JP6449644B2 - 消失模型用塗型剤組成物 - Google Patents

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本発明は、消失模型鋳造法に用いられる消失模型用塗型剤組成物に関する。
消失模型鋳造法はフルモールド法とも言われ、合成樹脂発泡体にて製作した模型を鋳物砂に埋設したまま鋳型として利用するプロセスであり、残渣欠陥や焼着の改良が望まれている。なお、残渣欠陥とは、鋳込まれた溶湯による合成樹脂発泡体の熱分解により、発生する多量の熱分解ガス及び残渣による鋳物の欠陥である。また、焼着とは鋳物のコーナー部や溝部等で溶湯が塗型膜を突き破り、砂型の砂粒間に溶湯が浸透する現象であり、特に鋳物に強度を持たせるため肉厚に設計された部分に発生しやすい。
これらの欠陥を防ぐため、鋳型の溶湯が接する部分に塗型剤を塗布して欠陥を軽減している。しかし、既存の塗型剤によっても、焼着による鋳物欠陥を十分に解消できるとは言い難い。特に消失模型鋳造法により製造される鋳物の溝部やコーナー部分の焼着に対しては更なる改善が望まれる。
焼着低減技術として、カルシウムベントナイトを含有する塗型剤組成物(特許文献1)や、黒曜石及びウンモを含む鱗片状骨材を含有する塗型剤組成物(特許文献2及び3)が提案されている。
特開2001-334346号公報 特開2006−181579号公報 特開2009−39729号公報
しかしながら、従来の塗型剤組成物では焼着の防止が十分ではなく、さらなる改善が求められていた。
本発明は、焼着をより抑制できる消失模型用塗型剤組成物を提供する。
本発明の消失模型用塗型剤組成物は、耐火性粒子及び焼結剤を含有する消失模型用塗型剤組成物であって、前記耐火性粒子が、黒曜石、真珠岩及び松脂岩から選ばれる少なくとも1種の耐火性粒子(a)と、鱗片状耐火性粒子(b)を含有し、前記焼結剤が、スメクタイト系粘土鉱物を含有する。
本発明によれば、焼着をより抑制できる消失模型用塗型剤組成物を提供することができる。
実施例の評価に用いた消失模型の概略図である。
本実施形態の消失模型用塗型剤組成物(以下、単に「塗型剤組成物」ともいう)は、耐火性粒子及び焼結剤を含有する消失模型用塗型剤組成物であって、前記耐火性粒子が、黒曜石、真珠岩及び松脂岩から選ばれる少なくとも1種の耐火性粒子(a)と、鱗片状耐火性粒子(b)を含有し、前記焼結剤が、スメクタイト系粘土鉱物を含有する。本実施形態の消失模型用塗型剤組成物によれば、焼着をより抑制できる消失模型用塗型剤組成物を提供することができる。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
残渣欠陥は、塗膜の通気度を上げることにより抑制することができる。しかし、塗膜の通気度を上げると強度が低下し、焼着の発生につながる。これとは逆に、塗膜の強度を上げると焼着は抑制できるものの、塗膜の通気度は下がり、残渣欠陥が生じやすくなる。本実施形態の消失模型用塗型剤組成物は、特定の耐火性粒子と焼結剤を用いることにより、上記二律背反する課題を解決できたものである。
以下、本実施形態の消失模型用塗型剤組成物に含有される成分について説明する。
<消失模型用塗型剤組成物>
〔耐火性粒子
本実施形態の消失模型用塗型剤組成物は、耐火性粒子として耐火性粒子(a)及び鱗片状耐火性粒子(b)を含有する。
[耐火性粒子(a)]
前記耐火性粒子(a)は、黒曜石、真珠岩及び松脂岩から選ばれる少なくとも1種の耐火性粒子である。これらは、いわゆるパーライトと呼ばれる鉱石であり、その代表的な組成は、SiOが76質量%、Alが12質量%、Feが1質量%、CaOが0.5質量%、KO、NaOがそれぞれ4質量%である。これらの中でも焼着防止の観点から黒曜石が好ましい。なお、黒曜石、真珠岩及び松脂岩は灼熱減量の含有量により分類されているものであり、組成および性質上大きな違いは無いので、これら3種類は同等な性能を発揮するといえる。
前記耐火性粒子(a)の平均粒子径は、焼着防止の観点から0.1μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、50μm以上が更に好ましい。前記耐火性粒子(a)の平均粒子径は、同様の観点から400μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましい。また、前記耐火性粒子(a)の平均粒子径は、同様の観点から、0.1〜400μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、50〜150μmが更に好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径は実施例に記載の方法により測定する。
前記塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量は、焼着防止の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。前記塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量は、同様の観点から、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。また、前記塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量は、同様の観点から、5〜80質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
[鱗片状耐火性粒子(b)]
前記鱗片状耐火性粒子(b)は、鱗片状耐火性粒子である。なお、鱗片状耐火性粒子とは、うろこ状の細片で、平坦な耐火性粒子を意味する。
前記鱗片状耐火性粒子(b)としては、ウンモ類、及びタルクから選ばれる少なくとも1種の鱗片状耐火性粒子が例示できる。
前記ウンモ類は、ウンモ群とも呼ばれ、アルカリ金属を含むアルミノケイ酸塩である(化学大辞典1巻、昭和43年7月1日、第6刷、共立出版株式会社)。ウンモには天然ウンモと人工ウンモがあり、天然ウンモとしては白ウンモ、金ウンモ、黒ウンモ等が例示でき、これらの中でも白ウンモが好ましい。人工ウンモとしてはフッ素金ウンモ、フッ素四ケイ素ウンモ、テニオライト等のフッ素ウンモが例示できる。また、ウンモ族のセリサイト(絹ウンモ)もウンモの一種である。本明細書ではこれらをウンモ類と総称する。
前記タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物で、粘土鉱物の1種であり、鱗片状のものが用いられる。
前記鱗片状耐火性粒子(b)としては、焼着防止の観点からウンモ類が好ましく、ウンモがより好ましい。
また、黒曜石とウンモは、それぞれ低温度(1000℃)で溶融し変形する性質があり、溶融金属(1300℃以上)と接することで被膜を生成する特徴を有する。そのため、黒曜石とウンモを併用することで、更にその融点降下の働きを増進させ、溶融金属との接触時の骨材溶融量を増大させ、ベントナイトの空隙への浸透量をより増大させることが出来、焼結を更に強固にすることが出来るため好ましい。
前記鱗片状耐火性粒子(b)のアスペクト比は、焼着防止の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。前記鱗片状耐火性粒子(b)のアスペクト比は、同様の観点から、100以下が好ましく、80以下がより好ましい。また、前記鱗片状耐火性粒子(b)のアスペクト比は、同様の観点から、1〜100が好ましく、2〜80以下がより好ましい。なお、本明細書において、アスペクト比は実施例に記載の方法により測定する。
前記鱗片状耐火性粒子(b)の平均粒子径は、焼着防止の観点から1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。前記耐火性粒子(b)の平均粒子径は、同様の観点から400μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましい。また、前記耐火性粒子(b)の平均粒子径は、同様の観点から、1〜400μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、20〜150μmが更に好ましい。
前記塗型剤組成物における前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量は、焼着防止の観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。前記塗型剤組成物における前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量は、同様の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、前記塗型剤組成物における前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量は、同様の観点から、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
前記塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量と前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量の比率は、焼着防止の観点から、質量比で耐火性粒子(a):鱗片状耐火性粒子(b)=1:0.1〜3が好ましく、1:0.2〜2がより好ましい。
前記塗型剤組成物は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、消失模型用塗型剤に通常使用されるその他の耐火性粒子を含有することができる。例えば、シリカ、ムライト、ジルコン、マグネシア、アルミナ、タルク、オリビン、黒鉛等が挙げられる。前記塗型剤組成物にその他の耐火性粒子が含有される場合、前記耐火性粒子(a)の含有量と前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量の合計量が耐火性粒子全体中70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
〔焼結剤〕
[スメクタイト系粘土鉱物]
前記塗型剤組成物は、焼結剤としてスメクタイト系粘土鉱物を含有する。当該スメクタイト系粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチーブンサイト、並びにこれらから選ばれる少なくとも1種を主成分として含む鉱物が例示できる。当該スメクタイト系粘土鉱物は、モンモリロナイトを主成分として含む、ナトリウムベントナイト、カルシウムベントナイト等のベントナイトが例示できる。これらの中でも、焼結欠陥防止の観点から、ベントナイトが好ましく、カルシウムベントナイトがより好ましい。
前記塗型剤組成物における前記スメクタイト系粘土鉱物の含有量は、焼着防止の観点から、前記耐火性粒子100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。前記塗型剤組成物における前記スメクタイト系粘土鉱物の含有量は、同様の観点から、前記耐火性粒子100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。また、前記塗型剤組成物における前記スメクタイト系粘土鉱物の含有量は、同様の観点から、前記耐火性粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
前記塗型剤組成物は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、消失模型用塗型剤に通常使用されるその他の焼結剤を含有することができる。
〔分散媒〕
前記塗型剤組成物は、消失模型用塗型剤に通常使用される分散媒を含有することができる。当該分散媒は、前記塗型剤組成物が水系塗型剤組成物の場合は水が主分散媒となる。前記塗型剤組成物がアルコール系塗型剤組成物の場合は、乾燥性の観点から、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。アルコール系塗型剤組成物の場合は、芳香族系溶剤や炭化水素系溶剤を補助分散媒として使用してもよい。
水系塗型剤組成物の場合、水系塗型剤組成物中の水の量は、塗布作業性の観点から、耐火性粒子100質量部に対し、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。水系塗型剤組成物の場合、水系塗型剤組成物中の水の量は、乾燥性の観点から、耐火性粒子100質量部に対し、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。また、水系塗型剤組成物の場合、水系塗型剤組成物中の水の量は、塗布作業性と乾燥性の観点から、耐火性粒子100質量部に対し、10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。
アルコール系塗型剤組成物中の分散媒の量は用いる分散媒の種類によって適宜変更しうる。一例としては、当該分散媒が低級アルコールの場合、塗布作業性の観点から、耐火性粒子100質量部に対し、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。アルコール系塗型剤組成物中の分散媒の量は、低級アルコールの場合、乾燥性やクラック等の塗膜欠陥防止の観点から、耐火性粒子100質量部に対し、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。また、アルコール系塗型剤組成物中の分散媒の量は、低級アルコールであれば、塗布作業性と健全な塗膜を形成させる観点から、耐火性粒子100質量部に対し、10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。
〔粘結剤〕
前記塗型剤組成物は、消失模型用塗型剤に通常使用される粘結剤を含有しても良い。当該粘結剤としては、例えば、水系ではポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性高分子や各種の樹脂エマルションが使用できる。また、アルコール系ではアルコールに可溶又は分散する各種樹脂を添加するのが、塗型膜強度の点から好ましい。当該粘結剤の含有量は、塗膜強度と経済性の観点から、耐火性粒子100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、10質量部以下が好ましい。
〔その他の成分〕
前記塗型剤組成物に配合できるその他の成分として、β‐ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、ポリビニルピロリドン等の分散剤、界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。
前記塗型剤組成物は、消失模型の周囲に付着させる塗型剤組成物として好適に使用することができる。
<鋳物用消失模型の製造方法>
本実施形態の鋳物用消失模型の製造方法では、従来の鋳物用消失模型の製造方法を適用することができる。本実施形態の鋳物用消失模型の製造方法は、消失模型の周囲に塗型膜を有する鋳物用消失模型の製造方法であって、前記消失模型用塗型剤組成物を前記消失模型の周囲に付着させて塗型膜を形成させる工程を有する。
本実施形態の塗型剤組成物を付着させる消失模型としては、通常と同様の合成樹脂発泡体の模型を用いることができる。合成樹脂発泡体としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、又はこれらの共重合体等の発泡体が用いられる。本実施形態の塗型剤組成物を付着させる消失模型が発泡ポリスチレンである場合、本実施形態の塗型剤組成物の効果がより得られる。塗型剤組成物を消失模型に付着させて塗型膜を形成させる方法は、流し塗り(ブッカケ法)、浸漬(ドブ漬け法)、刷毛塗り、スプレー塗布等の従来知られている方法の何れでも良い。
本実施形態の鋳物用消失模型の製造方法により得られた鋳物用消失模型は、消失模型鋳造法による鋳型の製造方法に好適に用いることができる。
<鋳物の製造方法>
本実施形態の消失模型鋳造法による鋳物の製造方法では、従来の消失模型鋳造法による鋳物の製造方法を適用することができる。本実施形態の鋳物の製造方法は、前記鋳物用消失模型の製造方法によって得られた鋳物用消失模型を用いる鋳物の製造方法であって、前記鋳物用消失模型を鋳物砂に埋設する工程と、前記鋳物砂に埋設した前記鋳物用消失模型に溶融金属を鋳込む工程とを有する。
前記鋳物用消失模型を鋳物砂に埋設する工程で用いる鋳物砂としては、石英質を主成分とする珪砂の他、ジルコン砂、クロマイト砂、合成セラミック砂等の新砂又は再生砂が使用される。鋳物砂はバインダーを添加せずに用いることもでき、その場合には充填性が良好であるが、高強度の鋳型が要求される場合には、従来公知のバインダーを添加し、硬化剤により硬化させるのが好ましい。
前記バインダーを添加する場合に係る本実施形態の鋳物の製造方法は、前記鋳物用消失模型の製造方法によって得られた鋳物用消失模型を用いる鋳物の製造方法であって、前記鋳物砂に、バインダー及び当該バインダーを硬化させる硬化剤を加え、混練して混合物を調製する工程と、前記鋳物用消失模型を前記混合物に埋設する工程と、前記混合物に埋設した前記鋳物用消失模型に溶融金属を鋳込む工程とを有する。
前記バインダーとしては、通常使用されるようなバインダーを使用することができる。当該バインダーとしては、例えば、水系ではポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性高分子や各種の樹脂エマルションが使用できる。また、アルコール系ではアルコールに可溶又は分散する各種樹脂を添加するのが、鋳型強度の点から好ましい。当該バインダーの含有量は、鋳型強度と経済性の観点から、鋳物砂100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましい。また、当該バインダーの含有量は、鋳型強度と経済性の観点から、鋳物砂100質量部に対し、5.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。また、当該バインダーの含有量は、鋳型強度と経済性の観点から、鋳物砂100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.4〜2.0質量部がより好ましい。
本実施形態の鋳物の製造方法において、鋳込み温度は、使用する金属により異なるが、鋳鉄系の場合は一般に1330〜1410℃であり、アルミニウム系の場合は一般に700〜750℃であり、鋳鋼系の場合は一般に1450〜1500℃である。本実施形態の消失模型鋳造法は、中でも、鋳鉄系に発生する焼着をより低減できる。
前記消失模型用塗型剤組成物を用いて鋳物を製造すると、焼着が少なく、鋳肌が美麗な鋳物が得られるため、複雑な構造や、鋳肌表面の美しさが要求されるもの等に好適である。具体的な鋳物の例としては、自動車金型、工作機械、建設機械の油圧バルブ、モーター、エンジンフレーム、建築部材等に用いられる、部材、部品等が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1>耐火性粒子及び焼結剤を含有する消失模型用塗型剤組成物であって、前記耐火性粒子が、黒曜石、真珠岩及び松脂岩から選ばれる少なくとも1種の耐火性粒子(a)と、鱗片状耐火性粒子(b)を含有し、前記焼結剤が、スメクタイト系粘土鉱物を含有する、消失模型用塗型剤組成物。
<2>前記耐火性粒子(a)が黒曜石が好ましい<1>に記載の消失模型用塗型剤組成物。
<3>前記耐火性粒子(a)の平均粒子径が、0.1μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、50μm以上が更に好ましく、400μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましく、0.1〜400μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、50〜150μmが更に好ましい<1>又は<2>に記載の消失模型用塗型剤組成物。
<4>前記塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量が、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、5〜80質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい<1>〜<3>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<5>前記鱗片状耐火性粒子(b)が、ウンモ類が好ましく、ウンモがより好ましい<1>〜<4>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<6>前記鱗片状耐火性粒子(b)のアスペクト比が、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、100以下が好ましく、80以下がより好ましく、1〜100が好ましく、2〜80以下がより好ましい<1>〜<5>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<7>前記鱗片状耐火性粒子(b)の平均粒子径が、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましく、400μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましく、1〜400μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、20〜150μmが更に好ましい<1>〜<6>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<8>前記塗型剤組成物における前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量が、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい<1>〜<7>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<9>前記塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量と前記鱗片状耐火性粒子(b)の含有量の比率が、質量比で耐火性粒子(a):鱗片状耐火性粒子(b)=1:0.1〜3が好ましく、1:0.2〜2がより好ましい<1>〜<8>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<10>前記スメクタイト系粘土鉱物が、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチーブンサイト、並びにこれらから選ばれる少なくとも1種を主成分として含む鉱物が好ましく、モンモリロナイトを主成分として含むナトリウムベントナイト、カルシウムベントナイト等のベントナイトがより好ましく、ベントナイトが更に好ましく、カルシウムベントナイトがより更に好ましい<1>〜<9>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<11>前記塗型剤組成物における前記スメクタイト系粘土鉱物の含有量が、前記耐火性粒子100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい<1>〜<10>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物。
<12>消失模型の表面に塗型膜を有する鋳物用消失模型の製造方法であって、<1>〜<11>いずれかに記載の消失模型用塗型剤組成物を前記消失模型の周囲に付着させて塗型膜を形成させる工程を有する、鋳物用消失模型の製造方法。
<13><12>に記載の製造方法によって得られた鋳物用消失模型を用いる鋳物の製造方法であって、前記鋳物用消失模型を鋳物砂に埋設する工程と、前記鋳物砂に埋設した前記鋳物用消失模型に溶融金属を鋳込む工程とを有する、鋳物の製造方法。
<14>鋳物の製造方法が、前記鋳物砂に、バインダー及び当該バインダーを硬化させる硬化剤を加え、混練して混合物を調製する工程と、前記鋳物用消失模型を前記混合物に埋設する工程と、前記混合物に埋設した前記鋳物用消失模型に溶融金属を鋳込む工程とを有する<13>に記載の鋳物の製造方法。
<15>前記バインダーの含有量が、鋳物砂100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましく、5.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましく、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.4〜2.0質量部がより好ましい<13>又は<14>に記載の鋳物の製造方法。
<16><1>〜<11>いずれかに記載の組成物の消失模型の周囲に付着させる塗型剤組成物としての使用。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<評価方法>
〔平均粒子径〕
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−920)を用いて測定された体積累積50%の平均粒子径である。分析条件は下記の通りである。
・測定方法:フロー法
・分散媒:イオン交換水
・分散方法:攪拌、内蔵超音波3分
・試料濃度:2mg/100cc
〔アスペクト比〕
このアスペクト比の測定は、鱗片状耐火性粒子を少量取り、マイクロスコープ((株)キーエンス製 VH−8000)にて300倍に拡大し、鱗片状耐火性粒子の任意の100粒子における長辺の長さおよび厚さを計測し、それぞれの平均値を次の式〔(長辺の長さの平均値)/(厚さの平均値)〕を用いて求めた。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006449644
〔焼着の評価方法(耐焼着性)〕
発泡ポリスチレン(発泡倍率50倍)を用いて図1に示す形状の消失模型を作製した。この消失模型の表面に上記塗型剤組成物を塗布し(乾燥膜厚:1mm)、鋳物用消失模型を作製した。そして、フリーマントル珪砂(5号)100質量部に有機スルホン酸硬化剤(花王クエーカー製、TK−2)を0.2質量部添加し、これらを混練した後に、フラン樹脂(花王クエーカー製、340B)を上記珪砂100質量部に対して0.5質量部混合した。得られた混練砂に上記の鋳物用消失模型を埋設し、溶融金属が溢れない速度で堰から鋳込みを行い(鋳鉄:FC−250、鋳込み温度:1400℃)、24時間経過後、鋳型をばらして鋳物を取り出した。得られた鋳物について、焼着の有無を下記基準により目視で評価した。
[焼着の評価基準]
焼着が全く無いものを◎、一部焼着があるが容易に除去出来るものを○、除去できない焼着があるものを×とした。
〔1000℃塗膜強度〕
各実施例等に係る塗型剤について、日本鋳造工学会関西支部が発行する「消失模型鋳造用塗型剤の試験方法(平成8年3月)」の「6.抗折力測定法」に準じて、塗膜強度の測定を行なった。なお、1000℃の加熱処理については、非酸化性雰囲気にするため、Φ50のルツボ中に平均粒子径60μmの鱗状黒鉛を充填し、その内部に試験片を埋設した。その後、1000℃±30℃に保持できるマッフル炉にて、1時間分加熱させて室温まで冷却し測定した。なお、加熱工程以外は「6.抗折力測定法」に準じて測定した。
<塗型剤組成物の調製>
表2に示す粘土鉱物と水を添加し、3分間プラネタリーミキサーで混練した。その後、表2に示す材料を加えて10分間混練しペースト化した。出来たペースト品を65〜75ボーメ度になる様に希釈し、これを水性塗型剤組成物として用いた。なお、実施例6で用いたイオン交換処理ベントナイトは、調製初めにナトリウムベントナイトと塩化カルシウム(顆粒状)と水を添加し、3分間撹拌することで反応し生成するイオン交換されたカルシウムベントナイトである。
Figure 0006449644

Claims (8)

  1. 耐火性粒子、焼剤、及び分散媒を含有する消失模型用水系塗型剤組成物であって、
    前記耐火性粒子が、黒曜石、真珠岩及び松脂岩から選ばれる少なくとも1種の耐火性粒子(a)と、鱗片状耐火性粒子(b)を含有し、
    前記消失模型用塗型剤組成物における前記耐火性粒子(a)の含有量が、5〜80質量%であり、
    前記焼結剤が、スメクタイト系粘土鉱物を含有し、
    前記分散媒が水であり、
    前記消失模型用塗型剤組成物における水の量が、耐火性粒子100質量部に対し、20質量部以上80質量部以下である、消失模型用水系塗型剤組成物。
  2. 前記消失模型用水系塗型剤組成物における前記耐火性粒子(b)の含有量が、1〜40質量%である請求項1に記載の消失模型用水系塗型剤組成物。
  3. 前記消失模型用水系塗型剤組成物における前記スメクタイト系粘土鉱物の含有量が、前記耐火性粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部である請求項1又は2に記載の消失模型用水系塗型剤組成物。
  4. 前記耐火性粒子(a)が黒曜石である請求項1〜いずれか1項に記載の消失模型用水系塗型剤組成物。
  5. 前記鱗片状耐火性粒子(b)がウンモ類である請求項1〜いずれか1項に記載の消失模型用水系塗型剤組成物。
  6. 前記スメクタイト系粘土鉱物がカルシウムベントナイトである請求項1〜いずれか1項に記載の消失模型用水系塗型剤組成物。
  7. 消失模型の表面に塗型膜を有する鋳物用消失模型の製造方法であって、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の消失模型用水系塗型剤組成物を前記消失模型の周囲に付着させて塗型膜を形成させる工程を有する、鋳物用消失模型の製造方法。
  8. 請求項に記載の製造方法によって得られた鋳物用消失模型を用いる鋳物の製造方法であって、
    前記鋳物用消失模型を鋳物砂に埋設する工程と、前記鋳物砂に埋設した前記鋳物用消失模型に溶融金属を鋳込む工程とを有する、鋳物の製造方法。
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