JP6365053B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、送り手段により送られ読み取られた原稿の画像において、原稿の端部が検出されない場合であっても、この原稿の画像に基づいて、画像形成部が用紙に画像を形成する位置の調整を実行可能とする。
請求項2記載の発明は、前記検出手段により検出された前記原稿の端部の有無に応じて、前記原稿に形成された特定画像の当該原稿における位置を算出する位置算出式を切り替える他の切替手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記原稿に形成された特定画像の位置を測定する基準となる当該原稿の端部が前記検出手段により検出されない場合に、基準となる当該端部と対向する当該原稿の端部を基準として当該特定画像の位置を測定する測定手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記読取手段は、前記画像形成部が前記用紙に前記画像を形成する位置を調整するための前記原稿である位置調整原稿を読み取る際に、当該位置調整原稿以外の予め定めた原稿を読み取る際の読み取り範囲を、一方向に予め定めた距離ずらし、かつずらされた当該読み取り範囲内に当該位置調整原稿の端部を含めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記読取手段は、前記読み取り範囲を前記一方向に前記予め定めた距離ずらすことができない場合に、当該一方向とは反対方向に当該読み取り範囲をずらすことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、画像形成部と、前記画像形成部により形成された原稿を送る送り手段と、前記送り手段により送られる前記原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取ることが可能な最大幅の前記原稿が当該読取手段によって読み取られた画像において、当該最大幅の原稿における予め定めた位置に形成された特定画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記特定画像の前記最大幅の原稿における位置に基づいて、前記画像形成部が用紙に画像を形成する位置を調整する調整手段とを備え、前記読取手段は、前記特定画像が形成された原稿を読み取る際に、当該特定画像が形成された原稿以外の予め定めた原稿を読み取る際の読み取り範囲を、一方向に予め定めた距離ずらし、かつずらされた当該読み取り範囲内に当該特定画像が形成された原稿の端部を含めることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2記載の発明によれば、原稿の端部が検出できない場合においても、画像の位置を算出することができる。
請求項3記載の発明によれば、特定画像の位置を測定する基準となる原稿の端部が検出できない場合においても、特定画像の位置を測定することができる。
請求項4記載の発明によれば、読み取り範囲を、一方向に予め定めた距離ずらし、かつずらされた当該読み取り範囲内に位置調整原稿の端部を含めない場合に比較して、位置調整原稿の端部の検出精度を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、位置調整原稿の端部の背景となる領域を確保することができる。また読み取り範囲を、一方向に予め定めた距離ずらし、かつずらされた当該読み取り範囲内に位置調整原稿の端部を含めない場合に比較して、位置調整原稿の端部の検出精度を向上させることができる。
<画像形成装置1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の構成例を示したものである。
図1に示すように、画像形成装置1は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能などを備えた複合機である。図示の例の画像形成装置1は、用紙供給部3と、画像形成部5と、ユーザインタフェース(UI)7と、画像読取部9と、総合制御部10とを備える。
UI7は、表示パネルにより構成され、ユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対してメッセージなどを表示する。
画像読取部(自動原稿送り装置)9は、画像が形成された用紙S(原稿)を順次送りこみながら、この用紙Sに形成された画像を読み取る。
図示の例においては、画像読取部9は、用紙Sが積載される第1原稿トレイ(積載部)90と、第1原稿トレイ90に積載された用紙Sを一枚ずつ送り出す搬送ロールを有する用紙搬送部(送り手段)91と、用紙搬送部91により搬送される用紙Sの第1面からの光を受けながらこの第1面に形成された画像を読み取る第1画像センサ(読取手段)92と、用紙搬送部91により搬送される用紙Sの第1面とは反対側の面である第2面からの光を案内するミラー93と、ミラー93によって案内された第2面からの光を受けこの第2面に形成された画像を読み取る第2画像センサ94とを備える。
図2は、本実施の形態が適用される用紙ガイド98の構成例を示したものである。
次に、図2を参照しながら、用紙ガイド98の構成について説明をする。
図2に示すように、用紙ガイド98は、用紙Sの搬送方向(送り方向。図中矢印A参照。以下、搬送方向とすることがある)と交差する方向(以下、交差方向とすることがある)において、第1原稿トレイ90に積載された用紙Sを挟む位置に設けられた一組の板状部材981,982を有する。この板状部材981,982は、各々の面が搬送方向に沿って設けられ、用紙Sの搬送方向に沿う端部を揃える。また、板状部材981,982は、各々の面が搬送方向に沿った状態を維持しながら交差方向において移動可能である(図中矢印B参照)。
具体的には、板状部材981,982は、搬送される用紙Sの通過する領域の交差方向における中線CLを挟み、かつ中線CLから等しい距離に各々配置される。また、上記のように板状部材981,982が交差方向において移動する(図中矢印B参照)際には、中線CLからのそれぞれの距離が等しい状態を維持しながら移動する。このことにより、第1原稿トレイ90に積載され、板状部材981,982によって挟まれた用紙Sは、この用紙Sにおける交差方向中央を基準位置としながら搬送される。さらに説明をすると、用紙Sの用紙サイズが異なる場合であっても、用紙Sの交差方向中央が通過する位置は互いに一致する。
図3は、本実施の形態が適用される総合制御部10の機能構成例を示したものである。
次に、図3を参照しながら、画像形成装置1が備える総合制御部10について説明をする。
総合制御部10は、画像形成装置1を構成する機能構成部材(例えば、用紙供給部3、画像形成部5、UI7、画像読取部9)を制御する。この総合制御部10は、その機能として、用紙供給制御部13と、画像形成制御部15と、UI制御部17と、画像読取制御部19と、アライメント調整部21とを備える。
画像形成制御部15は、画像形成部5の動作を制御する。具体的には、画像形成制御部15は、印刷指示に従って、用紙供給部3から供給される用紙Sに対して画像を形成するよう画像形成部5を制御する。
UI制御部17は、UI7の動作を制御する。UI制御部17は、ユーザに予め定めたメッセージを表示する画面を表示させるとともに、これらの画面に基づくユーザの指示を受け付けるようUI7を制御する。
画像読取制御部19は、画像読取部9の動作を制御する。具体的には、読取指示に従って、画像読取部9に搭載された用紙Sの画像を読み取るよう画像読取部9を制御する。
このアライメント調整部21は、その機能として、テストチャート出力部22と、テストチャート読取部23と、トリム位置決定部24と、画像解析部25と、マーク画像記憶部26と、読取画像記憶部27と、補正量記憶部28とを備える。
テストチャート読取部23は、ユーザからのテストチャートTCを読み取る指示(テストチャート読取指示)に従い、画像読取部9にテストチャートTCの画像を読み取らせる。
トリム位置決定部24は、第1画像センサ92および第2画像センサ94が検出した画像である検出画像Q(後述する図7(a)参照)から読取画像R(後述する図7(b)参照)として切り取る範囲を定め、切り取りを実行する。
この画像解析部25は、その機能として、測定点検出部251と、端部欠け判定部252と、ずれ量算出部253と、補正量算出部254とを備える。
端部欠け判定部(検出手段、切替手段、他の切替手段、測定手段)252は、読取画像RにおいてテストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれが含まれているか(いずれが含まれていないか)を判定する。また、読取画像RにおいてテストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれが含まれているかに応じて、アライメントのずれ量算出式(後述)、テストチャートTCのレジ基準端部(後述)、および補正量算出式(後述)を決定する(切り替える)。
補正量算出部254は、端部欠け判定部252により決定されたアライメントの補正量算出式に従い、アライメントの補正量を算出する。
さて、画像形成装置1が画像形成動作を繰り返し行うと、経時変化として、例えば画像形成装置1を構成する機能構成部材が摩耗することや、機能構成部材の位置がずれることがある。そして、これらのことにともない、用紙Sに形成される画像の位置が、用紙Sに対してずれる(ばらつく)ことがある。
さらに説明をすると、例えば用紙Sの両面に画像が形成される場合には、第1面と第2面とで形成される画像の位置(表裏レジ)が揃わずに、互いにずれた位置となる場合がある。また、用紙Sを搬送する際の搬送抵抗などが変化するなどの理由により、用紙Sの用紙サイズ、紙種、あるいは厚さなど用紙Sの種別に応じて、あるいは、用紙Sが第1トレイ31乃至第3トレイ33のうちのいずれから供給されたものであるかに応じて、用紙Sに形成される画像の位置が用紙Sに対してずれる(ばらつく)ことがある。
図4(a)乃至(f)は、アライメントずれの要素および補正方法を説明する図である。なお、図4(a)乃至(f)においては、用紙Sと、アライメントずれ補正前に形成される画像である補正前画像Fと、アライメントずれ補正完了後に形成される補正後画像Tとの関係を各々示す。なお、補正後画像Tの位置は、用紙Sにおいて画像が形成されることが望まれる理想位置として捉えることができる。
図4(b)に示すように、サイドレジとは、補正前画像Fの位置が、交差方向においてずれることを示す尺度である。サイドレジは、図中矢印で示すように、交差方向に沿って補正前画像Fを移動させることにより補正される。
図4(c)に示すように、副走査倍率とは、搬送方向における補正前画像Fの伸び縮みを示す尺度である。副走査倍率は、用紙Sの予め定めた箇所(図中用紙Sの上辺)を基準に搬送方向における補正前画像Fを伸縮させることにより補正される。
図4(d)に示すように、主走査倍率とは、交差方向における補正前画像Fの伸び縮みを示す尺度である。主走査倍率は、用紙Sの予め定めた箇所(図中用紙Sの左辺)を基準に搬送方向における補正前画像Fを伸縮させることにより補正される。
図4(f)に示すように、サイドスキューとは、搬送方向に対する補正前画像Fの傾きを示す尺度である。図示の例においては、距離Aと距離Bとの差により算出される。また、図示の例におけるサイドスキューは、図中矢印で示すように、距離Aと距離Bとの差をなくすよう補正前画像Fを回転させることにより補正される。
図5は、本実施の形態が適用されるテストチャートTCを説明する図である。
次に、図3および図5を参照しながら、本実施の形態におけるテストチャートTCについて説明をする。
まず、テストチャート(原稿、位置調整原稿)TCは、用紙供給部3から供給される用紙Sに対して、マーク画像記憶部26に記憶された画像が、画像形成部5によって形成されたものである。このテストチャートTCの画像を画像読取部9によって読み取り解析することにより、アライメントずれ量が把握される。
なお、本実施形態の画像読取部9は、例えば画像形成装置1がコピー機能を実現する際と、アライメントずれ量を把握する際とで共通して利用される。このことにより、アライメントずれ量を把握するため専用の画像読取装置(スキャナ)を設けることが不要となる。
ここで、図示は省略するが、テストチャートTCは図5に示す面とは反対側の面(裏面)にも、図5に示す画像に対応する画像が形成されている。すなわち、テストチャートTCは、両面(第1面、第2面)に対して、各々図5に対応する画像が形成されている。そして、テストチャートTCを画像読取部9によって読み取ることにより、第1面および第2面それぞれについてのアライメントずれ量が把握され得る。なお、テストチャートTCは、第1面および第2面の一方の面(片面)に図5に対応する画像が形成される構成であってももちろんよい。
エッジ検出マークG1〜G4は、用紙Sの第1端部S1〜第4端部S4の中線C1,C2に対して予め定めた位置に形成されている。さらに説明をすると、エッジ検出マークG1〜G4は、中線C1,C2に対する予め定めた側であって、中線C1,C2から予め定めた距離Laに配置される。この距離Laは、用紙Sの用紙サイズに関わらず一定である。言い替えると、用紙サイズが異なる場合であっても、各々テストチャートTCに形成されるエッジ検出マークG1〜G4の中線C1,C2からの距離は、互いに一致する。
エッジ点Nは、用紙Sの第1端部S1〜第4端部S4上の測定点である。図示のテストチャートTCにおいて、エッジ点Nは、格子マークH1〜H8にそれぞれ対応する位置に設けられたエッジ点N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8の計8点が存在する。さらに説明すると、エッジ点N1〜N8は、各々用紙Sの格子マークH1〜H8から用紙Sの外縁に向けて距離Lc離れた位置にそれぞれ存在する。なお、図示の例においては、エッジ点Nは、テストチャートTCにおいて特定の画像(マーク)として形成されていないが、画像と形成されてももちろんよい。
図6(a)乃至(d)は、本実施の形態が適用されるエッジ検出マークGを説明する図である。
次に、図6(a)乃至(d)を参照しながら、本実施の形態におけるエッジ検出マークG(G1〜G4)について説明をする。
本実施の形態におけるエッジ検出マークG1〜G4は、上述のように用紙Sの第1端部S1〜第4端部S4に各々設けられるとともに、それぞれの形状は互いに異なる。そして、各々のエッジ検出マークG1〜G4の形状を識別することで、そのエッジ検出マークG1〜G4が形成された第1端部S1〜第4端部S4を認識することができる。また、検出されたエッジ検出マークG1〜G4の位置を基準として、第1端部S1〜第4端部S4を探索する領域を調整しながら、第1端部S1〜第4端部S4の検出が実行される。
また、開始線G11は近接する用紙Sの第1端部S1〜第4端部S4側に配置され、終了線G12は開始線G11よりも用紙Sの紙面中央側に配置される。さらに、識別線G13〜G15は、開始線G11および終了線G12の間に設けられる。
終了線G12は、エッジ検出マークGを走査しながら検出する処理を行う際に、エッジ検出マークGを通過し終えることを示す。終了線G12は、開始線G11よりも線幅が狭く、識別線G13〜G15よりも線幅が広い。
ここで、図6(a)乃至(d)に示すように、エッジ検出マークG1は識別線G13〜G15を有さず(0本)、エッジ検出マークG2は識別線G13を有し(1本)、エッジ検出マークG3は識別線G13,G14を有し(2本)、エッジ検出マークG4は識別線G13〜G15を有する(3本)。本実施の形態においては、開始線G11および終了線G12に挟まれる識別線G13〜G15の本数を計数することにより、エッジ検出マークG1〜G4のいずれであるかが認識される。
<トリミング>
図7(a)乃至(c)は、検出画像Qと読取画像Rの関係を説明する図である。
次に、図1および図7(a)乃至(c)を参照しながら、画像読取部9において用紙Sの画像が読み取られることにともない行われるトリミングについて説明をする。
ここでは、画像形成装置1において、画像読取部9の第1画像センサ92によって用紙Sの画像を読み取り、その読み取った画像の画像を画像形成部5によって形成する、いわゆるコピー機能を実行する場合を説明する。
このように、検出画像Qをトリミングし読取画像Rとすることにより、読取画像Rの画像データの転送速度が高速化し、あるいはバッファメモリの量が低減される。
また、ここでは、コピー機能を実行することを例に説明をしたが、例えば画像形成装置1においてスキャナ機能を実行する場合も同様である。なお、コピー機能やスキャナ機能を実行するモードを、上記の調整モードとの対比として、通常モードということがある。また、この通常モードは、読み取られた画像の画像情報を記憶手段へ保存するモードとして捉えることができる。
付言すると、検出画像Qは、センサ読み込み可能最大エリアとして捉えることができ、読取画像Rは、読み込み画像最大エリアとして捉えることができる。
図8(a)および(b)は、初期設定におけるトリミング位置の調整を説明する図である。
次に、図1、図8(a)および(b)を参照しながら、初期設定におけるトリミング位置の調整について説明をする。
具体的には、図8(b)に示すように、検出画像Qにおける読取画像Rの位置を移動(調整)し、読取画像Rの位置を、用紙Sに対応する領域の位置に一致させる。なお、図示の例においては、交差方向の一方側(図中右側)に向けて、読取画像Rを初期設定前の位置(図8(a)参照)から移動させている。
なお、図示の例における読取画像Rの移動距離は、距離d1である。また、この初期設定時の読取画像Rの移動を、単に初期移動ということがある。
図9(a)乃至(c)は、通常モードおよび調整モードにおけるトリミング位置の調整を説明する図である。
次に、図5および図9(a)乃至(c)を参照しながら、本実施の形態における通常モードおよび調整モードにおける各々のトリミング位置について説明をする。
一方、図9(b)に示すように、調整モードにおいては、読取画像Rの位置を、通常モードの読取画像Rの位置からずらす。なお、調整モードにおける読取画像Rの位置の移動は、総合制御部10のトリム位置決定部24(図3参照)により実行される。
そして、図9(c)に示すように、距離d1と距離d2の総和が、読取画像Rの移動可能な最大距離を超える場合には、距離d2とは反対方向、さらに説明をすると交差方向の他方側(図中右側)に向けて、読取画像Rを距離d3移動させる。このことにより、読取画像R内に第1端部S1〜第4端部S4の一部を収めるとともに、その背景の領域の大きさが確保される。
また、上記の態様は、画像読取部9の調整値(初期移動の移動距離、距離d1)に応じて、調整モードにおける読取画像Rをシフトする方向を決定する態様として捉えることができる。
例えば、通常モードの読取画像Rよりも、調整モードの読取画像Rを大きな領域としてもよい。具体的には、調整モードの読取画像Rを、検出画像Qの大きさとする(トリミングを行わない)場合や、検出画像Qよりも小さくかつ用紙Sよりも大きい領域としてもよい。
なお、これらの読取画像Rは、用紙Sの第1端部S1〜第4端部S4の少なくとも1つが収まる位置とすることが好ましい。
図10(a)および(b)は、調整モードにおける読取画像Rと第1端部S1〜第4端部S4との位置関係を説明する図である。
次に、図10(a)および(b)を参照しながら、調整モードにおける読取画像RとテストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4との位置関係について説明をする。
上記のように、調整モードにおいては、読取画像Rの位置がずらされる。このことにより、上述のように、テストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のうちの一部の端部が読取画像R内に収まらなくなることがある。特に、テストチャートTCの用紙サイズが大きい、さらに説明をすると、交差方向におけるテストチャートTCの長さが長い場合には、交差方向における両端(第3端部S3および第4端部S4)のいずれかが、読取画像R内に収まらなくなり得る。
一方、図10(b)に示すように、テストチャートTCの第1端部S1〜第3端部S3のみが読取画像R内に収まる場合には、読取画像R内にエッジ点N1〜N9のみが収まる状態となる。
そこで、本実施の形態においては、テストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれが読取画像R内に収まっているか否か、言い換えると、テストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれが読取画像Rにおいて収まらない(欠けている)かを判断し、その判断結果に従って、アライメントの調整態様を切り替える。
なお、テストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれの端部が読取画像Rにおいて欠けるかについては、テストチャートTCの用紙サイズ、テストチャートTCの第1原稿トレイ90への搭載向き、初期移動の移動距離d1などにより変化するものであり、欠ける端部を予め把握することは困難である。
図11は、読取画像R内に収まるテストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4の変化に応じたアライメントの調整態様の切り替えを説明する図である。
次に、図3、図10および図11を参照しながら、読取画像R内に収まるテストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4の変化に応じたアライメントの調整態様の切り替えを具体的に説明する。
具体的には、端部欠け判定部242は、テストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれが読取画像Rにおいて収まっていないか(端部欠け)を判断する。
次に、端部欠け判定部242は、端部欠けの判断結果に応じて、アライメントのずれ補正量を算出するアルゴリズムを変更する。さらに説明をすると、端部欠け判定部242は、アライメントのずれ量算出式(主走査倍率算出式および副走査倍率算出式など、位置算出式の一例)、テストチャートTCのレジ基準端部(リードレジ基準端部およびサイドレジ基準端部など)、アライメントの補正量算出式(リードレジ補正量算出式およびサイドレジ補正量算出式など)の少なくともいずれかを変更する。
次に、端部欠けが第2端部S2である場合、すなわち第1端部S1、第3端部S3および第4端部S4が読取画像R内に収まる場合には、主走査倍率算出式は代替式、副走査倍率算出式は通常式である。また、リードレジ基準端部は第3端部S3であり、サイドレジ基準端部は第1端部S1である。また、リードレジ補正量算出式は通常式、サイドレジ補正量算出式は代替式である。
次に、端部欠けが第4端部S4である場合、すなわち第1端部S1〜第3端部S3が読取画像R内に収まる場合には、主走査倍率算出式は通常式、副走査倍率算出式は代替式である。また、リードレジ基準端部は第3端部S3であり、サイドレジ基準端部は第2端部S2である。また、リードレジ補正量算出式およびサイドレジ補正量算出式は通常式である。
図12は、ずれ量算出式の切り替え態様について説明をする図である。
次に、図12を参照しながら、主走査倍率算出式および副走査倍率算出式における通常式と代替式について説明をする。なお、図12においては、主走査倍率(交差方向における倍率)の切り替えを例として説明する。
次に、通常式について説明をする。通常式においては、格子マークH5および格子マークH6間の長さを直接測定するのではなく、用紙Sの長さ、エッジ点N5から格子マークH6までの距離d4、および格子マークH5からエッジ点N2までの距離d5により格子マークH5および格子マークH6間の長さを算出する。すなわち、格子マークH5および格子マークH6間の長さの算出式が、用紙長さ−距離d4−距離d5となる。なお、用紙長さは、例えば上述の2次元バーコードJに保持されている情報を参照することにより得られる。
この代替式においては、上記の通常式と比較すると、上述のように検知誤差が大きくなり得る。一方で、通常式とは異なり、テストチャートTCにおける主走査倍率を測定しようとする方向(図示の例においては交差方向)の両端(第1端部S1および第2端部S2)が読取画像Rに収まることは不要である。
なお、ここでは主走査倍率について説明をしたが、副走査倍率の切り替えを行う場合も同様である。
図13(a)および(b)は、リードレジ基準端部およびサイドレジ基準端部の切り替え態様について説明をする図である。
次に、図13(a)および(b)を参照しながら、リードレジ基準端部およびサイドレジ基準端部の切り替えについて説明する。
なお、端部欠けが無しの場合のリードレジ基準端部(図示の例では第3端部S3)およびサイドレジ基準端部(図示の例では第2端部S2)をそれぞれ、通常リードレジ基準端部および通常サイドレジ基準端部とすることがある。
図14(a)乃至(c)、図15(a)および(b)は、端部欠けに応じた測定点の変化を説明するための図である。
次に、図14(a)乃至(c)、図15(a)および(b)を参照しながら、端部欠けに応じた測定点の変化について説明をする。
まず、前提として、本実施の形態においては、上述のようにテストチャートTCの第1端部S1〜第4端部S4のいずれの端部が読取画像Rにおいて欠けているか(端部欠け)に応じて、リードレジ基準端部とサイドレジ基準端部とが切り替えられる。このリードレジ基準端部とサイドレジ基準端部とが切り替えられることにより、アライメントのずれ量を算出する際に、テストチャートTCにおける測定点が変化することについて具体的に説明をする。
図16(a)乃至(c)および図17(a)乃至(c)は、レジずれ補正量算出式の切り替え態様について説明をする図である。
次に、図11、図13(a)および(b)、図16(a)乃至(c)および図17(a)乃至(c)を参照しながら、レジずれ補正量算出式の切り替えについて説明する。
そして、図16(a)に示すように、補正前にサイドレジずれとして測定される量は、距離Daとなる。ここで、上述のように図16(a)には、サイドレジおよび主走査倍率にずれが生じている。この場合において、主走査倍率を補正することにともない、アライメントずれの各成分間の補正相互影響のため、サイドレジの補正量が変化し得る。
そして、図16(c)に示すように、サイドレジの調整を実行する際には、主走査倍率が調整された補正前画像Fの位置を、交差方向に沿って移動(平行移動)する(距離Dc参照)。
Dc=Db …(1)
Db=Da …(2)
Dc=Da …(3)
そして、図17(a)に示すように、補正前にサイドレジずれとして測定される量は、距離Daとなる。
そして、図17(c)に示すように、サイドレジの調整を実行する際には、主走査倍率が調整された補正前画像Fの位置を、交差方向に沿って移動する(距離Dc参照)。
Dc=Db …(4)
Db=Da−倍率補正量 …(5)
Dc=Da−倍率補正量 …(6)
なお、ここではサイドレジの補正量算出式について説明をしたが、リードレジの補正量算出式の切り替えを行う場合も同様である。
図18は、本実施の形態におけるアライメント調整処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、本実施の形態におけるアライメント調整処理の動作例を説明する。
まず、テストチャート出力部22は、例えばユーザがUI7を操作することにより、調整モードの選択を受け付ける(ステップ1801)。また、テストチャート出力部22は、ユーザがUI7を操作することにより、テストチャート出力指示を受け付ける(ステップ1802)。そして、テストチャート出力部22は、用紙Sに画像を形成しテストチャートTCとして出力する(ステップ1803)。
次に、画像解析部25は、読取画像記憶部27に記憶された読取画像Rの解析を行う(ステップ1809、後述)。そして、補正量記憶部28は、画像解析部25によって算出されたアライメントずれ量を補正するための補正量を記憶する(ステップ1810)。
図19は、本実施の形態におけるテストチャート画像の解析処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、図19を参照しながら、画像解析部25によって行われるテストチャートTCの画像の解析処理(図18のステップ1809参照)の動作例について詳細に説明をする。
また、測定点検出部251は、2次元バーコードJを検出し、解析する(ステップ1902)。このとき、画像解析部25は、2次元バーコードJを解析し、用紙サイズ、さらに説明すると搬送方向および交差方向におけるテストチャートTCの長さを取得する。
次に、端部欠け判定部252は、端部欠けの判定結果に従い、ずれ量算出式を決定する(ステップ1906)。そして、ずれ量算出部253は、決定されたずれ量算出式に従い、アライメントのずれ量を算出する(ステップ1907)。
また、端部欠け判定部252は、端部欠けの判定結果(ステップ1905参照)に従い、補正量算出式を決定する(ステップ1908)。そして、補正量算出部254は、決定された補正量算出式に従い、アライメントずれの補正量を算出する(ステップ1909)。
さて、上記の説明においては説明を省略したが、読取画像記憶部27が、第1トレイ31、第2トレイ32および第3トレイ33ごとに読み取られた画像を記憶してもよい。あるいは、さらに細分化して、第1トレイ31乃至第3トレイ33に搭載される用紙Sの種別ごとに画像を記憶してもよい。これら用紙Sの種別ごとに記憶された画像を解析してアライメントずれ量を調整することにより、第1トレイ31乃至第3トレイ33のいずれから用紙Sが供給されるか、あるいは用紙Sの種別に応じて変化し得るアライメントずれ量の調整量がより精度よく補正され得る。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (6)
- 画像形成部と、
前記画像形成部により形成された原稿を送る送り手段により送り、送られた当該原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記画像に含まれる原稿の端部の有無を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記原稿の端部の有無によって、前記画像形成部が用紙に画像を形成する位置の調整量を算出する算出式を切り替える切替手段と
を備え、
前記切替手段は、前記検出手段により前記原稿のどの端部が検出されたかまたは当該原稿のどの端部が検出されなかったかによって、前記算出式を切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段により検出された前記原稿の端部の有無に応じて、前記原稿に形成された特定画像の当該原稿における位置を算出する位置算出式を切り替える他の切替手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記原稿に形成された特定画像の位置を測定する基準となる当該原稿の端部が前記検出手段により検出されない場合に、基準となる当該端部と対向する当該原稿の端部を基準として当該特定画像の位置を測定する測定手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記読取手段は、前記画像形成部が前記用紙に前記画像を形成する位置を調整するための前記原稿である位置調整原稿を読み取る際に、当該位置調整原稿以外の予め定めた原稿を読み取る際の読み取り範囲を、一方向に予め定めた距離ずらし、かつずらされた当該読み取り範囲内に当該位置調整原稿の端部を含めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 前記読取手段は、前記読み取り範囲を前記一方向に前記予め定めた距離ずらすことができない場合に、当該一方向とは反対方向に当該読み取り範囲をずらすことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 画像形成部と、
前記画像形成部により形成された原稿を送る送り手段と、
前記送り手段により送られる前記原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取ることが可能な最大幅の前記原稿が当該読取手段によって読み取られた画像において、当該最大幅の原稿における予め定めた位置に形成された特定画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記特定画像の前記最大幅の原稿における位置に基づいて、前記画像形成部が用紙に画像を形成する位置を調整する調整手段と
を備え、
前記読取手段は、前記特定画像が形成された原稿を読み取る際に、当該特定画像が形成された原稿以外の予め定めた原稿を読み取る際の読み取り範囲を、一方向に予め定めた距離ずらし、かつずらされた当該読み取り範囲内に当該特定画像が形成された原稿の端部を含めることを特徴とする画像形成装置。
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