JP6361123B2 - 水系接着剤組成物 - Google Patents

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本発明は、水系樹脂接着剤とセルロースナノファイバーを含有する水系接着剤組成物に関する。
水系接着剤は、水を媒体にしているために有毒ガスの発生もなく、また引火性もないため、安心、安全な接着剤であり、自動車、エレクトロニクス、建設、一般工業など様々な分野で使用されている。
この水性接着剤として、ユリア−ホルムアルデヒド樹脂接着剤、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂接着剤、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂接着剤、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂接着剤等のホルムアルデヒド樹脂系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、エチレンビニルアルコール系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、水溶性樹脂系接着剤、水性高分子―イソシアネート系接着剤が知られている。
特に、酢酸ビニル系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤は、木材用の接着剤として使用されており、特許文献1には合板と塩化ビニルシートを酢酸ビニル系接着剤で貼合した化粧版、特許文献2には板状の芯材と単板を酢酸ビニル系接着剤で貼合した複合板材が開示されている。
特開2003−277706 特開平09−207272
しかしながら、特許文献1、特許文献2に開示されている化粧板あるいは複合板材は、物理的な外力を受けた場合、水系接着剤層で破壊が起こる場合があり、改善が求められている。
そこで、本発明は、強度に優れた水系接着剤、特に、酢酸ビニル系接着剤あるいはエチレン酢酸ビニル系接着剤を含有する水系接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[3]を提供するものである。
[1] 水系樹脂接着剤とセルロースナノファイバーを含有することを特徴とする水系接着剤組成物。
[2] 前記水系樹脂接着剤が酢酸ビニル系接着剤あるいはエチレン酢酸ビニル系接着剤であることを特徴とする[1]に記載の水系接着剤組成物。
[3] 前記セルロースナノファイバーがアニオン変性あるいはカチオン変性されていることを特徴とする[1]〜[2]に記載の水系接着剤組成物。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書において「〜」は両端の値を含む。
本発明は、水系樹脂接着剤とセルロースナノファイバーを含有することを特徴とする水系接着剤組成物に関する。
1.セルロースナノファイバー
本発明において、セルロースナノファイバーとは、平均繊維長0.1〜5μm、平均繊維幅2〜150nmであるセルロース原料を解繊して得られるセルロース繊維である。
本発明の水系接着剤組成物に含有されるセルロースナノファイバーの化学変性については特に限定されるものではなく、具体的には無変性セルロースナノファイバー、アニオン変性セルロースナノファイバー、カチオン変性セルロースナノファイバーなどを挙げることができるが、容易にセルロース繊維を解繊できる点から、アニオン変性セルロースナノファイバー、カチオン変性セルロースナノファイバーをしようすることが好ましい。
1−1.セルロースナノファイバーの製造
<原料>
セルロース原料とは、木材由来のクラフトパルプまたはサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末セルロース、あるいはそれらを酸加水分解などの化学処理により精製した微結晶セルロース粉末等である。またこの他に、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹等の植物由来のセルロース系原料もできる。しかしながら、セルロース系原料中に広葉樹由来のリグニンが多く残留してしまうと当該原料の酸化反応を阻害する恐れがあるので、本発明においては、化学パルプの製造方法により得られたセルロース系原料が好ましい。リグニンをさらに除去するために、このようにして得られたセルロース系原料に公知の漂白処理を施すことがより好ましい。
また、上記したセルロース原料を高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの分散装置、湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーなどで微細化したものをセルロース原料として使用することもできる。
<セルロースの変性>
(1)アニオン変性
本発明において、上記のセルロース原料を、下記に例示する公知の方法を用いてアニオン変性させることで得ることで、変性セルロースを得ることができ、その一例として次のような製造方法を挙げることができる。
(1−1)カルボキシメチル化
上記のセルロース原料を発底原料にし、溶媒に3〜20重量倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60〜95重量%である。マーセル化剤としては、発底原料のグルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行う。
本発明において、アニオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシ
メチル置換度が0.02〜0.50であることが好ましい。セルロースにカルボキシメチル置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カルボキシメチル置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.02より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。
(1−2)酸化
上記のセルロース原料を、N−オキシル化合物、及び、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で酸化剤を用いて水中で酸化することでカルボキシル基をセルロースに導入した酸化セルロースを得ることができる。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物である。本発明で用いるN−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。例えば、本発明で使用されるN−オキシル化合物としては、下記一般式(式1)〜一般式(式5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006361123
(式1中、R1〜R4は同一又は異なる炭素数1〜4程度のアルキル基を示す。)
式1で表される物質のうち、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−オキシラジカル(以下、TEMPOと称する)が好ましい。また、下記式2〜5のいずれかで表されるN−オキシル化合物、すなわち、4−ヒドロキシTEMPOの水酸基をアルコールでエーテル化、またはカルボン酸若しくはスルホン酸でエステル化し、適度な疎水性を付与した4−ヒドロキシTEMPO誘導体、もしくは4−アミノTEMPOのアミノ基をアセチル化し、適度な疎水性を付与した4−アセトアミドTEMPOは安価であり、かつ均一な酸化セルロースを得ることができるため、とりわけ好ましい。
Figure 0006361123
(式2〜5中、Rは炭素数4以下の直鎖又は分岐状炭素鎖である。)
さらに、下記式6で表されるN−オキシル化合物、すなわち、アザアダマンタン型ニトロキシラジカルは、短時間で効率よくセルロース系原料を酸化でき、また、セルロース鎖の切断も起こりにくいため、好ましい。
Figure 0006361123
(式6中、R5及びR6は、同一又は異なる水素又はC1〜C6の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を示す。)
N−オキシル化合物の使用量は、セルロースをナノファイバー化できる触媒量であれば特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.01〜10mmolが好ましく、0.01〜1mmolがより好ましく、0.05〜0.5mmolがさらに好ましい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.1〜100mmolが好ましく、0.1〜10mmolがより好ましく、0.5〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、コストの観点から、現在工業プロセスにおいて最も汎用されている安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが特に好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.5〜500mmolが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましく、1〜25mmolがさらに好ましく、3〜10mmolが最も好ましい。
セルロースの酸化工程は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってパルプを構成するセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを9〜12、好ましくは10〜11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5〜6時間、好ましくは2〜6時間、さらに好ましくは4〜6時間程度である。しかしながら本発明においては、前述のとおり酸化時間を低減できるので、反応時間は30分以上120分が好ましく、30〜100分がより好ましく、30〜70分がさらに好ましい。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、セルロース原料にに効率よくカルボキシル基を導入でき、セルロース原料の酸化を促進することができる。
酸化セルロースのカルボキシル基量が、セルロースの絶乾質量に対して、0.2mmol/g以上となるように条件を設定することが好ましい。この場合のカルボキシル基量は、より好ましくは0.6mmol/g〜2.0mmol/g、さらに好ましくは1.0mmol/g〜1.8mmol/gである。カルボキシル基量は、酸化反応時間の調整、酸化反応温度の調整、酸化反応時のpHの調整、N−オキシル化合物や臭化物、ヨウ化物、酸化剤の添加量の調整などを行なうことにより調製できる。
(2)カチオン変性
上記のセルロース原料にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライト又はそのハロヒドリン型などのカチオン化剤と触媒である水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を水及び/又は炭素数1〜4のアルコールの存在下で反応させることによって、カチオン変性されたセルロースを得ることができる。なお、この方法において、得られるカチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は、反応させるカチ
オン化剤の添加量、水及び/又は炭素数1〜4のアルコールの組成比率をコントロールすることによって、調整することができる。
本発明において、カチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度が0.02〜0.50であることが好ましい。セルロースにカチオン置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。
このため、カチオン置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.02より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。次の解繊を効率よく行なうために、上記で得た酸化されたセルロース系原料は洗浄されることが好ましい。
<セルロースの解繊>
前記で得た変性セルロースあるいは無変性セルロース(以下、単に「セルロース」ということがある。)を含む分散液を調製し、当該セルロースを解繊してナノファイバー化する。「ナノファイバー化する」とは、セルロースを、平均繊維幅2〜150nm、平均繊維長0.1〜5μmのセルロースファイバーへと加工することを意味する。分散液とは前記酸化セルロースが分散媒に分散している液である。取扱い容易性から、分散媒は水であることが好ましい。
当該セルロースを解繊して前記分散媒中に分散させるには、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いて前記分散液に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、セルロースナノファイバーを効率よく得るには、前
記分散液に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。この処理により、セルロース系原料が解繊してセルロースナノファイバーが形成され、かつセルロースナノファイバーが分散媒中に分散する。
前記処理に供する分散液中の変性セルロース濃度は、0.3%(w/v)以上であるが、好ましくは1〜2%(w/v)、より好ましくは3〜5%(w/v)である。
<セルロースナノファイバー>
本発明において、セルロースナノファイバーの平均繊維長0.1〜5μm、且つ平均繊維幅2〜150nmとすることで水系接着剤組成物の強度が大幅に向上する。さらに、平均繊維長は0.1〜0.3μm、且つ平均繊維幅が3〜100nmとすることで、水系接着剤組成物の強度が大幅に向上するとと共に、優れた伸びも発現する。
2.水系樹脂接着剤
本発明において、水系樹脂接着剤(以下、単に「樹脂」ということがある。)とは水を媒体にした樹脂であり、溶媒成分の40重量%以上が水である。
本発明において、水性接着剤は特に限定されるものではないが、ユリア−ホルムアルデヒド樹脂接着剤、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂接着剤、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂接着剤、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂接着剤等のホルムアルデヒド樹脂系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、エチレンビニルアルコール系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、水溶性樹脂系接着剤、水性高分子―イソシアネート系接着剤を例示することができる。これらの中では、セルロースナノファイバーとの相溶性の点から、酢酸ビニル系接着剤あるいはエチレン酢酸ビニル系接着剤を用いることが好ましい。
3.水系接着剤組成物
本発明の水系接着剤組成物において、水系樹脂接着剤とセルロースナノファイバーを含有することが重要である。水系樹脂接着剤とセルロースナノファイバーの配合比率は、水系樹脂接着剤:セルロースナノファイバー=100:0.1〜100:5であることが望ましい。セルロースナノファイバーの比率が0.1%より少ないと強度が向上せず、5%より多いと粘度が高すぎてフィルム成形が困難になる。
本発明において、水系樹脂接着剤とセルロースナノファイバーを混合する方法は特に限定されものではなく、一般的な撹拌機等を使用することができる。
[セルロースナノファイバーの製造1]
漂白済み針葉樹由来DKP(バッカイ社製)5g(絶乾)を、TEMPO(Sigma
Aldrich社)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム755mg(7.4mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に2M次亜塩素酸ナトリウム水溶液16ml添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した(酸化処理)。反応中は系内のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。2時間反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで酸化セルロースを得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を次のようにして測定したところ、1.7mmol/gであった:
酸化セルロースの0.5質量%スラリーを60ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した。
カルボキシル基量〔mmol/gパルプ〕= a〔ml〕× 0.05/酸化セルロース質量〔g〕。
1%(w/v)の酸化セルローススラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で10回処理したところ(解繊及び分散処理)、透明なゲル状であるセルロースナノファイバー分散液が得られた。得られたセルロースナノファイバーの繊維長は250nm、繊維幅は4nmであった。
<平均繊維長>
マイカ切片上に固定したセルロースナノファイバーの原子間力顕微鏡像(3000nm×3000nm)から、繊維長を測定し、数平均繊維長を算出した。繊維長測定は、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事)を用い、長さ100nm〜2000nmの範囲で行った。
<平均繊維幅>
セルロースナノファイバーの濃度が0.001質量%となるように希釈したセルロースナノファイバー水分散液を調製した。この希釈分散液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥させて観察用試料を作成し、原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した形状像の断面高さを計測し、数平均繊維径を算出した。
[セルロースナノファイバーの製造2]
セルロース原料を漂白済み針葉樹由来クラフトパルプ(日本製紙社製)に変更した以外は製造例1と同様にしてセルロースナノファイバーを製造した。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量は1.7mmol/g、得られたセルロースナノファイバーの繊維長は450nm、繊維幅は4nmであった。
[セルロースナノファイバーの製造3]
応系に添加する2M次亜塩素酸ナトリウム水溶液を10mlに変更した以外は製造例2
と同様にしてセルロースナノファイバーを製造した。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量は1.0mmol/g、得られたセルロー
スナノファイバーの繊維長は500nm、繊維幅は10nmであった。
[セルロースナノファイバーの製造4]
応系に添加する2M次亜塩素酸ナトリウム水溶液を12mlに変更した以外は製造例2
と同様にしてセルロースナノファイバーを製造した。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量は1.2mmol/g、得られたセルロー
スナノファイバーの繊維長は480nm、繊維幅は8nmであった。
[セルロースナノファイバーの製造5]
パルプを混ぜることが出来る撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙製)を乾燥重量質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥重量質量で70g加え、パルプ固形濃度分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを100g(有効成分換算)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.1のカルボキシルメチル化したセルロースを得た。
1%(w/v)のカルボキシルメチル化したセルローススラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で10回処理したところ(解繊及び分散処理)、透明なゲル状であるセルロースナノファイバー分散液が得られた。得られたセルロースナノファイバーの繊維長は350nm、繊維幅は30nmであった。
(グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定方法)
セルロース系添加剤(絶乾)試料約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CM化セルロース)をH−CM化セルロースにした。その絶乾H−CM化セルロースを1.5〜2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLでH−CM化セルロースを湿潤し、0.1N−NaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N−H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。カルボキシメチル置換度(DS)をは、次式によって算出した。:
A=[(100×F’−(0.1N−H2SO4)(mL)×F)×0.1]/(H−CM化セルロースの絶乾重量質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:H−CM化セルロースの1gの中和に要する1N−NaOH量(mL)
F’:0.1N−H2SO4のファクター
F:0.1N−NaOHのファクター
[セルロースナノファイバーの製造6]
パルプを攪拌することができるパルパーに、パルプ(NBKP、日本製紙(株)製)を乾燥重量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥重量で24g加え、パルプ固形濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、カチオン化剤として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを100g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカチオン置換度0.1のカチオン変性されたセルロースを得た。
1%(w/v)のカチオン変性カルボキシルメチル化したセルローススラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で10回処理したところ(解繊及び分散処理)、透明なゲル状であるセルロースナノファイバー分散液が得られた。得られたセルロースナノファイバーの繊維長は350nm、繊維幅は40nmであった。
(グルコース単位当たりのカチオン置換度の測定方法)
カチオン基の置換度は、試料(カチオン変性されたセルロース)を乾燥させた後に、全窒素分析計TN−10(三菱化学)で窒素含有量を測定し、次式により算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
カチオン置換度=(162×N)/(1−151.6×N)
N:窒素含有量
[セルロースナノファイバーの製造7]
投入するアルカリ量は水酸化ナトリウムを110g、モノクロロ酢酸ナトリウムを210gとした、カルボキシメチル置換度が0.3の変性パルプを解繊するカルボキシメチル化したセルロースを得たこと以外は、実施例5と同様に行った。
得られたカルボキシメチル化したセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.3、得られたセルロースナノファイバーの繊維長は300nm、繊維幅は10nmであった。
[セルロースナノファイバーの製造8]
投入する3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを200g(有効成分換算)に変更した以外は製造例6と同様にして行った。
得られたカチオン変性したセルロースのカチオン置換度は0.2、得られたセルロースナノファイバーの繊維長は350nm、繊維幅は40nmであった。
[セルロースナノファイバーの製造9]
超高圧ホモジナイザーの処理を行わなかった以外は実施例2と同様に行った。得られた酸化セルロースのカルボキシル基量は1.7mmol/g、繊維長は300μm、繊維幅は10μmであった。

[実施例1]
製造例1で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)11.0g、酢酸ビニル系接着剤(商品名:木工用ボンド速乾用、コニシ社製、固形分:55%)20.0gを混合し、水系接着剤組成物を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
<最大点応力、最大点伸度、弾性率>
得られた水系接着剤組成物を常温で乾燥・固化させ、縦200mm、横25mm、厚さ1mmの試験用のフィルムを得た。得られたフィルムをJIS K7127に準拠し、引張試験装置(オリエンテック社 RTC1210)を用いて最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定(引張速度50mm/min、チャック間距離100mm)した。
[実施例2]
製造例2で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[実施例3]
製造例3で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[実施例4]
製造例4で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[実施例5]
製造例5で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[実施例6]
製造例6で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[実施例7]
製造例7で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[実施例8]
製造例8で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[比較例1]
酢酸ビニル系接着剤(商品名:木工用ボンド速乾用、コニシ社製、固形分:55%)を固形分35.5%に水で希釈した水性接着剤組成物を得た。得られた水系接着剤組成物(
固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
[比較例2]
製造例9で得られたセルロースナノファイバー(1%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして水性接着剤組成物(固形分35.5%)を得た。得られた水系接着剤組成物(固形分35.5%)の最大点応力、最大点伸度、弾性率を測定した。結果は表1に示す。
Figure 0006361123

Claims (3)

  1. 水系樹脂接着剤と、平均繊維長が0.1〜0.3μmであり、且つ平均繊維幅が3〜100nmであるセルロースナノファイバーを含有することを特徴とする水系接着剤組成物。
  2. 前記水系樹脂接着剤が酢酸ビニル系接着剤あるいはエチレン酢酸ビニル系接着剤であることを特徴とする請求項1記載の水系接着剤組成物。
  3. 前記セルロースナノファイバーがアニオン変性あるいはカチオン変性されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水系接着剤組成物。
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