mm/分で剥離し、この時の平均の剥離強度を「初期接着強度(N/inch)」として測定した。
[耐候性(黄変性)]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工した後、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間に亘って養生させて、湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させた。これにより、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚みが100μmの湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を形成した。
次に、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上から剥離して、200時間の促進劣化試験を行った。そして、促進劣化試験前と促進劣化試験後の湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層の表面の色調変化を色差(ΔE)で算出した。
なお、促進劣化試験では、サンシャインウエザロメーターを用いて、JIS A1415に準拠して、ブラックパネル温度63℃、降雨サイクル12分/60分(12分間の水噴霧後、60分間の水噴霧停止)の条件で、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層に紫外線を200時間照射した。
促進劣化試験前と促進劣化試験後の湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層の各表面について測色の測定を、JIS K5600-4-5(1999)に準拠して、分光測色計(コニカミノルタジャパン(株)社製 製品名「CM-2500d」)を用いて行った。そして、JIS K5600-4-6(1999)に準拠して、促進劣化試験前後の湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層の色差(ΔE)を算出した。
[透明性]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工した後、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間に亘って養生させて、湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させた。これにより、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚みが100μmの湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を形成した。
次に、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上から剥離した。その後、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層の表面に、670nmの波長を有する光線を照射して、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層を透過した光の光線透過率(%)を測定した。なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物層の光線透過率は、分光光度計(HITACHI社製 商品名「U-4000」)を用いて測定した。
Figure 2023155173000005

Figure 2023155173000006

Figure 2023155173000007

Claims (5)

  1. ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び硬化触媒を含み、
    上記ポリオール(A)が、
    結晶性ポリエステルポリオール(A1)と、
    非結晶性ポリエステルポリオール(A2)と、
    液状ポリエステルポリオール(A3)と、
    ポリエーテルポリオール(A41)、及び、ひまし油ポリオール(A42)のうち少なくとも一方であるポリオール(A4)と、を含み、
    上記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートのうち少なくとも一方を含み、且つ
    上記硬化触媒が、アミン系硬化触媒を含むことを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  2. 結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量が、2000以上で且つ6000以下であり、
    非結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量が、1000以上で且つ6000以下であり、
    液状ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量が、500以上で且つ7000以下であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  3. ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ジイソシアネートのアロファネート体、及び脂肪族ジイソシアネートの2官能アダクト体よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  4. ポリイソシアネート(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体、及びヘキサメチレンジイソシアネートの2官能アダクト体のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  5. 2個の被着体が、請求項1~4のいずれか1項に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤により接着一体化されたことを特徴とする積層体。
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