JP6862173B2 - エステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法 - Google Patents
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Description
このようなミクロフィブリル化セルロースの機械的特性を、既に幅広く利用されている樹脂の分野に活用することが試みられている。例えば、樹脂の物性、機能等の向上や、新たな物性、機能等の付与を目的として、樹脂にミクロフィブリル化セルロースを混合、複合等することが試みられている。特に、環境負荷の観点から生分解性樹脂が注目されており、この生分解性樹脂とミクロフィブリル化セルロースを混合、複合することが試みられている。
また、上記の微細セルロース繊維は、前述のミクロフィブリル化セルロースの基本骨格となる、幅4nm程度の高強度のナノファイバーである。このナノファイバーは、水中での凝集が抑制されているだけでなく、低エネルギーで製造する事が可能である。このようにして得られた微細セルロース繊維は、数nmから数10nmの繊維径を有するナノファイバーの分散体であることも特許文献3によって報告されている。
しかしながら、上記の微細セルロース繊維は、親水性の繊維であるため樹脂に添加すると凝集し易く、微細セルロース繊維と樹脂との界面強度が弱いという問題点がある。なお、該微細セルロース繊維を、公知のセルロース誘導体、例えば酢酸セルロース等に転化して疎水性(親油性)を付与しても、前記のとおりセルロースI型結晶構造がII型結晶構造に転化することにより強度が低下するので、問題の解決にはならない。さらに、製造された微細セルロース繊維の耐熱性は低く、用途が限定されるという問題もある。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔5〕を提供する。
〔1〕下記工程(A)〜(E)を有する、エステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
工程(A):アニオン変性セルロースを解繊して、繊維幅が4〜500nmであるアニオン変性セルロースナノファイバーの分散液を得る工程
工程(B):前記アニオン変性セルロースナノファイバーを有機オニウム化合物により処理して、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を得る工程
工程(C):前記アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を洗浄した第一の洗浄物を、第一の溶媒に分散してアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩分散液を得る工程
工程(D):前記アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩とアルキル化剤を反応させて、エステル化セルロースナノファイバーを得る工程
工程(E):前記エステル化セルロースナノファイバーを洗浄した第二の洗浄物を、第二の溶媒に分散してエステル化セルロースナノファイバー分散液を得る工程
〔2〕下記工程(E)が、下記工程(e)を有する上記〔1〕に記載のエステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
工程(e):前記第二の洗浄物を、前記第二の溶媒に分散した後、微細化処理する工程
〔3〕前記アニオン変性セルロースナノファイバーのアスペクト比が100以上である上記〔1〕又は〔2〕に記載のエステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
〔4〕前記工程(A)における前記アニオン変性セルロースが、前記アニオン変性セルロースの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシル化セルロースである、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のエステル化セルロースナノファイバーの分散液の製造方法。
〔5〕前記工程(A)における前記アニオン変性セルロースが、前記アニオン変性セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度が0.01〜0.50であるカルボキシメチル化セルロースである、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のエステル化セルロースナノファイバーの分散液の製造方法。
工程(A):アニオン変性セルロースを解繊して、繊維幅が4〜500nmであるアニオン変性セルロースナノファイバーの分散液を得る工程。
工程(B):前記アニオン変性セルロースナノファイバーを有機オニウム化合物により処理して、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を得る工程。
工程(C):前記アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を洗浄した第一の洗浄物を、第一の溶媒に分散してアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩分散液を得る工程。
工程(D):前記アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩とアルキル化剤を反応させて、エステル化セルロースナノファイバーを得る工程。
工程(E):前記エステル化セルロースナノファイバーを洗浄した第二の洗浄物を、第二の溶媒に分散してエステル化セルロースナノファイバー分散液を得る工程。
本発明のエステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法においては、乾燥工程を経ずに第一の洗浄物及び第二の洗浄物を直接溶媒に分散させることで分散性が向上するという、予想外の効果が得られる。現在のところ、以下の理由によるものと推察される。
第一の洗浄物及び第二の洗浄物を乾燥させると、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩又はエステル化セルロースナノファイバーの、水酸基やカルボキシル基が直接水素結合を形成する。当該水素結合により、第一の溶媒又は第二の溶媒が侵入する隙間が小さくなり、溶媒和による解離が生じ難くなる。そのため、分散性が劣るものとなる。一方、乾燥工程を経ない第一の洗浄物及び第二の洗浄物においては、洗浄液(水やアルコール)がアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩又はエステル化セルロースナノファイバーの、水酸基やカルボキシル基と水素結合を介在するものと考えられる。そのため、第一の溶媒又は第二の溶媒で分散する際、水素結合を介在する洗浄液(水やアルコール)の分子が溶媒に置き換わり、溶媒和による解離が生じ易くなる。従って、分散性が向上する。
工程(A)は、アニオン変性セルロースを解繊して、繊維幅が4〜500nmであるアニオン変性セルロースナノファイバーの分散液を得る工程である。
アニオン変性セルロースとしては、上記のセルロース原料を出発原料として調製されるカルボキシル化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、リン酸エステル基を導入したセルロース等が挙げられる。
以下、各セルロース誘導体の調製工程を説明する。
アニオン変性セルロースとしてカルボキシル化セルロースを用いる場合、カルボキシル化セルロースは、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシル化することにより調製することができる。カルボキシル化の際には、アニオン変性セルロースの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6mmol/g〜2.0mmol/gとなるように調整することが好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gになるように調整することがさらに好ましい。カルボキシル基の量が斯かる範囲であると、樹脂との相溶性に優れ、ナノコンポジットの製造に適したセルロースナノファイバーにすることができる。
N−オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。絶乾1gのセルロースに対して、0.01mmol〜10mmolが好ましく、0.01mmol〜1mmolがより好ましく、0.05mmol〜0.5mmolがさらに好ましい。また、その濃度は、反応系に対し、0.1mmol/L〜4mmol/L程度が好ましい。
臭化物又はヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物及びヨウ化物の合計量は、絶乾1gのセルロースに対して、0.1mmol〜100mmolが好ましく、0.1mmol〜10mmolがより好ましく、0.5mmol〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤の使用量は、絶乾1gのセルロースに対して、0.5mmol〜500mmolが好ましく、0.5mmol〜50mmolがより好ましく、1mmol〜25mmol、3mmol〜10mmolがさらに好ましい。また、例えば、N−オキシル化合物1molに対して1mol〜40molが好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常、0.5時間〜6時間であり、0.5時間〜4時間であることが好ましい。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段階目の反応終了後に濾別して得られたカルボキシル化セルロースを、再度、同一又は異なる反応条件で酸化することにより、1段階目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、効率よく酸化することができる。
オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50g/m3〜250g/m3であることが好ましく、50g/m3〜220g/m3であることがより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、5質量部〜30質量部であることがより好ましい。
オゾン処理温度は、0℃〜50℃であることが好ましく、20℃〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、1分〜360分程度であり、30分〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、カルボキシル化セルロースの収率が良好となる。
なお、カルボキシル基の量は、例えば、次のようにして測定することができる。カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリーを60ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下記(式1)を用いて算出することができる。
(式1):カルボキシル基の量〔mmol/g(カルボキシル化セルロース)〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロースの質量〔g〕
アニオン変性セルロースとしてカルボキシメチル化セルロースを用いる場合、カルボキシメチル化セルロースは、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシメチル化することにより調製することができる。また、市販品を用いてもよい。
なお、溶媒の使用量は、質量部換算で、セルロースの3〜20倍である。
マーセル化剤の使用量は、モル換算で、出発原料のピラノース残基当たり0.5〜20倍である。
アニオン変性セルロースとしてリン酸基を導入したセルロースを用いる場合、リン酸基を導入したセルロースは、例えば、セルロース原料に対し、リン酸基を有する化合物を反応させて調製することができる。セルロース原料とリン酸基を有する化合物を反応させる方法としては、例えば、セルロース原料にリン酸基を有する化合物の粉末又は水溶液を混合する方法、セルロース原料のスラリーにリン酸基を有する化合物の水溶液を添加する方法等が挙げられる。
これらの中でも、反応の均一性が高まり、かつリン酸基の導入効率が高くなることから、セルロース原料又はそのスラリーにリン酸基を有する化合物の水溶液を混合する方法が好ましい。リン酸基を有する化合物の水溶液のpHは、リン酸基の導入の効率を高める観点から7以下が好ましく、加水分解を抑える観点から3〜7がより好ましい。
なお、リン酸基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上の組み合わせて用いてもよい。
リン酸基を有する化合物の添加量は、0.2質量部〜500質量部が好ましく、1質量部〜400質量部がより好ましい。
塩基性化合物は特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。「塩基性を示す」とは、通常、フェノールフタレイン指示薬の存在下で塩基性化合物の水溶液が桃〜赤色を呈すること、または塩基性化合物の水溶液のpHが7より大きいことを意味する。
塩基性化合物の添加量は、2〜1000質量部が好ましく、100〜700質量部がより好ましい。反応温度は、0℃〜95℃が好ましく、30℃〜90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、通常、1分〜600分程度であり、30分〜480分が好ましい。反応条件がこれらのいずれかの範囲内であると、セルロースに過度にリン酸基が導入されて溶解し易くなることを防ぐことができ、リン酸基を導入したセルロースの収率を向上させることができる。
リン酸基を導入したセルロースにおいて、グルコース単位当たりのリン酸基の置換度の下限は、0.001以上が好ましい。斯かる範囲であることにより、十分な解繊(例えば、ナノ解繊)を実施し得る。また、リン酸基の置換度の上限は、0.60以下が好ましい。斯かる範囲であることにより、リン酸基を導入したセルロースの膨潤又は溶解を防止し、ナノファイバーが得られない事態を防止することができる。
グルコース単位当たりのリン酸基の置換度は、0.001〜0.60であることが好ましい。
リン酸基を導入したセルロースは、煮沸後、冷水で洗浄する等の洗浄処理を施すことが好ましい。洗浄処理を施すことにより、効率よく解繊を行うことができる。
アニオン変性セルロースを解繊する際に用いる装置は特に限定されない。例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の従来公知の装置を用いることができる。
解繊の際には、強力なせん断力を印加して解繊することが好ましい。特に、効率よく解繊するには、50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーを用いることがより好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊及び分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサー等の公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて、予備処理を施してもよい。
さらに、上記した反応物繊維を溶媒によって希釈、分散する際には、少量の溶媒を加えて段階的に分散を試みると、効率的にナノファイバーレベルの繊維の分散体を得ることができる場合があり好ましい。操作上の問題から、分散処理後の状態は粘性のある分散液又はゲル状の状態となるように分散条件を選ぶことが好ましい。
アニオン変性セルロースナノファイバーは、カルボキシル化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、リン酸エステル基を導入したセルロース等のアニオン変性セルロースを解繊して得られる、繊維幅が4〜500nmのナノファイバーである。
アニオン変性セルロースナノファイバーとして、カルボキシメチル化セルロースを解繊したカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを用いる場合、グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度は0.01〜0.50となるものが好ましい。カルボキシメチル基の置換度が斯かる範囲であると、樹脂との相溶性に優れ、ナノコンポジットの製造に適したセルロースナノファイバーにすることができる。
(式2):A=[(100×F’−(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾質量(g))
(式3):DS=0.162×A/(1−0.058×A)
((式2)及び(式3)中、Aは、水素型カルボキシメチル化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)を示す。(式2)中、F’は0.1NのH2SO4のファクターを示し、Fは、0.1NのNaOHのファクターを示す。)
なお、繊維幅は、例えば、以下のようにして測定することができる。電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析して平均値をとることで算出することができる。また、アスペクト比は、繊維幅と同様にして平均繊維長を算出し、平均繊維長を繊維幅で割ることにより算出することができる。
工程(B)は、工程(A)で得たアニオン変性セルロースナノファイバーを有機オニウム化合物により処理して、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を得る工程である。当該処理により、親水性であるアニオン変性セルロースナノファイバーを疎水性(親油性)のアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩にする。当該処理としては、例えば、N−オキシル化合物(TEMPO等)酸化により生じたカルボキシアニオン等に、有機アンモニウム、有機ホスホニウムのようなオニウム構造を有する有機オニウム化合物を加えて反応させることで、容易に疎水化(親油化)できる。
アルキル基としては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等がある。
アラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、ベンジル基、o−トルイルメチル基、m−トルイルメチル基、p−トルイルメチル基、2−フェニルエチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基等がある。
芳香族基としては、炭素原子数6〜20の芳香族基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ベンジル基、トシル基等がある。
R1〜R4は、それらの熱安定性に影響を及ぼさないメチル、エチル、弗素、塩素等の置換基を有していてもよい。
一般式(5)のMが窒素原子である有機オニウムイオンは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(5)のMがリン原子である有機オニウムイオンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記を踏まえて、有機オニウム化合物としては、トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロミドが好ましい。
当該処理方法としては、例えば、カチオン交換前のアニオン変性セルロースナノファイバーを水に分散させた分散液と有機オニウム化合物の溶液を混合攪拌した後、生じた疎水性(親油性)のアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩をろ過、遠心分離等の方法により媒体と分離する方法がある。
反応時の温度としては、分散液が攪拌するのに充分低い粘度を有すればよく、例えば、水の場合には、概略20〜100℃程度で有機オニウム化合物での処理を行うことが好ましい。こうして得られた修飾後の有機オニウム化合物での処理済みアニオン変性セルロースナノファイバー(アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩)は反応終了後、未反応の有機ホスホニウムイオンを取り除くため十分に洗浄することが好ましい。洗浄方法としては特に限定するものではないが、例えば有機溶媒等の有機ホスホニウム化合物の良溶媒にて洗浄することが挙げられる。
なお、陽イオン交換率は下記(式4)にて算出することができる。
(式4):陽イオン交換率(%)=1−(A/B)
((式4)中、Aは、イオン交換後のアニオン変性セルロースナノファイバー中のアルカリ金属量[質量ppm]を示し、Bは、イオン交換前のアニオン変性セルロースナノファイバー中のアルカリ金属量[質量ppm]を示す。)
工程(C)は、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を洗浄した第一の洗浄物を、第一の溶媒に分散してアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩分散液を得る工程である。
本工程において、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を洗浄した後、乾燥工程を経ることなく第一の溶媒に分散することで、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩が水素結合により凝集し、分散性が悪化することを抑制することができる。
洗浄は、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を溶解せず、工程(B)で用いた未反応の有機オニウム化合物や、反応後の有機オニウム化合物のアルカリ金属塩を除くために行う。例えば、水やメタノールを用いて、洗浄することができる。
有機オニウム化合物がアルキルオニウム化合物の場合、アニオン変性セルロースナノファイバーのアルキルオニウム塩がジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドに分散し易いので好適に用いる事ができる。
なお、第一の溶媒は1種単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
工程(D)は、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩とアルキル化剤を反応(エステル化反応)させて、エステル化セルロースナノファイバーを得る工程である。
有機オニウム化合物で処理をしたアニオン変性セルロースナノファイバーは、エステル化反応に使用する有機溶媒に添加した後、ホモジナイザー等のせん断が印加できる装置にて分散処理を施す事が好ましい。その後に、ハロゲン化アルキル等のアルキル化剤を添加してエステル化反応を実施することが好ましい。
ハロゲン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化プロピル、臭化プロピル、ヨウ化プロピル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチル、塩化ヘキシル、臭化ヘキシル、ヨウ化ヘキシル、塩化デシル、臭化デシル、ヨウ化デシル、塩化ヘキサデシル、臭化ヘキサデシル、ヨウ化ヘキサデシル、塩化オクタデシル、臭化オクタデシル、ヨウ化オクタデシル、塩化コレステリル、臭化コレステリル、ヨウ化コレステリル、塩化コレスタリル、臭化コレスタリル、ヨウ化コレスタリル、炭素原子数が1〜50のポリフルオロアルキルクロリド、炭素原子数が1〜50のポリフルオロアルキルブロミド、炭素原子数が1〜50のポリフルオロアルキルヨード等が挙げられる。これらの中でも、臭化物が反応性及び取り扱い性の面から好ましい。
反応時間としては、0.1時間〜30時間が好ましく、1時間〜24時間とするのが好ましい。
なお、重合反応に用いる反応容器は特に限定されない。
工程(E)は、エステル化セルロースナノファイバーを洗浄した第二の洗浄物を、第二の溶媒に分散してエステル化セルロースナノファイバー分散液を得る工程である。
工程(E)は、第二の洗浄物を、第二の溶媒に分散した後、微細化処理する工程(e)であることが好ましい。
なお、第二の溶媒は1種単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定した。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下記の式を用いて算出した。
(式):カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕。
アニオン変性CNFの平均繊維径および平均繊維長は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析した。なおアスペクト比は下記の式により算出した:
(式):アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径。
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社)780mgと臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するので、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整し続けた。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。
反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプを分離し、分離したパルプを十分に水洗することでカルボキシル化セルロース(酸化されたパルプ)を調製した。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基の量は1.6mmol/gであった。
上記で得た分散液100質量部を、攪拌羽根を供えたビーカーに入れて、70℃にて加熱攪拌した。有機オニウム化合物として、トリ-n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(日本化成工業製、カタログナンバー:PX416)11質量部をイオン交換水300質量部に溶解した溶液を加え、70℃で3時間攪拌した。
混合物から固体を濾別し、メタノールで3回、水で3回洗浄した後、ジメチルホルムアミド(DMF)100質量部を加えた。回転刃式ミキサーで約5分間の撹拌処理を行った後、ブフナーロートを用いてろ過した。DMFによる溶解、撹拌、ろ過処理をさらに2回繰り返した後、DMFを加えて撹拌し、有機オニウム化合物にて処理されたセルロースナノファイバー(カルボキシル化セルロースナノファイバーのオニウム塩)の1.0質量%DMF分散液を得た。
上記セルロースナノファイバーの1.0質量%DMF分散液100質量部に、アルキル化剤として臭化ブチル6.9質量部を添加した後、ホモジナイザーで10分間分散処理を行った。反応温度を85℃に設定し、約24時間反応させた。
反応物をメタノールで3回、水で3回洗浄した後、ジメチルホルムアミド(DMF)100質量部を加えて回転刃式ミキサーで約5分間の撹拌処理を行った。その後、ブフナーロートを用いてろ過した。DMFによる溶解、撹拌、ろ過処理をさらに2回繰り返した後、DMFを加えて撹拌し、超高圧ホモジナイザーを用いて3回解繊処理を行い(20℃、150MPa)、エステル化セルロースナノファイバーの3.0質量%のDMF分散液を得た。この分散液は無色透明であり、エステル化セルロースナノファイバーが均一に分散している事が確認された。
実施例1において、エステル化セルロースナノファイバーの溶解、撹拌、ろ過処理と超高圧ホモジナイザー処理に用いる溶媒を、DMFからメチルエチルケトン(MEK)に変えた事以外は実施例1と同様に行ない、エステル化セルロースナノファイバーのMEK分散液を得た。この分散液は無色透明であり、エステル化セルロースナノファイバーが均一に分散している事が確認された。
製造例1において得られた0.2質量%のアニオン変性セルロースナノファイバーの分散液100質量部を、攪拌羽根を供えたビーカーに入れ70℃に加熱攪拌した。有機オニウム化合物として、トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(日本化成工業製、カタログナンバー:PX416)11質量部をイオン交換水300質量部で溶解した溶液を加え、70℃で3時間攪拌した。混合物から固体を濾別し、メタノールで3回、水で3回洗浄した後、有機オニウム化合物で処理されたアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を得た。このアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を一昼夜減圧乾燥した。
このエステル化セルロースナノファイバーの乾燥物3.0質量部をジメチルホルムアミド100質量部に添加し、回転刃式ミキサーで約5分間の撹拌処理を行った後、超高圧ホモジナイザーを用いて150MPaで3回解繊処理を行い、エステル化セルロースナノファイバーの分散液を得た。この分散液は白濁しており、エステル化セルロースナノファイバーの分散性が不良である事が確認された。
比較例1において、エステル化セルロースナノファイバーの超高圧ホモジナイザー処理に用いる溶媒を、DMFからメチルエチルケトン(MEK)に変えた事以外は比較例1と同様に行ないエステル化セルロースナノファイバーのMEK分散液を得た。この分散液は白濁しており、エステル化セルロースナノファイバーの分散性が不良である事が確認された。
実施例2、比較例2でそれぞれ得られた、エステル化セルロースナノファイバーの3.0質量%のMEK分散液を、それぞれガラス板の上に滴下して直径5cm程度の円形に拡げた。これを40℃のオーブンで乾燥させてフィルムを形成した。これらのフィルムの透明性を目視で観察したところ、実施例2で得られたエステル化セルロースナノファイバーを用いた場合、既存のフィルムとして比較して問題のない透明性を有していたが、比較例2で得られたエステル化セルロースナノファイバーを用いた場合、フィルムが不透明であった。
Claims (5)
- 下記工程(A)〜(E)を有する、エステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
工程(A):アニオン変性セルロースを解繊して、繊維幅が4〜500nmであるアニオン変性セルロースナノファイバーの分散液を得る工程
工程(B):前記アニオン変性セルロースナノファイバーを有機オニウム化合物により処理して、アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を得る工程
工程(C):前記アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩を洗浄した第一の洗浄物を、乾燥工程を経ずに、第一の溶媒に分散してアニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩分散液を得る工程
工程(D):前記アニオン変性セルロースナノファイバーのオニウム塩とアルキル化剤を反応させて、エステル化セルロースナノファイバーを得る工程
工程(E):前記エステル化セルロースナノファイバーを洗浄した第二の洗浄物を、乾燥工程を経ずに、第二の溶媒に分散してエステル化セルロースナノファイバー分散液を得る工程 - 下記工程(E)が、下記工程(e)を有する請求項1に記載のエステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
工程(e):前記第二の洗浄物を、乾燥工程を経ずに、前記第二の溶媒に分散した後、微細化処理する工程 - 前記アニオン変性セルロースナノファイバーのアスペクト比が100以上である請求項1又は2に記載のエステル化セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
- 前記工程(A)における前記アニオン変性セルロースが、前記アニオン変性セルロースの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシル化セルロースである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエステル化セルロースナノファイバーの分散液の製造方法。
- 前記工程(A)における前記アニオン変性セルロースが、前記アニオン変性セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度が0.01〜0.50であるカルボキシメチル化セルロースである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエステル化セルロースナノファイバーの分散液の製造方法。
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