JP6360361B2 - オーバーロックミシン - Google Patents
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Description
そして、この上メスを使用しない場合には、ミシン主軸との連動状態を解除し上メスを針板の下方で停止させることで、上メスを布縁切断位置から退避した退避状態とし、針板上での布扱いを容易にしたオーバーロックミシンが知られている(例えば特許文献1参照)。
他方、図14に示したミシン200であると、上メス201が針板202上から突出したままであるために、布ガイドが不要な縫製の場合には上メス201が邪魔となってしまう。
このため、本発明の課題は、上メスの連動状態、退避状態及びガイド状態の切り替えを可能とすることでオーバーロックミシンの使い勝手を高めることである。
針板よりも下方である退避位置又は前記針板よりも上方である突出位置に移動自在とするとともに、前記針板の上方から上下動して下メスとの協働により縫製物を切断可能とした上メスと、
前記上メスを上下動させる上メス駆動部と、
前記上メス駆動部と前記上メスとが連動している連動状態又は前記上メス駆動部と前記上メスとの連動が解除されている解除状態を切り替える連動切替部と、
前記上メスの配置位置を、前記突出位置又は前記退避位置に切り替える上メス位置切替部と、
前記連動切替部が前記連動状態で前記上メス位置切替部が前記上メスの配置位置を前記突出位置とする第一形態と、前記連動切替部が前記解除状態で前記上メス位置切替部が前記上メスの配置位置を前記突出位置とする第二形態と、前記連動切替部が前記解除状態で前記上メス位置切替部が前記上メスの配置位置を前記退避位置とする第三形態とに切り替わるように、前記連動切替部及び前記上メス位置切替部を駆動させる操作部とを備えることを特徴としている。
前記第二形態の前記上メスの配置位置が、前記突出位置であって当該上メスの上死点よりも低いガイド位置とすることを特徴としている。
前記操作部は、
回転自在な軸体と、
前記軸体とともに回転し、前記上メス位置切替部に係合して当該上メス位置切替部を動作させるカム部と、
前記カム部から所定の間隔を開けて前記軸体に取り付けられ、前記連動切替部を動作させる第一リンク部とを備え、
前記上メス位置切替部は、
前記カム部が係合することにより、前記第二形態の前記上メスの配置位置を前記ガイド位置で規制する第一規制部と、前記第一規制部とは異なる位置に前記カム部が係合することにより前記第三形態の前記上メスの配置位置を前記退避位置で規制する第二規制部とを有することを特徴としている。
前記上メス位置切替部は、
前記カム部が前記上メス位置切替部と係合しない状態では、前記上メスの配置位置を前記第一形態の前記突出位置に切り替えることを特徴としている。
前記下メス及び前記上メスの水平方向の位置を調整するメス位置調整機構をさらに備えることを特徴としている。
図1〜図3は、本実施形態に係るオーバーロックミシン(以下、ミシンと称す。)の要部構成をそれぞれ異なる方向から見た斜視図である。また、図4はミシンの要部構成を示す正面図であり、図5は一側面図、図6は他側面図、図7は図6の構成に対してカバーを追加した図である。
なお、ミシン主軸101に対して平行な方向をX方向、水平面でX方向に直交する方向をY方向、垂直面でX方向に直交する方向をZ方向とする。
上メス2は、上メスホルダ21によって固定されている。上メスホルダ21は、下メス土台8に支持された上メスガイド22によって昇降自在に保持されている。上メスガイド22には、上メスホルダ21を上下方向(Z方向)に案内するため、上下方向に湾曲して延在した長孔221が形成されている。長孔221の長さは、上メス2が突出位置から退避位置まで移動可能な長さに設定されている。
軸体71の一端部には、当該軸体71を回転させるためのハンドル部711が取り付けられている。このハンドル部711は、カバー10から露出しており、人力で操作されるようになっている。なお、ハンドル部711は機械的に操作されてもよい。ハンドル部711には位置合わせ用マーク712が設けられている。他方、カバー10にも位置合わせ用の3つのマーク10a,10b,10cが設けられている。マーク10aは第一形態とするための基準である。マーク10bは第二形態とするための基準である。マーク10cは第三形態とするための基準である。ハンドル部711のマーク712をカバー10のマーク10a,10b,10cに合わせることで、第一形態、第二形態、第三形態をスムーズに切り替えることができるようになっている。
第一リンク部72は、連動切替部5に係合した状態で軸体71とともに回転し、連動切替部5を動作させるようになっている。
ロッド41の一端部には、ミシン主軸101とともに回転する偏心カム411が設けられている。このため、ミシン主軸101の回転に伴う偏心カム411の回転によって、ロッド41全体が揺動することになる。
また、ロッド41の他端部の下部には、上方に向かって凹んだ切欠412が形成されている。
また、ロッド41には、当該ロッド41に対して切欠412と係合部425(後述)とが密着する方向に付勢力を付与する付勢手段としてのバネ43がミシン機枠(図示省略)との間で張架されている。
基部422には、ロッド41の切欠412に対して係合自在な係合部425が取り付けられている。この係合部425は、X方向に平行に延在した円柱形状に形成されている。係合部425が切欠412に係合している状態では、バネ43によって両者の係合が強固なものとなっている。この状態でロッド41が揺動すると、回転軸421を中心にして第二リンク部42がロッド41の揺動に追従して揺動する。揺動時においては、アーム部423に連結された上メスホルダ21が上メスガイド22によって案内されながら昇降するため、上メス2が下メス1に対して上下方向に摺動する。この摺動による上メス2と下メス1との協働によって、布縁が切断されるようになっている。
上メスホルダ21に連結するアーム部423の円筒部423a内には圧縮バネが挿入されており、下メス土台8のX方向に追従して上メスホルダ21が水平方向に移動するように付勢されている。これによって、メス位置調整機構11により下メスホルダ21が移動されても、下メス1の刃と上メス2の刃が常に合致するようになっている。
第一リンク部72は軸体71に連結されており、操作部7のハンドル部711が操作されると、軸体71の回転とともに第一リンク部72が回転する。
板状部材51の上部の孔(図示なし)には、第一リンク部72に設けられた軸部72aが挿通されており、第一リンク部72の回転に伴って板状部材51が移動する。板状部材51の下部には、板状部材51の移動を上下方向に規制するための長孔53が形成されていて、この長孔53に、フレーム9に設けられたピン部91が係合されている。また、板状部材51は、軸部72aに配置されたバネ76によってX方向でハンドル部711側へ付勢されている。
図12は、ロッド41の切欠412と、第二リンク部42の係合部425とが係合している連動状態を拡大して示す正面図である。図12に示すように、連動状態においては、ロッド41からローラ52が離れた位置に板状部材51が配置されている。
そして、軸体71及び第一リンク部72が矢印A方向に回転するように操作部7のハンドル部711が操作されると、第一リンク部72の回転に伴って板状部材51が上昇する。この上昇によって、図13に示すようにローラ52が上昇してロッド41を移動させて、切欠412が係合部425から離脱し解除状態となる。
解除状態から、軸体71及びカム部73が矢印B方向に回転するように操作部7のハンドル部711が操作されると、第一リンク部72の回転に伴って板状部材51が下降し、図12に示すようにローラ52も下降する。ロッド41はバネ43によって下方向へ付勢されているため、ローラ52の下降とともにロッド41は下降し、切欠412が係合部425に係合し連動状態となる。
まず、上メス2により布縁を切断して縫製する場合は、操作部7のハンドル部711を操作して、位置合わせ用マーク712とマーク10aが一致する位置まで回転させ、上メス2を突出位置に配置するとともに、上メス駆動部4と上メス2とを連動状態とさせて、第一形態とする。第一形態では、上メス2が針板3上の縫製物の上方から上下動して下メス2との協働により縫製物の切断が行われる。
上メス2の使用による布縁の切断が不要で、かつ縫製物のガイドとして上メス2を使用して縫製する場合には、作業者は軸体71、第一リンク部72及びカム部73が矢印A方向に回転するように操作部7のハンドル部711を操作して、位置合わせ用マーク712とマーク10bが一致する位置まで回転させ、上メス2をガイド位置に移動させるとともに、上メス駆動部4と上メス2とを解除状態とし、第二形態とする。
また、上メス2による布縁の切断が不要で、かつ縫製物のガイドを使用しないで縫製する場合には、作業者は、軸体71、第一リンク部72及びカム部73がさらに矢印A方向に回転するように操作部7のハンドル部711を操作して、位置合わせ用マーク712とマーク10cが一致する位置まで回転させ、上メス駆動部4と上メス2との解除状態を維持したまま、上メス2を退避位置に移動させて、第三形態とする。
再度、上メス2の使用が必要となると、作業者は軸体71、第一リンク部72及びカム部73が矢印B方向に回転するように操作部7のハンドル部711を操作して、位置合わせ用マーク712とマーク10aが一致する位置まで回転させ、上メス2を突出位置に移動させるとともに、上メス駆動部4と上メス2とを連動状態とし、第一形態とする。
また、第二形態では上メス2が、突出位置であって上メス2の上死点よりも低い位置に配置されるので、ガイドとしても使用しやすくなる。
例えば、かがり幅調整のために上メス2及び下メス1のX方向に移動自在な機構を有するミシンに対しても、本発明の構成は適用可能である。
2 上メス
3 針板
4 ロッド
5 連動切替部
6 上メス位置切替部
7 操作部
8 下メス土台
9 フレーム
10 カバー
11 メス位置調整機構
21 上メスホルダ
22 上メスガイド
23 連結板
24 復帰レバー部
41 ロッド
42 第二リンク部
43 バネ
51 板状部材
52 ローラ
53 長孔
61 切欠(第一規制部)
62 先端部(第二規制部)
71 軸体
72 第一リンク部
73 カム部
74 ピン部
75 コイルバネ
91 ピン部
100 ミシン(オーバーロックミシン)
101 ミシン主軸
221 長孔
411 偏心カム
412 切欠
421 回転軸
422 基部
423 アーム部
425 係合部
711 ハンドル部
Claims (3)
- 針板よりも下方である退避位置又は前記針板よりも上方である突出位置に移動自在とするとともに、前記針板の上方から上下動して下メスとの協働により縫製物を切断可能とした上メスと、
前記上メスを上下動させる上メス駆動部と、
前記上メス駆動部と前記上メスとが連動している連動状態又は前記上メス駆動部と前記上メスとの連動が解除されている解除状態を切り替える連動切替部と、
前記上メスの配置位置を、前記突出位置又は前記退避位置に切り替える上メス位置切替部と、
前記連動切替部が前記連動状態で前記上メス位置切替部が前記上メスの配置位置を前記突出位置とする第一形態と、前記連動切替部が前記解除状態で前記上メス位置切替部が前記上メスの配置位置を前記突出位置とする第二形態と、前記連動切替部が前記解除状態で前記上メス位置切替部が前記上メスの配置位置を前記退避位置とする第三形態とに切り替わるように、前記連動切替部及び前記上メス位置切替部を駆動させる操作部とを備え、
前記第二形態の前記上メスの配置位置が、前記突出位置であって当該上メスの上死点よりも低いガイド位置とし、
前記操作部は、
回転自在な軸体と、
前記軸体とともに回転し、前記上メス位置切替部に係合して当該上メス位置切替部を動作させるカム部と、
前記カム部から所定の間隔を開けて前記軸体に取り付けられ、前記連動切替部を動作させる第一リンク部とを備え、
前記上メス位置切替部は、
前記カム部が係合することにより、前記第二形態の前記上メスの配置位置を前記ガイド位置で規制する第一規制部と、前記第一規制部とは異なる位置に前記カム部が係合することにより前記第三形態の前記上メスの配置位置を前記退避位置で規制する第二規制部とを有することを特徴とするオーバーロックミシン。 - 請求項1に記載のオーバーロックミシンにおいて、
前記上メス位置切替部は、
前記カム部が前記上メス位置切替部と係合しない状態では、前記上メスの配置位置を前記第一形態の前記突出位置に切り替えることを特徴とするオーバーロックミシン。 - 請求項1又は2に記載のオーバーロックミシンにおいて、
前記下メス及び前記上メスの水平方向の位置を調整するメス位置調整機構をさらに備えることを特徴とするオーバーロックミシン。
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