<システムの全体構成の一例>
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の実施形態では、地方自治体の組織における辞令書の作成支援について説明する。ただし、実施形態の対象となる組織は、地方自治体には限定されず、企業や団体等の任意の組織であってもよい。
また、実施形態では、平成26年4月1日に発令する辞令の辞令書を作成する場合について説明する。例えば、以下の実施形態は、平成26年3月に、次年度の辞令を作成する場合を想定している。もちろん、年度単位で辞令が発令されなくてもよく、任意のタイミングで発令される辞令の辞令書を作成するときにも実施形態を適用することができる。
図1は、辞令書の作成を支援する辞令書作成支援システム1の一例を示している。辞令書作成支援システム1は、サーバ2と複数の端末3A〜3Z(総称して、端末3と称する)とがネットワーク4を介して接続されている。
サーバ2は、辞令を発令するために必要な各種情報をデータベース形式で記憶しており、端末3と通信を行う。端末3は、ネットワーク4を介して、サーバ2と通信を行い、辞令書を作成するために必要な情報を取得する。端末3には印刷機5A、5Z(総称して、印刷機5と称する)が接続されている。印刷機5は、端末3の制御により、辞令書を印刷する。
端末3は、例えば、通信機能を有するパーソナルコンピュータや携帯端末等を適用することができる。端末3は、辞令書作成支援装置の一例である。印刷機5は、例えばプリンタ等を適用することができる。
ネットワーク4は、例えばLocal Area Network(LAN)により実現されてもよい。ただし、各端末2とサーバ2との間の通信は、LANには限定されない。例えば、辞令書作成支援システム1はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
<サーバの機能ブロックの一例>
図2は、サーバ2の機能ブロックの一例を示している。図2に一例として示すサーバ2は、サーバ制御部11とサーバ通信部12と記憶部13と抽出部14と登録部15とを備えている。
サーバ制御部11は、サーバ2の制御を行う。サーバ通信部12は、ネットワーク4を介して、各端末3と通信を行う。記憶部13は、各種情報を記憶する。図2の例では、記憶部13は、人事情報データベース(図2では人事情報DBと表記)16と文言パターンデータベース(図2では文言パターンDBと表記)17とを記憶している。
人事情報データベース16は、組織に属する職員の人事に関する情報を記憶している。例えば、人事に関する事象に変化が生じれば、人事情報データベース16に記憶されている人事情報は変更される。
文言パターンデータベース17は、辞令書に記載する文言のパターンを記憶する。この文言のパターンは雛形とも称される。辞令書に記載する文言のパターンは定型化されている。辞令書を作成するときには、文言パターンデータベース17に記憶されている文言パターンが利用される。
図2の例では、記憶部13は、人事情報データベース16と文言パターンデータベース17とを別個のデータベースとして有しているが、記憶部13は、2つのデータベースを1つのデータベースに纏めて記憶してもよい。
抽出部14は、端末3からの要求に応じて、記憶部13の人事情報データベース16または文言パターンデータベース17から所定の情報を抽出する。また、登録部15は、端末3からの要求に応じて、記憶部13の2つのデータベースに所定の情報を登録する。
<端末の機能ブロックの一例>
図3は、端末3の機能ブロックの一例を示している。図3に一例として示す端末3は、端末制御部21と端末通信部22と入力部23と入力受付部24と表示部25と印刷機制御部26とを備えている。
端末制御部21は、端末3の制御を行う。端末通信部22は、ネットワーク4を介して、サーバ2と通信を行う。入力部23は、端末3を操作する操作者が操作を行うために使用される。入力部23には、例えばキーボードやマウス等が適用されてもよい。入力受付部24は、入力部23を用いて入力された内容を受け付ける。
表示部25は、所定の情報を画面に表示する。表示部25としては、例えばディスプレイを適用してもよい。印刷機制御部26は、印刷機5を制御して、辞令書を印刷させる制御を行う。
<文言パターンの編集処理の一例>
図4は、文言パターンを編集する処理の一例を示すフローチャートである。文言パターンを編集するとき、端末3の端末通信部22は、端末通信部22に対して、文言パターンを編集する要求を送信する指令を出力する。そして、端末通信部22は、サーバ2のサーバ通信部12に上記の要求を送信する(ステップS1)。
サーバ2のサーバ制御部11は、端末3に対して、文言パターンを編集する画面を提供する。例えば、サーバ2は、提供された画面をブラウザ形式で端末3に対して提供してもよい。これにより、端末3の表示部25の画面中のブラウザには、提供された画面が表示される(ステップS2)。
図5は、文言パターンデータベース17が記憶している内容の一例を示す。文言パターンデータベース17は、文言コードと適用年月日と終了年月日と辞令書区分と文言パターン(1行目から3行目)との項目を有している。
文言コードは、適用年月日から終了年月日までの間で文言パターンを特定する。例えば、文言コード「01012345」は平成25年4月1日から平成26年3月31日までに適用された文言パターンである。文言コードは、識別コードの一例である。
辞令書区分は、文言パターンに対応している。実施形態では、辞令書区分は、文言コードの上位3桁で特定される。例えば、文言コードの上位3桁が「010」であれば「配置換」、「020」であれば「昇給」、「030」であれば「採用」を示してもよい。
なお、文言パターンの上位4桁以下の情報は、同じ辞令書区別で異なる文言パターンを特定するために使用されてもよい。例えば、一般職員の「配置換」と主幹の「配置換」とでは、同じ「配置換」であっても、文言パターンが異なっていてもよい。
この場合、一般職員と主幹との「配置換」の文言コードは異なる。従って、一般職員の「配置換」と主幹の「配置換」とを区別するために、文言コードの上位4桁以下の情報が使用されてもよい。
図5の例において、1行目、2行目および3行目と示されるのは、文言パターンである。文言コードによって、辞令書に記載する文言パターンが異なる。例えば、文言コード「01012345」の場合には、辞令書に2行の文言パターンが記載される。
辞令書の1行目には「(部署)を命ずる」と記載される。このうち括弧が付いている箇所「(部署)」については、人事情報データベース16から取得される情報(ラベル情報とも称される)が挿入される。辞令書の2行目には「(職名)を命ずる」と記載される。同様に、括弧が付いている箇所「(職名)」については、人事情報データベース16から取得される情報が挿入される。
図5の例において、平成25年4月1日から平成26年3月31日までに適用された文言コード「02023456」の辞令書区分は「昇給」である。昇給にも複数の文言パターンがあり、それぞれの文言コードが異なる。例えば、定期昇給の場合と特例の昇給とでは文言コードが異なる。
文言コード「02023456」の場合、「(級)級(号俸)号級を給する」という文言パターンが辞令書の1行目に記載される。このうち「(級)」および「(号俸)」は、人事情報データベース16から取得される。この文言コード「02023456」には、2行目以降の文言はない。
図5の例において、平成25年4月1日から平成26年3月31日までに適用された文言コード「03034567」の辞令書区分は「採用」である。採用にも複数の文言パターンがあり、文言パターンごとに文言コードは異なる。例えば、一般職員としての採用のパターンと特殊な職員としての採用のパターンとでは文言コードが異なる。
図5の例に示すように、「A市(身分)に採用する」という文言パターンが辞令書の1行目に記載される。このうち「(身分)」は、人事情報データベース16から取得される。身分としては、例えば職員等がある。
辞令書の2行目には「(級)級(号俸)号級を給する」という文言パターンが記載される。「(級)」および「(号俸)」は、人事情報データベース16から取得される。辞令書の3行目には「(部署)勤務を命ずる」という文言パターンが記載される。「(部署)」は、人事情報データベース16から取得される。
従って、辞令書に記載する文言パターンは文言コードで特定される。文言コードも識別コードの一例である。図5の例の文言パターンデータベース17は、3行目までの文言パターンの例を示しているが、文言パターンは4行目以上の文言を有していてもよい。
次に、図6を参照して、文言コード情報画面31の一例を示す。文言コード情報画面は、サーバ2から提供される画面である。図6以降において、破線で囲まれた箇所は、ボタンの内容に応じた一覧の画面を表示する一覧表示ボタンB1である。操作者は、例えば、入力部23としてのマウスを用いて、マウスポインタPを操作する。
文言コードの一覧表示ボタンB1が押下(クリック)されると、入力受付部24は一覧表示ボタンB1が押下されたという操作を受け付ける。これにより、端末制御部21は、文言コードの一覧を表示部25に表示するように制御する。
このとき、端末制御部21は、端末通信部22を制御して、文言パターンデータベース17に記憶されている文言パターンを取得する。そして、端末制御部21は、取得した文言パターンの一覧を表示部25に一覧表示する。
また、文言コードB1に隣接する領域(実線で囲まれた領域)は入力領域D1である。入力領域D1には文言コードを直接的に入力することができる。例えば、操作者は入力部23としてのキーボードを用いて、入力領域D1に文言コードを直接的に入力してもよい。入力された文言コードは、入力受付部24が受け付ける。
文言パターンデータベース17では、文言コード「01012345」は「配置換」である。従って、辞令書区分は「配置換」になる。検索結果一覧には、文言コード「01012345」に対応する文言パターンが表示される。
図6の例では、順番1から4に部署、コード、文言および改行が表示されている。部署は、文言コード「01012345」の辞令書の1行目の最初に表示される部署名である。コードは、部署名の次に表示される職名のコードである。文言は、コードの次に表示される文言であり、「を命ずる」という文字である。
そして、4番目に改行が指定されている。このため、部署名、コード、文言の順番で1行目の文言パターンが辞令書に記載され、次に2行目に改行される。2行目以降の辞令書の記載も同様に参照することができる。2行目以降についても、文言コード「01012345」の文言パターンを表示できる。
「検索結果一覧」には、スクロールバーSBが表示されている。2行目以降の文言パターンを編集するとき、操作者はマウスポインタPを用いて、スクロールバーSBを操作する。入力受付部24は、当該操作を受け付ける。
これにより、端末制御部21は、4番目以降の情報を表示部25に表示する。また、検索結果一覧で表示されている情報が1画面に表示しきれないときには、操作者はマウスポインタPを用いて、スクロールバーSBを操作する。入力受付部24は当該操作を受け付ける。これにより、端末制御部21は、4番目以降の情報を表示部25に表示する。
図6の例の文言パターンは編集することができる。例えば、操作者は、マウスポインタPを用いて、編集を行う対象の文言種類を押下する。図6の例では、「文言」の箇所がマウスポインタPにより選択されている。入力受付部24は、当該操作を受け付ける。詳細情報には、処理区分として、「登録」、「取り消し」および「修正」の項目が設けられている。操作者は、マウスポインタPを用いて、何れか1つの項目を有効にする。
「登録」は新たに文言パターンを登録するためのボタンである。「取り消し」は登録された文言パターンを取り消すためのボタンである。「修正」は登録された文言パターンを修正するためのボタンである。図6の例では、「修正」が選択されている。
これにより、検索結果一覧の3番目の文言種類である文言を修正することが可能になる。例えば、文言を「を命ずる」から「任命する」に修正することで、辞令書に記載される文言も変更される。なお、この修正は、例えば、図6に示す「編集内容」の箇所で行うことができる。
また、順番1の文言種類を変更することも可能であり、順番の入れ替えを行うことも可能である。従って、辞令書に記載する文言パターンを任意に変更することができる。これにより、辞令書作成の自由度が向上する。
以上により、端末制御部21は、文言コードに対応する文言パターンが編集されたことを認識する(ステップS3)。端末制御部21は、端末通信部22を制御して、文言コードおよび対応する文言パターンの情報をサーバ2に送信する(ステップS4)。
サーバ2の登録部15は、サーバ通信部12が受信した情報を文言パターンデータベース17に登録する。これにより、編集された文言パターンが文言パターンデータベース17に反映される(ステップS5)。
なお、文言コード編集画面の編集により、新たな文言パターンが文言パターンデータベース17に登録されてもよいし、登録済みの文言パターンが文言パターンデータベース17から削除されてもよい。
<人事情報の編集処理の一例>
図7は、人事情報を編集する処理の一例を示すフローチャートである。人事情報を編集するとき、端末3の端末通信部22は、人事情報編集要求をサーバ2に送信する(ステップS6)。サーバ2のサーバ通信部12は当該要求を受信する。
サーバ2のサーバ制御部11は、端末3に対して、人事情報を編集する画面を提供する。上述したように、サーバ2は、提供された画面をブラウザ形式で端末3に対して提供してもよい。これにより、端末3の表示部25の画面中のブラウザには、提供された画面が表示される(ステップS7)。
図8は、発令異動情報画面32の一例を示している。発令異動情報画面32は、サーバ2から提供される画面である。発令異動情報画面32は、辞令が発令されるときに、編集される画面である。つまり、人事情報データベース16が記憶している情報を編集する画面である。
検索条件の項目は、人事事象に変更を生じる職員を検索するために使用される。例えば、発令年月日や基準日の一覧表示ボタンB1が押下されると、暦が表示されてもよい。または、入力領域D1に発令年月日や基準日が直接的に入力されてもよい。
発令年月日は、辞令を発令する年月日を示す。また、基準日は、辞令が発令される発令年月日よりも前の日付であり、例えば、図7の例のように、基準日は、辞令が発令される日の1日前となる。
また、職員番号の一覧表示ボタンB1が押下されると、職員番号の一覧が表示される。これにより、辞令が発令される職員が特定されてもよい。または、入力領域D1に直接的に職員番号が入力されることで、辞令が発令される職員が特定されてもよい。図8の例は、職員番号「6885」の職員「甲」が特定されている例を示している。
次に、編集項目について説明する。基準日の部署情報は、辞令が発令される前の部署の情報になる。図7の例の場合、職員「甲」の部署は、基準日の時点では「第1経理部経理課」であった。
発令された辞令では、発令年月日から職員「甲」は部署が「総務人事部人事係」になる。このとき、部署の一覧表示ボタンB1が押下されるか、または入力領域D1に部署コードが入力されるかにより、「総務人事部人事係」が指定される。そして、反映ボタンB2が押下されると、辞令発令後の部署情報が確定する。
基準日における「甲」の給与情報は「05級038号級」であった。このとき、「給与」の一覧表示ボタンB1が押下されるか、または入力領域D1に直接的に新たな給与情報が入力されると、辞令発令後の給与情報が変更される。そして、反映ボタンB2が押下されると、辞令発令後の給与情報が確定する。
職員「甲」の基準日の職名情報は「主査」であり、職名コードは「01234」である。職名コードは、識別コードの一例である。職名の一覧表示ボタンB1が押下されるか、または職名の入力領域D1に直接的に職名コードが入力されることで、辞令発令後の職名情報が指定される。図8の例では、辞令発令後の職名は「主幹」であり、対応する識別コードは「12345」である。そして、反映ボタンB2が押下されると、発令後の職名情報が確定される。
職員「甲」の基準日の職種情報は「一般職」であり、職種コードは「001」である。職種コードは、識別コードの一例である。図8の例では、辞令発令後においても、「甲」の職種に変更はない。従って、発令後の職種情報は空欄になっている。
職員「甲」の基準日の身分情報は「職員」であり、身分コードは「0001」である。身分コードは、識別コードの一例である。図8の例では、辞令発令後においても、「甲」の職種に変更はない。従って、発令後の身分情報は空欄になっている。
職員「甲」の基準日の採用退職情報は、採用年月日が平成3年4月1日になっている。図7は、職員「甲」が退職しない例を示している。従って、発令後の採用退職情報は空欄になっている。
職員「甲」の基準日の人事基本情報は「市町村役員」であり、人事基本コードは「01」である。図7の例では、職員「甲」の人事基本コードに変化はない。従って、発令後の人事基本情報は空欄になっている。人事基本コードは、識別コードの一例である。
上述した基準日における各種の人事情報は、識別コードと対応付けられて、人事情報データベース16に記憶されている。例えば、上述したように、人事情報は、部署情報や給与情報、職名情報、職種情報、採用退職情報、人事基本情報等の種々の情報を含む。
以上の基準日における各種の人事情報は、端末3がサーバ2と通信し、人事情報データベース16から指定された職員番号「6885」の職員「甲」の情報を抽出することで、取得することができる。
端末3の端末制御部21は、人事情報の編集が終了したときに、編集された人事情報および対応する人事コードを認識する(ステップS8)。そして、端末3の端末通信部22は、編集された情報をサーバ2に送信する(ステップS9)。
サーバ2のサーバ通信部12は、端末3から送信された人事情報の編集結果を登録部15に出力する。登録部15は、人事情報の編集結果を人事情報データベース16に反映する(ステップS10)。これにより、職員「甲」の情報が人事情報データベース16に反映される。
図9は、人事情報データベース16が記憶している内容の一例を示している。図9の人事情報データベース16は、職員番号と氏名と適用年月日と終了年月日と部署名と部署コードとの項目を有している。これらの各項目は、人事情報を含んでいる。なお、人事情報データベース16は、さらに他の項目を有している。
職員番号は、組織に属する職員を識別する識別番号である。また、氏名は、職員番号で特定される職員の氏名である。図9では、職員番号「7889」は氏名「乙」であることを特定している。なお、人事情報データベース16は、「乙」だけでなく、他の職員の人事情報も含む。
適用年月日は、人事の適用が開始されたときの年月日である。終了年月日は、人事の適用が終了したときの年月日である。よって、人事情報データベース16の各データは、適用年月日から終了年月日までの間に適用された人事の情報を含む。
図9の例では、年度ごとの人事についての情報を示している。ただし、年度の途中で人事に変更が生じたときには、新たな辞令の発令が発生した時点が適用年月日となり、次に新たな辞令が発令された時点が終了年月日となる。
部署名は、職員番号で特定される職員が適用年月日から終了年月日までの間に所属している部署の名称である。部署コードは、部署名を識別する識別コードである。図9の例に示すように、部署コードは同じでも、部署名が変化することがある。
図10の例は、人事情報データベース16の職名に関する項目を示している。職名の項目は、適用年月日から終了年月日までにおいて、職名コードで特定される職名を示している。図10の例において、職員「乙」は、平成26年4月1日より、「主査」から「主幹」に昇格している。なお、「主査」と「主幹」との職名コードは異なる。
<辞令書作成処理の一例>
次に、辞令書作成処理の一例について、図11のフローチャートの例を用いて説明する。最初に、文言パターンの生成条件の設定が行われる。図12は、文言パターンの生成条件の設定を行う文言生成条件画面33の一例を示す。この文言生成条件画面33では、辞令書に記載する文言パターンと人事事象とを関連付ける条件を登録することができる。
図12の画面のうち、検索条件は、文言パターンを検索する時間的な条件を指定する項目である。操作者は、入力部23(マウスまたはキーボード)を用いて、基準年月日を入力する。入力受付部24は、入力された基準年月日を受け付ける。これにより、端末制御部21は基準年月日が指定されたことを認識する。
端末制御部21は、端末通信部22を制御して、サーバ2に基準年月日の情報を送信する。サーバ2の抽出部14は、文言パターンデータベース17から上記の基準年月日における文言パターンを抽出する。サーバ通信部12は、端末3に対して、抽出部14が抽出した文言パターンを送信する。これにより、指定された基準年月日の文言パターンが検索される。
端末制御部21は、サーバ2から受信した文言パターンの一覧を文言生成条件画面33に表示する。図12の例では、3つの文言コードに対応した辞令書区分、適用年月日、終了年月日および文言順が表示されている。
各文言コードに対応した項目は他にも表示されてもよい。また、文言パターン一覧には4つ以上の文言パターンが表示されてもよい。操作者は、マウスポインタPを用いて、スクロールバーSBを操作する。入力受付部24は当該操作を受け付ける。これにより、端末制御部21は、表示されていない情報を表示部25に表示する。
文言パターン一覧のうち、文言順は、1人の職員に対して複数の辞令が発令され、且つ1つの辞令書に複数の辞令を記載する場合、辞令書に記載する文言パターンの順番を規定する情報である。
図12の例では、文言コード「01012345」の辞令書区分「配置換」が選択されている。このため、詳細情報の文言コードの欄には文言コード「01012345」および辞令書区分「配置換」が表示される。適用年月日は、検索条件の基準年月日と同じ「平成26年4月1日」になる。図12の例では、終了年月日は空欄になっている。
検索年月日の欄は、辞令書に記載する文言パターンに挿入される人事情報がいつの時点の人事情報であるかを指定するために設けられている。検索年月日は、第1の日付の一例である。
操作者は、入力部23を用いて、一覧表示ボタンB1を押下するか、または入力領域D1に直接的に文言コードを入力する(ステップS21)。操作者が入力した文言コードは、入力受付部24が受け付ける。図12の例では、文言コード「01012345」が入力されている。
基準年月日、適用年月日および検索年月日は、操作者が入力部23を用いて入力する(ステップS22)。例えば、操作者は、一覧表示ボタンB1を押下して、年月日の暦の中から所定の年月日を選択するか、または入力領域D1に年月日を直接的に入力する。入力受付部24は、入力された内容を受け付ける。図12の例の場合、検索年月日は平成26年4月1日になっており、適用年月日と同じ日付になっている。
文言順は文言パターン一覧に表示されている文言順である。この文言順は変更することができる。上述したように、文言順は、1人の職員に複数の辞令が発令されたときの辞令を記載する順番を規定する。
操作者は、文言順の入力領域D1に文言順の数字を入力する。入力受付部24は入力された内容を受け付ける。これにより、辞令書に記載する文言の順番を制御することができる。
改ページは、1人の職員に対して複数の辞令が発令された場合、複数の辞令を1つの辞令書に纏めるか、または辞令ごとに異なる辞令書にするかを設定する情報である。辞令書に記載する内容は、実際に辞令書を印刷する前の画面に表示される。
改ページの項目のうち、出力前の欄は、実際に辞令書を印刷する前の画面に表示される辞令書の内容で改ページを行うか否かを指定する欄である。出力後は、実際に辞令書を印刷するときに改ページを行うか否かを指定する欄である。
出力前と出力後とのそれぞれにチェックボックスが設けられている。端末制御部21は、チェックボックスにチェックが入っていれば、辞令書ごとにページ替えして印刷を行うと判定する。端末制御部21は、チェックボックスにチェックが入っていなければ、複数の辞令書を纏めて印刷すると判定する。
例えば、出力前のチェックボックスにチェックが入っており、出力後のチェックボックスにチェックが入っていないとする。この場合、実際に辞令書を出力する前に、改ページされた辞令書または改ページされない辞令書が表示部25に表示される。従って、操作者は、実際に辞令書を印刷する前に辞令書の内容を確認することができる。
文言出力制御区分は、一般または特殊を選択することができる。一般は、特殊な事情が発生していないときに選択される。例えば、定期昇給等の辞令を発令するときには、一般が選択される。特殊は、特殊な事情が発生したときに選択される。例えば、定期昇給以外の特殊な昇給等の辞令が発令されるときには、特殊が選択される。
部署は、辞令書の文言パターンに挿入する部署コードを入力する欄である。操作者は、部署の一覧表示ボタンB1を押下して部署コードの一覧の中から所定の部署コードを選択するか、または入力領域D1に直接的に部署コードを入力する(ステップS23)。入力受付部24は、当該操作を受け付ける。
職名は、辞令書の文言パターンに挿入する職名コードを入力する欄である。操作者は、職名の一覧表示ボタンB1を押下して職名コードの一覧の中から所定の職名コードを選択するか、または入力領域D1に直接的に職名コードを入力する。入力受付部24は、当該操作を受け付ける。
図12の例に示すように、操作者は、入力部23を用いて、職種を識別する職種コードを入力することもできる。また、操作者は、身分等も含む任意の人事情報を識別する識別コードを入力することができる。これにより、文言コードと人事事象である部署コードおよび職名コードとの関連付けが登録される。
端末制御部21は、入力受付部24が受け付けた検索年月日および人事情報を識別する識別コードの情報をサーバ2に送信するように端末通信部22を制御する。図12の例では、識別コードには、部署コードおよび職種コードが含まれる。サーバ2のサーバ通信部12は、検索年月日および識別コードの情報を受信する。
記憶部13の人事情報データベース16には、時間的に変化する識別コードと人事情報との対応関係が記憶されている。従って、抽出部14は、検索年月日の時点の部署コードに対応する部署名および職名コードに対応する職名を人事情報データベース16から抽出する(ステップS24)。
そして、サーバ通信部12は、部署名および職名の情報を端末3の端末通信部22に送信する。端末制御部21は、部署名および職名の情報を表示部25に表示する(ステップS25)。
図12の例において、検索年月日である平成26年4月1日における部署コード「010101」は「総務人事部人事係」である。検索年月日における職名コード「01234」は「主査」である。
図13は、人事情報と文言パターンとを関連付けるための画面(発令文言コード作成画面34)の一例を示している。この発令文言コード作成画面34もサーバ2から提供される。発令年月日は、実際に辞令が発令される年月日を入力する欄である。図14の例では、平成26年4月1日が発令年月日になっている。
案番号は、辞令書を作成するときに、複数の辞令書案を作成する場合に使用される。例えば、同じ職員に対して同じ辞令を発令するときに、複数の辞令書案を作成し、最終的に1つの辞令書案を採用する。このとき、案番号は、何れの辞令書案を採用するかを特定する。
文言年月日は、辞令書に記載する文言パターンに何れの時点での文言パターンを適用するかを入力する欄である。操作者は、入力部23を用いて、文言年月日の一覧表示ボタンB1を押下するか、または入力領域D1に文言年月日を直接的に入力する(ステップS26)。入力受付部24は、入力された文言年月日を受け付ける。
ステップS21で、既に文言コードの入力が受け付けられている。端末制御部21は、文言年月日と文言コードとをサーバ2に送信するように端末通信部22を制御する。端末通信部22は文言年月日および文言コードをサーバ2のサーバ通信部12に送信する。
サーバ通信部12は、文言年月日および文言コードを受信する。抽出部14は、文言年月日の時点で適用された文言コードに対応する文言パターンを抽出する(ステップS27)。サーバ通信部12は、抽出した文言パターンを端末3の端末通信部22に送信する。
端末通信部22は、文言パターンを受信する。上述したように、文言パターンと人事事象との関連付けは登録されている。そこで、平成26年4月1日に辞令書を発令する対象となる職員について、上記の関連付けを実施する(ステップS28)。
図14の例は、発令年月日が平成26年4月1日において、辞令書を発令する対象となる職員の一覧を示す画面(発令情報一覧画面35)である。例えば、何れの職員が辞令を発令する対象であるかは、人事情報データベース16に記憶されている内容に基づいて認識することができる。このために、端末3はサーバ2と通信を行う。
図9に示したように、人事情報データベース16に適用年月日が平成26年4月1日となっている職員が、辞令書を発令する対象となる。ただし、適用年月日が平成26年4月1日となっている職員の全てに対して辞令書を発令しなくてもよい場合がある。
図14の例では、職員「甲」、「乙」、「丙」および「丁」が辞令を発令する対象となっている。なお、辞令を発令する対象は上記の4名には限定されない。検索結果の項目も、「職員番号」、「氏名」、「発令年月日」および「辞令書区分」の他に任意の項目を有していてもよい。
図14の例では、職員番号「6885」の職員「甲」が選択されている。図14の例の発令情報一覧画面35で職員「甲」が選択されている。この選択により、端末制御部21は、図15の例に示すような、職員「甲」に対して発令される辞令の内容を示す画面(発令情報詳細画面36)に表示部25の表示内容を遷移させる。
上述したように、複数の辞令書案を作成した場合には、案番号で辞令書案を指定することができる。職員「甲」が選択されていることから、職員番号および辞令書区分が特定され、職員番号および辞令書区分が表示される。また、発令年月日は平成26年4月1日である。
操作者は、任命権者のコードを入力する。操作者は、入力部23を用いて、任命権者の一覧表示ボタンB1から任命権者の一覧から選択するか、または入力領域D1に任命権者のコードを直接的に入力する。入力受付部24は、入力された情報を受け付ける。
辞令書出力対象は、チェックボックスにチェックがされているか否かにより、実際に辞令書を印刷するか否かを決定する。チェックボックスにチェックがされていれば、実際に辞令書は印刷される。一方、チェックボックスにチェックがされていなければ、辞令書は印刷されない。つまり、辞令書は、表示部25に表示されるが、印刷はされない。
人事経歴反映対象は、チェックボックスにチェックがされているか否かにより、発令される人事を人事情報データベース16に反映させるか否かを決定する。例えば、記憶部13が次年度に辞令が発令される職員の情報を一時的に記憶するデータベース(図示せず)を有しているとする。
次年度に辞令が発令される職員の情報は一時的にデータベースに記憶され、確定した段階で人事情報データベース16に記憶することもできる。この場合、人事経歴反映対象のチェックボックスにチェックがされていれば、辞令書の印刷は行うが、上記の一時的に記憶するデータベースには記憶しない。このため、当該職員については、辞令書は交付されるが、人事情報データベース16には当該職員の人事情報は反映されない。
なお、記憶部13は一時的なデータベースを有しなくてもよい。例えば、人事情報データベース16は職員の情報を一時的に記憶し、人事経歴反映対象のチェックボックスにチェックがされていれば、辞令書の印刷を行う。そして、その後、人事情報データベース16から印刷した辞令書の人事情報が削除されてもよい。
任命権者名称は、任命権者のコードで特定される任命権者の名称である。図16の例では、「A市役所市長」となっている。任命権者氏名は、任命権者のコードで特定される任命権者の氏名である。図15の例では、任命権者の氏名は「戊」になっている。
また、辞令発令後の「甲」の身分は職員であり、職名は主幹であり、部署は総務人事部人事係になっている。これらの情報は、人事情報データベース16に基づいて、端末制御部21が画面に表示する。
改ページは、上述した改ページと同じである。図12の文言生成条件画面33で出力前または出力後の改ページのチェックボックスにチェックがされていれば、端末制御部21は、図15の発令情報詳細画面の改ページのチェックボックスにチェックを入れるようにしてもよい。発令情報詳細画面は、操作画面の一例である。
辞令書文言は、辞令書に記載する辞令書のパターン(以下、辞令書パターンと称する場合もある)を表示する欄である。この辞令書文言の欄には、文言パターンに挿入された人事情報が表示される。つまり、辞令書パターンは、文言パターンに紐付けられた人事情報を反映したパターンである。
端末制御部21は、辞令書文言の欄に辞令書パターンを表示する(ステップS29)。辞令書文言は、編集可能に表示される。操作者は、入力部23を用いて、辞令書文言の修正を行うことができる。これにより、辞令書に記載する内容を自由に編集することができる。入力部23による編集操作は、入力受付部24が受け付ける。そして、端末制御部21が編集操作を画面に反映させる。
図15の辞令書文言の辞令書パターンのうち、「総務人事部人事係」は人事情報データベース16に記憶されている人事情報である。「を命ずる」は文言パターンで定型化された文言である。同様に、「主幹」は人事情報データベース16に記憶されている人事情報である。「を命ずる」は文言パターンで定型化された文言である。
給与は、例えば、昇給等の辞令が生じた場合に表示される。文言コードの指定は、発令情報詳細画面36でも編集可能である。図15の発令情報詳細画面は一例であり、他にも種々の情報が表示されてもよい。
端末制御部21は、改ページのチェックボックスに基づいて、印刷制御を行う(ステップS30)。印刷制御は、1人の職員に対して複数の辞令が発行されたときに、複数の辞令を纏めて1枚の辞令書として印刷するか、または辞令ごとに辞令書を印刷するかの制御である。
図16は、図15の発令情報詳細画面に表示されている内容に基づいて、印刷される辞令書の一例である。辞令書の発令内容には、指定した文言年月日の文言パターンに指定した検索年月日の人事情報が挿入されている内容が記載されている。
図17は、「甲」の人事情報のうち職名の情報がない場合を示している。例えば、人事情報データベース16に、検索年月日における「甲」の職名の情報が記憶されていないとする。この場合、図17の発令情報詳細画面36の辞令書文言の文言パターンのうち職名の箇所にシンボルを表示する。
図17の例では、端末制御部21は、黒丸のシンボルを表示部25の画面に表示する。このように、端末制御部21は表示部25の画面に、辞令書の文言パターンのうち一部の情報がない場合にシンボル表示を行うことで、操作者は、誤った辞令書が印刷される前に、条件設定に誤りがあることを認識することができる。
<印刷制御の一例>
次に、上述したステップS30の印刷制御について、図18のフローチャートの例を参照して説明する。端末制御部21は、1人の職員に対して、発令年月日において、複数の辞令が発令されたか否かを判定する(ステップS41)。
図19は、発令情報一覧画面35の他の例を示している。図19の画面例では、発令年月日が平成26年4月1日において、職員番号「6885」の職員「甲」に対しては1つの辞令が発令されている。
端末制御部21は、発令年月日において、職員「甲」に対しては、複数の辞令が発令されていないと判定する(ステップS41でNO)。この場合、端末制御部21は、職員「甲」に対して発令された1つの辞令に関する情報を発令情報詳細画面36に表示する。
そして、端末制御部21は、1枚の辞令書に印刷する指令を印刷機制御部26に出力する。印刷機制御部26は、職員「甲」の辞令を1枚の辞令書に印刷するように、印刷機5を制御する(ステップS42)。これにより、印刷制御は終了する。
一方、図19の画面例では、発令年月日が平成26年4月1日において、職員番号「9555」の職員「己」に対して、「配置換」と「昇給」との2つの辞令が発令されている。この場合、端末制御部21は、発令年月日において、職員「己」に対して、複数の辞令が発令されていると判定する(ステップS41でNO)。
図19の画面例では、職員「己」に発令されている2つの辞令のうち「配置換」が選択されている。図19の画面例において、「配置換」が選択されているため、端末制御部21は、職員「己」の「配置換」についての発令情報詳細画面36を表示する。このときの発令情報詳細画面36の一例を図20に示す。発令情報詳細画面36は、印刷制御の操作を行うための操作画面の一例である。
図20の画面例において、辞令書文言の文言パターンは「B部局へ出向を命ずる」である。実施形態では、「B部局へ出向を命ずる」という文言パターンは、文言コード「01056789」に対応しているものとする。
端末制御部21は、改ページのチェックボックスにチェックがされているか否かを判定する(ステップS43)。例えば、図20の画面例では、改ページのチェックボックスにチェックが入っている。この場合、端末制御部21は、複数の辞令書について、辞令書ごとにページ替えして印刷を行うと判定する(ステップS43でYES)。
この場合、端末制御部21は、図20の例のように、辞令書文言の欄には「B部局へ出向を命ずる」という文言パターンを表示する。つまり、端末制御部21は、発令情報詳細画面36に1つの辞令の文言パターンを表示する(ステップS44)。
そして、端末制御部21は、表示されている1つの辞令を1枚の辞令書に印刷する指令を印刷機制御部26に出力する。印刷機制御部26は、「B部局へ出向を命ずる」という1つの辞令が印刷された辞令書を印刷する(ステップS45)。図21は、1つの辞令を記載した辞令書の一例を示している。
上述したように、発令年月日が平成26年4月1日において、「06級015号級を給する」という文言パターンの辞令も職員「己」に対して発令されている。端末制御部21は、全ての辞令書の印刷が完了したか否かを判定する(ステップS46)。
全ての辞令についての辞令書の印刷が完了していなければ(ステップS46でNO)、端末制御部21は、発令情報一覧画面35を表示し、印刷されていない辞令の選択を受け付ける。
例えば、職員「己」についての「昇給」の辞令が印刷されていない場合、端末制御部21は、辞令書文言に「昇給」についての文言パターンが記載されている発令情報詳細画面36を表示する。つまり、ステップS45でNO場合、処理は、ステップS46に戻る。
そして、端末制御部21は、「昇給」についての辞令を1枚の辞令書に印刷する指令を印刷機制御部26に出力する。印刷機制御部26は、「06級015号級を給する」という1つの辞令が印刷された辞令書を印刷する。
端末制御部16は、1人の職員に対して発令されている全ての辞令書の印刷が完了したと判定したとき(ステップS46でYES)、印刷制御を終了する。これにより、職員「己」に対して発令されている全ての辞令書の印刷が辞令書ごとに行われる。
次に、図22の発令情報詳細画面36において、入力受付部24が改ページのチェックボックスにチェックが外されたことを受け付けたとする。この場合、端末制御部21は、改ページにチェックがされていないと判定する(ステップS43でNO)。
端末制御部21は、発令年月日が平成26年4月1日における他の辞令の情報を取得する。実施形態では、職員「己」に対して「昇給」の辞令が発令されている。従って、端末制御部21は、職員「己」の「昇給」の辞令に関する情報を取得する。
そして、端末制御部21は、図22の例に示すように、辞令書文言の欄に表示されている「B部局へ出向を命ずる」という文言パターンの次に「昇給」に関する辞令の内容を追加する。図22の例では、端末制御部21は、「昇給」に関する辞令「06級015号級を給する」という文言パターンが連結された画面を表示部25に表示する。
つまり、端末制御部21は、複数の辞令を纏めた文言パターンを表示部25の画面に表示する(ステップS47)。そして、辞令書の印刷を行うときには、図22の例の文言パターンを反映した辞令書を印刷する指令する印刷機制御部26に出力する。
印刷機制御部26は、複数の辞令を纏めた1枚の辞令書を印刷する(ステップS48)。図23は、複数の辞令を纏めた1枚の辞令書の一例を示している。図23の例では、辞令書は、複数の辞令を辞令ごとにページ替えせずに連結して印刷されている。以上により、印刷制御が終了する。
上述したように、1人の職員に対して複数の辞令が発令される場合、1枚の辞令書に複数の辞令が纏めて記載されている方が、複数の辞令を1枚の辞令書で確認できるため、辞令の対象となる職員にとっては好ましい。
一方、辞令ごとに異なる辞令書を印刷した方が好ましい場合がある。例えば、上述した例の場合、「出向」の辞令は組織の中の出向元が発令し、「昇給」の辞令は組織の中の出向先が発令することがある。この場合、出向元が発令する辞令と出向先が発令する辞令とは辞令を発令する主体が異なるため、辞令ごとに辞令書を印刷した方が好ましい。
実施形態では、1人の職員に対応付けられた複数の辞令について、複数の辞令を1つの辞令書に纏めて印刷するか、または辞令ごとにページ替えして印刷するかを指定することができる。実施形態では、この指定は、操作画面(発令詳細情報詳細画面36)において行われるように、端末制御部21が制御している。このため、辞令書の印刷パターンを簡単に制御することができる。
<印刷制御の他の例>
次に、印刷制御の他の例について説明する。発令年月日において、複数の職員に対して同一の辞令が発令されるとする。例えば、同じ発令年月日において、職員「甲」と職員「乙」とに対して、同一の辞令パターン(第1の辞令パターンとする)の辞令が発令されるとする。例えば、第1の辞令パターンは、同一部署への「配置換」とする。この場合、職員「甲」と職員「乙」とは第1の辞令パターンでグループ化される。
一方、上記の発令年月日において、職員「丙」と職員「丁」と職員「己」とに対して、同一の辞令パターン(第2の辞令パターンとする)の辞令が発令されるとする。例えば、第2の辞令パターンは、「採用」とする。この場合、職員「丙」と職員「丁」と職員「己」とは第2の辞令パターンでグループ化される。
従って、職員「甲」と職員「乙」とは第1の辞令パターンの辞令書に属する。同様に、職員「丙」と職員「丁」と職員「己」とは第2の辞令パターンの辞令書に属する。グループ化される辞令書は、2つには限定されず、3つ以上であってもよい。
この場合、端末制御部21は、職員「甲」および職員「乙」に対する第1の辞令パターンの辞令書を印刷する指令を印刷機制御部26に出力する。印刷機制御部26は、職員「甲」の第1の辞令パターンの辞令書および職員「乙」の第1の辞令パターンの辞令書を印刷する。
また、端末制御部21は、職員「丙」と職員「丁」と職員「己」とに対する第2の辞令パターンの辞令書を印刷する指令を印刷機制御部26に出力する。印刷機制御部26は、職員「丙」と職員「丁」と職員「己」とのそれぞれの第2の辞令パターンの辞令書を印刷する。
従って、職員「甲」および職員「乙」に対して発令する同一の第1の辞令パターンの辞令書を連続して印刷することができる。また、職員「丙」と職員「丁」と職員「己」とに対して発令する同一の第2の辞令パターンの辞令書を連続して印刷することができる。
<通信制御装置のハードウェア構成の一例>
次に、図23を参照して、通信制御装置のハードウェア構成の一例を説明する。図29の例に示すように、バス100に対して、プロセッサ111とRandom Access Memory(RAM)112とRead Only Memory(ROM)113と補助記憶装置114と媒体接続部115と通信インタフェース116と入出力インタフェース117とが接続されている。
プロセッサ111はCentral Processing Unit(CPU)のような任意の処理回路である。プロセッサ111はRAM112に展開されたプログラムを実行する。実行されるプログラムとしては、実施形態の辞令書印刷支援プログラムを適用することができる。ROM113はRAM112に展開されるプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置である。
補助記憶装置114は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブや半導体メモリ等を補助記憶装置114に適用することができる。媒体接続部115は、可搬型記録媒体118と接続可能に設けられている。
可搬型記録媒体118としては、可搬型のメモリや光学式ディスク(例えば、Compact Disk(CD)やDigital Versatile Disk(DVD)等)を適用することができる。この可搬型記録媒体118に実施形態の辞令書印刷支援プログラムが記録されていてもよい。
入出力インタフェース117には、キーボード119とマウス120とディスプレイ121とが接続されている。端末3の入力部23は、キーボード119やマウス120で実現されてもよい。表示部25はディスプレイ121で実現されてもよい。
通信インタフェース116は、外部との通信を行うときのインタフェースである。例えば、端末通信部22は通信インタフェース116により実現されてもよい。また、端末2の端末制御部21、入力受付部24および印刷機制御部26は、プロセッサ111により実現されてもよい。
RAM112、ROM113および補助記憶装置114は、何れもコンピュータ読み取り可能な有形の記憶媒体の一例である。これらの有形な記憶媒体は、信号搬送波のような一時的な媒体ではない。
<その他>
本実施形態は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。