以下は、会員制の電子レシートシステムの形態を示すものである。会員制の電子レシートシステムでは、消費者が事前に会員登録を行い、会員ID(identification)を取得する。サービスは全て会員IDの読み取りにより行い、電子レシートを発行する場合にもその受取先を示す受取先情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)を会員IDの読み取りに基づいて取得する。非会員は会員登録後でなければ電子レシートの受け取りができないものとしている。この形態に示す会員制の仕組みは、一例として挙げたものに過ぎない。電子レシートの提供サービスを会員のみに制限するものでは無い。全ての消費者に電子レシートの受け取りを行わせるようにして良い。
(第1の実施形態)
店舗で商品取引の内容を紙のレシートで受け取る代わりにその取引の内容を電子化した電子レシート情報を消費者が操作するユーザ端末(以下、消費者端末と呼ぶ)などで閲覧することを可能にした、電子レシートシステムと呼ばれる仕組みがある。
電子レシートシステムでは、消費者は事前に会員登録を行い、会員を一意に識別するための会員IDを取得する。これにより、消費者は、会員IDにより電子レシートシステムが提供するサービスを享受できる。
電子レシートシステムでは、店舗に配置されたPOS(Point of Sales)端末で消費者との商品取引処理を行う。商品取引処理後は、消費者が現金又はカードによる決済処理を行って、一連の取引処理(一取引)を終了する。
また、POS端末は一取引ごとに会員IDを読み取る。POS端末は、会員IDを読み取ると、その一取引の情報を電子化した電子レシート情報を生成する。そして、POS端末は、電子レシート情報を一元管理する電子レシート管理サーバへ、その電子レシート情報を送信する。消費者は、消費者端末を使って電子レシート管理サーバへアクセスすることにより、電子レシート管理サーバに送信された電子レシート情報を閲覧することができる。
以下では、上記電子レシートシステムにおいて、実施形態に係る情報処理装置をPOS端末に適用した例を示す。
図1は、電子レシートシステムの全体構成図である。
図1に示すように電子レシートシステム1は、電子レシート管理サーバ10と、POS端末11と、消費者端末12とを含むネットワークシステムで構成される。
本例では、POS端末11は、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの通信ネットワークN1で電子レシート管理サーバ10に接続する。
また、消費者端末12は、インターネット網を含む通信ネットワークN2を介して電子レシート管理サーバ10に接続する。
同図に示す実線矢印は主な命令や情報の流れる向きを示している。
POS端末11は、各店舗P2に設けられた一つ又は複数のPOS機能及びレジ機能を備えた情報処理装置である。
POS端末11では、消費者が購入を希望する各商品を、キャッシャが各商品に付された商品タグを固定スキャナやハンドスキャナなどで読み取る或いは入力キーとして設けられた商品キーや数字キーを押下するなどして、取引対象商品としてデータ入力する。そのようにして商品取引処理を行った後、消費者が現金又はカードによる決済処理を行って、一連の取引処理(一取引)を終了する。
POS端末11は、一取引を終えると、ID(identification)を読み取り(「読取(S1)」)、その取引情報を紙レシートへ出力する(「紙レシート出力(S2)」)。或いは、電子化して電子レシートを生成し、その電子レシートを、電子レシート管理サーバ10へ送信する(「電子レシート情報送信(S3)」)。
図2は、POS端末11における電子レシート情報の生成処理に係る主な手段を示す図である。
図2に示すように、POS端末11は、電子レシート情報の生成処理に係る手段として、読取手段150、商品取引情報生成手段(取引情報取得手段)151、第一の判定手段152、第二の判定手段153、レシート出力手段154、及び電子レシート情報生成手段155を備えている。同図に示す実線矢印は主な命令や情報の流れる向きを示している。
読取手段150は、消費者端末12に記憶されるなどした会員ID(同図に示す情報X)を読み取る手段である。例えば、会員IDが消費者端末12の表示画面においてバーコード情報として表示されるものである場合、消費者端末12の表示画面にバーコードスキャナをあて、バーコードスキャナで読み取った情報を所定の手順で複合化するなどして、会員IDを読み取る。
ここで、会員IDは、会員を一意に識別するためのユニークコードで構成されるものである。また、会員IDには追加情報Yを対応付けることができる。追加情報Yは、当該会員の取り引きを示す情報を紙レシートとして出さないことを指示するための指示情報(非出力情報)である。この追加情報Yは、会員登録時或いは会員登録後の任意の時点において、会員IDに組み込んだり、会員IDとは別に設けて会員IDと紐付けしたりすることにより、会員IDに対応付けることができる。
商品取引情報生成手段151は、会員の一取引分の取引情報を生成する手段である。例えば、会員の一取引において、各商品の商品名称や単価などの商品情報等を商品タグのバーコード読み取りや各種入力キーの入力操作などによって取得する。また、全商品の精算時の金銭取引情報(一取引分の取引額を含む情報)等を商品単価や消費税計算等の計算式に基づいて算出する。そして、商品情報や金銭取引情報を含む取引情報を生成する。
第一の判定手段152は、電子レシートの出力を行うかを判定する手段である。また、紙レシートの出力を行うかを判定する手段である。ここでは、一例として、第一の判定手段152は、読取手段150が読み取った会員IDが電子レシートの会員IDであるか否かを判定する。これにより、電子レシートの会員IDである場合に電子レシートの出力を行うものと判定する。更に、読取手段150が読み取った会員IDに、非出力情報(追加情報Y)が対応付けられているか否かを判定する。これにより、非出力情報が対応付けられている場合に電子レシートの出力を行う且つ紙レシートの出力を行わないものとして判定する。
第二の判定手段153は、会員の一取引分の取引情報を紙レシートへ出力した場合に、当該紙レシートが印紙税納付の対象となるか否かを判定する手段である。一取引分の取引情報に含まれる取引額から消費税を抜いた金額である税抜取引額(取引合計金額)が所定額(日本国では50,000円以上)になると、その紙レシートに印紙税が課せられることになる。このため、第二の判定手段153は、上記取引額を示す情報と上記所定額を示す情報(所定額情報Z)とを比較し、取引額に含まれる上記取引合計金額が所定額以上であるかを判定する。上記取引合計金額が所定額以上であると判定されると、すなわち、その判定は当該紙レシートが印紙税納付の対象であるという意味となる。
レシート出力手段154は、取引情報を紙レシートへ出力する手段である。電子レシートの出力を行わない場合は必ず取引情報を紙レシートへ出力する。第二の判定手段により取引合計金額が所定額より高いと判定された場合は、上記取引情報を印紙税納付情報(印紙税の納付に関する情報を示すもの)と共に紙レシートへ出力する。ただし、第一の判定手段152により非出力情報が対応づけられていると判定された場合は、紙レシートへの取引情報及び印紙税納付情報の出力は行わない。この場合、電子レシートとして出力される。
ここで、「印紙税の納付に関する情報」は、「収入印紙の貼付エリアを示す情報」又は「文字などによる一括納付を示す情報」などのことである。以下では、「収入印紙の貼付エリアを示す情報」や、「文字などによる一括納付を示す情報」を、特に区別しない場合“印紙税納付情報”と称することにする。
電子レシート情報生成手段155は、会員の取引情報を電子化して「印紙税納付情報」を含む電子レシート情報、若しくは、「印紙税納付情報」を含まない電子レシート情報を生成する手段である。
電子レシート情報生成手段155は、会員の一取引分の取引情報が紙レシートへ出力される場合において、更に、第二の判定手段153がその取引情報を印紙税納付の対象として判定した場合に、「印紙税納付情報」を含む電子レシート情報を生成する。
また、電子レシート情報生成手段155は、会員の一取引分の取引情報が紙レシートへ出力される場合において、更に、第二の判定手段153がその取引情報を印紙税納付の対象外のものとして判定した場合に、「印紙税納付情報」を含まない電子レシート情報を生成する。
また、電子レシート情報生成手段155は、第一の判定手段152が会員IDを「非出力情報」が対応づけられているものとして判定し、且つ第二の判定手段153が取引情報を印紙税納付の対象として判定した場合に、「印紙税納付情報」を含まない電子レシート情報を生成する。
ここで、図1に戻り、POS端末11を含め、システム全体の構成の続きを説明する。
図1においてPOS端末11は、消費者が非会員のときには毎回、会員のときには設定に応じて、取引情報を紙レシートに出力する。何れの場合においても、取引額が所定額未満であれば紙レシートには「印紙税納付情報」が含まれない。また、取引額が所定額以上であれば紙レシートに「印紙税納付情報」が含まれることになる。このとき、「印紙税納付情報」として「収入印紙の貼付エリア」が選択された場合には、紙レシート上の「収入印紙の貼付エリア」に店側が収入印紙を貼付し、消印を押すなどして印紙税を納める。消費者はその紙レシートを受け取り、領収証明として保管する。
電子レシート管理サーバ10は、第三者機関の電子レシートセンタP1に設けられている。電子レシート管理サーバ10は、POS端末11で生成された電子レシート情報をデータベースDB1で一元管理するサーバ装置である。電子レシート管理サーバ10は、POS端末11において生成された電子レシート情報を通信ネットワークN1を介して受信し、その電子レシート情報をデータベースDB1に格納して一元管理する。電子レシート管理サーバ10は、消費者端末12から電子レシート情報の閲覧要求(「閲覧要求(S4)」)を受けると、電子レシート情報を要求元の消費者端末12の表示形式にフォーマット変換する。消費者端末12は、その電子レシート情報を自機の表示画面に表示させる(「電子レシート情報取得(S5)」)。
消費者端末12は、自宅や移動先などにおいて消費者が利用する情報処理装置である。
一例として、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末などの無線通信機能を備えた移動式の情報処理装置が挙げられる。また、パーソナルコンピュータのようにルータに接続してネットワークに接続する固定式の情報処理装置が挙げられる。以下では、消費者端末12を移動式の情報処理装置として説明する。
消費者端末12は、会員登録を行うことにより、記憶部の所定エリアに会員IDを記憶して保持する。消費者端末12は、上記会員IDを画面に表示させるなどしてPOS端末11に読み取らせる(「読取(S1)」)。
また、消費者端末12は、通信手段を使い、通信ネットワークN2を介して電子レシート管理サーバ10にアクセスする。このアクセスにより、消費者端末12は電子レシート管理サーバ10に対して各種の要求を行う。例えば、電子レシート情報の要求(「閲覧要求(S4)」)などである。
また、消費者端末12は、電子レシート情報を表示するためのビューアを備えている。
電子レシート管理サーバ10に対して電子レシート情報を要求すると(「閲覧要求(S4)」)、電子レシート管理サーバ10が電子レシート情報を抽出し、所定の表示形式に変換し、表示用データとして生成する。消費者端末12は、その表示用データとして生成された電子レシート情報をビューアで自機の表示画面に表示する(「電子レシート情報取得(S5)」)。
次に、主な装置の構成や動作について詳しく説明する。
図3は、POS端末11の構成図である。
POS端末11は、主に、制御部110A、記憶部111A、通信I/F112A、バーコード読取部113A、客用バーコード読取部114A、入力部115A、表示部116A、印字部117A、及びリーダライタ部118Aを備えている。各部はバス119Aにより相互接続されている。
制御部110Aは、各種演算やPOS端末11の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部110Aは、CPU(中央演算処理装置)、各種のプログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)、現在の日時を計時するRTC(Real-Time Clock)部等によって構成される。
入力部115Aは、キャッシャによる例えば入力キーを押下するなどの物理的行為を、電気信号に変換し、CPUに電気信号として入力する装置である。例えば、キャッシャが入力キーを押下すると、その入力キーに割り当てられた操作内容をコマンドやデータなどの電気信号としてCPUに入力する。入力キーとしては、一商品が対応付けられた商品キーや、商品コードを入力するための数字キーや、コマンドが割り当てられた命令キーなどがある。命令キーには、例えば締めキーなどがある。
バーコード読取部113Aは、赤外線の照射によりバーコードを読み取り、読み取ったバーコードを所定のコード(英数字からなるコード)に複合する装置である。ここでは、読み取りの対象を、商品タグに付されたバーコードとし、読み取りを終えると商品コードに複合する。
客用バーコード読取部114Aは、上記読取手段の一つである。客用バーコード読取部114Aは、赤外線の照射によりバーコードを読み取り、読み取ったバーコードを所定のコード(英数字からなるコード)に複合する装置である。ここでは、消費者端末12の表示画面に表示された会員IDを示すバーコード情報を読み取り、元の数字からなる会員IDのコードに複合する。
表示部116Aは、液晶ディスプレイなどの表示画面を備え、表示用データを表示画面に表示する表示装置である。表示画面には、キャッシャが入力キーを用いて入力した或いはバーコード読取部113Aで読み取った商品の価格などの商品情報を逐次表示する。また、合計金額や釣銭などの金銭取引情報を表示する。
リーダライタ部118Aは、電子マネー決済やICカード決済を行うカードからカード情報の読み取り/書込みを行う装置である。
印字部117Aは、印字装置を制御するためのコントローラである。印字部117Aは、一取引分の印字データをCPUから受信すると印字用メモリに記憶する。印字装置は印字部117Aからの制御信号により駆動し、セットされているロール状の用紙を順次引き出しながら、用紙にインクの吹き付けや熱転写などの所定の印字手法により印字用メモリの印字データを印字する。印字後は印字用メモリを解放する。印字用メモリは取消信号によっても消去できる。また、印字部117Aは、印刷装置の状態を示すステータス情報を保持し、CPUに通知する。
記憶部111Aは、内蔵メモリや着脱式の外部記憶装置(例えばFlashメモリやHDD(Hard Disk Drive)など)である。
記憶部111Aには、店舗コード、レジNoなどの設置位置に関する情報の記憶領域110a、商品取引時の商品照会などに使用する商品マスタデータなどの商品情報の記憶領域111a、印字データの生成処理において使用されるデータ(特に「印紙税納付情報」)の記憶領域112a、印紙税納付に関する設定情報の記憶領域113aなどが設けられている。印紙税納付に関する設定情報には、例えば、印紙税の対象となるか否かを判定するための基準額(日本国では50,000円)が設定されている。また、「印紙税の納付方法」として「一括納付」又は「一取引ごとの納付」の内の一方が設定されている。各記憶領域110a〜113aには、店舗設置時などにおいて所定の情報が適宜設定されるものとする。
記憶部111Aには、更に、商品取引処理プログラム114aや、決済処理プログラム115aや、印字処理プログラム116aや、レシート生成処理プログラム117aや、送受信用プログラム118aなどが記憶されている。
商品取引処理プログラム114aは、商品取引処理を行うためのプログラムである。
決済処理プログラム115aは、決済処理を行うためのプログラムである。
印字処理プログラム116aは、印字データの生成処理や、用紙への印字処理などを行うためのプログラムである。
レシート生成処理プログラム117aは、電子レシート情報の生成処理などを行うためのプログラムである。
送受信用プログラム118aは電子レシート管理サーバ10との間で所定のプロトコル(HTTP等)でデータ通信を行うためのプログラムを含む。また、決済センタと通信を行うためのプログラムを含む。
通信I/F112Aは、ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。本実施形態では、通信ネットワークN1に接続して電子レシート管理サーバ10に電子レシート情報を送信する。電子レシート管理サーバにおいて電子レシート情報が受け付けられなかった場合はリトライを行う。また、不図示の決済センタと通信を行い、決済処理を完了する。
図4は、電子レシート管理サーバ10の構成図である。
電子レシート管理サーバ10は、主に、制御部100A、記憶部101A、及び通信I/F102Aを備えている。各部はバス103Aにより相互接続されている。
制御部100Aは、電子レシート管理サーバ10の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部100Aは、CPU、各種のプログラムやデータを記憶するROM、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成される。
記憶部101Aは、例えばHDDやSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。
記憶部101Aは、主に、データベースDB1のデータ記憶領域100aや、それを管理する管理プログラム101aや、送受信プログラム102aなどを備えている。
データ記憶領域100aには、電子レシート情報と管理データ(例えば会員ID(identification)や、レシートNoや、取引日や、店舗コードや、レジNoなど)とが互いに対応付けて記憶される。
管理プログラム101aは、各種データを管理する。具体的に、管理プログラム101aは、POS端末11や消費者端末12などの外部装置からの要求に基づいて、データベースDB1を検索し、データの抽出・登録・更新・削除などの処理を行う。例えば、POS端末11から電子レシート情報を受信すると、電子レシート情報をデータベースDB1に登録する。また、消費者端末12から所定の電子レシート情報の送信要求を受信すると、データベースDB1を検索して当該電子レシート情報を抽出する。
送受信プログラム102aは、POS端末11や消費者端末12との間で所定のプロトコル(HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等)でデータ通信を行うためのプログラムである。送受信プログラム102aは、POS端末11から電子レシート情報の登録要求を受け取ると、電子レシート情報の破損等をチェックするなどの受け付け処理を行う。そして、電子レシート情報の受け付け結果をPOS端末11に応答する。また、送受信プログラム102aは、消費者端末12から電子レシート情報の送信要求を受け取ると、管理プログラム101aにより電子レシート情報を抽出し、抽出結果を要求元の消費者端末12に応答する。
通信I/F102Aは、通信ネットワークN1、N2に接続し、POS端末11や消費者端末12と通信するための通信インタフェースである。
図5は、消費者端末12の構成図である。
消費者端末12は、主に、制御部120A、記憶部121A、通信I/F122A、操作部123A、及び表示部124Aを備えている。各部はバス125Aにより相互接続されている。
制御部120Aは、各種演算や消費者端末12の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部120Aは、CPU、各種のプログラムやデータを記憶するROM、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成される。
操作部123Aは、本例では、タッチ入力式の表示画面上でタップや、フリックや、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)などの操作を所定の入力信号に変換して制御部120Aに入力する入力装置である。
表示部124Aは、制御部120Aで生成した表示用データ(例えば会員IDのバーコード画像を含む表示用データなど)又は電子レシート管理サーバ10から取得した表示用データ(例えば電子レシート情報を含む表示用データなど)を表示画面に表示させる表示装置である。表示画面としては、液晶画面などを備える。
通信I/F122Aは、通信ネットワークN2に接続し、携帯電話網などを通じてインターネットにアクセスするための通信インタフェースである。例えば、消費者端末12がスマートフォンの場合、無線基地局を介して携帯電話網に接続する。更に、携帯電話網内の制御装置によりパケット通信網が経路選択され、そこを通じてインターネットに接続する。消費者端末12は、こうした経路を通じて最終的にWeb上の電子レシート管理サーバ10にアクセスする。
記憶部121Aは、内蔵メモリや着脱式の外部記憶装置(例えばFlashメモリ)などである。
記憶部121Aには、会員IDの記憶領域120a、表示用データの記憶領域121a、電子レシート情報用のアプリケーション122a、送受信用プログラム123aなどが記憶されている。
会員IDの記憶領域120aは、会員登録により取得した会員IDや、その会員IDを変換して生成したバーコード画像が記憶される。
表示用データの記憶領域121aは、表示画面に表示させる表示用データを記憶する領域である。ここには、自機で生成した表示用データ(例えば会員IDのバーコード画像を含む表示用データなど)や電子レシート管理サーバ10から取得した表示用データ(例えば電子レシート情報を含む表示用データなど)を記憶する。
電子レシート情報用のアプリケーション122aには、所望の電子レシート情報を選択指定する選択プログラムや、電子レシート情報のビューアなどが含まれる。
選択プログラムは、ユーザに選択画面を提供し、選択画面において選択された所望の電子レシート情報を電子レシート管理サーバ10に要求するプログラムである。例えば、取引日や取引店舗などの選択情報をユーザに提供し、選択情報の内から選択されたものをキー情報として要求情報と共に電子レシート管理サーバ10へ送信する。
ビューアは、電子レシート管理サーバ10において所定の表示形式に変換された電子レシート情報を表示するためのアプリケーションである。本実施形態では、Webブラウザを用いる。
ビューアは、電子レシート管理サーバ10から取得したHTML(HyperText Markup Language)文書を構文解析するなどして、消費者端末12の表示画面に所定のレイアウトで電子レシート情報を表示する。
送受信用プログラム123aは電子レシート管理サーバ10との間で所定のプロトコル(HTTP等)でデータ通信を行うためのプログラムである。例えば電子レシート管理サーバ10に対して所望の電子レシート情報の送信要求を行い、その応答結果として、電子レシート管理サーバ10が抽出した電子レシート情報を取得する。
ここで、電子レシートシステムで用いられる会員IDの構成について説明する。
図6は、電子レシートシステムで用いられる会員IDの構成図である。
図6に示す会員IDは、電子レシートシステムの会員であることを示す第一識別情報60Xと、会員の個人を識別するための第二識別情報61Xと、更に非出力情報を含むオプション情報60Yとにより構成される。
会員IDは、会員を一意に識別するためのユニークコードである。ここでは一例として16桁の数字情報よりなるものとする。
第一識別情報60Xは、電子レシートサービスの会員であることを示す情報である。ここでは一例として上2桁とし、値を「99」とする。
第二識別情報61Xは、個人の識別情報である。ここでは、上2桁に続く10桁とし、値はユニークの通し番号とする。
オプション情報60Yは、下4桁とする。ここでは、その内の下4桁目を、用紙へ強制的に印字を行うか否かを宣言するための設定領域600Yとして使用する。強制的に印字させない場合はその設定領域にフラグ「0」(非出力情報)を設定する。また、強制的に印字させる場合はその設定領域にフラグ「1」(出力情報)を設定する。なお、以下では便宜的に上記「出力情報」を「強制印字フラグ」と呼ぶものとする。
続いて、POS端末11の処理動作について説明する。
POS端末11には、記憶部111Aに記憶されている所定のプログラムを実行することにより、印字データ処理部(POSアプリケーション)と電子レシート処理部(エージェント)とが形成される。
図7は、各種プログラムの実行時のPOS端末11の機能ブロック図である。
印字データ処理部15−1は、読取手段150A、商品取引情報生成手段(取引情報取得手段)151A、第一の判定手段152A、第二の判定手段153A、及びレシート出力手段154Aとして機能する処理部である。
他方の電子レシート処理部15−2は、電子レシート情報生成手段155Aとして機能する処理部である。
図8及び図9は、それぞれ、印字データ処理部15−1及び電子レシート処理部15−2の処理フロー図である。
以下では、理解を容易にするために、POS端末11における印紙税納付の方法が「一括納付」に指定されているものとして説明する。もう一方の「一取引ごとの納付」に指定されているときの処理フローは、以下に示す「一括納付を示す情報」を「収入印紙を貼付するエリア」に読み替えることで理解されたい。
図8は、印字データ処理部15−1の処理フロー図である。
先ず、印字データ処理部15−1(商品取引情報生成手段151A)は、一連の商品取引処理を行い、取引情報を生成する(S71)。当該商品取引処理では、商品タグに付されたバーコードのスキャンや各種入力キーの入力操作により取引対象商品の商品コードを一点ずつ読み取る。更に、読み取った商品コードに対応する商品名称や単価などの情報を商品マスタテーブルなどから取得する。全ての取引対象の商品の読み取りが終わったら、金額を集計し、消費税の計算処理等を行って合計額(取引額)を表示部116Aに表示する。そして、受取額や釣銭などの金銭処理を行う。
この一連の商品取引処理において所定の順序で取得及び生成された、「取引日」、「レシートNo」、「店舗No」、「レジNo」、「取引商品の名称」、「単価」、一取引分の「取引額(合計額)」などを取引情報としてメモリ(制御部110Aのワークメモリなど)で記憶する。
次に、印字データ処理部15−1(読取手段150A)は、会員IDを読み取って上記メモリに記憶する(S72)。この処理では、客用バーコード読取部114Aを制御して会員IDのバーコード画像を読み取り、客用バーコード読取部114Aでバーコード画像を所定の複合化手順で会員IDに複合化する。そして、その複合化した情報を上記メモリに記憶する。
次に、印字データ処理部15−1(第一の判定手段152A)は、会員IDの上2桁を対象に第一識別情報が設定されているか否かを判定する(S73)。本例の場合、上2桁が「99」の値をとるときに第一識別情報が設定されているものとして判定する。他のIDの場合は「99」以外の値をとるため、ここで非会員として判定される。ステップS72において会員IDを読み取らなかった場合は、上記メモリに「99」以外の仮のコードがセットされ、ステップS74で非会員として判定される。
ステップS73において第一識別情報が設定されていないと判定された場合(No判定)、印字データ処理部15−1(第二の判定手段153A)は、ステップS71で生成した取引情報に含まれる一取引分の取引額と、設定情報に設定されている設定額(印紙税の対象となるか否かを判定するための基準額)とを比較し、取引額から消費税を抜いた金額である税抜取引額(取引合計金額)が設定額以上であるか否かを判定する(S74)。
ステップS74の判定で、取引額が設定額以上であると判定されると(Yes判定)、印字データ処理部15−1は、第一印字パターンとして“「会員ID」を含まない”且つ“「一括納付を示す情報」を含む”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S75)。印字データは、例えば、上記メモリに記憶された取引情報のCUTコマンドよりも前の位置(直前など)に所定の「一括納付を示す情報」を挿入することにより生成する。
一方、ステップS74の判定で、取引額が設定額未満であると判定されると(No判定)、印字データ処理部15−1は、第二印字パターンとして“「会員ID」を含まない”且つ“「一括納付を示す情報」を含まない”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S76)。この場合、印字データは、上記メモリに記憶された取引情報であっても良い。
ステップS73において第一識別情報が設定されていると判定された場合(Yes判定)、印字データ処理部15−1(第一の判定手段152A)は、続いて会員IDの下4桁目に強制印字フラグが設定されているか否かを判定する(S77)。
ステップS77において強制印字フラグが設定されていると判定された場合(Yes判定)、印字データ処理部15−1(第二の判定手段153A)は、一取引分の取引額と設定額とを比較し、取引額に含まれる取引合計金額が設定額以上であるか否かを判定する(S78)。
ステップS78の判定で、取引合計金額が設定額以上であると判定されると(Yes判定)、印字データ処理部15−1は、第三パターンとして“「会員ID」及び強制印字マーク「*A」を含み”且つ“「一括納付を示す情報」を含む”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S79)。印字データは、例えば、上記メモリに記憶された取引情報の所定位置(ヘッダ部分など)に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」+「*A」の組み合わせデータを挿入し、更に、CUTコマンドよりも前の位置(直前など)に所定の「一括納付を示す情報」を挿入することにより生成する。なお「SRID」は、会員であることを示す文字列である。
一方、ステップS78の判定で、取引額が設定額未満であると判定されると(No判定)、印字データ処理部15−1は、第四の印字パターンとして“「会員ID」及び「*A」を含み”且つ“「一括納付を示す情報」を含まない”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S80)。印字データは、例えば、上記メモリに記憶された取引情報の所定位置(ヘッダ部分など)に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」+「*A」の組み合わせデータを挿入することにより生成する。
ステップS77において強制印字フラグが設定されていないと判定された場合(No判定)、印字データ処理部15−1は、第五の印字パターンとして“「会員ID」を含み”且つ“「一括納付を示す情報」を含まない”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S81)。印字データは、例えば、上記メモリに記憶された取引情報の所定位置(ヘッダ部分など)に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」の組み合わせデータを挿入することにより生成する。
なお、上記メモリに記憶される各種パターンの印字データは、後に図9のフローで利用されるものとなる。このため、図9の説明で参照しやすいように該当するステップを図8に矩形破線で囲んで示した。
ステップS75、S76、S79、S80、S81の処理後は、次に説明する図9の電子レシート処理部15−2の処理結果に基づいて処理を実行する。先ず図9の処理を説明し、それに続いて、図8の続きの処理を説明する。
図9は、電子レシート処理部15−2の処理フロー図である。
先ず、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、図8の処理により生成された印字データを上記メモリから読み出す(S91)。
同図に示す矩形破線は、図8中の矩形破線で示すものを対象としていることを表している。
次に、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、印字データに第一識別情報が含まれているか否かを判定する(S92)。この判定処理は、データの先頭から所定位置にあるデータが「99」の値と一致するか否かを判定することにより行う。
ステップS92の判定で、第一識別情報が含まれないと判定されると(No判定)、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、用紙への出力を指示する情報(出力指示情報)を印字データ処理部15−1(図8参照)に通知して(S93)、本処理を終了する。この場合、電子レシート情報の生成は行わない。
ステップS92の判定で、第一識別情報が含まれると判定されると(Yes判定)、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、更に、「*A」が含まれるか否かを判定する(S94)。この判定処理でも、ステップS92の判定処理と同じような方法で、データの先頭から所定位置にあるデータ例えば第二識別情報に続くデータが「*A」の値と一致するか否かを判定することにより行う。
ステップS94の判定で、「*A」を含むと判定されると(Yes判定)、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、印字データから電子レシート情報を生成して送信用メモリに格納する(S95)。電子レシート情報は、例えば印字データから装飾情報などを除去して生成したJSONデータとして生成される。
そして、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、印字データ処理部(図8)に出力指示情報を通知して(S96)、本処理を終了する。
ステップS94の判定で、「*A」を含まないと判定されると(No判定)、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、印字データから電子レシート情報を生成して送信用メモリに格納する(S97)。
そして、電子レシート処理部15−2(電子レシート情報生成手段155A)は、用紙へ出力しないことを指示する情報(非出力指示情報)を印字データ処理部15−1に通知して(S98)、本処理を終了する。
図8の印字データ処理部15−1のフロー図において、ステップS75、S76、S79、S80、S81の処理後、印字データ処理部15−1(レシート出力手段154A)は、電子レシート処理部15−2からの通知情報を基に、次の処理を行う。
先ず、通知情報が「出力指示情報」であるか否かを判定する(S82)。この判定で「出力指示情報」と判定されると(Yes判定)、印字データを印字部117Aへ出力し、印字部117Aにおいて用紙に対する出力処理つまり印字処理を行わせる(S83)。
次に、印字部117Aから印字処理の終了信号を受信したか否かを判定する(S84)。この判定処理では、一定時間終了信号を受信しない或いはエラー等の信号を受信すると、No判定となり、ステップS83の処理に戻り、印字処理をリトライする。
ステップS84において、終了信号を受信したことを示すYes判定となると、上記メモリを解放するなどして(S85)、本処理を終了する。
ステップS82の判定で「非出力指示情報」と判定された場合は(No判定)、ステップS85に移行し、印字部117Aへの印字データの出力を行わずに上記メモリを解放するなどして、本処理を終了する。この場合、用紙への印字処理は行わない。
なお、図8に示す印字データ処理部15−1のステップS75、S76、S79、S80、S81の処理において、印字データを制御部のメモリ(ワークメモリなど)に記憶するものとしたが、この限りではない。このときの印字データは後に編集されることが無いので、印刷装置の印刷用メモリに出力しても良い。この場合、ステップS75、S76、S79、S80、S81の処理後の各ステップは、次のようになる。
先ず、通知情報が「出力指示情報」であるか否かを判定する(S82)。この判定で「出力指示情報」と判定されると(Yes判定)、印字部117Aに印字命令を出力する(S83)。これにより、印字部117Aは、印刷装置に制御信号を出力し、印刷用メモリ内の印字データを用紙に印字させる。
次に、印字部117Aから印字処理の終了信号を受信したか否かを判定する(S84)。この判定処理では、一定時間終了信号を受信しない或いは正常終了ではないエラー等の信号を受信すると、No判定となり、ステップS83の処理に戻り、印字処理をリトライする。
ステップS84において、終了信号を受信したことを示すYes判定となると、メモリを解放するなどして(S85)、本処理を終了する。
ステップS82の判定で「非出力指示情報」と判定された場合は(No判定)、ステップS85に移行し、印字部117Aへ印字データの取消を出力し、メモリを解放するなどして、本処理を終了する。これにより、印字部117Aは、印刷用メモリの印字データを消去する。この場合、用紙への印字処理は行わない。
図10は、紙レシート上の印字イメージと、これに対応する電子レシート情報の消費者端末における表示イメージとの比較説明図である。
ここでは特に、取引額に含まれる取引合計金額が設定額以上となるときのイメージを比較する。
図10には、それぞれのイメージを、比較し易いように左右に並べて示している。同図の左に示すものが電子レシート情報の表示イメージであり、右に示すものが紙レシート上の印字イメージである。
図10(a)は、会員IDに非出力情報が設定されているときの比較図である。図10(a)に示すように、この場合、電子レシート情報DR1のみが生成される。図10(a)に示す矩形破線R1は、紙レシートとしては生成されないことを表している。
電子レシート情報DR1は、「取引日」900、「レシートNo」901、「店舗No」902、「レジNo」903、「SRIDの文字列」904、会員ID(「第一識別情報」+「第二識別情報」)905、「取引商品の名称」906、「単価」907、及び、一取引分の「取引額(合計額)」908等の精算情報909を含み、紙レシート上の印字イメージと同様のイメージで表示されるものである。
図10(b)は、会員IDに出力情報が設定されているときの比較図である。図10(b)に示すように、この場合、電子レシート情報DR2と紙レシートR2が生成される。
電子レシート情報DR2には、電子レシート情報DR1と比較すると、「会員ID」905に「*A」905bが追加されている。また、フッタ部において「一括納付を示す情報」910が追加されている。
紙レシートR2は、印紙税納付の対象となっている。このため、電子レシート情報DR2と同様にフッタ部に「一括納付を示す情報」910が印字されている。その他の印字内容も、電子レシート情報DR2の表示内容と略同一である。また、全体のレイアウトも電子レシート情報DR2と略同一となる。電子レシート情報DR2と共通する項目には同一の番号を付したので、その共通部の説明は省略する。
図10(c)は、非会員の場合の比較図である。この場合、紙レシートR3のみが生成される。図10(c)に示す矩形破線DR3は、電子レシート情報としては生成されないことを表している。
紙レシートR3は、紙レシートR2と比較すると、会員IDにおいて「*A」の情報が無いだけで、その他は紙レシートR2と同じである。紙レシートR2と共通する項目には同一の番号を付したので、その共通部の説明は省略する。
第1の実施形態では、紙レシートに出力されたものだけを印紙税の納付の対象とした。従って、印紙税の納付対象となる取り引きの場合、店側はその紙レシートに収入印紙を貼り、消印を押すなどして、一取引ごとに印紙税を納める。
また、或いは、店側は、出力された紙レシートの店側控え(例えば紙レシートのコピーなど)を保管し、一定期間(例えば1か月など)が経過した後にそれぞれの納税額を集計し、一括して納税する。この他にも、印紙税を一括納付する場合、POS端末で一定期間の納税額を集計し、集計により得られた額を一定期間後に納付するようにしても良い。
本実施形態において、印字データ処理部15−1は、印紙税納付情報の要/不要の判定処理を行い、その判定結果を反映した印字データをメモリにセットする。そして、その印字データを、印字部117Aへ出力して、用紙への印字を実行する。電子レシート処理部15−2は、メモリにセットされた印字データを取得することにより、電子化を行い、電子レシート情報を生成する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、印字データ処理部15−1(図7参照)が印紙税納付の有無の判定処理を行う情報処理装置の構成を示した。第2の実施形態では、他方の電子レシート処理部(図7参照)が印紙税納付の有無の判定処理を行う場合の情報処理装置の構成を示す。
第2の実施形態は、係る情報処理装置としてのPOS端末の構成、特に印字データ処理部と電子レシート生成処理部の構成に第1の実施形態との主な違いがある。
従って、以下では、電子レシートシステムの全体構成や、電子レシート管理サーバ10の構成や、消費者端末12の構成などは、説明を省略する。
また、POS端末の構成においても、第1の実施形態と共通する箇所には、図面に同一の番号を付すなどし、重複する説明は適宜省略する。
図11は、第2の実施形態の情報処理装置としてのPOS端末11Bの構成図である。
図11に示すPOS端末11Bは、第1の実施形態に示すPOS端末11(図3参照)において、印字処理プログラム116a、レシート生成処理プログラム117aを、それぞれ、第2の印字処理プログラム116b、第2のレシート生成処理プログラム117bに置き換えたものである。
図12は、POS端末11Bの機能ブロック図である。
POS端末11Bには、記憶部111Bに記憶されている第2の印字処理プログラム116b、第2のレシート生成処理プログラム117bを含む各種のプログラムの実行により、印字データ処理部15−1Bと電子レシート処理部15−2Bとが形成される。
印字データ処理部15−1Bは、読取手段150B、商品取引情報生成手段151B、及びレシート出力手段154Bとして機能する処理部である。
他方の電子レシート処理部15−2Bは、第一の判定手段152B、第二の判定手段153B、及び電子レシート情報生成手段155Bとして機能する処理部である。
図13及び図14は、それぞれ、図12に示す印字データ処理部15−1B及び電子レシート処理部15−2Bの処理フロー図である。
以下では、理解を容易にするために、第1の実施形態と同様、POS端末11における印紙税納付の方法が「一括納付」に指定されているものとして説明する。この指定は、記憶部111Bの設定情報記憶領域113aに記憶されている、印紙税納付に関する設定情報になされているものとする。もう一方の「一取引ごとの納付」に指定されているときの処理フローは、以下に示す「一括納付を示す情報」を「収入印紙を貼付するエリア」に読み替えることで理解されたい。
図13は、印字データ処理部15−1Bの処理フロー図である。
先ず、印字データ処理部15−1B(商品取引情報生成手段151B)は、一連の商品取引処理を行い、取引情報を生成する(S131)。当該商品取引処理では、商品タグに付されたバーコードのスキャンや各種入力キーの入力操作により取引対象商品の商品コードを一点ずつ読み取る。更に、読み取った商品コードに対応する商品名称や単価などの情報を商品マスタテーブルなどから取得する。全ての取引対象の商品の読み取りが終わったら、金額を集計し、消費税の計算処理等を行って合計額(取引額)を表示部に表示する。そして、受取額や釣銭などの金銭処理を行う。
この一連の商品取引処理において所定の順序で取得及び生成された、「取引日」、「レシートNo」、「店舗No」、「レジNo」、「取引商品の名称」、「単価」、一取引分の「取引額(合計額)」などを取引情報として上記メモリ(制御部110Aのワークメモリなど)で記憶する。
次に、印字データ処理部15−1B(読取手段150B)は、会員IDを読み取って上記メモリに記憶する(S132)。この処理では、客用バーコード読取部114Aを制御して会員IDのバーコード画像を読み取り、客用バーコード読取部114Aでバーコード画像を所定の複合化手順で会員IDに複合化させる。そして、その複合化した情報を上記メモリに記憶する。
次に、印字データ処理部15−1Bは、会員IDの上2桁を対象に第一識別情報が設定されているか否かを判定する(S133)。本例の場合、上2桁が「99」の値をとるときに第一識別情報が設定されているものとして判定する。
ステップS133において第一識別情報が設定されていないと判定された場合(No判定)、印字データ処理部15−1Bは、第1の実施形態に示す第二印字パターンの“「会員ID」を含まない”且つ“「一括納付を示す情報」を含まない”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S134)。この場合、印字データは、上記メモリに記憶された未加工の取引情報であっても良い。
ステップS133において第一識別情報が設定されていると判定された場合(Yes判定)、印字データ処理部15−1Bは、続いて会員IDの下4桁目に強制印字フラグが設定されているか否かを判定する(S135)。
ステップS135において強制印字フラグが設定されていると判定された場合(Yes判定)、印字データ処理部15−1Bは、第1の実施形態に示す第四の印字パターンの“「会員ID」及び「*A」を含み”且つ“「一括納付を示す情報」を含まない”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S136)。印字データは、例えば、上記メモリに記憶された取引情報の所定位置(ヘッダ部分など)に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」+「*A」の組み合わせデータを挿入することにより生成する。
ステップS135において強制印字フラグが設定されていないと判定された場合(No判定)、印字データ処理部15−1Bは、第1の実施形態に示す第五の印字パターンの“「会員ID」を含み”且つ“「一括納付を示す情報」を含まない”の印字データを生成し上記メモリに記憶する(S137)。印字データは、例えば、上記メモリに記憶された取引情報の所定位置(ヘッダ部分など)に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」の組み合わせデータを挿入することにより生成する。
なお、図13の矩形破線は、第1の実施形態と同様に、後の図14のフローで利用されるものとして、示している。
ステップS134、S136、S137の処理後は、次に説明する図14の電子レシート処理部15−2Bの処理結果に基づいて処理を実行する。先ず図14の処理を説明し、それに続いて、図13の続きの処理を説明する。
図14は、電子レシート処理部15−2Bの処理フロー図である。
先ず、電子レシート処理部15−2Bは、図13の処理により生成された印字データを上記メモリから読み出す(S141)。
同図に示す矩形破線は、図13中の矩形破線で示すものを対象としていることを表している。
次に、電子レシート処理部15−2B(第一の判定手段152B)は、印字データに第一識別情報が含まれているか否かを判定する(S142)。この判定処理は、データの先頭から所定位置にあるデータが「99」の値と一致するか否かを判定することにより行う。
ステップS142の判定で、第一識別情報が含まれないと判定されると(No判定)、電子レシート処理部15−2B(第二の判定手段153B)は、印字データに含まれる一取引分の取引額と、設定情報に設定されている設定額(印紙税の対象となるか否かを判定するための基準額)とを比較し、取引額に含まれる取引合計金額が設定額以上であるか否かを判定する(S143)。この判定処理は、データの先頭から所定位置にある「消費税抜きの取引額(つまり取引合計金額)」の値を抽出して、設定額と比較することにより行う。
ステップS143の判定で、取引合計金額が設定額以上であると判定されると(Yes判定)、電子レシート処理部15−2Bは、印字データに「一括納付を示す情報」を追加することにより、一括納付情報付の印字データを生成する(S144)。
そして、電子レシート処理部15−2Bは、印字データ処理部に対して、一括納付情報付の印字データを渡し、用紙への出力を指示する情報(出力指示情報)を通知し(S145)、本処理を終了する。この場合、電子レシート情報の生成は行わない。
ステップS143の判定で、取引額が設定額未満であると判定されると(No判定)、電子レシート処理部15−2Bは、出力指示情報を印字データ処理部に通知し(S146)、本処理を終了する。この場合も、電子レシート情報の生成は行わない。
ステップS142の判定で、第一識別情報が含まれると判定されると(Yes判定)、電子レシート処理部15−2B(第一の判定手段152B)は、更に、「*A」が含まれるか否かを判定する(S147)。この判定処理でも、ステップS142の判定処理と同様にして、データの先頭から所定位置にあるデータ例えば第二識別情報に続くデータが「*A」の値と一致するか否かを判定することにより行う。
ステップS147の判定で、「*A」を含むと判定されると(Yes判定)、電子レシート処理部15−2B(第二の判定手段153B)は、取引合計金額と設定額とを比較し、取引合計金額が設定額以上であるか否かを判定する(S148)。
ステップS148の判定で、取引合計金額が設定額以上であると判定されると(Yes判定)、電子レシート処理部15−2Bは、印字データに「一括納付を示す情報」を追加することにより、一括納付情報付の印字データを生成する(S149)。
続いて、電子レシート処理部15−2B(電子レシート情報生成手段155B)は、一括納付情報付の印字データから電子レシート情報を生成し、生成した電子レシート情報を送信用メモリに格納する(S150)。
そして、電子レシート処理部15−2Bは、印字データ処理部に対して、一括納付情報付の印字データを渡し、出力指示情報を通知し(S151)、本処理を終了する。
ステップS148の判定で、取引合計金額が設定額未満であると判定された場合は(No判定)、電子レシート処理部15−2B(電子レシート情報生成手段155B)は、印字データ(つまり一括納付情報を含まない印字データ)から電子レシート情報を生成し、生成した電子レシート情報を送信用メモリに格納する(S152)。
そして、電子レシート処理部15−2Bは、印字データ処理部に対して、出力指示情報を通知し(S153)、本処理を終了する。
ステップS147の判定で、「*A」を含まないと判定されると(No判定)、電子レシート処理部15−2B(電子レシート情報生成手段155B)は、印字データから電子レシート情報を生成し、生成した電子レシート情報を送信用メモリに格納する(S154)。
そして、電子レシート処理部15−2Bは、印字データ処理部に対して、非出力指示情報を通知し(S155)、本処理を終了する。
図13の印字データ処理の処理フロー図において、ステップS134、S136、S137の処理後は、電子レシート処理部からの通知情報を基に、次に示す処理を行う。
印字データ処理部15−1Bは、先ず、通知情報が「出力指示情報」であるか否かを判定する(S156)。この判定で「出力指示情報」と判定されると(Yes判定)、続いて、印字データ処理部15−1Bは、通知情報に一括納付情報付の印字データが含まれているか否かを判定する(S157)。この判定で一括納付情報付の印字データが含まれていると判定されると、印字データ処理部15−1B(レシート出力手段154B)は、印字データを一括納付情報付の印字データで書き換える(S158)。そして、印字データ処理部15−1B(レシート出力手段154B)は、書き換え後の印字データを印字部へ出力し、印字部において用紙に対する出力処理つまり印字処理を行わせる(S159)。
次に、印字データ処理部15−1B(レシート出力手段154B)は、印字部から印字処理の終了信号を受信したか否かを判定する(S160)。この判定処理では、一定時間終了信号を受信しない或いはエラー等の信号を受信すると、No判定となり、ステップS159の処理に戻り、印字処理をリトライする。
ステップS160において、終了信号を受信したことを示すYes判定となると、印字データ処理部15−1Bは、上記メモリを解放するなどして(S161)、本処理を終了する。
ステップS156の判定処理で「出力指示情報」ではない「非出力指示情報」と判定されると(No判定)、印字データ処理部15−1Bは、ステップS161の処理に移行して、印字部への印字データの出力を行わずに上記メモリを解放するなどして、本処理を終了する。この場合、用紙への印字処理は行わない。
ステップS157の判定処理で、一括納付情報付の印字データが含まれていないと判定されると(No判定)、印字データ処理部15−1Bは、ステップS159に移行する。つまり、印字データ(この場合は書き換えのない印字データ)を印字部へ出力し、印字部において用紙に対する出力処理を行わせる。ステップS159に続く処理は、既に説明した通りである。
なお、上述した処理の結果としての紙レシート上の印字イメージと電子レシート情報の表示イメージは、第1の実施形態に示す比較図(図10参照)と同様である。
第2の実施形態では、POS端末は、印字データ処理部がメモリにセットする印字データを、印字の実行に使用する最終データとせず、中間生成データとする。電子レシート処理部は、その中間生成データに基づいて印紙税納付についての判定処理を行う。そして、電子レシート処理部は、印紙税納付の対象であると判定すると、上記中間生成データに印紙税納付情報を追加することにより、最終データを生成する。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態においては、一取引の取引合計金額が印紙税の納付の対象となる設定額以上になる場合であっても、その取引を示す情報を用紙に印字しなければ、当該取引を納付対象から外す情報処理装置の態様を示した。
第3の実施形態においては、納付対象から外していたものを、納付対象に加える設定へと変更できる情報処理装置の態様を示す。
従って、以下では、電子レシートシステムの全体構成や、電子レシート管理サーバ10の構成や、消費者端末12の構成などは、第1又は第2の実施形態と共通するので説明を省略する。
また、POS端末についても、第1又は第2の実施形態と共通する箇所には、図面に同一の番号を付すなどし、重複する説明は適宜省略する。
図15は、第3の実施形態の情報処理装置としてのPOS端末11Cにおける電子レシート情報の生成処理に係る主な手段を示す図である。
図15は、図2に示す各手段に、設定手段156、変更手段157、及び計数手段158を追加したものである。
設定手段156は、「電子レシート情報のみを生成し、取引情報を用紙に対して出力しない場合において、印紙税を一括納付する」の宣言情報を設定するための手段である。
変更手段157は、「電子レシート情報のみを生成する場合に、一括納付を示す情報を含まない電子レシート情報を生成する」という第1及び第2の実施形態に示す電子レシート情報生成手段155の設定を、設定手段156による上記宣言情報の設定により「一括納付を示す情報を含む電子レシート情報を生成する」という設定に変更する手段である。
計数手段158は、電子レシート情報生成手段155が生成した「一括納付を示す情報を含む電子レシート情報」の件数や税額などの一括納付情報を計数する手段である。
図16は、POS端末11Cの構成図である。
POS端末11Cは、第1の実施形態に示すPOS端末の構成(図3参照)において、設定情報記憶領域113a、印字処理プログラム116a、レシート生成処理プログラム117aを、それぞれ、第3の設定情報記憶領域113c、第3の印字処理プログラム116c、第3のレシート生成処理プログラム117cに置き換え、更に、計数情報記憶領域120c、設定情報書き換えプログラム121c、及び計数プログラム122cを新たに追加したものである。
第3の設定情報記憶領域113cは、第3の設定情報の記憶領域である。
設定情報書き換えプログラム121cは、第3の設定情報の設定を書き換えるためのプログラムである。
図17は、第3の設定情報の一例である。
図17に示すように、第3の設定情報170は、選択内容1701とフラグ1702とで構成される。
一行目に項目名1800を示し、2行目以下にデータ部1801を示している。
選択内容1701のデータ部1801には、3つの情報1802〜1804が与えられている。
具体的に、一つ目の情報1802は「一取引ごとの納付」、二つ目の情報1803は「一括納付」、三つ目の情報1804は「一括納付(電子レシート情報のみ生成)」である。
3つの情報1802〜1804の内の何れか一つを選択状態とするには、情報1802、情報1803、情報1804の隣のフラグ1702の設定領域にフラグ「1」をセットすることにより行う。
同図に示す例では、三つ目の情報1804の「一括納付(電子レシート情報のみ)」の設定領域F1にフラグ「1」がセットされている。
ここで、「一取引ごとの納付」を示す情報1802は、取引合計金額が設定額以上の取引情報を用紙に出力する場合にのみ、その取引情報から生成する電子レシート情報に対して「収入印紙を貼付するエリア」を設けることを指示するための情報である。
「一括納付」を示す情報1803は、取引合計金額が設定額以上の取引情報を用紙に出力する場合にのみ、その取引情報から生成する電子レシート情報に対して「一括納付を示す情報」を設けることを指示するための情報である。
「一括納付(電子レシート情報のみ)」を示す情報1804は、取引合計金額が設定額以上のとき、電子レシート情報のみ生成の場合も含めて、全ての電子レシート情報及び紙レシートに対して「一括納付を示す情報」を設けることを指示するための情報である。
図18は、設定情報書き換えプログラム121cのフロー図である。
先ず、第3の設定情報170のフラグをリセットする(S180)。
次に、第3の設定情報170の選択内容1701を表示画面に表示する(S181)。
この際に、選択内容1701の内から一つを入力部で選択的に入力できるようにする。例えば、上下キーを押してカーソルを移動し、選択内容1701の一つを選択できるようにする。また、決定キーを押してカーソルで選択されたものを指定できるようにする。
次に、「一取引ごとの納付」の情報1802が指定されたか否かを判定する(S182)。指定されていない場合(No判定)、「一括納付」の情報1803が指定されたか否かを判定する(S183)。指定されていない場合(No判定)、「一括納付(電子レシート情報のみ)」の情報1804が指定されたか否かを判定する(S184)。指定されていない場合(No判定)、ステップS182の判定処理に戻る。
ステップS182、S183、S184において、指定されたと判定された場合(Yes判定)、それぞれ、指定された選択内容の設定領域にフラグ「1」をセットする(S185、S186、S187)。
図16の計数情報記憶領域120cは、計数情報の記憶領域である。計数情報は、第3の設定情報において「一括納付」又は「一括納付(電子レシート情報のみ)」が指定されている場合、本実施形態では特に「一括納付(電子レシート情報のみ)」が指定されている場合に、一括納付するための納税額や取引数などを計数した「一括納付情報」である。
計数プログラム122cは、計数情報を生成するためのプログラムである。
図19は、計数情報の一例である。
図19に示すように、計数情報190は、用紙に印字される或いは電子レシート情報に含められる「取引日」1901、「レシートNo」1902、「店舗No」1903、「レジNo」1904、・・・、及び「合計」1905からなる項目と、納税額を示す「印紙税額」1906及び「印紙税額の合計」1907により構成される。
一行目に項目名2000を示し、2行目以下にデータ部2001を示している。
なお、同図においては、2つの取引時の情報を示し、その他は図示を省略している。
同図に示す各レコードは、用紙或いは電子レシート情報に含められる一取引分の情報を示している。「印紙税額」1906は、所定の税計算の基に算出したものである。日本国では、50,000円以上1,000,000円以下は印紙税が一律200円とされている。このため、「合計」1905の値「59,400(税抜55,000)」と値「80,000(税抜74,074)」のそれぞれの「印紙税額」1906に共に「200」が設定されている。
「印紙税額の合計」1907は、「印紙税額」1906を早いものから(同図の上から)順に合算した値である。
図20は、計数プログラムのフロー図である。
先ず、取引情報を読み取る(S200)。
次に取引情報に含まれる取引合計金額に基づいて印紙税額を算出する(S201)。日本国では、例えば50,000円以上1,000,000円以下は印紙税が一律200円とされる。ステップS201では、このような印紙税額の範囲を示す情報と取引合計金額とを比較することにより、印紙税額を算出する。
次に、取引情報に含まれる取引日、レシートNoなどの情報と算出結果の印紙税額を計数情報(ファイルなど)に登録する(S202)。
そして、登録後、印紙税額を集計する(S203)。集計の方法は、例えば、一つ前に登録されたレコードの「印紙税額の合計」1907の値と今回登録したレコードの「印紙税額」1906の値を合算し、今回登録したレコードの「印紙税額の合計」1907の値として設定するなど、とする。
図16の第3の印字処理プログラム116cは、第3の設定情報を読み取って、印字データの生成処理や、用紙への印字処理などを行うプログラムである。
第3のレシート生成処理プログラム117cは、電子レシート情報の生成処理や計数処理などを行うプログラムである。
POS端末11Cは、記憶部111Cに記憶されている各種のプログラムの実行により、印字データ処理部と電子レシート処理部とが形成される。
図21は、POS端末11Cの機能ブロック図である。
図21に示すように、印字データ処理部15−1Cは、設定情報170を含み、読取手段150C、商品取引情報生成手段151C、第一の判定手段152C、第二の判定手段153C、変更手段171−1、及びレシート出力手段154Cとして機能する処理部である。
他方の電子レシート処理部15−2Cは、変更手段171−2、計数手段172、及び電子レシート情報生成手段155Cとして機能する処理部である。
図22は、印字データ処理部15−1Cの処理フロー図である。
図22は、第1の実施形態に示す印字データ処理部15−1の処理フロー(図8参照)と比較して、ステップS77のNo判定以降の処理が異なる。
図22の処理フローでは、ステップS77でNo判定の場合、設定情報からフラグの設定内容を読み取る(S220)。
次に、読み取った情報が、「一括納付(電子レシート情報のみ)」を示す情報であるか否かを判定する(S221)。
この判定で、「一括納付(電子レシート情報のみ)」を示す情報ではないと判定されると(No判定)、第1の実施形態の図8に示す処理フローの手順で、ステップS81からの処理を行う。
ステップS221の判定で、「一括納付(電子レシート情報のみ)」を示す情報であると判定されると(Yes判定)、一取引分の取引合計金額と設定額とを比較し、取引合計金額が設定額以上であるか否かを判定する(S222)。
ステップS222の判定で、取引合計金額が設定額以上であると判定されると(Yes判定)、第六パターンとして“「会員ID」を含み”且つ“「一括納付を示す情報」を含む”の印字データを生成しメモリに記憶する(S223)。印字データは、例えば、メモリに記憶された取引情報の所定位置(ヘッダ部分など)に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」の組み合わせデータを挿入し、更に、CUTコマンドよりも前の位置(直前など)に所定の「一括納付を示す情報」を挿入することにより生成する。
一方、ステップS222の判定で、取引合計金額が設定額未満であると判定されると(No判定)、第1の実施形態の図8に示す処理フローの手順で、ステップS81からの処理を行う。
図23は、電子レシート処理部15−2Cの処理フロー図である。
図23は、第1の実施形態に示す電子レシート処理部15−2の処理フロー(図9参照)と比較して、ステップS97以降の処理が異なる。
ステップS97では、印字データが「*A」を含まないという判定結果を受け、印字データから電子レシート情報を生成して送信用メモリに格納する処理を行う。
次に、図23に示す処理フローでは、印字データが「一括納付を示す情報」を含んでいるか否かを判定する(S230)。この判定は、例えば印字データを走査して「一括納付を示す情報」と一致する情報を探索し、一致する情報が見つかった場合に「含む(Yes判定)」とする。この他にも、設定情報からフラグ「1」が設定されている選択内容の情報を読み取り、その情報が「一括納付(電子レシート情報のみ)」のときに「含む(Yes判定)」としても良い。
ステップS230の判定で、「含まない(No判定)」の場合、第1の実施形態の図9に示す処理フローの手順で、ステップS98からの処理を行う。
ステップS230の判定で、「含む(Yes判定)」の場合、計数処理を行う(S231)。計数処理では、計数プログラムを起動して、例えば図20に示す処理を実行する。
そして、ステップS231の計数処理後は、第1の実施形態の図9に示す処理フローの手順で、ステップS98からの処理を行う。
図24は、設定情報において「一括納付(電子レシート情報のみ)」が指定されているときの紙レシート上の印字イメージと、これに対応する電子レシート情報の消費者端末における表示イメージとの比較説明図である。
実施形態1に示す比較図(図10参照)と同様に、ここでは、取引合計金額が設定額以上となるときのイメージを比較する。
図24には、それぞれのイメージを、比較し易いように左右に並べて示している。同図の左に示すものが電子レシート情報の表示イメージであり、右に示すものが紙レシート上の印字イメージである。
図24(a)は、会員IDに非出力情報が設定されているときの比較図である。図24(a)に示すように、この場合、電子レシート情報DR10のみが生成される。図24(a)に矩形破線R1で示すように、紙レシートとしては生成されない。
電子レシート情報DR10は、第1の実施形態において説明した電子レシート情報DR1に含まれる情報(図10参照)の他に、「一括納付を示す情報」2400を含むようになる。
なお、図24(b)については図10(b)と同様であるのでここでの説明は省略する。
また、図24(c)についても図10(c)と同様であるのでここでの説明は省略する。
本実施形態において、計数手段として、計数情報に「印紙税額」や「印紙税額の合計」の項目を設け、それぞれを計数プログラムで算出する構成のものを説明したが、この限りではない。例えば、印紙税の納付対象の取引数をカウントするようにしても良い。
また、POS端末において、例えば、電子レシート情報に含まれる情報や電子レシート情報を特定できる情報を保存し、一括納付のための印紙税の計算や集計処理の一部又はその全てを他の情報処理装置に行わせても良い。例えば、複数のPOS端末を一括管理するサーバ装置を店舗内に設けて、各POS端末から定期的にアップロードされる情報を集計し、店舗ごとの納税額を算出するようにしても良い。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、係る情報処理装置をPOS端末に適用した例を示した。
第4の実施形態では、係る印字制御装置についての説明をする。
なお、第1〜第3の実施形態と共通する部分の説明は、重複を避けるため適宜省略する。
第4の実施形態において、POS端末は、店舗内で消費者と商品取引処理を行い、更に現金又はカードによる決済処理を行い、一連の取引処理(一取引)を終了するための装置として設ける。
印字制御装置は、POS端末で行われた商品取引の取引情報を用紙に印字するための装置である。本実施形態では、更に、取引ごとに会員IDを読み取り、そのときの一取引の情報を電子化して電子レシート情報を生成し、その生成した電子レシート情報を電子レシート管理サーバへ送信するための装置として設ける。
図25は、第4の実施形態の印字制御装置を含む電子レシートシステムの全体構成図である。
図25に示すように電子レシートシステム2は、電子レシート管理サーバ10と、POS端末11Dと、消費者端末12、印字制御装置13とを含む。
POS端末11Dは、各店舗P2に設けられた一つ又は複数の情報処理装置である。
POS端末11Dは、レジ機能を有し、消費者が購入を希望する各商品をキャッシャがデータ入力することにより商品取引処理を行う。商品取引処理後は、キャッシャ又は消費者が現金又はカードによる決済処理を行って、一連の取引処理(一取引)を終了する。
POS端末11Dは、一取引を終えると、通信ケーブルK1を介して一取引の取引情報として印字データを印字制御装置13に送信する。
POS端末11Dは、また、POS機能を有し、商品取引処理のデータを集計するなどして、集計情報を不図示の店舗内サーバや本部サーバへ送信する。
印字制御装置13は、POS端末11Dで生成した印字データを通信を介して取得するための通信部を備えている。同図は、POS端末11Dと印字制御装置13とを、その通信部に接続した通信ケーブルK1で繋いだ状態を示している。
印字制御装置13は、印字データを受信すると、会員IDを読み取るなどして、その消費者が会員であるか否かを認識する。そして、会員の場合は、その印字データを電子化して電子レシート情報を生成する。非会員の場合は、印字データを用紙に出力して、排出する。
印字制御装置13は、更に、電子レシート管理サーバ10にアクセスするためのネットワーク通信部を備えている。印字制御装置13は、ネットワーク通信部を使って通信ネットワークN1に接続することにより、電子レシート情報「電子レシート情報(S3)」を電子レシート管理サーバ10へ送信する。
図26は、POS端末11D又は印字制御装置13が備える電子レシート情報の生成処理に係る主な手段を示す図である。
図26に示すように、POS端末11Dは、電子レシート情報の生成処理に係る手段として、商品取引情報生成手段151、第二の判定手段153を備えている。
また、印字制御装置13は、電子レシート情報の生成処理に係る手段として、読取手段150、第一の判定手段152、レシート出力手段154、及び電子レシート情報生成手段155を備えている。
商品取引情報生成手段151は、消費者の一取引分の取引情報を生成し、その取引情報を印字データとして印字制御装置13に出力する手段である。消費者との商品取引処理において、取引対象となる商品の商品名称や単価などの商品情報や、それらの精算時の金銭取引情報(一取引分の取引額を含む情報)等を取引情報として生成する。そして、その取引情報を印字データに変換して印字制御装置13に出力する。
第二の判定手段153は、消費者の一取引分の取引情報を用紙へ出力した場合に、当該用紙が印紙税納付の対象となるか否かを判定する手段である。これにより印紙税納付の対象として判定された場合、商品取引情報生成手段151は、取引情報に更に「印紙税納付情報」を含めたものを印字データに変換する。
読取手段150は、会員ID(同図の情報X)を読み取る手段である。例えば、消費者からの会員IDの提示を受けて、キャッシャが入力キーで会員IDを打ち込むことで、この入力信号から会員IDを読み取る。また、会員IDが消費者端末12の表示画面においてバーコード情報として示されるものである場合は、読取手段150としてバーコード読取装置を採用し、消費者端末12の表示画面から上記バーコード情報を読み取る。
ここで、会員IDは、第1の実施形態に示す会員IDと同様のものであり、会員を一意に識別するためのユニークコードで構成されるものである。会員IDには追加情報Yを対応付けることもできる。追加情報Yには非出力情報を設定できる。
第一の判定手段152は、電子レシートの出力を行うか紙レシートの出力を行うかを判定する手段である。ここでは、一例として、第一の判定手段152は、読取手段150が読み取った会員IDに、追加情報Yとして非出力情報が対応付けられているか否かを判定する。これにより、非出力情報が対応付けられている場合に電子レシートの出力を行う且つ紙レシートの出力を行わないものとして判定する。
レシート出力手段154は、POS端末11Dから印字データを受信し、受信した印字データを紙レシートへ出力する手段である。特に、会員の場合、第一の判定手段152が非出力情報が対応づけられていると判定すると、その印字データを紙レシートへ出力させないようにする。
電子レシート情報生成手段155は、会員の一取引を示す印字データを電子化して電子レシート情報を生成する手段である。特に、会員の場合、第一の判定手段152が非出力情報が対応づけられていると判定すると、印字データから「印紙税納付情報」を取り除いて「印紙税納付情報」を含まない電子レシート情報を生成する。
図25において印字制御装置13は、消費者が非会員のときには毎回、会員のときには第一の判定手段の判定結果に応じて、印字データを紙レシートに出力する(「紙レシート出力(S2)」)。
POS端末11Dにおいて第二の判定手段153により取引合計金額が所定額未満と判定されると、POS端末11Dから「印紙税納付情報」を含まない取引情報のみの印字データが送信される。印字制御装置13は、その印字データを紙レシートに出力する。また、取引合計金額が所定額以上の場合は「印紙税納付情報」を含む印字データが送信される。この場合、印字制御装置13は、第二の判定手段153の判定で非出力情報を含まないと判定された場合にのみその印字データを紙レシートに出力する。
電子レシート管理サーバ10は、電子レシート情報をデータベースDB1で一元管理するサーバ装置である。電子レシート管理サーバ10は、印字制御装置13が送信した電子レシート情報(「電子レシート情報送信(S3)」)を通信ネットワークN1を介して受信し、その電子レシート情報をデータベースDB1に格納して一元管理する。
消費者端末12は、会員登録を行うことにより、記憶部の所定エリアに会員IDを記憶する。消費者端末12は表示画面に会員IDを表示させることにより、これをキャッシャがキー入力し、当該会員IDを印字制御装置13に読み取らせる(「読取(S1)」)。また、バーコード画像で表示させることにより、これをバーコード読取装置で読み取って、印字制御装置13に読み取らせる。
次に、主な装置の構成や動作について詳しく説明する。
なお、以下において、第1の実施形態と共通する箇所には図面に同一の番号を付すなどして説明を省略している。
図27は、POS端末11Dの構成図である。
POS端末11Dは、主に、制御部110A、記憶部111D、通信I/F270D、印字制御装置接続I/F271D、バーコード読取部113A、入力部115D、表示部116A、及びリーダライタ部118Aを備えている。各部はバス119Aにより相互接続されている。
入力部115Dは、キャッシャによる例えば入力キーを押下するなどの物理的行為を、電気信号に変換し、CPUに電気信号として入力する装置である。本実施形態では、特に、一取引の終了を示すコマンドキーを設ける。このコマンドキーの押下により、取引情報を印字データに変換し、印字データを印字制御装置13へ送信処理するようCPUに指示する。
印字制御装置接続I/F271Dは、印字制御装置13のPOS接続I/Fと通信ケーブルKを介して通信を行うための通信インタフェースである。例えば、RS232CやUSBなどの規格で通信を行う。
通信I/F270Dは、上位装置に接続するためのネットワークインタフェースである。例えばストアサーバや本部サーバにネットワークを通じてアクセスするためのものである。
記憶部111Dには、店舗コード、レジNoなどの設置位置に関する情報の記憶領域1110a、商品取引時の商品照会などに使用する商品マスタデータなどの商品情報の記憶領域111a、印字データの生成処理において使用されるデータ(特に「印紙税納付情報」)の記憶領域112a、印紙税納付に関する設定情報の記憶領域113aなどが設けられている。印紙税納付に関する設定情報には、例えば、印紙税の対象となるか否かを判定するための基準額(日本国では50,000円)が設定されている。また、「一括納付」又は「一取引ごとの納付」の内の一方が「印紙税の納付方法」として設定されている。各記憶領域110a〜113aには、店舗設置時などにおいて所定の情報が適宜設定される。
記憶部111Dには、更に、商品取引処理プログラム114a、決済処理プログラム115a、印字データ生成プログラム270d、送受信用プログラム271dなどが記憶されている。
商品取引処理プログラム114aは、商品取引処理を行うためのプログラムである。
決済処理プログラム115aは、決済処理を行うためのプログラムである。
印字データ生成プログラム270dは、一取引の終了を示すコマンドキーの入力を検出すると、第二の判定手段153として取引合計金額が設定額以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて取引情報を印字データに変換する処理を行うプログラムである。取引合計金額が設定額未満の場合は、取引情報を印字データに変換する。取引合計金額が設定額以上の場合は、取引情報に「印紙税納付情報」を付加して印字データに変換する。
送受信用プログラム271dは、印字制御装置13の状態をチェックし、印字制御装置13に対して印字開始の命令を送信し、印字データの送信を行うプログラムである。
また、送受信用プログラム271dは、商品取引データを上位装置に送信する場合、上位装置と通信接続し、上位装置に商品取引データを送信する。
図28は、印字制御装置13の構成図である。
印字制御装置13は、主に、制御部280、記憶部281、通信I/F282、POS接続I/F283、客用バーコード読取部284、入力部285、表示部286、及び印字部287を備えている。各部はバス288により相互接続されている。
制御部280は、各種演算や印字制御装置13の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部280は、CPU、各種のプログラムやデータを記憶するROM、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成される。
入力部285は、入力キーを押下するなどの物理的行為を、電気信号に変換し、CPUに電気信号として入力する装置である。例えば、入力キーを押下すると、その入力キーに割り当てられた操作内容をコマンドやデータなどの電気信号としてCPUに入力する。入力キーとしては、会員IDを入力するための英数字キーや、設定情報を設定するための設定キーや、コマンドが割り当てられた命令キーなどがある。設定キーとしては、例えば、表示部に表示されるカーソル(選択枠など)を移動するための上下左右への移動キーや、カーソルで指定された項目を決定するための決定キーなどがある。
客用バーコード読取部284は、赤外線の照射によりバーコードを読み取り、読み取ったバーコードを所定のコードに複合する装置である。本実施形態では、バーコードに符号化された会員IDを読み取るための手段として設けている。客用バーコード読取部284は、消費者端末12の表示画面に表示された会員IDを示すバーコード情報を読み取り、所定のコードに複合する。
表示部286は、液晶ディスプレイなどの表示画面を備え、入力情報や予め記憶した所定データを表示画面に表示する表示装置である。表示画面には、特に、設定情報や入力キーで入力した英数字情報などを表示する。
印字部287は、制御部280のメモリに格納した印字データを紙レシートに出力する印字装置である。印字部287は、制御部280による駆動により、セットされているロール状の用紙を順次引き出しながら、用紙にインクの吹き付けや熱転写などの所定の印字手法によりメモリの印字データを印字する。印字後は印字データが記憶されているメモリを解放する。印字データは取消信号によってもメモリから消去できる。
記憶部281は、内蔵メモリや着脱式の外部記憶装置(例えばFlashメモリなど)である。
記憶部281には、データ処理プログラム280aや、送受信用プログラム281aなどが記憶されている。
データ処理プログラム280aは、CPUでの実行により、印字データの修正処理や、用紙への印字処理や、電子レシート情報の生成処理などを行う。
送受信用プログラム281aは、電子レシート管理サーバ10との間で所定のプロトコル(HTTP等)でデータ通信を行うためのプログラムを含む。
また、POS端末11Dと通信を行う通信プログラムを含み、POS端末11Dから印字命令を受信すると、POS端末11Dから送信される印字データを受信して制御部280のメモリに格納する。
POS接続I/F283は、POS端末11Dの印字制御装置接続I/F270Dと通信ケーブルKを介して通信を行うための通信インタフェースである。例えば、RS232CやUSBなどの規格で通信を行う。
通信I/F282は、ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。本実施形態では、通信ネットワークN1に接続して電子レシート管理サーバ10に電子レシート情報を送信する。電子レシート管理サーバにおいて電子レシート情報が受け付けられなかった場合はリトライを行う。
図29は、印字制御装置13の機能ブロック図である。
図29に示すように、印字制御装置13には、記憶部に記憶されている所定のプログラムの実行により、読取手段150D、第一の判定手段152D、レシート出力手段154D、及び電子レシート情報生成手段155Dとして機能する。
図30は、印字制御装置13の電子レシート情報の生成処理に係るフロー図である。
なお、以下では、POS端末11Dにおいて、印紙税納付の方法として一取引ごとの納付が選択されているものを、一例として説明する。従って、POS端末11Dから受信する設定額以上の取引額を示す全ての印字データには「収入印紙貼付エリア」が含まれるものとなる。
先ず、POS端末11Dから印字命令を受信したか否かを判定する(S300)。
この判定では、POS端末11Dから印字命令を受信することにより、Yes判定となる。ステップS300でNo判定の場合は、印字命令を受信するまで待機する。
ステップS300でYes判定の場合、続いて印字データを受信し、印字データを制御部のメモリに格納する(S301)。
次に、会員IDを読み取ってメモリに格納する(S302)。この処理では、例えば客用バーコード読取部を制御して会員IDのバーコード画像を読み取り、そのバーコード画像を所定の複合化手順で会員IDに複合化する。そして、複合化した情報をメモリに格納する。
次に、会員IDの上2桁を対象に第一識別情報が設定されているか否かを判定する(S303)。本例の場合、上2桁が「99」の値をとるときに第一識別情報が設定されているものとして判定する。会員以外の場合は「99」以外の値をとるため、ここで非会員として判定される。ステップS302において会員IDを読み取らなかった場合は、メモリに「99」以外の仮のコードがセットされ、ステップS303で非会員として判定される。
ステップS303において第一識別情報が設定されていないと判定された場合(No判定)、印字データを紙レシートに出力する印字処理を実行する(S304)。
ステップS303において第一識別情報が設定されていると判定された場合(Yes判定)、続いて会員IDの下4桁目に強制印字フラグが設定されているか否かを判定する(S305)。
ステップS305において強制印字フラグが設定されていると判定された場合(Yes判定)、紙レシートへの出力と電子レシート情報の生成を共に行ったことを意味する「*A」を印字データの所定位置に挿入する(S306)。本例では、印字データのヘッダ部分に、会員IDを示す情報と共に「SRID」+「改行コード」+「第一識別情報」+「第二識別情報」+「*A」の組み合わせデータとして挿入する。
続いて、ステップS306で修正された印字データから電子レシート情報を生成し、送信メモリに格納する(S307)。電子レシート情報は、例えば装飾情報等を削除したJSONデータなどとして生成する。
続いて、ステップS306で修正された印字データを紙レシートに出力する印字処理を実行する(S308)。
また、ステップS305において強制印字フラグが設定されていないと判定された場合(No判定)、続いて、メモリ上の印字データを対象に「取引情報」のみか、それとも「収入印紙貼付エリア」も含むかを判定する(S309)。この判定は、例えば、印字データを走査して「収入印紙貼付エリア」を示す情報を探索するなどして、「収入印紙貼付エリア」を示す情報を見つけ出す。そして、その情報が見つからなかった場合をYes判定とする。
ステップS309の判定で「取引情報」のみ(すなわち「収入印紙貼付エリア」を含まない)と判定されると(Yes判定)、印字データから電子レシート情報を生成し、送信メモリに格納する(S310)。
ステップS309の判定で「収入印紙貼付エリア」を含むと判定されると(No判定)、印字データから「収入印紙貼付エリア」を削除する(S311)。
ステップS311の後はステップS310に移行し、「収入印紙貼付エリア」が削除された印字データから電子レシート情報を生成し、送信メモリに格納する。
ステップS304、S308、S310の処理後は、メモリを解放するなどして(S312)本処理を終了する。
図31は、紙レシート上の印字イメージと、これに対応する電子レシート情報の消費者端末における表示イメージとの比較説明図である。
ここでは特に、取引合計金額が設定額以上となるときのイメージを比較する。
図31には、それぞれのイメージを、比較し易いように左右に並べて示している。同図の左に示すものが電子レシート情報の表示イメージであり、右に示すものが紙レシート上の印字イメージである。
図31(a)は、会員IDに非出力情報が設定されている場合の比較図である。この場合、電子レシート情報DR1のみが生成される。また、電子レシート情報DR1は「収入印紙貼付エリア」を含まない。また、図31(a)において矩形破線R1で示すように、紙レシートとしては生成されない。
図31(b)は、会員IDに出力情報が設定されている場合の比較図である。この場合、電子レシート情報DR312と紙レシートR312が生成される。
電子レシート情報DR312は、電子レシート情報DR1と比較すると、会員IDにおいて「*A」の情報が追加されている。また、フッタ部において「収入印紙貼付エリア」が追加されている。
紙レシートR312は、印紙税納付の対象となるものである。このため、電子レシート情報DR312と同様にフッタ部に「収入印紙貼付エリア」が印字されている。
図31(c)は、非会員の場合の比較図である。この場合、紙レシートR313のみが生成される。図31(c)において矩形破線DR313で示すように、電子レシート情報としては生成されない。
各実施形態では、会員制の電子レシートシステムの形態を例に、会員に電子レシートを提供し、非会員に電子レシートを提供しない態様を示した、しかし、係る電子レシートシステムの形態は、会員制に限定されるものではない。全ての消費者に電子レシートを提供する構成としても良い。この場合、精算時にPOS端末は会員IDの代わりに消費者の受取先情報を受け付けるようにする。また、紙レシートの出力が必要か否かの情報を受け付けるようにする。更に、POS端末は、電子レシート管理サーバに対して電子レシートと共に消費者の受取先情報を送信するようにする。そうすることにより、精算時、消費者が店員に受取先情報を提示し、紙レシートの出力の有無を告げることで、店員がそれらの情報をPOS端末に入力して読み取らせることができる。そして、電子レシート管理サーバから消費者の受取先(携帯端末など)に電子レシートを提供できる。
各実施形態では、電子レシート処理部は、メモリにセットされた印字データを取得することにより、電子化を行い、電子レシート情報を生成するものとして示した。この場合、電子レシート処理部は、印字データから電子レシートを生成しても良いし、電子レシート処理部が取引情報を別途取得して電子レシートを生成しても良いものとする。
各実施形態の情報処理装置又は印字制御装置で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、情報処理装置又は印字制御装置のフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
以上のように、実施形態の一の態様として示した情報処理装置は、商品の取引情報を取得する取引情報取得手段と、電子レシートの出力を行うか否かを判定する第一の判定手段と、上記取引情報に含まれる取引合計金額が所定の金額より高いかを判定する第二の判定手段と、この第二の判定手段により取引合計金額が所定の金額より高いと判定され、上記第一の判定手段により電子レシートの出力を行わないと判定された場合に、印紙税の納付に関する情報を示す印紙税納付情報を含むレシート情報を印字して出力するレシート出力手段と、上記第二の判定手段により取引合計金額が所定の金額より高いと判定され、上記第一の判定手段により電子レシートの出力を行うと判定された場合に、上記印紙税納付情報を含まない電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成手段と、を備える。
また、実施形態のその他の一の態様として示した印字制御装置は、消費者の取引情報と印紙税の納付に関する情報を示す印紙税納付情報を含む印字データを受信する受信手段と、電子レシートの出力を行うか否かを判定する第一の判定手段と、上記第一の判定手段により電子レシートの出力を行うと判定された場合に、上記印字データから上記印紙税納付情報を取り除いて電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成手段と、を備える。
また、実施形態のプログラムは、情報処理装置を制御するコンピュータを、商品の取引情報を取得する取引情報取得手段と、電子レシートの出力を行うか否かを判定する第一の判定手段と、上記取引情報に含まれる取引合計金額が所定の金額より高いかを判定する第二の判定手段と、この第二の判定手段により取引合計金額が所定の金額より高いと判定され、上記第一の判定手段により電子レシートの出力を行わないと判定された場合に、印紙税の納付に関する情報を示す印紙税納付情報を含むレシート情報を印字して出力するレシート出力手段と、上記第二の判定手段により取引合計金額が所定の金額より高いと判定され、上記第一の判定手段により電子レシートの出力を行うと判定された場合に、上記印紙税納付情報を含まない電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成手段と、として機能させるものとした。
これにより、電子レシート情報に対して印紙税が課せられないときの電子レシート情報を生成することが可能になる。
以上の実施形態において、情報処理装置、印字制御装置、およびプログラムについていくつかの構成を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。