JP2022142066A - 造形物の強度改善方法、及び、強化造形物の製造方法 - Google Patents

造形物の強度改善方法、及び、強化造形物の製造方法 Download PDF

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【課題】造形物の強度改善方法、及び、造形物の強度が改善された強化造形物の製造方法を提供する。【解決手段】Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、前記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、前記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、前記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、前記工程(2)又は前記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である、造形物の強度改善方法。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化物を含む造形物等の強度改善方法、及び、造形物の強度が改善された強化造形物の製造方法等に関する。
鋳造は、溶融した金属を鋳型に注入して鋳物を製造する伝統的な金属加工法である。この鋳造に用いる硬性鋳型は、使用する結合材(粘結材)に応じて有機系と無機系があり、このうち無機系は、主に水ガラス系とセメント系がある。しかしながら、セメント系自硬性鋳型は、金属の鋳込み温度によっては、結合材に含まれる石膏が熱分解してガスが発生し、鋳物に欠陥が生じ、美観と機能が損なわれてしまう。また、この鋳型の製造は、模型や木型の作製が前工程として必須であるが、この前工程には時間とコストがかかる。そこで、鋳物の美観等が損なわれることなく、上記前工程が不要である鋳型の製造手段が望まれる。
一方、近年、付加製造装置が、迅速かつ精密な成形手段として注目されている。この付加製造装置のうち、例えば、粉末積層成形装置は、粉末を平面の上に敷きならした後、上記粉末に水性バインダを噴射して粉末が硬化した硬化物を、垂直方向に順次積層して成形する装置である。この装置の特徴は、3次元CAD等で作成した立体成形体のデータを、多数の水平面に分割し、これらの水平面の形状を順次積層して、成形体を製造する点にある。上記装置を用いて成形体を製造することができれば、上記の前工程は不要となり、作業時間とコストを削減することができ得る。
例えば、結合材噴射法(粉末積層成形法)に適した水硬性組成物として、珪砂、オリビン砂、及び人工砂等の耐火砂に、速硬セメントを15~50%配合して混練(混合)した材料に、水性バインダを加えて固化及び積層して成形体を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、結合材噴射法とは、積載台(台座)の上に置いた粉体材料の所定の範囲に、インクジェット等のノズルを通して成形液を滴下又は噴霧して固化し、逐次、固化した層を積層して所望の形状を成形する方法である。
しかしながら、上記の材料を用いて作製した成形体は、早期強度発現性、特に曲げ強度が十分でないため欠損し易く、付加製造装置による成形技術の特徴である微細形状の付与や、微細形状を有する製品の安定供給が難しい場合がある。また、上記材料を用いて複雑な形状の鋳型等の成形体を製造した場合、製造後に収縮や膨張等の寸法変化が起きると、ひび割れが生じる場合があり、また、成形体の寸法が異なると、寸法を調整する作業が必要になる。さらには、成形後に残った水硬性組成物の未硬化の粉末を、成形体から除去する作業(デパウダー)が、容易であることが望まれている。
また、セラミックス粉末とバインダとを含む積層造形用粉体を用いて積層造形物を造形した後、積層造形物を高温で焼成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。上記提案では、上記方法により適当なコア強度並びにその他の焼成された物理的及び化学的特性が付与された積層造形物が得られることが記載されている。
しかしながら、上記技術によっても、例えば、曲げ強度が10MPa以上の高強度化等といった、積層造形物の機械的強度に関する近年の要求レベルを十分に満足させるには不十分であり、なお改善の余地がある。
特開2011-51010号公報 特開2015-226935号公報
本発明は、このような事情に照らし、造形物の強度改善方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、造形物の強度が改善された強化造形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に示す造形物の強度改善方法及び強化造形体の製造方法を新規に見出し、上記各方法により上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の各記載の態様を含む。
項1.Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、
上記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、
上記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、
上記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、
上記工程(2)又は上記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である、造形物の強度改善方法。
項2.上記造形物は、付加製造装置により製造された造形物である、項1に記載の造形物の強度改善方法。
項3.上記造形物は、造形物全体に対して、上記酸化物を50質量%以上含む、項1又は2に記載の強度改善方法。
項4.上記工程(1)における含浸処理は、5~120秒間で行われる、項1~3のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項5.上記アルキルシリケート溶液におけるアルキルシリケートは、2量体以上のアルキルシリケートである、項1~4のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項6.上記アルキルシリケート溶液におけるアルキルシリケートは、5量体以上のアルキルシリケートである、項1~4のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項7.上記工程(2)における加熱処理は、2000℃以下である、項1~6のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項8.上記工程(4)における加熱処理は、2000℃以下である、項1~7のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項9.さらに、
上記工程(4)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(5)、及び、
上記工程(5)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(6)を含む、項1~8のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項10.上記工程(6)における加熱処理は、2000℃以下である、項9に記載の強度改善方法。
項11.上記造形物が鋳型に用いられる、項1~10のいずれか1項に記載の強度改善方法。
項12.Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、
上記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、
上記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、
上記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、
上記工程(2)又は上記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である、強化造形物の製造方法。
本発明の造形物の強度改善方法を用いることにより、造形物の強度、寸法安定性、及び加熱時のガスの発生を改善することが可能となる。
また、本発明の強化造形物の製造方法を用いることにより、強度が高く、寸法安定性が良く、加熱時のガスの発生が抑制された造形物を簡便、確実に得ることが可能となる。
図1は、実施例における3点曲げ強度試験の評価結果を示すグラフである。 図2は、実施例における3点曲げ強度試験の評価結果を示すグラフである。 図3は、実施例における3点曲げ強度試験の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
<造形物>
本発明における造形物は、Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む。
上記造形物は、例えば、上記酸化物を含む粒子(以下、母材粒子ともいう。)を含む造形用粉体を用いて造形することができる。例えば、母材粒子と接着成分とを含む造形用粉体を調製し、この造形用粉体(積層造形用粉体等)を用いて造形物(積層造形物等)を造形する。上記母材粒子は、上記粒子に水が接触したときに水和反応(典型的には水和物の生成や水酸化物の生成)が起きるものでもよいし、水和反応が起こらない、あるいは起こったとしても上記粒子の表面の微視的な範囲のみに限定されるものでもよく、これらの混合物でもよい。上記母材粒子は、造形対象である造形物の母材を構成する成分である。また、造形物に含まれるSi、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物は、上記母材粒子に含まれる場合に限られず、上記酸化物が造形用粉体に添加や混合等で含まれてもよい。
上記酸化物は、特に制限されないが、例えば、カルシウムアルミネート(Ca-Al-O)、カルシウムシリケート(Ca-Si-O)、ムライト(Al-Si-O)、Al、ZrO、ZrSiO、SiO、Fe、FeO、Fe、クロマイト(Cr-Fe-Mg-O)、オリビン(Mg-Fe-Si-O)、スピネル(MgAl)、TiO等をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記母材粒子の材質や性状について、上記酸化物を含む粒子であれば、特に制限はない。例えば、上記母材粒子は、珪酸ジルコニウム、ムライト、アルミナ、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、疎水性フュームドシリカ、砂、速硬セメント、セメント、珪石微粉末等の無機粒子、有機粒子及び有機無機複合粒子であり得る。
上記母材粒子の形状は、例えば、球形、楕円形、非球形等であってもよい。母材粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、1μm以上であって、かつ、200μm以下であり得る。上記母材粒子の平均粒子径は、成形性等の観点からは、例えば、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上とすることができる。また、上記母材粒子の平均粒子径は、例えば、200μm以下であり、140μm以下、120μm以下、100μm以下、80μm以下であってもよい。
なお、本明細書中において、「平均粒子径」とは、特記しない限り、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布における積算値50%での粒子径、すなわち50%体積平均粒子径(D50径)を意味するものとする。
造形用粉体における上記母材粒子の含有量は、特に制限はない。上記母材粒子の含有量は、積層造形用粉体の全量100質量部において、例えば、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、85質量部以上、90質量部以上、並びに、例えば、99質量部以下、98質量部以下、97質量部以下とすることができる。
上記母材粒子としての上記砂は、耐火砂であれば、特に制限されず、珪砂、オリビン砂、ジルコン砂、クロマイト砂、アルミナ砂、及び人工砂等から選ばれる1種以上等をあげることができる。
上記母材粒子としての上記速硬セメントは、早期強度発現性のさらなる向上のため任意成分として含むことができる。上記速硬セメントは、好ましくは、JIS R 5210に準拠して測定した凝結(始発)が30分以内である速硬セメン卜、又は止水セメントである。なお、速硬セメント等の市販品は、スーパージェットセメント(太平洋セメント社製)、ジェットセメント(住友大阪セメント社製)、ライオンシスイ(登録商標、住友大阪セメント社製)、又はデンカスーパーセメント(デンカ社製)等をあげることができる。なかでも、石膏を含有する速硬セメントは、少量の石膏の含有で、早期強度発現性が向上するため好ましい。
上記速硬セメントの含有率は、早期強度発現性を向上させ、鋳型等として使用する際にガスの発生を少なくするため、上記造形液の固形分全体を100質量%として、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは5~20質量%である。
上記母材粒子としての上記セメントは、任意成分として含むことができる。上記セメントは、JIS R 5210に準拠して測定した凝結の始発が3時間30分以内であれば、成形から3時間後の早期強度発現性が高いため好ましく、凝結の始発は1時間以内がより好ましい。上記造形液中のセメントの含有率は、早期強度発現性の向上のため上記造形液の固形分全体を100質量%として、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは0~20質量%である。
上記セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメン卜、高炉セメント、フライアッシュセメント、及びセメントクリンカー粉末から選ばれる1種以上等をあげることができる。なお、本発明では、セメントクリンカー粉末もセメントに含める。
また、上記セメント中の珪酸カルシウムの含有率は、セメント全体を100質量%として、好ましくは25質量%以上である。上記含有率が25質量%以上あれば、材齢1日以後の強度発現性が高い。また長期強度発現性が必要な場合、上記含有率は、好ましくは45質量%以上である。
上記接着成分として、水溶性接着成分、非水溶性接着成分があり、水溶性接着成分として、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、多糖類等を主体として構成された水溶性接着成分等があげられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において、水溶性接着成分とは、液温90℃の水100質量部に接着成分2質量部を添加し4時間攪拌したときに、上記接着成分の全部若しくは一部が溶解することで、上記接着成分を溶解した水溶液が水よりも高い粘性を発現する樹脂粒子をいう。上記水溶性接着成分は、水を含む造形液と混合した際、水に溶解して母材粒子同士等を接着する成分である。
また、本明細書において、主体として構成されるとは、当該構成物全体に占める上記物の割合(上記物の純度)が、質量基準で50%以上、好ましくは90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上であることをいう。
上記熱可塑性樹脂として、例えば、ビニルアルコール系樹脂(PVA)、イソブチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等をあげることができる。
上記ビニルアルコール系樹脂は、主たる繰返し単位としてビニルアルコール単位を含む樹脂である。上記樹脂において、全繰返し単位のモル数に占めるビニルアルコール単位のモル数の割合は、通常は50%以上であり、65%以上、75%以上、85%以上であってもよい。全繰返し単位が実質的にビニルアルコール単位から構成されていてもよい。ビニルアルコール系樹脂として、ビニルアルコール単位以外の繰返し単位の種類は、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル単位等であり得る。
上記ビニルアルコール系樹脂として、例えば、カルボキシル基変性ビニルアルコール系樹脂、スルホン酸基変性ビニルアルコール系樹脂、リン酸基変性ビニルアルコール系樹脂等のアニオン変性ビニルアルコール系樹脂、カチオン変性ビニルアルコール系樹脂、又は、エチレン、長鎖アルキル基を有するビニルエーテル、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、アルファオレフィン等を共重合した変性ビニルアルコール系樹脂等をあげることができる。
上記ビニルアルコール系樹脂の重合度について、特に制限されないが、例えば、100~5000、好ましくは500~3000であり得る。
上記イソブチレン系樹脂は、イソブチレンの単独重合体であってもよいし、イソブチレンと他の単量体との共重合体であるイソブチレン共重合体であってもよい。イソブチレン共重合体において、イソブチレンと共重合する他の単量体としては特に限定されない。例えば、エチレン性二重結合を有するモノマー等をあげることができる。
上記エチレン性二重結合を有するモノマーとしては、例えば、(無水)マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン等をあげることができる。化学変性したイソブチレン共重合体を用いてもよい。
上記イソブチレン共重合体の分子量については、特に制限されないが、例えば、3×10~2×10、好ましくは5×10~1.7×10等であり得る。
上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン-6)等のナイロンを化学変性した水溶性ナイロン等をあげることができる。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、親水性基を有する成分がポリエステル中に共重合成分として導入された水溶性ポリエステル等をあげることができる。
熱硬化性樹脂として、例えば、メラミン系樹脂等をあげることができる。
上記メラミン系樹脂として、例えば、メラミンとアルデヒドとの重合反応によって得られるメラミン樹脂、メラミン樹脂の形成に用いられる単量体又はその初期重合体と他の単量体又はその初期重合体との共重合体樹脂等をあげることができる。メラミン樹脂において、メラミンと重合するアルデヒドとしては特に限定されない。例えば、メラミンとホルムアルデヒドとの重合反応によって得られるメラミン樹脂等をあげることができる。
上記多糖類として、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、アラビアゴム、キサンタンゴム、カードラン、澱粉、デキストリン、グルコマンナン、アガロース、カラギナン、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、クインシードガム、プルラン、寒天、コンニャクマンナン等の天然高分子化合物等をあげることができる。
また、その他の水溶性接着成分として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム部分中和物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムの共重合体、アルギン酸ナトリウム、スクロース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、ゼラチン等を主体として構成された水溶性接着成分等をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記水溶性接着成分が粒子状の場合の平均粒子径は、特に制限されるものではないが、水溶性接着成分の平均粒子径は、通常は0.1μm以上であり、好ましくは1μm以上である。水溶性接着成分の平均粒子径の上限は、通常250μm以下とすることが適当であり、好ましくは200μm以下である。
上記造形用粉体における上記接着成分の含有量は、特に制限はない。接着成分の含有量は、積層造形用粉体の全量100質量部において、例えば、1質量部以上、2質量部以上、3質量部以上、5質量部以上、8質量部以上、並びに、例えば、40質量部以下、20質量部以下、10質量部以下とすることができる。
上記水溶性接着成分において、なかでも、ポリビニルアルコール系樹脂として、例えば、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物又は完全ケン化物であり、ケン化度は、より高い早期強度発現性が得られるため、好ましくは85~90モル%であるものが好適に用いることができる。
また、上記造形用粉体において、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂/上記母材粒子の質量比は、例えば、0.005~0.20であることが好ましい。上記比が上記範囲にあれば、デパウダー性が高い。なお、上記比は、好ましくは0.01~0.15、より好ましくは0.015~0.10である。
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂が粒径の場合の平均粒径(メディアン径、D50)は、高い曲げ強度が得られるため、好ましくは10~150μm、より好ましくは30~90μmである。また、上記ポリビニルアルコール系樹脂は、無機結合材と混合粉砕して粒度を調整すれば、より細かくなって均質に混合でき、水硬性組成物の早期強度発現性がより高まる。
さらに、上記ポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、粉体の状態で上記酸化物及び後述の砂と混合して用いるか、又は、後述の水に溶解して用いてもよい。
また、上記造形物は、造形物全体100質量部に対して、例えば、前記酸化物を50質量部以上含むことが好ましく、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、85質量部以上、90質量部以上であってもよい。
また、上記造形用粉体において、本発明の作用効果を損なわない範囲で、上記酸化物以外の無機系粉体、分散剤、増粘剤、印刷助剤等の、三次元立体造形用粉体に用いられ得る公知の添加剤を用いることがきる。
上記酸化物以外の上記無機系粉体は、例えば、窒化物、炭化物、硫化物等であり、SiC、Si、AlN等から選ばれる1種以上等をあげることができる。
上記酸化物以外の上記無機系粉体の形状は、例えば、球形、楕円形、非球形等であってもよい。上記無機系粉体の平均粒径(メディアン径、D50)は、特に限定されないが、例えば、1μm以上であって、かつ、200μm以下であり得る。上記無機系粉体の平均粒子径は、成形性等の観点からは、例えば、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上とすることができる。また、上記無機系粉体の平均粒子径は、例えば、200μm以下であり、140μm、120μm、100μm、80μm、60μm以下であってもよい。
上記造形用粉体の調製方法は特に限定されない。例えば、プリミックス等の周知の混合方法を用いて、造形用粉体に含まれる各成分を混合することができる。上記成分を混合する態様は特に限定されず、例えば、全成分を一度に混合してもよく、適宜設定した順序で混合してもよい。
上記造形用粉体は、典型的には水を含む造形液と混合される態様で、造形物の造形に用いられる。
上記造形液に用いられる溶媒は、水を含む溶媒が好ましい。上記溶媒としては、例えば、純水、超純水、イオン交換水(脱イオン水)、蒸留水等をあげることができる。上記造形液は、必要に応じて、水と均一に混合し得る有機溶剤、例えば、低級アルコール、低級ケトン等をさらに含有してもよい。通常は、造形液に含まれる溶媒の40体積%以上が水であることが好ましく、50体積%以上、典型的には50~100体積%が水であることがより好ましい。かかる造形液は、造形時に三次元立体造形用粉体100質量部に対して、例えば、20質量部~80質量部、典型的には40質量部~60質量部の比率で混合され得る。
上記造形液は、本発明の作用効果を損なわない範囲で、例えば、染料、有機顔料、無機顔料、湿潤剤、流量増加剤等の造形液に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有することができる。上記添加剤の含有量は、その添加目的に応じて適宜設定することができる。
上記造形用粉体を用いて造形物を造形する方法としては、特に限定されない。例えば、造形用粉体を用いて粉体の層を形成した後、上記層における所定領域に水を含む造形液を供給することにより、造形物が造形され得る。この造形は、例えば、造形対象となる造形物に対応する三次元データ等に基づいて立体を造形する3Dプリンタを用いて行われ得る。上記3Dプリンタは、例えば、水を含む造形液を滴下するインクジェットと、造形用粉体が配置される裁置台とを有し得る。
上記造形する方法は、例えば、下記の操作1~3を繰り返すことで、層状固形物を順次積層して造形物を造形することができ得る。
・操作1:上記造形用粉体を、造形対象となる造形物の各層に対応する厚さ、例えば、0.01mm~0.5mmとなるように、裁置台上に積層する。
・操作2:積層された造形用粉体(堆積物)のうち硬化すべき部分に対して、インクジェットヘッドから水を含む造形液を滴下する。そして上記滴下部分に含まれる水溶性接着成分を溶解して母材粒子間を接着することで、層状固形物を形成する。
・操作3:裁置台を鉛直下方に上記層状固形物の各層に対応する厚さの分だけ下降させる。
上記操作後、硬化されなかった造形用粉体を最終的に取り除くことで、造形物の造形が完了する。上記造形物は、溶解した水溶性接着成分により多数の母材粒子が接着されて形成されたものであり、多孔質構造を有し得る。造形後、得られた造形物を自然乾燥してもよい。乾燥時間としては特に限定されないが、例えば、1.5時間~24時間程度、好ましくは15時間~20時間である。
上記造形体を造形する付加製造装置として、特に制限されるものではないが、例えば、結合剤噴射式粉末積層成形装置であるスリーディーシステム社製ProJet660Pro、ExOne社製S-Max、Voxeljet社製VX4000、シーメット社製SCM-1800等をあげることができる。
<造形物の強度改善方法>
本発明の造形物の強度改善方法は、
Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、
上記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、
上記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、
上記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、
上記工程(2)又は上記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である。
上記工程(1)は、上記造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(以下、「含浸工程(1)」ともいう。)である。
上記シリカ含有液は、無水珪酸のナノレベルの超微粒子が分散したコロイド溶液であるシリカゾル溶液、及び単量体以外のアルキルシリケート溶液から選ばれる1種以上である。このうち、シリカゾル溶液の分散媒体は、水又は水溶性の有機溶媒であり、アルキルシリケート溶液の分散媒体は、水溶性の有機溶媒である。分散溶媒の中でも、上記造形物との反応が進行せず、造形物の寸法変化が小さいことから有機溶媒が好ましい。
上記アルキルシリケートのアルキル基は、入手が容易なため、例えば、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基等をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記アルキルシリケート溶液におけるアルキルシリケートは、2量体以上のアルキルシリケートであることが好ましい。上記アルキルシリケート溶液から単量体のアルキルシリケートを除くのは、単量体のアルキルシリケート溶液で浸透処理した造形物の曲げ強度は低く、表面が指で削れるためである。さらには、造形物の強度をより高くする観点から、上記アルキルシリケート溶液におけるアルキルシリケートは、5量体以上のアルキルシリケートであることが好ましい。
上記シリカ含有液の25℃における粘性は、造形物中への浸透性を高めるため、好ましくは50mPa・s以下であり、より好ましくは40mPa・sであり、さらに好ましくは30mPa・sである。
上記含浸工程(1)は、特に制限されないが、例えば、造形物に、シリカ含有液をスプレー又は塗布したり、造形物をシリカ含有液に浸漬したりすればよい。シリカ含有液の浸透深さは、好ましくは0.4~10.0mmである。浸透深さが0.4mm未満では、造形物の曲げ強度が低く、表面状態は不良であり、10.0mmを超えると、浸透に時間がかかるため製造効率が低下する。なお、シリカ含有液の浸透深さは、より好ましくは、0.5~6mmである。なお、浸透深さは、含浸処理後(さらには加熱処理後)の造形物を、ダイヤモンドカッターで切断して、断面におけるシリカの含浸領域を測定して上記浸透深さとした。上記含浸領域は、肉眼、マイクロスコープ、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用いて判別した。
シリカ含有液の浸透時間は、好ましくは5~120秒である。浸透時間が5秒未満では、浸透が充分でなく、120秒を超えても浸透が飽和する傾向にある。なお、シリカ含有液の浸漬時間は、より好ましくは、10~100秒である。また、シリカ含有溶液を浸透させた後の造形物は、成形体中のシリカ含有溶液の拡散を促進するため、6時間~2日間静置するとよい。
上記工程(2)は、上記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(以下、「加熱工程(2)」ともいう。)である。
上記加熱工程(2)は、造形物の大きさ等によるため、特に制限されないが、例えば、造形物を、電気炉中で2~10時間かけて800~2000℃まで昇温して、上記温度を30分~2時間保持した後、さらに2~10時間かけて室温まで降温する加熱方法等をあげることができる。造形物は500℃以上に加熱すると、セメントが水和反応した鉱物の結合水やポリビニルアルコールはほとんどが揮発し、さらに高温で加熱するほど揮発分は減少する。一方、造形物は2000℃を越える温度で加熱すると溶融する場合がある。また、造形物の加熱温度は850~1800℃、900~1600℃、950~1400℃、1000~1200℃であり得る。
加熱工程(2)は、電気炉や燃焼炉を用いて行うことが一般的だが、それらに限らない。例えば、鋳造においては溶湯に接することで造形物が加熱される現象が生じる。
上記工程(3)は、上記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(以下、「含浸工程(3)」ともいう。)である。
上記含浸工程(3)は、含浸工程(1)に準じて、適宜、同様に行うことができる。
上記工程(4)は、上記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(以下、「加熱工程(4)」ともいう。)である。
上記加熱工程(4)は、加熱工程(2)に準じて、適宜、同様に行うことができる。
ただし、上記工程(2)又は上記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である。上記構成を有することにより、例えば、曲げ強度が10Mpa以上の強度にすることができる。
また、上記工程(1)~工程(4)に加えて、さらにその後に上記工程(4)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(以下、「含浸工程(5)等ともいう。)、及び、上記工程(5)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(以下、「加熱工程(6)等」ともいう。)を順次複数含むことができ得る。(さらに含浸工程(7)と過熱工程(8)、さらには、含浸工程(9)と過熱工程(10)さらには、含浸工程(11)と過熱工程(12)等。)含浸工程(5)等及び加熱工程(6)等は、上記工程(1)~(4)に準じて、適宜、同様に行うことができる。
また、上記工程(1)~(4)(含浸工程(5)と加熱工程(6)等を含む場合も)に加えて、各工程の前後に、800℃未満の過熱工程や乾燥工程等を適宜含むことができる。
<強化造形物の製造方法>
本発明の強化造形物の製造方法は、
Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、
上記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、
上記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、
上記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、
上記工程(2)又は上記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である。
本発明の製造方法における強化造形物とは、上記工程(1)~(4)を含む方法により、造形物の強度が改善されたものをいう。
上記工程(1)~(4)は、上述の強度改善方法における上記工程(1)~(4)(さらに、含浸工程(5)と加熱工程(6)等を含む場合も)に準じて、適宜、同様に行うことができる。
本発明について、以下に実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1~7、比較例1~10〕
付加製造装置として結合剤噴射式粉末積層成形装置(商品名:ProJet160Pro、スリーディーシステムズ社製)を用いて、断面寸法が縦16mm、横10mm、及び長さ80mmの試験体(成形体)を造形して、各処理を行った後に、各測定・評価に用いた。表1に使用材料を示す。なお、当該装置のノズルからの水量設定値は成形体の内部(core)で88%、外部(shell)で122%とした。
Figure 2022142066000001
(粉体A)
上記表1における粉体Aとして、下記(1)のカルシウムアルミネート、(2)エスパール、(3)セラビーズ、(4)セラビーズ粉砕物を、重量比で0.3:1:1:0.7で混合した混合物を100質量%として、(5)ポリビニルアルコールを2質量%混合して得られた付加製造装置用水硬性組成物を用いた。
(1)カルシウムアルミネート
非晶質のカルシウムアルミネートの試製品として、CaO/Alのモル比は2.2、ガラス化率は95%以上、及びブレーン比表面積は2710cm/gであるものを使用した。D50は24μmであった。
(2)エスパール
エスパール#180L(山川産業社製、アルミナ系球状低膨張骨材)を使用した。化学組成を下記表に示す。D50は75μmであった。
Figure 2022142066000002
(3)セラビーズ
ナイガイセラビーズ#1450(伊藤忠セラテック社製、ムライト結晶からなる人工セラミック砂)を使用した。化学組成を下記表に示す。
Figure 2022142066000003
(4)セラビーズ粉砕物
前記ナイガイセラビーズをボールミルで粉砕した粉体であり、D50は30μmであった。
(5)ポリビニルアルコール
品番22-88 S1(PVA217SS、クラレ社製)を使用した。ケン化度は87~89%、平均粒径(D50)は60μmで、94μmより大きい粒子の含有率は29%、及び77μmより大きい粒子の含有率は47質量%であり、10%径(D10)は25μm、及び90%径(D90)は121μmである。
(シリカ液B)
上記表1におけるシリカ液Bとして、イソプロピルアルコール分散シリカゾル(日産化学社製、IPA-ST)を使用した。化学組成等を下記に示す。
・固形分wt% :30wt%
・粒子径 :10~15nm
・25℃における粘度:1.0~20.0mPa・s
・水分 :2%以下
得られた成形体に対し、表4の各種条件で試験を実施した。
Figure 2022142066000004
<実施例、比較例の各処理条件>
・実施例1 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・実施例2 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・実施例3 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・実施例4 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・実施例5 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・実施例6 含浸処理→加熱処理800℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・実施例7 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理800℃
・比較例1 含浸処理→加熱処理100℃
・比較例2 含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃
・比較例3 含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理1100℃
・比較例4 含浸処理→加熱処理1100℃
・比較例5 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理100℃
・比較例6 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃
・比較例7 含浸処理→加熱処理1100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃→含浸処理→加熱処理100℃
・比較例8 含浸処理→加熱処理800℃
・比較例9 含浸処理→加熱処理1500℃
・比較例10 未処理の成形体
※各処理の内容
含浸処理は、シリカ含有液を十分に満たした容器に、成形体を全体が浸るように置き、60秒間静置した後、シリカ含有液から成形体を取り出して24時間乾燥させた。例えば、100℃加熱処理の場合は、100℃に設定した乾燥機(東京理化機械社製、型番:LTI-600SD)に成形体を入れて24時間静置した後、乾燥機の電源を切り、室温まで徐冷した。加熱温度が800℃以上の加熱の場合は、台車昇降式高温大気炉(ネムス社製、型番:WUD70×70×70-2Z2-12)を用いて、徐々にトップ温度まで昇温し、各トップ温度で1時間保持した後、室温まで徐冷した。昇温及び降温速度はいずれも200℃/1hに設定して行った。
・含浸処理 :シリカ液Bに60s含浸処理
・加熱処理100℃ :100℃で24時間加熱処理
・加熱処理800℃ : 800℃で1時間加熱処理
・加熱処理1100℃:1100℃で1時間加熱処理
・加熱処理1500℃:1500℃で1時間加熱処理
曲げ強度の結果を表5及び図1~3に示す。また、表5には寸法変化、質量減少量の結果も示す。
Figure 2022142066000005
<測定・評価条件>
(曲げ強度測定、寸法変化測定)
各処理を行った成形体を用いて、曲げ強度試験機(型番:MODEL-2257、アイコーエンジニアリング社製)により3点曲げ試験を行い、各処理済み成形体等の曲げ強度と寸法を測定した。
(質量減少率の測定)
各処理を行った成形体について、熱分析装置(ブルカー・エイエックス社製、型番:TG-DTA2000SR)を用いて質量減少率を測定した。室温から20℃/minで1000℃まで昇温を行い、室温と1000℃における試料の質量変化から質量減少率を計算した。
<判定基準>
曲げ強度測定、寸法変化測定、質量減少率の測定において、望ましい強化造形物は以下の各規準を満たすものとした。
・曲げ強度の基準:10MPa以上
・寸法の基準:±2%以下
・質量減少率の基準:0.5以下(ガス発生量と関係があり、多いと鋳物等に欠陥が生じる)
表5ないし図1~3に示されるように、各評価の結果、実施例1~7の成形体を用いた場合、いずれにおいても、曲げ強度測定、寸法変化測定、質量減少率の測定において、上述の望ましい強度への改善効果が認められた。

Claims (12)

  1. Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、
    前記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、
    前記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、
    前記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、
    前記工程(2)又は前記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である、造形物の強度改善方法。
  2. 前記造形物は、付加製造装置により製造された造形物である、請求項1に記載の造形物の強度改善方法。
  3. 前記造形物は、造形物全体に対して、前記酸化物を50質量%以上含む、請求項1又は2に記載の強度改善方法。
  4. 前記工程(1)における含浸処理は、5~120秒間で行われる、請求項1~3のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  5. 前記アルキルシリケート溶液におけるアルキルシリケートは、2量体以上のアルキルシリケートである、請求項1~4のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  6. 前記アルキルシリケート溶液におけるアルキルシリケートは、5量体以上のアルキルシリケートである、請求項1~4のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  7. 前記工程(2)における加熱処理は、2000℃以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  8. 前記工程(4)における加熱処理は、2000℃以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  9. さらに、
    前記工程(4)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(5)、及び、
    前記工程(5)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(6)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  10. 前記工程(6)における加熱処理は、2000℃以下である、請求項9に記載の強度改善方法。
  11. 前記造形物が鋳型に用いられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の強度改善方法。
  12. Si、Al、Ca、Zr、Ti、Fe、Cr、及び、Mgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を含む造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(1)、
    前記工程(1)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(2)、
    前記工程(2)で処理された造形物に、少なくとも1種類以上のシリカゾル溶液、又は、アルキルシリケート溶液を含むシリカ含有液で含浸処理を行う工程(3)、及び、
    前記工程(3)で処理された造形物を800℃以上で加熱処理を行う工程(4)を含み、
    前記工程(2)又は前記工程(4)の少なくとも1つは1000℃以上の加熱処理である、強化造形物の製造方法。
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