JP6372663B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置に係わり、特に、自車両の前方に存在する前方障害物への衝突を回避するように自車両を制御する車両の制御装置に関する。
従来、自車両の前方に存在する前方障害物の存在を検出した場合、自動ブレーキを作動させることにより、前方障害物への衝突を回避する車両の制御装置が知られている。また、自動ブレーキとドライバの操作との干渉を抑制する技術も提案されている。
例えば、特許文献1には、自車両への脅威となる対象物に対するドライバの回避行動を判定し、ドライバの操作と自動ブレーキ制御システムとの干渉を抑制しつつ、自動ブレーキ制御システムの介入により衝突回避・衝突軽減を図った回避操作判定装置が開示されている。
特開2014−008931号公報
ところで、前方障害物への衝突を自車両のブレーキのみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離(制動回避可能距離)は、前方障害物に対する自車両の相対速度が増大するに従って指数関数的に増大する。一方、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離(操舵回避可能距離)は、前方障害物に対する自車両の相対速度が増大するに従って線形的に増大する。そして、この相対速度に応じて、操舵回避可能距離が制動回避可能距離よりも長い場合と、その逆の場合とが存在する。
例えば、自車両から前方障害物までの距離が操舵回避可能距離よりも短いが制動回避可能距離よりも長い場合、自車両の自動ブレーキを作動させることにより、自車両を前方障害物の手前で十分に減速させ、前方障害物との衝突を回避することができる。
また、自車両から前方障害物までの距離が制動回避可能距離よりも短いが操舵回避可能距離よりも長い場合、ドライバがステアリング操作を行うことにより、自車両を前方障害物の左右方向へ十分に移動させ、前方障害物との衝突を回避することができる。
しかしながら、上述したような従来の装置では、操舵回避可能距離や制動回避可能距離が考慮されていない。
従って、例えば、自車両から前方障害物までの距離が操舵回避可能距離よりも短いが制動回避可能距離よりも長い場合において、自動ブレーキの作動と共にドライバがステアリング操作を行う可能性があるが、この場合、タイヤと路面との間で発生する摩擦力の一部がコーナリングフォースとして使用され、それに伴い自動ブレーキによって発生させることのできる最大制動力が減少するので、自車両を前方障害物の手前で十分に減速させることができず、また、自車両から前方障害物までの距離が操舵回避可能距離よりも短いので自車両を前方障害物の左右方向へ十分に移動させることもできない状況が生じ得る。
また、自車両から前方障害物までの距離が操舵回避可能距離よりも短いが制動回避可能距離よりも長い場合において、ドライバのステアリング操作と共に自動ブレーキが作動する可能性があるが、この場合、既に前方障害物との衝突を回避しようとしているドライバに違和感や煩わしさを覚えさせてしまう。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ドライバに違和感を覚えさせることなく、前方障害物との衝突を確実に回避することができる、車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の車両の制御装置は、自車両の前方に存在する前方障害物への衝突を回避するように自車両を制御する車両の制御装置であって、自車両の制動を制御する制動制御手段と、自車両の操舵を制御する操舵制御手段と、自車両から前方障害物までの距離と、前方障害物に対する自車両の相対速度とを検出する前方障害物検出手段と、ドライバによる方向指示器の操作が検出された場合、又は、ドライバの視線に基づきドライバが前方障害物を認識したと判断され且つステアリングの操作が検出された場合に、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されたと判定する操舵意図検出手段と、前方障害物検出手段により検出された前方障害物に対する自車両の相対速度に基づき、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離である操舵回避可能距離を取得する操舵回避可能距離取得手段と、前方障害物検出手段により検出された前方障害物に対する自車両の相対速度に基づき、前方障害物への衝突を自車両の制動のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離である制動回避可能距離を取得する制動回避可能距離取得手段と、制動回避可能距離が操舵回避可能距離よりも長く、且つ、前方障害物検出手段により検出された自車両から前方障害物までの距離が制動回避可能距離以下である場合において、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されなかった場合、最大減速度で自車両を減速させ、ドライバによる自車両の操舵意図が検出された場合、最大減速度よりも小さい減速度で自車両を減速させるように、制動制御手段により自車両の制動を制限させると共に、操舵制御手段により自車両の操舵を許容させる衝突回避制御手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、衝突回避制御手段は、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避できる状況において、ドライバの操舵意図が検出された場合、自車両の制動を制限させると共に、自車両の操舵を許容させるので、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみでも回避できる状況にも関わらずドライバの意図に反して自車両の操舵が制限されることを防止できると共に、タイヤと路面との間で発生する摩擦力をコーナリングフォースとして有効に利用することができ、これにより、自車両の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両の操舵により確実に回避することができる。
また、本発明において、好ましくは、衝突回避制御手段は、制動回避可能距離が操舵回避可能距離よりも長く、且つ、前方障害物検出手段により検出された自車両から前方障害物までの距離が制動回避可能距離以下であり操舵回避可能距離よりも長い場合において、ドライバによる自車両の操舵意図が検出された場合、制動制御手段により、自車両において達成可能な最大減速度の70%以下の減速度で自車両を減速させると共に、操舵制御手段により自車両の操舵を許容させる。
このように構成された本発明においては、衝突回避制御手段は、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避できる状況において、ドライバの操舵意図が検出された場合、自車両において達成可能な最大減速度の70%以下の減速度で自車両を減速させると共に、自車両の操舵を許容させるので、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみでも回避できる状況にも関わらずドライバの意図に反して自車両の操舵が制限されることを防止できると共に、自車両の操舵による前方障害物への衝突の回避に影響を及ぼすことなく自車両を減速させることができ、これにより、自車両の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両の操舵により確実に回避することができる。
また、本発明において、好ましくは、車両の制御装置は、更に、自車両の後方又は側方を走行する後側方車両を検出する後側方車両検出手段を有し、衝突回避制御手段は、制動回避可能距離が操舵回避可能距離よりも長く、且つ、前方障害物検出手段により検出された自車両から前方障害物までの距離が制動回避可能距離以下である場合において、後側方車両検出手段により後側方車両が検出された場合、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されたか否かに関わらず、操舵制御手段により自車両の操舵を制限させると共に、制動制御手段により自車両を減速させる。
このように構成された本発明においては、衝突回避制御手段は、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避できる状況でも、後側方車両が検出された場合には、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されたか否かに関わらず自車両の操舵を制限させるので、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用して自車両を十分に減速させることができ、これにより、後側方車両が自車両の側方まで接近することにより、自車両が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えなくなった場合でも前方障害物への衝突を自車両の制動により確実に回避することができる。
また、本発明において、好ましくは、操舵制御手段は、ドライバのステアリング操作に対応したアシストトルクを自車両のステアリング機構に付与する。
このように構成された本発明においては、ドライバのステアリング操作を補助するように操舵が行われるので、自車両の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両の操舵により確実に回避することができる。
本発明による車両の制御装置によれば、ドライバに違和感を覚えさせることなく、前方障害物との衝突を確実に回避することができる。
前方障害物への衝突を回避するために必要となる距離と、前方障害物に対する自車両の相対速度との関係を示した線図である。 制動回避可能距離と操舵回避可能距離との位置関係を例示した概略平面図である。 制動回避可能距離と操舵回避可能距離との位置関係を例示した概略平面図である。 タイヤと路面との間に発生する最大摩擦力を制動力及びコーナリングフォースに分配した場合における、制動減速度と前方障害物への衝突の回避に必要な距離との関係を示した線図である。 本発明の実施形態による制御装置を搭載した車両の概略平面図である。 本発明の実施形態による制御装置を搭載した車両の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置が実行する衝突回避制御のフローチャートである。 図7の衝突回避制御における第1衝突回避処理のフローチャートである。 図7の衝突回避制御における第2衝突回避処理のフローチャートである。 図7の衝突回避制御における第3衝突回避処理のフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置を説明する。
まず、図1乃至図3により、前方障害物への衝突を回避するために必要となる距離と、前方障害物に対する自車両の相対速度との関係を説明する。図1は、前方障害物への衝突を回避するために必要となる距離と、前方障害物に対する自車両の相対速度との関係を示した線図であり、図2及び図3は、制動回避可能距離と操舵回避可能距離との位置関係を例示した概略平面図である。
図1において、横軸は前方障害物に対する自車両の相対速度Vrを表し、縦軸は前方障害物への衝突の回避に必要となる前方障害物からの距離を表している。また、「前方障害物への衝突の回避」とは、自車両の制動による回避の場合には、自車両から前方障害物までの距離が0になる前に前方障害物に対する自車両の相対速度が0以下になることを意味し、自車両の操舵による回避の場合には、自車両の車体と前方障害物とが車幅方向において全く重複しない位置まで自車両が車幅方向に移動することを意味する。
この図1に示すように、前方障害物への衝突を自車両の制動のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離(制動回避可能距離)Lbは、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが増大するに従って指数関数的に増大する。一方、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離(操舵回避可能距離)Lsは、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが増大するに従って線形的に増大する。
特に、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが所定速度Ve未満の場合には、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも長く、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが所定速度Veより大きい場合には、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも短くなっている。
ここで、速度Veは、操舵回避可能距離Lsと制動回避可能距離Lbとの大小が切り替わる境界速度であり、車両重量、タイヤ性能、ブレーキ性能、路面μ等をパラメータとして定まる。本実施形態において、境界速度Veは例えば40km/hである。
即ち、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが境界速度Ve未満の場合には、図2に示すように、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも長くなっている。
例えば、自車両から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以上の領域では、操舵及び制動の何れによっても前方障害物への衝突を回避可能である。
また、自車両がLb≦Lo<Lsを満たす領域まで前方障害物へ接近した場合、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみでは回避できないが、前方障害物への衝突を自車両の制動のみで回避可能である。
更に自車両が前方障害物へ接近し、Lo<Lbの領域に入ると、前方障害物への衝突を自車両の制動によっても回避不可能になる。
一方、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが境界速度Veより大きい場合には、図3に示すように、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも短くなっている。
例えば、自車両から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Lb以上の領域では、操舵及び制動の何れによっても前方障害物への衝突を回避可能である。
また、自車両がLs≦Lo<Lbを満たす領域まで前方障害物へ接近した場合、前方障害物への衝突を自車両の制動のみでは回避できないが、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避可能である。
更に自車両が前方障害物へ接近し、Lo<Lsの領域に入ると、前方障害物への衝突を自車両の操舵によっても回避不可能になる。
次に、図4により、自車両の操舵及び制動を組み合わせた場合における前方障害物への衝突の回避に必要な距離について説明する。図4は、タイヤと路面との間に発生する最大摩擦力を制動力及びコーナリングフォースに分配した場合における、制動減速度と前方障害物への衝突の回避に必要な距離との関係を示した線図である。この図4における「前方障害物への衝突の回避に必要な距離」は、ブレーキにより生じる制動力と操舵により生じるコーナリングフォースとの合成力が、所定の路面μ(例えば0.9)の条件下でタイヤと路面との間に発生し得る最大摩擦力と等しくなるように、制動減速度に応じて操舵角を決定し、それらの制動減速度及び操舵角に基づいて推定される距離である。この図4において、横軸は前方障害物への衝突を回避するための制動による減速度Dを表し、縦軸は前方障害物への衝突の回避に必要となる前方障害物からの距離を表している。
図4に示すように、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが境界速度Ve以下の範囲では、制動減速度Dが大きくなるほど前方障害物への衝突の回避に必要となる前方障害物からの距離(回避可能距離)Lが短くなっており、制動減速度Dが0の場合(即ち前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避する場合)に回避可能距離Lが最大値となり、制動減速度Dが最大減速度Dmax(例えば9m/s2)の場合(即ち前方障害物への衝突を自車両の制動のみで回避する場合)に回避可能距離Lが最小値となっている。
また、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが境界速度Veと等しい場合には、制動減速度Dに関わらず、回避可能距離Lはほぼ一定となっている。
更に、前方障害物に対する自車両の相対速度Vrが境界速度Veより大きい範囲では、制動減速度Dが大きくなるほど回避可能距離Lが長くなっている。より詳細には、制動減速度Dが最大減速度Dmaxの70%以下の制動減速度(中間減速度)Dmid(例えば5m/s2)までの範囲では回避可能距離Lはほぼ一定であり、制動減速度Dが中間減速度Dmidよりも大きくなると、制動減速度Dが増大するにつれて回避可能距離Lが指数関数的に増大する。
次に、図5及び図6により、本発明の実施形態による制御装置を搭載した車両について説明する。図5は、本発明の実施形態による制御装置を搭載した車両の概略平面図であり、図6は、本発明の実施形態による制御装置を搭載した車両の電気的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、符号1は、本実施形態による車両の制御装置を搭載する車両を示す。この車両1は、車両1の前方を撮影する前方カメラ2、車両1の前方の障害物を検出する前方センサ4、車両1の後側方を走行する他車両(以下、「後側方車両」という)を検出する後側方センサ6、乗員の視線を検出する乗員センサ8、アクセルペダルやブレーキペダルの踏込量を検出するペダルストロークセンサ10、及び、方向指示器に対する操作を検出する方向指示器スイッチ12を有する。前方センサ4は、車両1前方の物体を検出するミリ波レーダやレーザレーダを備え、前方障害物の存在、自車両1から前方障害物までの距離、前方障害物に対する自車両1の相対速度を検出する。後側方センサ6は、車両1の後側方の物体を検出するミリ波レーダやレーザレーダを備え、後側方車両の存在及びその後側方車両と自車両1との車間距離を検出する。
また、車両1は、ステアリングホイール14及びステアリングシャフト16に操舵のアシスト力を与えるステアリングアクチュエータ18を有する。ステアリングシャフト16には、ラックアンドピニオン式ステアリングギア装置が連結され、左右の操舵輪が操舵される。
更に、図6に示すように、車両1は、車速を検出する車速センサ20、ステアリングホイール14の操舵角を検出する操舵角センサ22、及び、制御ユニット24を有する。
前方カメラ2により撮影された画像データや、各センサ及び方向指示器スイッチ12からの信号は、制御ユニット24に入力される。制御ユニット24は、前方カメラ2から入力された画像データや、各センサ及び方向指示器スイッチ12から入力された信号に基づき、ステアリングアクチュエータ18、エンジン26、及びブレーキ28に与える制御信号を演算し、衝突回避制御を実行する。この制御ユニット24は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、図7乃至図10により、車両1の制御装置が行う衝突回避制御について説明する。
図7は本発明の実施形態による車両1の制御装置が実行する衝突回避制御のフローチャートであり、図8は図7の衝突回避制御における第1衝突回避処理のフローチャートであり、図9は図7の衝突回避制御における第2衝突回避処理のフローチャートであり、図10は、図7の衝突回避制御における第3衝突回避処理のフローチャートである。
まず、図7により、衝突回避制御処理について説明する。この衝突回避制御処理は、自車両1の前方に存在する前方障害物への衝突を回避するように自車両1を制御する処理であり、車両1のイグニッションスイッチがONにされた後に繰り返し実行される。
衝突回避制御処理が開始されると、ステップS1において、制御ユニット24は、前方カメラ2又は前方センサ4により前方障害物が検出されたか否かを判定する。その結果、前方障害物が検出されていない場合、このステップS1を繰り返す。
一方、前方カメラ2又は前方センサ4により前方障害物が検出された場合、ステップS2に進み、制御ユニット24は、前方カメラ2によって撮影された画像データ又は前方センサ4から入力された信号に基づき、自車両1から前方障害物までの距離Loと、前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrとを特定する。
次に、ステップS3において、制御ユニット24は、ステップS2で特定した前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrが、境界速度Veに所定値αを加算した値より大きいか否か(Vr>Ve+αを満たすか否か)を判定する。ここで、所定値αは、操舵回避可能距離Lsと制動回避可能距離Lbとの差が所定値β(例えば1m)未満となるときの相対速度Vrと境界速度Veとの差の絶対値であり、例えばα=1km/hである。
その結果、Vr>Ve+αを満たす場合、ステップS4に進み、制御ユニット24は第1衝突回避処理を実行する。
この場合、前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrが境界速度Veより大きいので、図1及び図3に示したように、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも短くなっている。
一方、Vr>Ve+αを満たさない(Vr≦Ve+αである)場合、ステップS5に進み、制御ユニット24は、ステップS2で特定した前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrが、境界速度Veから所定値αを減算した値より大きいか否か(Ve+α≧Vr>Ve−αを満たすか否か)を判定する。
その結果、Ve+α≧Vr>Ve−αを満たす場合、ステップS6に進み、制御ユニット24は第2衝突回避処理を実行する。
この場合、操舵回避可能距離Lsと制動回避可能距離Lbとの差は所定値β未満であり、操舵回避可能距離Lsと制動回避可能距離Lbとがほぼ等しくなっている。
一方、Ve+α≧Vr>Ve−αを満たさない(Vr<Ve−αである)場合、ステップS7に進み、制御ユニット24は第3衝突回避処理を実行する。
この場合、前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrが境界速度Veより小さいので、図1及び図2に示したように、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも長くなっている。
第1衝突回避処理、第2衝突回避処理、又は第3衝突回避処理を実行した後、制御ユニット24は、衝突回避制御処理を終了する。
次に、図8により、第1衝突回避処理について説明する。この第1衝突回避処理は、上述したように、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも短い場合における衝突回避制御を行うための処理である。
図8に示すように、第1衝突回避処理が開始されると、ステップS10において、制御ユニット24は、図7のステップS2で特定した自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lb以下か否かを判定する。例えば、図1に示したような前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrと制動回避可能距離Lbとの関係を示すマップを予め制御ユニット24のメモリに格納しておき、制御ユニット24は、そのマップを参照して、図7のステップS2で特定した前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrに対応する制動回避可能距離Lbを取得し、自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lb以下か否かを判定する。
その結果、自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lb以下ではない(制動回避可能距離Lbより長い)場合、まだ前方障害物への衝突を回避するための制御が必要ないものとし、制御ユニット24は第1衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
一方、自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lbより短い場合、ステップS11に進み、制御ユニット24は、後側方センサ6により後側方車両が検出されたか否かを判定する。
その結果、後側方センサ6により後側方車両が検出された場合、その後側方車両が自車両1の側方まで接近することにより、自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えなくなる可能性があるので、ステップS12に進み、制御ユニット24は、自車両1を最大減速度Dmaxで減速させるようにブレーキ28を制御すると共に、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用するために、自車両1の操舵を制限する。自車両1の操舵を制限する場合、制御ユニット24は、例えば、ドライバがステアリングホイール14を操作してもステアリングシャフト16に操舵トルクが付与されないように、ドライバの操舵力を打ち消す方向のトルクをステアリングアクチュエータ18により発生させる。
そして、制御ユニット24は、ステップS13において前方障害物への衝突が回避されたと判定するまで、最大限速度Dmaxによる減速を継続する。ステップS13において前方障害物への衝突が回避されたと判定した場合、即ち、自車両1から前方障害物までの距離が0になる前に前方障害物に対する自車両1の相対速度が0以下になった場合、制御ユニット24は第1衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
一方、ステップS11において、後側方センサ6により後側方車両が検出されていない場合、ステップS14に進み、制御ユニット24は、乗員センサ8、操舵角センサ22、及び、方向指示器スイッチ12から出力された信号に基づき、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されたか否かを判定する。
例えば、制御ユニット24は、乗員センサ8により検出された乗員の視線に基づき、乗員が前方障害物を認識したものと判断した場合において、操舵角センサ22によりステアリングの操作が検出された場合、又は、方向指示器スイッチ12により方向指示器の操作が検出された場合に、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されたと判定する。
その結果、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されなかった場合、ステップS12に進み、制御ユニット24は、自車両1の制動のみで前方障害物への衝突を回避するため、自車両1を最大減速度Dmaxで減速させるようにブレーキ28を制御する。
一方、ステップS14において、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出された場合、ステップS15に進み、制御ユニット24は、ドライバの操舵意図を優先しつつ、前方障害物への衝突の回避に必要となる回避可能距離Lに影響が生じない程度の減速度で自車両1を減速させるために、自車両1を中間減速度Dmid(例えば5m/s2)で減速させるようにブレーキ28を制御すると共に、ドライバのステアリング操作による自車両1の操舵を許容させる。
図4を参照して上述したように、前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrが境界速度Veより大きい(即ち操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも短い)場合、制動減速度Dが0から中間減速度Dmidまでの範囲では回避可能距離Lはほぼ一定である。従って、制御ユニット24がステップS15において自車両1を中間減速度Dmidで減速させるようにブレーキ28を制御すると共に、ドライバのステアリング操作による自車両1の操舵を許容させることによって、ドライバのステアリング操作による前方障害物回避に影響を及ぼすことなく自車両1を減速させることができ、より確実に前方障害物への衝突を回避することができる。
そして、ステップS16に進み、制御ユニット24は、前方障害物への衝突が回避されたか否かを判定する。
その結果、前方障害物への衝突が回避されたと判定した場合、即ち、自車両1から前方障害物までの距離が0になる前に前方障害物に対する自車両1の相対速度が0以下になった場合、制御ユニット24は第1衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
一方、ステップS16において、前方障害物への衝突が回避されていないと判定した場合、ステップS17に進み、制御ユニット24は、自車両1から前方障害物までの距離Loが、操舵回避可能距離Ls以下か否かを判定する。例えば、図1に示したような前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrと操舵回避可能距離Lsとの関係を示すマップを予め制御ユニット24のメモリに格納しておき、制御ユニット24は、そのマップを参照して、図7のステップS2で特定した前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrに対応する操舵回避可能距離Lsを取得し、自車両1から前方障害物までの距離Loが、操舵回避可能距離Ls以下か否かを判定する。
その結果、自車両1から前方障害物までの距離Loが、操舵回避可能距離Ls以下ではない(LoがLsより長い)場合、操舵回避を開始するまでにはまだ余裕があるものとし、ステップS15に戻る。以降、ステップS16において前方障害物への衝突が回避されたと判定するか、ステップS17において自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下となるまで、ステップS15の中間減速度Dmidによる減速及び自車両1の操舵の許容を継続する。
ステップS17において、自車両1から前方障害物までの距離Loが、操舵回避可能距離Ls以下となった場合、ステップS18に進み、制御ユニット24は、自車両1の操舵により前方障害物への衝突を回避するために操舵アシストを行う。具体的には、制御ユニット24は、自車両1から前方障害物までの距離Loや前方障害物に対する自車両1の相対速度Vrに基づき、前方障害物への衝突を回避するために自車両1の発生させるべきヨーレートを算出し、そのヨーレートを実現するために必要な操舵トルクがステアリングシャフト16に付与されるようにステアリングアクチュエータ18を制御する。
そして、制御ユニット24は、ステップS19において前方障害物への衝突が回避されたと判定するまで、操舵アシストを継続する。ステップS19において前方障害物への衝突が回避されたと判定した場合、即ち、自車両1の車体と前方障害物とが車幅方向において全く重複しない位置まで自車両1が車幅方向に移動した場合、制御ユニット24は第1衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
次に、図9により、第2衝突回避処理について説明する。この第2衝突回避処理は、上述したように、操舵回避可能距離Lsと制動回避可能距離Lbとの差が所定値β未満である場合における衝突回避制御を行うための処理である。
図9に示すように、第2衝突回避処理が開始されると、ステップS30において、制御ユニット24は、図7のステップS2で特定した自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lb又は操舵回避可能距離Ls以下か否かを判定する。
その結果、自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lb又は操舵回避可能距離Ls以下ではない(制動回避可能距離Lb及び操舵回避可能距離Lsより長い)場合、まだ前方障害物への衝突を回避するための制御が必要ないものとし、制御ユニット24は第2衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
一方、自車両1から前方障害物までの距離Loが、制動回避可能距離Lb又は操舵回避可能距離Lsより短い場合、ステップS31に進み、制御ユニット24は、後側方センサ6により後側方車両が検出されたか否かを判定する。
その結果、後側方センサ6により後側方車両が検出された場合、その後側方車両が自車両1の側方まで接近することにより、自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えなくなる可能性があるので、ステップS32に進み、制御ユニット24は、自車両1を最大減速度Dmaxで減速させるようにブレーキ28を制御すると共に、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用するために、自車両1の操舵を制限する。例えば、制御ユニット24は、ドライバがステアリングホイール14を操作してもステアリングシャフト16に操舵トルクが付与されないように、ドライバの操舵力を打ち消す方向のトルクをステアリングアクチュエータ18により発生させる。
そして、制御ユニット24は、ステップS33において前方障害物への衝突が回避されたと判定するまで、最大限速度Dmaxによる減速及び操舵制限を継続する。ステップS33において前方障害物への衝突が回避されたと判定した場合、即ち、自車両1から前方障害物までの距離が0になる前に前方障害物に対する自車両1の相対速度が0以下になった場合、制御ユニット24は第2衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
一方、ステップS31において、後側方センサ6により後側方車両が検出されていない場合、ステップS34に進み、制御ユニット24は、乗員センサ8、操舵角センサ22、及び、方向指示器スイッチ12から出力された信号に基づき、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されたか否かを判定する。
その結果、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されなかった場合、ステップS32に進み、制御ユニット24は、自車両1の制動のみで前方障害物への衝突を回避するため、自車両1を最大減速度Dmaxで減速させるようにブレーキ28を制御する。
一方、ステップS34において、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出された場合、ステップS35に進み、制御ユニット24は、ドライバの操舵意図を優先し、タイヤと路面との間で発生する摩擦力をコーナリングフォースとして有効に利用するために、ドライバのステアリング操作による自車両1の操舵をステアリングアクチュエータ18に許容させると共に、自車両1の制動を制限する。例えば、制御ユニット24は、ドライバがブレーキペダルを操作してもブレーキ28が作動しないようにブレーキ28を制御する。
このステップS35において、制御ユニット24は、ステアリングアクチュエータ18に自車両1の操舵を許容させるだけでなく、自車両1の操舵により前方障害物への衝突を回避するために操舵アシストを行ってもよい。
そして、制御ユニット24は、ステップS36において前方障害物への衝突が回避されたと判定するまで、自車両1の操舵の許容(及び操舵アシスト)と制動の制限とを継続する。ステップS36において前方障害物への衝突が回避されたと判定した場合、即ち、自車両1の車体と前方障害物とが車幅方向において全く重複しない位置まで自車両1が車幅方向に移動した場合、制御ユニット24は第2衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
次に、図10により、第3衝突回避処理について説明する。この第3衝突回避処理は、上述したように、操舵回避可能距離Lsが制動回避可能距離Lbよりも長い場合における衝突回避制御を行うための処理である。
図10に示すように、第3衝突回避処理が開始されると、ステップS50において、制御ユニット24は、図7のステップS2で特定した自車両1から前方障害物までの距離Loが、操舵回避可能距離Ls以下か否かを判定する。
自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下である場合、適切な操舵を行わない限り前方障害物への衝突を回避できず、また、自車両1の制動と操舵が同時に行われるとタイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用できなくなる。
そこで、ステップS50において自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下であると判定した場合、ステップS51に進み、制御ユニット24は、自車両1を最大減速度Dmaxで減速させるようにブレーキ28を制御すると共に、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用するために、自車両1の操舵を制限する。
そして、制御ユニット24は、ステップS52において前方障害物への衝突が回避されたと判定するまで、最大限速度Dmaxによる減速及び操舵制限を継続する。ステップS33において前方障害物への衝突が回避されたと判定した場合、即ち、自車両1から前方障害物までの距離が0になる前に前方障害物に対する自車両1の相対速度が0以下になった場合、制御ユニット24は第3衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
また、ステップS50において、自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下ではない(LoがLsより長い)場合、ステップS53に進み、制御ユニット24は、後側方センサ6により後側方車両が検出されたか否かを判定する。
その結果、後側方センサ6により後側方車両が検出された場合、その後側方車両が自車両1の側方まで接近することにより、自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えなくなる可能性があるので、ステップS54に進み、制御ユニット24は、自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下となる前にその後側方車両に自車両1を追い越させ、自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えるようにするために、前方障害物への衝突回避に先行して自車両1を先行減速度Dp(例えば3m/s2)で減速させるようにブレーキ28を制御する。このステップS54の後、制御ユニット24は第3衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
また、ステップS53において、後側方センサ6により後側方車両が検出されていない場合、まだ前方障害物への衝突を回避するための制御が必要ないものとし、制御ユニット24は第3衝突回避処理を終了してメインルーチンに戻る。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
上述した実施形態においては、本発明の実施形態による車両の制御装置を搭載する車両1は、動力源としてガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃エンジン26を搭載する場合を例として説明したが、これらのエンジン26に代えて、あるいはこれらのエンジン26と共に、動力源として車両1にバッテリ及びモータを搭載してもよい。この場合、制御ユニット24は、自車両1を制動させる場合に車両1のモータ及びブレーキ28を制御する。
また、上述した実施形態において、制御ユニット24は、自車両1の操舵を許容し又はアシストすると説明したが、前方障害物への衝突を回避するために、自車両1の操舵を完全に制御するようにしてもよい。
次に、上述した本発明の実施形態及び本発明の実施形態の変形例による車両1の制御装置の効果を説明する。
まず、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbが操舵回避可能距離Lsよりも短く、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下である場合、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を制限させると共に、ブレーキ28により自車両1を減速させるので、前方障害物への衝突を自車両1の操舵では回避できない状況にも関わらず自車両1の制動と共に操舵が行われることを防止し、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用することができ、これにより、前方障害物への衝突を確実に回避することができる。
また、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbが操舵回避可能距離Lsよりも短く、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下である場合において、後側方センサ6により後側方車両が検出された場合、ブレーキ28により自車両1を減速させるので、自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls以下となる前に後側方車両に自車両1を追い越させて自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えるようにすることができ、これにより、前方障害物への衝突を一層確実に回避することができる。
また、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbと操舵回避可能距離Lsとの差が所定値β未満であり、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls又は制動回避可能距離Lb以下である場合において、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されない場合、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を制限させると共に、ブレーキ28により自車両1を減速させるので、自車両1の制動と操舵が同時に行われることを防止し、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用することができ、これにより、自車両1の操舵を行う意図のないドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両1の制動により確実に回避することができる。
また、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbと操舵回避可能距離Lsとの差が所定値β未満であり、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls又は制動回避可能距離Lb以下である場合において、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出された場合、自車両1の制動を制限させると共に、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を許容させるので、自車両1の制動と操舵が同時に行われることを防止し、タイヤと路面との間で発生する摩擦力をコーナリングフォースとして有効に利用することができ、これにより、自車両1の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両1の操舵により確実に回避することができる。
また、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbと操舵回避可能距離Lsとの差が所定値β未満であり、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが操舵回避可能距離Ls又は制動回避可能距離Lb以下である場合において、後側方センサ6により後側方車両が検出された場合、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されたか否かに関わらず、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を制限させると共に、ブレーキ28により自車両1を減速させるので、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用して自車両1を十分に減速させることができ、これにより、後側方車両が自車両1の側方まで接近することにより、自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えなくなった場合でも前方障害物への衝突を自車両1の制動により確実に回避することができる。
また、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbが操舵回避可能距離Lsよりも長く、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが制動回避可能距離Lb以下である場合において、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出された場合、自車両1の制動を制限させると共に、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を許容させるので、前方障害物への衝突を自車両1の操舵のみでも回避できる状況にも関わらずドライバの意図に反して自車両1の操舵が制限されることを防止できると共に、タイヤと路面との間で発生する摩擦力をコーナリングフォースとして有効に利用することができ、これにより、自車両1の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両1の操舵により確実に回避することができる。
特に、制動回避可能距離Lbが操舵回避可能距離Lsよりも長く、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが制動回避可能距離Lb以下であり操舵回避可能距離Lsよりも長い場合において、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出された場合、ブレーキ28により中間減速度Dmid以下の減速度で自車両1を減速させると共に、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を許容させるので、前方障害物への衝突を自車両1の操舵のみでも回避できる状況にも関わらずドライバの意図に反して自車両1の操舵が制限されることを防止できると共に、自車両1の操舵による前方障害物への衝突の回避に影響を及ぼすことなく自車両1を減速させることができ、これにより、自車両1の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両1の操舵により確実に回避することができる。
また、制御ユニット24は、制動回避可能距離Lbが操舵回避可能距離Lsよりも長く、且つ、前方カメラ2や前方センサ4により検出された自車両1から前方障害物までの距離Loが制動回避可能距離Ls以下である場合において、後側方センサ6により後側方車両が検出された場合、ドライバによる自車両1の操舵意図が検出されたか否かに関わらず、ステアリングアクチュエータ18により自車両1の操舵を制限させるので、タイヤと路面との間で発生する摩擦力を制動力として有効に利用して自車両1を十分に減速させることができ、これにより、後側方車両が自車両1の側方まで接近することにより、自車両1が前方障害物への衝突を回避するための操舵を行えなくなった場合でも前方障害物への衝突を自車両1の制動により確実に回避することができる。
また、ステアリングアクチュエータ18は、ドライバのステアリング操作に対応したアシストトルクを自車両1のステアリング機構に付与するので、自車両1の操舵を行う意図のあるドライバに違和感を覚えさせることなく前方障害物への衝突を自車両1の操舵により確実に回避することができる。
1 車両
2 前方カメラ
4 前方センサ
6 後側方センサ
8 乗員センサ
10 ペダルストロークセンサ
12 方向指示器スイッチ
14 ステアリングホイール
16 ステアリングシャフト
18 ステアリングアクチュエータ
20 車速センサ
22 操舵角センサ
24 制御ユニット
26 エンジン
28 ブレーキ

Claims (4)

  1. 自車両の前方に存在する前方障害物への衝突を回避するように自車両を制御する車両の制御装置であって、
    自車両の制動を制御する制動制御手段と、
    自車両の操舵を制御する操舵制御手段と、
    自車両から前方障害物までの距離と、前方障害物に対する自車両の相対速度とを検出する前方障害物検出手段と、
    ドライバによる方向指示器の操作が検出された場合、又は、ドライバの視線に基づきドライバが前方障害物を認識したと判断され且つステアリングの操作が検出された場合に、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されたと判定する操舵意図検出手段と、
    上記前方障害物検出手段により検出された前方障害物に対する自車両の相対速度に基づき、前方障害物への衝突を自車両の操舵のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離である操舵回避可能距離を取得する操舵回避可能距離取得手段と、
    上記前方障害物検出手段により検出された前方障害物に対する自車両の相対速度に基づき、前方障害物への衝突を自車両の制動のみで回避可能な前方障害物と自車両との最短距離である制動回避可能距離を取得する制動回避可能距離取得手段と、
    上記制動回避可能距離が上記操舵回避可能距離よりも長く、且つ、上記前方障害物検出手段により検出された自車両から前方障害物までの距離が上記制動回避可能距離以下である場合において、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されなかった場合、最大減速度で自車両を減速させ、ドライバによる自車両の操舵意図が検出された場合、上記最大減速度よりも小さい減速度で自車両を減速させるように、上記制動制御手段により自車両の制動を制限させると共に、上記操舵制御手段により自車両の操舵を許容させる衝突回避制御手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 上記衝突回避制御手段は、上記制動回避可能距離が上記操舵回避可能距離よりも長く、且つ、上記前方障害物検出手段により検出された自車両から前方障害物までの距離が上記制動回避可能距離以下であり上記操舵回避可能距離よりも長い場合において、ドライバによる自車両の操舵意図が検出された場合、上記制動制御手段により、自車両において達成可能な最大減速度の70%以下の減速度で自車両を減速させると共に、上記操舵制御手段により自車両の操舵を許容させる、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 更に、自車両の後方又は側方を走行する後側方車両を検出する後側方車両検出手段を有し、
    上記衝突回避制御手段は、上記制動回避可能距離が上記操舵回避可能距離よりも長く、且つ、上記前方障害物検出手段により検出された自車両から前方障害物までの距離が上記制動回避可能距離以下である場合において、上記後側方車両検出手段により後側方車両が検出された場合、ドライバによる自車両の操舵意図が検出されたか否かに関わらず、上記操舵制御手段により自車両の操舵を制限させると共に、上記制動制御手段により自車両を減速させる、請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 上記操舵制御手段は、ドライバのステアリング操作に対応したアシストトルクを自車両のステアリング機構に付与する請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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