JP6373220B2 - 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物 - Google Patents

三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物 Download PDF

Info

Publication number
JP6373220B2
JP6373220B2 JP2015073297A JP2015073297A JP6373220B2 JP 6373220 B2 JP6373220 B2 JP 6373220B2 JP 2015073297 A JP2015073297 A JP 2015073297A JP 2015073297 A JP2015073297 A JP 2015073297A JP 6373220 B2 JP6373220 B2 JP 6373220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional
particles
powder
modeling
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015073297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016190478A (ja
Inventor
明弘 岡下
明弘 岡下
吉川 大士
大士 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2015073297A priority Critical patent/JP6373220B2/ja
Priority to US15/077,270 priority patent/US20160289415A1/en
Priority to DE102016003724.5A priority patent/DE102016003724A1/de
Publication of JP2016190478A publication Critical patent/JP2016190478A/ja
Priority to US16/018,641 priority patent/US10669393B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6373220B2 publication Critical patent/JP6373220B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y80/00Products made by additive manufacturing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y70/00Materials specially adapted for additive manufacturing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • C08K2003/2227Oxides; Hydroxides of metals of aluminium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物に関する。
三次元立体造形用粉体の薄層の少なくとも一部に水を含む造形液を混合して固化させ、該固化した薄層を繰り返し積層することで、三次元立体造形物を造形する技術が知られている(例えば特許文献1、2)。この種の積層造形に用いられる三次元立体造形用粉体の代表的な構成として、充填材および水溶性接着剤を含む構成が挙げられる。例えば、特許文献1には、充填材および水溶性接着剤を含み、充填材として澱粉、水溶性接着剤としてスクロースを含む粒子混合物が開示されている。同公報には、水を溶媒とする活性化流体を粒子混合物の層に射出した際、粒子混合物に含まれる水溶性接着剤が溶解して粒子混合物を湿潤し、充填材間を接着結合することで、物品の断面部分が形成されることが記載されている。
特許第3607300号公報 特許第5589817号公報
ところで、上記積層造形に用いられる三次元立体造形用粉体としては、得られた三次元立体造形物が破損を免れるように機械的強度に優れていることが求められてきている。特許文献1には、セルロースなどの強化用繊維を含む粒子混合物を用いることにより、最終的な物品の強度を補強する技術が記載されている。しかし、かかる技術を適用しても、調合によっては複雑な反応を経て造形体が形成されるため、成形直後に十分な強度が得られない場合があり得る。また、特許文献2には、三次元造形に用いられる粉体材料において、パウダーレオメータ測定により、トータルエネルギー量が特定範囲と測定される流動性を備えることで、平坦性を向上させる技術が記載されている。しかし、粉体材料の流動性に着目するのみでは上述のような高強度の三次元立体造形物を得ることはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、機械的強度に優れた三次元立体造形物を造形し得る、好適な三次元立体造形用粉体を提供することである。関連する他の目的は、そのような三次元立体造形用粉体を用いて造形された高強度の三次元立体造形物を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明により三次元立体造形用粉体が提供される。ここで開示される三次元立体造形用粉体は、非水和反応母材粒子と水溶性接着粒子とを含んでいる。そして、前記粉体100質量部に対して水50質量部を添加してスラリーを調製した場合に、該水を添加してから1分後における該スラリーの粘度が30mPa・s〜8000mPa・sである。ここで上記スラリーの粘度は、市販の振動式粘度計により測定され得る粘度である。例えば、当該分野で標準的な振動式粘度計(例えばJIS Z 8803:2011 液体の粘度測定方法に準拠した振動式粘度計)の検査端子をスラリーに浸すことにより、上記水を添加してから1分後におけるスラリーの粘度を容易に測定することができる。
ここで開示される三次元立体造形用粉体は、上記のとおりの粘度特性を有する結果、水を含む造形液と混合した際、水溶性接着粒子が水に溶解して非水和反応母材粒子間に均一に行き渡り、該粒子間に強い接着強度が発現する。そのため、上記構成の三次元立体造形用粉体を用いれば、従来に比して機械的強度に優れた、高品質な三次元立体造形物を製造することができる。
ここで開示される三次元立体造形用粉体の好ましい一態様では、前記非水和反応母材粒子の平均粒子径が、1μm〜80μmである。このような非水和反応母材粒子の平均粒子径の範囲内であると、上記スラリーの好適な粘度を効果的に確保でき、より高性能な三次元立体造形物が得られうる。
ここで開示される三次元立体造形用粉体の好ましい一態様では、前記粉体の全量を100質量部とした場合に、前記水溶性接着粒子の含有量が1質量部〜20質量部である。このような水溶性接着粒子の含有量の範囲内であると、機械的強度の向上がより高いレベルで実現され得る。
ここで開示される三次元立体造形用粉体の好ましい一態様では、前記水溶性接着粒子は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および多糖類からなる群から選択される少なくとも1種を主体として構成されている。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および多糖類のうちのいずれかを用いることで、前述の粘度特性を有することによる性能向上効果(例えば機械的強度向上効果)が発揮されやすくなる。
ここで開示される三次元立体造形用粉体の好ましい一態様では、前記非水和反応母材粒子は、Al、Zr,Ti、Zn、NiおよびFeからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む金属またはそれらの合金を主体として構成されている。これらの元素を含む金属または合金は、高硬度かつ水に対して高い安定性を示すため、本発明の目的に適した非水和反応母材粒子として好適に使用し得る。
ここで開示される三次元立体造形用粉体の好ましい一態様では、前記非水和反応母材粒子は、Al、Zr,Ti、Zn、Ni、FeおよびSiからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を主体として構成されている。これらの金属元素または半金属元素を含む酸化物は、高硬度かつ水に対して高い安定性を示すため、本発明の目的に適した非水和反応母材粒子として好適に使用し得る。
また、本発明によると、ここに開示されるいずれかの三次元立体造形用粉体に水を含む造形液を混合して固化することにより形成されてなる三次元立体造形物が提供される。この三次元立体造形物は、上述した三次元立体造形用粉体を用いて造形されていることから、従来に比して機械的強度に優れたものであり得る。
スラリーの粘度αと強度との関係を示すグラフである。 水溶性接着粒子の含有量と強度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<三次元立体造形用粉体>
ここに開示される技術の好ましい一態様に係る三次元立体造形用粉体は、三次元立体造形物を造形するために用いられる三次元立体造形用粉体である。この三次元立体造形用粉体は、少なくとも非水和反応母材粒子と水溶性接着粒子とを含む混合粉体からなる。そして、該粉体100質量部に対して水50質量部を添加してスラリーを調製した場合に、該水を添加してから1分後における該スラリーの粘度αが30mPa・s〜8000mPa・sである。以下、スラリーの粘度α、非水和反応母材粒子、水溶性接着粒子、造形液、造形方法、三次元立体造形物の製造方法の順で説明する。
<スラリーの粘度α>
本明細書において、上記スラリーの粘度αは以下のようにして測定するものとする。すなわち、三次元立体造形用粉体100質量部に水50質量部を添加し、30秒間混練してスラリーを調製する。このスラリーを容器に入れ、表面を平坦化する。そして、振動粘度計(例えば、株式会社セコニック製の振動式粘度計、型式「VM−100A」)の検査端子をスラリーに入れて、上記水を添加してから1分経過した時点での値を測定することによって、上記スラリーの粘度α(mPa・s)を求めることができる。なお、本明細書中において言及するスラリーの粘度αは、液温20℃〜22℃において測定された値を示している。
ここで開示される三次元立体造形用粉体は、上記粘度測定に基づくスラリーの粘度αが8000mPa・s以下となるように設定されている。このことにより、上記スラリー粘度αが8000mPa・sを上回るような従来の三次元立体造形用粉体に比べて、該粉体を用いて造形された三次元立体造形物の機械的強度を向上させることができる。
すなわち、本発明者の知見によれば、上記スラリーの粘度αが高すぎる三次元立体造形用粉体は、水を含む造形液と混合した際、水溶性接着粒子が水に溶解して過度に増粘するため、水溶性接着粒子を溶解した水が非水和反応母材粒子間に均一に行き渡らない。そのため、非水和反応母材粒子間に十分な接着強度が発現せず、該粉体を用いて造形された三次元立体造形物の機械的強度が低下傾向になり得る。
これに対し、本構成によれば、三次元立体造形用粉体100質量部に対して水50質量部を添加、混練して1分経過した時点でのスラリー粘度αが8000mPa・s以下となるように抑えられているので、水を含む造形液と混合した際、水溶性接着粒子が水に溶解して適度に増粘することで、水溶性接着粒子を溶解した水が非水和反応母材粒子間に均一に行き渡る。そのため、非水和反応母材粒子間に強い接着強度が発現し、該粉体を用いて造形された三次元立体造形物の機械的強度を従来に比して向上させることができる。
ここで開示される三次元立体造形用粉体の上記粘度測定に基づくスラリー粘度αは、通常はα≦8000mPa・sであり、機械的強度向上等の観点から、好ましくはα≦6000mPa・s、より好ましくはα≦5000mPa・s、さらに好ましくはα≦3000mPa・s、特に好ましくはα≦1000mPa・sである。その一方で、上記スラリーの粘度αが30mPa・sを下回る三次元立体造形用粉体は、水を含む造形液を混合した際、有意に増粘しないため、水溶性接着粒子を溶解した水が非水和反応母材粒子間に適切に留まらない。そのため、該粉体を用いて造形された三次元立体造形物の機械的強度が反って低下する場合があり得る。また、水溶性接着粒子を溶解した水が三次元立体造形用粉体(典型的には該粉体を層状に充填した薄層)の固化すべきでない部分まで浸透することで、該粉体を用いて構築された三次元立体造形物の形状精度が低下傾向になり得る。形状精度向上等の観点からは、上記スラリーの粘度αは、概ね30mPa・s≦αであり、好ましくは50mPa・s≦α、より好ましくは100mPa・s≦α、特に好ましくは200mPa・s≦αである。例えば、上記スラリーの粘度αが30mPa・s≦α≦8000mPa・s(さらには200mPa・s≦α≦5000mPa・s、特には400mPa・s≦α≦900mPa・s)である三次元立体造形用粉体が機械的強度および形状精度の双方を高いレベルで両立するという観点から好適である。
三次元立体造形用粉体の上記粘度測定に基づくスラリーの粘度αは、例えば三次元立体造形用粉体に含まれる非水和反応母材粒子の材質や性状(例えば平均粒子径、比表面積)を変えることによって調整することができる。一般に非水和反応母材粒子の平均粒子径が小さくなる(比表面積が大きくなる)と、上記粘度測定に基づくスラリーの粘度αが増大する傾向がある。したがって、三次元立体造形用粉体中の非水和反応母材粒子の平均粒子径や比表面積を適切に選択することによって、三次元立体造形用粉体における上記スラリーの粘度αをここに開示される適切な範囲に調整することができる。その他、三次元立体造形用粉体の上記スラリーの粘度αをここに開示される適切な範囲に調整する方法としては、該粉体中の非水和反応母材粒子の含有量(割合)や、水溶性接着粒子の種類、含有量(割合)、または、重合度、分子量を変える等の方法を採用することができる。上記スラリーの粘度αを制御する方法は、単独であるいは組み合わせて使用することができる。
<非水和反応母材粒子>
ここに開示される三次元立体造形用粉体は非水和反応母材粒子を含有する。ここで「非水和反応母材粒子」とは、該粒子に水が接触したときに水和反応(典型的には水和物の生成や水酸化物の生成)が起こらない、あるいは起こったとしても該粒子の表面の微視的な範囲のみに限定され、該粒子の大部分は実質的に水と反応しない物質をいう。したがって、例えば非水和反応母材粒子1モルに対して微量(例えば0.1モル以下、好ましくは0.01モル以下、より好ましくは0.001モル以下)の水分子が該粒子表面で局所的に反応する場合は、ここでいう非水和反応母材粒子の概念に包含され得る。水和反応が起こる物質の典型例として、石膏、セメントなどが挙げられる。非水和反応母材粒子は、造形対象である三次元立体造形物の母材を構成する成分である。
非水和反応母材粒子の材質や性状は、前述の粘度測定に基づくスラリーの粘度αが前記範囲内を満たす限りにおいて特に制限はない。例えば、非水和反応母材粒子は無機粒子、有機粒子および有機無機複合粒子のいずれかであり得る。非水和反応母材粒子としては、無機粒子が好ましく、なかでも金属または半金属の化合物からなる粒子が好ましい。例えば、周期表の第4族〜第14族に属するいずれかの元素を含む酸化物、窒化物、炭化物;等を主体として構成される非水和反応母材粒子を好適に用いることができる。なかでもAl、Zr,Ti、Zn、Ni、FeおよびSiのうちのいずれかの金属元素または半金属元素を含む酸化物、窒化物、炭化物;等を主体として構成される非水和反応母材粒子が好ましい。あるいは、周期表の第4族〜第13族に属するいずれかの元素を含む金属またはそれらの合金を主体として構成された非水和反応母材粒子を採用してもよい。なかでもAl、Zr,Ti、Zn、NiおよびFeのうちのいずれかの金属元素を含む金属またはそれらの合金を主体として構成された非水和反応母材粒子が好ましい。
具体的には、酸化アルミニウム(例えばアルミナ)粒子、酸化ジルコニウム(例えばジルコニア)粒子、酸化チタン(例えばチタニア)粒子、酸化ケイ素(例えばシリカ)粒子、酸化亜鉛粒子、酸化鉄粒子、酸化ニッケル粒子、酸化セリウム(例えばセリア)粒子、酸化マグネシウム(例えばマグネシア)粒子、酸化クロム粒子、二酸化マンガン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム粒子、炭酸バリウム粒子等の酸化物粒子;アルミニウム粒子、ニッケル粒子、鉄粒子等の金属粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;等のいずれかを主体として構成される非水和反応母材粒子が挙げられる。非水和反応母材粒子は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、酸化亜鉛粒子、チタン酸バリウム粒子、アルミニウム粒子、ニッケル粒子、鉄粒子は、高強度の三次元立体造形物を形成し得る点で好ましい。そのなかでも、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、シリカ粒子がさらに好ましく、アルミナ粒子が特に好ましい。
なお、本明細書において、非水和反応母材粒子の組成について「Xを主体として構成される」とは、当該非水和反応母材粒子に占めるXの割合(Xの純度)が、質量基準で90%以上(好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、例えば99%以上)であることをいう。
非水和反応母材粒子の形状(外形)は特に制限はない。球形であってもよく、非球形であってもよい。機械的強度、製造容易性等の観点から、略球形の非水和反応母材粒子を好ましく使用し得る。非水和反応母材粒子の平均粒子径は、前述の粘度測定に基づくスラリーの粘度αが前記範囲内を満たす限りにおいて特に制限はないが、通常は1μm以上であり、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、特に好ましくは30μm以上(例えば40μm以上)である。上記の平均粒子径を有する非水和反応母材粒子によると、前記粘度測定に基づくスラリーの粘度αが効果的に下がるので、高強度の三次元立体造形物をより効率的に実現することができる。非水和反応母材粒子の平均粒子径の上限は、成形性(例えば三次元立体造形用粉体を薄層状に充填する際の成形性)等の観点から、凡そ80μm以下とすることが適当である。機械的強度向上と成形性とをより高度に両立する観点から、上記平均粒子径は、好ましくは70μm以下、より好ましくは60μm以下(例えば50μm以下)である。
なお、本明細書中において「平均粒子径」とは、特記しない限り、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布における積算値50%での粒子径、すなわち50%体積平均粒子径(D50径)を意味するものとする。より具体的には、レーザ回析・散乱式粒度分布測定装置を用い、圧縮空気による粒子の分散は行わず、乾式測定した50%体積平均粒子径である。
三次元立体造形用粉体における非水和反応母材粒子の含有量は、前述の粘度測定に基づくスラリーの粘度αが前記範囲内を満たす限りにおいて特に制限はない。非水和反応母材粒子の含有量は、三次元立体造形用粉体の全量を100質量部とした場合に、通常は80質量部以上であり、機械的強度向上等の観点から、好ましくは85質量部以上、より好ましくは90質量部以上である。非水和反応母材粒子の含有量の上限は、特に限定されないが、好ましくは99質量部以下であり、より好ましくは98質量部以下であり、特に好ましくは96質量部以下である。このような非水和反応母材粒子の含有量の範囲内であると、本構成の効果を一層高いレベルで発揮することができる。
<水溶性接着粒子>
ここに開示される三次元立体造形用粉体は水溶性接着粒子を含有する。ここで「水溶性接着粒子」とは、液温90℃の水100質量部に接着粒子2質量部を添加し4時間攪拌したときに、該接着粒子の全部もしくは一部が溶解することで、該接着粒子を溶解した水溶液が水よりも高い粘性を発現する樹脂粒子をいう。好ましい一態様では、上記水の粘度をA(mPa・s)とした場合に、上記接着粒子が溶解した水溶液の粘度が1.2×A(好ましくは1.5×A、より好ましくは2.0×A)を上回る程度に粘性が発現する。水溶性接着粒子は、水を含む造形液と混合した際、水に溶解して非水和反応母材粒子同士を接着する成分である。
水溶性接着粒子の材質や性状は、前述の粘度測定に基づくスラリーの粘度αが前記範囲内を満たす限りにおいて特に制限はない。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および多糖類のいずれかを主体として構成された水溶性接着粒子が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂の好適例として、例えばビニルアルコール系樹脂、イソブチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が例示される。ビニルアルコール系樹脂は、典型的には、主たる繰返し単位としてビニルアルコール単位を含む樹脂(PVA)である。当該樹脂において、全繰返し単位のモル数に占めるビニルアルコール単位のモル数の割合は、通常は50%以上(例えば50%〜90%)であり、好ましくは65%以上、より好ましくは75%以上、例えば85%以上である。全繰返し単位が実質的にビニルアルコール単位から構成されていてもよい。PVAにおいて、ビニルアルコール単位以外の繰返し単位の種類は特に限定されず、例えば酢酸ビニル単位等であり得る。カルボキシル基変性PVA、スルホン酸基変性PVA、リン酸基変性PVAなどのアニオン変性PVA、カチオン変性PVA、あるいはエチレン、長鎖アルキル基を有するビニルエーテル、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、アルファオレフィンなどを共重合した変性PVA;等を使用してもよい。PVAの重合度については特に制限されないが、例えば100〜5000(好ましくは500〜3000)であり得る。イソブチレン系樹脂は、イソブチレンの単独重合体であってもよいし、イソブチレンと他の単量体との共重合体(イソブチレン共重合体)であってもよい。イソブチレン共重合体において、イソブチレンと共重合する他の単量体としては特に限定されない。例えば、エチレン性二重結合を有するモノマーが挙げられる。エチレン性二重結合を有するモノマーとしては、例えば、(無水)マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン等が挙げられる。化学変性したイソブチレン共重合体を用いてもよい。イソブチレン共重合体の分子量については特に制限されないが、例えば3×10〜2×10(好ましくは5×10〜1.7×10)であり得る。ポリアミド系樹脂としては、例えばポリカプロアミド(ナイロン−6)などのナイロンを化学変性した水溶性ナイロンが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば親水性基を有する成分がポリエステル中に共重合成分として導入された水溶性ポリエステルが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、ビニルアルコール系樹脂およびイソブチレン系樹脂は強接着力を有するとともに前記スラリーの粘度αを前記範囲内に調整しやすいので、好ましく用いることができる。
熱硬化性樹脂の好適例としては、例えばメラミン系樹脂が例示される。メラミン系樹脂は、メラミンとアルデヒドとの重合反応によって得られるメラミン樹脂であってもよいし、メラミン樹脂の形成に用いられる単量体(またはその初期重合体)と他の単量体(またはその初期重合体)との共重合体樹脂であってもよい。メラミン樹脂において、メラミンと重合するアルデヒドとしては特に限定されない。例えばメラミンとホルムアルデヒドとの重合反応によって得られるメラミン樹脂を好ましく用いることができる。
多糖類の好適例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;アラビアゴム、キサンタンゴム、カードラン、澱粉、デキストリン、グルコマンナン、アガロース、カラギナン、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、クインシードガム、プルラン、寒天、コンニャクマンナンなどの天然高分子化合物;が例示される。なかでも、接着性および粘度調整容易性等の観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、キサンタンゴムを好ましく用いることができる。
ここに開示される三次元立体造形用粉体に含有させ得る水溶性接着粒子の他の例として、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム部分中和物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムの共重合体、アルギン酸ナトリウム、スクロース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、ゼラチン;等を主体として構成された水溶性接着粒子が挙げられる。上述した水溶性接着粒子は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、水溶性接着粒子の組成について「Xを主体として構成される」とは、当該水溶性接着粒子に占めるXの割合(Xの純度)が、質量基準で90%以上(好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、例えば99%以上)であることをいう。
特に制限されるものではないが、水溶性接着粒子の平均粒子径は、通常は0.1μm以上であり、好ましくは1μm以上である。水溶性接着粒子の平均粒子径の上限は、凡そ250μm以下とすることが適当であり、好ましくは200μm以下である。
三次元立体造形用粉体における水溶性接着粒子の含有量は、前述の粘度測定に基づくスラリーの粘度αが前記範囲内を満たす限りにおいて特に制限はない。水溶性接着粒子の含有量は、三次元立体造形用粉体の全量を100質量部とした場合に、通常は1質量部以上であり、機械的強度向上等の観点から、好ましくは2質量部以上、より好ましくは4質量部以上である。水溶性接着粒子の含有量の上限は、特に限定されないが、好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは15質量部以下であり、特に好ましくは10質量部以下である。このような水溶性接着粒子の含有量の範囲内であると、前記粘度測定に基づくスラリーの粘度αが効果的に低下するので、高強度の三次元立体造形物をより効率的に実現することができる。
ここに開示される技術において、水溶性接着粒子と非水和反応母材粒子とは、相互に接着しておらず、それぞれ独立した粒子として存在していてもよい。このように水溶性接着粒子と非水和反応母材粒子とがそれぞれ独立した粒子として存在することで、所望の三次元立体造形用粉体を簡易に実現できる。あるいは、非水和反応母材粒子の表面に水溶性接着粒子を付着させてもよい。すなわち、非水和反応母材粒子の一部または全部を水溶性接着粒子で被覆(コーティング)してもよい。このことによって、非水和反応母材粒子間に所要量の水溶性接着粒子が確実に存在するため、水溶性接着粒子を溶解した水が非水和反応母材粒子間に効率よく行き渡る。そのため、前述した三次元立体造形物強度向上効果をより効果的に発揮させることができる。
ここに開示される三次元立体造形用粉体は、本構成の効果を損なわない範囲で、分散剤、増粘剤、印刷助剤等の、三次元立体造形用粉体に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。上記添加剤の含有量は、その添加目的に応じて適宜設定すればよく、本発明を特徴づけるものではないため、詳しい説明は省略する。
ここに開示される三次元立体造形用粉体の調製方法は特に限定されない。例えば、ポリミックス等の周知の混合方法を用いて、三次元立体造形用粉体に含まれる各成分を混合するとよい。これらの成分を混合する態様は特に限定されず、例えば全成分を一度に混合してもよく、適宜設定した順序で混合してもよい。
ここに開示される三次元立体造形用粉体は、層状に充填した三次元立体造形用粉体の薄層の少なくとも一部に水を含む造形液を混合して固化させ、該固化した薄層を繰り返し積層することにより三次元立体造形物を造形する積層造形に用いられ得る。造形される三次元立体造形物の形状はとくに制限されない。ここに開示される三次元立体造形用粉体は、種々の三次元立体形状の造形物の造形に好ましく適用され得る。
<造形液>
ここに開示される三次元立体造形用粉体は、典型的には水を含む造形液と混合される態様で、三次元立体造形物の造形に用いられる。上記造形液に用いられる溶媒は、水を含むものであればよい。溶媒としては、純水、超純水、イオン交換水(脱イオン水)、蒸留水等を好ましく用いることができる。ここに開示される造形液は、必要に応じて、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)をさらに含有してもよい。通常は、造形液に含まれる溶媒の40体積%以上が水であることが好ましく、50体積%以上(典型的には50〜100体積%)が水であることがより好ましい。
ここに開示される造形液は、本構成の効果を損なわない範囲で、染料、有機顔料、無機顔料、湿潤剤、流量増加剤等の、造形液に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。上記添加剤の含有量は、その添加目的に応じて適宜設定すればよく、本発明を特徴づけるものではないため、詳しい説明は省略する。
<造形方法>
ここに開示される三次元立体造形用粉体は、例えば以下の操作を含む態様で、三次元立体造形物の造形(製造)に使用することができる。以下、ここに開示される三次元立体造形用粉体を用いて三次元立体造形物を造形する方法の好適な一態様につき説明する。この造形は、造形対象となる三次元立体造形物に対応する三次元データ等に基づいて立体を造形する3Dプリンタを用いて行われ得る。かかる3Dプリンタは、水を含む造形液を滴下するインクジェットと、三次元立体造形用粉体が配置される裁置台とを有し得る。
三次元立体造形物を造形するに際しては、ここに開示されるいずれかの三次元立体造形用粉体を用意する。三次元立体造形用粉体を用意することには、ポリミックス等の周知の混合方法を用いて三次元立体造形用粉体に含まれる各成分を混合する、等が含まれる。
次いで、下記の操作1〜3を繰り返すことで、層状固形物を順次積層して三次元立体造形物を造形する。
操作1:上記三次元立体造形用粉体を、造形対象となる三次元立体造形物の各層に対応する厚さ(例えば0.01mm〜0.3mm)となるように、裁置台上に層状に充填する。
操作2:層状に充填された三次元立体造形用粉体のうち固化すべき部分(すなわち造形対象となる三次元立体造形物の一部に相当する部分)に対してインクジェットヘッドから水を含む造形液を滴下する。そして当該滴下部分に含まれる水溶性接着粒子を溶解して非水和反応母材粒子間を接着することで、層状固形物を形成(固化)する。
操作3:裁置台を鉛直下方に上記三次元立体造形物の各層に対応する厚さの分だけ下降させる。
その後、固化されなかった三次元立体造形用粉体を最終的に取り除くことで、三次元立体造形物の造形が完了する。ここに開示される三次元立体造形用粉体を用いて造形された三次元立体造形物は、造形後に焼成してもよい。焼成の温度は、特に制限されず、例えば600℃〜1800℃の範囲とすることが好ましい。これにより、より高強度な三次元立体造形物が形成され得る。また必要に応じて、造形後の三次元立体造形物を焼成助剤に浸してから焼成してもよい。これにより一層高強度な三次元立体造形物が形成され得る。
<三次元立体造形物の製造方法>
ここに開示される技術には、例えば、三次元立体造形物の製造方法の提供が含まれ得る。すなわち、ここに開示される技術によると、非水和反応母材粒子と水溶性接着粒子とを含む三次元立体造形用粉体を用意する工程と、層状に充填した該三次元立体造形用粉体の薄層の少なくとも一部に水を含む造形液を混合して固化させ、該固化した薄層を繰り返し積層することにより三次元立体造形物を造形する工程と、を含む三次元立体造形物の製造方法が提供される。この三次元立体造形物の製造方法では、上記三次元立体造形用粉体を用意する工程において、三次元立体造形用粉体100質量部に対して水50質量部を添加し混練してスラリーを調製した場合に、該水を添加してから1分後における該スラリーの粘度が30mPa・s〜8000mPa・sとなるように設定された三次元立体造形用粉体が用意される。上記製造方法は、ここに開示される三次元立体造形用粉体および造形方法の内容を好ましく適用することにより実施され得る。上記製造方法によると、従来に比して機械的強度に優れた、高品質な三次元立体造形物が提供される。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<三次元立体造形用粉体の調製>
(例1)
非水和反応母材粒子および水溶性接着粒子をポリミックスで30秒間攪拌して三次元立体造形用粉体を調製した。
非水和反応母材粒子としては、平均粒子径40μmのアルミナ粒子を使用した。水溶性接着粒子としては、ポリビニルアルコール(PVA:株式会社クラレ製:ポバール205S)を使用した。
三次元立体造形用粉体100質量部に対して、非水和反応母材粒子の含有量は90質量部、水溶性接着粒子の含有量は10質量部である。
<スラリー粘度αの測定>
上記三次元立体造形用粉体8gに水4gを添加し、ラバーボーウルでヘラにより30秒間混練してスラリーを調製した。このスラリーを直径36mm×長さ32mmのプラスチック容器に気泡等が入り込まないように入れ、表面をヘラで平坦化した。そして、株式会社セコニック製の型式「VM−100A」の振動式粘度計により、上記水を添加、混練してから1分経過した時点でのスラリーの粘度αを測定した(液温20〜22℃)。その結果、上記スラリーの粘度αは800mPa・sであった。
(例2)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてメラミン樹脂(華陽物産株式会社製:ナショナルメラミン)を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは80mPa・sであった。
(例3)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてアラビアゴムを使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは110mPa・sであった。
(例4)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてキサンタンガム(三晶株式会社製:ケルザン)を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは7800mPa・sであった。
(例5)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてキサンタンガム(三晶株式会社製:ケルザン)を使用し、かつ、非水和反応母材粒子の含有量を98質量部、水溶性接着粒子の含有量を2質量部とした他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは1300mPa・sであった。
(例6)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてイソブチレン系樹脂A(株式会社クラレ製:イソバン110)を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは900mPa・sであった。
(例7)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてイソブチレン系樹脂A(株式会社クラレ製:イソバン110)を使用し、かつ、非水和反応母材粒子の含有量を99質量部、水溶性接着粒子の含有量を1質量部とした他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは60mPa・sであった。
(例8)
水溶性接着粒子として、PVAに代えてイソブチレン系樹脂B(株式会社クラレ製:イソバン104)を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは400mPa・sであった。
(例9)
非水和反応母材粒子の含有量を99質量部、水溶性接着粒子の含有量を1質量部とした他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは36mPa・sであった。
(例10)
非水和反応母材粒子の含有量を85質量部、水溶性接着粒子の含有量を15質量部とした他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは2500mPa・sであった。
(例11)
非水和反応母材粒子の含有量を80質量部、水溶性接着粒子の含有量を20質量部とした他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは4800mPa・sであった。
(例12)
非水和反応母材粒子の含有量を50質量部、水溶性接着粒子の含有量を50質量部とした他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは22000mPa・sであった。
(例13)
非水和反応母材粒子として、平均粒子径40μmのアルミナ粒子に代えて平均粒子径80μmのシリカ粒子を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは1320mPa・sであった。
(例14)
非水和反応母材粒子として、平均粒子径40μmのアルミナ粒子に代えて平均粒子径15μmのシリカ粒子を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは1080mPa・sであった。
(例15)
非水和反応母材粒子として、平均粒子径40μmのアルミナ粒子に代えて平均粒子径0.2μmのチタニア粒子を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは40000mPa・sであった。
(例16)
非水和反応母材粒子として、平均粒子径40μmのアルミナ粒子に代えて平均粒子径2μmのチタニア粒子を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは5400mPa・sであった。
(例17)
非水和反応母材粒子として、平均粒子径40μmのアルミナ粒子に代えて平均粒子径30μmのジルコニア粒子を使用した他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは280mPa・sであった。
(例18)
水溶性接着粒子を使用しなかった他は例1と同様にして、本例に係る三次元立体造形用粉体およびスラリーを調製した。該スラリーの粘度αは17mPa・sであった。
<圧壊強度測定>
各例のスラリーをテフロン(登録商標)コート板上に流し込み、24時間乾燥した。乾燥したサンプルを縦10mm×横30mm×厚さ2.4mmの試験片に切り出し、直径12mmの円柱状ステンレス製治具に乗せ、加圧アタッチメントを試験片に押し当てながら下降させ、試験片が破壊したときの荷重値(圧壊強度:kg)を測定した。結果を表1、図1および図2に示す。図1はスラリー粘度αと圧壊強度との関係を示すグラフである。図2は水溶性接着粒子の含有量と圧壊強度との関係を示すグラフである。ここでは圧壊強度が1kg(=9.8N)以上のものを良品と判定した。かかる圧壊強度は、造形後の三次元立体造形物を造形装置から破損なく取り出し得るために必要な強度である。なお、上記圧壊試験に基づく圧壊強度と、実際に3Dプリンタで造形された三次元立体造形物の造形強度との間には相関係数0.8以上の正の強い相関があることが予備実験等により確認されている。
Figure 0006373220
表1および図1に示されるように、前記スラリーの粘度αが30mPa・s〜8000mPa・sである例1〜11、13、14、16、17に係る三次元立体造形用粉体によると、1.0kg以上の圧壊強度を実現でき、例12、15、18に比べて三次元立体造形物の強度を格段に向上させることができた。ここで供した三次元立体造形用粉体の場合、前記スラリーの粘度αを400mPa・s〜900mPa・sにすることによって、三次元立体造形物の圧壊強度がより増大傾向となった(例6、8)。この結果から、前記スラリーの粘度αが30mPa・s〜8000mPa・s(好ましくは400mPa・s〜900mPa・s)である三次元立体造形用粉体を用いることにより、三次元立体造形物の機械的強度を向上し得ることが確認できた。
なお、表1および図2に示されるように、ここで供した三次元立体造形用粉体の場合、水溶性接着粒子の含有量を1質量部以上とすることによって、圧壊強度の向上が認められた(例1〜11、13、14、16、17)。一方、水溶性接着粒子の含有量を50質量部にした例12は、水溶性接着粒子の含有量を1質量部以上かつ20質量部以下にした例1〜11、13、14、16、17に比べて圧壊強度向上効果は鈍化傾向となった。この結果から、三次元立体造形用粉体における水溶性接着粒子の含有量は、凡そ1質量部以上20質量部以下にすることが好ましい。なお、非水和反応母材粒子の平均粒子径を0.2μmとした例15は、スラリーの粘度αが増大しすぎたため、例1〜11、13、14、16、17に比べて圧壊強度が低下していた。この結果から、非水和反応母材粒子の平均粒子径は、概ね0.2μmを上回る(好ましくは1μm以上にする)ことが好ましい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (7)

  1. 非水和反応母材粒子と水溶性接着粒子とを含む三次元立体造形用粉体であって、
    前記粉体100質量部に対して水50質量部を添加してスラリーを調製した場合に、該水を添加してから1分後における該スラリーの粘度が30mPa・s〜8000mPa・sであり、
    前記水溶性接着粒子と前記非水和反応母材粒子とは、それぞれ独立した粒子として存在している、三次元立体造形用粉体。
  2. 前記非水和反応母材粒子の平均粒子径が、1μm〜80μmである、請求項1に記載の三次元立体造形用粉体。
  3. 前記粉体の全量を100質量部とした場合に、前記水溶性接着粒子の含有量が、1質量部〜20質量部である、請求項1または2に記載の三次元立体造形用粉体。
  4. 前記水溶性接着粒子は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および多糖類からなる群から選択される少なくとも1種を主体として構成されている、請求項1〜3の何れか一つに記載の三次元立体造形用粉体。
  5. 前記非水和反応母材粒子は、Al、Zr,Ti、Zn、NiおよびFeからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む金属またはそれらの合金を主体として構成されている、請求項1〜4の何れか一つに記載の三次元立体造形用粉体。
  6. 前記非水和反応母材粒子は、Al、Zr,Ti、Zn、Ni、FeおよびSiからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を主体として構成されている、請求項1〜4の何れか一つに記載の三次元立体造形用粉体。
  7. 請求項1〜6の何れか一つに記載の三次元立体造形用粉体を用意する工程と、
    層状に充填した前記三次元立体造形用粉体の薄層の少なくとも一部に水を含む造形液を混合して固化させ、該固化した薄層を繰り返し積層することにより三次元立体造形物を造形する工程と
    を含む、三次元立体造形物の製造方法。
JP2015073297A 2015-03-31 2015-03-31 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物 Expired - Fee Related JP6373220B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015073297A JP6373220B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物
US15/077,270 US20160289415A1 (en) 2015-03-31 2016-03-22 Powder for three-dimensional shaping and three-dimensional shaped object
DE102016003724.5A DE102016003724A1 (de) 2015-03-31 2016-03-24 Pulver zum dreidimensionalen Formen und dreidimensionaler Formgegenstand
US16/018,641 US10669393B2 (en) 2015-03-31 2018-06-26 Powder for three-dimensional shaping and three-dimensional shaped object

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015073297A JP6373220B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016190478A JP2016190478A (ja) 2016-11-10
JP6373220B2 true JP6373220B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=56937109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015073297A Expired - Fee Related JP6373220B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物

Country Status (3)

Country Link
US (2) US20160289415A1 (ja)
JP (1) JP6373220B2 (ja)
DE (1) DE102016003724A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3199265B1 (en) * 2016-01-27 2020-05-27 Ricoh Company, Ltd. Solid freeform fabrication powder material, solid freeform fabrication material set, method of manufacturing solid freeform fabricatoin object, method of manufacturing sintered compact, and device for manufacturing solid freeform fabrication object
JP2018178195A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 積層造形用粉体および積層造形物
CN110730800B (zh) 2017-05-26 2022-08-19 无限材料解决方案有限公司 水性聚合物组合物
JP7152151B2 (ja) * 2017-12-28 2022-10-12 株式会社ノリタケカンパニーリミテド セラミックスコアの製造方法
CN110357643A (zh) * 2019-07-25 2019-10-22 航天特种材料及工艺技术研究所 光固化3d打印用氮化硅陶瓷浆料、制备方法及氮化硅陶瓷
CN111848092A (zh) * 2020-08-11 2020-10-30 湖州五好建材有限公司 一种以脱硫石膏为主要原料的三维打印材料

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5902441A (en) 1996-09-04 1999-05-11 Z Corporation Method of three dimensional printing
CA2388046A1 (en) 1999-11-05 2001-05-17 Z Corporation Material systems and methods of three-dimensional printing
JP5589817B2 (ja) 2010-12-15 2014-09-17 ブラザー工業株式会社 粉末材料、粉末材料を用いた3次元造形装置、粉末材料を用いた3次元造形方法。
US20150218360A1 (en) * 2012-08-16 2015-08-06 Lord Corporation Acidic polymer blends for powder granulation
JP6241244B2 (ja) * 2013-12-10 2017-12-06 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015139977A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015168112A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015182424A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物
JP6657601B2 (ja) * 2014-08-08 2020-03-04 株式会社リコー 立体造形用粉末材料、立体造形材料セット、及び立体造形物の製造方法
JP6516149B2 (ja) * 2015-03-18 2019-05-22 株式会社リコー 立体造形用粉末材料、立体造形用キット、及び立体造形物の製造方法
JP6504442B2 (ja) * 2015-03-18 2019-04-24 株式会社リコー 立体造形用粉末材料、立体造形用材料セット、及び立体造形物製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE102016003724A1 (de) 2016-10-06
US20180298159A1 (en) 2018-10-18
US10669393B2 (en) 2020-06-02
US20160289415A1 (en) 2016-10-06
JP2016190478A (ja) 2016-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6373220B2 (ja) 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物
JP6428241B2 (ja) 立体造形用粉末材料、及び立体造形用セット、並びに、立体造形物の製造方法及び製造装置
JP5862739B1 (ja) 立体造形用粉末材料、硬化液、及び立体造形用キット、並びに、立体造形物の製造方法及び製造装置
JP6519274B2 (ja) 立体造形用粉末材料、立体造形材料セット、立体造形物製造装置、及び立体造形物の製造方法
JP6921207B2 (ja) バインダージェッティング法による3d印刷における多孔質ビーズポリマーの製造および使用
WO2016150223A1 (zh) 一种用于三维打印的形状记忆合金材料及其制备方法
TWI720175B (zh) 藉助黏合劑噴射方法由粉末床產生三維物件之方法
JP6546135B2 (ja) 積層造形焼成体、積層造形焼成体の製造方法および積層造形焼成体製造用キット
JP2005015332A (ja) 自由形状立体作製用のバインダを含むセメント系
TW201806731A (zh) 由硬質相與軟質相區域形成之粒狀聚合物
JP2016128547A (ja) 立体造形用硬化液及び立体造形用材料セット、並びに、立体造形物の製造方法及び製造装置
JP6433447B2 (ja) 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物
JP7152151B2 (ja) セラミックスコアの製造方法
JP6864457B2 (ja) 積層造形焼成用粉体、積層造形焼成体ならびに積層造形焼成体の製造方法
JP7261413B2 (ja) 粒子組成物
US10632671B2 (en) Powder comprising PVA resin particles for layer manufacturing and layered shaped article
CN108949106B (zh) 一种磁性磨料及其制备方法
JP6536122B2 (ja) 立体造形装置、立体造形物の生産方法、プログラム
JP2024509814A (ja) 研磨物品及びそれを形成するための方法
JP6614992B2 (ja) 窯業原料、成形体の製造方法、及び成形体
WO2022091978A1 (ja) 粒子組成物及び成形体
JP6879405B2 (ja) 立体造形装置および立体造形方法
JP2022142066A (ja) 造形物の強度改善方法、及び、強化造形物の製造方法
JP2010060788A5 (ja)
JPS6158851A (ja) 人造大理石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171027

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180606

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6373220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees